JP2006245254A - 露光装置、露光方法、および微細パターンを有するデバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】投影光学系鏡筒内のコンタミ物質の分圧を低減することによって光学素子へのコンタミ物質の付着をできるだけ少なくし、光学特性の劣化を抑え、オーバホールまでの寿命を長くした露光装置を提供する。
【解決手段】紫外光を用いて、マスクに形成されたパターンを感応基板上に露光転写するための複数の反射鏡を有する投影光学系を備えた露光装置であって、投影光学系鏡筒内にコンタミ物質の分圧を低減する手段として、マイクロ波照射器111、レーザ光源、紫外線ランプ、放電洗浄用光源、水分又は酸素吸着剤、ガス溜め込み式吸着板、ガス溜め込み式真空ポンプ、ゲッタ材、潮解性物質のいずれかを備える。
【選択図】図1
【解決手段】紫外光を用いて、マスクに形成されたパターンを感応基板上に露光転写するための複数の反射鏡を有する投影光学系を備えた露光装置であって、投影光学系鏡筒内にコンタミ物質の分圧を低減する手段として、マイクロ波照射器111、レーザ光源、紫外線ランプ、放電洗浄用光源、水分又は酸素吸着剤、ガス溜め込み式吸着板、ガス溜め込み式真空ポンプ、ゲッタ材、潮解性物質のいずれかを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、紫外線を露光光源として用いる、露光装置、露光方法及びこれらを使用した微細パターンを有するデバイスの製造方法に関するものである。特に、極端紫外線または軟X線(本明細書及び特許請求の範囲においては、波長が150nm以下の光を意味し、「EUV(Extreme Ultraviolet)光」と言うことがある)を露光光源として用いる、露光装置、露光方法及びこれらを使用した微細パターンを有するデバイスの製造方法に関するものである。
半導体素子又は液晶表示素子等をフォトリソグラフィ工程で製造する際に、マスク(本明細書および特許請求の範囲においてはレチクルを含む)に形成されたパターン像を、投影光学系を介して感光材(レジスト)が塗布されたウエハ上の各投影(ショット)領域に縮小して投影する縮小投影露光装置が使用されている。半導体素子、液晶表示素子等の回路は、上記投影露光装置でウエハやガラス上に回路パターンを露光することにより転写され、後処理によって形成される。
近年、集積回路の高密度集積化、すなわち、回路パターンの微細化が進められてきた。これに対応するため、投影露光装置における投影光も短波長化される傾向にある。すなわち、これまで主流だった水銀ランプの輝線に代わって、KrFエキシマレーザ(248 nm)が用いられるようになり、さらに短波長のArFエキシマレーザ(193 nm)を用いた投影露光装置が実用化されている。また、更なる高密度集積化をめざしてF2レーザ(157 nm)を使用する露光装置や液浸機構を有する光露光機の開発も進められている。
さらに、光の回折限界によって制限される光学系の解像力を向上させるために、従来の紫外線に代えてこれより短い波長(11乃至14 nm)のEUV光を使用した投影リソグラフィが開発されている(例えば、D.Tichenor, et al. SPIE 2437 (1995) 292)。この技術は、EUVリソグラフィと呼ばれており、従来の光リソグラフィでは実現不可能な45nm以下の解像力を得られる技術として期待されている。
このような、EUV光を使用した露光装置の投影光学系の概要を図17に示す。光源31から放出されたEUV光は、コリメータミラーとして作用する凹面反射鏡34を介してほぼ平行光束となり、一対のフライアイミラー35aおよび35bからなるオプティカルインテグレータ35に入射する。一対のフライアイミラー35aおよび35bとして、たとえば特許文献1に開示されたフライアイミラーを用いることができる。なお、フライアイミラーのさらに詳細な構成および作用については、特許文献1に詳しく説明されており、かつ本発明と直接の関係がないので、その説明を省略する。
こうして、フライアイミラー35bの反射面の近傍、すなわちオプティカルインテグレータ35の射出面の近傍には、所定の形状を有する実質的な面光源が形成される。実質的な面光源からの光は平面反射鏡36により偏向された後、マスクM上に細長い円弧状の照明領域を形成する。ここで、円弧状の照明領域を形成するための開口板は、図示していない。マスクMの表面で反射された光は、その後、投影光学系37のミラーM1、M2、M3、M4、M5、M6で順に反射されて、露光光1として、マスクMの表面に形成されたパターンの像を、ウエハ2上に塗布されたレジスト3上に形成する。ここで、ミラー(反射鏡)は、屈折率の異なる2種類の物質を積層した多層膜から構成される。また、レジスト3を塗布したウエハ2を感応基板とも呼ぶ。
一般に、EUV光はあらゆる物質で吸光されるので空気中を透過しない。このため、EUV光を用いた露光装置では、露光光1をウエハ面上に十分な照度で到達させるためには、露光光路上の吸光物質を低減もしくは排除し、光路空間を高真空に保つ必要がある。このためには、放出ガスが極力少ない物質を用いて露光装置光路空間を構成する必要がある。投影光学系37を含む露光装置光路空間は、図17に図示しない真空チャンバに収納してもよい。このように、EUV光を用いた露光装置では、より微細な遮光パターンの転写が可能な一方で、吸光物質を排除する必要がある(吸光物質の放出する部材の利用が限られる)など設計が容易でない。
一般に、真空装置を構成する部材の表面には、数層から数百層といわれる大量のH2O分子が吸着している。これらのH2O分子は、その極性の故におもに水素結合で物質表面に吸着する。この水分子は、光路空間内でミラー表面に付着(吸着および堆積)し、露光光もしくは光電子との反応(光化学反応)によって、ミラーの多層膜表層物質を酸化させて酸化膜を形成し、ミラー反射率低下の原因となる。このように、ミラーなどの光学素子の表面に付着(吸着および堆積)して反射率などの光学特性を劣化させる物質をコンタミ物質と呼ぶ。
ミラーの表面に1nmの酸化膜が積層されるとミラーの反射率が約2乃至3%低下する。また、ミラー表面の酸化膜によって収差が発生し、照度ムラの原因となるなど反射率以外の光学特性も劣化する。さらに、光学素子のメンテナンスに起因する露光装置のスループットの低下による生産性の低下といった問題も生じる。
その一方で、従来型光露光装置と異なり、極端紫外光を用いた露光装置では光路空間にガスが充填されていないので、気流制御による放出ガス排除が容易でない。したがって、これらコンタミ物質の光路空間中におけるコンタミ物質分圧の低減が必要となる。
水分子の脱離(による真空度の悪化)を低減する手段として、一般的にはベーキングが行われる。ベーキングは、装置を高温にして水分子の脱離を促す方法である。しかし、図17に示す露光装置の投影光学系にベーキングを行うと、加熱による熱膨張、特に異質の材料での熱膨張率の相違に起因する位置ズレが原因となって、ミラーの位置が変化して光学性能が劣化する。この光学性能の劣化はEUV光を用いた露光装置では許容できないもので、ベーキングは適用できない。したがって、EUV光を用いた露光装置では、光路空間中の水分を低減するのは容易ではない。このため、ミラーの多層膜表面への水分付着に起因する酸化による反射率劣化を低減するのは容易でない。
以上、コンタミ物質としての水分について説明した。しかし、コンタミ物質は、水分だけではない。
半導体回路などのパターンの露光転写では、ウエハ面上にレジストと呼ばれる感光剤を塗布する必要がある。従来型光露光装置でも問題が顕在化しているように、露光中にレジストから大量に放出される物質は吸光の大きな物質であり、ミラーなどの光学素子表面に吸着して、光学性能を著しく劣化させる。
レジストは感光剤、溶剤、酸発生剤などから構成され、いずれも有機物をその主成分とする。さらに、このレジストに高強度の露光光が照射されることによって分解されてより低分子の物質となり、その成分は上方すなわち露光空間に放出される。
特に、EUV光を用いた露光装置では、露光光のエネルギーが高いので、容易にレジスト物質(たとえば、レジスト中に含まれる溶剤物質)を断鎖し、比較的分子数の小さい、すなわち蒸気圧の高い物質がレジスト内に生成される。この物質はレジスト内の熱拡散によってレジスト表面に到達し、やがて蒸発に似たプロセスで露光光路空間にガスとして放出される。投影光学系内の光学素子(反射鏡)とレジストとの間に遮るものが無く、かつこの空間は高真空に保たれているので、この放出ガスのうち、ある立体角内に放出されたものは遮られることなく投影光学系内の反射鏡表面に付着して汚染を生じる。ある立体角外に放出されたガスであっても、いったん鏡筒内壁に付着した後に脱離するなどして、ミラー表面に付着するものもある。
すなわち、レジスト3からの放出ガスは、図17における投影光学系37に放出され、投影光学系のチャンバ内に入り、コンタミ物質としてミラー面に付着する。付着したコンタミ物質は、露光光もしくは光電子との光化学反応によって、緻密な炭素(C)膜を形成し、吸光(ミラーの反射率の低下)の原因となる。また、コンタミ物質の付着が不均一であれば、照度ムラの原因ともなり得る。なお、ここでいうコンタミ物質とは、メタン、エタン、プロパン、ブタンなどの炭化水素、イソプロピルアルコール、ポリメチルメタクリレートなどの直鎖有機物、ベンゼン環を有するフタル酸エステルなどの環状有機物、シラン、シロキサンなどのSi含有有機物、などを指す。
レジストから放出されるガスの様子を図18により説明する。図18は、図17に示すEUV光露光装置の、ウエハ近傍の構成を示す概要図である。図示していない部分の構成は、図17に示したEUV光露光装置と同じである。
EUV光は、ミラーM5、M6で反射され、図示しないマスクに形成されたパターンの像を、ウエハ2に塗布されたレジスト3上に形成する。EUV光は、ほとんど全ての物質で吸光されるので、露光空間は、たとえば10−5Paといった高真空度に保たれている。露光光は、レジスト3上に照射されるが、このとき、レジスト3から大量のレジスト放出ガス4が放出される。
EUV光は、ミラーM5、M6で反射され、図示しないマスクに形成されたパターンの像を、ウエハ2に塗布されたレジスト3上に形成する。EUV光は、ほとんど全ての物質で吸光されるので、露光空間は、たとえば10−5Paといった高真空度に保たれている。露光光は、レジスト3上に照射されるが、このとき、レジスト3から大量のレジスト放出ガス4が放出される。
このレジスト放出ガスのうち、ある立体角内に放出されたものは遮られることなくミラーM6の表面に付着する。ある立体角外に放出されたガスであっても、いったん鏡筒内壁に付着した後に脱離するなどして、ミラーM5やM6の表面に付着するものもある。付着したガスの成分は、露光光又は光電子との光化学反応により緻密なC膜に変化する。
このC膜の厚みは露光時間が増大するとともに増大し、増大とともにミラー多層膜 (Si/Mo多層膜)の反射率が低下する(ミラー表面に1nmのカーボン層が堆積すると反射率が約1%低下する)ので、収差が発生し、照度ムラが発生するなど光学特性劣化をもたらす。さらに、反射率低下はスループットの低下となり、露光装置の生産性を著しくおとしめる。反射率低下量の目標は、1%/面程度であり、このためには、これらコンタミ物質の光路空間中分圧の低減が必要となる。
EUV光露光装置では、従来型露光装置と異なり、光路空間にガスが充填されていないので、気流制御による放出ガス排除が容易でない。このために、コンタミ物質の光路空間中分圧の低減が必要となる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、投影光学系鏡筒内のコンタミ物質の分圧を低減することによって反射鏡へのコンタミ物質の付着をできるだけ少なくし、反射鏡の光学特性の劣化を抑え、オーバホールまでの寿命を長くした露光装置、露光方法、およびこの露光方法を使用した微細パターンを有するデバイスの製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための第1の手段は、紫外光を用いて、マスクに形成されたパターンを感応基板上に露光転写するための複数の反射鏡を有する投影光学系を備えた露光装置であって、投影光学系鏡筒内にコンタミ物質の分圧を低減する手段を備えたことを特徴とする露光装置である。
本手段によれば、投影光学系鏡筒内のコンタミ物質の分圧を低減することによって、投影光学系鏡筒内の反射鏡へのコンタミ物質の付着をできるだけ少なくし、反射鏡の光学特性の劣化を抑え、露光装置のオーバホールまでの寿命を長くすることができる。
前記課題を解決するための第2の手段は、第1の手段であって、前記コンタミ物質の分圧を低減する手段が、マイクロ波照射器であることを特徴とする。
マイクロ波を露光装置光路空間構成部材表面に照射すると、表面に吸着している水分子はマイクロ波を吸収して励起され、吸着している表面から脱離しやすくなる。本手段によれば、非露光時に、露光装置光路空間構成部材表面にマイクロ波を照射することで、コンタミ物質(おもに水分子)を励起し、脱離を促進する。さらに、露光前に、通常の露光装置の排気機構によって光路空間内から排除しておく。
前記課題を解決するための第3の手段は、第1の手段であって、前記コンタミ物質の分圧を低減する手段が、レーザ照射器であることを特徴とする。
本手段によれば、非露光時に、レーザ照射器によって露光装置光路空間構成部材表面にレーザ光を照射することで、露光装置光路空間構成部材表面に吸着しているコンタミ物質を励起(断鎖)して、その脱離を促進する。さらに、露光前に、図示しない通常の露光装置の排気機構によって光路空間内から排除しておく。
前記課題を解決するための第4の手段は、第1の手段であって、前記コンタミ物質の分圧を低減する手段が、紫外光照射器であることを特徴とする。
本手段によれば、非露光時に、紫外光照射器によって露光装置光路空間構成部材表面に紫外線を照射することで、表面に吸着しているコンタミ物質を励起・断鎖して、その脱離を促進する。さらに、露光前に、図示しない通常の露光装置の排気機構によって光路空間内から排除しておく。
前記課題を解決するための第5の手段は、第4の手段であって、前記紫外光照射器をマスクの裏面に設置し、非露光時に、マスクを光路空間外に移動させて、紫外光を照射することを特徴とする。
本手段によれば、紫外光照射器をマスクの裏面に設置するので、投影光学系を使用して、各ミラーを照射することができる。
前記課題を解決するための第6の手段は、第4の手段であって、前記複数の反射鏡の少なくとも1つに、前記紫外光照射器を備えることを特徴とする。
本手段によれば、反射鏡ごとに最適な洗浄を行うことができる。
前記課題を解決するための第7の手段は、第4の手段であって、前記複数の反射鏡の少なくとも1つの少なくとも一部を囲む構造を備えることを特徴とする。
本手段によれば、囲む構造の内部で酸素ガスによる洗浄を行うことにより、高速洗浄を行うことができる。
前記課題を解決するための第8の手段は、第2から第7のいずれかの手段であって、照射光の立体角を変更するための機器をさらに備えることを特徴とする。
本手段によれば、必要に応じて、照射光の照射エリアを広くしたり、狭くしたりすることができる。
前記課題を解決するための第9の手段は、第1の手段であって、前記コンタミ物質の分圧を低減する手段が、放電洗浄器であることを特徴とする。
本手段によれば、非露光時に、放電洗浄用の電極に電圧を印加することで、部材表面に吸着したコンタミ物質を積極的に排除することができ、ベーキングと同様の効果が得られる。これによって、回路パターンの転写前に光路空間内のコンタミ物質量を低減することができる。
前記課題を解決するための第10の手段は、第9の手段であって、放電洗浄を行う際に、前記複数の反射鏡の少なくとも1つの少なくとも一部を囲む構造を備えることを特徴とする。
本手段によれば、放電洗浄によって、反射鏡の多層膜表面を悪化させることなく、所望の洗浄が実現できる。
前記課題を解決するための第11の手段は、第1の手段であって、前記コンタミ物質の分圧を低減する手段が、酸素吸着剤または水分吸着剤を含むことを特徴とする。
本手段によれば、水分吸着剤の水分(H2O)吸着作用または酸素吸着剤の酸素吸着作用を利用して、光路空間内のコンタミ物質(特にH2O)の分圧を低減することができる。
前記課題を解決するための第12の手段は、第1の手段であって、前記コンタミ物質の分圧を低減する手段が、ガス溜め込み式吸着板を含むことを特徴とする。
本手段によれば、ガス溜め込み式吸着板の吸着作用を利用して、光路空間内のコンタミ物質の分圧を低減することができる。
前記課題を解決するための第13の手段は、第1の手段であって、前記コンタミ物質の分圧を低減する手段が、ガス溜め込み式真空ポンプを含むことを特徴とする。
本手段によれば、ガス溜め込み式真空ポンプの吸着作用を利用して、光路空間内のコンタミ物質の分圧を低減することができる。
前記課題を解決するための第14の手段は、第1の手段であって、前記コンタミ物質の分圧を低減する手段が、ゲッタ材を含むことを特徴とする。
本手段によれば、表面に吸着した物質をゲッタ材内部に取り込むゲッタ材の性質を利用して、光路空間内のコンタミ物質分圧を低減することができる。
前記課題を解決するための第15の手段は、第1の手段であって、前記コンタミ物質の分圧を低減する手段が、潮解性物質を含むことを特徴とする。
本手段によれば、潮解性物質の、水分を吸収する性質を利用して光路空間内のコンタミ物質(特に水分)の分圧を低減することができる。
前記課題を解決するための第16の手段は、第11から第15のいずれの手段であって、前記コンタミ物質の分圧を低減する手段が、露光光路に沿って、または露光光束の直近を取り囲むように設置されていることを特徴とする。
本手段によれば、より効率よく光路空間内のコンタミ物質分圧を低減することができる。
前記課題を解決するための第17の手段は、前記コンタミ物質の分圧を低減する手段が、可動式であり、露光時に露光光路空間の外側に配置され、コンタミ物質を低減する際に露光光路空間の内側に配置されることを特徴とする。
本手段によれば、コンタミ物質の分圧を低減する手段が、露光時に露光光の妨げとなることはない。
前記課題を解決するための第18の手段は、第1の手段であって、前記コンタミ物質の分圧を低減する手段が、第2から第17の手段のコンタミ物質の分圧を低減する手段する手段を組み合わせたものであることを特徴とする。
本手段によれば、コンタミ物質の分圧を低減する、複数の手段を組み合わせているので、コンタミ物質の分圧を低減する効果が大きい。
前記課題を解決するための第19の手段は、第1から第18のいずれかの手段を使用して、マスクに形成された露光パターンをウエハ等の感応基板上に露光転写することを特徴とする露光方法である。
本手段によれば、反射鏡の光学特性の劣化を抑え、また、メンテナンスの周期を長くすることにより露光装置を長期間にわたって連続運転することができる。
前記課題を解決するための第20の手段は、第19の手段を用いて、マスクに形成されたパターンを感応基板に露光転写する工程を有することを特徴とする微細パターンを有するデバイスの製造方法である。
本手段によれば、反射鏡の光学特性の劣化を抑え、また、メンテナンスの周期を長くすることにより露光装置を長期間にわたって連続運転することが可能となるので、微細パターンを有するデバイスをスループットよく製造することができる。
本発明によれば、投影光学系内のコンタミ物質の分圧を低減することにより、投影光学系の反射鏡へのコンタミ物質の付着(吸着および堆積)をできるだけ少なくして、反射鏡の光学特性の劣化を抑えて、オーバホールまでの寿命を長くしたEUV光露光装置、露光方法、およびこの露光方法を使用した微細パターンを有するデバイスの製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態による露光装置の投影光学系内の構造を示す概要図である。第1の実施形態による露光装置が図17に示した標準的なEUV光露光装置と異なるのは、チャンバ(投影光学系)内部にマイクロ波を照射するマイクロ波照射機構(マイクロ波照射器)111を有している点である。本実施形態による露光装置は、この点を除いて、図17に示した従来のEUV光露光装置の投影光学系と同じである。また、本実施形態による露光装置の図示していない部分の構成は、図17に示した従来のEUV光露光装置と同じである。
マイクロ波は、波長が1mm(周波数300GHz)〜1m(周波数300MHz)程度の電磁波で、H2O分子などによく吸収されることは広く知られている。マイクロ波を露光装置光路空間構成部材表面101に照射すると、表面101に吸着している水分子はマイクロ波を吸収して励起され、吸着している表面101から脱離しやすくなる。本実施形態においては、マイクロ波を露光装置光路空間構成部材表面101に照射することで、コンタミ物質(おもに水分子)を励起し、脱離を促進する。
マイクロ波照射機構111としては、マグネトロンやクライストロンなどのマイクロ波電子管(真空管)またはガンダイオードやマイクロ波トランジスタなどを用い、導波管113などで光路空間内に導く。
回路パターンを露光していないとき(非露光時)に、マイクロ波を露光装置光路空間構成部材表面に照射することで、露光装置光路空間構成部材表面に吸着しているコンタミ物質(特にH2O)の脱離を促進する。さらに、回路パターンを露光する前に、図示しない通常の露光装置の排気機構によって光路空間内から排除しておく。これによって、回路パターンの露光時における光路空間内のコンタミ物質分圧を低減することが可能となり、ミラー等の光学素子に吸着するコンタミ物質を低減することができる。
なお、マイクロ波は、露光光と同軸であってもよいし、別軸であってもよい。以下の照射装置についても同様である。
図2は、本発明の第2の実施形態による露光装置の投影光学系内の構造を示す概要図である。第2の実施形態による露光装置が図17に示した標準的なEUV光露光装置と異なるのは、チャンバ(投影光学系)内部にレーザ光を照射するレーザ光源(レーザ照射器)121を有している点である。本実施形態による露光装置は、この点を除いて、図17に示した従来のEUV光露光装置の投影光学系と同じである。また、本実施形態による露光装置の図示していない部分の構成は、図17に示した従来のEUV光露光装置と同じである。
回路パターンを露光していないとき(非露光時)に、レーザ光源121から露光装置光路空間構成部材表面101にレーザ光を照射することで、露光装置光路空間構成部材表面101に吸着しているコンタミ物質を励起(断鎖)して、その脱離を促進する。さらに、回路パターンを露光する前に、図示しない通常の露光装置の排気機構によって光路空間内から排除しておく。これによって、回路パターンの転写前に光路空間内のコンタミ物質量を低減することができる。
ここで用いるレーザ光源としては、ArFレーザやF2レーザのようなエキシマレーザやYAGレーザやArレーザの高調波のように、高出力で、真空紫外波長もしくはそれに近い短い波長の光を発するレーザ光源が好ましい。これによって、部材表面に吸着した水分の脱離速度が向上し、光路空間内のコンタミ物質の分圧がより低減できる。
レーザ光は指向性が高い、すなわち照射エリアが狭い。したがって、光路空間構成部材表面の広範囲の洗浄を行うには、照射エリアを広くとるような光学系(レンズや回折光学素子など)123を組んでおくか、ラスター走査を行うのが好ましい。図2に示すように、光学系123を可動式として、選択的に照射エリアを広くするように構成してもよい。また、拡散板や散乱板などを用いて、より広範囲に照射できるようにしておくとより広い範囲の洗浄が可能となる。一方で、コンタミ物質が集中的に存在する空間がある場合は、逆にレーザの高い指向性を利用してコンタミガスが集中的に存在する空間のみに照射することが可能である。また、必要に応じてレンズや回折光学素子などの光学系を付設し、エネルギー空間密度をさらに高めるなどの工夫があってもよい。
図3は、本発明の第3の実施形態による露光装置の投影光学系内の構造を示す概要図である。第3の実施形態による露光装置が図17に示した標準的なEUV光露光装置と異なるのは、チャンバ(投影光学系)内部に紫外線を照射する紫外線ランプ(紫外光照射器)131を有している点である。本実施形態による露光装置は、この点を除いて、図17に示した従来のEUV光露光装置の投影光学系と同じである。また、本実施形態による露光装置の図示していない部分の構成は、図17に示した従来のEUV光露光装置と同じである。
本実施形態においては、非露光時に、紫外線(UV)ランプ131から露光装置光路空間構成部材表面101に紫外線を照射することで、表面に吸着しているコンタミ物質を励起・断鎖して、その脱離を促進する。さらに、部材表面から脱離させたコンタミ物質を図示しない排気機構によって光路空間内からあらかじめ排除しておく。これによって、回路パターンの転写前に光路空間内のコンタミ物質量を低減することができる。UVランプは一般に発散角が大きい。このため、UVランプの大きな発散角を利用して広範囲を一括で照射して洗浄する。狭い範囲に集中的に照射する場合には、照射エリアを狭くするような光学系(レンズや回折光学素子など)132を組んでおくのが好ましい。図3に示すように、光学系132を可動式として、選択的に照射エリアを狭くするように構成してもよい。
図4は、本発明の第3の実施形態の第1変形例による露光装置の投影光学系内の構造を示す概要図である。コンタミガスが集中的に存在する空間があるような場合は、図4に示したようなライトガイド133を設置して集中的にUVランプ光が照射されるようにすると効率がよい。ライトガイド133の材質は、たとえばアルミニウムである。ライトガイドは必ずしも図4のようなものである必要はなく、回転放物面やレンズによる光学系であってもよい。
図5は、本発明の第3の実施形態の第2変形例による露光装置の投影光学系内の構造を示す概要図である。本変形例において、UVランプ131は、マスクMの裏面に設置しておく。回路パターンを露光していないとき(非露光時)に、マスクMを光路空間外に移動させて、紫外光を照射する。UVランプ131をマスクの裏面に設置するので、投影光学系を使用して、各ミラーを照射することができる。このとき、図5に図示しない、露光光のNA(開口数)とUVランプ光のNAを揃えるための光学系を設けて、当該光学系を介してUVランプ光(紫外光)を照射すると、UVランプ光が無駄なく各ミラーに到達するので、より好ましい。
第2変形例においては、ランプ光上流側のミラーと比べると下流側遠方のミラーには照度が低下してしまう。特に、ミラーM6は、マスクMの裏側に設置されたUVランプ131からの、O2ガスが充填された光路空間長が長いうえに、有効エリアが広いので照度低下が著しい。ここで、O2ガスについては、後で説明する。この照度低下のため、本変形例において、紫外線照射によるミラーM6の洗浄速度は、ミラーM1の洗浄速度よりも著しく小さい。したがって、仮に、ミラーM1とミラーM6において、同じようにカーボンが付着している場合には、ミラーM1は十分洗浄されていても、ミラーM6の洗浄が不十分なため、紫外線照射によって洗浄し続ける必要がある。この場合に、過剰な洗浄によってミラーM1が酸化される恐れもある。また、一般に、UVランプ131からの、光路空間長が同じであるとしても、有効エリアが各ミラーで異なるため、照度は各ミラーで異なり、やはり紫外線照射による洗浄速度が異なる。
そこで、各ミラーに最適な洗浄を行うために、各ミラーにUVランプを設置し、洗浄を行うとよりよい。
図6は、本発明の第3の実施形態の第3変形例による露光装置の投影光学系内の構造を示す概要図である。UVランプ1311又はUVランプ光を反射して各ミラーに到達させるための反射鏡は、各ミラーの有効エリア中心の法線上近辺と露光光空間外の間を行き来できる可動式とし、洗浄のときのみ有効エリア中心の法線方向に設置できるような構成とする。本実施形態によれば、露光時に露光光の妨げとなることなく高い洗浄効率が得られるので好ましい。
図7は、本発明の第3の実施形態の第4変形例による露光装置の投影光学系内の構造を示す概要図である。ミラーM6を取り囲む機構1315を構成する壁の内部にUVランプ1313を設置するように構成してもよい。本実施形態によれば、UVランプ1313を、ミラーM6を取り囲む機構1315を構成する壁の内部に固定しているので、可動式とするための、複雑な駆動機構は不要である。ミラーを取り囲む機構については、後で説明する。
いずれの場合も、個々のミラーのカーボン膜厚を監視しつつ、カーボン膜厚が許容値を超えたときに、いったん回路パターンの露光を中止し、O2ガスを導入してミラーを洗浄するようにすると、全ミラーを常に許容されるカーボン膜厚以下に維持することができる。カーボン膜厚を監視する方法としては、たとえば、紫外線を照射して反射光量を測定し、その反射率からカーボン膜厚を推定するようにしてもよい。
O2ガスによる高い洗浄速度を実現するには、図7に示したように、反射鏡を局所的に覆うような、反射鏡を取り囲む機構1315を設ける。取り囲む機構1315の材質は、たとえばセラミックやステンレスなどである。一部露光光が通過する空間は開口となっており、完全には密閉されていない(半密閉構造)。あるいは、開口部は窓部1317であってもよい(密閉構造)。各ミラーを覆う取り囲む機構1315内部にO2ガス導入用給気口1319を設置して局所的にO2ガスを注入するようにしてもよい。窓部1317を有する密閉構造の場合はO2ガス導入用給気口1319と同様に取り囲む機構1315内部に排気口1321を設置する必要がある。排気口1321は、O2ガス導入用給気口1319と対向する位置にあるのが好ましい。窓部を有しない半密閉構造の場合は、O2ガス導入用給気口1319から供給されたO2ガスは、反射鏡を取り囲む機構1315外部(露光光空間)内に漏れ出す。しかし、図示しない排気装置による露光光空間内の排気速度を適切に選べば、投影光学系内O2ガス分圧は所定の圧力以下となり、問題にならない。
上記開口の窓部の部材として、石英ガラス等の、VUV光(真空紫外光、波長は、100nm乃至200nm)透過硝材(UV+O2洗浄の場合に有効)、または薄いZr等の、EUV光透過部材(EUV+O2洗浄の場合に有効)などの部材を使用することができる。露光光(EUV光)の透過率、すなわちウエハ面上でのEUV光照度は低下するが、密閉構造により、洗浄効率が高まるという長所がある。
あるいは、窓に相当する部分を駆動可能な扉とし、露光光による半導体回路の転写時は扉を露光光路空間内に配置せず、非露光時にO2ガス洗浄を実施するときにのみ扉を駆動して露光光路空間内に配置すると、露光時のスループットの低下がない一方で、高い洗浄速度が得られるという長所があり、より好ましい。
あるいは、投影光学系全体内にO2ガスを導入してもよい。この場合には、反射鏡を取り囲む機構1315を設ける場合と比較して洗浄速度は小さくなるが、装置構成はシンプルとなる。
UVランプ光としては、高出力でより波長の短い(より高エネルギー)ものが好ましく、Xe2ランプ(波長172nm)やAr2ランプのように真空紫外光を発するエキシマランプが好ましいが、低圧水銀ランプであってもよい。
図8は、本発明の第4の実施形態による露光装置の投影光学系内の構造を示す概要図である。第4の実施形態による露光装置が図17に示した標準的なEUV光露光装置と異なるのは、チャンバ(投影光学系)内部に放電洗浄用の電極141および143を有している点である。放電洗浄用の電極141および143は、放電洗浄器を構成する。本実施形態による露光装置は、この点を除いて、図17に示した従来のEUV光露光装置の投影光学系と同じである。また、本実施形態による露光装置の図示していない部分の構成は、図17に示した従来のEUV光露光装置と同じである。
回路パターンを露光していないとき(非露光時)に、放電洗浄用の電極141および143に電圧を印加することで、部材表面に吸着したコンタミ物質を積極的に排除することができ、ベーキングと同様の効果が得られる。これによって、回路パターンの転写前に光路空間内のコンタミ物質量を低減することができる。
図9は、本発明の第4の実施形態の第1変形例による露光装置の投影光学系内の構造を示す概要図である。放電洗浄用の電極141および143に電圧を印加して放電洗浄を行うと、反射鏡の多層膜表面が改質するなどの悪影響が及ぶ恐れがある。この場合、電圧印加時に多層膜反射鏡を囲う機構145を設けることで、反射鏡の多層膜表面を悪化させることなく、所望の洗浄が実現できる。囲う機構145は、開閉式に構成し、回路パターンの転写時(露光時)には、開放して露光空間から排除し、洗浄時には閉じるようにしておけば、露光時の障害とはならずに、放電洗浄時に反射鏡を保護することができる。
図10は、本発明の第5の実施形態による露光装置の投影光学系内の構造を示す概要図である。第5の実施形態による露光装置が図17に示した標準的なEUV光露光装置と異なるのは、チャンバ(投影光学系)内部の光路空間近傍に水分(H2O)または酸素吸着剤151を有している点である。本実施形態による露光装置は、この点を除いて、図17に示した従来のEUV光露光装置の投影光学系と同じである。また、本実施形態による露光装置の図示していない部分の構成は、図17に示した従来のEUV光露光装置と同じである。
水分(H2O)吸着剤としては、シリカゲルのようなものが一例として挙げられる。シリカゲルの水分(H2O)吸着作用を利用して、光路空間内のコンタミ物質(特にH2O)の分圧を低減する。また、酸素吸着剤としては、ゼオライトに鉄を加えたものなどがある。
図11は、本発明の第5の実施形態の第1変形例による露光装置の投影光学系内の構造を示す概要図である。第1変形例においては、投影光学系内において、水分(H2O)または酸素吸着剤151を光路に沿うように設置している。このようにすれば、より効率よく光路空間内のコンタミ物質を除去することができる。
図12は、本発明の第6の実施形態による露光装置の投影光学系内の構造を示す概要図である。第6の実施形態による露光装置が図17に示した標準的なEUV光露光装置と異なるのは、チャンバ(投影光学系)内部の光路空間近傍にガス溜め込み式吸着板161を有している点である。本実施形態による露光装置は、この点を除いて、図17に示した従来のEUV光露光装置の投影光学系と同じである。また、本実施形態による露光装置の図示していない部分の構成は、図17に示した従来のEUV光露光装置と同じである。
ガス溜め込み式吸着板161は、たとえば、クライオパネルである。クライオパネルは、極低温にしたパネルで、ガス分子を極低温の面に凝縮させて捕捉するガス溜め込み式吸着板である。ガス溜め込み式吸着板161の吸着作用を利用して、光路空間内のコンタミ物質の分圧を低減する。
図13は、本発明の第7の実施形態による露光装置の投影光学系内の構造を示す概要図である。第7の実施形態による露光装置が図17に示した標準的なEUV光露光装置と異なるのは、チャンバ(投影光学系)内部の光路空間近傍にガス溜め込み式真空ポンプ171を有している点である。本実施形態による露光装置は、この点を除いて、図17に示した従来のEUV光露光装置の投影光学系と同じである。また、本実施形態による露光装置の図示していない部分の構成は、図17に示した従来のEUV光露光装置と同じである。
ガス溜め込み式真空ポンプ171は、たとえば、ソープションポンプである。ソープションポンプは、多孔質物質(単位幾何面積あたりのミクロに見た真の表面積の大きな物質、たとえば、ジルコニアなどのセラミックや活性炭など)から成る吸着剤を液体窒素などで冷却したときの物理吸着を利用したポンプである。ガス溜め込み式真空ポンプ171の吸着作用を利用して、光路空間内のコンタミ物質の分圧を低減する。
図14は、本発明の第8の実施形態による露光装置の投影光学系内の構造を示す概要図である。第8の実施形態による露光装置が図17に示した標準的なEUV光露光装置と異なるのは、チャンバ(投影光学系)内部の光路空間近傍にゲッタ材181を有している点である。本実施形態による露光装置は、この点を除いて、図17に示した従来のEUV光露光装置の投影光学系と同じである。また、本実施形態による露光装置の図示していない部分の構成は、図17に示した従来のEUV光露光装置と同じである。
ゲッタ材は、表面に吸着した物質をゲッタ材内部に取り込む性質がある。ゲッタ材は、真空ポンプに利用されている。ゲッタ材の上記の性質を利用して、光路空間内のコンタミ物質分圧を低減する。ゲッタ材は、たとえば、チタン、タンタル、ジルコニウム、バナジウムなどである。
通常、ゲッタ材は電圧を印加して高温にして用いる場合が多い。しかし、本実施形態においてゲッタ材を高温にすると、熱輻射や熱伝導によって周囲の部材が過熱され、これにともなって過熱された部材が熱膨張する可能性がある。反射鏡保持部材が過熱された場合は、反射鏡位置が変化し、結像位置が変動して、収差が発生するなどの問題が起こる可能性がある。したがって、本実施形態においては、コンタミ物質分圧の低減速度がやや低下するが、常温で使用できるゲッタ材を用いるのが好ましい。
図15は、本発明の第9の実施形態による露光装置の投影光学系内の構造を示す概要図である。第9の実施形態による露光装置が図17に示した標準的なEUV光露光装置と異なるのは、チャンバ(投影光学系)内部の光路空間近傍に潮解性物質191を有している点である。本実施形態による露光装置は、この点を除いて、図17に示した従来のEUV光露光装置の投影光学系と同じである。また、本実施形態による露光装置の図示していない部分の構成は、図17に示した従来のEUV光露光装置と同じである。
潮解性物質は、水分を吸収する性質がある。この性質を利用して光路空間内のコンタミ物質(特に水分)の分圧を低減する。潮解性物質は、たとえばフッ化リチウムなどである。
一般的に、吸着によってコンタミ物質を低減するための部材は、その表面積が大きいほど光路空間内のコンタミ物質分圧をより速く低減できる。したがって、その表面積をより大きくとれば、コンタミ物質排除速度が上がるので好ましい。
また、吸着によって光路空間中のコンタミ物質分圧を低減する場合には、露光光路に沿って、または露光光束の直近を取り囲むように吸着部材を設置すると、効率よく光路空間内のコンタミ物質分圧を低減できる。
また、吸着によって光路空間中のコンタミ物質分圧を低減する場合には、露光光路に沿って、または露光光束の直近を取り囲むように吸着部材を設置すると、効率よく光路空間内のコンタミ物質分圧を低減できる。
上記のコンタミ物質の分圧を低減する、複数の手段を組み合わせて使用することもできる。この場合には、コンタミ物質の分圧を低減する、複数の手段を組み合わせているので、コンタミ物質の分圧を低減する効果が大きい。
以下、本発明に係わる半導体デバイスの製造方法の実施の形態の例を説明する。図16は、本発明の半導体デバイス製造方法の実施形態の一例を示すフローチャートである。この例の製造工程は以下の各工程を含む。
(1)ウエハを製造するウエハ製造工程(またはウエハを準備するウエハ準備工程)
(2)露光に使用するマスクを製作するマスク製造工程(またはマスクを準備するマスク準備工程)
(3)ウエハに必要な露光処理を行うウエハプロセッシング工程
(4)ウエハ上に形成されたチップを1個ずつ切り出し、動作可能にならしめるチップ組立工程
(5)できたチップを検査するチップ検査工程
なお、それぞれの工程はさらにいくつかのサブ工程からなっている。
(1)ウエハを製造するウエハ製造工程(またはウエハを準備するウエハ準備工程)
(2)露光に使用するマスクを製作するマスク製造工程(またはマスクを準備するマスク準備工程)
(3)ウエハに必要な露光処理を行うウエハプロセッシング工程
(4)ウエハ上に形成されたチップを1個ずつ切り出し、動作可能にならしめるチップ組立工程
(5)できたチップを検査するチップ検査工程
なお、それぞれの工程はさらにいくつかのサブ工程からなっている。
これらの主工程の中で、半導体デバイスの性能に決定的な影響を及ぼす主工程がウエハプロセッシング工程である。この工程では、設計された回路パターンをウエハ上に順次積層し、メモリやMPUとして動作するチップを多数形成する。このウエハプロセッシング工程は、以下の各工程を含む。
(1)絶縁層となる誘電体膜や配線部、あるいは電極部を形成する金属薄膜などを形成する薄膜形成工程(CVDやスパッタリングなどを用いる)
(2)この薄膜層やウエハ基板を酸化する酸化工程
(3)薄膜層やウエハ基板などを選択的に加工するためにマスク(レクチル)を用いてレジストのパターンを形成するリソグラフィ工程
(4)レジストパターンにしたがって薄膜層や基板を加工するエッチング工程(たとえばドライエッチング技術を用いる)
(5)イオン・不純物注入拡散工程
(6)レジスト剥離工程
(7)さらに加工されたウエハを検査する検査工程
なお、ウエハプロセッシング工程は必要な層数だけ繰り返し行い、設計通り動作する半導体デバイスを製造する。
(1)絶縁層となる誘電体膜や配線部、あるいは電極部を形成する金属薄膜などを形成する薄膜形成工程(CVDやスパッタリングなどを用いる)
(2)この薄膜層やウエハ基板を酸化する酸化工程
(3)薄膜層やウエハ基板などを選択的に加工するためにマスク(レクチル)を用いてレジストのパターンを形成するリソグラフィ工程
(4)レジストパターンにしたがって薄膜層や基板を加工するエッチング工程(たとえばドライエッチング技術を用いる)
(5)イオン・不純物注入拡散工程
(6)レジスト剥離工程
(7)さらに加工されたウエハを検査する検査工程
なお、ウエハプロセッシング工程は必要な層数だけ繰り返し行い、設計通り動作する半導体デバイスを製造する。
本実施形態においては、上記リソグラフィ工程において、上述のEUV光露光装置を使用している。このため、投影光学系のコンタミ物質の分圧を低減することにより、反射鏡の光学特性の劣化を抑え、また、メンテナンスの周期を長くすることにより露光装置を長期間にわたって連続運転することが可能となる。したがって、微細パターンを有するデバイスをスループットよく製造することができる。
1…露光光、2…ウエハ、3…レジスト、37…投影光学系、111…マイクロ波照射器、121…レーザ光源、131、1311、1313…紫外線ランプ、141、143…放電洗浄用電極、151…水分または酸素吸着剤、161…ガス溜め込み式吸着板、171…ガス溜め込み式真空ポンプ、181…ゲッタ材、191…潮解性物質
Claims (20)
- 紫外光を用いて、マスクに形成されたパターンを感応基板上に露光転写するための複数の反射鏡を有する投影光学系を備えた露光装置であって、
投影光学系鏡筒内にコンタミ物質の分圧を低減する手段を備えたことを特徴とする露光装置。 - 請求項1に記載の露光装置であって、前記コンタミ物質の分圧を低減する手段が、マイクロ波照射器であることを特徴とする露光装置。
- 請求項1に記載の露光装置であって、前記コンタミ物質の分圧を低減する手段が、レーザ照射器であることを特徴とする露光装置。
- 請求項1に記載の露光装置であって、前記コンタミ物質の分圧を低減する手段が、紫外光照射器であることを特徴とする露光装置。
- 請求項4に記載の露光装置であって、前記紫外光照射器をマスクの裏面に設置し、非露光時に、マスクを光路空間外に移動させて、紫外線光を照射することを特徴とする露光装置。
- 請求項4に記載の露光装置であって、前記複数の反射鏡の少なくとも1つに、前記紫外光照射器を備えることを特徴とする露光装置。
- 請求項4に記載の露光装置であって、前記複数の反射鏡の少なくとも1つの少なくとも一部を囲む構造を備えることを特徴とする露光装置。
- 請求項2から7のいずれか一項に記載の露光装置であって、照射光の立体角を変更するための機器をさらに備えることを特徴とする露光装置。
- 請求項1に記載の露光装置であって、前記コンタミ物質の分圧を低減する手段が、放電洗浄器であることを特徴とする露光装置。
- 請求項9に記載の露光装置であって、放電洗浄を行う際に、前記複数の反射鏡の少なくとも1つの少なくとも一部を囲む構造を備えることを特徴とする露光装置。
- 請求項1に記載の露光装置であって、前記コンタミ物質の分圧を低減する手段が、酸素吸着剤または水分吸着剤を含むことを特徴とする露光装置。
- 請求項1に記載の露光装置であって、前記コンタミ物質の分圧を低減する手段が、ガス溜め込み式吸着板を含むことを特徴とする露光装置。
- 請求項1に記載の露光装置であって、前記コンタミ物質の分圧を低減する手段が、ガス溜め込み式真空ポンプを含むことを特徴とする露光装置。
- 請求項1に記載の露光装置であって、前記コンタミ物質の分圧を低減する手段が、ゲッタ材を含むことを特徴とする露光装置。
- 請求項1に記載の露光装置であって、前記コンタミ物質の分圧を低減する手段が、潮解性物質を含むことを特徴とする露光装置。
- 請求項11から15のいずれか一項に記載の露光装置であって、前記コンタミ物質の分圧を低減する手段が、露光光路に沿って、または露光光束の直近を取り囲むように設置されていることを特徴とする露光装置。
- 請求項1に記載の露光装置であって、前記コンタミ物質の分圧を低減する手段が、可動式であり、露光時に露光光路空間の外側に配置され、コンタミ物質を低減する際に露光光路空間の内側に配置されることを特徴とする露光装置。
- 請求項1に記載の露光装置であって、前記コンタミ物質の分圧を低減する手段が、請求項2乃至17のコンタミ物質の分圧を低減する手段する手段を組み合わせたものであることを特徴とする露光装置。
- 請求項1から18のいずれか一項に記載の露光装置を使用して、マスクに形成された露光パターンをウエハ等の感応基板上に露光転写することを特徴とする露光方法
- 請求項19に記載の露光方法を用いて、マスクに形成されたパターンを感応基板に露光転写する工程を有することを特徴とする微細パターンを有するデバイスの製造方法。
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JP2010520630A (ja) * | 2007-03-07 | 2010-06-10 | カール・ツァイス・エスエムティー・アーゲー | 脱ガス測定方法ならびにeuvリソグラフィ装置および測定構成 |
JP2010532094A (ja) * | 2007-06-26 | 2010-09-30 | アドバンスト・マイクロ・ディバイシズ・インコーポレイテッド | リソグラフィ露光装置用の炭化水素ゲッター |
JP2011512684A (ja) * | 2008-02-22 | 2011-04-21 | サエス ゲッターズ ソチエタ ペル アツィオニ | 極紫外線放射を使用すると共にゲッター材料を含む揮発性有機化合物吸収部材を有するリソグラフィー装置 |
-
2005
- 2005-03-03 JP JP2005058398A patent/JP2006245254A/ja active Pending
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