JP2006242529A - 伝熱管 - Google Patents
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Abstract
【課題】伝熱性能の向上を目的に、伝熱管の外径は6.0mm〜15.0mmと大きいまま、実質的に伝熱管の内径を1.2mm〜5.0mmまで細径化したのと同様の高い伝熱性能を得ることができる構成の熱交換器用伝熱管の提供を目的とする。
【解決手段】伝熱管の外径は6.0mm〜15.0mmであるが、伝熱面積を平滑管の3〜5倍程度に拡大する形態を有し、流体直径を1.2mm〜5.0mmとすることによって、実質的に伝熱管を大幅に細径化したのと同様の高い伝熱性能を得ることができる。
【選択図】図3
【解決手段】伝熱管の外径は6.0mm〜15.0mmであるが、伝熱面積を平滑管の3〜5倍程度に拡大する形態を有し、流体直径を1.2mm〜5.0mmとすることによって、実質的に伝熱管を大幅に細径化したのと同様の高い伝熱性能を得ることができる。
【選択図】図3
Description
本発明は、ルームエアコン、パッケージエアコン、カーエアコン、冷蔵庫、冷凍庫などの熱交換器に用いられる伝熱管に関するものである。
従来、この種の熱交換器用伝熱管として、特許文献1や特許文献2に記載されている断面台形状の螺旋溝を形成した内面溝付き管が広く用いられている。図4は、特許文献1や特許文献2に記載されている従来の内面溝付伝熱管の一部縦断面図である。図5は図4のA―Aに沿う断面の一部拡大図である。
従来の内面溝付伝熱管101は、銅管などの金属管102の内面に、断面が台形状の連続螺旋溝103(螺旋角α)を形成したものであるが、この伝熱管101の管内熱伝達率の向上については、特許文献1に記載されているように、溝間に形成される山形突起部(フィン)104の高さ(H)を高く、フィン104の頂角(γ)を小さくして、伝熱面積を大きくする方が良好である。
さらに、特許文献2では、伝熱性能と加工性を考慮して、フィン104の頂角(γ)を10〜30°溝深さ(H)を管内径(Di)との比でH/Di=0.04〜0.05とするなど寸法諸元の最適化がはかられている。
特公平4−21117号公報
特許第2912826号公報
しかしながら、前記従来の構成では、内面溝付き伝熱管内面の伝熱面積は、螺旋溝を有しない平滑管の伝熱面積に比べて1.5〜2.5倍程度であるため、その流体直径D(D=4×流路面積/濡れ縁長さ)はあまり小さくなく、例えば、外径Do=7mm、底肉厚Tf=0.25mmの平滑管の流体直径が4×{π×(7−2×0.25)2/4}/{π×(7−2×0.25)}=6.50mmであるのに対し、この内面に溝付き加工した伝熱管で内面の伝熱面積すなわち濡れ縁長さを平滑管の2.5倍にした場合でも、その流体直径は4×{π×(7−2×0.25)2/4}/{2.5×π×(7−2×0.25)}=2.60mmである。しかし、伝熱管を細径化するなどにより、流体直径をより小さくする方が、優れた性能を得ることができることが知られており、熱交換器を高性能化し、小型化するには、さらに大幅に流体直径を小さくすることができる技術が必要とされている。
本発明は、上記課題を解決するもので、伝熱管の外径は大きいまま、実質的に伝熱管を大幅に細径化したのと同様の高い伝熱性能を得る伝熱管を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するため、伝熱管の外径は6.0mm〜15.0mmであるが、内部に軸直角断面の流路面積をあまり減らさず、伝熱面積を平滑管の3〜5倍程度に拡大する形態を有し、流体直径が1.2mm〜5.0mmとなるようにするもので、この構成によって、伝熱管の外径は大きいまま、実質的に伝熱管を大幅に細径化したのと同様の高い伝熱性能を得ることができる。
本発明の伝熱管によれば、伝熱管の外径は6.0mm〜15.0mmであるが、内部に軸直角断面の流路面積をあまり減らさず、伝熱面積を平滑管の3〜5倍程度に拡大する形態を有し、流体直径を1.2mm〜5.0mmとするので、伝熱管の外径を変えずに、実質的に伝熱管を大幅に細径化したのと同様の高い伝熱性能を得ることができる。
第1の発明は、内部を流通する冷媒などの流体と、外側の流体などとの間で熱交換する熱交換器に用いられる伝熱管で、断面の外側形状が略円形で、外径が6.0mm〜15.0mmで、内部に軸直角断面の流路面積をあまり減らさず、伝熱面積を平滑管の3〜5倍程度に拡大する形態を有し、流体直径が1.2mm〜5.0mmとなるようにした伝熱管である。
第2の発明は、内部の伝熱面積を拡大する前記形態として、内部に前記伝熱管の内面と連結され、断面が略円形の流路形状を複数有する伝熱管である。
第3の発明は、内部の伝熱面積を拡大する前記形態として、内部に少なくとも1つの、前記伝熱管に対し同心円状の断面が略円形の流路形状を有し、前記略円形の流路形状の外周と、前記略円形の流路形状の隣接外側の前記略円形の流路形状または前記伝熱管の内周との間を複数のリブで連結した伝熱管である。
第4の発明は、内部の伝熱面積を拡大する前記形態により、独立した流路が生じることがないよう、内部の伝熱面積を拡大する前記形態に切り欠き部を有する伝熱管である。
第5の発明は、内部の伝熱面積を拡大する前記形態を、前記伝熱管の軸方向に螺旋状にねじった伝熱管である。
第6の発明は、内部を流通させる冷媒として、HFC冷媒またはHC冷媒またはCO2冷媒のいずれかまたはそれらの混合冷媒を使用する伝熱管である。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における熱交換器用伝熱管の断面図、図2は、本発明の実施の形態1における熱交換器用伝熱管の一部を切り欠いた斜視図である。
図1は、本発明の実施の形態1における熱交換器用伝熱管の断面図、図2は、本発明の実施の形態1における熱交換器用伝熱管の一部を切り欠いた斜視図である。
図1、図2において、本発明の実施の形態1における熱交換器用伝熱管1は、外径Do1が6.0mm〜15.0mm、具体的には例えば8.0mmで、底肉厚Tf1が0.26mmである。伝熱管1は内部に、伝熱管1の内面と連結され、断面が略円形の流路形状を複数有する。具体的には外径Do2が約3.1mm、肉厚Tf2が0.1mmの断面形状が略円形の流路2が4つ形成され、断面形状が略円形の流路2の外周は伝熱管1の内周に接して連結されている。(図1に示すように、半径Rの円の内側に4つの半径rの円がお互いに接している場合、R=(1+√2)rの関係が成り立つ。)断面形状が略円形の4つの流路2は図2に示すように、伝熱管1の軸方向に螺旋状にねじられている。
このとき、前記伝熱管1の伝熱面積(=濡れ縁長さ×伝熱管長さ)は断面形状が略円形の流路2を有しないときに比べて、〔2×4×π×3.1+π×(8−2×0.26)〕/〔π×(8−2×0.26)〕≒4.3と、3〜5倍の範囲にあり、流体直径DはD=4×流路の断面積/濡れ縁長さ≒π×(8−2×0.26)2/〔2×4×π×3.1+π×(8−2×0.26)〕≒1.73mmで、1.2mm〜5.0mmの範囲に設定されている。
以上のように構成された熱交換器用伝熱管において、外径Do1が8.0mmで、底肉厚Tf1が0.26mmの伝熱管1は、内部に外径Do2が約3.1mm、肉厚Tf2が0.1mmの断面形状が略円形の流路2が4つ形成され、断面形状が略円形の流路2の外周は伝熱管1の内周に接して連結されているので、前記伝熱管1の伝熱面積は断面形状が略円形の流路2を有しないときに比べて、4.3倍と、3〜5倍の範囲にあり、流体直径DはD≒1.73mmで、1.2mm〜5.0mmの範囲に設定されていることにより、伝熱管1の外径は8.0mmのまま、実質的に伝熱管を大幅に細径化したのと同様の高い伝熱性能を得ることができる。
また、断面形状が略円形の4つの流路2は、伝熱管1の軸方向に螺旋状にねじられているので、内部を流通する冷媒を旋回させることができ、伝熱性能を向上させることができる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2における熱交換器用伝熱管の断面図である。
図3は、本発明の実施の形態2における熱交換器用伝熱管の断面図である。
図3において、本発明の実施の形態2における熱交換器用伝熱管11は、外径Do1が6.0mm〜15.0mm、具体的には例えば7.0mmで、底肉厚Tf1が0.25mmである。伝熱管11は内部に、少なくとも1つの、本発明の実施の形態2で具体的には1つの伝熱管11に対し同心円状の断面が略円形で外径Do2が4.0mm、肉厚Tf2が0.15mmの流路形状12を有し、略円形の流路形状12の外周と、伝熱管11の内周との間を複数のリブ13、本発明の実施の形態2で具体的には8つのリブ13で連結されている。また、略円形の流路形状12には、切り欠き部14が形成され、伝熱管11の内部に独立した流路が生じることがなく、連通された状態になっている。
このとき、前記伝熱管11の伝熱面積(=濡れ縁長さ×伝熱管長さ)は断面形状が略円形の流路12を有しないときに比べて、〔π×(7−2×0.25) +2×8×(7−2×0.25−4)/2+2×π×4〕/〔π×(7−2×0.25)〕≒4.2と、3〜5倍の範囲にあり、流体直径DはD=4×流路の断面積/濡れ縁長さ≒π×(7−2×0.25)2/〔π×(7−2×0.25) +2×8×(7−2×0.25−4)/2+2×π×4〕≒1.55mmで、1.2mm〜5.0mmの範囲に設定されている。
以上のように構成された熱交換器用伝熱管において、外径Do1が7.0mmで、底肉厚Tf1が0.25mmの伝熱管11は、内部に外径Do2が4.0mm、肉厚Tf2が0.15mmの断面形状が略円形の流路12が伝熱管11と同心円状に形成され、略円形の流路形状12の外周と、伝熱管12の内周との間は8つのリブ13で連結されているので、前記伝熱管11の伝熱面積は断面形状が略円形の流路12を有しないときに比べて、4.2倍と、3〜5倍の範囲にあり、流体直径DはD≒1.55mmで、1.2mm〜5.0mmの範囲に設定されていることにより、伝熱管11の外径は7.0mmのまま、伝熱管を実質的に内径1.55mmまで大幅に細径化したのと同様の高い伝熱性能を得ることができる。
さらに、略円形の流路形状12には、切り欠き部14が形成され、伝熱管11の内部に独立した流路が生じることがなく、連通された状態になっているので、内部を流通する冷媒が混合攪拌され、伝熱促進が図れるとともに、熱交換の熱抵抗となる冷媒液を排出されることにより、伝熱性能を向上させることができる。
なお、実施の形態1においても実施の形態2と同様に断面が略円形の流路形状2に切り欠き部を設けても良いものであり、伝熱管1の内部に独立した流路が生じることがなく、
連通された状態になっているので、内部を流通する冷媒が混合攪拌され、伝熱促進が図れるとともに、熱交換の熱抵抗となる冷媒液を排出されることにより、伝熱性能を向上させることができる。
連通された状態になっているので、内部を流通する冷媒が混合攪拌され、伝熱促進が図れるとともに、熱交換の熱抵抗となる冷媒液を排出されることにより、伝熱性能を向上させることができる。
さらに、本実施の形態2においても、実施の形態1と同様に略円形の流路形状12を、伝熱管11の軸方向に螺旋状にねじる構成としてもよいもので、内部を流通する冷媒を旋回させることができ、伝熱性能を向上させることができる。
また、本発明の実施の形態1および本発明の実施の形態2の熱交換器用伝熱管1、11の内部を流通させる冷媒としては、HFC冷媒またはHC冷媒またはCO2冷媒のいずれか、またはそれらの混合冷媒を使用するので、環境に配慮した商品とすることができる。
本発明にかかる熱交換器用伝熱管は、伝熱管の外径は6.0mm〜15.0mmであるが、内部に軸直角断面の流路面積をあまり減らさず、伝熱面積を平滑管の3〜5倍程度に拡大する形態を有し、流体直径が1.2mm〜5.0mmとなるようにするもので、この構成によって、伝熱管の外径は大きいまま、実質的に伝熱管を大幅に細径化したのと同様の高い伝熱性能を得ることができるので、ルームエアコン、パッケージエアコン、カーエアコン、冷蔵庫、冷凍庫などの熱交換器に用いられる伝熱管として有用である。
1 熱交換器用伝熱管
2 断面が略円形の流路形状
11 熱交換器用伝熱管
12 断面が略円形の流路形状
13 リブ
14 断面が略円形の流路形状12に設けられた切り欠き部
2 断面が略円形の流路形状
11 熱交換器用伝熱管
12 断面が略円形の流路形状
13 リブ
14 断面が略円形の流路形状12に設けられた切り欠き部
Claims (6)
- 内部を流通する冷媒などの流体と、外側の流体などとの間で熱交換する熱交換器に用いられる伝熱管で、断面の外側形状が略円形で、外径が6.0mm〜15.0mmで、内部に軸直角断面の流路面積をあまり減らさず、伝熱面積を平滑管の3〜5倍程度に拡大する形態を有し、流体直径が1.2mm〜5.0mmとなるようにしたことを特徴とする伝熱管。
- 内部の伝熱面積を拡大する前記形態として、内部に前記伝熱管の内面と連結され、断面が略円形の流路形状を複数有することを特徴とする請求項1に記載の伝熱管。
- 内部の伝熱面積を拡大する前記形態として、内部に少なくとも1つの、前記伝熱管に対し同心円状の断面が略円形の流路形状を有し、前記略円形の流路形状の外周と、前記略円形の流路形状の隣接外側の前記略円形の流路形状または前記伝熱管の内周との間を複数のリブで連結したことを特徴とする請求項1に記載の伝熱管。
- 内部の伝熱面積を拡大する前記形態により、独立した流路が生じることがないよう、内部の伝熱面積を拡大する前記形態に切り欠き部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の伝熱管。
- 内部の伝熱面積を拡大する前記形態を、前記伝熱管の軸方向に螺旋状にねじったことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の伝熱管。
- 内部を流通させる冷媒として、HFC冷媒またはHC冷媒またはCO2冷媒のいずれかまたはそれらの混合冷媒を使用することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の伝熱管。
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