JP7103306B2 - タイヤ成形用金型 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ成形用金型に関する。
従来の空気入りタイヤの中には、雪道や凍った路面での走行性能である氷雪性能や、濡れた路面での走行性能であるウェット性能の向上等を目的として、トレッド部に形成する切り込みである、いわゆるサイプが形成されているものがある。例えば、氷雪路面での走行性能が求められるスタッドレスタイヤでは、トレッド部の踏面の多くのサイプが配置されている。また、空気入りタイヤの製造は、タイヤ周方向に複数のセクターに分割されたタイヤ成形用金型を用いて加硫成形が行われるが、セクターの分割位置では加硫成形時に様々な不具合が発生し易いため、従来のタイヤ成形用金型の中には、このような不具合の解消を図っているものがある。
例えば、特許文献1に記載されたタイヤ加硫用モールドでは、セクターの分割位置に隣接して配置されるサイプ用ブレードに変向点を設け、サイプ用ブレードにおける変向点から他方端までの部分をオリジナル形状よりも分割位置から離れる方向に変化させることにより、サイプ用ブレードの加硫離型時の離脱や破損等を防止している。また、特許文献2に記載されたタイヤ成形金型では、セクターの端部位置におけるサイプ成形ブレードのサイプ体積を、セクターの中央部位置におけるサイプ成形ブレードのサイプ体積よりも大きくすることにより、セクター分割位置付近における陸部の偏摩耗を効果的に抑制している。
特開2012-11690号公報 特開2009-255734号公報
ここで、サイプ用のブレードが、分割された各セクターに配置されるタイヤ成形用金型では、タイヤの加硫成形を行った後にタイヤをモールドから取り出す際に、ブレードに捩れが発生し易くなる。特に、セクターの分割位置付近ではブレードに発生する捩れが大きくなるため、この捩れによってブレードが曲がったり折れたりする等の故障が発生する虞がある。このように、タイヤ周方向に分割された複数のセクターを有し、サイプ用のブレードが配置される従来のタイヤ成形用金型では、セクターの分割位置付近に配置されるブレードに故障が発生し易くなっているため、耐久性の面で改善の余地があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、サイプ用のブレードの耐久性を向上させることのできるタイヤ成形用金型を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るタイヤ成形用金型は、タイヤ周方向に分割される複数のセクターと、前記セクターにおけるトレッド成形面に配置される複数のサイプブレードと、を備え、前記サイプブレードは、所定の配置パターンである繰り返しパターンでタイヤ周方向に繰り返し配置され、1つの前記セクターに配置される複数の前記サイプブレードのうち前記セクター同士の分割位置に最も近い前記サイプブレードである近接サイプブレードの剛性が、前記近接サイプブレードを含む前記繰り返しパターンとは異なる前記繰り返しパターンにおける、前記近接サイプブレードを含む前記繰り返しパターンにおける前記近接サイプブレードの位置と同じ位置の前記サイプブレードであるオリジナル形状ブレードよりも剛性が高いことを特徴とする。
また、上記タイヤ成形用金型において、前記近接サイプブレードは、最大高さが前記オリジナル形状ブレードの最大高さより低いことが好ましい。
また、上記タイヤ成形用金型において、前記近接サイプブレードの最大高さH1と、前記オリジナル形状ブレードの最大高さH2との比が、0.3≦(H1/H2)≦0.8の範囲内であることが好ましい。
また、上記タイヤ成形用金型において、前記近接サイプブレードは、前記近接サイプブレードの長さLと幅Wと最大高さH1との積であるサイプ体積Vと、最大高さH1との関係が、V∝H1であることが好ましい。
また、上記タイヤ成形用金型において、前記近接サイプブレードと前記オリジナル形状ブレードとは、前記近接サイプブレードの屈曲点の数A1と、前記オリジナル形状ブレードの屈曲点の数A2との関係が、A2<A1であることが好ましい。
また、上記タイヤ成形用金型において、前記近接サイプブレードと前記オリジナル形状ブレードとは、前記近接サイプブレードの材質強度S1と、前記オリジナル形状ブレードの材質強度S2との関係が、S2<S1であることが好ましい。
また、上記タイヤ成形用金型において、前記近接サイプブレードと前記オリジナル形状ブレードとは、前記近接サイプブレードの表面粗さR1と、前記オリジナル形状ブレードの表面粗さR2との関係が、R2>R1であることが好ましい。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本実施形態に係る空気入りタイヤは、上記タイヤ成形用金型を用いて加硫したことを特徴とする。
本発明に係るタイヤ成形用金型は、サイプ用のブレードの耐久性を向上させることができる、という効果を奏する。
図1は、実施形態に係る空気入りタイヤのトレッド部の踏面を示す平面図である。 図2は、実施形態に係る空気入りタイヤを製造するタイヤ成形用金型の説明図である。 図3は、図2のA-A矢視図であり、セクターが連結している状態の説明図である。 図4は、図3のB-B断面図であり、近接サイプブレードの高さについての説明図である。 図5は、図3のC-C断面図であり、オリジナル形状ブレードの高さについての説明図である。 図6は、図4のD-D矢視図である。 図7は、図2に示すタイヤ成形用金型を用いたタイヤ製造方法を示す説明図である。 図8は、加硫成形後の空気入りタイヤ1からタイヤ成形用金型を取り外す前の状態を示す説明図である。 図9は、加硫成形後の空気入りタイヤからタイヤ成形用金型を取り外す状態を示す説明図である。 図10は、実施形態に係るタイヤ成形用金型の変形例であり、近接サイプブレードの平面模式図である。 図11は、実施形態に係るタイヤ成形用金型の変形例であり、オリジナル形状ブレードの平面模式図である。 図12は、タイヤ成形用金型の性能評価試験の結果を示す図表である。
以下に、本発明に係るタイヤ成形用金型の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易に想到できるもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
以下の説明において、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤ1の回転軸(図示省略)と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、回転軸を中心軸とする周り方向をいう。また、タイヤ幅方向とは、回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面(タイヤ赤道線)CLに向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから離れる側をいう。タイヤ赤道面CLとは、空気入りタイヤ1の回転軸に直交すると共に、空気入りタイヤ1のタイヤ幅の中心を通る平面であり、タイヤ赤道面CLは、空気入りタイヤ1のタイヤ幅方向における中心位置であるタイヤ幅方向中心線と、タイヤ幅方向における位置が一致する。タイヤ幅は、タイヤ幅方向において最も外側に位置する部分同士のタイヤ幅方向における幅、つまり、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから最も離れている部分間の距離である。タイヤ赤道線とは、タイヤ赤道面CL上にあって空気入りタイヤ1のタイヤ周方向に沿う線をいう。
[空気入りタイヤ]
図1は、実施形態に係る空気入りタイヤ1のトレッド部2の踏面3を示す平面図である。図1に示す空気入りタイヤ1は、タイヤ径方向の最も外側となる部分にトレッド部2が配設されており、トレッド部2の表面、即ち、当該空気入りタイヤ1を装着する車両(図示省略)の走行時に路面と接触する部分は、踏面3として形成されている。踏面3には複数の溝10が形成されており、複数の溝10によって複数の陸部15が区画されている。溝10としては、例えば、タイヤ周方向に延びる複数の周方向溝11と、タイヤ幅方向に延びる複数のラグ溝12とが形成されている。本実施形態では、ラグ溝12は、タイヤ幅方向に延びつつタイヤ周方向に傾斜しており、周方向溝11は、タイヤ周方向に隣り合うラグ溝12同士の間に亘って形成されており、陸部15は、これらの周方向溝11やラグ溝12によって、ブロック状に形成されている。
また、踏面3には、複数のサイプ20が形成されている。ここでいうサイプ20は、踏面3に細溝状に形成されるものであり、空気入りタイヤ1を正規リムにリム組みし、正規内圧の内圧条件で、無負荷時には細溝を構成する壁面同士が接触しないが、平板上で垂直方向に負荷させたときの平板上に形成される接地面の部分に細溝が位置する際、または細溝が形成される陸部15の倒れ込み時には、当該細溝を構成する壁面同士、或いは壁面に設けられる部位の少なくとも一部が、陸部15の変形によって互いに接触するものをいう。正規リムとは、JATMAで規定する「標準リム」、TRAで規定する「Design Rim」、或いは、ETRTOで規定する「Measuring Rim」である。また、正規内圧とは、JATMAで規定する「最高空気圧」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、或いはETRTOで規定する「INFLATION PRESSURES」である。
サイプ20は、所定の深さでタイヤ幅方向に延びて形成されており、溝10によって区画される各陸部15に設けられている。サイプ20は、タイヤ幅方向に延びつつタイヤ周方向に屈曲するものを含んでおり、サイプ20によって形態が異なっている。また、サイプ20は、所定の配置パターンである繰り返しパターンPrで、タイヤ周方向に繰り返し配置されている。この場合における繰り返しパターンPrは、複数のサイプ20が組み合わされることによって構成されるものであり、各繰り返しパターンPrは、繰り返しパターンPrを構成するサイプ20の形状や本数、サイプ20同士の相対的な位置関係が、同等になっている。本実施形態では、繰り返しパターンPrは、タイヤ周方向における長さがラグ溝12の2本分の間隔と同じ長さとなる範囲に配置される複数のサイプ20が、1つの繰り返しパターンPrになっている。
また、トレッド部2の踏面3には、スタッドピン(図示省略)を配置するための孔であるピン孔30が形成されている。ピン孔30は、サイプ20の繰り返しパターンPr等のトレッドパターンとは関係なく、踏面3に複数が形成されている。
[タイヤ成形用金型]
次に、実施形態に係るタイヤ成形用金型100について説明する。なお、以下の説明では、空気入りタイヤ1のタイヤ径方向を、タイヤ成形用金型100においてもタイヤ径方向として説明し、空気入りタイヤ1のタイヤ幅方向を、タイヤ成形用金型100においてもタイヤ幅方向として説明し、空気入りタイヤ1のタイヤ周方向を、タイヤ成形用金型100においてもタイヤ周方向として説明する。
図2は、実施形態に係る空気入りタイヤ1を製造するタイヤ成形用金型100の説明図である。タイヤ成形用金型100は、図2に示すように、分割型のタイヤ成形用金型100である、いわゆるセクターモールドとして構成されており、タイヤ周方向に分割される複数のセクター101を相互に連結して成る環状構造を有している。なお、図2では、タイヤ成形用金型100が8つのセクター101から成る8分割構造の形態を図示しているが、タイヤ成形用金型100の分割数は、これに限定されない。
1つのセクター101は、製品となる空気入りタイヤ1のトレッド部2の成形を行う複数のピース103と、これらのピース103を相互に隣接させて装着するバックブロック104とを備える。1つのピース103は、一定のピッチまたは任意のピッチで分割されたトレッドパターンの一部分に対応し、トレッドパターンの一部分を形成するためのトレッド成形面102を有している。1つのセクター101は、タイヤ周方向及びタイヤ幅方向に、それぞれ複数のピース103を有しており(図示省略)、複数のピース103が集合することにより、1つのセクター101のトレッド成形面102が構成される。換言すると、1つのセクター101が有するピース103は、複数のピース103に分割されている。
バックブロック104は、複数のピース103を所定の配列で装着して保持する。これにより、1つのセクター101が構成される。
タイヤ成形用金型100は、これらのように構成されるセクター101が複数用いられ、複数のセクター101が環状に連結されることにより構成される。タイヤ成形用金型100は、このように複数のセクター101が環状に連結されることにより、各セクター101のトレッド成形面102が集合し、トレッドパターン全体のトレッド成形面102が構成される。
図3は、図2のA-A矢視図であり、セクター101が連結している状態の説明図である。各セクター101におけるトレッド成形面102には、空気入りタイヤ1のトレッド部2に周方向溝11を形成する周方向溝成形骨115と、ラグ溝12を形成するラグ溝成形骨116と、ピン孔30を形成するピン孔形成ピン117と、サイプ20を形成するサイプブレード120とが、それぞれ複数配置されている。このうち、周方向溝成形骨115とラグ溝成形骨116とは、トレッド成形面102から突出するリブ状の形状で形成されており、サイプブレード120は、金属材料からなる板状の部材として形成されている。サイプブレード120を形成する金属材料としては、例えば、ステンレスが用いられる。
また、サイプブレード120は、トレッド部2に形成されるサイプ20と同じ数でトレッド成形面102に配置されており、各サイプブレード120は、トレッド成形面102における、トレッド部2においてサイプ20が配置される位置に対応する位置に配置されている。このため、サイプブレード120は、空気入りタイヤ1のトレッド部2に形成されるサイプ20と同様に、所定の配置パターンである繰り返しパターンPrでタイヤ周方向に繰り返し配置されている。
1つのセクター101に配置される複数のサイプブレード120のうち、セクター101同士の分割位置101aに最も近いサイプブレード120である近接サイプブレード121は、剛性が、オリジナル形状ブレード122の剛性よりも高くなっている。この場合におけるセクター101同士の分割位置101aは、セクター101のタイヤ周方向における端部であり、タイヤ周方向に隣り合うセクター101同士が連結される位置になっている。また、近接サイプブレード121は、典型的には、分割位置101aからの距離が10mmの範囲内に配置される。
また、この場合におけるオリジナル形状ブレード122は、近接サイプブレード121を含む繰り返しパターンPrとは異なる繰り返しパターンPrにおける、近接サイプブレード121を含む繰り返しパターンPrにおける近接サイプブレード121の位置と同じ位置のサイプブレード120になっている。つまり、オリジナル形状ブレード122は、近接サイプブレード121を含む繰り返しパターンPrとは異なる繰り返しパターンPrにおいて、近接サイプブレード121を含む繰り返しパターンPr内での近接サイプブレード121の位置に対応する位置に配置されるサイプブレード120になっている。
なお、近接サイプブレード121を含む繰り返しパターンPrとは異なる繰り返しパターンPrにおける、近接サイプブレード121を含む繰り返しパターンPrにおける近接サイプブレード121の位置と同じ位置のサイプブレード120が、当該近接サイプブレード121とは異なる他の近接サイプブレード121に該当する場合には、オリジナル形状ブレード122には、さらに別の繰り返しパターンPrにおける、近接サイプブレード121を含む繰り返しパターンPrにおける近接サイプブレード121の位置と同じ位置のサイプブレード120が用いられるのが好ましい。
図4は、図3のB-B断面図であり、近接サイプブレード121の高さについての説明図である。図5は、図3のC-C断面図であり、オリジナル形状ブレード122の高さについての説明図である。近接サイプブレード121は、トレッド成形面102からのタイヤ径方向における最大高さH1が、オリジナル形状ブレード122の、トレッド成形面102からのタイヤ径方向における最大高さH2より低くなっている。具体的には、近接サイプブレード121とオリジナル形状ブレード122とは、近接サイプブレード121の最大高さH1と、オリジナル形状ブレード122の最大高さH2との比が、0.3≦(H1/H2)≦0.8の範囲内になっている。近接サイプブレード121は、このように最大高さH1がオリジナル形状ブレード122の最大高さH2よりも低いことにより、剛性がオリジナル形状ブレード122も高くなっている
なお、本実施形態では、サイプブレード120の、トレッド成形面102からのタイヤ径方向における高さは、1mm以上15mm以下の範囲内になっている。このため、近接サイプブレード121の最大高さH1と、オリジナル形状ブレード122の最大高さH2とのいずれも、1mm以上15mm以下の範囲内になっている。
図6は、図4のD-D矢視図である。近接サイプブレード121は、近接サイプブレード121の体積であるサイプ体積Vと、最大高さH1との関係が、V∝H1になっている。つまり、近接サイプブレード121は、サイプ体積Vと最大高さH1とが、比例関係になっている。この場合におけるサイプ体積Vは、近接サイプブレード121の長さLと幅Wと最大高さH1との積になっている。近接サイプブレード121の長さLは、近接サイプブレード121を高さ方向に見た場合における、近接サイプブレード121の延在方向に沿った方向、或いは、近接サイプブレード121の形状に沿った長さになっている。
なお、本実施形態では、サイプブレード120の厚さは、0.2mm以上1.0mm以下の範囲内になっている。このため、近接サイプブレード121と幅Wも0.2mm以上1.0mm以下の範囲内になっている。
[タイヤ製造方法]
次に、実施形態に係るタイヤ成形用金型100を用いた空気入りタイヤ1の製造方法について説明する。図7は、図2に示すタイヤ成形用金型100を用いたタイヤ製造方法を示す説明図である。図7は、図2に示すタイヤ成形用金型100を備える金型支持装置105の軸方向断面図を示している。本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、以下の製造工程により製造される。
まず、空気入りタイヤ1を構成する各種ゴム部材(図示省略)や、カーカスプライ(図示省略)やベルトプライ(図示省略)等の各部材が成形機にかけられて、グリーンタイヤGが成形される。次に、このグリーンタイヤGが、金型支持装置105に装着される(図7参照)。
図7において、金型支持装置105は、支持プレート106と、外部リング107と、セグメント109と、上部プレート110及びベースプレート112と、上型サイドモールド111及び下型サイドモールド113と、タイヤ成形用金型100とを備える。支持プレート106は、円盤形状を有し、平面を水平にして配置される。外部リング107は、径方向内側のテーパ面108を有する環状構造体であり、支持プレート106の外周縁下部に吊り下げられて設置される。セグメント109は、タイヤ成形用金型100の各セクター101に対応する分割可能な環状構造体であり、外部リング107に挿入されて外部リング107のテーパ面108に対して軸方向に摺動可能に配置される。上部プレート110は、外部リング107の内側で、且つ、セグメント109と支持プレート106との間にて、軸方向に昇降可能に設置される。ベースプレート112は、支持プレート106の下方で、且つ、軸方向における支持プレート106の反対側の位置に配置される。
上型サイドモールド111及び下型サイドモールド113は、空気入りタイヤ1のタイヤ幅方向における両側面の形状であるサイドプロファイルの成形面を有する。また、上型サイドモールド111と下型サイドモールド113とは、上型サイドモールド111が上部プレート110の下面側に取り付けられ、下型サイドモールド113がベースプレート112の上面側に取り付けられると共に、それぞれの成形面を相互に対向させて配置される。タイヤ成形用金型100は、上記のように、トレッドプロファイルを成形可能なトレッド成形面102をもつ分割可能な環状構造(図2参照)を有する。また、タイヤ成形用金型100は、各セクター101が、対応するセグメント109の内周面に取り付けられ、トレッド成形面102を、上型サイドモールド111や下型サイドモールド113の成形面が位置する側に向けて配置される。
次に、グリーンタイヤGが、タイヤ成形用金型100の成形面と上型サイドモールド111及び下型サイドモールド113の成形面との間に装着される。このとき、支持プレート106が軸方向下方に移動することにより、外部リング107が支持プレート106と共に軸方向下方に移動し、外部リング107のテーパ面108がセグメント109を径方向内側に押し出す。すると、タイヤ成形用金型100が縮径して、タイヤ成形用金型100の各セクター101の成形面が環状に接続し、また、タイヤ成形用金型100の成形面全体と下型サイドモールド113の成形面とが接続する。また、上部プレート110が軸方向下方に移動することにより、上型サイドモールド111が下降して、上型サイドモールド111と下型サイドモールド113との間隔が狭まる。すると、タイヤ成形用金型100の成形面全体と上型サイドモールド111の成形面とが接続する。これにより、グリーンタイヤGが、タイヤ成形用金型100の成形面、上型サイドモールド111の成形面及び下型サイドモールド113の成形面に囲まれて保持される。
次に、加硫前のタイヤであるグリーンタイヤGが加硫成形される。具体的には、タイヤ成形用金型100が加熱され、加圧装置(図示省略)によりグリーンタイヤGが径方向外方に拡張されてタイヤ成形用金型100のトレッド成形面102に押圧される。そして、グリーンタイヤGが加熱されることにより、トレッド部2のゴム分子と硫黄分子とが結合して加硫が行われる。すると、タイヤ成形用金型100のトレッド成形面102がグリーンタイヤGに転写されて、トレッド部2にトレッドパターンが成形される。
その後に、加硫成形後のタイヤが、製品となる空気入りタイヤ1である製品タイヤとして取得される。このとき、支持プレート106及び上部プレート110が軸方向上方に移動することにより、タイヤ成形用金型100、上型サイドモールド111及び下型サイドモールド113が離間して、金型支持装置105が開く。金型支持装置105が開いたら、加硫成形後のタイヤと共にタイヤ成形用金型100をタイヤが金型支持装置105から取り出す。
図8は、加硫成形後の空気入りタイヤ1からタイヤ成形用金型100を取り外す前の状態を示す説明図である。タイヤ成形用金型100を用いて行う空気入りタイヤ1の加硫成形時には、タイヤ成形用金型100によってトレッド部2の成形を行うため、加硫成形が行われた直後は、空気入りタイヤ1のトレッド部2にタイヤ成形用金型100が取り付けられた状態になっている(図8参照)。即ち、タイヤ成形用金型100は、複数のセクター101が環状に連結された状態で、加硫成形が行われた直後は空気入りタイヤ1のトレッド部2に取り付けられている。空気入りタイヤ1の加硫成形が完了し、タイヤ成形用金型100をタイヤが金型支持装置105から取り出したら、環状に連結されて空気入りタイヤ1のトレッド部2に取り付けられている複数のセクター101を、それぞれ空気入りタイヤ1から取り外す。これにより、タイヤ成形用金型100を空気入りタイヤ1から取り外す。
図9は、加硫成形後の空気入りタイヤ1からタイヤ成形用金型100を取り外す状態を示す説明図である。複数のセクター101を空気入りタイヤ1から取り外す際には、各セクター101をそれぞれタイヤ径方向外側に移動させ、空気入りタイヤ1のトレッド部2から離間させる。これにより、タイヤ成形用金型100を空気入りタイヤ1から取り外す。ここで、空気入りタイヤ1の加硫成形時には、タイヤ成形用金型100のセクター101のトレッド成形面102に複数配置されるサイプブレード120によって、トレッド部2の踏面3に複数のサイプ20が形成される。タイヤ成形用金型100のセクター101をタイヤ径方向外側に移動させることにより、セクター101を空気入りタイヤ1から取り外す際には、セクター101に複数配置されるサイプブレード120が、空気入りタイヤ1のトレッド部2に形成されたサイプ20から抜き取られる。
ここで、セクター101のトレッド成形面102に配置されるサイプブレード120は、トレッド成形面102から概ねタイヤ径方向内側に向かって延びている。一方、セクター101を空気入りタイヤ1から取り外す際には、タイヤ径方向外側に向かって移動させる。このため、1つのセクター101に配置される複数のサイプブレード120のうち、タイヤ周方向におけるセクター101の中央付近の位置に配置されるサイプブレード120は、サイプブレード120がトレッド成形面102から延びる方向が、セクター101を移動させる方向に近い方向になる。
これに対し、1つのセクター101に配置される複数のサイプブレード120のうち、セクター101の分割位置101aの近傍に配置されるサイプブレード120は、サイプブレード120がトレッド成形面102から延びる方向が、セクター101を移動させる方向に対して傾斜する状態になる。つまり、セクター101を空気入りタイヤ1から取り外す際には、1つのセクター101を一体で移動させるため、セクター101を移動させる方向は、セクター101の分割位置101aの近傍においても、タイヤ周方向におけるセクター101の中央付近の位置をタイヤ径方向外側に移動させる方向になる。このため、セクター101を空気入りタイヤ1から取り外す際におけるセクター101の分割位置101aの移動方向は、タイヤ径方向とは異なる方向になるため、セクター101を空気入りタイヤ1から取り外す際に、セクター101の分割位置101aの近傍に配置されるサイプブレード120が移動する方向と、当該サイプブレード120がトレッド成形面102から延びる方向とは、異なる方向になる。
セクター101を空気入りタイヤ1から取り外す際におけるサイプブレード120の移動方向と、当該サイプブレード120がトレッド成形面102から延びる方向とが異なる方向である場合、サイプブレード120の移動方向は、当該サイプブレード120によって形成したサイプ20の深さ方向とは異なる方向になる。この場合、サイプブレード120には、セクター101を移動させる際における力が、サイプ20の深さ方向とは異なる方向に作用することになるため、サイプ20を形成するゴム部材から大きな反力がサイプブレード120に作用することになる。セクター101を空気入りタイヤ1から取り外す際には、セクター101の分割位置101aの近傍に配置されるサイプブレード120は、このようにサイプ20を形成するゴム部材から反力が作用するため、この反力によって、サイプブレード120が曲がったり折れたりする等の故障が発生し易くなる。
セクター101の分割位置101aの近傍に配置されるサイプブレード120は、セクター101を取り外す際に、このように故障が発生し易くなるが、本実施形態に係るタイヤ成形用金型100では、セクター101の分割位置101aの近傍に配置される近接サイプブレード121は、オリジナル形状ブレード122よりも剛性が高くなっている。このため、セクター101を空気入りタイヤ1から取り外す際における力が、近接サイプブレード121によって形成したサイプ20の深さ方向とは異なる方向に作用し、当該サイプ20を形成するゴム部材からの反力が近接サイプブレード121に対して作用する場合でも、この反力によって近接サイプブレード121が故障することを抑制することができる。この結果、サイプブレード120の耐久性を向上させることができる。
また、近接サイプブレード121は、最大高さH1がオリジナル形状ブレード122の最大高さH2より低くなっているため、近接サイプブレード121の剛性を、オリジナル形状ブレード122の剛性より、より確実に高めることができる。また、近接サイプブレード121の最大高さH1が、オリジナル形状ブレード122の最大高さH2より低いため、セクター101を空気入りタイヤ1から取り外す際に、近接サイプブレード121を、より早期にサイプ20から引き抜くことができる。これにより、サイプ20を形成するゴム部材から近接サイプブレード121に対して反力が作用する時間を短くすることができる。従って、セクター101を空気入りタイヤ1から取り外す際に近接サイプブレード121に作用する力によって、近接サイプブレード121が折れ曲がる等の近接サイプブレード121の故障を、より確実に抑制することができる。この結果、より確実にサイプブレード120の耐久性を向上させることができる。
また、近接サイプブレード121の最大高さH1と、オリジナル形状ブレード122の最大高さH2との比が、0.3≦(H1/H2)≦0.8の範囲内であるため、氷雪性能やウェット性能をより確実に確保することのできるサイプ20の形成を可能とすると共に、より確実にサイプブレード120の耐久性を向上させることができる。つまり、近接サイプブレード121の最大高さH1と、オリジナル形状ブレード122の最大高さH2との比が、(H1/H2)<0.3である場合は、近接サイプブレード121の最大高さH1が低過ぎるため、近接サイプブレード121によって形成するサイプ20の深さが浅くなり過ぎる虞がある。サイプ20は、氷雪性能やウェット性能の確保に寄与するが、サイプ20の深さが浅過ぎる場合、氷雪性能やウェット性能を確保し難くなる虞がある。また、近接サイプブレード121によって形成するサイプ20の深さが浅過ぎる場合、他のサイプ20と比較して早期に摩耗し易くなるため、見栄えが悪化する虞がある。また、近接サイプブレード121の最大高さH1と、オリジナル形状ブレード122の最大高さH2との比が、(H1/H2)>0.8である場合は、近接サイプブレード121の最大高さH1が高過ぎるため、近接サイプブレード121の剛性を、オリジナル形状ブレード122の剛性より高め難くなる虞がある。また、近接サイプブレード121の最大高さH1が高過ぎる場合は、セクター101を空気入りタイヤ1から取り外す際に、近接サイプブレード121をサイプ20から早期に引き抜き難くなる虞があり、サイプ20を形成するゴム部材から近接サイプブレード121に対して反力が作用する時間を短くし難くなる虞がある。
これに対し、近接サイプブレード121の最大高さH1と、オリジナル形状ブレード122の最大高さH2との比が、0.3≦(H1/H2)≦0.8の範囲内である場合は、近接サイプブレード121によって形成するサイプ20の深さを確保することができるため、氷雪性能やウェット性能をより確実に確保することができ、また、トレッド部2の摩耗時に見栄えが悪化することを抑制することができる。さらに、近接サイプブレード121の剛性を、より確実にオリジナル形状ブレード122の剛性より高めることができ、また、セクター101を空気入りタイヤ1から取り外す際に、サイプ20を形成するゴム部材から近接サイプブレード121に対して反力が作用する時間を短くすることができるため、近接サイプブレード121の故障を、より確実に抑制することができる。これらの結果、氷雪性能やウェット性能をより確実に確保することのできるサイプ20の形成を可能とすると共に、より確実にサイプブレード120の耐久性を向上させることができる。
また、近接サイプブレード121は、サイプ体積Vと最大高さH1との関係が、V∝H1であるため、近接サイプブレード121の剛性をよる確実に高めることができる。つまり、近接サイプブレード121は、サイプ体積Vと最大高さH1とが比例関係になっているため、近接サイプブレード121は、長さLが短く、幅Wが狭いものほど、最大高さH1も低くなる。これにより、近接サイプブレード121の剛性を、オリジナル形状ブレード122の剛性よりよる確実に高めることができ、近接サイプブレード121の折れ曲がりをより確実に抑制することができる。この結果、より確実にサイプブレード120の耐久性を向上させることができる。
[変形例]
なお、上述した実施形態では、近接サイプブレード121とオリジナル形状ブレード122とは、最大高さ以外は同じ形状で形成されているが、最大高さ以外の形状が異なっていてもよい。図10は、実施形態に係るタイヤ成形用金型100の変形例であり、近接サイプブレード121の平面模式図である。図11は、実施形態に係るタイヤ成形用金型100の変形例であり、オリジナル形状ブレード122の平面模式図である。近接サイプブレード121とオリジナル形状ブレード122とは、近接サイプブレード121の屈曲点121aの数A1と、オリジナル形状ブレード122の屈曲点122aの数A2とが異なっていてもよい。この場合、近接サイプブレード121の屈曲点121aの数A1と、オリジナル形状ブレード122の屈曲点122aの数A2との関係が、A2<A1であるのが好ましい。
例えば、図10、図11に示すように、近接サイプブレード121の屈曲点121aの数A1は3つで、オリジナル形状ブレード122の屈曲点122aの数A2が1つである等、近接サイプブレード121の屈曲点121aの数A1は、オリジナル形状ブレード122の屈曲点122aの数A2より多い方が好ましい。近接サイプブレード121の屈曲点121aの数A1を、オリジナル形状ブレード122の屈曲点122aの数A2より多くすることにより、近接サイプブレード121の剛性を、オリジナル形状ブレード122の剛性よりよる確実に高めることができる。これにより、近接サイプブレード121の折れ曲がり等の近接サイプブレード121の故障を、より確実に抑制することができる。この結果、より確実にサイプブレード120の耐久性を向上させることができる。
なお、近接サイプブレード121の屈曲点121aの数A1やオリジナル形状ブレード122の屈曲点122aの数A2は、1以上10以下の範囲内であるの好ましい。
また、上述した実施形態では、タイヤ成形用金型100が有する複数のサイプブレード120は、全て同じ材質になっているが、必要に応じてサイプブレード120間で材質を異ならせてもよい。例えば、近接サイプブレード121の材質強度S1と、オリジナル形状ブレード122の材質強度S2との関係が、S2<S1となるように、近接サイプブレード121とオリジナル形状ブレード122とで材質を異ならせてもよい。この場合における近接サイプブレード121の材質強度S1やオリジナル形状ブレード122の材質強度S2は、例えば、近接サイプブレード121やオリジナル形状ブレード122を形成する材料の引張強さや硬さが挙げられる。このため、近接サイプブレード121とオリジナル形状ブレード122とで比較する材質強度として、例えば引張強さを用いる場合は、近接サイプブレード121を形成する材料の引張強さが、オリジナル形状ブレード122を形成する材料の引張強さよりも大きくなるのが好ましい。
このように、近接サイプブレード121の材質強度S1と、オリジナル形状ブレード122の材質強度S2との関係が、S2<S1となることにより、近接サイプブレード121の剛性を、オリジナル形状ブレード122の剛性よりよる確実に高めることができる。これにより、近接サイプブレード121の折れ曲がり等の近接サイプブレード121の故障を、より確実に抑制することができる。この結果、より確実にサイプブレード120の耐久性を向上させることができる。
また、近接サイプブレード121とオリジナル形状ブレード122とは、近接サイプブレード121の表面粗さR1と、オリジナル形状ブレード122の表面粗さR2との関係が、R2>R1であるのが好ましい。この場合における近接サイプブレード121の表面粗さR1と、オリジナル形状ブレード122の表面粗さR2としては、例えば、いわゆる算術平均粗さRaが用いられる。近接サイプブレード121の表面粗さR1が、オリジナル形状ブレード122の表面粗さR2より小さいことにより、近接サイプブレード121をサイプ20から引き抜く際における摩擦抵抗を、オリジナル形状ブレード122をサイプ20から引き抜く際における摩擦抵抗より小さくすることができる。これにより、加硫成形後の空気入りタイヤ1からタイヤ成形用金型100のセクター101を取り外す際に、近接サイプブレード121をサイプ20から容易に引き抜くことができ、サイプ20を形成するゴム部材から近接サイプブレード121に対して反力が作用しても、近接サイプブレード121の折れ曲がり等の故障を、より確実に抑制することができる。この結果、より確実にサイプブレード120の耐久性を向上させることができる。
また、サイプ20は、サイプ20の長さ方向における両端部が陸部15内で終端するクローズドサイプであってもよく、サイプ20の長さ方向における両端部が溝10に開口するオープンサイプであってもよく、サイプ20の長さ方向における一端が陸部15内で終端し、他端が溝10に開口するセミクローズドサイプであってもよい。また、空気入りタイヤ1のトレッド部2には、ピン孔30は形成されていなくてもよく、即ち、タイヤ成形用金型100には、ピン孔形成ピン117が設けられていなくてもよい。また、タイヤ成形用金型100によって加硫成形を行う空気入りタイヤ1のトレッドパターンは、実施形態で示したものにとらわれない。
[実施例]
図12は、タイヤ成形用金型の性能評価試験の結果を示す図表である。以下、上記のタイヤ成形用金型100について、従来例のタイヤ成形用金型と、本発明に係るタイヤ成形用金型100とについて行なった性能の評価試験について説明する。性能評価試験は、タイヤ成形用金型の耐久性についての試験を行った。
性能評価試験は、JATMAで規定されるタイヤの呼びが205/55R16 94Tサイズの空気入りタイヤ1を、タイヤ成形用金型を用いて加硫成形した際におけるタイヤ成形用金型の耐久性を評価することにより行った。タイヤ成形用金型の耐久性の評価方法は、空気入りタイヤ1の加硫成形を行った後、曲がりが発生し易い近接サイプブレード121の曲がりを確認し、5°以上曲がっている近接サイプブレード121の手直しを行うと共に手直しを行った近接サイプブレード121の数を測定する。さらに、5000回加硫成形を行った後、手直しを行った近接サイプブレード121の総計を算出し、算出した総計の逆数を、後述する従来例を100とする指数で表した。この数値が大きいほど、手直しを行った近接サイプブレード121の数が少なく、金型耐久性に優れていることを示している。
性能評価試験は、従来のタイヤ成形用金型の一例である従来例のタイヤ成形用金型と、本発明に係るタイヤ成形用金型100である実施例8、参考例1~7との9種類のタイヤ成形用金型について行った。このうち、従来例は、近接サイプブレード121の剛性が、オリジナル形状ブレード122の剛性と同程度になっている。
これに対し、本発明に係るタイヤ成形用金型100の一例である実施例8、近接サイプブレード121の剛性が、オリジナル形状ブレード122の剛性よりも高くなっている。さらに、実施例8と、参考例1~7に係るタイヤ成形用金型100は、近接サイプブレード121の最大高さH1や、オリジナル形状ブレード122の最大高さH2に対する近接サイプブレード121の最大高さH1の比(H1/H2)、近接サイプブレード121のサイプ体積Vと最大高さH1とが比例関係であるか否か、近接サイプブレード121の屈曲点121aの数A1とオリジナル形状ブレード122の屈曲点122aの数A2との相対関係、近接サイプブレード121の材質強度S1とオリジナル形状ブレード122の材質強度S2との相対関係、近接サイプブレード121の表面粗さR1とオリジナル形状ブレード122の表面粗さR2との相対関係が、それぞれ異なっている。
なお、本性能評価試験における、近接サイプブレード121の材質強度S1とオリジナル形状ブレード122の材質強度S2との相対関係は、近接サイプブレード121を形成する部材の引張強さと、オリジナル形状ブレード122を形成する部材の引張強さとの相対関係になっている。
これらのタイヤ成形用金型100を用いて性能評価試験を行った結果、図12に示すように、実施例8に係るタイヤ成形用金型100は、従来例に対して、近接サイプブレード121に曲がりが発生することを抑制し、近接サイプブレード121の耐久性を向上させることができることが分かった。つまり、実施例8に係るタイヤ成形用金型100は、サイプブレード120の耐久性を向上させることができる。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 踏面
10 溝
11 周方向溝
12 ラグ溝
15 陸部
20 サイプ
30 ピン孔
100 タイヤ成形用金型
101 セクター
101a 分割位置
102 トレッド成形面
103 ピース
104 バックブロック
105 金型支持装置
115 周方向溝成形骨
116 ラグ溝成形骨
117 ピン孔形成ピン
120 サイプブレード
121 近接サイプブレード
121a、122a 屈曲点
122 オリジナル形状ブレード

Claims (6)

  1. タイヤ周方向に分割される複数のセクターと、
    前記セクターにおけるトレッド成形面に配置される複数のサイプブレードと、
    を備え、
    前記サイプブレードは、所定の配置パターンである繰り返しパターンでタイヤ周方向に繰り返し配置され、1つの前記セクターに配置される複数の前記サイプブレードのうち前記セクター同士の分割位置に最も近い前記サイプブレードである近接サイプブレードの剛性が、前記近接サイプブレードを含む前記繰り返しパターンとは異なる前記繰り返しパターンにおける、前記近接サイプブレードを含む前記繰り返しパターンにおける前記近接サイプブレードの位置と同じ位置の前記サイプブレードであるオリジナル形状ブレードよりも剛性が高く、
    前記近接サイプブレードと前記オリジナル形状ブレードとは、前記近接サイプブレードの表面粗さR1と、前記オリジナル形状ブレードの表面粗さR2との関係が、R2>R1であることを特徴とするタイヤ成形用金型。
  2. 前記近接サイプブレードは、最大高さが前記オリジナル形状ブレードの最大高さより低い請求項1に記載のタイヤ成形用金型。
  3. 前記近接サイプブレードの最大高さH1と、前記オリジナル形状ブレードの最大高さH2との比が、0.3≦(H1/H2)≦0.8の範囲内である請求項1または2に記載のタイヤ成形用金型。
  4. 前記近接サイプブレードは、前記近接サイプブレードの長さLと幅Wと最大高さH1との積であるサイプ体積Vと、最大高さH1との関係が、V∝H1である請求項1~3のいずれか1項に記載のタイヤ成形用金型。
  5. 前記近接サイプブレードと前記オリジナル形状ブレードとは、前記近接サイプブレードの屈曲点の数A1と、前記オリジナル形状ブレードの屈曲点の数A2との関係が、A2<A1である請求項1~4のいずれか1項に記載のタイヤ成形用金型。
  6. 前記近接サイプブレードと前記オリジナル形状ブレードとは、前記近接サイプブレードの材質強度S1と、前記オリジナル形状ブレードの材質強度S2との関係が、S2<S1である請求項1~5のいずれか1項に記載のタイヤ成形用金型。
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