JP2006247796A - 高分子材料の加工法及び加工機 - Google Patents
高分子材料の加工法及び加工機 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006247796A JP2006247796A JP2005069330A JP2005069330A JP2006247796A JP 2006247796 A JP2006247796 A JP 2006247796A JP 2005069330 A JP2005069330 A JP 2005069330A JP 2005069330 A JP2005069330 A JP 2005069330A JP 2006247796 A JP2006247796 A JP 2006247796A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polymer material
- workpiece
- fluid
- processing
- temperature
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Auxiliary Devices For Machine Tools (AREA)
Abstract
【解決手段】 高分子材料からなるワークWを工具Tによって機械加工する高分子材料の加工法であって、10℃〜−40℃の温度の流体をかけながら加工することを特徴とする。加工時にワークから発生する熱を効果的に除去するため、ワークが熱で半溶融して糸を引いたり、加工傷が残ったりするということがない。また、ワークにかける流体の温度が−40℃以上であるので、高分子材料が脆化する危険性が少ない。
【選択図】 図3
Description
しかし、高分子材料は、金属に比べて柔らかく、また、熱伝導性が悪いため、水や空気を吹き付けても冷却が必ずしも十分とは言えず、切削した後がひげ状(繊維状)の屑として残ったり、研磨面に研磨傷が残ることも少なくなかった。
これに対して、−50℃以下の凍結剤を高分子材料に拭きつけながら、炭酸ガスレーザで切削する方法が知られている(例えば、特許文献1)。この方法によれば、高分子材料を極低温の状態として剛性を持たせるため、金属に対する切削のように切断面を滑らかにできるという利点がある。
本発明に用いられる高分子材料としては、特に限定されないが、熱可塑性樹脂のように温度によって機械加工適性が大きく変化する樹脂に好適である。
本発明の加工法としては、切削や研磨があり、いずれも高分子材料の加工法として好適に用いられる。
本発明によれば、高分子材料からなる被加工物にかける流体が液体である場合は、熱伝導性が高いため、除熱効果が大きい。従って、加工時の発熱が大きくとも、十分な除熱が可能となり、高分子材料の局所的変形をより防止しやすくなる。
また、高分子材料を冷却するための流体が気体である場合は、被加工物の材質・形状・性状等に応じて冷却条件(風量、温度等)を容易に大きく変化させることができる。この場合、被加工物を汚すことがなく、加工後に被加工物をただちに次の工程に移すこともできる。気体としては、窒素ガスや炭酸ガスなどが好適である。特に、炭酸ガスの場合は、ドライアイスを用いると、低温の気体が容易に得られる点でより好適である。
そして、高分子材料からなる被加工物を冷却するための流体がミストである場合は、液体による熱伝導効果(除熱効果)と、気体による条件変更の容易さという双方の長所を享受することができる。
ここで、水性液体とは、水、水溶液、エマルジョンのように水を主成分として含んだ液体である。
本発明によれば、高分子材料からなる被加工物にかける液体が水性液体であるため、熱伝導性が非常に大きい。それ故、除熱効果により優れる。特に、入手のしやすさ、扱いやすさから純水(水道水等)が好適である。
本発明によれば、高分子材料に対して上述のように冷却しながら切削や研磨などを行う加工機であるため、加工適性(例えば剛性や硬度)が温度で大きく変化するような材料であっても、機械加工を円滑に行うことができる。
本発明によれば、高分子材料を冷却する手段として、10℃〜−40℃の温度の流体をかけるだけでなく、高分子材料からなる被加工物が載置されたテーブルにも10℃〜−40℃の温度の流体を循環させる冷却流体循環手段が備えられているため、高分子材料の冷却をより確実に行うことができる。
接触型主軸を有する加工機の場合、冷却用の流体(クーラント)の温度が通常よりも低いと(10℃〜−40℃)、軸受け部分と工具先端との温度差が大きくなり、それにより軸受けの予圧が変動する。つまり、主軸の回転数や主軸にかかる負荷が変動すると、例えば、主軸の回転数が増大し、転がり軸受けから発生する熱が増大して主軸が膨張し、逆に主軸の回転数が低下して転がり軸受けから発生する熱が低下すると、クーラントの液温の影響を大きく受けて主軸が収縮しやすい。そのため、主軸の精度や性能にまで影響を及ぼすことがある。場合によっては、振れ精度の低下や主軸の剛性の低下を招き、さらには主軸の破損まで起こすおそれもある。
本発明によれば、工具は、非接触型軸受によって回転可能に支持された主軸に取り付けられているので、例えば、空気軸受の場合、主軸と軸受け部は10〜30μmの間隙を有しており、このような問題を避けることができる。
〔高分子材料〕
本発明で用いられる高分子材料としては特に制限はなく、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂が好適に用いられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ウレア樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、塩化ビニル樹脂、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオキシメチレン樹脂(POM)、等が挙げられる。
オレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー(TPOともいわれる)等が挙げられる。
また、ポリエチレンとしては、高圧法で製造される低密度ポリエチレン(LDPE)やチーグラーナッタ触媒を用いて製造される高密度ポリエチレン(HDPE)やチーグラーナッタ触媒またはメタロセン触媒を用いエチレンとα−オレフィンを共重合して製造される直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等が挙げられる。ポリプロピレンとしては、アイソタクチック度が95%以上の高立体規則性ポリプロピレンや、例えば、一段目でアイソタクチックポリプロピレン、二段目でプロピレンとエチレンの共重合を行い得られるブロックタイプのポリプロピレン等が挙げられる。
ウレタン系樹脂としては、特に制限はなく、溶剤系及び水系ウレタン樹脂、またはゴム的性質を有する熱可塑性ウレタン系エラストマー(TPUともいわれる)等を用いることができる。
アクリル系樹脂としては、特に制限はないが、PMMA樹脂が好適に用いられる。
具体的な添加剤としては、酸化防止剤、中和剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。添加量は0.05〜5質量%であることが好ましい。
これらの無機、有機充填剤のうちの1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。添加量は5〜60質量%であることが好ましい。
本発明で用いられる冷却用流体としては、液体、気体、ミストいずれも使用可能であるが、冷却効率の観点からは、液体が好ましい。また、冷却温度が0℃以上であれば、入手のしやすさや後処理の観点からは水を冷却して使用することが好ましい。水の冷却は、市販のチラーを用いることができる。
また、除熱効果の観点より、高分子材料にかける流体の温度は、好ましくは5℃以下であり、より好ましくは3℃以下であり、さらに好ましくは1℃以下である。また、脆化防止の観点から、高分子材料にかける流体の温度は、好ましくは、−30℃以上であり、より好ましくは−20℃以上、さらに好ましくは−10℃以上である。
図1は本発明の加工法を適用する加工機を示す斜視図である。同図に示すように、本実施形態に係る加工機は、NC装置により制御される工作機械であって、ベース1と、このベース1上に設置された機械本体11と、この機械本体11の駆動を制御する制御手段としてのNC装置41とを備える。
テーブル13の上面には、被加工物(ワーク)Wが固定される。
前記各コラム14,15は、側面形状が、上部に対して下部が広くなった略三角形状に形成されている。これにより、下部が安定した構造であるから、スピンドルヘッド18が高速回転するものであっても、振動の発生を低減できる。
前記スライダ17には、前記スピンドルヘッド18をZ軸方向へ案内するガイド(図示省略)とともに、スピンドルヘッド18をZ軸方向へ昇降させるZ軸駆動機構25が設けられている。これらの駆動機構24,25についても、前記Y軸駆動機構21と同様に、モータと、そのモータによって回転する送りねじ軸とからなる送りねじ機構が用いられている。
ここで、被加工物を載置するテーブル13と、回転工具Tとは、上述の相対移動手段(ベッド12、コラム14,15、クロスレール16、スピンドルヘッド18 等)により相対的に移動可能となっている。
なお、冷却に水を使用する場合には、チラーによる冷却水の温度は0℃以上であるが、適当な冷媒(潤滑油等)を用いることにより、0℃以下に設定することもでき、例えば−40℃の冷媒をノズルNから放出することもできる。
この冷却台131を用いることにより、ワークWを下部から冷却して、ノズルNからの冷却流体(冷却水等)による冷却効果を補助することができる。
・使用機械:東芝機械株式会社製 高速立形加工機 F−MACH442
・加工形状:加工深さ 0.025mm、溝巾 0.15mm
・使用工具:単結晶ダイヤ90° 半月バイト/先端部φ0.15フラット
・ワークの材質:POM(ポリオキシメチレン)
・ワークの形状:プレート(5mm×50mm×50mm)
・加工条件:
主軸回転数:60,000rpm
送り速度 :20mm/min
・冷却水温度:
実施例:0.1℃
比較例:23.8℃
実施例の結果を図6、図7に示す。また、比較例の結果を図8、図9に示す。これらの図6〜図9は、POM製プレートからなるワークを切削後に加工溝を上から見た拡大写真である。具体的には、図6及び図8は加工溝の上部の両側壁に焦点をあてて撮影した写真であり、図7及び図9は、加工溝の底面に焦点をあてて撮影した写真である。
ワークにかける冷却水温度が0.1℃のときは、加工溝の両側壁及び底面は滑らかであった(実施例:図6、図7)。一方、冷却水温度が23.8℃になると加工溝の両側壁には、POMが半溶融して多数のひげ状となったものと思われる切削跡が見られるとともに(比較例:図7)、加工溝の底面には、工具による円形状の切削跡が顕著に見られた(比較例:図9)。
従って、実施例では、比較例に比して冷却水の温度効果により高分子材料を切削する際の局所的変形を確実に低減できると認められ、本発明に係る優位性が確認できた。
13…テーブル
18…スピンドルヘッド
41…NC装置
131…冷却台
W…ワーク
T…回転工具
N…ノズル
Claims (6)
- 高分子材料からなる被加工物を工具によって機械加工する高分子材料の加工法であって、
前記被加工物に10℃〜−40℃の温度の流体をかけながら加工することを特徴とする高分子材料の加工法。 - 請求項1に記載の高分子材料の加工法において、
前記流体が液体、気体及びミストのいずれかであることを特徴とする高分子材料の加工法。 - 請求項2に記載の高分子材料の加工法において、
前記流体が水性液体であることを特徴とする高分子材料の加工法。 - 高分子材料からなる被加工物を載置するテーブルと、前記被加工物を機械加工する工具と、前記テーブルと前記工具とを相対移動させる相対移動手段とを備えた加工機において、
前記被加工物に対して10℃〜−40℃の温度の流体をかけながら被加工物を冷却する冷却手段が設けられていることを特徴とする加工機。 - 請求項4に記載の加工機において、
前記テーブル内またはテーブル上に設けられ、10℃〜−40℃の温度の流体を循環させる冷却流体循環手段を備えていることを特徴とする加工機。 - 請求項4または請求項5に記載の加工機において、
前記工具は、非接触型軸受によって回転可能に支持された主軸に取り付けられていることを特徴とする加工機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005069330A JP2006247796A (ja) | 2005-03-11 | 2005-03-11 | 高分子材料の加工法及び加工機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005069330A JP2006247796A (ja) | 2005-03-11 | 2005-03-11 | 高分子材料の加工法及び加工機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006247796A true JP2006247796A (ja) | 2006-09-21 |
Family
ID=37088801
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005069330A Pending JP2006247796A (ja) | 2005-03-11 | 2005-03-11 | 高分子材料の加工法及び加工機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006247796A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011110619A (ja) * | 2009-11-24 | 2011-06-09 | Nagasaki Prefecture | ドライアイスガスとミストの混合ガスを用いたステンレス鋼のエンドミル切削加工法 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03244072A (ja) * | 1990-02-22 | 1991-10-30 | Fujitsu Ltd | 文書表示方法および装置 |
JPH1086036A (ja) * | 1996-07-24 | 1998-04-07 | Mayekawa Mfg Co Ltd | 冷風加工方法及びその装置 |
JP2000126982A (ja) * | 1998-10-27 | 2000-05-09 | Toshiba Mach Co Ltd | 冷却ノズル、その冷却ノズルを用いた冷却装置、その冷却装置を用いた加工機械および加工方法 |
JP2002126903A (ja) * | 2000-10-18 | 2002-05-08 | Canon Inc | 旋削加工方法および旋削加工装置 |
-
2005
- 2005-03-11 JP JP2005069330A patent/JP2006247796A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03244072A (ja) * | 1990-02-22 | 1991-10-30 | Fujitsu Ltd | 文書表示方法および装置 |
JPH1086036A (ja) * | 1996-07-24 | 1998-04-07 | Mayekawa Mfg Co Ltd | 冷風加工方法及びその装置 |
JP2000126982A (ja) * | 1998-10-27 | 2000-05-09 | Toshiba Mach Co Ltd | 冷却ノズル、その冷却ノズルを用いた冷却装置、その冷却装置を用いた加工機械および加工方法 |
JP2002126903A (ja) * | 2000-10-18 | 2002-05-08 | Canon Inc | 旋削加工方法および旋削加工装置 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011110619A (ja) * | 2009-11-24 | 2011-06-09 | Nagasaki Prefecture | ドライアイスガスとミストの混合ガスを用いたステンレス鋼のエンドミル切削加工法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5248837B2 (ja) | 研磨パッドの曲線状溝加工 | |
JP4865371B2 (ja) | 工作機械のスピンドル冷却装置 | |
TW201842173A (zh) | 切削加工輔助潤滑材料、切削加工輔助潤滑片及利用此等之切削加工方法 | |
JP2000141219A (ja) | 研削加工における冷却方法及び冷却装置 | |
JP5507401B2 (ja) | ワークピースのハードフィニッシュを行うためのハードフィニッシュ加工機 | |
JP5375500B2 (ja) | 工作機械 | |
JP4749117B2 (ja) | 工作機械 | |
JP2006247796A (ja) | 高分子材料の加工法及び加工機 | |
US20170312829A1 (en) | Machine tool | |
JP5313615B2 (ja) | 工具ホルダ、工具ホルダ装着用冷却タービンおよび工作機械 | |
JP4311686B2 (ja) | プリント基板の加工方法 | |
CN108723965B (zh) | 机械工具 | |
JP2005230950A (ja) | 工作機械 | |
EP3406401A1 (en) | Workpiece machining method, polishing-machine brush, and tool holder | |
US11225625B2 (en) | Lubricant material for assisting machining process, lubricant sheet for assisting machining process, and machining method | |
CN212833461U (zh) | 一种双通道数控机床 | |
CN213350880U (zh) | 一种钻床 | |
JP5577159B2 (ja) | ワークの表面の加工方法 | |
CN212577687U (zh) | 一种改进的金刚石锯片 | |
JP2012166317A (ja) | 長尺状ワークピースの研削方法 | |
US20200189009A1 (en) | Material for built-up edge formation and built-up edge formation method | |
JP2002126903A (ja) | 旋削加工方法および旋削加工装置 | |
CN111590125A (zh) | 一种双头铣床 | |
CN216828661U (zh) | 一种车床的运动轨道装置及其车床 | |
JPH05104393A (ja) | 加工方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20070809 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080124 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20110301 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110322 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110425 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20110802 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20111013 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Effective date: 20111020 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 |
|
A912 | Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20111118 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120413 |