JP2006242035A - レーザ点火装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃焼室内の混合気分布や混合気の濃度分布に依存しない確実な点火を可能としてロバスト性の高い燃焼を実現するレーザ点火装置及び方法を提供する。
【解決手段】噴射弁8より噴射された燃料にレーザビームを照射して着火燃焼させるレーザ点火装置であって、レーザビームの強度を制御する強度制御手段2と、強度制御手段2で制御されたレーザビームをシリンダ4の延びる方向と直交する面内で燃焼室7内に所定の入射角度で入射させる入射手段3と、入射手段3で入射されたレーザビームが燃焼室7内の複数点でクロスするようにレーザビームをマルチパスさせるマルチパス手段41と、を有し、複数のクロス点で着火燃焼させる。 複数のクロス点で着火燃焼させるので、燃焼室内の混合気分布や混合気の濃度分布に左右されることなく、確実な点火を可能とし、ロバスト性の高い燃焼を実現する。
【選択図】図1

Description

この発明は、ガソリンエンジンのように燃料と空気の混合気を燃焼室内で強制的に点火して燃焼させる内燃機関の点火装置及び方法に関する。詳しくは、円筒状のシリンダ、ピストン、及びシリンダヘッドで形成される燃焼室内の噴射弁より噴射された燃料と空気の混合気にレーザ発生器からのレーザビームを照射して該混合気を着火燃焼させるレーザ点火装置及び方法に関する。
ガソリンエンジン等の予混合燃焼エンジンにおいては、一般に点火プラグの火花放電で混合気の点火を行うようになっているが、圧縮比を高めたような場合、その点火位置から離れたシリンダ内壁付近で所謂エンドガスが自己着火し、ノッキングを起こすことがある。また、点火プラグが燃焼室に直接曝されるので炭素がプラグの電極に付着して、放電が困難になることがある。さらに、プラグで点火されたフレームが燃焼室全般に広がるまでには、時間がかかり、熱効率が悪い。
そこで、このスパークプラグによる点火に換わる点火装置として、例えば図16に示すレーザ点火装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。これは、レーザ発生器51からのレーザビーム52をビームスプリッタ60a、60bと反射ミラー71a、71bで3ビームに分割し、シリンダヘッド80の通路81に設けられたレンズ90で燃焼室内の3箇所に集光して点火するものである。
しかしながら、シリンダヘッドの右上で3ビームに分割し、シリンダの延びる方向(ピストンの上下する方向)から3箇所に集光するレーザ点火装置は、いくつかの問題を有している。すなわち、3箇所の点火位置が燃焼室の右側に偏っており、エンドガスの自己着火によるノッキングは回避できても、燃焼室内で混合気の濃度分布が大きく変化する成層運転時には最適な点火位置での運転ができず、失火によるエミッションの悪化、燃費悪化を招く。また、3ビームに分割して集光する光学系の要素が多く且つ複雑で、連続運転で初期性能を維持することが困難である。さらに、シリンダヘッドには図示省略の吸気管、吸気バルブ、排気管、排気バルブなどが配設されており、レーザ点火装置を図のように配設するには制約が多い。したがって、エンドガスに3つの点火位置を設定することすら難しく、ノッキングの回避も確実性に欠ける問題を有していた。
特開平9−303244号公報
本発明は、上記の従来のレーザ点火装置の問題に鑑みてなされたものであり、燃焼室内の混合気分布や混合気の濃度分布に依存しない確実な点火を可能としてロバスト性の高い燃焼を実現するレーザ点火装置及び方法を提供することを課題としている。また、燃焼時間の短縮を図り、燃費向上及びノッキングの確実な回避を可能とするレーザ点火装置及び方法を提供することを課題としている。
課題を解決するためになされた請求項1に係る発明は、円筒状のシリンダ、ピストン、及びシリンダヘッドで形成される燃焼室内の噴射弁より噴射された燃料にレーザ発生器からのレーザビームを照射して該燃料を着火燃焼させるレーザ点火装置であって、前記レーザビームの強度を所定の強度に制御する強度制御手段と、前記強度制御手段で制御されたレーザビームを前記シリンダの延びる方向と直交する面内で前記燃焼室内に所定の入射角度で入射させる入射手段と、前記入射手段で入射されたレーザビームが前記燃焼室内の複数点でクロスするように該レーザビームをマルチパスさせるマルチパス手段と、を有し、前記マルチパス手段で形成される前記複数のクロス点で着火燃焼させることを特徴としている。
燃焼室内のシリンダの延びる方向と直交する面内における複数のクロス点で着火燃焼させるので、燃焼室内の混合気分布や混合気の濃度分布に左右されることなく、確実な点火を可能とし、ロバスト性の高い燃焼を実現することができる。また、燃焼時間の短縮を図り、燃費向上およびノッキング回避も可能である。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載のレーザ点火装置であって、前記入射手段の前記所定の入射角度は、前記レーザビームを前記シリンダの中心を外す方向であり、前記マルチパス手段は、前記入射手段で入射されたレーザビームを前記シリンダの壁面で多重反射させる、ことを特徴としている。
レーザビームをシリンダの中心を外す方向から壁面に入射させ、シリンダの壁面で多重反射させることで複数のクロス点を形成して点火させるので、複雑な光学系を付加する必要がない。
また、請求項3に係る発明は、請求項1に記載のレーザ点火装置であって、前記マルチパス手段は、前記シリンダの壁面に沿って配設された角度制御可能なミラーを有することを特徴としている。
マルチパス手段は、シリンダの壁面に沿って配設されたミラーの角度を制御して複数点でクロスさせるので、任意の位置でクロスさせることができる。したがって、燃焼室内の混合気分布や混合気の濃度分布に応じてクロス点を形成することができ、より一層確実な点火を可能とし、ロバスト性の高い燃焼を実現することができる。
また、請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のレーザ点火装置であって、前記ピストンが前記燃焼室を形成する面に球形キャビテイを備え、前記噴射弁から噴射される燃料がホローコーン状であることを特徴としている。
ピストンが球形キャビテイを備え、噴射弁が燃料をホローコーン状に噴射すると、混合気分布がシリンダの延びる方向と直交する面内で複数に分割するため、同じ面内でクロスする点が前記複数に分割する混合気分布と一致する確率が高くなり、より一層確実な点火が可能となる。
また、請求項5に係る発明は、請求項2又は4に記載のレーザ点火装置であって、前記入射角度は、前記入射手段で入射されたレーザビームと前記シリンダの壁面における該レーザビームの入射点の法線とがなす角度であり、前記入射手段の前記所定の入射角度は、nを5以上の整数、すなわちn=5、6、7・・・とするとき、{90×(1−4/n)}°であることを特徴としている。
入射角度θを
θ={90×(1−4/n)}° (1)
にすると、クロス点を結ぶ多角形が正n角形となり、混合気分布が複数に分割してもクロス点を一致させる確率をより高くすることができる。なお、(1)式の導出は後で行う。
課題を解決するためになされた請求項6に係る発明は、円筒状のシリンダ、ピストン、及びシリンダヘッドで形成される燃焼室内の燃料にレーザ発生器からのレーザビームを照射して該燃料を着火燃焼させるレーザ点火方法であって、前記レーザビームの強度を所定の強度に制御する強度制御ステップと、前記強度制御ステップで制御されたレーザビームを前記シリンダの延びる方向と直交する面内で前記燃焼室内に所定の入射角度で入射させる入射ステップと、前記入射ステップで入射されたレーザビームが前記燃焼室内の複数点でクロスするように該レーザビームをマルチパスさせるマルチパスステップと、を有し、前記マルチパスステップで形成される前記複数のクロス点で着火燃焼させることを特徴としている。
また、請求項7に係る発明は、請求項6に記載のレーザ点火方法であって、前記入射ステップの前記所定の入射角度は、前記レーザビームを前記シリンダの中心を外す方向であり、前記マルチパスステップは、前記入射ステップで入射されたレーザビームを前記シリンダの壁面で多重反射させることを含む、ことを特徴としている。
また、請求項8に係る発明は、請求項6に記載のレーザ点火方法であって、前記マルチパスステップは、前記シリンダの壁面に沿って配設されたミラーの角度を制御することを含む、ことを特徴としている。
ここで、図9を使って上記(1)式の導出を行う。図9は後述する図8(c)を描き直したものである。すなわち、P0からP11方向に入射したレーザビームがシリンダの壁面41で多重反射して燃焼室7内をマルチパスしてクロス点Q11〜Q15が形成され、そのクロス点を結ぶ多角形が正5角形の場合を描画したものである。
正n角形の頂角θ’は簡単な幾何学から
θ’=180×(n−2)/n=90×(2−4/n)
と表されることがわかる。n=5の場合、θ’=108°となる。図9で∠Q111213をθ’、レーザビームの入射角である∠OP110をθ、∠P111213をαとすると、
α=180−θ’=90×4/n
であり、
θ=90−α=90×(1−4/n)
となり、(1)式が導出されたことになる。
燃焼室内のシリンダの延びる方向と直交する面内における複数のクロス点で着火燃焼させるので、燃焼室内の混合気分布や混合気の濃度分布に左右されることなく、確実な点火を可能とし、ロバスト性の高い燃焼を実現することができる。また、燃焼時間の短縮を図り、燃費向上およびノッキング回避も可能である。
本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
(実施形態1)
本発明に係るレーザ点火装置の実施形態1について、図を用いて説明する。図1は、実施形態1に係るエンジンのレーザ点火装置の概略構成図、図2及び図3は、図1のA−A断面図、図4は、入射手段を説明するための図、図5は、強度制御手段の拡大図である。
図1において、4は円筒状シリンダ、5はピストン、6はシリンダヘッド、7はシリンダ4の壁面41とピストン5の球形キャビテイ51を有する上面及びシリンダヘッド6の下面で形成される燃焼室、8は燃料噴射弁である。なお、図1では吸気管、吸気バルブ、排気管、排気バルブ等を省略してある。
1はレーザビームLを発生するレーザ発生器、2はレーザビームLの強度を所定の強度に制御する強度制御手段、3はレーザビームをシリンダ4の延びる方向(z軸)と直交する面内(x−y平面)で燃焼室7内に所定の入射角度で入射させる入射手段、である。
上記のように構成されたレーザ点火装置において、レーザ発生器1から発生されたレーザビームLは、入射角がθ1又はθ2となるようにシリンダ4にあけられた穴3又は3’(図4参照)に配設された強度制御手段2に入射される。すなわち、燃焼室内に所定の入射角度で入射させる入射手段は、本実施形態では、入射角がθ1又はθ2となるようにシリンダ4にあけられた穴3又は3’ということになる。
本発明のレーザ点火装置では、クロス点以外では着火しないでクロス点でのみ着火するようにレーザビーム強度を制御する必要がある。本実施形態の強度制御手段2は、図5に示すように、凸レンズ21、凹レンズ22及び鏡筒23からなるガリレオ型望遠鏡であり、ビーム径を倍率分小さくすることで強度を変えることができる。たとえば、熱着火の場合の着火閾値強度IthがIth=6MW/cm2とすると、クロス点でIth以上になるように制御する必要がある。本実施形態では、たとえば、ビーム径10mm、パワー25KW、レーザビーム強度32KW/cm2のレーザビームLを発生するレーザ発生器1を用いる。そして、強度制御手段2として、ビーム径を1/10にする倍率10倍のガリレオ望遠鏡を用いると、ビーム径10mm、パワー25KW、ビーム強度32KW/cm2のレーザビームLは、ビーム径1mm、パワー25KW、ビーム強度3.2MW/cm2のレーザビームL’となる。なお、たとえば、レーザ発生器1から直接ビーム径1mm、パワー25KW、ビーム強度3.2MW/cm2のレーザビームL’を発生できれば、強度制御手段2を省略することができる。その場合は、たとえば、レーザ発生器1を直接入射手段の穴3又は3’に配設すればよい。
レーザビームL’の入射角θ1、θ2は、シリンダ4の中心Oと入射点P1を結ぶ線と入射レーザビームとのなす角であり、入射レーザビームがシリンダ4の中心Oを通らない場合、シリンダ4の壁面41のP1で反射したレーザビームはP2、P3、P4、あるいはP2’、P3’、P4’で順次反射され、レーザビームL’は、x−y平面内でマルチパスする。したがって、本実施形態ではマルチパス手段は、壁面41である。マルチパスがx−y平面内で行われるため、クロス点Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、あるいはQ1’、Q2’、Q3’、Q4’、Q5’を形成する。
上記のように、レーザビームL’のビーム強度が3.2MW/cm2であるので、クロス点Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、あるいはQ1’、Q2’、Q3’、Q4’、Q5’で6.4MW/cm2となり、着火閾値強度Ith=6MW/cm2以上となるので、クロス点でのみ着火燃焼を開始する。
圧縮行程中に燃料噴射弁8から燃料を噴射し、成層運転する場合、噴射された燃料と空気の混合気はエンジン条件、燃焼室形状に起因する気流等に大きく影響されるため、常に同一の位置に最適濃度の混合気が形成される訳ではない。点火する位置は混合気の当量比が0.5〜2の領域、特に0.8〜1.2の領域が好ましい。
燃焼室7内のシリンダの延びる方向すなわちz軸と直交するx−y面内でクロスする5点で着火燃焼させるので、燃焼室内の混合気分布や混合気の濃度分布に左右されることなく、確実な点火を可能とし、ロバスト性の高い燃焼を実現することができる。また、燃焼時間の短縮を図り、燃費向上およびノッキング回避も可能である。
図2と図3を比較するとわかるように、入射角が小さいと(θ1の場合)クロス点が燃焼室の中央付近に形成され、入射角が大きいと(θ2の場合)クロス点が燃焼室の周辺部に形成される。したがって、噴射弁8から噴射される燃料形状や運転条件で変化する燃料と空気の混合気分布が、たとえば、燃焼室の中央付近に分布する場合は、入射角度をθ1とするレーザ点火装置を用いるとよい。
なお、本実施形態のレーザ点火装置の適用は、所謂スプレーガイドに限定されるものではなく、例えばスイトイキ燃焼に適用されてもよい。
(実施形態2)
本発明に係るレーザ点火装置の実施形態2について、図を用いて説明する。図6は、実施形態2に係るエンジンのレーザ点火装置の概略構成図、図7は、強度制御手段の拡大図、図8はピストンが球形キャビテイを備え、燃料をホローコーン状に噴射したときの混合気濃度分布パターンの挙動及び混合気濃度分布パターンとレーザビームのクロス点の対応を説明するための図、図10は、実施形態2の変形態様の概略構成図である。
図6において、4はたとえば内径R=50mmの円筒状シリンダ、5はたとえば半径Rc=25mmの球形キャビテイ51を有するピストン、6’はシリンダヘッド、7’はシリンダ4の壁面41とピストン5の上面及びシリンダヘッド6’の下面で形成される燃焼室、8’は燃料噴射弁である。なお、図6でも吸気管、吸気バルブ、排気管、排気バルブ等を省略してある。
1’はレーザ発生器、2’はレーザビームの強度を所定の強度に制御する強度制御手段、10はレーザ発生器1’から発生されたレーザビームを強度制御手段2’まで伝搬させる光ファイバ、3’’はレーザビームL”をシリンダ4の延びる方向(z軸)と直交する面内(x−y平面)で燃焼室7’内に所定の入射角度で入射させる入射手段である。なお、入射手段3’’は実施形態1と同様にシリンダ4の壁にあけられた穴3’’で、強度制御手段2’をシリンダ4の中心Oと入射点P11を結ぶ線分と入射レーザビームとのなす角が所定の角度θになるように取り付けるものである(図8(c)参照)。すなわち、穴3’’は、方向が入射点P11の方向と一致し、z軸と直交している。
本発明のレーザ点火装置では、クロス点以外では着火しないでクロス点でのみ着火するようにレーザビーム強度を制御する必要がある。本実施形態の強度制御手段2’は、図7に示すように、コリメートレンズ21’、ファイバ10の出射端101及び鏡筒23’からなり、ビーム径を大きくすることで強度を変えることができる。たとえば、光化学着火の場合の着火閾値強度Ith’がIth’=60KW/cm2とすると、クロス点でIth’以上になるように制御する必要がある。本実施形態では、たとえば、パワー250Wのレーザビームを発生するレーザ発生器1を用い、コア径100μmの石英製ファイバ10に結合させる。そして、ビーム径をコア径の10倍にするコリメートレンズ21’を有する強度制御手段2’で、ビーム径1mm、パワー250W、ビーム強度32KW/cm2のレーザビームL’’にする。
図8(a)は図6の噴射弁8’とピストン5の関係を示し、(b)は(a)のA’−A’断面を示しているが、これから、燃料をホローコーン状に噴射すると、先ず円環状になり、その後気流の影響を受けて混合気が4つに分割され、点線で示す半径Rcの円形キャビテイ内側に分布することがわかる。
また、図8(d)は運転条件を変えたときの混合気の挙動を示しているが、運転条件によっては混合気は分割しないで円形キャビテイ内に円環形状を保持している。
本実施形態ではクロス点を結んでできる多角形が正5角形となりクロス点がシリンダの中心Oからrの位置になるように、入射角θ=18°={90×(1−4/5)}°となっている。すなわち、入射角18°でシリンダ4の壁面41のP11に入射したレーザビームは、P12、P13、P14で順次反射され、レーザビームは、x−y平面内でマルチパスする。マルチパスがx−y平面内で行われるため、クロス点Q11、Q12、Q13、Q14、Q15を形成する。そして、入射角θ=18°={90×(1−4/5)}°となっているので、Q11、Q12、Q13、Q14、Q15を結ぶ5角形は正5角形となる。三角形OQ1214に注目すると、∠OQ1214=54°,∠OP1412=18°であるので、
r/sin18=R/sin54 (2)
の関係が成り立つことがわかる。したがって、たとえば、R=50mmのとき、r=19mmとなる。r(=19mm)<Rc(=25mm)であるので、図8(c)、(e)に示すように、クロス点の多くが半径Rcの点線で示す円内に分布する混合気分布パターンと一致し、確実な点火を可能とし、ロバスト性の高い燃焼を実現することができる。また、燃焼時間の短縮を図り、燃費向上およびノッキング回避も可能である。
上記のように、入射角θ={90×(1−4/n)}°の場合、クロス点を結ぶ多角形が正n角形になり、そのとき(2)式のような関係式が得られるので、予め混合気分布パターンを計測しておき、クロス点がそのパターンにできるだけ一致するように、入射角を決めることができる。
図10に示すように、強度制御手段2’を2つにしてz軸方向に積層配置するとよい。そうするとz軸と直交する2つの面内でレーザビームがマルチパスして、図8(c)のクロス点を結ぶ正5角形がz軸方向に2層でき、合計10点でレーザ点火されるので一層確実な点火を可能とし、ロバスト性の高い燃焼を実現することができる。なお、この場合、たとえばレーザ発生器1’’としては、パワー500Wのレーザビームを発生するものを用い、ファイバ10’としては、伝搬するレーザパワーを1/2に分割するY分岐を備えたものを用いる必要がある。
なお、本実施形態のレーザ点火装置の適用は、所謂スプレーガイドに限定されるものではなく、例えばスイトイキ燃焼に適用されてもよい。
(実施形態3)
本発明に係るレーザ点火装置の実施形態3について、図を用いて説明する。図11は、実施形態3に係るエンジンのレーザ点火装置の概略構成図、図12は、図11のA’−A’断面図、図13〜15は、実施形態2の変形態様の概略構成図である。
実施形態1ではマルチパス手段が壁面41であったが、本実施形態はマルチパス手段が壁面に沿って配設されたミラーである点だけが実施形態1と異なる。
42が壁面41に沿って配設された4個のミラーで、反射面がz軸に平行な軸の回りに回転制御できるように配設されている。すなわち、4個のミラー42は、所定の位置にクロス点を形成するようにそれぞれ角度を調節した後固定されている。43は、レーザビームを透過する窓である。
本実施形態のレーザ点火装置のマルチパス手段は、シリンダの壁面に沿って配設されたミラーの角度を制御して複数点でクロスさせるので、任意の位置でクロスさせることができる。したがって、燃焼室内の混合気分布や混合気の濃度分布に応じてクロス点を形成することができ、より一層確実な点火を可能とし、ロバスト性の高い燃焼を実現することができる。
図13に示すように、例えば、強度制御手段2の後に反射面がz軸に平行な軸の回りに回転制御できる角度可変ミラー(入射手段)30を配置して、窓44を介して燃焼室7へのレーザビームL’の入射角を所定の入射角で入射させるようにしてもよい。壁面に沿って配設されたミラー42がなくても角度可変ミラー30を、例えば矢印方向に回転させることで、実線で示すマルチパスを点線で示すマルチパスにすることができ、クロス点(着火点)位置を変えることができる。さらに、レーザビームが入射して反射する壁面に、実施形態3のような反射面がz軸に平行な軸の回りに回転制御できるミラー42を配設してもよい。より一層クロス点位置を任意に変えることができるようになる。
また、図14に示すように、図12に示す実施形態3のレーザ点火装置において、壁面に沿って配設されたミラー42を1個にしてもよい。1個のミラー42を矢印方向に回転させるだけでも、実線で示すマルチパスを点線で示すマルチパスにすることができ、クロス点(着火点)位置を変えることができる。
また、図15に示すように、シリンダの壁面にz軸に平行な軸の回りに回転制御できるミラー42を配設し、ミラー42を中心に強度制御手段2を矢印方向に回転させることができる回転ステージ(入射手段)30’を備えるようにしてもよい。回転ステージ30’によるレーザビームL’の入射角の制御とミラー42による反射角の制御を組み合わせることでクロス点位置を任意の位置に設定することができる。
実施形態1に係るエンジンのレーザ点火装置の概略構成図である。 図1のA−A断面図である。 図1のA−A断面図である。 実施形態1の入射手段を説明するための図である。 実施形態1の強度制御手段の拡大図である。 実施形態2に係るエンジンのレーザ点火装置の概略構成図である。 実施形態2の強度制御手段の拡大図である。 ピストンが球形キャビテイを備え、燃料をホローコーン状に噴射したときの混合気濃度分布パターンの挙動及び混合気濃度分布パターンとレーザビームのクロス点の対応を説明するための図である。 (1)式導出のために図8(c)を描き直した図である。 実施形態2の変形態様の概略構成図である。 実施形態3に係るエンジンのレーザ点火装置の概略構成図である。 図11のA’−A’断面図である。 実施形態3の変形態様の概略構成図である。 実施形態3の別の変形態様の概略構成図である。 実施形態3の別の変形態様の概略構成図である。 従来のレーザ点火装置の構成図である。
符号の説明
1、1’、1’’・・・・レーザ発生器
2、2’・・・・・・・・ 強度制御手段
3、3’、3’’・・・・シリンダ壁にあけられた穴(入射手段)
4・・・・・・・・・・ シリンダ
5・・・・・・・・・・ ピストン
6・・・・・・・・・・ シリンダヘッド
7・・・・・・・・・・ 燃焼室
8、8’・・・・・・・ 噴射弁
30・・・・・・・・・・角度可変ミラー(入射手段)
30’・・・・・・・・・回転ステージ(入射手段)
41・・・・・・・・・ 壁面(マルチパス手段)
42・・・・・・・・・ ミラー(マルチパス手段)
L、L’、L”、・・・・レーザビーム
θ、θ1、θ2・・・・・入射角

Claims (8)

  1. 円筒状のシリンダ、ピストン、及びシリンダヘッドで形成される燃焼室内の噴射弁より噴射された燃料に、レーザ発生器からのレーザビームを照射して該燃料を着火燃焼させるレーザ点火装置であって、
    前記レーザビームの強度を所定の強度に制御する強度制御手段と、
    前記強度制御手段で制御されたレーザビームを前記シリンダの延びる方向と直交する面内で前記燃焼室内に所定の入射角度で入射させる入射手段と、
    前記入射手段で入射されたレーザビームが前記燃焼室内の複数点でクロスするように該レーザビームをマルチパスさせるマルチパス手段と、
    を有し、前記マルチパス手段で形成される前記複数のクロス点で着火燃焼させることを特徴とするレーザ点火装置。
  2. 前記入射手段の前記所定の入射角度は、前記レーザビームを前記シリンダの中心を外す方向であり、
    前記マルチパス手段は、前記入射手段で入射されたレーザビームを前記シリンダの壁面で多重反射させる、ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ点火装置。
  3. 前記マルチパス手段は、前記シリンダの壁面に沿って配設された角度制御可能なミラーを有することを特徴とする請求項1に記載のレーザ点火装置。
  4. 前記ピストンが前記燃焼室を形成する面に球形キャビテイを備え、前記噴射弁から噴射される燃料がホローコーン状であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のレーザ点火装置。
  5. 前記入射角度は、前記入射手段で入射されたレーザビームと前記シリンダの壁面における該レーザビームの入射点の法線とがなす角度であり、前記入射手段の前記所定の入射角度は、nを5以上の整数、すなわちn=5、6、7、・・・とするとき、{90×(1−4/n)}°であることを特徴とする請求項2又は4に記載のレーザ点火装置。
  6. 円筒状のシリンダ、ピストン、及びシリンダヘッドで形成される燃焼室内の燃料にレーザ発生器からのレーザビームを照射して該燃料を着火燃焼させるレーザ点火方法であって、
    前記レーザビームの強度を所定の強度に制御する強度制御ステップと、
    前記強度制御ステップで制御されたレーザビームを前記シリンダの延びる方向と直交する面内で前記燃焼室内に所定の入射角度で入射させる入射ステップと、
    前記入射ステップで入射されたレーザビームが前記燃焼室内の複数点でクロスするように該レーザビームをマルチパスさせるマルチパスステップと、
    を有し、前記マルチパスステップで形成される前記複数のクロス点で着火燃焼させることを特徴とするレーザ点火方法。
  7. 前記入射ステップの前記所定の入射角度は、前記レーザビームを前記シリンダの中心を外す方向であり、
    前記マルチパスステップは、前記入射ステップで入射されたレーザビームを前記シリンダの壁面で多重反射させることを含む、ことを特徴とする請求項6に記載のレーザ点火方法。
  8. 前記マルチパスステップは、前記シリンダの壁面に沿って配設されたミラーの角度を制御することを含む、ことを特徴とする請求項6に記載のレーザ点火方法。
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