(2)水平(x)および垂直(y)方向に広がりがある表示面をもち、該表示面にオン/オフ信号の区分の画素単位で表示/非表示を行う2次元表示手段(11);
水平および垂直方向に複数画素でなる画素ブロック(4×4画素マトリクス)の、各画素の発光/非発光を指示するオン/オフ信号の分布と該画素ブロックの表示階調を表現する、それぞれが異なった階調を表現する複数の発光パターンデータ(GPTNA01, GPTNA02, GPTNA03,・・・)でなる基本パターングループ(GPTNA)を格納した不揮発メモリ(2);
該不揮発メモリ(2)から読み出した各発光パターンデータを、複数の異なった角度(0/90/180/270°)分回転したオン/オフ信号分布の発光パターンデータ(Dbp)に変換して階調メモリ(Prg)に書込む回転手段(55,56);
表示フレーム上の、水平,垂直方向の一方(x)の画素ブロックの切換り毎に、回転角度指示信号(Xbs)を変更する手段(41,44,69b);
前記階調メモリから、階調データおよび回転角度指示信号(Xb)に対応する発光パターンデータ(Dbs)を読み出す手段(60,61,51-54);および、
前記読み出された発光パターンデータ(Dbs)のオン/オフ信号を前記2次元表示手段(11)に出力する手段(44,45,58,57,70);
を備える階調表示装置(図24)。
これによれば、不揮発メモリ(2)の所要メモリ容量を格別に増やすことなく、多種のパターングループを順次に切換え使用できる。
(3)前記基本パターングループは、オン/オフ信号の分布パターンが異なる複数グループ(GPTNA,GPTNB,GPTNC,GPTND)であり;
階調表示装置は更に、前記水平,垂直方向の他方(y)の画素ブロックの切換り毎に、グループ指示信号(Nbg)を変更する手段(42,45,47,51-54)を備え;
前記階調メモリから発光パターンデータ(Dbp/Dbs)を読み出す手段(60,61,51-54)は、前記グループ指示信号(Nbg)に対応する基本パターングループの発光パターンデータ(Dbp/Dbs)を読み出す;上記(1)又は(2)に記載の階調表示装置(図9,図21,図23,図24)。
(4)前記回転角度指示信号(Xbs)を変更する手段は、画素同期信号をカウントして画素ブロック内の水平方向の画素数をカウントするとカウントデータを初期化してまたカウントする循環カウンタでなる水平画素カウンタ(44)、および、該水平画素カウンタ(44)の初期化の回数をカウントし前記グループ指示信号(Nbg)の切換りに同期してカウント値を初期化してまた前記水平画素カウンタ(44)の初期化の回数をカウントし、カウントデータ(Xbs)を前記回転角度指示信号(Xbs)として出力する水平ブロックカウンタ(69b)を含み;
前記グループ指示信号(Nbg)を変更する手段(42,45,47,51-54)は、水平同期信号をカウントして画素ブロック内の垂直方向の画素数をカウントするとカウントデータを初期化してまたカウントする循環カウンタでなる垂直画素カウンタ(45)、および、該垂直画素カウンタ(45)の前記初期化の回数をカウントして第1設定値(4)をカウントすると初期化してまたカウントしカウントデータ(yb)を前記グループ指示信号(Nbg)を変更する信号として出力する垂直ブロックカウンタ(47)を含む;上記(3)に記載の階調表示装置(図9,図21,図23,図24)。
(5)前記階調メモリから発光パターンデータ(Dbp/Dbs)を読み出す手段(60,61,51-54)は、前記水平画素カウンタ(44)の初期化の回数をカウントして第2設定値(4)をカウントするとカウント値を初期化してまたカウントする水平ブロックカウンタ(46)のカウントデータ(Xb)と前記垂直ブロックカウンタ(47)のカウントデータ(yb)に基づいて、水平方向の前記第2設定値(4)の画素ブロック数および垂直方向の前記第1設定値(4)の画素ブロック数でなるセクション(4×4ブロックマトリクス)内のブロック番号(Nb)を発生するエンコーダ(51),フレーム数をカウントするフレームカウンタ(48),前記ブロック番号(Nb)と前記フレームカウンタ(48)のフレームカウント値を加算する加算手段(52)、および、該加算手段の加算出力データをグループ指示信号(Nbg)に変換する手段(53,54)、を含む;上記(4)に記載の階調表示装置(図9,図21,図23,図24)。
(6)上記(5)に記載の階調メモリから発光パターンデータ(Dbp/Dbs)を読み出す手段(60,61,51-54)を、R,GおよびB階調データの各表示用に1組、合計で3組備え;更に、少なくとも2組の各加算手段(52)に、他の組とは加算出力データを異にするための移相値を加える手段(64,65)を備える;上記(5)に記載のカラーの階調表示装置(図21)。
(7)前記回転手段(55,56)を使用しない基本パターングループ(GPTNA)の発光パターンデータのみの出力と、回転手段(55,56)にて回転した発光パターンデータを併用する出力を選択する手段(66);を更に備える、上記(1)乃至(6)のいずれか1つに記載の階調表示装置(図23)。
(8)階調表示装置は更に、前記水平,垂直方向の他方(y)の画素ブロックの切換り毎に、パターン指示信号(Nbg)を変更する手段(42,45,47)を備え;
前記基本パターングループ(例えばGPTNA)は、前記階調データが表わす広階調範囲(32)の半分の狭階調範囲(16)の各階調(0〜15)を表わす発光パターンデータ群(GPTNA0〜GPTNA15)でなり;
前記広階調範囲(32)の各階調には、前記基本パターングループの複数の発光パターンデータであって、それぞれが前記パターン指示信号(Nbg)に対応付けられ、かつ、複数によって前記広階調範囲(32)の階調を表わす複数の発光パターンデータが割り当てられ(図11);
前記階調メモリから発光パターンデータ(Dbp/Dbs)を読み出す手段(60,61,51-54)は、前記パターン指示信号(Nbg)に対応する発光パターンデータ(Dbp/Dbs)を読み出す;
上記(1)乃至(7)のいずれか1つに記載の階調表示装置(図9,図21,図23,図24)。
これによれば、基本パターングループ内パターン数やパターングループの順次切換えが一巡するフレーム数を格別に増やすことなく表示階調数を増やすことができる。
(9)前記広階調範囲(32)の偶数値階調と奇数値階調の一方(奇数値階調)には、前記低階調範囲の前記複数の基本パターングループの同一階調宛ての発光パターンデータが割り当てられ、他方(偶数値階調)には、前記複数の基本パターングループの異なる階調宛ての発光パターンデータが割り当てられた;上記(8)に記載の階調表示装置(図9,図21,図23,図24)。
これによれば、前記広階調範囲(32)の偶数値階調と奇数値階調の一方(奇数値階調)は、前記低階調範囲の前記複数の基本パターングループの同一階調宛ての発光パターンデータを用いる基本階調表示が行われるが、他方(偶数値階調)は、異なる階調宛ての発光パターンデータを面配列する準階調表示が行われる。基本パターングループ内パターン数やパターングループの順次切換えが一巡するフレーム数を格別に増やすことなく表示階調数を増やすことができる。
(10)前記階調メモリから発光パターンデータ(Dbp/Dbp)を読み出す手段(60,61,51-54)は、前記階調データが表わす広範囲(32)の階調よりも狭範囲(16)の階調を表わす狭域階調データを、前記広範囲(32)の階調を表わす階調データに変換する手段(62);を含む、上記(1)乃至(9)のいずれか1つに記載の階調表示装置(図9,図21,図23,図24)。
(11)光像を、それを表す画像データに変換する撮像装置(100);および、
該撮像装置が発生する画像データを前記2次元表示手段(11)に表示する、上記(1)乃至(10)のいずれか1つに記載の階調表示装置(10);を備える光像読み取り装置(図1)。
(12)原稿の画像を読み取って該画像を表わす画像データを発生する原稿スキャナ(100,120);および、
該原稿スキャナが発生する画像データを前記2次元表示手段(11)に表示する、上記(1)乃至(10)のいずれか1つに記載の階調表示装置;
を備える原稿読み取り装置(図1)。
(13)上記(12)に記載の原稿読み取り装置;
画像データが表す画像を用紙上に形成するプリンタ(200);および、
前記原稿読み取り装置が発生する画像データを前記プリンタの作像特性に適合する画像データに変換する画像データ処理手段(302);を備える画像形成装置(図1)。
(14)前記階調表示装置(10)は、前記画像形成装置にユーザ指示を与える操作端末(10)にある;上記(13)に記載の画像形成装置。
(15)行列状に配置された画素により構成される画像フレームを所定の大きさのブロックで区分し、前記ブロックに含まれる各画素の駆動を所定数の画像フレームにわたってオン/オフ制御することにより前記ブロック毎に擬似階調表示を可能とする表示装置において、
同一階調を表示するための異なるオン/オフパターンである基本オン/オフパターンと、前記基本オン/オフパターンの配列を表示動作に同期して回転処理するパターン回転機能とを備え、
前記基本オン/オフパターンにて表現可能な基本階調表示に対して、前記基本階調表示の中間の階調として準階調表示を持ち、前記準階調表示は前記基本オン/オフパターンから選択・組合せることにより表示し、前記基本オン/オフパターンのみで複数の階調表示を行うことを特徴とした階調制御方法。これによれば、点灯パターンの数やフレーム数を変更することなく表示階調数を増加させることが可能な階調制御方法を提供することが可能となる。
(16)上記(15)の階調制御方法において、
前記基本階調表示を表示するための前記基本オン/オフパターンを所定数の画像フレームにわたる表示動作により各画素の表示が均一化するような配置パターンとするとともに、前記準階調表示を表示する際に所定数の画像フレームにわたる表示動作により各画素の表示が最小差分とするような配置パターンとすることを特徴とした階調制御方法。これによれば、点灯パターンの数やフレーム数を変更することなく表示階調数を増加させ、かつ表示品位の低下を抑えることが可能な階調制御方法を提供することが可能となる。
(17)上記(15)又は(16)の階調制御方法において、
前記行列状に配置された画素をカラー画像として構成する各色の画素とし、各色に用いる前記基本オン/オフパターンを同一フレームかつ同一ブロックにおいて同一パターンとならないようにすることを特徴とする階調制御方法。これによれば、点灯パターンの数やフレーム数を変更することなく表示階調数を増加させることが可能な階調制御方法を提供することが可能となる。
(18)上記(15),(16)又は(17)の階調制御方法において
さらに前記準階調表示の表示/非表示切替を行う準階調表示切替機能を備え、前記準階調表示切替機能によって前記基本階調表示のみを表示する制御と、前記基本階調表示および前記準階調表示の両方を表示する制御との切り替えを行うことを特徴とする階調制御方法。これによれば、点灯パターンの数やフレーム数を変更することなく表示階調数を増加させることが可能な階調制御方法を提供することが可能となる。
本発明の他の目的および特徴は、図面を参照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
図1に、本発明の第1実施例の階調表示装置(図6,図8,図9)を装備した操作ボード10を備えるフルカラーデジタル複合機能複写機MF1の外観を示す。このフルカラー複写機MF1は、大略で、自動原稿送り装置(ADF)120と、操作ボード10と、カラースキャナ100と、カラープリンタ200の各ユニットで構成されている。なお、操作ボード10と、ADF120付きのカラースキャナ100は、プリンタ200から分離可能なユニットであり、カラースキャナ100は、動力機器ドライバやセンサ入力およびコントローラを有する制御ボードを有して、エンジンコントローラ(CPU301:図4)と直接または間接に通信を行いタイミング制御されて原稿画像の読取りを行う。
スキャナ100およびプリンタ200ならびに画像入出力装置(302:図4)を含むエンジン(300:図4)を接続したコントローラボード(400:図4)には、パソコンPCが接続したLAN(Local Area Network)が接続されており、ファクシミリコントロールユニット(FCU 417:図4)には、電話回線PN(ファクシミリ通信回線)に接続された交換器PBXが接続されている。
図2に、複合機能複写機MF1のスキャナ100およびそれに装着されたADF120の、原稿画像読取り機構を示す。このスキャナ100のコンタクトガラス101上に置かれた原稿は、照明ランプ102により照明され、原稿の反射光(画像光)が第1ミラー103で副走査方向yと平行に反射される。照明ランプ102および第1ミラー103は、図示しない、副走査方向yに定速駆動される第1キャリッジに搭載されている。第1キャリッジと同方向にその1/2の速度で駆動される、図示しない第2キャリッジには、第2および第3ミラー104,105が搭載されており、第1ミラー103が反射した画像光は第2ミラー104で下方向(z)に反射され、そして第3ミラー105で副走査方向yに反射されて、レンズ106により集束され、CCD107に照射され、電気信号に変換される。すなわちRGB各色画像信号に変換される。
第1および第2キャリッジは、走行体モータ108を駆動源として、y方向に往(原稿走査),復(リタ−ン)駆動される。このようにスキャナ100は、コンタクトガラス101上の原稿をランプ102およびミラー103で走査して原稿画像をCCD107に投影するフラットベッド読取りの原稿スキャナであるが、第1キャリッジをホームポジション(待機位置)HPに停止して、シートスルー読取りを行うことも可能である。
シートスルー読取りを行うために、自動原稿供給装置(ADF)120がスキャナ100に装着されており、第1キャリッジがホームポジションHPで停止しているときの第1ミラー103の読取り視野位置に、シートスルー読取り窓であるガラス132があり、ADF120の搬送ドラム(プラテン)125がガラス132に対向している。
ADF120の原稿トレイ121に積載された原稿は、フィラーセンサ130で検出される。なお、原稿サイズは、原稿を所定姿勢に強制するサイド板の設定位置を検出するスイッチ群131のオン,オフに基づいて判定される。シートスルー読取りのときには、ADF120の原稿トレイ121に積載された原稿の最上部の一枚が、ピックアップローラ122および送り込みローラ123,124でレジストローラ125に送り出され、レジストローラ125から窓ガラス132に送り出されて、このときホームポジションHPにある第1ミラー103で原稿上の画像が第2ミラー104に反射されてCCD107に投影され、CCD107が投影画像を光電変換して画像信号を発生する。すなわちRGB各色画像信号を発生する。
この実施例では、ホームポジションHPが、画像読取り光学系のシートスルー読取り位置であり、また、フラットベッド読取りの第1キャリッジ駆動始点(=リターン終点)である。フラットベッド読取りの場合、第1キャリッジをホームポジションHPから駆動して、HPからA+Bの距離進んだ位置(目盛り板scpの右端:読取り開始点)から原稿画像の読取りを開始する。すなわちCCD107が発生する画像信号を有効とする。ホームポジションHPと読取り開始点との間には、第1キャリッジを検出する基点センサ109、ならびに、基準白板rwpがある。基準白板rwpは、コンタクトガラス101の左端部の上面に密着している。基準白板rwpは、照明ランプ102の個々の発光強度のばらつき,また主走査方向xのばらつきや、CCD107の画素毎の感度ムラ等が原因で、一様な濃度の原稿を読み取ったにもかかわらず、読取りデータがばらつく現象を補正(シェーディング補正)するために用意されている。また、画像信号の増幅ゲイン調整(AGC)にも用いられる。
フラットベッド読取りのときには、ホームポジションHPから、第1キャリッジの副走査駆動および副走査位置の追跡を開始する。第1キャリッジの読取り視野に基準白板rwpがあるとき、CCD107の画像信号(をデジタル変換した画像データ)が、画像信号処理回路111(図4)に読込まれる。第1キャリッジが基点センサ109を横切るとき第1キャリッジの起動が終わり走査速度が設定値に収束している。副走査位置が読取り始端(A+B:目盛り板scpの右端の右側)に達したときに、画像信号有効信号(フレーム同期信号:FGATE)が有意レベルに切り換えられる。フラットベッド読取りでは、第1キャリッジを、コンタクトガラス101上の原稿の先端(右端)まで副走査駆動して、そこで折返してリターン駆動するとき、ホームポジションHPで一時停止するが、その直前に、基点センサ109が第1キャリッジを検出し、検出時点に副走査位置が基点位置データ(設定値)に初期化される。第1キャリッジはホームポジションHPで一時停止してから原稿サイズ検出位置(A+B+C)に駆動され、そこで待機する。
ADF120の基体135は、奥側(図2紙面の裏側)でスキャナ100の基体にヒンジ結合(蝶番連結)しており、基体135の手前側(図2紙面の表側)の取っ手136を持ってADF120の基体135引き上げることにより、ADF120を起こす(開く)ことができる。ADF120の基体135の奥側には、ADF120の開閉を検出する圧板スイッチがある。この実施例では、ADF120が図1に示す平伏姿勢から、起立姿勢に起こされる過程の、圧板(原稿押さえ板)137の下面がコンタクトガラス101の原稿載置面に対して20°前後の設定角度を超えるときに、圧板スイッチは、圧板閉を表すオフから、圧板開を表すオンに切換わり、起立姿勢から平伏姿勢に倒される過程では、圧板137の下面がコンタクトガラス101の原稿載置面に対して該設定角度以下の角度になるときに、圧板スイッチは、圧板開を表すオンから、圧板閉を表すオフに切換わる。
このように圧板スイッチの開/閉検出の切換り角度を20°前後の広い角度に設定しているのは、該設定角度より小角度になるときに、予め原稿サイズ検出位置(図2)に位置決めした第1キャリッジ上の照明灯102を点灯してコンタクトガラス101上の原稿を照明し、原稿像をCCD107に投影して、CCD107の画像信号に基づいて原稿とその背景との境界すなわち原稿側端(原稿の主走査方向xの幅)を検出するためである。ADF120が略10°以上傾斜しているときには、照明灯102の光はコンタクトガラス101上の原稿で反射してCCD107に至り、CCD107によって明るく検出されるが、原稿を外れた光は、圧板137の下面で反射されるものの、該下面が傾いているのでほとんどCCD107の光学視野の外に向かうので、原稿の外側はCCD107によって暗く検出される。このような明暗の差にしたがって、後述するデジタル処理回路(AFE)111(図4)が、コンタクトガラス101上の原稿のサイズを検出する。
この実施例では、次のモードの原稿画像読取りを行うことができる:
1.手置原稿読取り
ユーザがADF120を起こしてコンタクトガラス101上に原稿を載せ、ADF120を倒して圧板137で原稿を押さえて、上記のフラットベッド方式の原稿走査(フラットベッド読取り)を行う。第1キャリッジが基準白板rwp直下を通過するとき、基準白板rwpの読取り画像データに基づいてシェーデイング補正データを生成して、メモリのシェーデイング補正データを今回得たものに更新する。フラットベッド読取りが終わるとユーザがADF120を起こして原稿を取り出す。ユーザが、原稿をコンタクトガラス101上にセットしてADF120を閉じるとき、AFE111(図4)が、コンタクトガラス101上の原稿のサイズを検出する。
2.シートスルー読取り
ADF120で原稿トレイ121上の原稿を移送して上述のシートスルー読取りを行う。一枚の原稿をトレイ121から送り出すとき、第1キャリッジを基準白板rwpの位置に駆動しそしてホームポジションHPに戻し、第1キャリッジが基準白板rwp直下にあるとき、基準白板rwpの読取り画像データに基づいてシェーデイング補正データを生成して、メモリのシェーデイング補正データを今回得たものに更新する。原稿トレイ121上の原稿の各一枚についてこの読取りを行う。
図3に、複合機能複写機MF1のカラープリンタ100の機構を示す。この実施例のカラープリンタ200は、レーザプリンタである。このレーザプリンタ200は、マゼンダ(M),シアン(C),イエロー(Y)および黒(ブラック:K)の各色の画像を形成するための4組のトナー像形成ユニットa〜dが、第1転写ベルト208の移動方向(図中の左から右方向y)に沿ってこの順に配置されている。即ち、4連ドラム方式(タンデム方式)のフルカラー画像形成装置である。
回転可能に支持され矢印方向に回転する感光体201の外周部には、除電装置,クリーニング装置,帯電装置202および現像装置204が配備されている。帯電装置202と現像装置204の間には、露光装置203から発せられる光情報の入るスペースが確保されている。感光体201は4個(a,b,c,d)あるが、それぞれ周囲に設けられる画像形成用の部品構成は同じである。現像装置204が扱う色材(トナー)の色が異なる。各感光体201(4個)の一部が、第1転写ベルト208に接している。ベルト状の感光体も採用可能である。
第1転写ベルト208は矢印方向に移動可能に、回転する支持ローラおよび駆動ローラ間に支持、張架されていて、裏側(ループの内側)には、第1転写ローラが感光体201の近傍に配備されている。ベルトループの外側に、第1転写ベルト用のクリーニング装置が配備されている。第1転写ベルト208より転写紙(用紙)又は第2転写ベルトにトナー像を転写した後にその表面に残留する不要のトナーを拭い去る。露光装置203は公知のレーザ方式で、フルカラー画像形成に対応した光情報を、一様に帯電された感光体表面に潜像として照射する。LEDアレイと結像手段から成る露光装置も採用できる。
図3上で、第1転写ベルト208の右方には、第2転写ベルト215が配備されている。第1転写ベルト208と第2転写ベルト215は接触し、あらかじめ定められた転写ニップを形成する。第2転写ベルト215は矢印方向に移動可能に、支持ローラおよび駆動ローラ間に支持、張架されていて、裏側(ループの内側)には、第2転写手段が配備されている。ベルトループの外側に、第2転写ベルト用のクリーニング装置,チャージャ等が配備されている。該クリーニング装置は、用紙にトナーを転写した後、残留する不要のトナーを拭い去る。転写紙(用紙)は、図の下方の給紙カセット209,210に収納されており、最上の用紙が給紙ローラで1枚づつ、複数の用紙ガイドを経てレジストローラ233に搬送される。第2転写ベルト215の上方に、定着器214、排紙ガイド224、排紙ローラ225、排紙スタック226が配備されている。第1転写ベルト208の上方で、排紙スタック226の下方には、補給用のトナーが収納できる収納部227が設けてある。トナーの色はマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの四色があり、カートリッジの形態にしてある。粉体ポンプ等により対応する色の現像装置204に適宜補給される。
ここで両面印刷のときの各部の動作を説明する。まず感光体201による、作像が行われる。すなわち、露光装置203の作動により、不図示のLD光源からの光は、不図示の光学部品を経て、帯電装置202で一様に帯電された感光体201のうち、作像ユニットaの感光体上に至り、書き込み情報(色に応じた情報)に対応した潜像を形成する。感光体201上の潜像は現像装置204で現像され、トナーによる顕像が感光体201の表面に形成され保持される。このトナー像は、第1転写手段により、感光体201と同期して移動する第1転写ベルト208の表面に転写される。感光体201の表面は、残存するトナーがクリーニング装置でクリーニングされ、除電装置で除電され次の作像サイクルに備える。
第1転写ベルト208は、表面に転写されたトナー像を坦持し、矢印の方向に移動する。作像ユニットbの感光体201に、別の色に対応する潜像が書き込まれ、対応する色のトナーで現像され顕像となる。この像は、すでに第1転写ベルト208に乗っている前の色の顕像に重ねられ、最終的に4色重ねられる。なお、単色黒のみを形成する場合もある。このとき同期して第2転写ベルト215は矢印方向に移動していて、第2転写手段117の作用で、第2転写ベルト215の表面に第1転写ベルト208表面に作られた画像が転写される。いわゆるタンデム形式である4個の作像ユニットa〜dの各感光体201上で画像が形成されながら、第1,第2転写ベルト208,215が移動し、作像が進められるので、その時間が短縮できる。第1転写ベルト208が、所定のところまで移動すると、用紙の別の面に作成されるべきトナー画像が、前述したような工程で再度感光体201により作像され、給紙が開始される。給紙カセット121又は122内の最上部にある用紙が引き出され、レジストローラ233に搬送される。レジストローラ233を経て、第1転写ベルト208と第2転写ベルト215の間に送られる用紙の片側の面に、第1転写ベルト208表面のトナー像が、第2転写手段117により転写される。更に記録媒体は上方に搬送され、第2転写ベルト215表面のトナー像が、チャージャにより用紙のもう一方の面に転写される。転写に際して、用紙は画像の位置が正規のものとなるよう、タイミングがとられて搬送される。
上記のステップで両面にトナー像が転写された用紙は、定着器214に送られ、用紙上のトナー像(両面)が一度に溶融、定着され、ガイド224を経て排紙ローラ225により本体フレーム上部の排紙スタック226に排出される。
図3のように、排紙部224〜226を構成した場合、両面画像のうち後から用紙に転写される面(頁)、すなわち第1転写ベルト208から用紙に直接転写される面が下面となって、排紙スタック226に載置されるから、頁揃えをしておくには2頁目の画像を先に作成し、第2転写ベルト215にそのトナー像を保持し、1頁目の画像を第1転写ベルト208から用紙に直接転写する。第1転写ベルト208から直接に用紙に転写される画像は、感光体表面で正像にし、第2転写ベルト215から用紙に転写されるトナー像は、感光体表面で逆像(鏡像)になるよう露光される。このような頁揃えのための作像順、ならびに、正、逆像(鏡像)に切り換える画像処理も、書画蓄積制御403(図4)によるメモリ406に対する画像データの読書き制御によって行っている。第2転写ベルト215から用紙に転写した後、ブラシローラ,回収ローラ,ブレード等を備えたクリーニング装置が、第2転写ベルト215に残留する不要のトナーや紙粉を除去する。
図3では第2転写ベルト215のクリーニング装置のブラシローラが第2転写ベルト215の表面から離れた状態にある。支点を中心として揺動可能で、第2転写ベルト215の表面に接離可能な構造になっている。用紙に転写する以前で、第2転写ベルト215がトナー像を担持しているとき離し、クリーニングが必要のとき、図で反時計方向に揺動し接触させる。除去された不要トナーはトナー収納部に集められる。以上が、「両面転写モード」を設定した両面印刷モードの作像プロセスである。両面印刷の場合には、常にこの作像プロセスで印刷が行われる。
片面印刷の場合には、「第2転写ベルト215による片面転写モード」と「第1転写ベルト208による片面転写モード」の2つがあり、前者の第2転写ベルト215を用いる片面転写モードを設定した場合には、第1転写ベルト208に3色又は4色重ねもしくは単色黒で形成された顕像が第2転写ベルト215に転写され、そして用紙の片面に転写される。用紙の他面には画像転写はない。この場合、排紙スタック226に排出された印刷済用紙の上面に印刷画面がある。
後者の第1転写ベルト208を用いる片面転写モードを設定した場合には、第1転写ベルト208に3色又は4色重ねもしくは単色黒で形成された顕像が、第2転写ベルト215には転写されずに、用紙の片面に転写される。用紙の他面には画像転写はない。この場合は、排紙スタック226に排出された印刷済用紙の下面に印刷画面がある。
図4に、図1の複合機能複写機MF1の画像処理システムの構成を示す。複合機能複写機MF1は、原稿画像読取りおよびカラー印刷を行うエンジン300,コントローラボード400および操作ボード10を含む。エンジン300は、画像読取りおよび印刷のプロセスを制御するCPU301,上述のカラースキャナ100,上述のプリンタ200、および、ASIC(Application Specific IC)で構成した画像入出力処理302を備えている。
スキャナ100の読取りユニット110にはCPU,ROMおよびRAMがあり、該CPUが該ROMに格納されたプログラムを該RAMに書き込んで実行する事で、スキャナ100の全体の制御を行っている。また、プロセス制御用のCPU301と通信線を介して接続されおり、コマンド及びデータの送受信により指令された動作を行う。読取りユニット110内のCPUは、フィラーセンサ(原稿検知センサ),基点センサ,圧板スイッチ,冷却ファン等の検知及びON/OFFの制御をする。読取りユニット110内において、スキャナモータドライバが、CPUからのPWM出力によりドライブされ励磁パルスシーケンスを発生し原稿走査駆動用のパルスモータを駆動する。
原稿画像は、ランプレギュレータによって通電されるハロゲンランプ102(図2)の光量出力により照明されて、原稿の反射光すなわち光信号は、複数ミラー103〜105及びレンズ106を通りR,GおよびB読取り用の3個のラインセンサを含むCCD107に結像される。3ラインCCD107は、各RGBの各画素のアナログの画像信号をAFE111に出力する。AFE111は、画像信号を増幅し画像データにデジタル変換しそしてシェーディング補正する画像信号処理手段である。
コントローラボード400は、CPU402と、ASICで構成された書画蓄積制御403と、ハードディスク装置(以下ではHDDと表記)401と、ローカルメモリ(MEM−C)406と、システムメモリ(MEM−P)409と、ノースブリッジ(以下、NBと記す)408と、サウスブリッジ(以下、SBと記す)415と、NIC410(Network Interface Card)と、USBデバイス411と、IEEE1394デバイス412と、セントロニクスデバイス413他を含む。操作ボード10は、コントローラボード400の書画蓄積制御403に接続されている。ファクシミリコントロールユニット(FCU)417も、書画蓄積制御403にPCIバスで接続されている。
CPU402は、NIC410を介してLANに接続されたパソコンPCあるいはインターネットを介する他のパソコンPCと書画情報の送受信を行うことができる。また、USB411,IEEE1394 412,セントロニクス413を用いてパソコン,プリンタ,デジタルカメラ等と通信することができる。
SB415と、NIC410と、USBデバイス411と、IEEE1394デバイス412と、セントロニクスデバイス413と、MLB414は、NB408にPCIバスで接続されている。このように、MLB414は、エンジン300にPCIバスを介して接続する基板である。そして、MLB414は、外部から入力された書画データをイメージデータ(画像データ)に変換し、変換された画像データをエンジン300に出力する。
コントローラボード400の書画蓄積制御403にローカルメモリ406、HDD401などが接続されると共に、CPU402と書画蓄積制御403とがCPUチップセットのNB408を介して接続されている。書画蓄積制御403とNB408とは、AGP(Accelerated Graphics Port)を介して接続されている。
CPU402は、複合機能複写機MF1の全体制御を行うものである。NB408は、CPU402、システムメモリ409、SB415および書画蓄積制御403を接続するためのブリッジである。システムメモリ409は、複合機能複写機MF1の描画用メモリなどとして用いるメモリである。SB415は、NB408とPCIバス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジであり、SB415には外付けROMおよびSDメモリカード(以下ではSDカード)の読み書きをするカードIF418が接続されている。このカードIF418には、SDカード読み書き装置(カードリーダ)が接続されており、カードリーダに装着されるSDカードのデータを読み取ることができ、またSDカードにデータを書込むことができる。
ローカルメモリ406はコピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるメモリである。HDD401は、画像データの蓄積,文書データの蓄積,プログラムの蓄積,フォントデータの蓄積,フォームの蓄積,LUT(Look Up Table)の蓄積などを行うためのメモリである。また、操作ボード10は、ユーザからの入力操作を受け付けると共に、ユーザに向けた表示を行う操作部である。
図4には、スキャナ100およびプリンタ200と画像入出力処理302との間でやり取りする画像データの流れを示す。画像入出力処理302には、カラー原稿スキャナ100が原稿画像を読み取って発生するR,G,B画像データのそれぞれに対して読取りγ補正,MTF補正等を行うスキャナ画像処理303があり、また、R,G,B画像データをプリンタ200の、C,M,Y,K各色書込みの画像表現特性に合ったc,m,y,k記録色データ(印刷データ)に変換するプリンタ画像処理304があり、更に、書画蓄積制御403に原稿読取り画像データRGBを出力し、書画蓄積制御403が出力する画像データRGBをプリンタ画像処理304に与える画像処理I/F(Interface circuit)305がある。
白黒コピーのときには、スキャナ画像処理303からG画象データが画像処理I/F305に出力され、画像処理I/F305がG画像データをプリンタ画像処理304に出力し、プリンタ画像処理304がG画像データをk記録色データに変換し、必要に応じて変倍,画像加工を、そしてプリンタγ変換および階調処理をして、プリンタ200のC書込みユニット212に出力する。書込みユニット212は、画像処理304が出力するk記録色データによって、光学走査ユニット203(図3)のレーザ発光ダイオードに通電する電流を変調又はオン,オフする。
カラーコピーのときは、スキャナ画像処理303が出力するRGB画像データが、画像処理I/F305および画像蓄積制御403を介して、ローカルメモリ406又はHDD401に一時蓄積又はHDD401に登録され、そして読み出されて、コピーまたは印刷に用いられ、あるいは外部に送出される。
プリンタ200による登録画像データ、又は、外部から受信した画像データの印刷のときには、画像蓄積制御403および画像処理I/F305を介して画像データがプリンタ画像処理304に与えられる。プリンタ画像処理304は、画像データをcmyk記録色データに変換してから、必要に応じて変倍,画像加工を、そしてプリンタγ変換および階調処理をして、書込みユニット212に出力する。
図5に、図4に示すスキャナ画像処理303およびプリンタ画像処理304の機能の概要を示す。カラー原稿スキャナ100のAFE111が出力するRGB画像データには、スキャナγ補正306が加えられ、そして像域分離310の像域検出結果に従って、画像のエッジ領域にはエッジ強調処理を、滑らかに濃度が変わる中間調領域には平滑化処理を加えるフィルタ処理307が加えられる。
「黒(BK)」ボタン(図6)が指定状態(塗りつぶし状態)である白黒読取り又は白黒コピーの指示のときには、フィルタ処理307でエッジ強調処理又は平滑化処理を加えたG画像データのみが、頁メモリ308に書込まれる。「フルカラー」ボタンが指定状態であったときには、フィルタ処理307でエッジ強調処理又は平滑化処理を加えたRGB画像データがメモリ406(図4)に蓄積される。「自動色選択」ボタンが指定状態であったとき、ならびに、「黒(BK)」,「フルカラー」,「自動色選択」,「青(C)」,「赤(R)」および「黄(Y)」ボタンのいずれも非指定状態で読取り,印刷の色を特定できないときには、フィルタ処理307が処理したRGB画像データがメモリ406に蓄積されると共に、G画像データが、頁メモリ308に書込まれる。
データセレクタ309は、読取り画像データとして、頁メモリ308のG画像データと、フィルタ処理307したRGB画像データの一方を選択出力するものである。なお、スキャナ画像処理303の頁メモリ308から画像処理I/F305に出力された画像データはその後は、白黒読取りのBk画像データとして取り扱われる。
像域分離310は、読取り歪みを矯正するスキャナγ補正306をしたG画像データに対して、エッジ強調処理311を実施する。エッジ強調処理311は、G画像データ列の各画像データが宛てられる各画素を順次に注目画素として、注目画素を中心とする例えば3×3画素マトリクスの各画像データに、該画素マトリクスの各画素宛てのエッジ強調係数を乗算した積の総和に変換し、これを注目画素のエッジ検出値とする。エッジ検出値はエッジの鮮明度をあらわす。
エッジ検出値は、2値化314によって、像エッジ候補か否を表す2値データ(H:像エッジ候補/L:非エッジ)に変換されて、パターンマッチング315で、注目画素がエッジ位置(エッジ画素)かそうでないか判定される。すなわち注目画素の領域が文字,線画などの2値画像か、写真等の中間調画像か判定される。パターンマッチング315は、2値化314が出力するエッジ画素か否を表す2値データの、注目画素を中心とする領域(3×3画素マトリクス)の分布が、所定のエッジパターンに合致すると、そのときの注目画素を像エッジ領域(文字領域)の画素と判定する。
パターンマッチング315の判定結果(像エッジ(文字)/非エッジ(写真)すなわち文字/写真)がフィルタ処理307に与えられ、フィルタ処理307が、スキャナγ補正した画像データに、判定結果が「像エッジ」の領域にはエッジ強調処理を、「非エッジ」の領域には滑らかに濃度が変わる平滑化処理を加える。
ACS(Auto Color Select)317が、原稿読取りの画像データが白黒画像を表すかカラー画像を表すかを検出する。ACS317の白黒/カラー検出信号と、像域分離310の判定結果(エッジ(文字)/非エッジ(写真))を表わす像エッジ/非エッジ検出信号が頁判定318に与えられる。頁判定318は、1頁の原稿読取りの間、白黒/カラー検出信号のカラーと検出した画素数(画像データ数)および像エッジ/非エッジ検出信号の像エッジと検出した画素数を積算し、1頁の原稿読取りを終えたとき、各積算値が各設定値以上か判定して、カラーと検出した画素数が設定値以上であると原稿の画像は「カラー」と、設定値未満であると「白黒」と判定し、像エッジと検出した画素数が設定値以上であると文字又は線画などの2値画像(これを単純には「文字」という)と判定し、設定値未満であると非エッジ画像(これを単純には「写真」という)と判定する。頁判定318の判定結果(白黒/カラー&文字/写真)を、1頁の原稿読取りを終えたときに、CPU301が参照する。
プリンタ画像処理304の色補正331は、RGB画像データをymc(記録色)画像データに変換して主走査変倍332に出力する。主走査変倍332で必要に応じて変倍をしてから、プリンタ200の作像特性に適合させるプリンタγ補正333をして、そして階調処理334で画素単位の記録/非記録のマトリクス分布によって濃度階調を表す画像データに変換してから、プリンタ200に出力する。与えられる画象データがG(Bk)のみ(白黒)の場合には、画像データは色補正331ではなく主走査変倍332に与えられる。すなわち色補正処理は適用しない。
図6に示す様に、本発明の第1実施例の階調表示装置を装備した操作ボード10には、液晶タッチパネル11のほかに、テンキー15,クリア/ストップキー16,スタートキー17,初期設定キー18,モード切換えキー19,テスト印刷キー20,電源キー21がある。また、図示は省略したが、2次元表示手段である液晶タッチパネル11の左側には、URL,メール文,ファイル名,フォルダ名等の入力,設定用ならびに短縮登録用の、平仮名を付記したアルファベットキーボードがある。
電源キー21は、省エネモード(休止モード又は低電力モード)から画像印刷が可能なスタンバイモードに、またその逆への切換えを指示するための操作キーである。省エネモードが設定されている時に電源キー21が一回押されると、省エネモードからスタンバイモードに切換る。スタンバイモードであるときに電源キー21が一回押されると、スタンバイモードから休止モードに切換る。テスト印刷キー20は、設定されている印刷部数に関わらず1部だけを印刷し、印刷結果を確認するためのキーである。
初期設定キー18を押す事で、機械の初期状態を任意にカスタマイズする事が可能である。省エネモードへの移行時間を設定したり、機械が収納している用紙サイズを設定したり、コピー機能のリセットキーを押したときに設定される状態を任意に設定可能である。初期設定キ−18が操作されると、各種初期値を設定するための「初期値設定」機能ならびに「ID設定」機能,「著作権登録/設定」機能および「使用実績の出力」機能等を指定するための選択ボタンが表示される。
液晶タッチパネル11には、各種機能キーならびにエンジン300およびコントローラボード400の動作状態を示すメッセージなどが表示される。液晶タッチパネル11には、「コピー」機能,「スキャナ」機能,「プリント」機能,「ファクシミリ」機能,「蓄積」機能,「編集」機能,「登録」機能およびその他の機能の選択用および実行中を表わす機能選択キー14が表示される。機能選択キー14で指定された機能に定まった入出力画面が表示され、例えば「複写」機能が指定されているときには、図6に示すように、機能キーならびに部数及び画像形成装置の状態を示すメッセージ12,13が表示される。機能キー12の中には、印刷色指定キー「黒(BK)」,「フルカラー」,「自動色選択」,「青(C)」,「赤(M)」および「黄(Y)」指定キーがある。オペレータが液晶タッチパネル11に表示されたキーにタッチすると、操作ボード10はオペレータ入力として読み込み、選択された機能を示すキーを、指定中を表す灰色に反転表示する。また、機能の詳細を指定しなければならない場合(例えばページ印字の種類等)はキーにタッチする事で詳細機能の設定画面がポップアップ表示される。このように、液晶タッチパネル11は、ドット表示器を使用している為、その時の最適な表示をグラフィカルに行う事が可能である。
図7の(a)には、ユーザが機能選択キー14の中の「読み取り」キーにタッチしたしたときに液晶タッチパネル11に表示される画像読み取りの入力画面を示し、図7の(b)には、原稿スキャナ100で読み取った画像の、液晶タッチパネル11上の表示を示す。図7の(a)に示す入力画面にユーザが、所要の入力をして「取込み」ボタンをダブルクリックすることによって、原稿スキャナ100が画像読み取りをして、読み取った画像が図7の(b)に示すようにパネル11に表示されるとともに、画像データがメモリ406又はHDD401に蓄積される。図7の(a)に示す入力画面には、領域指定用のスケール付き領域31があり、該領域には指定領域を表わす矩形の点線ブロック32が表示されている。点線ブロック32の4コーナのそれぞれには、小四角形の操作箇所マーク33が表示されており、これを指定して上下左右に動かすことにより、点線ブロック32の形状が矩形を維持したまま変化する。すなわち指定領域の調整ができる。原稿画像取込み指示(「取込み」ボタンのダブルクリック)があったときの点線ブロック32の対角コーナのx(図上横方向),y(縦方向)座標値が、領域指定データとして読み込まれる。
図7の(a)に示す入力画面上の「取込み画像」の欄の5つのボタンは、スキャナ画像処理303での画像処理特性を指定するものであり、画像読み取り対象の原稿の画像種を表す表示のボタンをワンクリックすることにより、該原稿画像を最適に表現する画像データ処理が指定される。読取りモードの欄の「ADFを使用」のチェックは、ADFを用いるシートスルー読み取りの指定を意味し、該チェックがないと、原稿定置方式の読み取り指定である。「ADFを使用」の場合には、ADFの原稿台に載せた原稿のすべてを自動的に順次に読み取る。フラットベッド方式の読み取り指定の場合は、「複数取込み」にチェックがないと一枚の原稿読み取りで読み取り作業を終了するが、「複数取込み」にチェックがあると、一枚の原稿読み取りをするとそこで読み取り作業を終了するかの指示入力画面をポップアップ表示して、ユーザが終了を指示するとそこで読み取り作業を終了する。終了を指示しないで「取込み」ボタンをクリックするとさらに一枚の原稿読み取りを行い、終了するかの指示入力画面をポップアップ表示する。
図8には、操作ボード10の回路ブロックを示す。操作ボード10の電気制御系の主体は、コントローラボード400のCPU402とコミュニケーションし、操作ボード10の入力を読取り、操作ボード10上の表示を制御するCPU 1,このCPU 1の制御プログラムが格納されているROM 2,制御時にデータの一時格納等を行うためのRAM 3,液晶タッチパネル11の描画データを格納するVRAM 7,このVRAM 7に接続され液晶タッチパネル11の描画タイミング制御およびタッチ入力検知等を行う液晶表示コントローラ(LCDC)6,時刻データを発生する時計IC 5等がある。LCDC 6には、CFLの光源をバックライト9として有する液晶タッチパネル11が接続される。CPU 1には更に、CFLバックライト9を駆動するインバータ8,操作キー群15〜21のキーマトリクス,表示LEDのLEDマトリクスおよびそれらのLEDを駆動するLEDドライバ等が接続されている。また、CPU 1が接続されたデータバスには、画像処理モード記憶用の不揮発RAM(NVRAM)4が接続されている。
操作ボード10のCPU 1は、操作ボード10に対するユーザの操作に対応して、置数キーの押下の読込みと入力数字データの生成,スタートキーの押下の読込みと、スタート指示のコントローラボード400への転送,用紙サイズの切換え入力の読取りなど、通常の複写機の操作読取りおよび表示出力の制御を行う。
ROM2には、CPU1の動作プログラムの他に、水平および垂直方向に複数画素でなる画素ブロックの、各画素の発光/非発光を指示するオン/オフ信号の分布と該画素ブロックの表示階調を表現する、それぞれが異なった階調を表現する複数の発光パターンデータでなる基本パターングループを、格納している。
図10に、ROM2に格納した基本パターングループGPTNA,GPTNB,GPTNCおよびGPTNDの、各グループ内の画素ブロックデータ(階調表現パターン)を示す。該画素ブロックのサイズは、本実施例では、4×4画素マトリクスであり、1画素に1ビットが割り当てられている。該ビットの「1」は表示(点灯;オン)を指示し、「0」は非表示(消灯;オフ)を指示する。
図12の(a)に示すように、1画素ブロックの各画素宛ての各ビットをa〜pと表わすと、実際にメモリに格納されている1画素ブロックの16ビットデータは、図12の(b)に示す2バイトデータである。
図10および図11を参照する。各基本パターングループ(例えばGPTNA)は、図10に示すように、0〜15の各階調を表わす16個の画素ブロックデータ(GPTNA0〜GPTNA15;パターンデータ)で構成されているが、ROM2には、図11に示すように、0〜31の各階調宛てに、4グループの各画素ブロックデータが、基本グループNo.0〜3(図9のNbgで表わされる)のそれぞれに宛てて格納されている。
図8を再度参照すると、ROM2に格納されている画素ブロックデータ(図11)は、操作ボード10に動作電圧が加わったときの初期化において、CPU1が、RAM3のメモリ領域に割り付けたパターンレジスタPrg(図9)に書込み、その後の階調表示に使用する。表示データ(階調データ)はVRAM7に書込まれて、LCD11のラスター表示の水平ブロック同期信号(図9の画素カウンタ44のカウントオーバ信号:画素同期信号の4パルスにつき1パルス)に同期して、LCDC6によってVRAM7から読出されてパターンレジスタPrgの画素ブロックデータの読出しアドレスに用いられる。パターンレジスタPrgから読み出された画素ブロックデータは、LCD11のラスター表示の画素同期信号(画素同期パルス)に合わせて、LCDC6からLCD11に出力される。
図9に、LCDC6の機能構成の概要を示す。VRAM7に格納されそしてLCDC6によって読み出される表示データは、16bit(2バイト)構成であり、モノクロ表示時には該16bitのLSB側5bitにモノクロ表示の階調データが格納される。画像データ分離60が、32階調表示が指示されているときには、VRAM7から読み出した16bitのLSB側5bitを階調データとして摘出して16/32階調切り換え制御61に出力し、16階調表示が指示されているときにはVRAM7から読み出した16bitのLSB側4bitを階調データとして摘出して16/32階調切換制御61に出力する。
16/32階調切換制御61は、32階調表示が指示されているときには、入力の32階調データ(5ビット)をそのままデータセレクタ63から出力してパターンレジスタPrgのアドレス指定データとするが、16階調表示が指示されているときには、入力の16階調データ(4ビット)をデータ変換62で32階調データに変換してデータセレクタ63から出力してパターンレジスタPrgのアドレス指定データとする。
図12の(c)に、データ変換62の構成を示す。このデータ変換62は、4ビット階調データをビット桁シフトにより2倍にして数値1を加えて、図11に示すように16階調値を32階調値に変換する。ただし、16階調表現の階調0が数値1の加算によって32階調表現の階調1になってしまわないように、16階調表現の階調0の場合には、ナンドゲート46aで16階調表現の階調0を検出して、その場合にはアンドゲート46を閉じて32階調出力データの最下位ビットを0とする。
図9を再度参照する。タイミング制御40には、LCD11の表示を水平方向(x)で画素(ピクセル)単位で区切る画素同期信号を発生する画素同期信号発生41,LCD11の表示を垂直方向(y)で画素(ライン)単位で区切る水平同期信号を発生する水平同期信号発生42,LCD11の表示画面(フレーム)の切換りを表す垂直同期信号を発生する垂直同期信号発生43がある。本実施例では、32階調表現を16階調表現の4×4画素マトリクス(画素ブロック:LCD11の表示面上)を用いて行うので、水平画素カウンタ44で画素同期信号(パルス)をカウントして、画素ブロック内の水平方向の画素位置データXpを発生し、垂直画素カウンタ45で垂直同期信号(パルス)をカウントして、画素ブロック内の垂直方向の画素位置データYpを発生する。カウンタ44,45はいずれも、入力パルスをカウント値4までカウントアップするとカウント値0に復帰しかつカウントオーバ信号(パルス)を出力してまたカウント値0からカウントアップする循環カウンタである。したがって、水平画素カウンタ44のカウントオーバ信号は水平方向の画素ブロック区切りを表し、垂直画素カウンタ45のカウントオーバ信号は垂直方向の画素ブロック区切りを表す。
水平ブロックカウンタ46が、水平画素カウンタ44のカウントオーバ信号をカウントする。このカウンタ46も、0〜3を繰り返しカウントする循環カウンタである。このカウンタ46のカウントデータXbは、LCD11の表示付勢の現在のラスター走査点がある画素ブロックの、4×4画素ブロックマトリクスである「セクション」内の水平方向の位置を表す。また、垂直ブロックカウンタ47が、垂直画素カウンタ45のカウントオーバ信号をカウントする。このカウンタ47も、0〜3を繰り返しカウントする循環カウンタである。このカウンタ47のカウントデータYbは、LCD11の表示付勢の現在のラスター走査点がある画素ブロックの、「セクション」(4×4画素ブロックマトリクス)内の垂直方向の位置を表す。
中間処理50のエンコーダ51が、水平ブロックカウンタ46および垂直ブロックカウンタ47のカウントデータXb,Ybを、セクション内ブロックNo.0〜15を表わすデータNbに符号化(エンコード)する。
階調表示制御では、セクション内の0〜15の各画素ブロックに、16種のパターングループのそれぞれを割りつけるが、第1実施例では、ROM2に保持しRAM3のパターンレジスタPrgに書込んで使用するパターングループは、4種のパターングループGPTNA,GPTNB,GPTNC,GPTNDしかない。これらを基本パターングループという。
そこでこの第1実施例では、各基本パターングループから、図9に示す回転55によって、右90°回転したパターングループ,右180°回転したパターングループおよび右270°回転したパターングループ、あわせて3種のパターングループを生成するようにしている。これら3種のパターングループを回転パターングループという。各基本パターングループから3種のパターングループを生成するので、回転パターングループは12種できる。これに4種の基本パターングループを加えると、総計で16種のパターングループとなるので、1セクション(4×4画素ブロック)の各ブロック0〜15に16種のパターングループの各グループを割り当てることができる。
図13の(b)に、回転55の構成を示す。回転55の右90°回転は、図12の(a)に示す画素ブロックデータa〜p(各1ビット)である2バイトデータを、図13の(a)の左端に示す右90°回転した画素ブロックデータである2バイトデータに変換する、図13の(b)に55aとして示すビット信号線の位置入れ換えである。右180°回転は、図12の(a)に示す画素ブロックデータである2バイトデータを、図13の(a)の中央に示す右180°回転した画素ブロックデータである2バイトデータに変換する、図13の(b)に55bとして示すビット信号線の位置入れ換えである。右270°回転は、図12の(a)に示す画素ブロックデータである2バイトデータを、図13の(a)の右端に示す右270°回転した画素ブロックデータである2バイトデータに変換する、図13の(b)に55cとして示すビット信号線の位置入れ換えである。なお、図13の(b)には、ビット信号線の位置を入れ換えることにより、回転したデータを出力する回転構成を示すが、ビットデータを入れ変えるデータ処理によっても、同様な回転を行うことができる。
図14に、階調9を表わす32階調データ(以下ではこれを9/32階調データと表現する)Bに対応してパターンレジスタPrgから読み出されて回転55の後のデータセレクタ56(図9)から出力される、1セクション内16画素ブロックの、各画素ブロックのデータを示す。データセレクタ56は、セクション内の水平方向のブロック位置(Xbs)に対応して、LCD11のラスター走査位置が、セクション内の水平方向第1番(0位置)のブロックの時には基本パターングループの画素ブロックデータ(基本パターン)を、水平方向第2番(1位置)のブロックの時には右90°回転した回転パターングループの画素ブロックデータ(回転パターン1)を、水平方向第3番(2位置)のブロックの時には右180°回転した回転パターングループの画素ブロックデータ(回転パターン2)を、また、水平方向第4番(3位置)のブロックの時には右270°回転した回転パターングループの画素ブロックデータ(回転パターン3)を、選択出力する。
このように、32階調データであっても、狭い面積(4×4画素マトリックス)で階調表現を切換え、しかもセクション(4×4画素ブロック)内で、同一階調であっても、オン/オフパターンが異なるパターン(グループ)に順次切り換えるので、フリッカやモアレを生じる可能性が低い。
更に具体的に説明する。セクション内の各ブロックに、図9上のエンコーダ51のブロック内に示すように0〜15とブロック番号を割り付けたとする。Nbがこのブロック番号を示し、図9図面上の左右方向が水平方向、縦方向が垂直方向である。9/32階調データBに対しては、パターンレジスタPrgに保持された基本パターングループ(図11)から、ブロック0〜3にはGPTNA05パターン、ブロック4〜7にはGPTNB05パターン、ブロック8〜11にはGPTNC05パターン、ブロック12〜15にはGPTND05パターンをそれぞれ適用する。
ブロック0では、パターンレジスタPrgからGPTNA05パターンを読み出して、そのままセレクタ56から出力し、
ブロック1では、GPTNA05パターンを、回転55で右90°回転してセレクタ56から出力し、
ブロック2では、GPTNA05パターンを、回転55で右180°回転してセレクタ56から出力し、
ブロック3では、GPTNA05パターンを、回転55で右270°回転してセレクタ56から出力する。
ブロック4では、パターンレジスタPrgからGPTNB05パターンを読み出して、そのままセレクタ56から出力し、
ブロック5では、GPTNB05パターンを、回転55で右90°回転してセレクタ56から出力し、
ブロック6では、GPTNB05パターンを、回転55で右180°回転してセレクタ56から出力し、
ブロック7では、GPTNB05パターンを、回転55で右270°回転してセレクタ56から出力する。
ブロック8では、パターンレジスタPrgからGPTNC05パターンを読み出して、そのままセレクタ56から出力し、
ブロック9では、GPTNC05パターンを、回転55で右90°回転してセレクタ56から出力し、
ブロック10では、GPTNC05パターンを、回転55で右180°回転してセレクタ56から出力し、
ブロック11では、GPTNC05パターンを、回転55で右270°回転してセレクタ56から出力する。
ブロック12では、パターンレジスタPrgからGPTND05パターンを読み出して、そのままセレクタ56から出力し、
ブロック13では、GPTND05パターンを、回転55で右90°回転してセレクタ56から出力し、
ブロック14では、GPTND05パターンを、回転55で右180°回転してセレクタ56から出力し、
ブロック15では、GPTND05パターンを、回転55で右270°回転してセレクタ56から出力する。
このように基本パターングループの、GPTNA05、GPTNB05、GPTNC05、GPTND05の各階調パターンに基づき、16個の4×4画素ブロックを生成する。
第1実施例では、フリッカおよびモアレが発生する可能性をさらに低減するために、フレームの切換りごとに、セクション内のパターングループ割り付け位置を変更する。これを実現するために、セクション内のブロック番号の割り付け位置を、図15に示すようにシフトし、16フレームを1順単位とする。これを図9に示すフレームカウンタ48,加算52,デコーダ53およびエンコーダ54が行う。
図9を再度参照すると、フレームカウンタ48は垂直同期信号をカウントして、カウント値が16になるとカウント値を0に初期化してまた垂直同期信号をカウントする循環カウンタであり、カウントデータNcは、0〜15の値を表す。加算52が、エンコーダ51が出力するブロック番号データNbとフレーム数カウントデータNcとを加算して、加算データの、0〜15の値のみを表す、下位ビット4ビットのみのブロック番号データNbcをデコーダ53に出力する。このブロック番号データNbcが、フレームの切換りごとに変化する、図15に示すブロック番号(小升目内の数字)となる。このブロック番号でパターングループが指定されるので、フレームの切換りに同期して、セクション内のパターングループ割り当て位置が変化する。
デコーダ53は、データNbcが表わすブロック番号が、第1基本パターングループGPTNA(基本パターン)又はその回転データグループ(回転パターン1〜3)を割り当てる0〜3の範囲か、第2基本パターングループGPTNB又はその回転データを割り当てる4〜7の範囲か、第3基本パターングループGPTNC又はその回転データを割り当てる4〜7の範囲か、もしくは、第4基本パターングループGPTND又はその回転データを割り当てる8〜11の範囲か、を検出して、検出信号をエンコーダ54に出力する。エンコーダ54は該検出信号を、0〜3を表わす基本パターングループ指定データNbgに変換して、パターンレジスタPrgに、基本パターングループ指定データとして与える。0を表す指定データNbgは、第1基本パターングループGPTNAを指定し、1〜3のそれぞれを表わす指定データNbgは、それぞれ第2基本パターングループGPTNB,第3基本パターングループGPTNCおよび第4基本パターングループGPTNCを指定する。
切換り検出69aが、指定データNbgの切換り、すなわち基本パターングループの切換えを検出してクリアパルスを水平ブロックカウンタ69bに与える。このクリアパルスに応答して水平ブロックカウンタ69bがカウントデータXbsを初期値0を表すものに初期化して、その値から、水平画素カウンタ44のカウントオーバ信号(水平方向のブロック区分パルス)のカウントを再開する。
水平ブロックカウンタ69bが出力するカウントデータXbsは、加算52が出力するセクション内ブロック番号Nbc(図15上の数字を示す)が0,4,8又は12のときに、基本パターン(回転無し)を指定する0となり、セクション内ブロック番号Nbcが1,5,9又は13のときに右90°回転を指定する1となり、セクション内ブロック番号Nbcが2,6,10又は14のときに右180°回転を指定する2となり、セクション内ブロック番号Nbcが3,7,11又は15のときに右270°回転を指定する3となる。このカウントデータXbsに対応してセレクタ56が、回転なしの(基本パターンの)画素ブロックデータもしくは90°,180°又は270°回転した(回転パターン1,2又は3の)画素ブロックデータDbsを、セレクタ57に出力する。
セレクタ57は、セレクタ56が出力する2バイトの画素ブロックデータDbs(図12の(a)に示すパラレルビット配列a〜p)を、出力制御70に、画像同期信号に同期して、1ビットずつシリアル出力する。すなわち、水平画素カウンタ44の、画素ブロック内の水平方向の画素位置を表す画素番号データXpと、垂直画素カウンタ45の、画素ブロック内の垂直方向の画素(ライン)位置を表す画素(ライン)番号データYpの組み合わせ(画素ブロック内画素位置)を、エンコーダ58が、図12の(a)に示す2バイト構成の画素ブロックデータ群内のビット位置データNp(0〜15)に符号化する。セレクタ57は、2バイト構成の画素ブロックデータ群内の、ビット位置データNpが指定するビットデータDpを出力する。出力制御70は、LCD11の表示ラスター走査に同期して、ビットデータDpをLCD11にシリアル出力する。
図15を再度参照する。まず、最初のフレーム(1フレーム目)においては、水平,垂直ブロックカウンタ46,47のカウントデータXb,Ybを変換したセクション内ブロック番号をそのまま用いて、セクション内の1行目左端にブロック0が配置され、ブロック0の右隣にブロック1、ブロック1の右隣にブロック2、ブロック2の右隣にブロック3と、ブロック番号が順次配置される。ブロック3まで配置したところで折り返し、2行目左端にブロック4が配置される。後は1行目と同様、ブロック4の右隣にブロック5、ブロック6、ブロック7が順に配置される。3行目は、左端にブロック8が配置され、ブロック8の右隣にブロック9、ブロック10、ブロック11が順に配置される。4行目は左端にブロック12が配置され、ブロック12の右隣にブロック13、ブロック14、ブロック15が順に配置される。
次に2フレーム目においては、フレームカウンタ48のカウントデータNcが1になって、加算52の出力が1大きい値を示すものにかわるので、各ブロック番号が左に一つずつずらされる。すなわちセクション内の1行目左端にブロック1が配置され、ブロック1の右隣にブロック2、ブロック2の右隣にブロック3、ブロック3の右隣には2ライン目からブロック4がそれぞれ配置される。後は同様に、2行目は左端にブロック5が配置され、ブロック5の右隣にブロック6、ブロック7、ブロック8が順に配置される。3行目は左端にブロック9を配置し、ブロック9の右隣にブロック10、ブロック11、ブロック12が順に配置される。4行目は左端にブロック13が配置され、ブロック13の右隣にブロック14、ブロック15が配置され、最後に1行目左端にあったブロック1が配置される。
3フレーム目以降は同様にブロックを順次左に一つずつ移動するシフトが行われ、最後の16フレーム目では、1行目はブロック15、ブロック1、ブロック2、ブロック3がこの順に配置され、2行目はブロック4、ブロック5、ブロック6、ブロック7がこの順に配置され、3行目はブロック8、ブロック9、ブロック10、ブロック11がこの順に配置され、4行目はブロック12、ブロック13、ブロック14、ブロック15がこの順に配置される。
以上のように広範囲(セクション)でのブロック配置のシフト又はローテンションが行なわれるので、4種の基本パターングループ(ブロック0,4,8,12)と、基本パターンを回転した12種の回転パターングループ(90°回転のブロック1,5,9,13、180°回転のブロック2,6,10,14および270°回転のブロック3,7,9,15)とを合わせて16種のパターングループのそれぞれが、セクション内に分布し、しかも、フレームの切換りごとにセクション内で位置が変わる。
図16に、上述の、図15に示す態様のブロック番号のシフトにて表示される、9/32階調データBの1セクション内データ出力を示し、図17には、該セクション内各画素ブロックの、16フレームの間の階調比(点灯画素数/全画素数)を示す。1セクションにブロック0〜ブロック15を使用した場合、16×16画素マトリックスとなるセクションの点灯画素(「1」)は図16に示す分布となる。最終的に各画素の点灯回数は9/32階調データBでは、5/16回となり、4×4画素マトリクス(画素ブロック)内のすべての画素が5/16回点灯する。
図18に、階調8(偶数)を表わす32階調データ(以下ではこれを8/32階調データという)BによってパターンレジスタPrgから読み出される画素ブロックデータを示す。これは階調9(奇数)を表わす図14に示す画素ブロックデータを、階調8を表わすものに置換したものとなっている。階調8(偶数)に関しては、ブロック0〜ブロック15のデータが異なるのみでその他の態様は階調9の場合と同様である。制御方法は前述の9/32階調時と同様である。8/32階調データBがパターンレジスタPrgに与えられると、パターンレジスタPrgから、ブロック0〜3にはGPTNA04パターンが、ブロック4〜7にはGPTNB05パターンが、ブロック8〜11にはGPTNC04パターンが、また、ブロック12〜15にはGPTND05パターンが読み出される。
ブロック0では、パターンレジスタPrgから読み出したGPTNA04パターンの画素ブロックデータが、セレクタ56からそのまま選択出力され、
ブロック1では、GPTNA04パターンを、回転55で右90°回転した画素ブロックデータが、セレクタ56から選択出力され、
ブロック2では、GPTNA04パターンを、右180°回転した画素ブロックデータが、セレクタ56から選択出力され、
ブロック3では、GPTNA04パターンを、右270°回転した画素ブロックデータが、セレクタ56から選択出力される。
ブロック4では、パターンレジスタPrgから読み出したGPTNB05パターンが、そのままセレクタ56から選択出力され、
ブロック5では、GPTNB05パターンを、右90°回転した画素ブロックデータが、セレクタ56から選択出力され、
ブロック6では、GPTNB05パターンを、右180°回転した画素ブロックデータが、セレクタ56から選択出力され、
ブロック7では、GPTNB05パターンを、右270°回転した画素ブロックデータが、セレクタ56から選択出力される。
ブロック8では、パターンレジスタPrgから読み出したGPTNC04パターンが、そのままセレクタ56から選択出力され、
ブロック9では、GPTNC04パターンを、右90°回転した画素ブロックデータが、セレクタ56から選択出力され、
ブロック10では、GPTNC04パターンを、右180°回転した画素ブロックデータが、セレクタ56から選択出力され、
ブロック11では、GPTNC04パターンを、右270°回転した画素ブロックデータが、セレクタ56から選択出力される。
ブロック12では、パターンレジスタPrgから読み出したGPTND05パターンが、そのままセレクタ56から選択出力され、
ブロック13では、GPTND05パターンを、右90°回転した画素ブロックデータが、セレクタ56から選択出力され、
ブロック14では、GPTND05パターンを、右180°回転した画素ブロックデータが、セレクタ56から選択出力され、
ブロック15では、GPTND05パターンを、右270°回転した画素ブロックデータが、セレクタ56から選択出力される。
このようにGPTNA04,GPTNB05,GPTNC04およびGPTND05の各階調パターンに基づき、16個の画素ブロックを生成し出力する。その他の32階調時の偶数階調に関しては、上述の8/32階調データBでパターンレジスタPrgから画素ブロックデータを読出すのと同様の態様にて、ブロック0〜15のパターンデータを生成し出力する。
図19は、図15に示す、フレーム切換りに連動するブロック番号シフトにて表示される8/32階調データBによる1セクションの表示データを示し、図20は、該1セクションの表示データ(図19)による16フレーム表示の間の階調比(点灯画素数/全画素数)を示す。1セクションにブロック0〜ブロック15を使用した場合、16×16画素マトリックスとなるセクションの点灯画素(「1」)は、図19に示す分布となる。最終的に各画素の点灯回数は8/32階調データBでは4/16回または5/16回となる。4×4画素マトリクス(画素ブロック)の全16画素において、8画素分は4/16回点灯し、残りの8画素分は5/16回点灯する。4×4画素全体で点灯回数を見た場合には、4.5/16回(9/32回)点灯している状態となる。
16/32階調切替制御61にて16階調データを32階調データに変換するので、16階調データの場合には、図11に示す16階調の項の階調値(濃度0〜15)に割り付けられた基本パターングループの同一階調のパターンデータのみが出力される。1階調に宛てられた各基本パターングループのパタンーデータはいずれも、同一階調を表すものである。したがって、16階調表現の場合は、基本階調表示となる。
32階調データが与えられる場合、その奇数値階調には、16階調表現の、各基本パターングループの同一階調を表すパターンデータが割り当てられているので、奇数値階調データが与えられると基本階調表示となる。しかし、偶数値階調には各基本パターングループの同一階調を表すパタンーデータを割り当てることができないので、偶数値の前後の各奇数値階調に宛てられた各4個のパターンデータの各半分(2個)を割り当てているので(図11の32階調の項の、偶数値濃度の行)、偶数値階調データが与えられると準階調表示となる。
なお、図9に示す第1実施例では、画素ブロックデータa〜pをセレクタ57から、画素同期信号に同期して1ビットづつ出力するが、表示データは、水平ブロックカウンタ67のカウントデータXa(1フレーム上の水平方向の画素ブロック番号を表わす)と、垂直ブロックカウンタ68のカウントデータya(1フレーム上の垂直方向の画素ブロック番号を表わす)でアクセスされてVRAM7から1個が読み出されるので、VRAM7から読み出される1個の表示データAに、LCD11の4×4表示画素が対応する。仮に、1個の表示データAが表示1画素に対応付けられるものと想定されているときには、想定画面サイズの4×4倍の拡大表示になる。これを1倍の表示にする場合には、水平ブロックカウンタ67を、画素同期信号をカウントし水平同期信号でクリアされる水平画素カウンタに変更するか、又はカウントクロックを画素同期信号に変更しかつクリア信号を水平同期信号に変更し、更に、垂直ブロックカウンタ68を、水平同期信号をカウントし垂直同期信号でクリアされる垂直画素カウンタに変更するか、又はカウントクロックを水平同期信号に変更しかつクリア信号を垂直同期信号に変更する。
また、フレーム切換えに連動するブロック番号のシフト(図15)を行わない場合には、セレクタ56をXbsでなく、水平ブロックカウンタ46のカウントデータXbで切り換えるようにすればよい。パターンレジスタPrgには、Nbgにかえて垂直ブロックカウンタ47のカウントデータYbを与えて、加算52,デコーダ53,エンコーダ54,切換り検出69aおよび水平ブロックカウンタ69bを削除することもできる。