JP2006241347A - 高分子化合物及びそれを用いた高分子発光素子 - Google Patents

高分子化合物及びそれを用いた高分子発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】発光材料や電荷輸送材料として有用で、耐熱性に優れた高分子化合物を提供する。
【解決手段】下記式(1)で表される繰返し単位を含むことを特徴とする高分子化合物。
Figure 2006241347

(式中、Xは3環以上の2価の縮合多環系芳香族炭化水素基又は3環以上の2価の縮合多環系複素環基を表す。Y及びYはそれぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基、2価の芳香族アミン残基又は金属錯体構造を有する2価の基を表す。n1及びn2はそれぞれ1〜6の整数を表し、Y及びYが複数ある場合は、同一でも異なっていてもよい。Xがフルオレン−ジイルの場合は、Y及びYの少なくとも一方がフェニレン基と異なり、Xがアントラセン−ジイル又はカルバゾール−ジイルの場合は、Y及びYの少なくとも一方がアリーレン基である。)

Description

本発明は、高分子化合物及びそれを用いた高分子発光素子に関する。
高分子量の発光材料や電荷輸送材料は低分子量のそれらとは異なり溶媒に可溶で塗布法により発光素子における有機層を形成できることから種々検討されており、その例として、繰り返し単位として、下記の構造を有する高分子化合物及びそれを用いた有機電界発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子、有機EL素子)が知られている(特許文献1、特許文献2)。
Figure 2006241347
US2004/0131880 US2004/0130881
しかしながら上記の高分子化合物は、その耐熱性等が必ずしも十分でないという問題があった。特に近年、高分子化合物を発光材料や電荷輸送材料に使用した種々の有機電界発光素子が開発されているが、実用段階で想定される過酷な条件下、特に高温条件下でも素子駆動が問題なく作動できるようにするために、より耐熱性に優れた高分子化合物の開発が求められている。
本発明の目的は、発光材料や電荷輸送材料として有用で、耐熱性に優れた高分子化合物を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、繰り返し単位として、3環以上の2価の縮合多環系芳香族炭化水素基又は3環以上の2価の縮合多環系複素環基を有する骨格の両隣に、アリーレン基、2価の複素環基、2価の芳香族アミン残基又は金属錯体構造を有する2価の基を有する高分子化合物が、発光材料や電荷輸送材料として有用であり、耐熱性に優れることを見出し、本発明を完成した。
即ち本発明は、下記式(1)で示される繰り返し単位を含む高分子化合物を提供するものである。
Figure 2006241347

(式中、Xは3環以上の2価の縮合多環系芳香族炭化水素基又は3環以上の2価の縮合多環系複素環基を表す。Y及びYはそれぞれ独立にアリーレン基、2価の複素環基、2価の芳香族アミン残基又は金属錯体構造を有する2価の基を表す。n1及びn2はそれぞれ1〜6の整数を表し、Y及びYが複数ある場合は、同一でも異なっていてもよい。Xがフルオレン−ジイルの場合は、Y及びYの少なくとも一方がフェニレン基と異なり、Xがアントラセン−ジイル又はカルバゾール−ジイルの場合は、Y及びYの少なくとも一方がアリーレン基である。)
本発明の高分子化合物は、発光材料や電荷輸送材料として有用であり、耐熱性に優れる。したがって、本発明の高分子化合物を含む高分子LEDは、液晶ディスプレイのバックライト又は照明用としての曲面状や平面状の光源、セグメントタイプの表示素子、ドットマトリックスのフラットパネルディスプレイなどに使用できる。
本発明の高分子化合物は上記式(1)で示される繰り返し単位を1種又は2種以上含む。
上記式(1)中、Xは3環以上の2価の縮合多環系芳香族炭化水素基又は3環以上の2価の縮合多環系複素環基を表す。縮合多環部位は、下記式(2)で表すように、A環とB環との間にZを含む環状部分がある構造が好ましく、Zを含む環状部分が5員環、6員環又は7員環を形成することが好ましい。
Figure 2006241347

(式中、Y、Y、n1及びn2は上記と同じ意味を表す。A環及びB環はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環又は複素環を表す。ZはA環とB環とに結合し、5員環、6員環又は7員環を形成する2価の基を表す。A環とB環とZの組み合わせで構成される芳香族炭化水素環がフルオレン−ジイルの場合は、Y及びYの少なくとも一方がフェニレン基と異なり、カルバゾール−ジイルの場合はY及びYの少なくとも一方がアリーレン基である。)
更に、上記式(2)で示される繰り返し単位を含む高分子化合物は、Zを含む環状部分が5員環、6員環であることが好ましく、詳しくは上記式(2)が下記式(3)で表され、ポリスチレン換算の数平均分子量が10〜10である高分子化合物であることがより好ましい。
Figure 2006241347

(式中、A環及びB環はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環又は複素環を表し、2つの結合手はそれぞれA環及び/又はB環上に存在し、Zは、−C(R)−、−N(R)−、−S−、−O−、−Si(Rwwxx)−、−C(=O)−、−C(R)−O−、−C(R)−C(R)−、及び−C(R)=C(R)−からなる群から選ばれる一つを表し、R、R、R、Rww、Rxx、R、R、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、RとR、RwwとRxx、RとR、RとRはそれぞれ互いに結合して環を形成していてもよく、RとRとRとRの組み合わせの中で互いに結合して環を形成していてもよい。Ar1a及びAr2aは、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基、又は2価の芳香族アミン残基を表し、これらの骨格上に置換基を有していてもよく、Ar1a及びAr2aがそれぞれ複数個存在する場合それらは同一でも異なっていてもよい。aa及びbbは、それぞれ1〜6の整数を表す。A環とB環の組み合わせがベンゼン環とベンゼン環の組み合わせの場合、Zが−C(R)−のときは、Ar1a及びAr2aの少なくとも一方がフェニレン基と異なり、Zが−N(R)−のときは、Ar1a及びAr2aの少なくとも一方がアリーレン基である。)
環及び/又はB環を構成する芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環単独又は複数個のベンゼン環が縮合したものが好ましい。その例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、テトラセン環、ベンズアントラセン環、ペンタセン環、ピレン環等の芳香族炭化水素環が挙げられ、好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環が挙げられる。
環及び/又はB環を構成する複素環としては、ピロール環、チオフェン環、フラン環、ピリジン環、ベンゾチオフェン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾオキサジアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ベンゾイミダゾール環、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環が挙げられ、より好ましくはチオフェン環、ピリジン環、ベンゾチオフェン環、インドール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾオキサジアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ベンゾイミダゾール環、キノキサリン環が挙げられる。
を含む環は、シクロペンタジエン環、ピロール環、チオフェン環、フラン環、1H−シロール環、シクロペンタジエノン環、2H−ピラン環、シクロヘキサジエン環、及びベンゼン環からなる群から選ばれることが好ましく、Zとしては、−C(R)−、−N(R)−、−S−、−O−、−Si(Rwwxx)−、−C(=O)−、−C(R)−O−、−C(R)−C(R)−、及び−C(R)=C(R)−からなる群から選ばれるのが好ましい。
Ar1a及びAr2aは、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基又は2価の芳香族アミン残基を表し、これらの骨格上に置換基を有していてもよい。Ar1a及びAr2aは同一でも異なっていてもよい。アリーレン基の具体例としては、後述の式1〜38が挙げられる。2価の複素環基の具体例としては、後述の式39〜125が挙げられる。芳香族アミン残基とは、芳香族アミンの芳香環から2個の水素原子を除いて得られる残基を言い、その例としては、後記式(16)で示される基が挙げられ、その具体例としては、後述の式133〜141が挙げられる。
aa及びbbは、それぞれ1が好ましいが、aa及びbbがそれぞれ2〜6である場合は、複数あるAr1a同士又はAr2a同士は同一でも異なっていてもよい。
上記式(3)で、繰り返し単位の中央に位置する2価の縮合多環部位(以後、A環−Zを含む環−B環部、とも表記する)と、その両隣に位置するAr1a及びAr2aは、耐熱性、電気的特性及び光学的特性に鑑みて、A環、Z、B環、Ar1a及びAr2aが組み合わされる。更に特性に付加的な効果を与えるものとして、A環、Z、B環、Ar1a及びAr2aの置換基が選択される。
ここで、耐熱性とは、高分子化合物のガラス転移温度等に寄与する性能であり、電気的特性とは有機電界発光素子における電荷注入輸送特性等に寄与する特性であり、光学的特性とは発光スペクトルや蛍光強度、量子収率等に寄与する特性である。
例えば、上記式(3)でZを含む環がシクロペンタジエン環を形成し、A環とB環が芳香族炭化水素であるときは、耐熱性向上の観点から、A環、B環、Ar1a、Ar2aの少なくともいずれか一方がナフタレン環よりも炭素数の多い縮合多環系芳香族炭化水素環であることが好ましい。
環及びB環が、それぞれ独立に置換基を有する場合、置換基は、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基及びシアノ基から選ばれることが好ましい。
ここに、アルキル基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、炭素数が通常1〜20程度であり、好ましくは炭素数3〜20である。その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ラウリル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基などが挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基が好ましい。
アルコキシ基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、炭素数が通常1〜20程度であり、好ましくは炭素数3〜20である。その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、メトキシメチルオキシ基、2−メトキシエチルオキシ基などが挙げられ、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基が好ましい。
アルキルチオ基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、炭素数が通常1〜20程度であり、好ましくは炭素数3〜20である。その具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、t−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基、ラウリルチオ基、トリフルオロメチルチオ基などが挙げられ、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基が好ましい。
アリール基は、芳香族炭化水素から、水素原子1個を除いた原子団であり、縮合環をもつもの、独立したベンゼン環又は縮合環2個以上が直接又はビニレン等の基を介して結合したものも含まれる。アリール基は、炭素数が通常6〜60程度であり、好ましくは7〜48である。その具体例としては、フェニル基、C〜C12アルコキシフェニル基(C〜C12は、炭素数1〜12であることを示す。以下も同様である。)、C〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、ペンタフルオロフェニル基などが例示され、フェニル基、C〜C12アルコキシフェニル基、C〜C12アルキルフェニル基が好ましい。C〜C12アルコキシとして具体的には、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、3,7−ジメチルオクチルオキシ、ラウリルオキシなどが例示される。
〜C12アルキルフェニル基として具体的にはメチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、プロピルフェニル基、メシチル基、メチルエチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ブチルフェニル基、イソブチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、イソアミルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ドデシルフェニル基などが例示される。
アリールオキシ基は、炭素数が通常6〜60程度であり、好ましくは7〜48である。その具体例としては、フェノキシ基、C〜C12アルコキシフェノキシ基、C〜C12アルキルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、ペンタフルオロフェニルオキシ基などが例示され、C〜C12アルコキシフェノキシ基、C〜C12アルキルフェノキシ基が好ましい。
〜C12アルコキシとして具体的には、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、3,7−ジメチルオクチルオキシ、ラウリルオキシなどが例示される。
〜C12アルキルフェノキシ基として具体的には、メチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、プロピルフェノキシ基、1,3,5−トリメチルフェノキシ基、メチルエチルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、ブチルフェノキシ基、イソブチルフェノキシ基、t−ブチルフェノキシ基、ペンチルフェノキシ基、イソアミルフェノキシ基、ヘキシルフェノキシ基、ヘプチルフェノキシ基、オクチルフェノキシ基、ノニルフェノキシ基、デシルフェノキシ基、ドデシルフェノキシ基などが例示される。
アリールチオ基は、炭素数が通常3〜60程度である。その具体例としては、フェニルチオ基、C〜C12アルコキシフェニルチオ基、C〜C12アルキルフェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、ペンタフルオロフェニルチオ基などが例示され、C〜C12アルコキシフェニルチオ基、C〜C12アルキルフェニルチオ基が好ましい。
アリールアルキル基は、炭素数が通常7〜60程度であり、好ましくは7〜48であり、その具体例としては、フェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキル基、1−ナフチル−C〜C12アルキル基、2−ナフチル−C〜C12アルキル基などが例示され、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキル基が好ましい。
アリールアルコキシ基は、炭素数が通常7〜60程度であり、好ましくは炭素数7〜48であり、その具体例としては、フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基、フェニルブトキシ基、フェニルペンチロキシ基、フェニルヘキシロキシ基、フェニルヘプチロキシ基、フェニルオクチロキシ基などのフェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルコキシ基、1−ナフチル−C〜C12アルコキシ基、2−ナフチル−C〜C12アルコキシ基などが例示され、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルコキシ基が好ましい。
アリールアルキルチオ基は、炭素数が通常7〜60程度であり、好ましくは炭素数7〜48であり、その具体的としては、フェニル−C〜C12アルキルチオ基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキルチオ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルチオ基、1−ナフチル−C〜C12アルキルチオ基、2−ナフチル−C〜C12アルキルチオ基などが例示され、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキルチオ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルチオ基が好ましい。
アリールアルケニル基は、炭素数が通常8〜60程度であり、その具体的としては、フェニル−C〜C12アルケニル基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルケニル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルケニル基、1−ナフチル−C〜C12アルケニル基、2−ナフチル−C〜C12アルケニル基などが例示され、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルケニル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルケニル基が好ましい。
アリールアルキニル基は、炭素数が通常8〜60程度であり、その具体的としては、フェニル−C〜C12アルキニル基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキニル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキニル基、1−ナフチル−C〜C12アルキニル基、2−ナフチル−C〜C12アルキニル基などが例示され、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキニル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキニル基が好ましい。
置換アミノ基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基から選ばれる1又は2個の基で置換されたアミノ基が挙げられ、該アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基は置換基を有していてもよい。置換アミノ基の炭素数は該置換基の炭素数を含めないで通常1〜60程度であり、好ましくは炭素数2〜48である。
具体的には、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基、ラウリルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ピロリジル基、ピペリジル基、ジトリフルオロメチルアミノ基フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、C〜C12アルコキシフェニルアミノ基、ジ(C〜C12アルコキシフェニル)アミノ基、ジ(C〜C12アルキルフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、ペンタフルオロフェニルアミノ基、ピリジルアミノ基、ピリダジニルアミノ基、ピリミジルアミノ基、ピラジルアミノ基、トリアジルアミノ基フェニル−C〜C12アルキルアミノ基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキルアミノ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルアミノ基、ジ(C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキル)アミノ基、ジ(C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキル)アミノ基、1−ナフチル−C〜C12アルキルアミノ基、2−ナフチル−C〜C12アルキルアミノ基などが例示される。
置換シリル基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基から選ばれる1、2又は3個の基で置換されたシリル基が挙げられる。置換シリル基の炭素数は通常1〜60程度であり、好ましくは炭素数3〜48である。なお該アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基は置換基を有していてもよい。
具体的には、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチルイソプロピリシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、t−ブチルシリルジメチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリル基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基、ラウリルジメチルシリル基、フェニル−C〜C12アルキルシリル基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキルシリル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルシリル基、1−ナフチル−C〜C12アルキルシリル基、2−ナフチル−C〜C12アルキルシリル基、フェニル−C〜C12アルキルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリ−p−キシリルシリル基、トリベンジルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などが例示される。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示される。
アシル基は、炭素数が通常2〜20程度であり、好ましくは炭素数2〜18であり、その具体例としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基、ペンタフルオロベンゾイル基などが例示される。
アシルオキシ基は、炭素数が通常2〜20程度であり、好ましくは炭素数2〜18であり、その具体例としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、ペンタフルオロベンゾイルオキシ基などが例示される。
イミン残基は、炭素数2〜20程度であり、好ましくは炭素数2〜18であり、その具体例としては、以下の構造式で示される基などが例示される。
Figure 2006241347
アミド基は、炭素数が通常2〜20程度であり、好ましくは炭素数2〜18であり、その具体例としては、ホルムアミド基、アセトアミド基、プロピオアミド基、ブチロアミド基、ベンズアミド基、トリフルオロアセトアミド基、ペンタフルオロベンズアミド基、ジホルムアミド基、ジアセトアミド基、ジプロピオアミド基、ジブチロアミド基、ジベンズアミド基、ジトリフルオロアセトアミド基、ジペンタフルオロベンズアミド基などが例示される。
酸イミド基は、酸イミドからその窒素原子に結合した水素原子を除いて得られる残基が挙げられ、炭素数が4〜20程度であり、具体的には以下に示す基などが例示される。
Figure 2006241347
1価の複素環基とは、複素環化合物から水素原子1個を除いた残りの原子団をいい、炭素数は通常4〜60程度であり、好ましくは4〜20である。なお、複素環基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。ここに複素環化合物とは、環式構造を持つ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、燐、硼素などのヘテロ原子を環内に含むものをいう。具体的には、チエニル基、C〜C12アルキルチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、C〜C12アルキルピリジル基、ピペリジル基、キノリル基、イソキノリル基などが例示され、チエニル基、C〜C12アルキルチエニル基、ピリジル基、C〜C12アルキルピリジル基が好ましい。
置換カルボキシル基は、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基で置換されたカルボキシル基を言い、炭素数が通常2〜60程度であり、好ましくは炭素数2〜48である。その具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシロキシカルボニル基、シクロヘキシロキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシロキシカルボニル基、ノニルオキシカルボニル基、デシロキシカルボニル基、3,7−ジメチルオクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、ペンタフルオロエトキシカルボニル基、パーフルオロブトキシカルボニル基、パーフルオロヘキシルオキシカルボニル基、パーフルオロオクチルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基、ピリジルオキシカルボニル基などが挙げられる。なお該アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基は置換基を有していてもよい。置換カルボキシル基の炭素数には該置換基の炭素数は含まれない。
、R、R、Rww、Rxx、R、R、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれることが好ましい。各置換基の定義、具体例は上記A環及び/又はB環が置換基を有する場合の置換基におけるそれらの定義、具体例と同様である。
また、RとR、RwwとRxx、RとR、RとRはそれぞれ互いに結合して環を形成していてもよく、RとRとRとRの組み合わせの中で互いに結合して環を形成していてもよい。
環とB環は、合成の行いやすさの観点から、どちらも芳香族炭化水素環から選ばれることが好ましい。
環とB環との組み合わせとして、好ましくはベンゼン環とベンゼン環、ベンゼン環とナフタレン環、ベンゼン環とアントラセン環、ベンゼン環とフェナントレン環、ナフタレン環とナフタレン環、ナフタレン環とアントラセン環、ナフタレン環とフェナントレン環、アントラセン環とアントラセン環、アントラセン環とフェナントレン環、フェナントレン環とフェナントレン環の組み合わせが挙げられる。
環とB環との組み合わせがベンゼン環とベンゼン環の場合、Zは、−C(R)−、−N(R)−、−S−、−O−、−Si(Rwwxx)−、−C(R)−O−、−C(R)−C(R)−、及び−C(R)=C(R)−からなる群から選ばれることが好ましく、−C(R)−、−N(R)−、−S−、−O−、−Si(Rwwxx)−、及び−C(R)−O−からなる群から選ばれることがより好ましい。
が−C(R)−の場合は、耐熱性の観点から、Ar1a及びAr2aの少なくとも一方がフェニレン基と異なる。Ar1a及びAr2aの少なくとも一方がナフタレン環以上の2価の縮合多環系芳香族炭化水素環であることが好ましい。
また、Zが−N(R)−の場合は、耐熱性、溶解性及び電子注入特性の観点から、Ar1a及びAr2aの少なくとも一方がアリーレン基である。Ar1a、Ar2aの少なくともいずれか一方がナフタレン環以上の2価の縮合多環系芳香族炭化水素環であることが好ましい。
環とB環との組み合わせがベンゼン環とベンゼン環の場合の、好ましい具体例としては、以下のものが例示される。
Figure 2006241347

(式中、Ar1a、Ar2a、aa及びbbは上記と同じ意味を表す。Rll及びRmmはそれぞれ独立に置換基を表し、c及びdはそれぞれ独立に0〜3の整数を表す。)
ll及びRmmはそれぞれ独立に置換基を表し、置換基の具体例は上記A環及び/又はB環が置換基を有する場合の置換基におけるそれらの定義、具体例と同様である。
環とB環が芳香族炭化水素であり、A環とB環の少なくとも一方がナフタレン環以上の縮合多環系芳香族炭化水素である場合、Zは、−C(R)−、−N(R)−、−S−、−O−、−Si(Rwwxx)−、−C(R)−O−、−C(R)−C(R)−、及び−C(R)=C(R)−からなる群から選ばれることが好ましく、−C(R)−、−N(R)−、−S−、−O−、−Si(Rwwxx)−、及び−C(R)−O−からなる群から選ばれることが更に好ましい。
環とB環の組み合わせが、ベンゼン環とナフタレン環、ベンゼン環とアントラセン環、ベンゼン環とフェナントレン環、ナフタレン環とナフタレン環、ナフタレン環とアントラセン環、ナフタレン環とフェナントレン環、アントラセン環とアントラセン環、アントラセン環とフェナントレン環、又はフェナントレン環とフェナントレン環の組み合わせである場合、A環−Zを含む環−B環部の具体例としては、以下のものが例示される。なお、以下の例示において、芳香族炭化水素環における結合手は、A環及び/又はB環上の任意の位置をとり得ることを表し、A環及びB環部の結合手以外の位置に、置換基を有していてもよい。
Figure 2006241347
Figure 2006241347
Figure 2006241347
Figure 2006241347
Figure 2006241347
Figure 2006241347
Figure 2006241347
Figure 2006241347
Figure 2006241347
Figure 2006241347
Figure 2006241347
Figure 2006241347
Figure 2006241347
Figure 2006241347
Figure 2006241347
Figure 2006241347
Figure 2006241347
Figure 2006241347
Figure 2006241347
Figure 2006241347
Figure 2006241347
Figure 2006241347

(式中、Zは前記と同じ意味を表す。)
環とB環がいずれも芳香族炭化水素環である場合のA環とB環との組み合わせとして、より好ましくはベンゼン環とベンゼン環、ベンゼン環とナフタレン環、ナフタレン環とナフタレン環の組み合わせが挙げられる。
環とB環との組み合わせとしては、耐熱性の観点からベンゼン環とナフタレン環の組み合わせがより好ましい。中でも、下記式(1−1)、(1−2)、(1−3)及び(1−4)で示される構造がより好ましい。
Figure 2006241347

(式中、Z、Ar1a、Ar2a、aa及びbbは上記と同じ意味を表す。Rp1、Rq1、Rp2、Rq2、Rp3、Rq3、Rp4及びRq4はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる1つを表す。aは0〜3の整数を表し、bは0〜5の整数を表す。Rp1、Rq1、Rp2、Rq2、Rp3、Rq3、Rp4及びRq4が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Rp1とRq1、Rp2とRq2、Rp3とRq3、Rp4とRq4はそれぞれ互いに結合して環を形成してもよい。)
式(1−1)、(1−2)、(1−3)及び(1−4)中、Rp1、Rq1、Rp2、Rq2、Rp3、Rq3、Rp4及びRq4における、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、置換アミノ基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、置換カルボキシル基の定義、具体例は、上記A環及び/又はB環が置換基を有する場合の置換基におけるそれらの定義、具体例は上記と同様である。
上記式(1−1)、(1−2)、(1−3)及び(1−4)において、Ar1a及びAr2aとしては、芳香族炭化水素環では後述の式1〜38、複素環では後述の式39〜125、芳香族アミン残基では後述の式133〜141から選ばれる。好ましくはAr1a及びAr2aが、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいベンゼン、置換基を有していてもよいナフタレン、置換基を有していてもよいアントラセン、置換基を有していてもよいチオフェン、置換基を有していてもよいフラン、置換基を有していてもよいピリジン、置換基を有していてもよいキノキサリン、置換基を有していてもよいイミダゾール、置換基を有していてもよいチアジアゾール、置換基を有していてもよいトリフェニルアミン、置換基を有していてもよいN,N’−ビス(ジフェニル)−フェニレンジアミン及び置換基を有していてもよいN,N’−ジフェニル−ベンジジンから選ばれる化合物の芳香環又は複素環から2個の水素原子を除いて得られる残基である。
を含む環は、シクロペンタジエン骨格、ピロール骨格、チオフェン骨格、フラン骨格、1H−シロール骨格、シクロペンタジエノン骨格、2H−ピラン骨格、シクロヘキサジエン骨格、ベンゼン骨格であることが好ましく、シクロペンタジエン骨格、ピロール骨格、チオフェン骨格、フラン骨格、1H−シロール骨格、2H−ピラン骨格がより好ましい。
環とB環との組み合わせがベンゼン環とナフタレン環である場合の、A環−Zを含む環−B環部の好ましい具体例としては、以下のものが例示される。
Figure 2006241347

(式中、Rp1、Rq1、Rp2、Rq2、Rp3、Rq3、Rp4、Rq4、a、b、R、R、R、Rww、Rxx、R及びRは前記と同じ意味を表す。)
上記式(1−1)、(1−2)、(1−3)及び(1−4)で示される繰り返し単位において、耐熱性、電気的及び/又は光学的特性の観点から、好ましくは、Ar1a及びAr2aが、それぞれフェニレン誘導体であり、Zを含む環がシクロペンタジエン骨格からなるものである。
中でも、下記式(1−1−1)、(1−2−1)、(1−3−1)及び(1−4−1)で示される構造が好ましい。
Figure 2006241347

(式中、Rp1、Rq1、Rp2、Rq2、Rp3、Rq3、Rp4及びRq4はそれぞれ上記と同じ。Ry1、Rz1、Ry2、Rz2、Ry3、Rz3、Ry4及びRz4はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる1つを表し、Ry1とRz1、Ry2とRz2、Ry3とRz3、Ry4とRz4はそれぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。Ry’1、Rs’1、Ry’2、Rs’2、Ry’3、Rs’3、Ry’4及びRs’4はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基又はアルキルチオ基を表す。a’及びb’は0〜4の整数を表し、Ry’1、Rs’1、Ry’2、Rs’2、Ry’3、Rs’3、Ry’4及びRs’4が複数存在する時、それぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。)
式(1−1−1)、(1−2−1)、(1−3−1)及び(1−4−1)中、Ry1、Rz1、Ry2、Rz2、Ry3、Rz3、Ry4及びRz4における、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、置換アミノ基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、置換カルボキシル基の定義、具体例は、上記A環及び/又はB環が置換基を有する場合の置換基におけるそれらの定義、具体例と同様である。また、Ry1とRz1、Ry2とRz2、Ry3とRz3、Ry4とRz4はそれぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。Ry’1、Rs’1、Ry’2、Rs’2、Ry’3、Rs’3、Ry’4及びRs’4におけるアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基の定義、具体例は、上記A環及び/又はB環が置換基を有する場合の置換基におけるそれらの定義、具体例と同様である。
y1とRz1、Ry2とRz2、Ry3とRz3、Ry4とRz4がそれぞれ結合して環を形成する場合、その環としては、置換基を有していてもよいC〜C15シクロアルキル環、C−C16シクロアルケニル環、C6〜C10芳香族炭化水素環、C〜C10複素環が例示される。
シクロアルキル環としては、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカン、シクロドデカン、シクロトリデカン、シクロテトラデカン、シクロペンタデカンなどが例示される。
シクロアルケニル環は、二重結合を2つ以上するものも含み、その具体例としては、シクロヘキセン環、シクロヘキサジエン環、シクロオクタトリエン環、シクロヘキサデセン環などが例示される。
複素環としては、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロチオフェン環、テトラヒドロインドール環、テトラヒドロキノリン環、ヘキサヒドロピリジン環、テトラヒドロイソキノリン環などが例示される。
上記式(1−1−1)、(1−2−1)(1−3−1)及び(1−4−1)において、a=b=0、a’=b’=0であることが、高分子量化の観点及び耐熱性向上の観点から好ましい。
本発明の高分子化合物の中で、原料化合物の合成の容易さから、式(1−1−1)、(1−3−1)、又は(1−4−1)で示される繰り返し単位を含むものが好ましい。
本発明の高分子化合物は、繰り返し単位として、3環以上の2価の縮合多環系芳香族炭化水素基又は3環以上の2価の縮合多環系複素環基を有する骨格の両隣に、アリーレン基、2価の複素環基、2価の芳香族アミン残基又は金属錯体構造を有する2価の基を有する高分子化合物である。
特に、上記式(1)において、中央に位置する2価の縮合多環部位が、上記式(2)におけるA環−Zを含む環−B環部であるとき、ポリスチレン換算の数平均分子量が10〜10であることが好ましい。
本発明の高分子化合物が有する繰り返し単位(1)の量の合計は、本発明の高分子化合物が有する全繰り返し単位の合計の通常1モル%以上100モル%以下であり、20モル%以上であることが好ましく、30モル%以上100モル%以下であることがさらに好ましい。
本発明の高分子化合物の中で、繰り返し単位として式(1)で示される繰り返し単位を2種類有するものとしては、2種類の繰り返し単位であって、繰り返し単位の置換基を除いた環構造が同一で、単環又は縮合多環系芳香族炭化水素基又は縮合多環系複素環基上の置換基の有無、置換基の種類のいずれかが異なる2種の繰り返し単位(繰り返し単位(a)(b)と呼ぶ)からなる共重合体であるものが挙げられる。この共重合体は、繰り返し単位(a)のみからなる単独重合体、繰り返し単位(b)のみからなる単独重合体に比べて溶解性に優れ得る。
具体的には、上記式(1−1−1)から選ばれる2種類からなる共重合体、上記式(1−2−1)から選ばれる2種類からなる共重合体、上記式(1−3−1)から選ばれる2種類からなる共重合体、上記式(1−4−1)から選ばれる2種類からなる共重合体等が挙げられる。中でも、高分子化合物の製造時における反応性の制御しやすさの観点からは、(a)及び(b)として、芳香環上に置換基を有しないか、又は、芳香環上の置換基は同一であって、橋頭位の置換基、例えば(1−1−1)ならば、Ry1及び/又はRz1、が異なるものを有する共重合体が好ましい。
本発明の高分子化合物は、発光波長を変化させる観点、発光効率を高める観点、耐熱性を向上させる観点等から、本発明の高分子化合物が有する繰り返し単位(1)に加え、それ以外の繰り返し単位を1種類以上含む共重合体が好ましい。繰り返し単位(1)以外の繰り返し単位としては、下記式(6)、式(7)、式(8)又は式(9)で示される繰り返し単位が好ましい。
−Ar− (6)
−(Ar−X−Ar− (7)
−Ar−X− (8)
−X− (9)
(式中、Ar、Ar、Ar及びArはそれぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基又は金属錯体構造を有する2価の基を示す。X、X及びXはそれぞれ独立に、−CR=CR10−、−C≡C−、−N(R11)−、又は−(SiR1213−を示す。R及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基又はシアノ基を示す。R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、アリールアルキル基又は置換アミノ基を示す。kは1又は2を示す。mは1〜12の整数を示す。R、R10、R11、R12及びR13がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
繰り返し単位(1)又は(2)において表されるY及びYと、式(6)、式(7)、式(8)又は式(9)において表されるAr、Ar、Ar及びArは、それぞれ同一でも異なってもよいが、異なることが好ましい。
同様に、繰り返し単位(3)において表されるAr1a及びAr2aと、式(7)、式(8)又は式(9)において表されるAr、Ar、Ar及びArは、それぞれ同一でも異なってもよいが、異なることが好ましい。
ここでアリーレン基とは、芳香族炭化水素から水素原子2個を除いた原子団であり、縮合環を持つもの、独立したベンゼン環又は縮合環2個以上が直接又はビニレン等の基を介して結合したものも含まれる。アリーレン基は置換基を有していてもよい。
置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基が挙げられる。
アリーレン基における置換基を除いた部分の炭素数は通常6〜60程度であり、好ましくは6〜20である。また、アリーレン基の置換基を含めた全炭素数は、通常6〜100程度である。
アリーレン基としては、フェニレン基(例えば、下記式1〜3)、ナフタレンジイル基(下記式4〜13)、アントラセン−ジイル基(下記式14〜19)、ビフェニル−ジイル基(下記式20〜25)、ターフェニル−ジイル基(下記式26〜28)、縮合環化合物基(下記式29〜35)、フルオレン−ジイル基(下記式36〜38)、スチルベン−ジイル(下記式A〜D)、ジスチルベン−ジイル(下記式E,F)などが例示される。中でもフェニレン基、ビフェニレン基、フルオレン−ジイル基、スチルベン−ジイル基が好ましい。
Figure 2006241347
Figure 2006241347
Figure 2006241347
Figure 2006241347
Figure 2006241347
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また、Ar、Ar、Ar及びArにおける2価の複素環基とは、複素環化合物から水素原子2個を除いた残りの原子団を言い、該基は置換基を有していてもよい。
ここに複素環化合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素、ヒ素などのヘテロ原子を環内に含むものを言う。2価の複素環基の中では、芳香族複素環基が好ましい。
置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基が挙げられる。
2価の複素環基における置換基を除いた部分の炭素数は通常3〜60程度である。また、2価の複素環基の置換基を含めた全炭素数は、通常3〜100程度である。
2価の複素環基としては、例えば以下のものが挙げられる。
ヘテロ原子として、窒素を含む2価の複素環基(ピリジンージイル基(下記式39〜44)、ジアザフェニレン基(下記式45〜48)、キノリンジイル基(下記式49〜63)、キノキサリンジイル基(下記式64〜68)、アクリジンジイル基(下記式69〜72)、ビピリジルジイル基(下記式73〜75)、フェナントロリンジイル基(下記式76〜78)など)。
ヘテロ原子として酸素、ケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含みフルオレン構造を有する基(下記式79〜93)。
ヘテロ原子として酸素、ケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基(下記式94〜98)。
ヘテロ原子として酸素、ケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環縮合複素基(下記式99〜108)。
ヘテロ原子として酸素、ケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位で結合し2量体やオリゴマーになっている基(下記式109〜113)。
ヘテロ原子として酸素、ケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位でフェニル基に結合している基(下記式114〜119)。
ヘテロ原子として酸素、ケイ素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環縮合複素環基にフェニル基やフリル基、チエニル基が置換した基(下記式120〜125)。
Figure 2006241347
Figure 2006241347
Figure 2006241347
Figure 2006241347
Figure 2006241347
Figure 2006241347
Figure 2006241347
Figure 2006241347
Figure 2006241347
Figure 2006241347
また、Ar、Ar、Ar及びArにおける金属錯体構造を有する2価の基とは、有機配位子を有する金属錯体の有機配位子から水素原子を2個除いた残りの2価の基である。該有機配位子の炭素数は、通常4〜60程度であり、その例としては、8−キノリノール及びその誘導体、ベンゾキノリノール及びその誘導体、2−フェニル−ピリジン及びその誘導体、2−フェニル−ベンゾチアゾール及びその誘導体、2−フェニル−ベンゾキサゾール及びその誘導体、ポルフィリン及びその誘導体などが挙げられる。
また、該錯体の中心金属としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、ベリリウム、イリジウム、白金、金、ユーロピウム、テルビウムなどが挙げられる。
有機配位子を有する金属錯体としては、低分子の蛍光材料、燐光材料として公知の金属錯体、三重項発光錯体などが挙げられる。
金属錯体構造を有する2価の基としては、具体的には、以下の式126〜132の基が例示される。
Figure 2006241347

Figure 2006241347

Figure 2006241347
上記の式1〜132において、Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる1つを示す。また、式1〜132の基が有する炭素原子は、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子と置き換えられていてもよく、水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。
上記式(6)で示される繰り返し単位の中では、下記式(10)、式(11)、式(12)、式(13)、式(14)、又は式(15)で示される繰り返し単位が好ましい。
Figure 2006241347

(式中、R14は、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる1つを示す。nは0〜4の整数を示す。R14が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
Figure 2006241347

(式中、R15及びR16は、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる1つを示す。o及びpはそれぞれ独立に0〜3の整数を示す。R15及びR16がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
Figure 2006241347

(式中、R17及びR20は、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる1つを示す。q及びrはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。R18及びR19は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる1つを示す。R17及びR20が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
Figure 2006241347

(式中、R21は、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる1つを示す。sは0〜2の整数を示す。Ar13及びAr14はそれぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基又は金属錯体構造を有する2価の基を示す。ss及びttはそれぞれ独立に0又は1を示す。Xは、O、S、SO、SO、Se、Te、又は−CR34=CR35−を表す。R34及びR35は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる1つを表す。R21が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
Figure 2006241347

(式中、R22及びR25は、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる1つを示す。t及びuはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。Xは、O、S、SO、Se、Te、N−R24、又はSiR2526を示す。X及びXは、それぞれ独立にN又はC−R27を示す。R24、R25、R26及びR27はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び1価の複素環基からなる群から選ばれる1つを示す。R22、R23及びR27が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
式(14)で示される繰り返し単位の中央の5員環の例としては、チアジアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チオフェン、フラン、シロールなどが挙げられる。
Figure 2006241347

(式中、R28及びR33は、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる1つを示す。v及びwはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。R29、R30、R31及びR36は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる1つを示す。Arはアリーレン基、2価の複素環基又は金属錯体構造を有する2価の基を示す。R28及びR33が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
また上記式(7)で示される繰り返し単位の中で、下記式(16)で示される繰り返し単位が、発光波長を変化させる観点、発光効率を高める観点、耐熱性を向上させる観点からも好ましい。
Figure 2006241347

(式中、Ar、Ar、Ar及びArはそれぞれ独立にアリーレン基又は2価の複素環基を示す。Ar10、Ar11及びAr12はそれぞれ独立にアリール基又は1価の複素環基を示す。Ar、Ar、Ar、Ar、及びAr10は置換基を有していてもよい。x及びyはそれぞれ独立に0又は1を示し、0≦x+y≦1である。)
上記式(16)で示される繰り返し単位の具体例としては、以下の式133〜141で示されるものが挙げられる。
Figure 2006241347
Figure 2006241347
Figure 2006241347
上記式においてRは、前記式1〜132のそれと同じである。溶媒への溶解性を高めるためには、水素原子以外を1つ以上有していることが好ましく、また置換基を含めた繰り返し単位の形状の対称性が少ないことが好ましい。
上記式においてRがアルキルを含む置換基においては、高分子化合物の溶媒への溶解性を高めるために、1つ以上に環状又は分岐のあるアルキルが含まれることが好ましい。
さらに、上記式においてRがアリール基や複素環基をその一部に含む場合は、それらがさらに1つ以上の置換基を有していてもよい。
上記式133〜141で示される構造のうち、発光波長を調節する観点から、上記式134、上記式137及び上記式139で示される構造が好ましい。
上記式(16)で示される繰り返し単位において、Ar、Ar、Ar及びArがそれぞれ独立にアリーレン基であり、Ar10、Ar11及びAr12がそれぞれ独立にアリール基を示すものが好ましい。中でも、Ar10、Ar11及びAr12がそれぞれ独立に、3つ以上の置換基を有するアリール基であるものが好ましく、Ar10、Ar11及びAr12が置換基を3つ以上有するフェニル基、3つ以上の置換基を有するナフチル基又は3つ以上の置換基を有するアントラニル基であるものがより好ましく、Ar10、Ar11及びAr12が置換基を3つ以上有するフェニル基であるものがさらに好ましい。
中でも、Ar10、Ar11及びAr12が、それぞれ独立に下記式(16−1)であり、かつx+y=1であるものが好ましい。
Figure 2006241347

(式中、Re、Rf及びRgは、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、1価の複素環基及びハロゲン原子からなる群から選ばれる1つを表す。〕
より好ましくは上記式(16−1)において、Re及びRfがそれぞれ独立に、炭素数3以下のアルキル基、炭素数3以下のアルコキシ基、又は炭素数3以下のアルキルチオ基であり、かつRgが炭素数3〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルコキシ基、又は炭素数3〜20のアルキルチオ基であるものが挙げられる。
なお、本発明の高分子化合物は、発光特性や電荷輸送特性を損なわない範囲で、上記式(1)、式(6)〜式(16)、上記式(16−1)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位を含んでいてもよい。また、これらの繰り返し単位や他の繰り返し単位が、非共役の単位で連結されていてもよいし、繰り返し単位にそれらの非共役部分が含まれていてもよい。結合構造としては、以下に示すもの、及び以下に示すもののうち2つ以上を組み合わせたものなどが例示される。ここで、Rは前記のものと同じ置換基から選ばれる基であり、Arは炭素数6〜60個の炭化水素基を示す。
Figure 2006241347
本発明の高分子化合物の中では、上記式(1)で示される繰り返し単位のいずれかのみからなるもの、上記式(1)で示される繰り返し単位から選ばれる2種以上の繰り返し単位からなるもの、実質的に上記式(1)で示される繰り返し単位から選ばれる1種以上の繰り返し単位と上記式(6)〜(16)で示される繰り返し単位の1種以上とからなるものが好ましい。中でも、上記式(1−1)、(1−2)、(1−3)及び(1−4)で示される繰り返し単位のいずれかのみからなるもの、上記式(1−1)、(1−2)、(1−3)及び(1−4)で示される繰り返し単位から選ばれる2種以上の繰り返し単位からなるもの、実質的に上記式(1−1)、(1−2)、(1−3)及び(1−4)で示される繰り返し単位から選ばれる1種以上の繰り返し単位と上記式(3)〜(16)で示される繰り返し単位の1種以上とからなるものが好ましい。
また、本発明の高分子化合物は、ランダム、ブロック又はグラフト共重合体であってもよいし、それらの中間的な構造を有する高分子、例えばブロック性を帯びたランダム共重合体であってもよい。蛍光又はりん光の量子収率の高い高分子発光体を得る観点からは完全なランダム共重合体よりも、ブロック性を帯びたランダム共重合体やブロック又はグラフト共重合体が好ましい。主鎖に枝分かれがあり、末端部が3つ以上ある場合やデンドリマーも本発明の高分子化合物の構造に含まれる。
また、本発明の高分子化合物の末端基は、重合活性基がそのまま残っていると、素子にしたときの発光特性や寿命が低下する可能性があるので、安定な基で保護されていてもよい。主鎖の共役構造と連続した共役結合を有しているものが好ましく、例えば、炭素―炭素結合を介してアリール基又は複素環基と結合している構造が例示される。具体的には、特開平9−45478号公報の化10に記載の置換基等が例示される。
本発明における高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量は通常10〜10程度であり、好ましくは10〜10である。また、ポリスチレン換算の重量平均分子量は通常10〜10程度であり、好ましくは5×10〜5×10である。
本発明の高分子化合物に対する良溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカリン、ビシクロへキシル、アニソール、n−ブチルベンゼン、n−ペンチルベンゼン、n−ヘキシルベンゼン、シクロへキシルベンゼンなどが例示される。高分子化合物の構造や分子量にもよるが、通常はこれらの溶媒に0.1重量%以上溶解させることができる。
次に本発明の高分子化合物の製造方法について説明する。
式(1)で示される繰り返し単位を有する高分子化合物は、例えば、式(4)
Figure 2006241347

(式中、X、Y、Y、n1及びn2は上記と同じ意味を表す。W及びWは、それぞれ独立に縮合重合に関与する置換基を表す。)
で示される化合物を原料の一つとして用いて縮合重合させることにより製造することができる。
更に、上記式(4)において、詳しくは下記式(3−1)で示される化合物を原料の一つとして用いて縮合重合させることが好ましい。
Figure 2006241347

(式中、A、B、Z、Ar1a、Ar2a、aa及びbbはそれぞれ上記と同じ意味を表す。Y及びYはそれぞれ独立に縮合重合に関与する置換基を表し、それぞれAr1a及びAr2aに結合している。)
式(1−1−1)、(1−2−1)、(1−3−1)、又は(1−4−1)で示される繰り返し単位を有する高分子化合物は、式(3−1)で示される化合物として、式(14−1)、(14−2)、(14−3)又は(14−4)
Figure 2006241347

(式中、Rr’1、Rs’1、Rr’2、Rs’2、Rr’3、Rs’3、Rr’4、Rs’4、Ry1、Rz1、Ry2、Rz2、Ry3、Rz3、Ry4、Rz4、a、b、a’及びb’は、上記と同じ意味を表す。Rr1、Rs1、Rr2、Rs2、Rr3、Rs3、Rr4及びRs4はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる少なくとも1つを表す。Rr1、Rs1、Rr2、Rs2、Rr3、Rs3、Rr4及びRs4がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Yt1、Yu1、Yt2、Yu2、Yt3、Yu3、Yt4及びYu4はそれぞれ独立に縮合重合に関与する置換基を表す。)で示される化合物を原料の一つとして用いて縮合重合させることにより製造することができる。
また、本発明の高分子化合物が、式(1)以外の繰り返し単位を有する場合には、式(1)以外の繰り返し単位となる、2個の縮合重合に関与する置換基を有する化合物を共存させて縮合重合を行えばよい。
上記式(1)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位となる、2個の縮合重合に関与する置換基を有する化合物としては、下記式(17)〜(20)の化合物が例示される。
上記式(4)で示される化合物に加えて、下記式(17)〜(20)のいずれかで示される化合物を縮合重合させることにより、上記式(1)で示される単位に加えて、順に式(6)、(7)、(8)又は(9)の単位を1つ以上有する高分子化合物を製造することができる。
−Ar−Y (17)
−(Ar−X−Ar−Y (18)
−Ar−X−Y10 (19)
11−X−Y12 (20)
(式中、Ar、Ar、Ar、Ar、ff、X、X及びXは前記と同じである。Y、Y、Y、Y、Y、Y10、Y11、及びY12はそれぞれ独立に縮合重合可能な置換基を示す。)
また、上記式(1)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位となる、上記式(16)に対応する2個の縮合重合に関与する置換基を有する化合物としては、下記式(16−2)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2006241347

(式中、Ar、Ar、Ar、Ar、Ar10、Ar11、Ar12、x及びyの定義及び好ましい例については前記と同じである。Y13及びY14はそれぞれ独立に縮合重合に関与する置換基を示す。)
本発明の製造方法において、縮合重合に関与する置換基としては、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基、アリールアルキルスルホネート基、ホウ酸エステル基、スルホニウムメチル基、ホスホニウムメチル基、ホスホネートメチル基、モノハロゲン化メチル基、−B(OH)、ホルミル基、シアノ基、ビニル基等が挙げられる。
ここに、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
アルキルスルホネート基としては、メタンスルホネート基、エタンスルホネート基、トリフルオロメタンスルホネート基などが例示され、アリールスルホネート基としては、ベンゼンスルホネート基、p−トルエンスルホネート基などが例示され、アリールスルホネート基としては、ベンジルスルホネート基などが例示される。
ホウ酸エステル基としては、下記式で示される基が例示される。
Figure 2006241347

式中、Meはメチル基を、Etはエチル基を示す。
スルホニウムメチル基としては、下記式で示される基が例示される。
−CHMe、−CHPh (Xはハロゲン原子を示し、Phはフェニル基を示す。)
ホスホニウムメチル基としては、下記式で示される基が例示される。
−CHPh (Xはハロゲン原子を示す。)
ホスホネートメチル基としては、下記式で示される基が例示される。
−CHPO(OR’) (R’はアルキル基、アリール基、アリールアルキル基を示す。)
モノハロゲン化メチル基としては、フッ化メチル基、塩化メチル基、臭化メチル基、ヨウ化メチル基が例示される。
縮合重合に関与する置換基として好ましい置換基は重合反応の種類によって異なるが、例えばYamamotoカップリング反応など0価ニッケル錯体を用いる場合には、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基又はアリールアルキルスルホネート基が挙げられる。またSuzukiカップリング反応などニッケル触媒又はパラジウム触媒を用いる場合には、アルキルスルホネート基、ハロゲン原子、ホウ酸エステル基、-B(OH)などが挙げられる。
本発明の製造方法は、具体的には、モノマーとなる、縮合重合に関与する置換基を複数有する化合物を、必要に応じ、有機溶媒に溶解し、例えばアルカリや適当な触媒を用い、有機溶媒の融点以上沸点以下で縮合重合させることを含む。例えば、“オルガニック リアクションズ(Organic Reactions)”,第14巻,270−490頁,ジョンワイリー アンド サンズ(John Wiley&Sons,Inc.),1965年、 “オルガニック シンセシス(Organic Syntheses)”,コレクティブ第6巻(Collective Volume VI),407−411頁,ジョンワイリー アンド サンズ(John Wiley&Sons,Inc.),1988年、ケミカル レビュー(Chem.Rev.),第95巻,2457頁(1995年)、ジャーナル オブ オルガノメタリック ケミストリー(J.Organomet.Chem.),第576巻,147頁(1999年)、マクロモレキュラー ケミストリー マクロモレキュラー シンポジウム(Makromol.Chem.,Macromol.Symp.),第12巻,229頁(1987年)などに記載の公知の方法を用いることができる。
本発明の高分子化合物の製造方法において、縮合重合させる方法としては、上記式(4)、(14−1)、(14−2)、(14−3)、(14−4)、(16)、(17)、(18)、(19)、(20)及び(16−2)で表される化合物の縮合重合に関与する置換基に応じて、既知の縮合反応を用いる。
本発明の高分子化合物の縮合重合による製造において、二重結合が生成する場合は、例えば特開平5−202355号公報に記載の方法が挙げられる。すなわち、ホルミル基を有する化合物とホスホニウムメチル基を有する化合物との、又はホルミル基とホスホニウムメチル基とを有する化合物のWittig反応による重合、ビニル基を有する化合物とハロゲン原子を有する化合物とのHeck反応による重合、モノハロゲン化メチル基を2つ以上有する化合物の脱ハロゲン化水素法による重縮合、スルホニウムメチル基を2つ以上有する化合物のスルホニウム塩分解法による重縮合、ホルミル基を有する化合物とシアノ基を有する化合物とのKnoevenagel反応による重合などの方法、ホルミル基を2つ以上有する化合物のMcMurry反応による重合などの方法が例示される。
本発明の高分子化合物の縮合重合による製造において、主鎖に三重結合が生成する場合には、例えば、Sonogashira反応が利用できる。
また、二重結合や三重結合が生成しない場合には、例えば該当するモノマーからSuzukiカップリング反応により重合する方法、Grignard反応により重合する方法、Ni(0)錯体により重合する方法、FeCl等の酸化剤により重合する方法、電気化学的に酸化重合する方法、又は適当な脱離基を有する中間体高分子の分解による方法などが例示される。
これらのうち、Wittig反応による重合、Heck反応による重合、Knoevenagel反応による重合、及びSuzukiカップリング反応により重合する方法、Grignard反応により重合する方法、0価ニッケル錯体により重合する方法が、構造制御がしやすいので好ましい。
本発明の高分子化合物において、2種類以上の繰り返し単位のシーケンスを制御する場合には、目的とするシーケンスの中での繰り返し単位の一部又は全部を有するオリゴマーを合成してから重合する方法、用いるそれぞれのモノマーの、縮合重合に関与する置換基及び用いる重合反応を選択して、繰り返し単位のシーケンスを制御して重合する方法などが例示される。
本発明の製造方法の中で、縮合重合に関与する置換基(W、W、Y、Y、Yt1、Yu1、Yt2、Yu2、Yt3、Yu3、Yt4及びYu4、Y、Y、Y、Y、Y、Y10、Y11及びY12)がそれぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基又はアリールアルキルスルホネート基から選ばれ、0価ニッケル錯体の存在下で縮合重合する製造方法が好ましい。
原料化合物としては、ジハロゲン化化合物、ビス(アルキルスルホネート)化合物、ビス(アリールスルホネート)化合物、ビス(アリールアルキルスルホネート)化合物又はハロゲン−アルキルスルホネート化合物、ハロゲン−アリールスルホネート化合物、ハロゲン−アリールアルキルスルホネート化合物、アルキルスルホネート−アリールスルホネート化合物、アルキルスルホネート−アリールアルキルスルホネート化合物、アリールスルホネート−アリールアルキルスルホネート化合物が挙げられる。
この場合、例えば原料化合物としてハロゲン−アルキルスルホネート化合物、ハロゲン−アリールスルホネート化合物、ハロゲン−アリールアルキルスルホネート化合物、アルキルスルホネート−アリールスルホネート化合物、アルキルスルホネート−アリールアルキルスルホネート化合物、アリールスルホネート−アリールアルキルスルホネート化合物を用いることにより、繰り返し単位の向きやシーケンスを制御した高分子化合物を製造する方法が挙げられる。
また、本発明の製造方法の中で、縮合重合に関与する置換基(W、W、Y、Y、Yt1、Yu1、Yt2、Yu2、Yt3、Yu3、Yt4及びYu4、Y、Y、Y、Y、Y、Y10、Y11及びY12)がそれぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基、アリールアルキルスルホネート基、ホウ酸基、又はホウ酸エステル基から選ばれ、全原料化合物が有する、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基及びアリールアルキルスルホネート基のモル数の合計(J)と、ホウ酸基(−B(OH))及びホウ酸エステル基のモル数の合計(K)の比が実質的に1(通常 K/J は0.7〜1.2の範囲)であり、ニッケル触媒又はパラジウム触媒を用いて縮合重合する製造方法が好ましい。
具体的な原料化合物の組み合わせとしては、ジハロゲン化化合物、ビス(アルキルスルホネート)化合物、ビス(アリールスルホネート)化合物又はビス(アリールアルキルスルホネート)化合物とジホウ酸化合物又はジホウ酸エステル化合物との組み合わせが挙げられる。また、ハロゲン−ホウ酸化合物、ハロゲン−ホウ酸エステル化合物、アルキルスルホネート−ホウ酸化合物、アルキルスルホネート−ホウ酸エステル化合物、アリールスルホネート−ホウ酸化合物、アリールスルホネート−ホウ酸エステル化合物、アリールアルキルスルホネート−ホウ酸化合物、アリールアルキルスルホネート−ホウ酸化合物、アリールアルキルスルホネート−ホウ酸エステル化合物の組み合わせが挙げられる。
この場合、例えば原料化合物としてハロゲン−ホウ酸化合物、ハロゲン−ホウ酸エステル化合物、アルキルスルホネート−ホウ酸化合物、アルキルスルホネート−ホウ酸エステル化合物、アリールスルホネート−ホウ酸化合物、アリールスルホネート−ホウ酸エステル化合物、アリールアルキルスルホネート−ホウ酸化合物、アリールアルキルスルホネート−ホウ酸化合物、アリールアルキルスルホネート−ホウ酸エステル化合物を用いることにより、繰り返し単位の向きやシーケンスを制御した高分子化合物を製造する方法が挙げられる。
有機溶媒としては、用いる化合物や反応によっても異なるが、一般に副反応を抑制するために、用いる溶媒は十分に脱酸素処理を施し、不活性雰囲気化で反応を進行させることが好ましい。また、同様に脱水処理を行うことが好ましい。但し、Suzukiカップリング反応のような水との2相系での反応の場合にはその限りではない。
溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンなどの不飽和炭化水素、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサンなどのハロゲン化飽和炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンなどのハロゲン化不飽和炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブチルアルコールなどのアルコール類、蟻酸、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサンなどのエーテル類、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ピリジンなどのアミン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルモルホリンオキシドなどのアミド類などが例示される。これらの単一溶媒、又はこれらの混合溶媒を用いてもよい。これらの中で、エーテル類が好ましく、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルがさらに好ましい。
反応させるために適宜アルカリや適当な触媒を添加する。これらは用いる反応に応じて選択すればよい。該アルカリ又は触媒は、反応に用いる溶媒に十分に溶解するものが好ましい。アルカリ又は触媒を混合する方法としては、反応液をアルゴンや窒素などの不活性雰囲気下で攪拌しながらゆっくりとアルカリ又は触媒の溶液を添加するか、逆にアルカリ又は触媒の溶液に反応液をゆっくりと添加する方法が例示される。
本発明の高分子化合物を高分子LED等に用いる場合、その純度が発光特性等の素子の性能に影響を与えるため、重合前のモノマーを蒸留、昇華精製、再結晶等の方法で精製したのちに重合することが好ましい。また重合後、再沈精製、クロマトグラフィーによる分別等の純化処理をすることが好ましい。
本発明の高分子化合物の原料として有用な(3−1)、(14−1)、(14−2)、(14−3)、及び(14−4)の中で、Y、Y、Yt1、Yu1、Yt2、Yu2、Yt3、Yu3、Yt4及びYu4がハロゲンを示すのものは、例えばカップリング反応、閉環反応等を用いて(3−1)、(14−1)、(14−2)、(14−3)、(14−4)のY、Y、Yt1、Yu1、Yt2、Yu2、Yt3、Yu3、Yt4及びYu4を水素原子に置き換えた構造の化合物を合成した後に、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、ベンジルトリメチルアンモニウムトリブロミド等の種々のハロゲン化試剤によりハロゲン化することによって得られる。
あるいは、(3−1)、(14−1)、(14−2)、(14−3)、(14−4)の中でY、Y、Yt1、Yu1、Yt2、Yu2、Yt3、Yu3、Yt4及びYu4がハロゲンを示すのものは、(3−1)を例とすると、A、BのAr1a又はAr2aとの連結部位がホウ酸エステル基又はB(OH)を有する化合物と、Ar1a及び/又はAr2aの2価の連結基が非等価なハロゲン、例えばヨウ素と臭素を有する化合物を用いて、ニッケル又はパラジウム等を触媒とした選択的カップリング反応等を用いることで得られる。同様の方法で、(14−1)、(14−2)、(14−3)及び(14−4)のYt1、Yu1、Yt2、Yu2、Yt3、Yu3、Yt4及びYu4をハロゲンに置き換えた構造の化合物が得られる。
また、本発明の高分子化合物の原料として有用な(3−1)、(14−1)、(14−2)、(14−3)及び(14−4)の中で、Y、Y、Yt1、Yu1、Yt2、Yu2、Yt3、Yu3、Yt4及びYu4がアルキルスルホネート基、アリールスルホネート基、又はアリールアルキルスルホネート基を示すものは、例えば、それぞれ、アルコキシ基等の水酸基へ誘導可能な官能基をもつ化合物をカップリング反応、閉環反応等に供して、(3−1)、(14−1)、(14−2)、(14−3)及び(14−4)のY、Y、Yt1、Yu1、Yt2、Yu2、Yt3、Yu3、Yt4及びYu4をアルコキシ基等の水酸基へ誘導可能な官能基に置き換えた化合物を合成した後に、例えば三臭化ホウ素等により脱アルキル化試剤用いるなどの種々の反応により、Y、Y、Yt1、Yu1、Yt2、Yu2、Yt3、Yu3、Yt4及びYu4を水酸基に置き換えた化合物を合成し、ついで、例えば、種々のスルホニルクロライド、スルホン酸無水物等により水酸基をスルホニル化することにより得られる。
また、本発明の高分子化合物の原料として有用な(3−1)、(14−1)、(14−2)、(14−3)及び(14−4)の中で、Y、Y、Yt1、Yu1、Yt2、Yu2、Yt3、Yu3、Yt4及びYu4がホウ酸基、又はホウ酸エステル基を示すものは、前記の方法等により、(3−1)、(14−1)、(14−2)、(14−3)及び(14−4)のY、Y、Yt1、Yu1、Yt2、Yu2、Yt3、Yu3、Yt4及びYu4をハロゲン原子に置き換えた化合物を合成した後に、アルキルリチウム、金属マグネシウム等を作用させ、さらにホウ酸トリメチルによりホウ酸化することにより、ハロゲン原子をホウ酸基に変換すること、及び、ホウ酸化した後に、アルコールを作用させてホウ酸エステル化することにより得られる。また、前記の方法等により、(3−1)、(14−1)、(14−2)、(14−3)及び(14−4)のY、Y、Yt1、Yu1、Yt2、Yu2、Yt3、Yu3、Yt4及びYu4をハロゲン、トリフルオロメタンスルホネート基等に置き換えた化合物を合成し、ついで、非特許文献[Journal of Organic Chemistry, 1995, 60, 7508-7510、Tetrahedron Letters, 1997,28(19),3447-3450]等に記載の方法により、ホウ酸エステル化することにより得られる。
次に本発明の高分子化合物の用途について説明する。
本発明の高分子化合物は、通常は、固体状態で蛍光又は燐光を発し、高分子発光体(高分子量の発光材料)として用いることができる。
また、該高分子化合物は優れた電荷輸送能を有しており、高分子LED用材料や電荷輸送材料として好適に用いることができる。該高分子発光体を用いた高分子LEDは低電圧、高効率で駆動できる高性能の高分子LEDである。従って、該高分子LEDは液晶ディスプレイのバックライト、又は照明用としての曲面状や平面状の光源、セグメントタイプの表示素子、ドットマトリックスのフラットパネルディスプレイ等の装置に好ましく使用できる。
また、本発明の高分子化合物はレーザー用色素、有機太陽電池用材料、有機トランジスタ用の有機半導体、導電性薄膜、有機半導体薄膜などの伝導性薄膜用材料としても用いることができる。
さらに、蛍光や燐光を発する発光性薄膜材料としても用いることができる。
次に、本発明の高分子LEDについて説明する。
本発明の高分子LEDは、陽極及び陰極からなる電極間に、有機層を有し、該有機層が本発明の高分子化合物を含むことを特徴とする。
有機層は、発光層、正孔輸送層、電子輸送層等のいずれであってもよいが、有機層が発光層であることが好ましい。
ここに、発光層とは、発光する機能を有する層をいい、正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する層をいい、電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する層をいう。なお、電子輸送層と正孔輸送層を総称して電荷輸送層と呼ぶ。発光層、正孔輸送層、電子輸送層は、それぞれ独立に2層以上用いてもよい。
有機層が発光層である場合、有機層である発光層がさらに正孔輸送性材料、電子輸送性材料又は発光性材料を含んでいてもよい。ここで、発光性材料とは、蛍光及び/又は燐光を示す材料のことをさす。
本発明の高分子化合物と正孔輸送性材料を混合する場合には、その混合物全体に対して、正孔輸送性材料の混合割合は1wt%〜80wt%であり、好ましくは5wt%〜60wt%である。本発明の高分子材料と電子輸送性材料を混合する場合には、その混合物全体に対して電子輸送性材料の混合割合は1wt%〜80wt%であり、好ましくは5wt%〜60wt%である。さらに、本発明の高分子化合物と発光性材料を混合する場合には、その混合物全体に対して発光性材料の混合割合は1wt%〜80wt%であり、好ましくは5wt%〜60wt%である。本発明の高分子化合物と発光性材料、正孔輸送性材料及び/又は電子輸送性材料を混合する場合には、その混合物全体に対して発光性材料の混合割合は1wt%〜50wt%であり、好ましくは5wt%〜40wt%であり、正孔輸送性材料と電子輸送性材料はそれらの合計で1wt%〜50wt%であり、好ましくは5wt%〜40wt%であり、本発明の高分子化合物の含有量は99wt%〜20wt%である。
混合する正孔輸送性材料、電子輸送性材料、発光性材料は公知の低分子化合物、三重項発光錯体、又は高分子化合物が使用できるが、高分子化合物を用いることが好ましい。
高分子化合物の正孔輸送性材料、電子輸送性材料及び発光性材料としては、WO99/13692、WO99/48160、GB2340304A、WO00/53656、WO01/19834、WO00/55927、GB2348316、WO00/46321、WO00/06665、WO99/54943、WO99/54385、US5777070、WO98/06773、WO97/05184、WO00/35987、WO00/53655、WO01/34722、WO99/24526、WO00/22027、WO00/22026、WO98/27136、US573636、WO98/21262、US5741921、WO97/09394、WO96/29356、WO96/10617、EP0707020、WO95/07955、特開平2001−181618、特開平2001−123156、特開平2001−3045、特開平2000−351967、特開平2000−303066、特開平2000−299189、特開平2000−252065、特開平2000−136379、特開平2000−104057、特開平2000−80167、特開平10−324870、特開平10−114891、特開平9−111233、特開平9−45478等に開示されているポリフルオレン、その誘導体及び共重合体、ポリアリーレン、その誘導体及び共重合体、ポリアリーレンビニレン、その誘導体及び共重合体、芳香族アミン及びその誘導体の(共)重合体が例示される。
低分子化合物の蛍光性材料としては、例えば、ナフタレン誘導体、アントラセン若しくはその誘導体、ペリレン若しくはその誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、クマリン系、シアニン系などの色素類、8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエン若しくはその誘導体、又はテトラフェニルブタジエン若しくはその誘導体などを用いることができる。
具体的には、例えば特開昭57−51781号、同59−194393号公報に記載されているもの等、公知のものが使用可能である。
三重項発光錯体としては、例えば、イリジウムを中心金属とするIr(ppy)、BtpIr(acac)、白金を中心金属とするPtOEP、ユーロピウムを中心金属とするEu(TTA)phen等が挙げられる。
Figure 2006241347
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Figure 2006241347
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三重項発光錯体として具体的には、例えばNature, (1998), 395, 151、Appl. Phys. Lett. (1999), 75(1), 4、Proc. SPIE-Int. Soc. Opt. Eng. (2001), 4105(Organic Light-Emitting Materials and DevicesIV), 119、J. Am. Chem. Soc., (2001), 123, 4304、Appl. Phys. Lett., (1997), 71(18), 2596、Syn. Met., (1998), 94(1), 103、Syn. Met., (1999), 99(2), 1361、Adv. Mater., (1999), 11(10), 852 、Jpn.J.Appl.Phys.,34, 1883 (1995)などに記載されている。
本発明の組成物は、正孔輸送材料、電子輸送材料、及び発光材料から選ばれる少なくとも1種類の材料と本発明の高分子化合物を含有し、発光材料や電荷輸送材料として用いることができる。
その正孔輸送材料、電子輸送材料、及び発光材料から選ばれる少なくとも1種類の材料と本発明の高分子化合物の含有比率は、用途に応じて決めればよいが、発光材料の用途の場合は、上記の発光層におけるのと同じ含有比率が好ましい。
本発明の高分子LEDが有する発光層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
発光層の形成方法としては、例えば、溶液からの成膜による方法が例示される。溶液からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。パターン形成や多色の塗分けが容易であるという点で、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の印刷法が好ましい。
印刷法等で用いるインク組成物としては、少なくとも1種類の本発明の高分子化合物が含有されていればよく、また本発明の高分子化合物以外に正孔輸送材料、電子輸送材料、発光材料、溶媒、安定剤などの添加剤を含んでいてもよい。
該インク組成物中における本発明の高分子化合物の割合は、溶媒を除いた組成物の全重量に対して通常は20wt%〜100wt%であり、好ましくは40wt%〜100wt%である。
またインク組成物中に溶媒が含まれる場合の溶媒の割合は、組成物の全重量に対して1wt%〜99.9wt%であり、好ましくは60wt%〜99.5wt%であり、さらに好ましくは80wt%〜99.0wt%である。
インク組成物の粘度は印刷法によって異なるが、インクジェットプリント法などインク組成物中が吐出装置を経由する場合には、吐出時の目づまりや飛行曲がりを防止するために粘度が25℃において1〜20mPa・sの範囲であることが好ましい。
インク組成物として用いる溶媒としては特に制限はないが、該インク組成物を構成する溶媒以外の材料を溶解又は均一に分散できるものが好ましい。該溶媒として、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール及びその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が例示される。また、これらの有機溶媒は、単独で、又は複数組み合わせて用いることができる。
また、本発明の高分子LEDとしては、陰極と発光層との間に電子輸送層を設けた高分子LED、陽極と発光層との間に正孔輸送層を設けた高分子LED、陰極と発光層との間に電子輸送層を設け、かつ陽極と発光層との間に正孔輸送層を設けた高分子LED等が挙げられる。
例えば、具体的には、以下のa)〜d)の構造が例示される。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
c)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
d)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(ここで、/は各層が隣接して積層されていることを示す。以下同じ。)
本発明の高分子LEDが正孔輸送層を有する場合、使用される正孔輸送性材料としては、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミン残基を有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体などが例示される。
具体的には、該正孔輸送性材料として、特開昭63−70257号公報、同63−175860号公報、特開平2−135359号公報、同2−135361号公報、同2−209988号公報、同3−37992号公報、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示される。
これらの中で、正孔輸送層に用いる正孔輸送性材料として、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミン残基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、又はポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体等の高分子正孔輸送性材料が好ましく、さらに好ましくはポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミン残基を有するポリシロキサン誘導体である。
また、低分子化合物の正孔輸送性材料としてはピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体が例示される。低分子の正孔輸送性材料の場合には、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
混合する高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また可視光に対する吸収が強くないものが好適に用いられる。該高分子バインダーとして、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン等が例示される。
ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体は、例えばビニルモノマーからカチオン重合又はラジカル重合によって得られる。
ポリシラン若しくはその誘導体としては、ケミカル・レビュー(Chem.Rev.)第89巻、1359頁(1989年)、英国特許GB2300196号公開明細書に記載の化合物等が例示される。合成方法もこれらに記載の方法を用いることができるが、特にキッピング法が好適に用いられる。
ポリシロキサン若しくはその誘導体は、シロキサン骨格構造には正孔輸送性がほとんどないので、側鎖又は主鎖に上記低分子正孔輸送性材料の構造を有するものが好適に用いられる。特に正孔輸送性の芳香族アミン残基を側鎖又は主鎖に有するものが例示される。
正孔輸送層の成膜の方法に制限はないが、低分子正孔輸送性材料では、高分子バインダーとの混合溶液からの成膜による方法が例示される。また、高分子正孔輸送性材料では、溶液からの成膜による方法が例示される。
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、正孔輸送性材料を溶解又は均一に分散できるものが好ましい。該溶媒としてクロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール及びその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が例示される。また、これらの有機溶媒は、単独で、又は複数組み合わせて用いることができる。
溶液からの成膜方法としては、溶液からのスピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
正孔輸送層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該正孔輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
本発明の高分子LEDが電子輸送層を有する場合、使用される電子輸送性材料としては公知のものが使用でき、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体等が例示される。
具体的には、特開昭63−70257号公報、同63−175860号公報、特開平2−135359号公報、同2−135361号公報、同2−209988号公報、同3−37992号公報、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示される。
これらのうち、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、又は8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリキノリンがさらに好ましい。
電子輸送層の成膜法としては特に制限はないが、低分子電子輸送性材料では、粉末からの真空蒸着法、又は溶液若しくは溶融状態からの成膜による方法が、高分子電子輸送材料では、溶液又は溶融状態からの成膜による方法がそれぞれ例示される。溶液又は溶融状態からの成膜時には、上記の高分子バインダーを併用してもよい。
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、電子輸送材料及び/又は高分子バインダーを溶解又は均一に分散できるものが好ましい。該溶媒として、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール及びその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が例示される。これらの有機溶媒は、単独で、又は複数組み合わせて用いることができる。
溶液又は溶融状態からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
電子輸送層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該電子輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
また、電極に隣接して設けた電荷輸送層のうち、電極からの電荷注入効率を改善する機能を有し、素子の駆動電圧を下げる効果を有するものは、特に電荷注入層(正孔注入層、電子注入層)と一般に呼ばれることがある。
さらに電極との密着性向上や電極からの電荷注入の改善のために、電極に隣接して前記の電荷注入層又は膜厚2nm以下の絶縁層を設けてもよく、また、界面の密着性向上や混合の防止等のために電荷輸送層や発光層の界面に薄いバッファー層を挿入してもよい。
積層する層の順番や数、及び各層の厚さについては、発光効率や素子寿命を勘案して適宜用いることができる。
本発明において、電荷注入層(電子注入層、正孔注入層)を設けた高分子LEDとしては、陰極に隣接して電荷注入層を設けた高分子LED、陽極に隣接して電荷注入層を設けた高分子LEDが挙げられる。
例えば、具体的には、以下のe)〜p)の構造が挙げられる。
e)陽極/電荷注入層/発光層/陰極
f)陽極/発光層/電荷注入層/陰極
g)陽極/電荷注入層/発光層/電荷注入層/陰極
h)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
i)陽極/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
j)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
k)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/陰極
l)陽極/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
m)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
n)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
o)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
p)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
電荷注入層の具体的な例としては、導電性高分子を含む層、陽極と正孔輸送層との間に設けられ、陽極材料と正孔輸送層に含まれる正孔輸送性材料との中間の値のイオン化ポテンシャルを有する材料を含む層、陰極と電子輸送層との間に設けられ、陰極材料と電子輸送層に含まれる電子輸送性材料との中間の値の電子親和力を有する材料を含む層などが例示される。
上記電荷注入層が導電性高分子を含む層の場合、該導電性高分子の電気伝導度は、10−5S/cm以上10以下であることが好ましく、発光画素間のリーク電流を小さくするためには、10−5S/cm以上10以下がより好ましく、10−5S/cm以上10以下がさらに好ましい。
上記電荷注入層が導電性高分子を含む層の場合、該導電性高分子の電気伝導度は、10−5S/cm以上10S/cm以下であることが好ましく、発光画素間のリーク電流を小さくするためには、10−5S/cm以上10S/cm以下がより好ましく、10−5S/cm以上10S/cm以下がさらに好ましい。
通常は該導電性高分子の電気伝導度を10−5S/cm以上10以下とするために、該導電性高分子に適量のイオンをドープする。
ドープするイオンの種類は、正孔注入層であればアニオン、電子注入層であればカチオンである。アニオンの例としては、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオンなどが例示され、カチオンの例としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンなどが例示される。
電荷注入層の膜厚としては、例えば1nm〜100nmであり、2nm〜50nmが好ましい。
電荷注入層に用いる材料は、電極や隣接する層の材料との関係で適宜選択すればよく、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、芳香族アミン残基構造を主鎖又は側鎖に含む重合体などの導電性高分子、金属フタロシアニン(銅フタロシアニンなど)、カーボンなどが例示される。
膜厚2nm以下の絶縁層は電荷注入を容易にする機能を有するものである。上記絶縁層の材料としては、金属フッ化物、金属酸化物、有機絶縁材料等が挙げられる。膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LEDとしては、陰極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LED、陽極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LEDが挙げられる。
具体的には、例えば、以下のq)〜ab)の構造が挙げられる。
q)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/陰極
r)陽極/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
s)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
t)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/陰極
u)陽極/正孔輸送層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
v)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
w)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送層/陰極
x)陽極/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
y)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
z)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
aa)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
ab)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
本発明の高分子LEDを形成する基板は、電極を形成し、有機物の層を形成する際に変化しないものであればよく、例えばガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコン基板などが例示される。不透明な基板の場合には、反対の電極が透明又は半透明であることが好ましい。
通常本発明の高分子LEDが有する陽極及び陰極の少なくとも一方が透明又は半透明である。陽極側が透明又は半透明であることが好ましい。
該陽極の材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が用いられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、及びそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる導電性ガラスを用いて作成された膜(NESAなど)や、金、白金、銀、銅等が用いられ、ITO、インジウム・亜鉛・オキサイド、酸化スズが好ましい。作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。また、該陽極として、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体などの有機の透明導電膜を用いてもよい。
陽極の膜厚は、光の透過性と電気伝導度とを考慮して、適宜選択することができるが、例えば10nmから10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
また、陽極上に、電荷注入を容易にするために、フタロシアニン誘導体、導電性高分子、カーボンなどからなる層、又は金属酸化物や金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層を設けてもよい。
本発明の高分子LEDで用いる陰極の材料としては、仕事関数の小さい材料が好ましい。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウムなどの金属、又はそれらのうち2つ以上の合金、又はそれらのうち1つ以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1つ以上との合金、又はグラファイト又はグラファイト層間化合物等が用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金などが挙げられる。陰極を2層以上の積層構造としてもよい。
陰極の膜厚は、電気伝導度や耐久性を考慮して、適宜選択することができるが、例えば10nmから10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
陰極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、また金属薄膜を熱圧着するラミネート法等が挙げられる。また、陰極と有機物層との間に、導電性高分子からなる層、又は金属酸化物や金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層を設けてもよく、陰極作製後、該高分子LEDを保護する保護層を装着していてもよい。該高分子LEDを長期安定的に用いるためには、素子を外部から保護するために、保護層及び/又は保護カバーを装着することが好ましい。
該保護層としては、高分子化合物、金属酸化物、金属フッ化物、金属ホウ化物などを用いることができる。また、保護カバーとしては、ガラス板、表面に低透水率処理を施したプラスチック板などを用いることができ、該カバーを熱効果樹脂や光硬化樹脂で素子基板と貼り合わせて密閉する方法が好適に用いられる。スペーサーを用いて空間を維持すれば、素子が傷付くのを防ぐことが容易である。該空間に窒素やアルゴンのような不活性なガスを封入すれば、陰極の酸化を防止することができ、さらに酸化バリウム等の乾燥剤を該空間内に設置することにより製造工程で吸着した水分が素子にダメージを与えるのを抑制することが容易となる。これらのうち、いずれか1つ以上の方策を採ることが好ましい。
本発明の高分子LEDは面状光源、セグメント表示装置、ドットマトリックス表示装置、液晶表示装置のバックライトとして用いることができる。
本発明の高分子LEDを用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。また、パターン状の発光を得るためには、前記面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部の有機物層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極又は陰極のいずれか一方又は両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にON/OFFできるように配置することにより、数字や文字、簡単な記号などを表示できるセグメントタイプの表示素子が得られる。更に、ドットマトリックス素子とするためには、陽極と陰極をともにストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子蛍光体を塗り分ける方法や、カラーフィルター又は蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス素子は、パッシブ駆動も可能であるし、TFTなどと組み合わせてアクティブ駆動させてもよい。これらの表示素子は、コンピュータ、テレビ、携帯端末、携帯電話、カーナビゲーション、ビデオカメラのビューファインダーなどの表示装置として用いることができる。
さらに、前記面状の発光素子は、自発光薄型であり、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、又は面状の照明用光源として好適に用いることができる。また、フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源や表示装置としても使用できる。
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ここで、数平均分子量、重量平均分子量については、テトラヒドロフラン(THF)を移動相として、サイズエクスクルージョンクロマトグラフィー(SEC)によりポリスチレン換算の数平均分子量を求めた。
カラム:TOSOH TSKgel SuperHM-H(2本)+TSKgel SuperH2000(4.6mm I.d.×15cm)、検出器:RI (SHIMADZU RID-10A)を使用。
合成例1
(化合物Aの合成)
Figure 2006241347

不活性雰囲気下で、500mlの3つ口フラスコに酢酸225gを入れ、5−t−ブチル−m−キシレン24.3gを加えた。続いて臭素31.2gを加えた後、15〜20℃で3時間反応させた。
反応液を水500mlに加え析出した沈殿をろ過した。水250mlで2回洗浄し、白色の固体34.2gを得た。
(化合物Bの合成)
Figure 2006241347

不活性雰囲気下で、100mlの3つ口フラスコに脱気した脱水トルエン36mlを入れ、トリ(t−ブチル)ホスフィン0.63gを加えた。続いてトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム0.41g、化合物A9.6g、t−ブトキシナトリウム5.2g、N,N’−ジフェニル−1,4−フェニレンジアミン4.7gを加えた後、100℃で3時間反応させた。
反応液を飽和食塩水300mlに加え、約50℃に温めたクロロホルム300mlで抽出した。溶媒を留去した後、トルエン100mlを加えて、固体が溶解するまで加熱、放冷した後、沈殿をろ過し、白色の固体9.9gを得た。
(化合物Cの合成)
Figure 2006241347

不活性雰囲気下で、1000mlの3つ口フラスコに脱水N,N−ジメチルホルムアミド350mlを入れ、化合物B5.2gを溶解した後、氷浴下でN−ブロモスクシンイミド3.5g/N,N−ジメチルホルムアミド溶液を滴下し、一昼夜反応させた。
反応液に水150mlを加え、析出した沈殿をろ過し、メタノール50mlで2回洗浄し白色の固体4.4gを得た。
合成例2
(化合物Dの合成)
Figure 2006241347

不活性雰囲気下、300ml三つ口フラスコに1‐ナフタレンボロン酸5.00g(29mmol)、2−ブロモベンズアルデヒド6.46g(35mmol)、炭酸カリウム10.0g(73mmol)、トルエン36ml、イオン交換水36mlを入れ、室温で撹拌しつつ20分間アルゴンバブリングした。続いてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム16.8mg(0.15mmol)を入れ、さらに室温で撹拌しつつ10分間アルゴンバブリングした。100℃に昇温し、25時間反応させた。室温まで冷却後、トルエンで有機層を抽出、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。トルエン:シクロヘキサン=1:2混合溶媒を展開溶媒としたシリカゲルカラムで生成することにより、化合物D5.18g(収率86%)を白色結晶として得た。
(化合物Eの合成)
Figure 2006241347

不活性雰囲気下で300mlの三つ口フラスコに化合物D 8.00g(34.4mmol)と脱水THF46mlを入れ、−78℃まで冷却した。続いてn−オクチルマグネシウムブロミド(1.0mol/lTHF溶液)52mlを30分かけて滴下した。滴下終了後0℃まで昇温し、1時間撹拌後、室温まで昇温して45分間撹拌した。氷浴して1N塩酸20mlを加えて反応を終了させ、酢酸エチルで有機層を抽出、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後トルエン:ヘキサン=10:1混合溶媒を展開溶媒とするシリカゲルカラムで精製することにより、化合物E7.64g(収率64%)を淡黄色のオイルとして得た。HPLC測定では2本のピークが見られたが、LC−MS測定では同一の質量数であることから、異性体の混合物であると判断した。
(化合物Fの合成)
Figure 2006241347

不活性雰囲気下、500ml三つ口フラスコに化合物E(異性体の混合物)5.00g(14.4mmol)と脱水ジクロロメタン74mlを入れ、室温で撹拌、溶解させた。続いて、三フッ化ホウ素のエーテラート錯体を室温で1時間かけて滴下し、滴下終了後室温で4時間撹拌した。撹拌しながらエタノール125mlをゆっくりと加え、発熱がおさまったらクロロホルムで有機層を抽出、2回水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去後、ヘキサンを展開溶媒とするシリカゲルカラムで精製することにより、化合物F3.22g(収率68%)を無色のオイルとして得た。
(化合物Gの合成)
Figure 2006241347

不活性雰囲気下200ml三つ口フラスコにイオン交換水20mlを入れ、撹拌しながら水酸化ナトリウム18.9g(0.47mol)を少量ずつ加え、溶解させた。水溶液が室温まで冷却した後、トルエン20ml、化合物F5.17g(15.7mmol)、臭化トリブチルアンモニウム1.52g(4.72mmol)を加え、50℃に昇温した。臭化n−オクチルを滴下し、滴下終了後50℃で9時間反応させた。反応終了後トルエンで有機層を抽出し、2回水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥した。ヘキサンを展開溶媒とするシリカゲルカラムで精製することにより、化合物G5.13g(収率74%)を黄色のオイルとして得た。
(化合物Hの合成)
Figure 2006241347

空気雰囲気下、50mlの三つ口フラスコに化合物G4.00g(9.08mmol)と酢酸:ジクロロメタン=1:1混合溶媒57mlを入れ、室温で撹拌、溶解させた。続いて三臭化ベンジルトリメチルアンモニウム7.79g(20.0mmol)を加えて撹拌しつつ、塩化亜鉛を三臭化ベンジルトリメチルアンモニウムが完溶するまで加えた。室温で20時間撹拌後、5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液10mlを加えて反応を停止し、クロロホルムで有機層を抽出、炭酸カリウム水溶液で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。ヘキサンを展開溶媒とするフラッシュカラムで2回精製した後、エタノール:ヘキサン=1:1、続いて10:1混合溶媒で再結晶することにより、化合物H4.13g(収率76%)を白色結晶として得た。
(化合物Iの合成)
Figure 2006241347

300mL4口丸底フラスコに、化合物H4.00g(6.6mmol)、4−メトキシフェニルボロン酸3.03g(19.9mmol)、炭酸カリウム3.30g(23.9mmol)、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム0.15g(0.1mmol)を仕込み、系内をアルゴンガス置換後、アルゴンガスで脱気したトルエン40.0g及び水40.0gを加え、アルゴンガス雰囲気下、100℃で9Hr加熱した。反応マスを冷却後、油層を分液し、減圧濃縮後、トルエンを展開溶媒とするシリカゲルカラムで精製し、溶出液を濃縮、真空乾燥して橙色油状物を取得した。再度、ヘキサン/酢酸エチル=5/1を展開溶媒とするシリカゲルカラムで精製し、溶出液を濃縮・真空乾燥して、化合物I 4.80g(見掛収率109%)を淡橙色油状物として取得した。
(化合物Jの合成)
Figure 2006241347

200mLナスフラスコに、化合物I 4.50g(6.6mmol)を仕込み、アルゴンガス置換後、脱水ジクロロメタン45.0gを加え、ドライアイス/メタノールバスで冷却した。1.0M 3臭化ホウ素(9.9mL9.9mmol)を20分かけて滴下し、そのまま10分攪拌した後、ドライアイス/メタノールバスをはずして室温で5Hr反応した。反応マスを氷冷水に注ぎ、クロロホルム60mLを加え抽出、分液し、油層を5wt%炭酸カリウム水溶液50mLで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒留去して取得した淡黄色油状物を ヘキサン/酢酸エチル=7/1を展開溶媒とするシリカゲルカラムで精製し、溶媒留去して真空乾燥することで、化合物J 3.50g(見掛収率85%)を淡黄色固体として取得した。
実施例1 (化合物Kの合成)
Figure 2006241347

500mLナスフラスコに、化合物J 3.40g(5.1mmol)、トリエチルアミン 1.54g(15.2mmol)を仕込み、アルゴンガス置換後、脱水ジクロロメタン 34.0gを加えドライアイス/メタノールバスで冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸無水物 3.15g(11.2mmol)を5分かけて滴下し、ドライアイス/メタノールバスをはずして室温で3Hr反応した。反応マスを、クロロホルム100g、水50gで抽出、分液し、水層を更にクロロホルム30g×3回で抽出し、油層を合わせて、水50mL×1回、5wt%炭酸カリウム50mL×2回で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒留去して取得した褐色油状物を、ヘキサンを展開溶媒とするシリカゲルカラムで精製し、留出液を溶媒留去後、ヘキサン再結晶を繰り返し、化合物K 3.54g(見掛収率78%)を無色固体として取得した。
MS(APPI(+)):(M) 888
H-NMR (300MHz、CDCl)
δ=0.57-1.31 (m, 30H), 2.05-2.15 (m, 4H), 7.37-7.79 (m, 13H), 7.92 (d, 1H), 8.42 (d, 1H), 8.85 (d, 1H)
実施例2 (高分子化合物1の合成)
化合物K(1.20g)、2,2’−ビピリジル(0.63g)を脱水したテトラヒドロフラン41mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。60℃まで昇温後、窒素雰囲気下において、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)}(1.11g)を加え、攪拌し、3時間反応させた。この反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水5mL/メタノール41mL/イオン交換水41mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。その後、トルエン60mLに溶解させてからろ過を行い、続いてアルミナカラムに通して精製した。次に5.2%塩酸水80mLを加え3時間攪拌した後に水層を除去した。続いて4%アンモニア水80mLを加え、2時間攪拌した後に水層を除去した。さらに有機層にイオン交換水約80mLを加え1時間攪拌した後、水層を除去した。得られた有機層にメタノール70mlを注加して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。得られた重合体(以後、高分子化合物1と呼ぶ)の収量は0.423gであった。ポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれMn=3.7x10、Mw=7.9x10であった。
実施例3 (高分子化合物2の合成)
化合物K(0.600g)、化合物C(0.499g)、2,2’−ビピリジル(0.63g)を窒素雰囲気下において、脱水したテトラヒドロフラン80mLに溶解した後、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)}(1.11g)を加え攪拌した。次に60℃まで昇温し、3時間反応させた。つづいてこの反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水5mL/メタノール80mL/イオン交換水80mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。その後、トルエン50mLに溶解させてからろ過を行い、続いてアルミナカラムに通して精製した。次に4%アンモニア水80mLを加え、2時間攪拌した後に水層を除去した。さらに有機層にイオン交換水約80mLを加え1時間攪拌した後、水層を除去した。有機層をメタノール127mlに注加して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。得られた共重合体(以後、高分子化合物2と呼ぶ)の収量は0.475gであった。ポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれMn=2.5x10、Mw=1.3x10であった。
比較例1 (高分子化合物3の合成)
化合物H(1.0g)及び2,2’−ビピリジル(0.78g)を脱水したテトラヒドロフラン15mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)}(1.4g)加え、60℃まで昇温し、攪拌しながら3時間反応させた。この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水3mL/メタノール約20mL/イオン交換水約20mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、その後、トルエン50mLに溶解させてからろ過を行い、ろ液をアルミナカラムを通して精製し、3時間攪拌した後に水層を除去した。次に4%アンモニア水約200mLを加え、2時間攪拌した後に水層を除去した。さらに有機層にイオン交換水約200mLを加え1時間攪拌した後、水層を除去した。有機層にメタノール10mlを加え、デカンテーションで析出した沈殿物を捕集し、トルエン20mlに溶かした後、これをメタノール約60mLに滴下して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。得られた共重合体(以後、高分子化合物3と呼ぶ)の収量は0.44gであった。ポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれMn=4.8x10、Mw=8.9x10であった。
比較例2 (高分子化合物4の合成)
化合物H(0.30g)、化合物C(0.40g)及び2,2’−ビピリジル(0.34g)を脱水したテトラヒドロフラン50mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)}(0.60g)を加え、60℃まで昇温し、攪拌しながら3時間反応させた。反応後、この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水5mL/メタノール50mL/イオン交換水50mL混合溶液中に滴下して攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、その後、トルエン50mLに溶解させてからろ過を行い、ろ液をアルミナカラムを通して精製し、トルエン層を、4%アンモニア水約50mLで2時間、さらにイオン交換水約50mLで洗浄した。有機層をメタノール約100mLに滴下して1時間攪拌し、ろ過して2時間減圧乾燥した。収量は0.30gであった。この重合体を高分子化合物4と呼ぶ。ポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれMn=1.3x10、Mw=6.4x10であった。
実施例4 (ガラス転移温度測定)
ガラス転移温度の測定は、DSC(DSC2920、TA Instruments製)により行った。サンプルを200℃で5分間保持した後、−50℃まで急冷して30分間保持した。30℃まで温度を上げた後、毎分5℃の昇温速度で300℃まで測定を行った。
得られたガラス転移点を表1に示す。本発明の高分子化合物1及び2はガラス転移温度が高く、耐熱性が向上していることがわかる。
実施例5 (蛍光特性評価)
蛍光特性の評価は、サンプルの0.8wt%トルエン溶液を調製し、石英板上にスピンコートして高分子化合物の薄膜を形成することにより得た試料を、蛍光分光光度計(JOBINYVON−SPEX社製 Fluorolog)を用い、励起波長350nmで測定することにより行った。表1に、得られた蛍光ピーク波長を示す。
Figure 2006241347
実施例6(EL発光素子)
溶液の調製
上記で得た高分子化合物1をトルエンに溶解し、ポリマー濃度1.0重量%のトルエン溶液を調製した。
EL素子の作製
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、BaytronP AI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより70nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、上記で得たトルエン溶液を用いて、スピンコートにより1400rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約78nmであった。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nm蒸着し、陰極としてカルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着してEL素子を作製した。なお真空度が1×10−4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。
EL素子の性能
得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から460nmにピークを有するEL発光が得られた。EL発光色をC.I.E.色座標値で示すとx=0.165、y=0.178であり、良好な青色を示した。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。また該素子は4.1Vから発光開始が見られた。
実施例7
溶液の調製
上記で得た高分子化合物2をトルエンに溶解し、ポリマー濃度1.5重量%のトルエン溶液を調製した。
EL素子の作製
上記で得たトルエン溶液を用いる以外は実施例5に記載の方法と全く同様にEL素子を作成した。なお、ポリマー溶液のスピンコートにおける回転数は600rpmであり、ポリマー膜の成膜後の膜厚は80nmであった。
EL素子の性能
得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から480nmにピークを有するEL発光が得られた。EL発光色をC.I.E.色座標値で示すとx=0.175、y=0.297であった。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。また該素子は3.5Vから発光開始が見られた。
実施例8
溶液の調製
上記で得た高分子化合物1を80重量%、高分子化合物2を20重量%の比率でトルエンに溶解し、ポリマー濃度2.0重量%のトルエン溶液を調製した。
EL素子の作製
上記で得たトルエン溶液を用いる以外は実施例5に記載の方法と全く同様にEL素子を作成した。なお、ポリマー溶液のスピンコートにおける回転数は1800rpmであり、ポリマー膜の成膜後の膜厚は97nmであった。
EL素子の性能
得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から480nmにピークを有するEL発光が得られた。EL発光色をC.I.E.色座標値で示すとx=0.169、y=0.288であった。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。また該素子は4.8Vから発光開始が見られた。
本発明の高分子化合物は、発光材料や電荷輸送材料として有用であり、耐熱性に優れる。したがって、本発明の高分子化合物を含む高分子LEDは、液晶ディスプレイのバックライト又は照明用としての曲面状や平面状の光源、セグメントタイプの表示素子、ドットマトリックスのフラットパネルディスプレイなどに使用できる。

Claims (33)

  1. 下記式(1)で表される繰返し単位を含むことを特徴とする高分子化合物。
    Figure 2006241347

    (式中、Xは3環以上の2価の縮合多環系芳香族炭化水素基又は3環以上の2価の縮合多環系複素環基を表す。Y及びYはそれぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基、2価の芳香族アミン残基又は金属錯体構造を有する2価の基を表す。n1及びn2はそれぞれ1〜6の整数を表し、Y及びYが複数ある場合は、同一でも異なっていてもよい。Xがフルオレン−ジイルの場合は、Y及びYの少なくとも一方がフェニレン基と異なり、Xがアントラセン−ジイル又はカルバゾール−ジイルの場合は、Y及びYの少なくとも一方がアリーレン基である。)
  2. 上記式(1)で表される繰返し単位が下記式(2)で表される請求項1に記載の高分子化合物。
    Figure 2006241347

    (式中、Y、Y、n1及びn2は上記と同じ意味を表す。A環及びB環はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環又は複素環を表す。ZはA環とB環とに結合し、5員環、6員環又は7員環を形成する2価の基を表す。A環とB環とZの組み合わせで構成される芳香族炭化水素環がフルオレン−ジイルの場合は、Y及びYの少なくとも一方がフェニレン基と異なり、カルバゾール−ジイルの場合はY及びYの少なくとも一方がアリーレン基である。)
  3. 上記式(2)で示される繰り返し単位が下記式(3)で表され、ポリスチレン換算の数平均分子量が10〜10である請求項2に記載の高分子化合物。
    Figure 2006241347

    (式中、A環及びB環はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環又は複素環を表し、2つの結合手はそれぞれA環及び/又はB環上に存在し、Zは、−C(R)−、−N(R)−、−S−、−O−、−Si(Rwwxx)−、−C(=O)−、−C(R)−O−、−C(R)−C(R)−、及び−C(R)=C(R)−からなる群から選ばれる1つを表し、R、R、R、Rww、Rxx、R、R、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、RとR、RwwとRxx、RとR、及び/又はRとRがそれぞれ互いに結合して環を形成していてもよく、RとRとRとRの組み合わせの中で互いに結合して環を形成していてもよい。Ar1a及びAr2aは、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基、又は2価の芳香族アミン残基を表し、これらの骨格上に置換基を有していてもよく、Ar1a及びAr2aがそれぞれ複数個存在する場合それらは同一でも異なっていてもよい。aa及びbbは、それぞれ1〜6の整数を表す。A環とB環の組み合わせがベンゼン環とベンゼン環の組み合わせの場合、Zが−C(R)−のときは、Ar1a及びAr2aの少なくとも一方がフェニレン基と異なり、Zが−N(R)−のときは、Ar1a及びAr2aの少なくとも一方がアリーレン基である。)
  4. 環とB環との組み合わせとして、ベンゼン環とベンゼン環、ベンゼン環とナフタレン環、ベンゼン環とアントラセン環、ベンゼン環とフェナントレン環、ナフタレン環とナフタレン環、ナフタレン環とアントラセン環、ナフタレン環とフェナントレン環、アントラセン環とアントラセン環、アントラセン環とフェナントレン環、及びフェナントレン環とフェナントレン環の組み合わせからなる群から選ばれる1つの組み合わせである請求項3に記載の高分子化合物。
  5. 環とB環との組み合わせとして、ベンゼン環とベンゼン環、ベンゼン環とナフタレン環、又はナフタレン環とナフタレン環である請求項4に記載の高分子化合物。
  6. 上記式(3)の繰り返し単位が下記式(1−1)、(1−2)、(1−3)又は(1−4)で示される構造である請求項5に記載の高分子化合物。
    Figure 2006241347

    (式中、Z、Ar1a、Ar2a、aa及びbbは上記と同じ意味を表す。Rp1、Rq1、Rp2、Rq2、Rp3、Rq3、Rp4及びRq4はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる1つを表す。aは0〜3の整数を表し、bは0〜5の整数を表す。Rp1、Rq1、Rp2、Rq2、Rp3、Rq3、Rp4及びRq4が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、Rp1とRq1、Rp2とRq2、Rp3とRq3、Rp4とRq4はそれぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。)
  7. Ar1a及びAr2aが、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいベンゼン、置換基を有していてもよいナフタレン、置換基を有していてもよいアントラセン、置換基を有していてもよいチオフェン、置換基を有していてもよいフラン、置換基を有していてもよいピリジン、置換基を有していてもよいキノキサリン、置換基を有していてもよいイミダゾール、置換基を有していてもよいチアジアゾール、置換基を有していてもよいトリフェニルアミン、置換基を有していてもよいN,N’−ビス(ジフェニル)−フェニレンジアミン及び置換基を有していてもよいN,N’−ジフェニル−ベンジジンから選ばれる化合物の芳香環又は複素環から2個の水素原子を除いて得られる残基である請求項6に記載の高分子化合物。
  8. 上記式(3)が下記式(1−1−1)、(1−2−1)、(1−3−1)又は(1−4−1)で示される構造である請求項6記載の高分子化合物。
    Figure 2006241347

    (式中、Rp1、Rq1、Rp2、Rq2、Rp3、Rq3、Rp4、Rq4、a及びbは上記と同じ意味を表す。Ry1、Rz1、Ry2、Rz2、Ry3、Rz3、Ry4及びRz4はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる1つを表し、Ry1とRz1、Ry2とRz2、Ry3とRz3、Ry4とRz4はそれぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。Rr’1、Rs’1、Rr’2、Rs’2、Rr’3、Rs’3、Rr’4及びRs’4はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、又はアルキルチオ基を表す。a’及びb’はそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、Rr’1、Rs’1、Rr’2、Rs’2、Rr’3、Rs’3、Rr’4及びRs’4が複数存在する時、それぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。)
  9. 上記式(1)で表される繰返し単位に加え、さらに、下記式(6)、式(7)、式(8)又は式(9)で示される繰り返し単位を含む請求項1〜8のいずれか一項に記載の高分子化合物。
    −Ar− (6)
    −(Ar−X−Ar− (7)
    −Ar−X− (8)
    −X− (9)
    (式中、Ar、Ar、Ar及びArはそれぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基又は金属錯体構造を有する2価の基を表す。X、X及びXはそれぞれ独立に、−CR=CR10−、−C≡C−、−N(R11)−、又は−(SiR1213m−を表す。R及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる1つを表す。R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、アリールアルキル基及び置換アミノ基からなる群から選ばれる1つを示す。kは1又は2を表す。mは1〜12の整数を表す。R、R10、R11、R12及びR13がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
  10. 上記式(6)で表される繰り返し単位が、下記式(10)、(11)、(12)、(13)、(14)又は(15)で表される繰り返し単位である請求項9に記載の高分子化合物。
    Figure 2006241347

    (式中、R14は、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる1つを表す。nは0〜4の整数を表す。R14が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
    Figure 2006241347

    (式中、R15及びR16は、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる1つを表す。o及びpはそれぞれ独立に0〜3の整数を表す。R15及びR16がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
    Figure 2006241347

    (式中、R17及びR20は、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる1つを表す。q及びrはそれぞれ独立に0〜4の整数を表す。R18及びR19は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる1つを表す。R17及びR20がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
    Figure 2006241347

    (式中、R21は、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる1つを表す。sは0〜2の整数を表す。Ar13及びAr14はそれぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基又は金属錯体構造を有する2価の基を表す。ss及びttはそれぞれ独立に0又は1を表す。Xは、O、S、SO、SO、Se、Te、及び−CR34=CR35−からなる群から選ばれる1つを表す。R34及びR35は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる1つを表す。R21が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
    Figure 2006241347

    (式中、R22及びR23は、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる1つを表す。t及びuはそれぞれ独立に0〜4の整数を表す。Xは、O、S、SO、Se,Te、N−R24、及びSiR2526からなる群から選ばれる1つを表す。X及びXは、それぞれ独立にN又はC−R27を表す。R24、R25、R26及びR27はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び1価の複素環基からなる群から選ばれる1つを表す。R22、R23及びR27がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
    Figure 2006241347

    (式中、R28及びR33は、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる1つを表す。v及びwはそれぞれ独立に0〜4の整数を表す。R29、R30、R31及びR32は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる1つを表す。Arはアリーレン基、2価の複素環基又は金属錯体構造を有する2価の基を表す。R28及びR33がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。)
  11. 上記式(7)で表される繰り返し単位が、下記式(16)で示される繰り返し単位である請求項9に記載の高分子化合物。
    Figure 2006241347

    (式中、Ar、Ar、Ar及びArはそれぞれ独立にアリーレン基、又は2価の複素環基を表す。Ar10、Ar11及びAr12はそれぞれ独立にアリール基、又は1価の複素環基を表す。Ar、Ar、Ar、Ar、及びAr10は置換基を有していてもよい。x及びyはそれぞれ独立に0又は正の整数を表す。)
  12. 上記式(16)で表される繰り返し単位において、x+y=1であり、かつAr10、Ar11及びAr12が、それぞれ独立に下記式(16−1)で表される基から選ばれる請求項11に記載の高分子化合物。
    Figure 2006241347

    (式中、Re、Rf及びRgは、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、1価の複素環基及びハロゲン原子からなる群から選ばれる1つを表す。)
  13. 下記式(4)で表される化合物を重合して得られる請求項1に記載の高分子化合物。
    Figure 2006241347

    (式中、X、Y、Y、n1及びn2は上記と同じ意味を表す。W及びWは、それぞれ独立に重合に関与する置換基を表す。)
  14. 式(3-1)
    Figure 2006241347

    (式中、A、B、Z、Ar1a、Ar2a、aa及びbbはそれぞれ上記と同じ意味を表す。W及びWはそれぞれ独立に縮合重合に関与する置換基を表し、それぞれAr1a及びAr2aに結合している。)で示される化合物を原料の一つとして用いて縮合重合させることを含む請求項1〜12のいずれか一項に記載の高分子化合物の製造方法。
  15. 式(3-1)が式(14−1)、(14−2)、(14−3)又は(14−4)
    Figure 2006241347

    (式中、Rr’1、Rs’1、Rr’2、Rs’2、Rr’3、Rs’3、Rr’4、Rs’4、Ry1、Rz1、Ry2、Rz2、Ry3、Rz3、Ry4、Rz4、a、b、a’及びb’は、上記と同じ意味を表す。Rr1、Rs1、Rr2、Rs2、Rr3、Rs3、Rr4及びRs4はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基及びシアノ基からなる群から選ばれる1つを表す。Rr1、Rs1、Rr2、Rs2、Rr3、Rs3、Rr4及びRs4がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Yt1、Yu1、Yt2、Yu2、Yt3、Yu3、Yt4及びYu4はそれぞれ独立に縮合重合に関与する置換基を表す。)である請求項14記載の製造方法。
  16. 上記式(3−1)で示される化合物に加えて、下記式(17)〜(20)のいずれかで示される化合物を原料として用いて縮合重合を行う請求項14又は15に記載の製造方法。
    −Ar−Y (17)
    −(Ar−X−Ar−Y (18)
    −Ar−X−Y10 (19)
    11−X−Y12 (20)
    (式中、Ar、Ar、Ar、Ar、k、X、X及びXは前記と同じ意味を表す。Y、Y、Y、Y、Y、Y10、Y11及びY12はそれぞれ独立に縮合重合に関与する置換基を表す。)
  17. 縮合重合に関与する置換基がそれぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基及びアリールアルキルスルホネート基からなる群から選ばれ、0価ニッケル錯体の存在下で縮合重合を行う請求項14〜16のいずれか一項に記載の製造方法。
  18. 縮合重合に関与する置換基がそれぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基、アリールアルキルスルホネート基、−B(OH)、及びホウ酸エステル基からなる群から選ばれ、全原料化合物が有するハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基及びアリールアルキルスルホネート基のモル数の合計と、−B(OH)及びホウ酸エステル基のモル数の合計の比が実質的に1であり、ニッケル又はパラジウム触媒を用いて縮合重合を行う請求項14〜16のいずれか一項に記載の製造方法。
  19. 上記式(14−1)、(14−2)、(14−3)又は(14−4)で示される化合物。
  20. 正孔輸送材料、電子輸送材料及び発光材料からなる群から選ばれる少なくとも1種類の材料と請求項1〜12のいずれか一項に記載の高分子化合物とを含有することを特徴とする高分子組成物。
  21. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の高分子化合物を2種類以上含有することを特徴とする高分子組成物。
  22. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の高分子化合物を含有することを特徴とするインク組成物。
  23. 粘度が25℃において1〜20mPa・sである請求項22記載のインク組成物。
  24. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の高分子化合物を含有する発光性薄膜。
  25. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の高分子化合物を含有する導電性薄膜。
  26. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の高分子化合物を含有する有機半導体薄膜。
  27. 陽極及び陰極からなる電極間に、有機層を有し、該有機層が請求項1〜12のいずれか一項に記載の高分子化合物、又は請求項20〜21のいずれか一項に記載の高分子組成物を含むことを特徴とする高分子発光素子。
  28. 有機層が発光層である請求項27記載の高分子発光素子。
  29. 発光層がさらに正孔輸送材料、電子輸送材料又は発光材料を含む請求項27記載の高分子発光素子。
  30. 請求項27〜29のいずれか一項に記載の高分子発光素子を用いたことを特徴とする面状光源。
  31. 請求項27〜29のいずれか一項に記載の高分子発光素子を用いたことを特徴とするセグメント表示装置。
  32. 請求項27〜29のいずれか一項に記載の高分子発光素子を用いたことを特徴とするドットマトリックス表示装置。
  33. 請求項27〜29のいずれか一項に記載の高分子発光素子をバックライトとすることを特徴とする液晶表示装置。
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