JP2020185752A - タイヤ成形用金型、サイプブレード、空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

タイヤ成形用金型、サイプブレード、空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】サイプ壁面を連結する連結部材を破損することなくブレードを抜き取ること。【解決手段】空気入りタイヤ1のトレッド部2にサイプ20を形成する外側ブレード121と、トレッド部2にサイプ20を形成すると共に、外側ブレード121に対してスライド自在に連結される内側ブレード125と、を備えるサイプブレード120を有し、外側ブレード121には、内側ブレード125が配置される内側ブレード配置部122が形成され、内側ブレード125には、内側ブレード配置部122に配置される状態において、サイプ20内に連結部材25を形成する切欠き部140が形成され、内側ブレード125は、内側ブレード配置部122に配置される状態と、内側ブレード配置部122の外に位置する状態との間で外側ブレード121に対してスライドすると共に、内側ブレード配置部122の外に位置する状態では外側ブレード121に対して回動可能である。【選択図】図17

Description

本発明は、タイヤ成形用金型、サイプブレード、空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法に関する。
従来の空気入りタイヤの中には、雪道や凍った路面での走行性能である氷雪性能や、濡れた路面での走行性能であるウェット性能の向上等を目的として、トレッド部に形成する切り込みである、いわゆるサイプが形成されているものがある。例えば、氷雪路面での走行性能が求められるスタッドレスタイヤでは、トレッド部の踏面の多くのサイプが配置されている。しかし、サイプが多く配置されると、ブロック剛性が低下するため、空気入りタイヤの成形に用いる製造装置の中には、サイプを形成するためのブレードを工夫することにより、サイプの内部に、サイプの壁面同士の間に亘って形成される部材を設けてブロック剛性の確保を可能としているものがある。
例えば、特許文献1に記載されたタイヤの製造装置では、サイプを形成するブレードに可動部材と支持部材とを設け、可動部材が有する切欠き部によりサイプに溝内陸部を形成し、可動部材を回転させることにより、溝内陸部をタイヤに残したまま金型を取り出すことを可能としている。また、特許文献2に記載されたタイヤのトレッドのモールド用成形要素では、サイプを形成する成形要素に少なくとも2つの成形部品が設けられ、成形部品に、サイプの壁部間に連結ブリッジを成形することができるオリフィスを形成している。この特許文献2では、成形部品を取り出す際に、連結ブリッジを破壊することなしに成形部品取り出すことができるように、1つの成形部品を他方の成形部品に対して取り出し方向に並進で移動可能になっている。
特開2002−361633号公報 特開2000−271936号公報
しかしながら、サイプを形成するためのサイプブレードを、サイプの壁面同士を連結する部材を破損することなく抜き取る際に、ブレードが回転するのみだと、サイプの壁面同士を連結する部材を任意の位置に形成するのが困難な場合がある。また、サイプを形成するためのブレードを、サイプの壁面同士を連結する部材を破損することなく抜き取る際に、ブレード同士の相対位置を、ブレードの取り出し方向に並進で移動させる場合、部材が破損されるか否かは当該部材の弾力性に委ねられるため、部材の大きさによっては破損を抑制するのが困難になる虞がある。このため、サイプの壁面を連結する連結部材をサイプ内の任意の位置に形成する際に、サイプを形成するためのブレードを、連結部材を破損することなく抜き取るのは大変困難なものとなっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、サイプ壁面を連結する連結部材を破損することなくブレードを抜き取ることのできるタイヤ成形用金型、サイプブレード、空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るタイヤ成形用金型は、空気入りタイヤのトレッド部にサイプを形成する外側ブレードと、前記トレッド部に前記サイプを形成すると共に、前記外側ブレードに対してスライド自在に連結される内側ブレードと、を備えるサイプブレードを有し、前記外側ブレードには、前記内側ブレードが配置される内側ブレード配置部が形成され、前記内側ブレードには、前記内側ブレード配置部に配置される状態において、前記サイプ内に対向するサイプ壁面を連結する連結部材を形成する切欠き部が形成され、前記内側ブレードは、前記内側ブレード配置部に配置される状態と、前記内側ブレード配置部の外に位置する状態との間で前記外側ブレードに対してスライドすると共に、前記内側ブレード配置部の外に位置する状態では前記外側ブレードに対して回動可能であることを特徴とする。
また、上記タイヤ成形用金型において、前記内側ブレードは、前記サイプから前記サイプブレードを引き抜く方向と平行な方向に前記外側ブレードに対してスライドすることが好ましい。
また、上記タイヤ成形用金型において、前記内側ブレードは、1つの前記外側ブレードに2つが連結されることが好ましい。
また、上記タイヤ成形用金型において、前記切欠き部は、前記サイプブレードにおける、前記サイプのサイプエッジ及びサイプ底を形成するエッジ部から離間することが好ましい。
また、上記タイヤ成形用金型において、前記切欠き部の開口面積は、前記サイプブレードを厚さ方向に見た、前記切欠き部を含む面積の1%以上30%以下の範囲内であることが好ましい。
また、上記タイヤ成形用金型において、前記切欠き部は、前記サイプから前記サイプブレードを引き抜く方向であるブレード高さ方向における前記サイプブレードの高さH1と、前記サイプブレードにおけるサイプ底を形成するエッジ部から前記ブレード高さ方向における前記切欠き部の中心位置までの高さH2との関係が、0.1≦(H2/H1)≦0.8の範囲内であり、前記ブレード高さ方向と前記サイプブレードの厚さ方向とに交差する方向であるブレード幅方向における前記サイプブレードの幅W1と、前記ブレード幅方向における前記サイプブレードの一端から前記ブレード幅方向における前記切欠き部の中心位置までの距離W2との関係が、0.25≦(W2/W1)≦0.75の範囲内であることが好ましい。
また、上記タイヤ成形用金型において、前記切欠き部は、1つの前記サイプブレードに複数が形成され、前記切欠き部同士の距離Xは、前記サイプブレードの高さH1との関係が、(0.4*H1)≦X≦H1の範囲内であることが好ましい。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るサイプブレードは、空気入りタイヤのトレッド部にサイプを形成する外側ブレードと、前記トレッド部に前記サイプを形成すると共に、前記外側ブレードに対してスライド自在に連結される内側ブレードと、を備え、前記外側ブレードには、前記内側ブレードが配置される内側ブレード配置部が形成され、前記内側ブレードには、前記内側ブレード配置部に配置される状態において、前記サイプ内に対向するサイプ壁面を連結する連結部材を形成する切欠き部が形成され、前記内側ブレードは、前記内側ブレード配置部に配置される状態と、前記内側ブレード配置部の外に位置する状態との間で前記外側ブレードに対してスライドすると共に、前記内側ブレード配置部の外に位置する状態では前記外側ブレードに対して回動可能であることを特徴とする。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る空気入りタイヤは、トレッド部にサイプを備える空気入りタイヤであって、前記サイプ内に、対向するサイプ壁面を連続して連結する連結部材が形成されることを特徴とする。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る空気入りタイヤの製造方法は、外側ブレードと、前記外側ブレードに形成される内側ブレード配置部に配置される状態と前記内側ブレード配置部の外に配置される状態との間で前記外側ブレードに対してスライド自在に連結される内側ブレードと、を有するサイプブレードを用いて空気入りタイヤのトレッド部にサイプを形成する空気入りタイヤの製造方法であって、前記内側ブレード配置部に前記内側ブレードが配置される状態の前記サイプブレードでサイプを形成すると共に、前記内側ブレードに形成される切欠き部によって前記サイプ内に対向するサイプ壁面を連結する連結部材を形成する工程と、前記内側ブレードが前記連結部材に当接した状態で前記サイプから前記サイプブレードを引き抜くことにより前記内側ブレードが前記内側ブレード配置部の外に配置される方向に前記内側ブレードを前記外側ブレードに対してスライドさせる工程と、前記内側ブレードが前記内側ブレード配置部の外に位置し、且つ、前記内側ブレードが前記連結部材に当接した状態で前記サイプブレードを引き抜くことにより、前記外側ブレードに対して前記内側ブレードを回動させる工程と、を含むことを特徴とする。
本発明に係るタイヤ成形用金型、サイプブレード、空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法は、サイプ壁面を連結する連結部材を破損することなくブレードを抜き取ることができる、という効果を奏する。
図1は、実施形態に係る空気入りタイヤのトレッド部の踏面を示す平面図である。 図2は、図1のA部詳細図である。 図3は、図2のB−B断面図である。 図4は、実施形態に係る空気入りタイヤを製造するタイヤ成形用金型の説明図である。 図5は、図4に示すサイプブレードの平面図である。 図6は、図5に示す内側ブレードのスライドについての説明図である。 図7は、図6のC−C断面図である。 図8は、図6のD−D断面図である。 図9は、図5に示す内側ブレードが内側ブレード配置部の外に位置する状態を示す説明図である。 図10は、図9のE−E断面図である。 図11は、図9のF−F断面図である。 図12は、図11のG−G矢視図である。 図13は、図9に示す内側ブレードの回動状態を示す説明図である。 図14は、図13のJ部詳細図である。 図15は、図4に示すタイヤ成形用金型を用いたタイヤ製造方法を示す説明図である。 図16は、図5に示すサイプブレードがサイプを形成する状態の説明図である。 図17は、図16に示すサイプブレードをサイプから引き抜く途中の説明図である。 図18は、図17に示すサイプブレードをサイプから引き抜いた状態を示す説明図である。 図19は、実施形態に係るサイプブレードの変形例であり、内側ブレード配置部の閉塞エッジ部が傾斜している形態の説明図である。 図20は、実施形態に係るサイプブレードの変形例であり、切欠き部が複数形成される形態の説明図である。 図21は、実施形態に係るサイプブレードの変形例であり、内側ブレードが1つの形態の説明図である。 図22は、実施形態に係るサイプブレードの変形例であり、外側ブレードに内側ブレード配置部が2つ形成される場合の説明図である。 図23は、実施形態に係るサイプブレードの変形例であり、外側ブレードに内側ブレード配置部が3つ形成される場合の説明図である。 図24は、実施形態に係るサイプブレードの変形例であり、1つの内側ブレードと外側ブレードとの境界部分に複数の切欠き部が形成される場合の説明図である。
以下に、本発明に係るタイヤ成形用金型、サイプブレード、空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易に想到できるもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
以下の説明において、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤ1の回転軸(図示省略)と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、回転軸を中心軸とする周り方向をいう。また、タイヤ幅方向とは、回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面(タイヤ赤道線)CLに向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから離れる側をいう。タイヤ赤道面CLとは、空気入りタイヤ1の回転軸に直交すると共に、空気入りタイヤ1のタイヤ幅の中心を通る平面であり、タイヤ赤道面CLは、空気入りタイヤ1のタイヤ幅方向における中心位置であるタイヤ幅方向中心線と、タイヤ幅方向における位置が一致する。タイヤ幅は、タイヤ幅方向において最も外側に位置する部分同士のタイヤ幅方向における幅、つまり、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから最も離れている部分間の距離である。タイヤ赤道線とは、タイヤ赤道面CL上にあって空気入りタイヤ1のタイヤ周方向に沿う線をいう。
[空気入りタイヤ]
図1は、実施形態に係る空気入りタイヤ1のトレッド部2の踏面3を示す平面図である。図1に示す空気入りタイヤ1は、タイヤ径方向の最も外側となる部分にトレッド部2が配設されており、トレッド部2の表面、即ち、当該空気入りタイヤ1を装着する車両(図示省略)の走行時に路面と接触する部分は、踏面3として形成されている。踏面3には、タイヤ赤道面CLを中心とするタイヤ幅方向における両側のそれぞれに複数の溝10が形成されており、複数の溝10によって複数の陸部15が区画されている。本実施形態では、溝10としてタイヤ周方向に延びる複数の周方向溝11と、タイヤ幅方向に延びる複数のラグ溝12とが形成されており、複数の溝10により区画される陸部15は、これらの複数の周方向溝11やラグ溝12によって、ブロック状に形成されている。
また、踏面3には、複数のサイプ20が形成されている。ここでいうサイプ20は、踏面3に細溝状に形成されるものであり、空気入りタイヤ1を正規リムにリム組みし、正規内圧の内圧条件で、無負荷時には細溝を構成する壁面同士が接触しないが、平板上で垂直方向に負荷させたときの平板上に形成される接地面の部分に細溝が位置する際、または細溝が形成される陸部15の倒れ込み時には、当該細溝を構成する壁面同士、或いは壁面に設けられる部位の少なくとも一部が、陸部15の変形によって互いに接触するものをいう。正規リムとは、JATMAで規定する「標準リム」、TRAで規定する「Design Rim」、或いは、ETRTOで規定する「Measuring Rim」である。また、正規内圧とは、JATMAで規定する「最高空気圧」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、或いはETRTOで規定する「INFLATION PRESSURES」である。
サイプ20は、所定の深さでタイヤ幅方向に延びて形成されており、溝10によって区画される各陸部15に設けられている。各陸部15に設けられるサイプ20は、それぞれの陸部15に、互いに略平行となる向きで複数ずつが設けられている。なお、サイプ20は、正確にタイヤ幅方向に延びていなくてもよく、タイヤ幅方向に対してタイヤ周方向に傾斜していてもよく、タイヤ幅方向に延びつつタイヤ周方向に湾曲したり屈曲したりしていてもよい。
図2は、図1のA部詳細図である。図3は、図2のB−B断面図である。陸部15に形成されるサイプ20は、本実施形態では踏面3からサイプ底23までの深さがほぼ一定になっている。また、サイプ20は、それぞれサイプ20内に、対向するサイプ壁面21を連続して連結する連結部材25が形成されている。即ち、連結部材25は、サイプ壁面21同士が対向する方向において分断されることなく、一方のサイプ壁面21から他方のサイプ壁面21に亘って形成されている。詳しくは、連結部材25は、略円柱形の形状で形成されており、円柱の長さ方向が、サイプ壁面21同士が対向する方向になる向きで配置され、両端がそれぞれサイプ壁面21に連結されている。また、連結部材25は、サイプ壁面21から連続するゴム部材によって形成されており、これにより、連結部材25は、サイプ壁面21と一体となって形成されている。
また、連結部材25は、サイプ20の長さ方向における両端に位置する壁面であるサイプエッジ22とサイプ底23から離間して形成されている。さらに、連結部材25は、サイプ20の深さHs1と、サイプ20の深さ方向におけるサイプ底23から連結部材25の中心位置までの高さHs2との関係が、0.1≦(Hs2/Hs1)≦0.8の範囲内になっている。また、連結部材25は、サイプ20の深さ方向とサイプ幅方向とに交差する方向であるサイプ20の長さ方向におけるサイプ20の長さWs1と、サイプ20の長さ方向におけるサイプ20の一端からサイプ20の長さ方向における連結部材25の中心位置までの距離Ws2との関係が、0.25≦(Ws2/Ws1)≦0.75の範囲内になっている。
なお、ここでいう連結部材25の中心位置は、サイプ20の長さ方向における連結部材25の中心の位置と、サイプ20の深さ方向における連結部材25の中心の位置とが交差する位置になっている。また、サイプ20の深さHs1と、サイプ底23から連結部材25の中心位置までの高さHs2との関係は、(Hs2/Hs1)=0.5であるのが好ましく、サイプ20の長さWs1と、サイプ20の長さ方向におけるサイプ20の一端から連結部材25の中心位置までの距離Ws2との関係は、(Ws2/Ws1)=0.5であるのが好ましい。
また、連結部材25の断面積は、サイプ20をサイプ幅方向に見た場合における、連結部材25を含むサイプ20全体の面積の1%以上30%以下の範囲内になっている。なお、連結部材25の断面積は、サイプ20をサイプ幅方向に見た場合における、連結部材25を含むサイプ20全体の面積の20%程度であるのが好ましい。
[タイヤ成形用金型]
次に、実施形態に係る空気入りタイヤ1の製造に用いるタイヤ成形用金型100について説明する。なお、以下の説明では、空気入りタイヤ1のタイヤ径方向を、タイヤ成形用金型100においてもタイヤ径方向として説明し、空気入りタイヤ1のタイヤ幅方向を、タイヤ成形用金型100においてもタイヤ幅方向として説明し、空気入りタイヤ1のタイヤ周方向を、タイヤ成形用金型100においてもタイヤ周方向として説明する。
図4は、実施形態に係る空気入りタイヤ1を製造するタイヤ成形用金型100の説明図である。タイヤ成形用金型100は、図4に示すように、分割型のタイヤ成形用金型100である、いわゆるセクターモールドとして構成されており、複数のセクター101を相互に連結して成る環状構造を有している。なお、図4では、タイヤ成形用金型100が8つのセクター101から成る8分割構造の形態を図示しているが、タイヤ成形用金型100の分割数は、これに限定されない。
1つのセクター101は、製品となる空気入りタイヤ1のトレッド部2の成形を行う複数のピース103と、これらのピース103を相互に隣接させて装着するバックブロック104とを備える。1つのピース103は、一定のピッチまたは任意のピッチで分割されたトレッドパターンの一部分に対応し、トレッドパターンの一部分を形成するためのトレッド成形面102を有している。1つのセクター101は、タイヤ周方向及びタイヤ幅方向に、それぞれ複数のピース103を有しており(図示省略)、複数のピース103が集合することにより、1つのセクター101のトレッド成形面102が構成される。換言すると、1つのセクター101が有するピース103は、複数のピース103に分割されている。
バックブロック104は、複数のピース103を所定の配列で装着して保持する。これにより、1つのセクター101が構成される。
タイヤ成形用金型100は、これらのように構成されるセクター101が複数用いられ、複数のセクター101が環状に連結されることにより構成される。タイヤ成形用金型100は、このように複数のセクター101が環状に連結されることにより、各セクター101のトレッド成形面102が集合し、トレッドパターン全体のトレッド成形面102が構成される。
各セクター101のトレッド成形面102には、空気入りタイヤ1のトレッド部2にサイプ20を形成するサイプブレード120が複数配置されている。サイプブレード120は、トレッド部2に形成されるサイプ20と同じ数でトレッド成形面102に配置されており、各サイプブレード120は、トレッド成形面102における、トレッド部2においてサイプ20が配置される位置に対応する位置に配置されている。
[サイプブレード]
図5は、図4に示すサイプブレード120の平面図である。サイプブレード120は、空気入りタイヤ1のトレッド部2にサイプ20を形成する板状の部材になっており、トレッド部2にサイプ20を形成する外側ブレード121と、トレッド部2にサイプ20を形成すると共に、外側ブレード121に対してスライド自在に連結される内側ブレード125とを有している。このうち、外側ブレード121には、内側ブレード125が配置される内側ブレード配置部122が形成され、サイプブレード120によってトレッド部2にサイプ20を形成する際には、内側ブレード125は、内側ブレード配置部122に配置される。サイプブレード120は、この外側ブレード121が、セクター101のトレッド成形面102に連結される。
詳しくは、サイプブレード120は、サイプ20の深さ方向に相当する、サイプブレード120の高さ方向における高さが、ほぼ一定になっている。また、サイプブレード120は、空気入りタイヤ1の加硫成形時にサイプ20を形成するものであるため、サイプ20のサイプ幅方向に相当する、サイプブレード120に厚さ方向にサイプブレード120を見た場合における形状が、サイプ幅方向にサイプ20を見た形状(図3参照)と、同等の形状になっている。
内側ブレード125は、外側ブレード121に形成される内側ブレード配置部122に配置された状態では、サイプブレード120における、サイプ20のサイプ底23を形成するエッジ部130であるサイプ底側エッジ部132を、外側ブレード121から連続して外側ブレード121と共に形成している。詳しくは、外側ブレード121に形成される内側ブレード配置部122は、外側ブレード121のサイプ底側エッジ部132に開口する切欠き状の形状で形成されている。換言すると、外側ブレード121は、サイプブレード120の厚さ方向に外側ブレード121全体を見たときに、サイプ底側エッジ部132側が開口側となる、略コの字状の形状で形成されている。
内側ブレード125は、サイプブレード120の厚さ方向に見た場合における形状が、内側ブレード配置部122と同等の形状になっており、これにより、内側ブレード125は、内側ブレード配置部122に配置することが可能になっている。また、本実施形態では、内側ブレード125は、1つの外側ブレード121に2つが連結されている。つまり、内側ブレード125は、第1内側ブレード126と第2内側ブレード127との2つの内側ブレード125を有しており、2つの内側ブレード125は、サイプ20の長さ方向に相当する方向に並んで配置されている。
第1内側ブレード126と第2内側ブレード127とは、いずれも略矩形の板状の形状で形成されており、第1内側ブレード126と第2内側ブレード127とがサイプ20の長さ方向に相当する方向に並んで配置されることにより、内側ブレード配置部122と同等の形状になる。即ち、第1内側ブレード126と第2内側ブレード127とは、サイプ20の長さ方向に相当する方向に並んで内側ブレード配置部122に配置されることにより、外側ブレード121と一体となってサイプ底側エッジ部132を形成することが可能になっている。
図6は、図5に示す内側ブレード125のスライドについての説明図である。内側ブレード125は、外側ブレード121に対してスライド可能になっており、内側ブレード配置部122に配置される状態と、内側ブレード配置部122の外に位置する状態との間で、外側ブレード121に対してスライド可能になっている。内側ブレード配置部122は、サイプ底側エッジ部132に開口する切欠き状の形状で形成されているが、内側ブレード125は、内側ブレード配置部122における開口位置から内側ブレード配置部122の外側に向かって、外側ブレード121に対してサイプブレード120の高さ方向にスライドすることができる。
具体的には、第1内側ブレード126と第2内側ブレード127とは、外側ブレード121における内側ブレード配置部122を形成するエッジ部のうち、サイプ20の長さ方向に相当する方向であるサイプブレード120の幅方向における両側に位置するエッジ部であるスライドエッジ部122aに沿ってスライドすることができる。即ち、第1内側ブレード126は、内側ブレード配置部122を形成するエッジ部の中で、サイプブレード120の幅方向における両側に位置してサイプブレード120の高さ方向に延びる2箇所のスライドエッジ部122aのうち、一方のスライドエッジ部122aに沿ってスライドすることができる。同様に、第2内側ブレード127は、内側ブレード配置部122を形成するエッジ部の中で、サイプブレード120の幅方向における両側に位置してサイプブレード120の高さ方向に延びる2箇所のスライドエッジ部122aのうち、他方のスライドエッジ部122aに沿ってスライドすることができる。
これにより、第1内側ブレード126と第2内側ブレード127とは、いずれも外側ブレード121におけるサイプ底側エッジ部132に開口する内側ブレード配置部122の開口位置から、サイプブレード120の高さ方向における内側ブレード配置部122の外側方向に、内側ブレード配置部122を形成するスライドエッジ部122aに沿って外側ブレード121に対してスライドすることができる。
なお、サイプブレード120の高さ方向は、サイプ20の深さ方向に相当する方向であるため、タイヤ成形用金型100を用いて空気入りタイヤ1の加硫成形を行った際には、サイプ20からサイプブレード120を引き抜く方向になっている。このため、サイプブレード120の高さ方向に延びるスライドエッジ部122aに沿ってスライド可能な内側ブレード125は、サイプ20からサイプブレード120を引き抜く方向と平行な方向に、外側ブレード121に対してスライドすることが可能になっている。
また、外側ブレード121と内側ブレード125との間には、付勢手段(図示省略)が設けられており、内側ブレード125は、付勢手段により、内側ブレード配置部122に配置される方向、即ち、内側ブレード配置部122の閉塞エッジ部122bに引き付けられる方向の付勢力が付与されている。付勢手段としては、例えば、引張りばねが用いられており、内側ブレード125は、外力が作用しない状態では、引張りばねから付与される付勢力により、内側ブレード配置部122に配置される状態(図5参照)になる。本実施形態では、外側ブレード121と第1内側ブレード126との間と、外側ブレード121と第2内側ブレード127との間とに、それぞれ付勢手段である引張りばねが設けられている。このため、第1内側ブレード126と第2内側ブレード127とは、外力が作用しない状態では、引張りばねから付与される付勢力により、それぞれ閉塞エッジ部122bに沿ってスライドしながら、内側ブレード配置部122に配置される状態になる。
図7は、図6のC−C断面図である。図8は、図6のD−D断面図である。内側ブレード125は、外側ブレード121における内側ブレード配置部122のスライドエッジ部122aに近接するエッジ部であるサイドエッジ部125aに、外側ブレード121が入り込む溝部128が形成されている。内側ブレード125のサイドエッジ部125aに形成される溝部128は、サイドエッジ部125aに開口して溝幅方向がサイプブレード120の厚さ方向になり、溝深さ方向がサイプブレード120の幅方向になる向きで、サイプブレード120の高さ方向に延びている。内側ブレード125が外側ブレード121の内側ブレード配置部122に配置される状態では、外側ブレード121は、内側ブレード125のサイドエッジ部125aに形成される溝部128に入り込む。このため、内側ブレード125は、少なくともサイドエッジ部125a付近の位置では、厚さが外側ブレード121の厚さより厚くなっている。
内側ブレード125のサイドエッジ部125aに形成される溝部128には、サイプブレード120の高さ方向における、内側ブレード配置部122が閉塞する側の端部に、溝部128の溝幅を小さくする部材である係止部129が配設されている。係止部129は、溝部128の溝壁から突出して形成されており、溝部128における係止部129以外の部分よりも溝幅が小さい、係止部溝部129aを有している。
係止部溝部129aの溝幅は、外側ブレード121の厚さよりも僅かに大きい程度になっており、外側ブレード121は、係止部溝部129aに入り込んでいる。このため、外側ブレード121が係止部溝部129aに入り込んでいる状態では、溝部128における係止部129以外の部分は、外側ブレード121との間に空隙を有している。内側ブレード125は、外側ブレード121に形成される内側ブレード配置部122のスライドエッジ部122aが、内側ブレード125のサイドエッジ部125aに形成される溝部128の係止部129に形成される係止部溝部129aに入り込むことにより、スライドエッジ部122aに沿ってスライド可能になっている。
図9は、図5に示す内側ブレード125が内側ブレード配置部122の外に位置する状態を示す説明図である。図10は、図9のE−E断面図である。図11は、図9のF−F断面図である。図12は、図11のG−G矢視図である。内側ブレード125は、内側ブレード配置部122の外側に向かってスライドエッジ部122aに沿ってスライドした場合、内側ブレード125のサイドエッジ部125aに配置される係止部129がサイプ底側エッジ部132付近に到達した際に、係止部129が、外側ブレード121に形成される軸部123に当接することにより、スライドが規制される。
詳しくは、外側ブレード121に形成される軸部123は、外側ブレード121のサイドエッジ部125aとサイプ底側エッジ部132とが交差する部分付近における、サイプブレード120の厚さ方向における両側に突出して形成されている。外側ブレード121の厚さ方向の両側に形成される軸部123は、一方の軸部123の最大突出位置から、他方の軸部123の最大突出位置までの、外側ブレード121の厚さ方向における距離が、内側ブレード125のサイドエッジ部125aに形成される溝部128の溝幅より小さくなっている。このため、外側ブレード121が、内側ブレード125のサイドエッジ部125aに配置される係止部129に形成される係止部溝部129aに入り込んだ状態では、外側ブレード121に形成される軸部123は、内側ブレード125のサイドエッジ部125aに形成される溝部128に入り込んだ状態になる。
このように、軸部123が溝部128に入り込んだ状態で、内側ブレード125を外側ブレード121のスライドエッジ部122aに沿ってスライドさせることにより、内側ブレード125のサイドエッジ部125aに配置される係止部129が、軸部123の位置に到達した場合、係止部129は軸部123に当接する。これにより、内側ブレード125はスライドが規制される。
図13は、図9に示す内側ブレード125の回動状態を示す説明図である。図14は、図13のJ部詳細図である。内側ブレード125は、外側ブレード121のスライドエッジ部122aに沿ってスライドすることによって内側ブレード配置部122の外に位置し、内側ブレード125の係止部129が外側ブレード121の軸部123に当接した状態では、外側ブレード121に対して回動可能になっている。つまり、内側ブレード125は、内側ブレード125の係止部129が外側ブレード121の軸部123に当接した状態では、内側ブレード125のサイドエッジ部125aの大部分は、内側ブレード配置部122のスライドエッジ部122aに対向しなくなる。
これにより、内側ブレード125は、内側ブレード125の係止部129と外側ブレード121の軸部123との接触部付近を軸として、回動することができる。即ち、外側ブレード121の軸部123は、サイプブレード120の厚さ方向における外側ブレード121の両側に配置されているため、内側ブレード125は、サイプブレード120の厚さ方向に延びる仮想の中心軸を中心として外側ブレード121に対して回動することができる。
なお、第1内側ブレード126と第2内側ブレード127とは、外側ブレード121において互いに異なるスライドエッジ部122aに沿ってスライドするが、外側ブレード121の軸部123は、それぞれのスライドエッジ部122aとサイプ底側エッジ部132とが交差する部分付近に配置されている。即ち、軸部123は、第1内側ブレード126と第2内側ブレード127とのそれぞれに対応する軸部123が、外側ブレード121に配置されている。このため、第1内側ブレード126と第2内側ブレード127とは、それぞれの内側ブレード125に対応する軸部123と係止部129との接触部付近を軸として、回動することができる。
さらに、サイプブレード120には、サイプ20内に対向するサイプ壁面21を連結する連結部材25を形成する切欠き部140が形成されている(図5参照)。切欠き部140は、連結部材25を略円柱形の形状で形成することができるように、サイプブレード120の厚さ方向に見た場合における形状が、略円形の孔となって形成されている。即ち、切欠き部140は、サイプブレード120を厚さ方向に貫通する孔となって形成されている。また、切欠き部140は、外側ブレード121に形成される切欠き部140である外側ブレード切欠き部141と、内側ブレード125に形成される切欠き部140である内側ブレード切欠き部142とを有している。
このうち、外側ブレード切欠き部141は、外側ブレード121における内側ブレード配置部122を形成するエッジ部のうち、内側ブレード配置部122の閉塞側の部分を形成するエッジ部である閉塞エッジ部122bに形成されている。また、内側ブレード切欠き部142は、内側ブレード125を外側ブレード121の内側ブレード配置部122に配置した際に、内側ブレード配置部122に対向する内側ブレード125のエッジ部のうち、外側ブレード切欠き部141に対向する位置に形成されている。即ち、内側ブレード切欠き部142は、外側ブレード切欠き部141に対して、サイプ底側エッジ部132が位置する側の位置に形成されている。さらに、内側ブレード125は、第1内側ブレード126と第2内側ブレード127とを有しているため、内側ブレード125に形成される内側ブレード切欠き部142は、第1内側ブレード126と第2内側ブレード127とに分割されて形成されている。
これらの外側ブレード切欠き部141と内側ブレード切欠き部142とは、内側ブレード125を内側ブレード配置部122に配置した際に、外側ブレード切欠き部141と内側ブレード切欠き部142とが連続して形成されることにより、略円形の形状になる。これにより、外側ブレード切欠き部141と内側ブレード切欠き部142とは、略円形の切欠き部140として形成される。つまり、外側ブレード121に形成される切欠き部140である外側ブレード切欠き部141と、内側ブレード125に形成される切欠き部140である内側ブレード切欠き部142は、内側ブレード125が内側ブレード配置部122に配置される状態において、サイプ20内に対向するサイプ壁面21を連結する連結部材25を形成することが可能になっている。
サイプ20内に連結部材25を形成可能な切欠き部140は、サイプブレード120に対する開口面積が、サイプブレード120を厚さ方向に見た、切欠き部140を含むサイプブレード120の面積の1%以上30%以下の範囲内になっている。即ち、本実施形態では、内側ブレード125が内側ブレード配置部122に配置され、外側ブレード切欠き部141と内側ブレード切欠き部142とが合わさって略円形の孔の状態になった切欠き部140の開口面積が、切欠き部140を含むサイプブレード120の面積の1%以上30%以下の範囲内になっている。なお、切欠き部140の開口面積は、切欠き部140を含むサイプブレード120の面積の20%程度であるのが好ましい。
また、サイプブレード120に形成される切欠き部140は、サイプブレード120における、サイプ20のサイプエッジ22を形成するエッジ部130であるサイプエッジ側エッジ部131、及びサイプ底23を形成するエッジ部130であるサイプ底側エッジ部132から離間して形成されている。
さらに、切欠き部140は、ブレード高さ方向におけるサイプブレード120の高さH1と、サイプ底側エッジ部132からブレード高さ方向における切欠き部140の中心位置までの高さH2との関係が、0.1≦(H2/H1)≦0.8の範囲内になっている。この場合におけるブレード高さ方向は、タイヤ成形用金型100を用いて空気入りタイヤ1の加硫成形を行った際に、サイプ20からサイプブレード120を引き抜く方向になっている。
また、切欠き部140は、ブレード幅方向におけるサイプブレード120の幅W1と、ブレード幅方向におけるサイプブレード120の一端からブレード幅方向における切欠き部140の中心位置までの距離W2との関係が、0.25≦(W2/W1)≦0.75の範囲内になっている。この場合におけるブレード幅方向は、ブレード高さ方向とサイプブレード120の厚さ方向とに交差する方向になっている。
なお、ここでいう切欠き部140の中心位置は、切欠き部140全体の中心位置、即ち、外側ブレード切欠き部141と内側ブレード切欠き部142とが合わさった状態における切欠き部140の中心位置になっている。また、切欠き部140の中心位置は、ブレード幅方向における切欠き部140の中心の位置と、ブレード高さ方向における切欠き部140の中心の位置とが交差する位置になっている。また、サイプブレード120の高さH1と、サイプ底側エッジ部132から切欠き部140の中心位置までの高さH2との関係は、(H2/H1)=0.5であるのが好ましく、サイプブレード120の幅W1と、ブレード幅方向におけるサイプブレード120の一端から切欠き部140の中心位置までの距離W2との関係は、(W2/W1)=0.5であるのが好ましい。
[タイヤ製造方法]
次に、実施形態に係る空気入りタイヤ1の製造方法について説明する。図15は、図4に示すタイヤ成形用金型100を用いたタイヤ製造方法を示す説明図である。図15は、図4に示すタイヤ成形用金型100を備える金型支持装置105の軸方向断面図を示している。本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、以下の製造工程により製造される。
まず、空気入りタイヤ1を構成する各種ゴム部材(図示省略)や、カーカスプライ(図示省略)やベルトプライ(図示省略)等の各部材が成形機にかけられて、グリーンタイヤWが成形される。次に、このグリーンタイヤWが、金型支持装置105に装着される(図15参照)。
図15において、金型支持装置105は、支持プレート106と、外部リング107と、セグメント109と、上部プレート110及びベースプレート112と、上型サイドモールド111及び下型サイドモールド113と、タイヤ成形用金型100とを備える。支持プレート106は、円盤形状を有し、平面を水平にして配置される。外部リング107は、径方向内側のテーパ面108を有する環状構造体であり、支持プレート106の外周縁下部に吊り下げられて設置される。セグメント109は、タイヤ成形用金型100の各セクター101に対応する分割可能な環状構造体であり、外部リング107に挿入されて外部リング107のテーパ面108に対して軸方向に摺動可能に配置される。上部プレート110は、外部リング107の内側で、且つ、セグメント109と支持プレート106との間にて、軸方向に昇降可能に設置される。ベースプレート112は、支持プレート106の下方で、且つ、軸方向における支持プレート106の反対側の位置に配置される。
上型サイドモールド111及び下型サイドモールド113は、空気入りタイヤ1のタイヤ幅方向における両側面の形状であるサイドプロファイルの成形面を有する。また、上型サイドモールド111と下型サイドモールド113とは、上型サイドモールド111が上部プレート110の下面側に取り付けられ、下型サイドモールド113がベースプレート112の上面側に取り付けられると共に、それぞれの成形面を相互に対向させて配置される。タイヤ成形用金型100は、上記のように、トレッドプロファイルを成形可能なトレッド成形面102をもつ分割可能な環状構造(図4参照)を有する。また、タイヤ成形用金型100は、各セクター101が、対応するセグメント109の内周面に取り付けられ、トレッド成形面102を、上型サイドモールド111や下型サイドモールド113の成形面が位置する側に向けて配置される。
次に、グリーンタイヤWが、タイヤ成形用金型100の成形面と上型サイドモールド111及び下型サイドモールド113の成形面との間に装着される。このとき、支持プレート106が軸方向下方に移動することにより、外部リング107が支持プレート106と共に軸方向下方に移動し、外部リング107のテーパ面108がセグメント109を径方向内側に押し出す。すると、タイヤ成形用金型100が縮径して、タイヤ成形用金型100の各セクター101の成形面が環状に接続し、また、タイヤ成形用金型100の成形面全体と下型サイドモールド113の成形面とが接続する。また、上部プレート110が軸方向下方に移動することにより、上型サイドモールド111が下降して、上型サイドモールド111と下型サイドモールド113との間隔が狭まる。すると、タイヤ成形用金型100の成形面全体と上型サイドモールド111の成形面とが接続する。これにより、グリーンタイヤWが、タイヤ成形用金型100の成形面、上型サイドモールド111の成形面及び下型サイドモールド113の成形面に囲まれて保持される。
次に、加硫前のタイヤであるグリーンタイヤWが加硫成形される。具体的には、タイヤ成形用金型100が加熱され、加圧装置(図示省略)によりグリーンタイヤWが径方向外方に拡張されてタイヤ成形用金型100のトレッド成形面102に押圧される。そして、グリーンタイヤWが加熱されることにより、トレッド部2のゴム分子と硫黄分子とが結合して加硫が行われる。すると、タイヤ成形用金型100のトレッド成形面102がグリーンタイヤWに転写されて、トレッド部2にトレッドパターンが成形される。
その後に、加硫成形後のタイヤが、製品となる空気入りタイヤ1である製品タイヤとして取得される。このとき、支持プレート106及び上部プレート110が軸方向上方に移動することにより、タイヤ成形用金型100、上型サイドモールド111及び下型サイドモールド113が離間して、金型支持装置105が開く。その後に、加硫成形後のタイヤが金型支持装置105から取り出される。
[サイプ内の連結部材の形成]
図16は、図5に示すサイプブレード120がサイプ20を形成する状態の説明図である。タイヤ成形用金型100が有する各セクター101にはそれぞれ複数のサイプブレード120が配置されているため、タイヤ成形用金型100によって空気入りタイヤ1のトレッド部2にトレッドパターンが成形する際には、サイプブレード120はトレッド部2にサイプ20を形成する。つまり、各セクター101に配置されるサイプブレード120が、タイヤ成形用金型100での加硫成形時にトレッド部2に入り込んだ際には、トレッド部2を構成するゴムは、サイプブレード120が配置される部分には配置されないため、この部分が細溝状のサイプ20として形成される。サイプブレード120は、タイヤ成形用金型100による加硫成形時には、内側ブレード125が、外側ブレード121に形成される内側ブレード配置部122に配置される状態になり、この状態でトレッド部2にサイプ20を形成する。
ここで、サイプブレード120には、切欠き部140が形成されている。即ち、サイプブレード120には、外側ブレード121に形成される外側ブレード切欠き部141と、内側ブレード125に形成される内側ブレード切欠き部142とが合わさせることによって、略円形の孔状の切欠き部140が形成されている。切欠き部140は、サイプブレード120を厚さ方向に貫通する孔となって形成されているため、サイプブレード120によってサイプ20が形成される際には、トレッド部2を構成するゴムの一部が、切欠き部140に入り込む。これにより、サイプブレード120によって形成されるサイプ20は、サイプブレード120の厚さ方向における両側に位置するゴム同士が連結される。即ち、サイプ20内には、外側ブレード121に形成される外側ブレード切欠き部141と、内側ブレード125に形成される内側ブレード切欠き部142とにより、対向するサイプ壁面21を連結する連結部材25が形成される。
図17は、図16に示すサイプブレード120をサイプ20から引き抜く途中の説明図である。タイヤ成形用金型100を用いた空気入りタイヤ1の加硫成形が完了したら、成形された空気入りタイヤ1からタイヤ成形用金型100を取り外すが、それに伴い、サイプブレード120は、サイプブレード120によって形成したサイプ20から引き抜かれる。その際に、サイプ20内には、サイプブレード120の切欠き部140によって、対向するサイプ壁面21を連結する連結部材25が形成されており、連結部材25は、サイプブレード120の切欠き部140をサイプブレード120の厚さ方向に貫通する。このため、サイプブレード120をサイプ20から引き抜く際には、サイプブレード120は、引き抜く方向の力に対する抵抗を連結部材25から受けるが、サイプブレード120は、内側ブレード125が外側ブレード121に対してスライド可能になっている。これにより、サイプブレード120をサイプ20から引き抜く際には、連結部材25から受ける抵抗力により、内側ブレード125が外側ブレード121に対してスライドする。
詳しくは、切欠き部140は、外側ブレード切欠き部141と内側ブレード切欠き部142とからなるが、このうち、内側ブレード切欠き部142は、外側ブレード切欠き部141に対してサイプ底側エッジ部132が位置する側に配置されている。このため、サイプ20からサイプブレード120を引き抜く際には、サイプブレード120には、サイプ20内の連結部材25から内側ブレード切欠き部142に対して、引き抜き方向における位置を維持しようとする力が作用する。内側ブレード125は、サイプブレード120をサイプ20から引き抜く際に、このように連結部材25から内側ブレード切欠き部142に対して作用する、引き抜き方向における位置を維持しようとする力によって、外側ブレード121に対してスライドする。従って、サイプブレード120は、内側ブレード125がサイプ20内の連結部材25に当接した状態でサイプ20から引き抜くことにより、内側ブレード125が外側ブレード121に形成される内側ブレード配置部122の外に配置される方向に、内側ブレード125が外側ブレード121に対してスライドする。
さらに、内側ブレード125は、内側ブレード125が内側ブレード配置部122の外に位置し、内側ブレード125の係止部129が外側ブレード121の軸部123に当接する状態では、外側ブレード121に対して回動可能になっている。このため、内側ブレード125が連結部材25に当接した状態でサイプブレード120をサイプ20から引き抜くことにより、内側ブレード125の係止部129が外側ブレード121の軸部123に当接するまで内側ブレード125が外側ブレード121に対してスライドした際には、内側ブレード125は、サイプブレード120を引き抜く力によって、外側ブレード121に対して回動する。つまり、サイプブレード120は、内側ブレード125が内側ブレード配置部122の外に位置し、且つ、内側ブレード125が連結部材25に当接した状態でサイプブレード120を引き抜くことにより、外側ブレード121に対して内側ブレード125を回動する。
詳しくは、内側ブレード125は、内側ブレード125の係止部129と外側ブレード121の軸部123との接触部付近を軸として、内側ブレード切欠き部142が内側ブレード配置部122の閉塞エッジ部122bから離れる方向に回動する。また、内側ブレード125は、第1内側ブレード126と第2内側ブレード127とを有しているが、内側ブレード125は、双方が回動する。これにより、第1内側ブレード126の内側ブレード切欠き部142と、第2内側ブレード127の内側ブレード切欠き部142とは、ブレード幅方向に離間し、第1内側ブレード126と第2内側ブレード127とは、双方の間に連結部材25を通すことにより、サイプブレード120の引き抜き方向に移動することができる。
図18は、図17に示すサイプブレード120をサイプ20から引き抜いた状態を示す説明図である。サイプブレード120は、連結部材25に当接して互いの間隔が大きくなる方向に回動した第1内側ブレード126と第2内側ブレード127との間に、連結部材25を通しながら引き抜くことにより、連結部材25を損傷させることなく引き抜くことができる。つまり、サイプブレード120は、サイプ20内において、対向するサイプ壁面21(図2参照)同士の間に亘って連結部材25が形成される状態を維持したまま、サイプ20内から引き抜くことができる。
サイプブレード120は、サイプ20内から引き抜くことにより、第1内側ブレード126と第2内側ブレード127とが連結部材25から離間したら、外側ブレード121と内側ブレード125との間に設けられる付勢手段から付与される付勢力により、第1内側ブレード126と第2内側ブレード127とは、連結部材25に当接して回動する前の状態になる。さらに、第1内側ブレード126と第2内側ブレード127とは、付勢手段から付与される付勢力により、内側ブレード配置部122の閉塞エッジ部122bが位置する側に向かってそれぞれスライドし、それぞれ内側ブレード配置部122に配置される状態になる。これにより、サイプブレード120は、連結部材25を破損することなくサイプ20から引き抜くことができ、トレッド部2のサイプ20内には、対向するサイプ壁面21を連続して連結する連結部材25が形成される。
これらのようにサイプ20を形成するサイプブレード120は、外側ブレード121と、外側ブレード121が入り込む溝部128が形成される内側ブレード125とを有している。このため、サイプ20は、サイプブレード120における外側ブレード121により形成される位置と、内側ブレード125により形成される位置とで、対向するサイプ壁面21同士の間隔であるサイプ幅が異なっている。即ち、サイプ20は、外側ブレード121により形成される位置のサイプ幅よりも、内側ブレード125により形成される位置のサイプ幅の方が大きくなっている。本実施形態では、サイプ20における、外側ブレード121により形成される位置のサイプ幅は、0.4mm以上0.8mm以下の範囲内になっており、内側ブレード125により形成される位置のサイプ幅は、0.6mm以上1.5mm以下の範囲内になっている。
なお、サイプ幅は、内側ブレード125における溝部128が形成される位置付近のサイプ幅のみが、外側ブレード121により形成される位置のサイプ幅より大きくなっていてもよい。つまり、内側ブレード125は、溝部128の近傍の厚さのみが、外側ブレード121の厚さより厚くなっていてもよい。
以上の実施形態に係るタイヤ成形用金型100及びサイプブレード120は、サイプブレード120が、外側ブレード121と、外側ブレード121に対してスライド自在に連結される内側ブレード125とを有しており、内側ブレード125が外側ブレード121の内側ブレード配置部122に配置される状態において、サイプ20内に連結部材25を形成する切欠き部140が形成されている。これにより、タイヤ成形用金型100及びサイプブレード120は、空気入りタイヤ1の加硫成形時に、サイプ20内における対向するサイプ壁面21同士の間に、双方の間に亘って形成されてサイプ壁面21同士を連結する連結部材25を形成することができる。
さらに、外側ブレード121に対してスライドすることができる内側ブレード125は、内側ブレード配置部122の外に位置する状態では、外側ブレード121に対して回動可能であるため、サイプブレード120をサイプ20から引き抜く際に、内側ブレード125が回動することにより、内側ブレード125が連結部材25を回避する状態で引き抜くことができる。また、内側ブレード125は、内側ブレード配置部122の外に位置する状態で回動するため、外側ブレード121に対して内側ブレード125を容易に回動させることができると共に、連結部材25を回避する方向に内側ブレード125が回動した後でも、外側ブレード121のブレード幅方向における幅の範囲内に内側ブレード125を収めることができる。これにより、より確実に、内側ブレード125が連結部材25を回避する状態でサイプブレード120をサイプ20から引き抜くことができる。この結果、サイプ壁面21を連結する連結部材25を破損することなくサイプブレード120を抜き取ることができる。
また、内側ブレード125は、サイプ20からサイプブレード120を引き抜く方向と平行な方向に外側ブレード121に対してスライドするため、サイプブレード120をサイプ20から引き抜く際に、連結部材25に対して大きな力を作用させることなく、内側ブレード125を外側ブレード121に対してスライドさせることができる。これにより、内側ブレード125を、より容易に内側ブレード配置部122の外に位置させることができ、内側ブレード配置部122の外に位置する状態で内側ブレード125を回動させることができる。この結果、より容易に、サイプ壁面21を連結する連結部材25を破損することなくサイプブレード120を抜き取ることができる。
また、内側ブレード125は、1つの外側ブレード121に2つが連結されるため、サイプブレード120の引き抜き時に、2つの内側ブレード125がそれぞれ回動することにより、連結部材25を回避する際における各内側ブレード125の回動角度を小さくすることができる。これにより、サイプブレード120をサイプ20から引く抜く際に、内側ブレード125を容易に、連結部材25を回避できる状態にすることができ、より確実に、内側ブレード125が連結部材25を回避する状態でサイプブレード120をサイプ20から引き抜くことができる。この結果、より確実に、サイプ壁面21を連結する連結部材25を破損することなくサイプブレード120を抜き取ることができる。
また、切欠き部140は、サイプブレード120におけるサイプエッジ側エッジ部131及びサイプ底側エッジ部132から離間しているため、サイプ20内に、サイプエッジ22及びサイプ底23から離間した連結部材25を形成することができる。これにより、サイプ20の容積を確保しつつ、剛性を向上させたサイプ20を形成することができる。この結果、氷雪路面での走行性能である氷上性能と、陸部15の剛性とを両立できるサイプ20を形成することができる。
また、切欠き部140の開口面積は、サイプブレード120を厚さ方向に見た、切欠き部140を含む面積の1%以上30%以下の範囲内になっているため、より確実に、容積を確保しつつ剛性を向上させたサイプ20を形成することができる。つまり、切欠き部140の開口面積が、切欠き部140を含むサイプブレード120の面積の1%未満である場合には、切欠き部140の開口面積が小さ過ぎるため、切欠き部140によって形成するサイプ20内の連結部材25の太さが細過ぎる虞がある。この場合、サイプ20内に連結部材25を形成しても、陸部15の剛性を向上させ難くなる虞がある。また、切欠き部140の開口面積が、切欠き部140を含むサイプブレード120の面積の30%より大きい場合には、切欠き部140の開口面積が大き過ぎるため、切欠き部140によって形成するサイプ20内の連結部材25の太さが太くなり過ぎる虞がある。この場合、サイプ20内の容積が、連結部材25によって小さくなり過ぎる虞がある。
これに対し、切欠き部140の開口面積が、切欠き部140を含む面積の1%以上30%以下の範囲内である場合は、切欠き部140によってサイプ20内に形成する連結部材25の太さを適度な太さにすることができ、より確実に、容積を確保しつつ剛性を向上させたサイプ20をサイプブレード120によって形成することができる。この結果、より確実に、氷上性能と陸部15の剛性とを両立できるサイプ20を形成することができる。
また、切欠き部140は、サイプブレード120の高さH1と、サイプ底側エッジ部132から切欠き部140の中心位置までの高さH2との関係が、0.1≦(H2/H1)≦0.8の範囲内であるため、連結部材25の早期の摩耗を抑制しつつ、連結部材25によって陸部15の剛性を効果的に向上させることができる。つまり、サイプブレード120の高さH1と切欠き部140の中心位置までの高さH2との関係が(H2/H1)<0.1である場合は、サイプ底側エッジ部132から切欠き部140の中心位置までの高さH2が小さ過ぎるため、切欠き部140によって形成した連結部材25が、サイプ底23に近付き過ぎる虞がある。この場合、切欠き部140によってサイプ20内に連結部材25を形成しても、陸部15の剛性を効果的に向上させ難くなる虞がある。また、サイプブレード120の高さH1と切欠き部140の中心位置までの高さH2との関係が(H2/H1)>0.8である場合は、サイプ底側エッジ部132から切欠き部140の中心位置までの高さH2が大き過ぎるため、切欠き部140によって形成した連結部材25が、トレッド部2の踏面3に近付き過ぎる虞がある。この場合、トレッド部2の摩耗によって、連結部材25も早期に摩耗し易くなるため、連結部材25自体の耐久性を確保し難くなり、連結部材25によって陸部15の剛性を向上させる効果を、長期間に亘って得るのが困難になる虞がある。
これに対し、サイプブレード120の高さH1と、サイプ底側エッジ部132から切欠き部140の中心位置までの高さH2との関係が、0.1≦(H2/H1)≦0.8の範囲内である場合は、切欠き部140によって形成した連結部材25が、サイプ底23とトレッド部2の踏面3とのいずれにも近付き過ぎることを抑制することができる。これにより、連結部材25の早期の摩耗を抑制して連結部材25自体の耐久性を確保しつつ、サイプ20内に連結部材25を形成することによって陸部15の剛性を効果的に向上させることができる。この結果、より確実に、氷上性能と陸部15の剛性とを両立できるサイプ20を形成することができる。
また、切欠き部140は、サイプブレード120の幅W1と、ブレード幅方向におけるサイプブレード120の一端から切欠き部140の中心位置までの距離W2との関係が、0.25≦(W2/W1)≦0.75の範囲内であるため、連結部材25によって陸部15の剛性を効果的に向上させることができる。つまり、サイプブレード120の幅W1と、サイプブレード120の一端から切欠き部140の中心位置までの距離W2との関係が、(W2/W1)<0.25であったり、(W2/W1)>0.75であったりする場合は、ブレード幅方向における切欠き部140の位置が偏り過ぎているため、切欠き部140によって形成した連結部材25が、サイプエッジ22に近付き過ぎる虞がある。この場合、切欠き部140によってサイプ20内に連結部材25を形成しても、陸部15の剛性を効果的に向上させ難くなる虞がある。
これに対し、サイプブレード120の幅W1と、サイプブレード120の一端から切欠き部140の中心位置までの距離W2との関係が、0.25≦(W2/W1)≦0.75の範囲内である場合は、切欠き部140によって形成した連結部材25が、サイプエッジ22に近付き過ぎることを抑制することができる。これにより、切欠き部140でサイプ20内に連結部材25を形成することによって、陸部15の剛性を効果的に向上させることができる。この結果、より確実に、氷上性能と陸部15の剛性とを両立できるサイプ20を形成することができる。
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1の製造方法は、外側ブレード121と内側ブレード125とを有するサイプブレード120を用いてサイプ20を形成する際に、切欠き部140によってサイプ20内に連結部材25を形成した後に、内側ブレード125が連結部材25に当接した状態でサイプ20からサイプブレード120を引き抜くことにより、外側ブレード121に対して内側ブレード125をスライドさせ、さらに、内側ブレード125を回動させている。これにより、内側ブレード125が連結部材25を回避する状態でサイプブレード120を引き抜くことができる。
また、内側ブレード125が外側ブレード121に形成される内側ブレード配置部122の外に位置する状態で内側ブレード125を回動させるため、外側ブレード121に対して内側ブレード125を容易に回動させることができると共に、連結部材25を回避する方向に内側ブレード125を回動させた後でも、外側ブレード121のブレード幅方向における幅の範囲内に内側ブレード125が収まる状態を維持することができる。これにより、より確実に、内側ブレード125が連結部材25を回避する状態でサイプブレード120をサイプ20から引き抜くことができる。この結果、サイプ壁面21を連結する連結部材25を破損することなくサイプブレード120を抜き取ることができる。
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、サイプ20内に、対向するサイプ壁面21を連続して連結する連結部材25が形成されるため、サイプ20の容積を確保しつつ、サイプ20が形成される陸部15の剛性を向上させることができる。この結果、氷上性能と、陸部15の剛性とを両立することができる。
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、本実施形態に係るタイヤ成形用金型100を用いて製造されるため、対向するサイプ壁面21を連続して連結する連結部材25がサイプ20内に形成されるサイプ20を、空気入りタイヤ1のトレッド部2に形成することができる。その際に、タイヤ成形用金型100は、外側ブレード121と、外側ブレード121に対してスライドし、且つ、回動する内側ブレード125とを有し、連結部材25を形成する切欠き部140が形成されるサイプブレード120によってサイプ20を形成するため、空気入りタイヤ1の製造工程でサイプブレード120をサイプ20から引き抜く際に、内側ブレード125を回動させながら引き抜くことができる。この結果、サイプ壁面21を連結する連結部材25を破損することなくサイプブレード120を抜き取ることができる。
[変形例]
なお、上述した実施形態では、外側ブレード121に形成される内側ブレード配置部122の閉塞エッジ部122bは、第1内側ブレード126側から第2内側ブレード127側にかけて直線状に形成されているが、閉塞エッジ部122bは、直線状以外の形状で形成されていてもよい。図19は、実施形態に係るサイプブレード120の変形例であり、内側ブレード配置部122の閉塞エッジ部122bが傾斜している形態の説明図である。外側ブレード121に形成される内側ブレード配置部122の閉塞エッジ部122bは、例えば、図19に示すように、閉塞エッジ部122bにおける第1内側ブレード126側に位置する部分と第2内側ブレード127側に位置する部分とで、互いに傾斜していてもよい。内側ブレード配置部122は、スライドエッジ部122aが、サイプブレード120をサイプ20から引き抜く方向と平行な方向に延びていればよく、閉塞エッジ部122bが延びる方向については問わない。
また、上述した実施形態では、サイプブレード120には切欠き部140が1つ形成されているが、サイプブレード120には複数の切欠き部140が形成されていてもよい。図20は、実施形態に係るサイプブレード120の変形例であり、切欠き部140が複数形成される形態の説明図である。1つのサイプブレード120には、切欠き部140は複数が形成されていてもよく、例えば、図20に示すように、1つのサイプブレード120に3つの切欠き部140が形成されていてもよい。また、サイプブレード120に形成される切欠き部140は、外側ブレード121と内側ブレード125との境界部分に外側ブレード121と内側ブレード125とにかけて形成されるのみでなく、第1内側ブレード126と第2内側ブレード127との境界部分に第1内側ブレード126と第2内側ブレード127にかけて形成してもよい。
また、1つのサイプブレード120に切欠き部140が複数形成されている場合は、切欠き部140同士は、切欠き部140の中心位置同士の距離Xが、サイプブレード120の高さH1に対して、(0.4*H1)≦X≦H1の範囲内であるのが好ましい。これにより、複数の切欠き部140でサイプ20内に形成する複数の連結部材25によって、陸部15の剛性を効果的に向上させることができる。
つまり、切欠き部140の中心位置同士の距離Xが、サイプブレード120の高さH1に対して、X<(0.4*H1)である場合は、切欠き部140同士の距離が近過ぎるため、切欠き部140を複数設けても、複数の切欠き部140によってサイプ20内に連結部材25を複数形成することによる、陸部15の剛性を効果的に向上させ難くなる虞がある。この場合、連結部材25を設けることによってサイプ20の容積が小さくなることによる氷上性能の低下に対して、陸部15の剛性の向上の効果を効率的に得難くなる虞がある。
また、切欠き部140の中心位置同士の距離Xが、サイプブレード120の高さH1に対して、X>H1である場合は、切欠き部140同士の距離が大き過ぎるため、切欠き部140がサイプエッジ側エッジ部131やサイプ底側エッジ部132に近付き過ぎる虞がある。この場合、切欠き部140によってサイプ20内に形成する連結部材25が、サイプ20のサイプエッジ22やサイプ底23に近付き過ぎるため、切欠き部140によってサイプ20内に連結部材25を複数形成しても、陸部15の剛性を効果的に向上させ難くなる虞がある。
これに対し、複数の切欠き部140の中心位置同士の距離Xが、サイプブレード120の高さH1に対して(0.4*H1)≦X≦H1の範囲内である場合は、切欠き部140によって形成した連結部材25が、サイプエッジ22やサイプ底23に近付き過ぎることを抑制することができる。これにより、複数の切欠き部140でサイプ20内に形成する複数の連結部材25によって、陸部15の剛性を効果的に向上させることができる。この結果、より確実に、氷上性能と陸部15の剛性とを両立できるサイプ20を形成することができる。
なお、サイプブレード120に切欠き部140が複数形成される場合における、複数の切欠き部140の中心位置同士の距離Xは、サイプブレード120の高さH1に対して、(0.5*H1)≦X≦(0.7*H1)の範囲内であるのが好ましい。
また、サイプブレード120の幅W1が、サイプブレード120の高さH1よりも小さい場合は、複数の切欠き部140の中心位置同士の距離Xは、サイプブレード120の幅W1に基づいて規定するのが好ましい。つまり、サイプブレード120の幅W1が、サイプブレード120の高さH1よりも小さい場合は、複数の切欠き部140の中心位置同士の距離Xは、サイプブレード120の幅W1に対して(0.4*W1)≦X≦W1の範囲内であるのが好ましく、さらに、(0.5*W1)≦X≦(0.7*W1)の範囲内であるのが、より好ましい。
また、上述した実施形態では、内側ブレード125は、第1内側ブレード126と第2内側ブレード127との2つが設けられているが、内側ブレード125は、2つでなくてもよい。図21は、実施形態に係るサイプブレード120の変形例であり、内側ブレード125が1つの形態の説明図である。外側ブレード121に連結される内側ブレード125は、図21に示すように1つであってもよい。即ち、外側ブレード121に形成される内側ブレード配置部122には、1つの内側ブレード125が配置されていてもよい。外側ブレード121に連結される内側ブレード125が1つであっても、外側ブレード121と内側ブレード125とにかけて切欠き部140が形成され、外側ブレード121に対して内側ブレード125がスライドすると共に回動自在に連結されることにより、連結部材25を破損することなく、サイプ20からサイプブレード120を抜き取ることができる。
また、上述した実施形態では、内側ブレード125が配置される内側ブレード配置部122は、1つの外側ブレード121に対して1つの内側ブレード配置部122が形成されているが、1つの外側ブレード121に形成される内側ブレード配置部122は、複数であってもよい。図22は、実施形態に係るサイプブレード120の変形例であり、外側ブレード121に内側ブレード配置部122が2つ形成される場合の説明図である。図23は、実施形態に係るサイプブレード120の変形例であり、外側ブレード121に内側ブレード配置部122が3つ形成される場合の説明図である。1つの外側ブレード121に形成される内側ブレード配置部122は、例えば、図22に示すように、1つの外側ブレード121に2つが形成されていてもよく、図23に示すように、1つの外側ブレード121に3つが形成されていてもよい。この場合、各内側ブレード配置部122に配置される内側ブレード125は、図22、図23に示すように1つずつであってもよく、上述した実施形態のように、1つの内側ブレード配置部122の第1内側ブレード126と第2内側ブレード127との2つが配置されていてもよい。
また、内側ブレード配置部122に1つの内側ブレード125が配置される場合は、図22、図23に示すように、閉塞エッジ部122bにおける、2箇所のスライドエッジ部122aのうちの一方のスライドエッジ部122aの近傍付近を、ブレード高さ方向とブレード幅方向とに対して傾斜するように面取り状に形成し、内側ブレード125も、この形状に合わせた形状にしてもよい。即ち、内側ブレード125の一方のサイドエッジ部125aにおける、サイプ底側エッジ部132が位置する側の反対側の端部付近に、面取り部を形成してもよい。この場合、閉塞エッジ部122bが傾斜する側の反対側のスライドエッジ部122aとサイプ底側エッジ部132とが交差する部分付近に、軸部123(図12参照)が形成され、内側ブレード125が内側ブレード配置部122の外に位置する状態にスライドした際には、内側ブレード125は、当該軸部123付近を軸として回動するのが好ましい。これにより、内側ブレード125が回動した際には、回動時の軸が位置する側の反対側のスライドエッジ部122a側に形成される面取り部により、内側ブレード125は、内側ブレード配置部122のスライドエッジ部122aに接触することなく、スムーズに回動することができる。
また、1つのサイプブレード120に切欠き部140を複数形成する際には、1つの内側ブレード125と外側ブレード121との境界部分に複数の切欠き部140を形成してもよい。図24は、実施形態に係るサイプブレード120の変形例であり、1つの内側ブレード125と外側ブレード121との境界部分に複数の切欠き部140が形成される場合の説明図である。サイプ20内に連結部材25を複数形成するために、1つのサイプブレード120に切欠き部140を複数形成する場合は、例えば、図24に示すように、1つの内側ブレード125と、内側ブレード配置部122における閉塞エッジ部122bとにかけた部分に、切欠き部140を複数形成してもよい。また、複数の連結部材25の位置、即ち、複数の切欠き部140の位置が、ブレード高さ方向とブレード幅方向とで相互に異なる場合には、内側ブレード配置部122の閉塞エッジ部122bと、内側ブレード125における閉塞エッジ部122bに対向する部分は、切欠き部140の位置に合わせて屈曲する形状で形成してもよい。
また、上述した実施形態では、内側ブレード125は、内側ブレード125のサイドエッジ部125aに形成される係止部溝部129aに外側ブレード121が入り込むことにより、内側ブレード125がスライドエッジ部122aに沿ってスライドできるようになっているが、外側ブレード121に対する内側ブレード125のスライド構造は、これ以外の形態であってもよい。また、上述した実施形態では、内側ブレード125は、外側ブレード121に形成される軸部123に内側ブレード125の係止部129が接触することにより、当該接触部付近を軸として回動可能になっているが、外側ブレード121に対する内側ブレード125の回動構造は、これ以外の形態であってもよい。
また、上述した実施形態では、サイプ20内に形成される連結部材25は、略円柱形の形状で形成され、これに伴いサイプブレード120に形成される切欠き部140は、略円形の孔となって形成されているが、連結部材25や切欠き部140は、これ以外の形状で形成されていてもよい。連結部材25や切欠き部140は、サイプ幅方向に連結部材25を見た場合における形状や、サイプブレード120の厚さ方向に切欠き部140を見た場合における形状が、半円状や楕円状であったり、多角形状であったりしてもよい。サイプ20が形成される陸部15の剛性を連結部材25によって確保することができる形状であれば、連結部材25や切欠き部140の形状は問わない。
また、上述した実施形態では、切欠き部140は、外側ブレード121に形成される外側ブレード切欠き部141と、内側ブレード125に形成される内側ブレード切欠き部142とからなるが、切欠き部140は、これ以外の形態で構成されていてもよい。切欠き部140は、例えば、内側ブレード125における内側ブレード配置部122の閉塞エッジ部122bに対向するエッジに内側ブレード切欠き部142が形成され、内側ブレード125が内側ブレード配置部122に入り込んだ際には、直線状の閉塞エッジ部122bと内側ブレード切欠き部142とによって、略半円形の孔となって形成されてもよい。切欠き部140は、外側ブレード121に対して回動する内側ブレード125に少なくとも一部が形成され、切欠き部140によって形成された連結部材25を、サイプ20からサイプブレード120を引き抜く際に内側ブレード125の回動によって回避することができれば、その形態は問わない。
また、上述した実施形態では、トレッド部2に形成される陸部15は、周方向溝11とラグ溝12とにより区画され、ブロック状に形成されているが、陸部15は、ブロック状以外の形状でもよい。陸部15は、ラグ溝12によってタイヤ周方向には分断されず、タイヤ周方向に延びる、リブ状の形状で形成されていてもよい。陸部15に形成されるサイプ20に連結部材25が形成されていれば、陸部15自体の形態やトレッドパターンはとらわれない。
また、上述した実施形態では、サイプ20は、サイプ20の長さ方向における端部が陸部15内で終端する、いわゆるクローズドタイプのサイプ20になっているが、サイプ20は、長さ方向における端部が、陸部15を区画する溝10に開口する、いわゆるオープンタイプのサイプ20であってもよい。サイプ20の形態に関わらず、空気入りタイヤ1のトレッド部2に形成されるサイプ20内に、対向するサイプ壁面21を連続して連結する連結部材25が形成されることにより、サイプ20の容積を確保しつつ、サイプ20が形成される陸部15の剛性を向上させることができる。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 踏面
10 溝
15 陸部
20 サイプ
21 サイプ壁面
22 サイプエッジ
23 サイプ底
25 連結部材
100 タイヤ成形用金型
101 セクター
102 トレッド成形面
120 サイプブレード
121 外側ブレード
122 内側ブレード配置部
122a スライドエッジ部
122b 閉塞エッジ部
123 軸部
125 内側ブレード
125a サイドエッジ部
126 第1内側ブレード
127 第2内側ブレード
128 溝部
129 係止部
129a 係止部溝部
130 エッジ部
140 切欠き部
141 外側ブレード切欠き部
142 内側ブレード切欠き部

Claims (10)

  1. 空気入りタイヤのトレッド部にサイプを形成する外側ブレードと、
    前記トレッド部に前記サイプを形成すると共に、前記外側ブレードに対してスライド自在に連結される内側ブレードと、
    を備えるサイプブレードを有し、
    前記外側ブレードには、前記内側ブレードが配置される内側ブレード配置部が形成され、
    前記内側ブレードには、前記内側ブレード配置部に配置される状態において、前記サイプ内に対向するサイプ壁面を連結する連結部材を形成する切欠き部が形成され、
    前記内側ブレードは、前記内側ブレード配置部に配置される状態と、前記内側ブレード配置部の外に位置する状態との間で前記外側ブレードに対してスライドすると共に、前記内側ブレード配置部の外に位置する状態では前記外側ブレードに対して回動可能であることを特徴とするタイヤ成形用金型。
  2. 前記内側ブレードは、前記サイプから前記サイプブレードを引き抜く方向と平行な方向に前記外側ブレードに対してスライドする請求項1に記載のタイヤ成形用金型。
  3. 前記内側ブレードは、1つの前記外側ブレードに2つが連結される請求項1または2に記載のタイヤ成形用金型。
  4. 前記切欠き部は、前記サイプブレードにおける、前記サイプのサイプエッジ及びサイプ底を形成するエッジ部から離間する請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤ成形用金型。
  5. 前記切欠き部の開口面積は、前記サイプブレードを厚さ方向に見た、前記切欠き部を含む面積の1%以上30%以下の範囲内である請求項1〜4のいずれか1項に記載のタイヤ成形用金型。
  6. 前記切欠き部は、
    前記サイプから前記サイプブレードを引き抜く方向であるブレード高さ方向における前記サイプブレードの高さH1と、前記サイプブレードにおけるサイプ底を形成するエッジ部から前記ブレード高さ方向における前記切欠き部の中心位置までの高さH2との関係が、0.1≦(H2/H1)≦0.8の範囲内であり、
    前記ブレード高さ方向と前記サイプブレードの厚さ方向とに交差する方向であるブレード幅方向における前記サイプブレードの幅W1と、前記ブレード幅方向における前記サイプブレードの一端から前記ブレード幅方向における前記切欠き部の中心位置までの距離W2との関係が、0.25≦(W2/W1)≦0.75の範囲内である請求項1〜5のいずれか1項に記載のタイヤ成形用金型。
  7. 前記切欠き部は、1つの前記サイプブレードに複数が形成され、
    前記切欠き部同士の距離Xは、前記サイプブレードの高さH1との関係が、(0.4*H1)≦X≦H1の範囲内である請求項6に記載のタイヤ成形用金型。
  8. 空気入りタイヤのトレッド部にサイプを形成する外側ブレードと、
    前記トレッド部に前記サイプを形成すると共に、前記外側ブレードに対してスライド自在に連結される内側ブレードと、
    を備え、
    前記外側ブレードには、前記内側ブレードが配置される内側ブレード配置部が形成され、
    前記内側ブレードには、前記内側ブレード配置部に配置される状態において、前記サイプ内に対向するサイプ壁面を連結する連結部材を形成する切欠き部が形成され、
    前記内側ブレードは、前記内側ブレード配置部に配置される状態と、前記内側ブレード配置部の外に位置する状態との間で前記外側ブレードに対してスライドすると共に、前記内側ブレード配置部の外に位置する状態では前記外側ブレードに対して回動可能であることを特徴とするサイプブレード。
  9. トレッド部にサイプを備える空気入りタイヤであって、
    前記サイプ内に、対向するサイプ壁面を連続して連結する連結部材が形成されることを特徴とする空気入りタイヤ。
  10. 外側ブレードと、前記外側ブレードに形成される内側ブレード配置部に配置される状態と前記内側ブレード配置部の外に配置される状態との間で前記外側ブレードに対してスライド自在に連結される内側ブレードと、を有するサイプブレードを用いて空気入りタイヤのトレッド部にサイプを形成する空気入りタイヤの製造方法であって、
    前記内側ブレード配置部に前記内側ブレードが配置される状態の前記サイプブレードでサイプを形成すると共に、前記内側ブレードに形成される切欠き部によって前記サイプ内に対向するサイプ壁面を連結する連結部材を形成する工程と、
    前記内側ブレードが前記連結部材に当接した状態で前記サイプから前記サイプブレードを引き抜くことにより前記内側ブレードが前記内側ブレード配置部の外に配置される方向に前記内側ブレードを前記外側ブレードに対してスライドさせる工程と、
    前記内側ブレードが前記内側ブレード配置部の外に位置し、且つ、前記内側ブレードが前記連結部材に当接した状態で前記サイプブレードを引き抜くことにより、前記外側ブレードに対して前記内側ブレードを回動させる工程と、
    を含むことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
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