JP2006242052A - オイルパン - Google Patents

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千佳 神庭
Kazuo Takahashi
和男 高橋
Eiji Hashimoto
英次 橋本
Taiichi Mori
泰一 森
Satoshi Okawa
聡 大川
Koji Karita
孝司 苅田
Tametoshi Mizuta
為俊 水田
Yoshiyuki Katsumata
美幸 勝又
Haruyuki Katayama
晴之 片山
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Abstract

【課題】 オイルパン内部のオイルが可及的に偏りなく被潤滑機構との間でのオイルの循環に供され得る2槽式オイルパンを提供する。
【解決手段】 バスタブ状のオイルパンカバー31及びオイルパンセパレーター32の上方に、被潤滑機構から還流して来た戻りオイルを受容する戻りオイル貯留部材33が重ねられるように配置されることで、戻りオイル貯留室30cがストレーナー室30a及びリザーバー室30bの上方に形成されている。戻りオイル貯留部材33の底板33a1には、戻りオイル貯留室30cとストレーナー室30aとを連通する第1連通孔33a2と、戻りオイル貯留室30cとリザーバー室30bとを連通する第2連通孔33a3とが形成されている。そして、オイルパン30内のオイル温度に応じて第1連通孔33a2及び第2連通孔33a3の連通状態を変更させる切換弁装置36が配置されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、被潤滑機構(例えば、エンジンブロックや自動変速機構等)の潤滑のためのオイルを内側の空間内に貯留可能なオイルパンに関する。また、本発明は、当該オイルパンを備えた潤滑装置(例えば、エンジンや自動変速装置等)に関する。
一般に、この種の潤滑装置は、オイルパンの内側の空間内からオイルがオイルポンプによって吸い出され、当該オイルが被潤滑機構内の被潤滑部材(例えば、ギヤ、カムシャフト、シリンダ、ピストン等)に供給され、当該オイルが当該被潤滑部材にて潤滑作用を奏するとともに当該被潤滑部材から摩擦熱等の熱を吸収した後、重力の作用で被潤滑機構からオイルパン内に還流するように構成されている。この潤滑装置における暖機運転時間の短縮を図るためのオイルパンの構造として、所謂2槽式オイルパン構造が広く知られている(例えば下記特許文献1参照)。
特開2003−222012号公報
特許文献1に記載の装置においては、オイルパンの内側の空間内にオイルパンセパレーターが配置されている。このオイルパンセパレーターは、オイルパンの内側の空間を2つの区画(室)に仕切るための部材である。一方の区画(前記特許文献1においては「主室」と称されている)は、前記被潤滑機構としてのエンジンブロックに向けて開口していて、エンジンブロックからオイルパンに向けて還流して来るオイルを受容し得るように、当該エンジンブロックと連通して設けられている。この区画の底部には、前記オイルポンプと接続されていて当該区画内のオイルの吸い込み口を構成するオイルストレーナーが配置されている(以下、当該区画を「ストレーナー室」と称することにする)。また、他方の区画(前記特許文献1においては「副室」と称されている)は、前記一方の区画に隣接する空間であって、所定のオイル連通路を介して前記一方の区画との間でオイルが交流可能となっている(以下、当該区画を「リザーバー室」と称することにする)。
当該装置は、暖機運転中における両室間のオイルの交流が暖機運転後に比べて制限されることにより、暖機運転の進行が促進されるように構成されている。すなわち、当該装置は、暖機運転中においては、エンジンブロックと前記ストレーナー室との間でオイルが循環しつつ、前記リザーバー室から当該ストレーナー室へのオイルの流入が制限されるように構成されている。これにより、暖機運転中の当該装置の内部におけるオイルの循環量が少なくなる。よって、速やかにオイル(及び被潤滑部材)の温度が上昇し、当該装置の暖機運転時間が短縮され得る。また、暖機運転終了後には、前記制限が緩和・解除される。これにより、前記ストレーナー室に前記リザーバー室からオイルが流入し、オイルパンに貯留されているオイルの全量がエンジンブロックとオイルパンとの間のオイルの循環に供され得るようになる。
前記装置において、リザーバー室から前記オイル連通路を介してストレーナー室へ流入してオイルストレーナーに吸い込まれるオイル流路を想定した場合の、当該オイル流路におけるオイルの流動抵抗をR2-1とする。また、ストレーナー室内に予め貯留されているオイルがオイルストレーナーに吸い込まれるオイル流路を想定した場合の、当該オイル流路におけるオイルの流動抵抗をR1-1とする。このとき、R2-1の方がR1-1よりも大きい。よって、暖機運転終了後であっても、暖機運転中と同様に、主としてストレーナー室内のオイルがオイルストレーナーに吸い込まれて被潤滑機構に供給されることになる。したがって、当該装置においては、リザーバー室内に貯留されているオイルが、エンジンブロックとオイルパンとの間のオイルの循環に供されにくかった。このため、当該装置には、オイルパン内部に(特にストレーナー室内に継続的に)貯留されているオイルの劣化が早くなるという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、暖機運転時間を短縮し得る2槽式オイルパン構造を備えるとともに、オイルパン内部に貯留されているオイルが可及的に偏りなく被潤滑機構との間でのオイルの循環に供され得るオイルパン、及び当該オイルパンを備えた潤滑装置を提供することにある。
本発明の対象となる構成は以下の通りである。本発明のオイルパンは、被潤滑機構の潤滑のためのオイルを内側の空間内に貯留可能に構成されている。本発明の潤滑装置は、前記オイルパンと、そのオイルパン内に貯留されたオイルを前記被潤滑機構に供給するためのオイルポンプと、前記空間内に配置されていて前記オイルポンプによるオイルの吸込口を構成するオイルストレーナーと、を備えている。
(1)上述の目的を達成するため、本発明の特徴は、前記構成を有するオイルパンが、戻りオイル貯留室と、ストレーナー室と、リザーバー室と、オイル連通路と、第1オイル還流路と、第2オイル還流路と、戻りオイル還流状態変更手段とを備えたことにある。
戻りオイル貯留室は、前記被潤滑機構から前記オイルパンに向けて還流して来る戻りオイルを貯留可能に構成されている。ストレーナー室には、前記被潤滑機構に向けてオイルを供給するためのオイルポンプによるオイルの吸込口を構成するオイルストレーナーが底部に配置されている。リザーバー室は、前記ストレーナー室に隣接するように配置されている。オイル連通路は、前記被潤滑機構の運転状態(暖機運転の進行状態等)に応じて、前記ストレーナー室と前記リザーバー室との間のオイルの交流状態が変更され得るように構成されている。すなわち、例えば、暖機運転中は当該オイル連通路におけるストレーナー室とリザーバー室との間のオイルの交流が制限(前記オイル連通路が閉塞)され、暖機運転終了後には当該制限が緩和・解除される(前記オイル連通路が開通する)ように、当該オイル連通路が構成されている。第1オイル還流路は、前記戻りオイル貯留室に貯留された前記戻りオイルを前記ストレーナー室に導き得るように形成されている。第2オイル還流路は、前記戻りオイル貯留室に貯留された前記戻りオイルを前記リザーバー室に導き得るように形成されている。戻りオイル還流状態変更手段は、前記被潤滑機構の運転状態に応じて、前記第1及び第2オイル還流路における前記戻りオイルの前記ストレーナー室及び前記リザーバー室への還流状態を変更し得るように形成されている。
かかる構成を有するオイルパンを備えた潤滑装置においては、オイルがストレーナー室内からオイルストレーナーを介してオイルポンプによって吸い出される。そして、当該オイルは、オイルポンプにより被潤滑機構に供給され、当該被潤滑機構にて潤滑作用を奏するとともに、当該被潤滑機構にて熱(摩擦熱等)を吸収して、オイルパンへと還流する。この被潤滑機構からオイルパンに向けて還流する戻りオイルは、第1オイル還流路を介してストレーナー室内に誘導される。これにより、ストレーナー室内のオイルの温度上昇が促進され、暖機運転が促進される。
また、前記戻りオイルは、第2オイル還流路を介してリザーバー室内にも誘導され得る。これにより、暖機運転中においてリザーバー室内にも戻りオイルが分配され得るので、当該リザーバー室内にも当該戻りオイルが蓄積され得る。そして、この暖機運転中にリザーバー室内に蓄積されたオイルにより(リザーバー室内の油面上昇により)、暖機運転が終了してオイル連通路が開通した際の当該オイル連通路を介してのリザーバー室からストレーナー室へのオイルの流入が促進され得る。
そして、戻りオイル還流状態変更手段により、前記被潤滑機構の運転状態に応じて、前記第1及び第2オイル還流路における前記戻りオイルの前記ストレーナー室及び前記リザーバー室への還流状態が変更される。具体的には、第1オイル還流路を介してストレーナー室に流入する戻りオイルの量と、第2オイル還流路を介してリザーバー室に流入する戻りオイルの量との比が、戻りオイル還流状態変更手段により前記運転状態に応じて変更される。これにより、前記運転状態に応じて戻りオイルの還流状態が適切に制御され、暖機運転の促進や、暖機運転終了後のオイルパン内のオイルの全体的な循環の促進が実現され得る。
(2)本発明の他の特徴は、前記構成(1)のオイルパンが、さらに以下の構成を備えたことにある。本オイルパンは、前記戻りオイル貯留室と前記ストレーナー室及び前記リザーバー室とを仕切る第1隔壁と、前記ストレーナー室と前記リザーバー室とを仕切る第2隔壁と、を備えている。前記戻りオイル還流状態変更手段は、前記第1隔壁に設けられている。前記オイル連通路は、前記第2隔壁に設けられている。これにより、上述のような構成のオイルパンを簡略な構造で実現することができる。
ここで、前記第2隔壁は、前記ストレーナー室を構成するように前記被潤滑機構に向けて開口した凹部を有するように形成され、前記第2隔壁における前記凹部の外側の空間により前記リザーバー室が形成されるように構成されていることが好ましい。これにより、ストレーナー室及びリザーバー室が簡略な構成で形成され得る。また、ストレーナー室の外側のリザーバー室によって、ストレーナー室と外気との断熱層が形成され、暖機運転中におけるストレーナー室内のオイルの温度上昇が促進され、暖機運転の進行がさらに促進され得る。
また、前記第2隔壁は、板状部材から形成されていて、その平面視における略中央部に前記凹部を備えるように構成されている(すなわち当該第2隔壁はバスタブ状に形成されている)ことが好ましい。これにより、第2隔壁の構造をより簡略化することができ、以てオイルパンの製造コストを低減することができる。
さらに、前記第1隔壁と第2隔壁とは一体成形されていてもよい。
(3)本発明の他の特徴は、前記構成(2)のオイルパンが、さらに以下の構成を備えたことにある。前記第1隔壁には、前記戻りオイル貯留室と前記ストレーナー室とを連通する第1連通孔と、前記戻りオイル貯留室と前記リザーバー室とを連通する第2連通孔とが形成されている。前記戻りオイル還流状態変更手段は、前記被潤滑機構の運転状態に応じて、前記第1及び/又は第2連通孔の連通状態を変更するように構成されている。これにより、上述のような構成のオイルパンをより簡略な構成で実現することができる。
(4)本発明の他の特徴は、前記構成(3)のオイルパンが、さらに以下の構成を備えたことにある。前記戻りオイル還流状態変更手段は、感温伸縮部と弁とを備えている。感温伸縮部は、前記戻りオイル貯留室又は前記ストレーナー室内のオイルの温度に応じて伸縮するように構成されている。弁は、前記感温伸縮部に連結されていて、当該感温伸縮部の伸縮状態に応じて前記第1又は第2連通孔に対向することで当該第1又は第2連通孔を塞ぎ得るように配置されている。すなわち、前記感温伸縮部の伸縮状態に応じて、前記弁が移動して、当該弁と第1及び第2連通孔との位置関係により、当該第1又は第2連通孔が当該弁で塞がれ得るようになっている。これにより、第1連通孔を開閉する構成と第2連通孔を開閉する構成とを一体に形成することができ、オイルパンの構造をさらに簡略化することができる。
(5)本発明の他の特徴は、前記構成(3)のオイルパンが、さらに以下の構成を備えたことにある。前記戻りオイル貯留室は、前記ストレーナー室及び前記リザーバー室の上方に配置されている。前記第2連通孔における開口の上端は、前記第1連通孔よりも上方に配置されている。前記第1隔壁には、前記被潤滑機構の運転状態に応じて、前記第1連通孔の連通状態を変更する第1連通孔開閉弁が設けられている。前記第2連通孔は、常時連通状態に構成されている。
かかる構成においては、前記第2連通孔が常時連通状態となっているため、暖機運転中に戻りオイルが第2連通孔を介してリザーバー室に流入しやすくなる。よって、暖機運転終了時点におけるリザーバー室内のオイルレベルを始動時よりも高くすることができ、暖機運転終了時点におけるリザーバー室からストレーナー室へのオイル連通路を介してのオイルの流入が促進される。
また、第1連通孔及び第2連通孔を通過してストレーナー室及びリザーバー室に流入する戻りオイルの量は、前記運転状態に応じて、前記第2連通孔における開口の上端と前記第1連通孔との高さの差、及び第1連通孔開閉弁の開閉状態によって適宜調整され得る。
(6)本発明の他の特徴は、前記構成(5)のオイルパンにおける前記第1隔壁に、前記第2連通孔における開口の上端と下端とを接続する連通管が形成されていることにある。これにより、上述のような構成のオイルパンを簡略な構造で実現することができる。
(7)本発明の他の特徴は、前記構成(3)のオイルパンが、さらに以下の構成を備えたことにある。前記戻りオイル貯留室は、前記ストレーナー室及び前記リザーバー室の上方に配置されている。前記第1連通孔における開口の上端は、前記第2連通孔よりも上方に配置されている。前記第1隔壁には、前記被潤滑機構の運転状態に応じて、前記第2連通孔の連通状態を変更する第2連通孔開閉弁が設けられている。前記第1連通孔は、常時連通状態に構成されている。
かかる構成においては、前記第1連通孔が常時連通状態となっているため、暖機運転中に戻りオイルが第1連通孔を介してストレーナー室に流入しやすくなる。よって、比較的高温の戻りオイルがより多くオイルストレーナー近傍に供給され得るので、暖機運転の進行がより促進され得る。また、第1連通孔及び第2連通孔を通過してストレーナー室及びリザーバー室に流入する戻りオイルの量は、前記運転状態に応じて、前記第1連通孔における開口の上端と前記第2連通孔との高さの差、及び第2連通孔開閉弁の開閉状態によって適宜調整され得る。
(8)本発明の他の特徴は、前記構成(7)のオイルパンにおける前記第1隔壁に、前記第1連通孔における開口の上端と下端とを接続する管状部が形成されていることにある。これにより、上述のような構成のオイルパンを簡略な構造で実現することができる。
(9)本発明の他の特徴は、前記構成(7)又は構成(8)のオイルパンが、前記第2連通孔と前記リザーバー室とを接続する連通管を備えたことにある。ここで、この連通管は、その断面積(太さ)が、当該連通管が接続されるリザーバー室の断面積よりも充分小さく構成されていることが好ましい。
かかる構成によれば、連通管に比較的少量の戻りオイルが流入するだけで、暖機運転終了後におけるリザーバー室からストレーナー室へのオイルの流入が促進され得るようなストレーナー室とリザーバー室との圧力差が生じ得る。
上述したとおり、本発明によれば、被潤滑機構から還流して来る戻りオイルが、戻りオイル貯留室に貯留され、この貯留された戻りオイルが、戻りオイル還流状態変更手段によって、運転状態に応じて第1及び第2オイル還流路を介してストレーナー室及びリザーバー室に配分される。これにより、暖機運転中は、比較的高温の戻りオイルがストレーナー室に供給されることで暖機運転が促進される。また、暖機運転中にリザーバー室内に戻りオイルが蓄積されることにより、暖機運転終了後はリザーバー室内のオイルがオイル連通路を介してストレーナー室側に押し出されやすくなる。したがって、リザーバー室内のオイルを含めたオイルパン内部のオイルの全体が、当該オイルパンと被潤滑機構との間でのオイルの循環に供され得る。
以下、本発明の実施形態(本願の出願時点において取り敢えず出願人が最良と考えている実施形態)について図面を参照しつつ説明する。
<実施形態のエンジンの概略構成>
図1は、本発明の実施形態のオイルパンが適用された潤滑装置としてのエンジン10の概略構成を示している。このエンジン10は、シリンダヘッド及びシリンダブロックを含む被潤滑機構としての本体部(エンジンブロック)20と、そのエンジンブロック20の下端部に接続されたオイルパン30と、そのオイルパン30内に貯留されているオイルを当該エンジン10の内部の各部に供給するための潤滑系統(lubricating system)40とを備えている。
エンジンブロック20には、複数のピストン21と、クランクシャフト22と、カムシャフト23とを含む複数の被潤滑部材が配置されている。エンジンブロック20の下端部には、エンジンブロック20内の潤滑のためのオイルを貯留可能なオイルパン30が接続されている。
オイルパン30の内側に貯留されたオイルを吸い込むための吸込口41aを有するオイルストレーナー41が、オイルパン30の内側に配置されている。このオイルストレーナー41は、エンジンブロック20に設けられたオイルポンプ42とストレーナー流路43によって接続されている。
オイルポンプ42は、周知のロータリーポンプから構成されており、そのローター42aは、クランクシャフト22と共に回転するように当該クランクシャフト22と結合されている。ストレーナー流路43は、金属製のパイプからなり、その下端がオイルストレーナー41に接続されている。このストレーナー流路43の上端は、エンジンブロック20の下端部に形成されたオイル通路であるポンプ入口通路42bと接続されている。オイルポンプ42は、エンジンブロック20の外部に設けられたオイルフィルター44と、オイル輸送路45を介して接続されている。また、オイルフィルター44は、前記各被潤滑部材に向かうオイル流路として設けられたオイル供給路46と接続されている。
<第1実施形態のオイルパンの構成>
図2は、図1に示されている前記エンジン10に備えられた、本発明の第1実施形態のオイルパン30の構成を説明するための側断面図である。ここで、図2(a)は暖機運転中の当該オイルパン30の状態を示し、図2(b)は暖機運転終了後の当該オイルパン30の状態を示している。
<<オイルパンカバー>>
オイルパンカバー31は、オイルパン30の外側カバーを構成するバスタブ状(凹状)の部材であり、鋼板をプレス加工することによって一体に成形されている。このオイルパンカバー31は、上方のエンジンブロック20に含まれるシリンダブロック20aに向けて開口していて内側の空間内にオイルを貯留可能なバスタブ状のオイル貯留部31aと、そのオイル貯留部31aの上方における周縁から略水平に延びるように設けられたフランジ部31fとから構成されている。このフランジ部31fは、エンジンブロック20の下部のシリンダブロック20aに対して装着するために設けられている。具体的には、フランジ部31fは、シリンダブロック20aの下端にボルト等で固定されている。
<<オイルパンセパレーター>>
オイルパンセパレーター32は、熱伝導性の低い合成樹脂板により一体成形されたバスタブ状の部材である。このオイルパンセパレーター32の平面視における略中央部には、内側にオイルを貯留可能な凹部であるオイル貯留部32aが形成されている。オイル貯留部32aは、底板32a1と、その底板32a1の周囲を囲むように形成された側板32a2とから構成されていて、当該底板32a1と側板32a2とによって囲まれた空間内にオイルを貯留可能に構成されている。
<<戻りオイル貯留部材>>
戻りオイル貯留部材33は、熱伝導性の低い合成樹脂板により一体成形されたバスタブ状の部材である。この戻りオイル貯留部材33の平面視における略中央部には、内側にオイルを貯留可能な凹部である戻りオイル貯留部33aが形成されている。この戻りオイル貯留部33aの周縁から略水平に延びるように、フランジ部33fが形成されている。この戻りオイル貯留部33aは、シリンダブロック20aに向けて開口し、且つ当該シリンダブロック20aの下端部における内側の空間と連結されていて、前記被潤滑部材に供給された後に当該空間を通ってオイルパン30に還流して来るオイルである戻りオイルを貯留可能に構成されている。すなわち、戻りオイル貯留部33aの内側の空間によって、戻りオイル貯留室30cが形成されている。
<<各部材・各室の配置>>
戻りオイル貯留部材33は、オイルパンカバー31の上方に配置されていて、当該戻りオイル貯留部材33のフランジ部33fは、オイルパンカバー31のフランジ部31fの上に載置されている。すなわち、戻りオイル貯留部材33は、オイルパンカバー31のオイル貯留部31aを上方から塞ぐように、オイルパンカバー31の上に載置されている。また、オイルパンセパレーター32の側板32a2の上端が、戻りオイル貯留部材33に対して下方から接続されている。すなわち、戻りオイル貯留部材33は、オイルパンセパレーター32のオイル貯留部32aを上方から塞ぐように、オイルパンセパレーター32の上方に配置されている。
オイルパンセパレーター32のオイル貯留部32aと戻りオイル貯留部材33とで囲まれた空間の底部には、オイルストレーナー41が配置されている。すなわち、当該空間によって、ストレーナー室30aが構成されている。オイルストレーナー41の吸込口41aは、オイルパンセパレーター32のオイル貯留部32aにおける底板32a1から所定の狭い間隔(例えば10mm程度)を隔てるように配置されている。
オイルパンセパレーター32のオイル貯留部32aの底板32a1は、オイルパンカバー31のオイル貯留部31aの底板31a1よりも所定の間隙を隔てて上方に配置されている。また、側板32a2は、オイルパンカバー31のオイル貯留部31aの側板31a2と離隔するように配置されている。すなわち、オイルパンカバー31と戻りオイル貯留部材33とで囲まれたオイル貯留部31aの内側の空間は、オイルパンセパレーター32によって、当該オイルパンセパレーター32のオイル貯留部32aの内側の空間からなるストレーナー室30aと、その外側の空間であるリザーバー室30bとに仕切られている。そして、リザーバー室30bは、ストレーナー室30aの側方及び下方のほぼ全周を囲むように形成されている。また、戻りオイル貯留室30cは、ストレーナー室30a及びリザーバー室30bの上方に配置されている。
上述の通り、本実施形態においては、戻りオイル貯留部材33によって、戻りオイル貯留室30cとストレーナー室30a及びリザーバー室30bとを仕切る第1隔壁が構成されている。また、オイルパンセパレーター32によって、ストレーナー室30aとリザーバー室30bとを仕切る第2隔壁が構成されている。
オイル貯留部32aの底部(側板32a2の底部又は底板32a1)には、オイル連通路34が、オイルパンセパレーター32を貫通するように配置されている。このオイル連通路34は、本実施形態においては、自動車の冷却水循環系等に用いられる周知のワックス型サーモスタット弁を筐体の内部に備えたサーモスタット弁装置から構成されていて、その感温部であるワックスを含む本体部がストレーナー室30a内に露出するように配置されている。このオイル連通路34は、ストレーナー室30a内のオイルの温度が所定の開弁温度以上となった場合に、当該オイル連通路34における前記筐体の内部(以下、単に「オイル連通路34の内部」と称する。)を通ってストレーナー室30aとリザーバー室30bとの間でオイルの交流が可能となり(この状態を、以下、オイル連通路34の「開通」と称する)、温度上昇に応じて開弁率(当該オイル連通路34の内部に形成され得る最大流路断面積に対する現在の流路断面積の割合)が高くなるように構成されている。
<<戻りオイル還流路の詳細な構成>>
戻りオイル貯留部材33の底板33a1には、第1連通孔33a2と第2連通孔33a3とが形成されている。第1連通孔33a2は、戻りオイル貯留室30cとストレーナー室30aとを連通させるための貫通孔である。また、第2連通孔33a3は、戻りオイル貯留室30cとリザーバー室30bとを連通させるための貫通孔である。オイルパンセパレーター32は、オイル貯留部32aの位置が気筒配列方向(図1におけるピストン21の配列方向、すなわち図2における左右方向)におけるオイルパンカバー31のオイル貯留部31aの中央からオフセットするように配置されている。前記オイル貯留部31aの中央に最も近接するオイルパンセパレーター32の側板32a2の上端部は、戻りオイル貯留部材33の底板33a1における前記第1連通孔33a2と第2連通孔33a3との間の位置に接続されていて、当該側板32a2には貫通孔32a3が形成されている。
戻りオイル貯留部材33の底板33a1の下側には、切換弁装置36が配置されている。この切換弁装置36は、カバー36aと、ワックス36bと、可動プレート36cと、固定プレート36dと、コイルスプリング36eと、接続バー36fと、弁36gとから構成されている。
カバー36aは、金属からなる筒状の部材であり、その軸線方向(図2における左右方向)における一方の端部と可動プレート36cとで囲まれた空間内にはワックス36bが封入されていて、他方の端部には開口部36a1が形成されている。この可動プレート36cは、カバー36aの内部を前記軸線方向に沿って移動可能に配置されている。固定プレート36dは、可動プレート36cよりも前記軸線方向に沿って開口部36a1側にオフセットした位置に配置されていて、カバー36aに対して相対移動不能に固定されている。カバー36aの内部であって可動プレート36cと固定プレート36dとで囲まれた空間内には、コイルスプリング36eが配置されている。このコイルスプリング36eは、一端が固定プレート36dに支持されていて、可動プレート36cをワックス36bに向けて押圧するように構成されている。また、可動プレート36cから開口部36a1に向かって延びるように接続バー36fが設けられている。接続バー36fは、その一端が可動プレート36cに固着され、他端が固定プレート36dを貫通して開口部36a1の外側に露出するように形成されている。この接続バー36fの前記他端には、弁36gが接続されている。弁36gは、可動プレート36cの前記軸線方向に沿った移動に伴って、オイルパンセパレーター32の貫通孔32a3を貫通しつつ前記軸線方向に往復移動可能に配置されている。
かかる構成の切換弁装置36は、当該切換弁装置36の周囲の温度(オイルパン30内のオイルの温度:本実施形態の構成においてはリザーバー室30bの上方のオイルの温度)に応じたワックス36bの膨張・収縮と、コイルスプリング36eの押圧力とによって、可動プレート36cが前記軸線方向に沿って移動するように構成されている。また、切換弁装置36は、この可動プレート36cの移動に伴って弁36gが前記軸線方向に沿って移動することで、第1連通孔33a2及び第2連通孔33a3におけるオイルの通行可能性を変更し得るように構成されている。
すなわち、当該切換弁装置36の周囲の温度が所定の低温(第1の温度)以下となってワックス36bが所定の固化・収縮状態となっている場合に、コイルスプリング36eの押圧力によって可動プレート36cが図中左方に変位し、図2(a)に示されているように、弁36gが前記第2連通孔33a3を下側から閉塞する(この場合、第1連通孔33a2は当該弁36gによって閉塞されない)ようになっている。また、当該切換弁装置36の周囲の温度が所定の高温(第2の温度)となってワックス36bが相変態・熱膨張により膨張した場合に、当該ワックス36bの膨張により可動プレート36cがコイルスプリング36eの押圧力に抗して図中右方に変位し、図2(b)に示されているように、弁36gが前記第1連通孔33a2を下側から閉塞する(この場合、第2連通孔33a3は当該弁36gによって閉塞されない)ようになっている。さらに、当該切換弁装置36の周囲の温度が前記第1の温度と第2の温度との中間である場合、弁36gは、図2(a)に示された第1の位置と図2(b)に示された第2の位置との間の位置に配置され得るようになっている。
なお、弁36gが前記第1の位置と第2の位置との間で往復移動する間、弁36gによってオイルパンセパレーター32の貫通孔32a3が常時閉塞されることにより、当該貫通孔32a3を介してオイルがストレーナー室30aとリザーバー室30bとの間で交流しないように(当該貫通孔32a3が弁36gによってシールされるように)なっている。
当該切換弁装置36は、前記オイル連通路34の周囲のストレーナー室30a内のオイルの温度が前記開弁温度となった場合に、弁36gが前記第1の位置から前記第2の位置に向けて移動を開始するように構成されている。すなわち、当該切換弁装置36がオイル連通路34とほぼ同時に作動するように、当該切換弁装置36における前記第1の温度が設定されている。具体的には、ストレーナー室30a内のオイルの温度はリザーバー室30b内のオイルの温度よりも高いので、ストレーナー室30a内のオイルの温度によって作動するオイル連通路の前記開弁温度は、リザーバー室30b内に露出するように配置されている切換弁装置36の前記第1の温度よりもやや高めに設定されている。このような開弁温度及び第1の温度の設定は、例えば、切換弁装置36におけるワックス36bの材質・組成、カバー36a及び可動プレートの形状、コイルスプリング36eのばね定数等を適宜調整することによって実現され得る。
上述の通り、切換弁装置36により、本発明の戻りオイル還流状態変更手段が構成されている。また、切換弁装置36におけるワックス36b、可動プレート36c、及び接続バー36fにより、オイルの温度に感応して伸縮する感温伸縮部が構成されている。
<第1実施形態の動作>
以下、図1及び図2に基づいて、上述の構成を備えたエンジン10の動作について説明する。
前回のエンジン10の停止後しばらくの間は、オイルパン30内のオイルは高温である。よって、この間に、開通状態のオイル連通路34を介してストレーナー室30a及びリザーバー室30b内のオイルレベルは均一化される。よって、エンジン10の始動前は、ストレーナー室30a及びリザーバー室30b内のオイルレベルはほぼ同一となっている。
エンジン10が始動されると、オイルポンプ42の作動に伴ってストレーナー室30a内のオイルストレーナー41の吸込口41aにて発生する負圧によって、ストレーナー室30a内のオイルが当該吸込口41aから吸い込まれ、オイルポンプ42を介して被潤滑機構としてのエンジンブロック20内の各部(ピストン21等の被潤滑部材)に供給される。
ここで、暖機運転中は、オイルパン30内に貯留されているオイル(ストレーナー室30a内のオイル)の温度が低く、ストレーナー室30aとリザーバー室30bとの間のオイル連通路34が閉塞されている。よって、ストレーナー室30a内からオイルが吸い出されることにより、ストレーナー室30a内のオイルレベルが相当程度下がる。一方、リザーバー室30bからストレーナー室30aへのオイルの流入は生じないのでリザーバー室30bのオイルレベルは下がらない。すなわち、暖機運転中は、リザーバー室30bとストレーナー室30aとの間でオイルレベルに差が生じ、ストレーナー室30aのオイルレベルがリザーバー室30bのオイルレベルよりも低くなる。
始動からしばらく経過すると、重力の作用により、エンジンブロック20からオイルパン30に向かって戻りオイルが還流してくる。ここで、暖機運転中においては、オイルパン30内に貯留されているオイル(リザーバー室30bの上方のオイル)の温度が低く、切換弁装置36における弁36gが前記第1の位置となっていて、当該弁36gによって第2連通孔33a3が閉塞されている一方、第1連通孔33a2は開放されている(図2(a)参照)。すなわち、戻りオイル貯留室30cから第1連通孔33a2を介してストレーナー室30aに達する戻りオイルの(第1)オイル還流路が形成されている。よって、戻りオイル貯留部材33によって受容された戻りオイルは、戻りオイル貯留室30c内から第1連通孔33a2を介してストレーナー室30a内に流入する(同図の白抜き矢印参照)。これにより、被潤滑機構にて熱を吸収した比較的高温の戻りオイルがストレーナー室30a内に還流することでストレーナー室30a内のオイルの温度がすみやかに上昇する。また、オイルストレーナー41の吸込口41aの近傍に当該高温の戻りオイルが供給され得る。したがって、より高温のオイルが当該吸込口41aに吸い込まれて再度被潤滑機構に供給され得ることとなり、暖機運転の進行が促進され得る。
さらに、ストレーナー室30aの外側には、合成樹脂製のオイルパンセパレーター32を挟んでリザーバー室30bが存在している。よって、当該オイルパンセパレーター32及びリザーバー室30bが、ストレーナー室30aと外気との間の断熱層を形成している。したがって、ストレーナー室30a(及び前記被潤滑部材)の温度上昇が促進され、以て暖機運転の進行がさらに促進され得る。
暖機運転が進行してオイルパン30内のオイルの温度が所定の温度まで上昇すると、暖機運転が終了する。すなわち、オイル連通路34が開通して、ストレーナー室30aとリザーバー室30bとの間の当該オイル連通路34を介してのオイルの交流が可能になる。これにより、上述のオイルレベルの差に基づくリザーバー室30bとストレーナー室30aとの圧力差により、リザーバー室30bからオイルがオイル連通路34を介してストレーナー室30a内に流入する。
このとき、切換弁装置36の弁36gが前記第1の位置から前記第2の位置に向けて移動を開始する。これにより、戻りオイル貯留室30cから第2連通孔33a3を介してリザーバー室30bに達する戻りオイルの(第2)オイル還流路が形成される。すなわち、戻りオイル貯留室30cから第2連通孔33a3を介してリザーバー室30bに達し、このリザーバー室30bからオイル連通路34を介してストレーナー室30a内に達するオイル還流路が形成される(図2(b)における白抜き矢印参照)。
暖機運転終了直後の場合、戻りオイル貯留部材33に受容された戻りオイルは、オイルパン30内のオイルの温度に応じて、上述の第1オイル還流路と第2オイル還流路とに分配され、ストレーナー室30a及びリザーバー室30bに還流する。オイルパン30内のオイルが充分高温になった場合、図2(b)に示されている通り、切換弁装置36の弁36gが前記第2の位置まで移動し、当該弁36gによって第1連通孔33a2が閉塞される一方、第2連通孔33a3は完全に開放される。これにより、戻りオイルの全量がリザーバー室30bに流入するようになる。したがって、オイルパン30内におけるオイル全体の循環が促進され、当該オイルパン30内のオイル全体が被潤滑部材の潤滑に供され得ることとなり、以てオイルの耐久性が悪化することなくエンジン10(図1参照)のオーバーヒートが抑制され得る。
<第1実施形態の変形例>
なお、本実施形態は、図3に示されているように変形することが可能である。このオイルパン30’においては、オイルパンセパレーター32’が1枚の平板状に構成されている。すなわち、オイルパンセパレーター32’は、オイルパンカバー31と戻りオイル貯留部材33とで囲まれた空間を前記気筒配列方向に二分するように配置されている。
かかる構成を有するオイルパン30’を備えたエンジン10(図1参照)においては、上述のオイルパン30を備えた場合と同様に動作する。さらに、当該構成によれば、オイルパンカバー31のオイル貯留部31a内にオイルパンセパレーター32’を立てるように設置し、次に、切換弁装置36及び戻りオイル貯留部材33をオイルパンカバー31に装着し(このときフランジ部31f及び33fは重ね合わせられる)、続いて、シリンダブロック20aの下端にフランジ部31f及び33fをボルト等により共締めすることにより、簡易な工程でエンジン10を組み立てることが可能になる。
<第2実施形態の構成>
図4は、図1に示されている前記エンジン10に備えられた、本発明の第2実施形態のオイルパン130の構成を説明するための図である。なお、上述の第1実施形態と共通する部分については、同一の符号を付して上述の第1実施形態の説明を援用したり、図示を省略したりすることがある(後述の第3以降の実施形態についても同様である)。
本実施形態においては、オイルパンカバー31の上方にオイルパンセパレーター132が重ねられるように配置されている。このオイルパンセパレーター132は、戻りオイル貯留室30cとストレーナー室30a及びリザーバー室30bとを仕切る第1隔壁132aと、ストレーナー室30aとリザーバー室30bとを仕切る第2隔壁132cとを備えていて、当該第1隔壁132aと第2隔壁132cとが一体となるように射出成形により一体成形されている。オイルパンセパレーター132の端縁にはフランジ部132fが水平に延びるように設けられている。このフランジ部132fがオイルパンカバー31のフランジ部31fとシリンダブロック20aの下端面との間で挟まれつつ、当該フランジ部132f及び31fがボルト等でシリンダブロック20aに固定されることにより、オイルパンセパレーター132が上方から支持されている。
第1隔壁132aには、底板132a1と、隔壁部132a2とが形成されている。底板132a1は、オイルパンカバー31の底板31a1上に接着されていて、この接着によりオイルパンセパレーター132が下方から支持されるようになっている。この底板132a1から鉛直上方に隔壁部132a2が立設されていて、この隔壁部132a2には、ストレーナー室30aと戻りオイル貯留室30cとを連通し得るように設けられた戻りオイル還流孔132a3と、ストレーナー室30aとリザーバー室30bとを連通し得るように設けられたオイル連通孔132a4とが形成されている。
<<戻りオイル還流路・オイル連通路に係る切換弁装置の詳細な構成>>
ストレーナー室30a内には、切換弁装置136が配置されている。この切換弁装置136は、隔壁部132a2に取り付けられていて、カバー136aと、ワックス136bと、可動プレート136cと、コイルスプリング136eと、接続バー136fと、弁136gとから構成されている。カバー136aは、金属からなる筒状の部材であり、その軸線方向(図4における上下方向)における一方の端部に底板136a1を備え、他方の端部に天板136a2を備えている。カバー136aの内側の空間内であって、底板136a1と天板136a2との間には、可動プレート136cが前記軸線方向に沿って移動可能に配置されている。この可動プレート136cと底板136a1とで囲まれた空間内にはワックス136bが封入されていて、底板136a1と天板136a2との間にはコイルスプリング136eが配置されている。可動プレート136cから底板136a1に向かって延びるように接続バー136fが設けられていて、当該接続バー136fの下端は、底板136a1を貫通して当該底板136a1の外側に露出するように形成されている。この接続バー136fの下端には、弁136gが接続されている。弁136gは、前記可動プレート136cの前記軸線方向に沿った移動に伴って当該前記軸線方向に往復移動可能に配置されている。
かかる構成の切換弁装置136は、当該切換弁装置136の周囲の温度(オイルパン130内のオイルの温度:本実施形態の構成においてはストレーナー室30a内のオイルの温度)に応じたワックス136bの膨張・収縮によって、可動プレート136cが前記軸線方向に沿って移動し、この可動プレート136cの移動に伴って弁136gが前記軸線方向に沿って移動することで、戻りオイル還流孔132a3及びオイル連通孔132a4におけるオイルの通行可能性が変更され得るように構成されている。すなわち、当該切換弁装置136の周囲の温度が所定の低温(第1の温度)以下でワックス136bが収縮した場合(図4(a)参照)に、弁136gがオイル連通孔132a4を側方から閉塞する(この場合、戻りオイル還流孔132a3は当該弁136gによって閉塞されない)ようになっている。また、当該切換弁装置136の周囲の温度が所定の高温(第2の温度)でワックス136bが膨張した場合(図4(b)参照)に、弁136gが戻りオイル還流孔132a3を側方から閉塞する(この場合、オイル連通孔132a4は当該弁136gによって閉塞されない)ようになっている。さらに、当該切換弁装置136の周囲の温度が前記第1の温度と第2の温度との中間である場合、弁136gは、図4(a)に示された第1の位置と図4(b)に示された第2の位置との間の位置に配置され得るようになっている。
上述の通り、本実施形態においては、戻りオイル還流孔132a3により、戻りオイル貯留室30cに貯留された戻りオイルをストレーナー室30aに導く第1オイル還流路が構成されている。また、オイル連通孔132a4及び切換弁装置136により、被潤滑機構の運転状態に応じてストレーナー室30aとリザーバー室30bとの間でのオイルの交流状態が変更され得るオイル連通路が構成されている。
<<戻りオイル還流路に係るサーモスタット弁装置の詳細な構成>>
第2隔壁132cには、戻りオイル貯留室30cの底部を構成する略平板状の底板132c1が配置されていて、この底板132c1には戻りオイル還流路134が形成されている。この戻りオイル還流路134は、上述の第1実施形態におけるオイル連通路34と同様に、自動車の冷却水循環系等に用いられる周知のワックス型サーモスタット弁を筐体の内部に備えたサーモスタット弁装置から構成されている。図5は、この戻りオイル還流路134を構成するサーモスタット弁装置(以下、サーモスタット弁装置134と称する)の詳細な構成を示すための拡大断面図である。
サーモスタット弁装置134は、戻りオイル貯留室30c内のオイルの温度に感応する感温部であるワックス134aを備えている。このサーモスタット弁装置134は、ワックス134aが戻りオイル貯留室30c側に位置するように配置されている。
ワックス134aは、金属製の弁体134bの内部に封入されている。この弁体134bは、中心に貫通孔を有する略円板状の弁134b1と、内部にワックス134aが封入された空洞部を有する略円柱形状の本体部134b2と、弁134b1及び本体部134b2を接続する略円筒形状の接続部134b3とから構成されている。この接続部134b3により構成された円筒の内側には、ロッド134cが配置されている。このロッド134cは、その一端が、ワックス134aが封入された前記空洞部内に露出し、他端が弁134b1の中心の前記貫通孔から弁体134bの外部に露出するように配置されている。また、弁134b1の前記貫通孔にはシール部材134eが挿入されていて、弁体134b内に封入されているワックス134aが当該弁体134bの外部に漏出しないようにシールされている。
弁体134bにおける本体部134b2の周囲は、金属製の略円筒状の部材である筐体134dによって囲まれている。筐体134dは、底板132c1に形成された貫通孔132c2を貫通するように配置されている。この筐体134dには貫通孔としての戻りオイル貯留室側開口部134d1が形成されていて、当該筐体134dの内側の空間と外側の空間(戻りオイル貯留室30c)とが戻りオイル貯留室側開口部134d1によって連通するようになっている。筐体134dの一端には、貫通孔134d2が形成されていて、この貫通孔134d2の内側を弁体134bの本体部134b2が移動(摺動)可能になっている。筐体134dの他端には、円板状のフランジ部134fが外側に延びるように形成されていて、このフランジ部134fと第2隔壁132cの底板132c1とが重ね合わされてボルト135aとナット135bとが締結されることにより、サーモスタット弁装置134が当該底板132c1に固定されるようになっている。
フランジ部134fの内側には、リザーバー室30b側に露出した板状部材からなるリザーバー室側カバー134gが接続されている。このリザーバー室側カバー134gには、貫通孔であるリザーバー室側開口部134g1が形成されている。また、リザーバー室側カバー134gには上述のロッド134cにおける前記他端が固着されている。そして、当該リザーバー室側カバー134gと弁134b1とが当接した場合に、筐体134dの内側の空間とリザーバー室側カバー134gの内側の空間との連通が当該弁134b1によって遮断され得るように、当該リザーバー室側カバー134g(及び弁134b1)の形状が設定されている。
筐体134dの内側の空間には、弁体134bの周囲を囲むように配置されたコイルスプリング134hが配置されている。このコイルスプリング134hは、その一端側が弁134b1に当接し、他端側が筐体134dにおける前記一端側に当接するように配置されている。
かかる構成を有するサーモスタット弁装置134は、ワックス134aが封入されている弁体134bの周囲の温度が所定の開弁温度よりも低温の場合、ワックス134aが収縮し、コイルスプリング134hの弾性力によってワックス134aの封入されている空洞部内にロッド134cが押し込まれることで、図5(a)に示されているように、リザーバー室側カバー134gと弁134b1とが当接して、戻りオイル貯留室30cとリザーバー室30bとの連通が遮断されるようになっている(閉弁状態)。
また、ワックス134aが封入されている弁体134bの周囲の温度が高温の場合、ワックス134aが溶融されて当該ワックス134aの体積が膨張し、ワックス134aの封入されている空洞部内からロッド134cの前記一端が押し出されることで、図5(b)に示されているように、弁体134bがコイルスプリング134hの押圧力に抗して戻りオイル貯留室30c側に押し出され、これによりリザーバー室側カバー134gと弁134b1との間に隙間が生じ、当該隙間を介して戻りオイル貯留室側開口部134d1とリザーバー室側開口部134g1との間で筐体134dの内部を通した戻りオイル還流路が開通するようになっている(開弁状態)。
そして、当該サーモスタット弁装置134は、温度上昇に応じて開弁率(当該戻りオイル還流路における最大流路断面積に対する現在の流路断面積の割合)が高くなるようになっている。すなわち、当該サーモスタット弁装置134の近傍における戻りオイル貯留室30c内のオイル温度に応じて、ワックス134aの膨張によって弁体134bが戻りオイル貯留室30c側に押し出される力と、前記コイルスプリング134hによる押圧力とが釣り合うような所定の位置に、当該弁体134bが位置することで、前記戻りオイル還流路におけるオイルの交流状態が前記オイル温度に応じて変化するようになっている。
また、サーモスタット弁装置134及び切換弁装置136は、サーモスタット弁装置134が開弁し始めるのとほぼ同時に切換弁装置136の弁136gが前記第1の位置から前記第2の位置に向かって移動を開始するように構成されている。具体的には、戻りオイル貯留室30c内のオイルの温度はストレーナー室30a内のオイルの温度よりも高いため、戻りオイル貯留室30c内に露出するように配置されたサーモスタット弁装置134の前記開弁温度は、ストレーナー室30a内に露出するように配置された切換弁装置136の前記第1の温度よりもやや高めに設定されている。このような開弁温度及び第1の温度の設定は、サーモスタット弁装置134及び切換弁装置136の構成要素の材質・組成や形状・ばね定数等を適宜調整することで実現され得る。
上述の通り、本実施形態においては、サーモスタット弁装置134の内部に形成された、戻りオイル貯留室側開口部134d1、貫通孔132c2、及びリザーバー室側開口部134g1を通るオイル通路によって、戻りオイル貯留室30cに貯留された戻りオイルをリザーバー室30bに導く第2オイル還流路が構成されている。また、切換弁装置136及びサーモスタット弁装置134によって、戻りオイル還流状態変更手段が構成されている。また、サーモスタット弁装置134におけるワックス134a及びロッド134c、並びに切換弁装置136におけるワックス134a、可動プレート136c及び接続バー136fにより、オイルの温度に感応して伸縮する感温伸縮部が構成されている。
<第2実施形態の動作>
以下、図4及び図5に基づいて、上述の構成を備えた第2実施形態のオイルパン130の動作について説明する。
暖機運転中は、オイルパン130内のオイルの温度が低温であるので、切換弁装置136のワックス136b及びサーモスタット弁装置134のワックス134aは固化・収縮状態となり、図4(a)及び図5(a)に示された状態となっている。すなわち、切換弁装置136の弁136gが第1の位置にあり、オイル連通孔132a4が当該弁136gによって側方から閉塞される一方、戻りオイル還流孔132a3は開放されて戻りオイル貯留室30cから戻りオイルがストレーナー室30a内に流入可能となっている。すなわち、戻りオイル貯留室30cから戻りオイル還流孔132a3を介してストレーナー室30aに達する戻りオイルの(第1)オイル還流路が形成されている。また、サーモスタット弁装置134は閉弁状態であるので、戻りオイル貯留室30cからリザーバー室30bへの戻りオイルの流入は生じない。これにより、被潤滑機構にて熱を吸収した比較的高温の戻りオイルがストレーナー室30a内に還流することでストレーナー室30a内のオイルの温度がすみやかに上昇する。また、オイルストレーナー41の吸込口41aの近傍に当該高温の戻りオイルが供給され得る。したがって、より高温のオイルが当該吸込口41aに吸い込まれて再度被潤滑機構に供給され得ることとなり、暖機運転の進行が促進され得る。
暖機運転が進行してオイルパン130内のオイルの温度が所定の温度まで上昇すると、暖機運転が終了する。すなわち、切換弁装置136のワックス136bの相変態・熱膨張による膨張で可動プレート136cがコイルスプリング136eの押圧力に抗して上昇し、切換弁装置136の弁136gが前記第1の位置から前記第2の位置に向けて移動を開始する。これにより、オイル連通孔132a4が開通して、ストレーナー室30aとリザーバー室30bとの間の当該オイル連通孔132a4を介してのオイルの交流が可能になる。また、サーモスタット弁装置134が開弁状態(図5(b)参照)となり、戻りオイル貯留室30cから第2連通孔33a3を介してリザーバー室30bに達する戻りオイルの(第2)オイル還流路が形成される。
暖機運転終了直後の場合、オイルパンセパレーター132に受容された戻りオイルは、オイルパン130内のオイルの温度に応じて、上述の第1オイル還流路と第2オイル還流路とに分配され、ストレーナー室30a及びリザーバー室30bに還流する。オイルパン130内のオイルが充分高温になった場合、図4(b)に示されている通り、切換弁装置136の弁136gが前記第2の位置まで移動し、当該弁136gによって戻りオイル還流孔132a3が閉塞される一方、オイル連通孔132a4は完全に開放される。これにより、戻りオイルの全量がリザーバー室30bに流入し、リザーバー室30bからオイル連通孔132a4を介してオイルがストレーナー室30a内に流入するオイル還流路が形成される。したがって、オイルパン130内におけるオイル全体の循環が促進され、当該オイルパン130内のオイル全体が被潤滑部材の潤滑に供され得ることとなり、以てオイルの耐久性が悪化することなくエンジン10(図1参照)のオーバーヒートが抑制され得る。
<第3実施形態の構成>
図6は、図1に示されている前記エンジン10に備えられた、本発明の第3実施形態のオイルパン230の構成を説明するための図である。本実施形態においては、上述の第1実施形態と同様に、戻りオイル貯留部材233がオイルパンカバー31の上方に重ねられるように配置されることにより、戻りオイル貯留室30cがストレーナー室30a及びリザーバー室30bの上方に形成されている。
戻りオイル貯留部材233の平面視における中央部には、上述の第1実施形態と同様に、戻りオイル貯留室30cを構成する凹部である戻りオイル貯留部233aが形成されている。この戻りオイル貯留部233aの底部を構成する略平板状の底板233a1には、貫通孔である第1連通孔233a2及び第2連通孔233a3が形成されている。
第2連通孔233a3の内縁から上方に向かって連通管233bが形成されている。この連通管233bの上端の開口上端部233b1は、第1連通孔233a2よりも上方に位置している。すなわち、この連通管233bは、第2連通孔233a3における開口の上端(開口上端部233b1)と下端とを接続するように形成されている。さらに、第2連通孔233a3及び連通管233bは、戻りオイル貯留部材233の上方に形成された戻りオイル貯留室30cと、戻りオイル貯留部材233の下方に形成されたリザーバー室30bとを、常時連通させるように設けられている。そして、戻りオイル貯留部材233は、底板233a1上に開口上端部233b1の高さまで(最大貯留量まで)戻りオイルを貯留することができ、前記最大貯留量を超えた量の戻りオイルが開口上端部233b1を越えて溢れ出して連通管233bを通って下方のリザーバー室30bに向かって流出され得るように構成されている。
戻りオイル貯留部材233の底板233a1の下方であって第1連通孔233a2の下方には、オイルパンセパレーター232が配置されている。オイルパンセパレーター232は、ストレーナー室30aを構成する凹部であるオイル貯留部232aと、そのオイル貯留部232aの上端から略水平方向に伸びるように形成されたフランジ部232fとから構成されている。このフランジ部232fが戻りオイル貯留部材233の底板233a1と接着されることにより、オイルパンセパレーター232が当該戻りオイル貯留部材233とオイルパンカバー31とで囲まれた空間内にて支持されている。すなわち、オイルパンセパレーター232の内側の空間(オイルパンセパレーター232と戻りオイル貯留部材233とで囲まれた空間)により構成されたストレーナー室30aは、第1連通孔233a2を介して戻りオイル貯留室30cと連通可能に配置されている。また、オイルパンカバー31と戻りオイル貯留部材233とで囲まれた空間であってオイルパンセパレーター232の外側の空間(ストレーナー室30aの側方及び下方の空間)によってリザーバー室30bが形成されている。また、オイルストレーナー41は、第1連通孔233a2の真下に配置されている。
オイルパンセパレーター232のオイル貯留部232aは、底板232a1と、その底板232a1の周囲を囲むように形成された側板232a2とから構成されていて、当該底板232a1と側板232a2とによって囲まれた空間(ストレーナー室30a)内にオイルを貯留可能に構成されている。このオイル貯留部232aの底部(側板232a2の底部又は底板232a1)には、オイル連通路34が設けられている。側板232a2の中腹部には、暖機運転終了前の低温で高粘度のオイルであっても通過可能な貫通孔である上部連通孔232a3が形成されている。この上部連通孔232a3は、エンジン10(図1参照)が停止中の場合、及び暖機運転後においてストレーナー室30a内のオイルがオイルストレーナー41を介して吸い出された場合における、ストレーナー室30aとリザーバー室30bとの間のオイルレベルの調整を行うために設けられている。
戻りオイル貯留部材233の底板233a1の上方には、切換弁装置236が配置されている。この切換弁装置236は、上述の第2実施形態における切換弁装置136と同様の構成(カバー236a、ワックス236b、可動プレート236c、コイルスプリング236e、接続バー236f、弁236g)を有している。そして、この切換弁装置236は、戻りオイル貯留室30c内のオイルの温度に応じて、上述の第1実施形態における切換弁装置36と同様に作動するように構成されている。すなわち、当該切換弁装置236は、戻りオイル貯留室30c内のオイルの温度が所定の低温(第1の温度)以下である場合に、図6(a)に示されているように、弁236gが前記第1連通孔233a2を完全に開放する第1の位置に配置されるようになっている。また、当該切換弁装置236は、戻りオイル貯留室30c内のオイルの温度が所定の高温(第2の温度)となった場合に、図6(b)に示されているように、弁236gが前記第1連通孔233a2を上側から完全に閉塞する第2の位置に配置されるようになっている。さらに、戻りオイル貯留室30c内のオイルの温度が前記第1の温度と第2の温度との中間である場合、弁236gは、図6(a)に示された第1の位置と図6(b)に示された第2の位置との間の位置に配置され得るようになっている。
当該切換弁装置236は、上述の第1実施形態と同様の構成のオイル連通路34の周囲のストレーナー室30a内のオイルの温度が前記開弁温度となった場合に、弁236gが前記第1の位置から前記第2の位置に向けて移動を開始するように構成されている。すなわち、当該切換弁装置236がオイル連通路34とほぼ同時に作動するように、当該切換弁装置236における前記第1の温度が設定されている。具体的には、戻りオイル貯留室30c内のオイルの温度はストレーナー室30a内のオイルの温度よりも高いため、戻りオイル貯留室30c内に露出するように配置された切換弁装置236の前記第1の温度は、ストレーナー室30a内に露出するように配置されたオイル連通路34の前記開弁温度よりもやや高めに設定されている。このような開弁温度及び第1の温度の設定は、オイル連通路34及び切換弁装置236の構成要素の材質・組成や形状・ばね定数等を適宜調整することで実現され得る。
上述の通り、本実施形態のオイルパン230は、第1連通孔233a2の大きさ、切換弁装置236の作動特性(第1の温度や第2の温度の設定、弁236gの形状)、連通管233bの形状(開口上端部233b1の高さや第2連通孔233a3の大きさ)に応じて、暖機運転状態(図6(a)参照)から定常運転状態(図6(b)参照)までの間の戻りオイルの還流状態(ストレーナー室30a内への流入量とリザーバー室30b内への流入量との比率)が変更され得るように構成されている。
<第3実施形態の動作>
以下、上述の第3実施形態のオイルパン230を備えたエンジン10(図1参照)の動作について説明する。
前回のエンジン10の停止後しばらくの間は、オイルパン230内のオイルは高温である。よって、この間に、開通状態のオイル連通路34及び上部連通孔232a3を介してストレーナー室30a及びリザーバー室30b内のオイルレベルは均一化される。よって、エンジン10の始動前は、ストレーナー室30a及びリザーバー室30b内のオイルレベルはほぼ同一となっている。
暖機運転中は、オイルパン230内のオイルの温度が低温であり、オイル連通路34は閉塞されている。よって、暖機運転中は、ストレーナー室30aからオイルが吸い出されることでストレーナー室30aのオイルレベルが下がる。これにより、リザーバー室30bとストレーナー室30aとの間でオイルレベルに差が生じる。
また、戻りオイル貯留部材233に受容された戻りオイルの温度も前記第1の温度よりも低温である。よって、図6(a)に示されているように、切換弁装置236の弁236gが前記第1の位置にあり、第1連通孔233a2が最大限開放された状態となっている。このとき、連通管233bの開口上端部233b1は第1連通孔233a2よりも高い位置に形成されている。よって、戻りオイル貯留部材233に受容された戻りオイルは、主として、第1連通孔233a2を通ってストレーナー室30a内に流入する。この第1連通孔233a2を介したストレーナー室30aへの戻りオイルの流出量が、戻りオイル貯留部材233によって受容される戻りオイルの全量よりも少ない場合、戻りオイル貯留室30c内に(戻りオイル貯留部材233の底板233a1上に)戻りオイルが貯留され、前記最大貯留量を超えた量の戻りオイルが第2連通孔233a3を介してリザーバー室30b内に流入する。もっとも、暖機運転中は、上述の通り、第1連通孔233a2が最大限開放された状態となっているので、(エンジン回転数が急変するような例外的な場合を除き)戻りオイル貯留部材233によって受容される戻りオイル量の大部分が、第1連通孔233a2を通ってストレーナー室30a内に流入する。これにより、被潤滑機構にて熱を吸収した比較的高温の戻りオイルがストレーナー室30a内に集中的に還流することでストレーナー室30a内のオイルの温度がすみやかに上昇する。また、オイルストレーナー41の吸込口41aの近傍に当該高温の戻りオイルが集中的に供給され得る。したがって、より高温のオイルが当該吸込口41aに吸い込まれて再度被潤滑機構に供給され得ることとなり、暖機運転の進行が促進され得る。
暖機運転が進行してオイルパン230内のオイルの温度が所定の温度まで上昇すると、暖機運転が終了する。すなわち、オイル連通路34が開通する。これにより、上述のオイルレベルの差に基づくリザーバー室30bとストレーナー室30aとの圧力差により、リザーバー室30bからオイルがオイル連通路34を介してストレーナー室30a内に流入する。
このとき、切換弁装置236の弁236gが前記第1の位置から前記第2の位置に向けて移動を開始する。これにより、第1連通孔233a2の開口面積が減少するので、当該第1連通孔233a2を戻りオイルが通過する際の流動抵抗が増加する。よって、戻りオイル貯留室30c内に戻りオイルが貯留されやすくなり、戻りオイルが第2連通孔233a3を介してリザーバー室30b内に流入しやすくなる。そして、図6(b)に示されているように、切換弁装置236の弁236gが前記第2の位置まで到達すると、戻りオイルのストレーナー室30a内への流入が遮断される。これにより、戻りオイルはリザーバー室30bにのみ還流するようになる。この戻りオイルのリザーバー室30bへの集中的な還流により、リザーバー室30bからストレーナー室30a内へのオイルの流入がますます促進される。さらに、ストレーナー室30a及びリザーバー室30bのオイルレベルが上部連通孔232a3よりも上方である場合、オイル連通路34を介してのリザーバー室30bからストレーナー室30aへのオイルの流入に伴い、上部連通孔232a3を介してのストレーナー室30aからリザーバー室30bへのオイルの流出も起こり得る。したがって、オイルパン230内におけるオイル全体の循環が促進され、当該オイルパン230内のオイル全体が被潤滑部材の潤滑に供され得ることとなり、以てオイルの耐久性が悪化することなくエンジン10(図1参照)のオーバーヒートが抑制され得る。
<第3実施形態の変形例>
なお、本実施形態は、図7〜図9に示されているように変形することが可能である。
図7のオイルパン230’においては、上述の第3実施形態のオイルパン230における連通管233bが省略されている。すなわち、第1連通孔233a2及び第2連通孔233a3の開口上端が略同じ高さに設定されている。これにより、暖機運転中における戻りオイルのリザーバー室30b内への流入量が多くなる。よって、暖機運転中におけるリザーバー室30bのオイルレベルとストレーナー室30aのオイルレベルとの差(例外的な場合以外、通常はリザーバー室30bのオイルレベルの方が高い)をより大きくすることができる。したがって、暖機運転終了時にリザーバー室30bとストレーナー室30aとのオイルレベルの差に基づく差圧によってリザーバー室30b内のオイルをストレーナー室30a内に良好に導入することができ、以てオイルパン230内におけるオイル全体の循環がさらに促進される。
図8のオイルパン230”においては、上述の第3実施形態のオイルパン230における連通管233bが省略されている。また、戻りオイル貯留部材233の底板233a1から下方のストレーナー室30aに向けて突出した凹部233cが形成されている。この凹部233cの底部を構成する底板233c1には第1連通孔233a2が形成されている。また、底板233c1上に切換弁装置236が配置されている。
かかる構成においては、暖機運転中は、開放された第1連通孔233a2を介して戻りオイルがストレーナー室30a内に流入するとともに、凹部233cの最大オイル貯留量を超えた量の戻りオイルが第2連通孔233a3を介してリザーバー室30b内に流入する。そして、定常運転に達して第1連通孔233a2が完全に閉塞された場合、戻りオイルのストレーナー室30a内への流入が遮断される。これにより、戻りオイルはリザーバー室30bにのみ還流するようになる。
図9のオイルパン230’’’においては、オイルパンセパレーター232’が1枚の平板状に構成されている。すなわち、オイルパンセパレーター232’は、オイルパンカバー31と戻りオイル貯留部材233とで囲まれた空間を前記気筒配列方向に二分するように配置されている。すなわち、上述の第3実施形態のオイルパン230におけるストレーナー室30aとリザーバー室30bとが前記気筒配列方向に沿って隣接するように構成されている。このオイルパンセパレーター232’は、戻りオイル貯留部材233と一体成形されている。かかる構成によれば、オイルパンセパレーター232’と戻りオイル貯留部材233とが一体となった部材を簡易な製造プロセスで安価に製造することが可能になる。
<第4実施形態の構成>
図10は、図1に示されている前記エンジン10に備えられた、本発明の第4実施形態のオイルパン330の構成を説明するための図である。本実施形態においては、上述の第1実施形態と同様に、バスタブ状のオイルパンカバー331及びオイルパンセパレーター332の上方に戻りオイル貯留部材333が重ねられるように配置されることにより、戻りオイル貯留室30cがストレーナー室30a及びリザーバー室30bの上方に形成されている。具体的構成は以下の通りである。
オイルパンカバー331は、上述の各実施形態におけるオイルパンカバー31と同様に、オイル貯留部331aとフランジ部331fとから構成されている。また、オイルパンカバー331と戻りオイル貯留部材333とで囲まれた空間内には、当該オイルパンカバー331の底板331a1から所定の間隙を隔てた上方にオイルパンセパレーター332が配置されている。このオイルパンセパレーター332は、上方に開口する凹部であるオイル貯留部332aを有していて、このオイル貯留部332aによって囲まれた空間によりストレーナー室30aが構成されている。
オイル貯留部332aは、底板332a1と、その底板332a1の周囲に立設された側板332a2とから構成されている。側板332a2の底部には下部連通孔332a4が形成されており、底板332a1には底部連通孔332a5が形成されている。下部連通孔332a4は、暖機運転終了前のオイルの温度に相当する低温で高粘度のオイルが通過困難である一方、暖機運転終了後のオイルの温度に相当する高温で低粘度のオイルが通過容易な程度の小径の貫通孔(例えば2〜3mm程度の直径の円形の貫通孔)として形成されている。この下部連通孔332a4が形成されているオイルパンセパレーター332のオイル貯留部332aの側板332a2に近接するようにオイルストレーナー41が配置されている。底部連通孔332a5は、前記下部連通孔332a4よりも大きな孔径(例えば5〜8mm程度の直径の円形の貫通孔)の貫通孔として形成されている。この底部連通孔332a5は、暖機運転中にオイルストレーナー41の吸込口41aにて生じる負圧によってリザーバー室30b内のオイルが当該底部連通孔332a5を介してストレーナー室30a内に吸い込まれることがないように、オイルストレーナー41から離隔した位置(可及的に遠い位置)に形成されている。
戻りオイル貯留部材333は、上方に開口する凹部である戻りオイル貯留部333aと、その戻りオイル貯留部333aの周囲に形成されたフランジ部333fとから構成されている。戻りオイル貯留部333aの底部を構成する底板333a1には、第1連通孔333a2が形成されている。この第1連通孔333a2から上方に向けて、底板333a1から連通管333bが立設されている。また、底板333a1から下方のストレーナー室30aに向けて突出した凹部333cが形成されている。この凹部333cの底部を構成する底板333c1には、貫通孔333c2が形成されている。この貫通孔333c2には、上述の第2実施形態と同様の戻りオイル還流路(サーモスタット弁装置)134が配置されている。
すなわち、第1連通孔333a2における開口の上端を構成する連通管333bの上端の開口上端部333b1は、貫通孔333c2よりも上方に配置されている。また、第1連通孔333a2及び連通管333bは、戻りオイル貯留部材333の上方に形成された戻りオイル貯留室30cと、戻りオイル貯留部材333の下方に形成されたリザーバー室30bとを、常時連通させるように設けられている。
オイルパンカバー331の側板331a2には、オイルパン330の内部に向かって(すなわちオイルパンセパレーター332に向かって)陥入する陥入部331a3が形成されている。この陥入部331a3は、戻りオイル貯留部333aに形成された貫通孔333c2の下方に形成されている。また、この陥入部331a3に対向する位置のオイルパンセパレーター332の側板332a2にも、オイルパン330の外部に向かって(すなわちオイルパンカバー331に向かって)陥入する陥入部332a3が形成されている。そして、陥入部331a3と陥入部332a3とで囲まれた空間により、上方の戻りオイル貯留室30cとその下方のリザーバー室30bとを連通させる連通室30dが構成されている。すなわち、互いに対向する陥入部331a3及び陥入部332a3により細い管状部が形成されていて、当該管状部の内側の空間により連通室30dが形成されている。そして、連通室30dの上端部には、戻りオイル貯留部材333の凹部333cに形成された貫通孔333c2から露出しているサーモスタット弁装置134のリザーバー室側カバー134gが配置されている。
<第4実施形態の動作>
以下、上述の第4実施形態のオイルパン330を備えたエンジン10(図1参照)の動作について説明する。
暖機運転中においては、サーモスタット弁装置134が閉弁状態となっている。よって、戻りオイル貯留部材333により受容された戻りオイルは、サーモスタット弁装置134の内部を通ってリザーバー室30bに流入することができず、当該戻りオイル貯留部材333の上に形成された戻りオイル貯留室30cに貯留される。そして、当該戻りオイル貯留室30c内のオイルレベルが連通管333bの開口上端部333b1から溢れ出た戻りオイルが当該連通管333bを通ってストレーナー室30a内に流入する。
ここで、上述の通り、暖機運転中においては、サーモスタット弁装置134は閉弁状態となっており、連通室30dの上端は密閉状態となっている。また、オイルストレーナー41の近傍に形成されている下部連通孔332a4は小径に形成されていて、暖機運転中の低温で高粘度のオイルは通過困難である。さらに、当該下部連通孔332a4よりも大径の底部連通孔332a5はオイルストレーナー41の吸込口41aから離隔している。よって、暖機運転中にオイルストレーナー41の吸込口41aにて生じる負圧によってリザーバー室30bの底部の低温のオイルがストレーナー室30a内に吸い込まれることが抑制される。したがって、ストレーナー室30a内のオイルの温度が低下したり、上述のストレーナー室30aに吸い込まれた低温のオイルがオイルストレーナー41の吸込口41aに直接吸い込まれたりすることで、当該オイルが吸込口41aから吸い込まれて被潤滑機構に低温のオイルが供給されて暖機運転進行が阻害されることが抑制される。
暖機運転終了時点においては、サーモスタット弁装置134が開弁状態となり、当該サーモスタット弁装置134を通して戻りオイルが連通室30d内に流入する。これにより、リザーバー室30b及び連通室30dにおけるオイルレベルが、ストレーナー室30aのオイルレベルよりも非常に高くなる。よって、このオイルレベルの差による圧力差により、下部連通孔332a4及び底部連通孔332a5を介してリザーバー室30bからストレーナー室30a内にオイルが流入する。これにより、オイルパン330内におけるオイル全体の循環が促進され、当該オイルパン330内のオイル全体が被潤滑部材の潤滑に供され得ることとなり、以てオイルの耐久性が悪化することなくエンジン10(図1参照)のオーバーヒートが抑制され得る。
特に、本実施形態においては、連通室30dが、リザーバー室30bから上方に伸びる細いオイル流路として形成されている。よって、比較的少量の戻りオイルが戻りオイル貯留部材333の貫通孔333c2を介して当該連通室30d内に流入することで、下部連通孔332a4及び底部連通孔332a5を介してのリザーバー室30bからストレーナー室30aへのオイルの流入がより一層促進され得る。
<第4実施形態の変形例>
なお、本実施形態は、図11及び図12に示されているように変形することが可能である。
例えば、図11に示されている変形例の戻りオイル貯留部材333’のように、凹部333cを省略した構成としてもよい。また、図12に示されている変形例の戻りオイル貯留部材333”のように、連通管333bを省略した構成としてもよい。
<他の変形例の示唆>
なお、上述の各実施形態は、上述した通り、出願人が取り敢えず本願の出願時点において最良であると考えた本発明の実施形態を単に例示したものにすぎないのであって、本発明はもとより上述の各実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において種々の変形を施すことができることは当然である。以下、上述した変形例以外の他の変形例について幾つか例示するが、変形例とて前記及び下記のものに限定されるものではないことはいうまでもない。
(i)本発明のオイルパンの構成は、前記実施形態のようなエンジンの他、例えば、自動変速機等、オイルパンを適用した潤滑装置を備えた各種の装置にも適用可能である。
(ii)第1、第3、第4実施形態におけるオイル連通路34は、第2実施形態におけるサーモスタット弁装置134と同様の構成を有していたが、これに代えて、オイルの温度変化に基づく粘度変化によってオイルの通行可能性が変化し得る小径の貫通孔(例えば2〜3mm程度の直径の円形の貫通孔:第4実施形態における下部連通孔332a4と同様)、電磁弁、流体作動弁(油圧作動弁や空気圧作動弁)等が用いられてもよい。また、第2実施形態におけるサーモスタット弁装置134に代えて、上述の小径の貫通孔を用いてもよい。
(iii)戻りオイルの還流状態の切り換えのタイミングと、オイル連通路の開通のタイミングとは、上述の各実施形態のようにほぼ同時でなくてもよい。例えば、オイル連通路の開通のタイミングを、戻りオイルの還流状態の切り換えのタイミングよりも早くすることにより、ストレーナー室30aからリザーバー室30bへのオイルの流入がより早期に生じるようにし、ストレーナー室30a内のオイル量及び被潤滑機構へのオイル供給量を可及的に確保することができる。
(iv)第3実施形態におけるオイルパンセパレーター232の上部連通孔232a3は無くてもよい。これにより、リザーバー室30bとストレーナー室30aとの差圧に基づくオイル連通路34を介したリザーバー室30bからストレーナー室30aへのオイルの流入(特にリザーバー室30bの底部における比較的低温のオイルの流入)が促進され、暖機運転終了後(定常運転中)における被潤滑機構の冷却性・潤滑性がより良好となり得る。また、前記上部連通孔232a3は、第1実施形態のオイルパンセパレーター32、及び第2実施形態のオイルパンセパレーター132にも適用可能である。
本発明の実施形態に係るオイルパンを備えたエンジンの概略構成図である。 図1に示したエンジンに備えられた第1の実施形態のオイルパンの構成を示す断面図である。 前記第1の実施形態のオイルパンの他の例を示す断面図である。 図1に示したエンジンに備えられた第2の実施形態のオイルパンの構成を示す断面図である。 図4に示されているサーモスタット弁装置の側断面図である。 図1に示したエンジンに備えられた第3の実施形態のオイルパンの構成を示す断面図である。 前記第3の実施形態のオイルパンの他の例を示す断面図である。 前記第3の実施形態のオイルパンの他の例を示す断面図である。 前記第3の実施形態のオイルパンの他の例を示す断面図である。 図1に示したエンジンに備えられた第4の実施形態のオイルパンの構成を示す断面図である。 前記第4の実施形態に適用される戻りオイル貯留部材の他の例を示す断面図である。 前記第4の実施形態に適用される戻りオイル貯留部材の他の例を示す断面図である。
符号の説明
10…エンジン、20…エンジンブロック、20a…シリンダブロック、21…ピストン、22…クランクシャフト、23…カムシャフト、30,130,230,330…オイルパン、30a…ストレーナー室、30b…リザーバー室、30c…戻りオイル貯留室、30d…連絡室、31,331…オイルパンカバー、32,132,232,332…オイルパンセパレーター、33,233,333…戻りオイル貯留部材、33a2,233a2,333a2…第1連通孔、33a3,233a3,333a3…第2連通孔、34…オイル連通路、36,136,236,336…切換弁装置、36b…ワックス、36c…可動プレート、36g…弁、41…オイルストレーナー、41a…吸込口、132a3…戻りオイル還流孔、132a4…オイル連通孔、134…サーモスタット弁装置、233b,333b…連通管、233b1,333b1…開口上端部

Claims (9)

  1. 被潤滑機構の潤滑のためのオイルを内側の空間内に貯留可能なオイルパンにおいて、
    前記被潤滑機構から前記オイルパンに向けて還流して来る戻りオイルを貯留可能に構成された戻りオイル貯留室と、
    前記被潤滑機構に向けてオイルを供給するためのオイルポンプによるオイルの吸込口を構成するオイルストレーナーが底部に配置されたストレーナー室と、
    前記ストレーナー室に隣接するように配置されたリザーバー室と、
    前記被潤滑機構の運転状態に応じて前記ストレーナー室と前記リザーバー室との間でのオイルの交流状態が変更され得るように設けられたオイル連通路と、
    前記戻りオイル貯留室に貯留された前記戻りオイルを前記ストレーナー室に導く第1オイル還流路と、
    前記戻りオイル貯留室に貯留された前記戻りオイルを前記リザーバー室に導く第2オイル還流路と、
    前記被潤滑機構の運転状態に応じて、前記第1及び第2オイル還流路における前記戻りオイルの前記ストレーナー室及び前記リザーバー室への還流状態が変更され得るように設けられた戻りオイル還流状態変更手段と、
    を備えたことを特徴とするオイルパン。
  2. 請求項1に記載のオイルパンであって、
    前記戻りオイル貯留室と前記ストレーナー室及び前記リザーバー室とを仕切る第1隔壁と、
    前記ストレーナー室と前記リザーバー室とを仕切る第2隔壁と、
    を備え、
    前記戻りオイル還流状態変更手段は、前記第1隔壁に設けられ、
    前記オイル連通路は、前記第2隔壁に設けられたことを特徴とするオイルパン。
  3. 請求項2に記載のオイルパンであって、
    前記第1隔壁には、前記戻りオイル貯留室と前記ストレーナー室とを連通する第1連通孔と、前記戻りオイル貯留室と前記リザーバー室とを連通する第2連通孔とが形成され、
    前記戻りオイル還流状態変更手段は、前記被潤滑機構の運転状態に応じて、前記第1及び/又は第2連通孔の連通状態を変更するように構成されたオイルパン。
  4. 請求項3に記載のオイルパンであって、
    前記戻りオイル還流状態変更手段は、
    前記戻りオイル貯留室又は前記ストレーナー室内のオイルの温度に応じて伸縮する感温伸縮部と、
    その感温伸縮部に連結されていて当該感温伸縮部の伸縮状態に応じて前記第1又は第2連通孔に対向することで当該第1又は第2連通孔を塞ぐ弁と、
    を備えたことを特徴とするオイルパン。
  5. 請求項3に記載のオイルパンであって、
    前記戻りオイル貯留室は、前記ストレーナー室及び前記リザーバー室の上方に配置され、
    前記第2連通孔における開口の上端は、前記第1連通孔よりも上方に配置され、
    前記第1隔壁には、前記被潤滑機構の運転状態に応じて、前記第1連通孔の連通状態を変更する第1連通孔開閉弁が設けられ、
    前記第2連通孔は常時連通状態に構成されていることを特徴とするオイルパン。
  6. 請求項5に記載のオイルパンであって、
    前記第1隔壁には、前記第2連通孔における開口の上端と下端とを接続する連通管が形成されていることを特徴とするオイルパン。
  7. 請求項3に記載のオイルパンであって、
    前記戻りオイル貯留室は、前記ストレーナー室及び前記リザーバー室の上方に配置され、
    前記第1連通孔における開口の上端は、前記第2連通孔よりも上方に配置され、
    前記第1隔壁には、前記被潤滑機構の運転状態に応じて、前記第2連通孔の連通状態を変更する第2連通孔開閉弁が設けられ、
    前記第1連通孔は常時連通状態に構成されていることを特徴とするオイルパン。
  8. 請求項7に記載のオイルパンであって、
    前記第1隔壁には、前記第1連通孔における開口の上端と下端とを接続する管状部が形成されていることを特徴とするオイルパン。
  9. 請求項7又は請求項8に記載のオイルパンであって、
    前記第2連通孔と前記リザーバー室とを接続する連通管が形成されていることを特徴とするオイルパン。
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