JP2006240930A - 光ファイバ線引炉及び光ファイバの線引方法 - Google Patents

光ファイバ線引炉及び光ファイバの線引方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 光ファイバ母材、光ファイバ、炉心管、及び排気経路にダストが付着するおそれのない光ファイバ線引炉を提供するものである。
【解決手段】 本発明に係る光ファイバ線引炉10は、炉心13内を不活性ガスG1,G2でパージしつつ、炉心13内で加熱溶融させた光ファイバ母材Pを線引きするものであり、
炉心13を形成する炉心管11と、
炉心管11内下部に設けられるインナー炉心管12と、
炉心管11とインナー炉心管12の間隙を塞ぐように設けられ、断熱材で構成される排気経路形成部材20とを備え、
排気経路形成部材20は炉心13内をパージした不活性ガスG1,G2を炉心管11外に排気する排気経路23を有するものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光ファイバ線引炉及び光ファイバの線引方法に係り、特に、大型で、長尺の光ファイバ母材を用いる光ファイバ線引炉及び光ファイバの線引方法に関するものである。
一般に、光ファイバは、図4に示すような製造装置を用いて製造される。この製造装置は、先ず、線引炉40において、光ファイバ母材101を加熱、溶融させた後、垂直下方に線引きを行うことで、炉下出口55から光ファイバ102が引き出される。線引炉40は、主に、光ファイバ母材101が収容される炉心管51と、光ファイバ母材101を加熱し、溶融させるヒータ54と、引き出された光ファイバ102が通されるインナー炉心管52とで構成される。炉心管51の内部空間により炉心53が形成される。
引き出された光ファイバ102は、外径測定器43で外径の測定がなされた後、冷却管44内で冷却ガスが吹き付けられて冷却される。その後、コーティング器45において光ファイバ102の周りに樹脂(例えば、紫外線硬化樹脂)を被覆した後、その光ファイバ102を樹脂硬化炉46内に通すことで、樹脂が硬化される。これによって、光ファイバ素線103が得られる。この冷却、樹脂被覆、及び樹脂硬化のステップは、適宜、繰り返し行われる。その後、光ファイバ素線103は、ターンプーリ47により走行方向が転換され、引取キャプスタン48を経て巻取器49に巻き取られる。
線引炉40は、石英ベースの光ファイバ母材101を2000℃程度に加熱する必要があることから、炉心管51及びインナー炉心管52の材質として、一般に、高純度カーボンやジルコニアなどのセラミックスが用いられる。
高純度カーボン製の炉心管51及びインナー炉心管52を備えた線引炉を用いて光ファイバの製造を行う場合、炉心53内での炉心管51及びインナー炉心管52の酸化を防ぐために、炉心53内に供給した不活性ガスにより、炉心53内のパージがなされる。この時、不活性ガスの流れ方向により、線引炉は、図5に示すように、不活性ガスGが上向きに流れるアップフロータイプと、図6に示すように、不活性ガスGが下向きに流れるダウンフロータイプに大別される。
アップフロータイプの場合、炉心管51の上部に、光ファイバ母材101よりもやや大径の縮径部(フランジ付き円筒部材)57が設けられる。不活性ガスGは、線引炉の下方に設けたガス導入口58から導入され、炉心53内を上向きに流れた後、光ファイバ母材101と縮径部57の隙間(以下、上部隙間という)から炉心53外へ排気される。線引炉の上方には、炉心53内における不活性ガスGの圧力を調整するためのバルブ59aを備えた排気口59が適宜設けられる。
一方、ダウンフロータイプの場合、炉心管51の上部に、光ファイバ母材101とほぼ同径の穴を有する円環状の耐熱封止部材67が設けられる。不活性ガスGは、線引炉の上方に設けたガス導入口68から導入され、炉心53内を下向きに流れた後、光ファイバ102と炉下出口55の隙間(以下、下部隙間という)から炉心53外へ排気される。線引炉の下方には、炉心53内における不活性ガスGの圧力を調整するためのバルブ69aを備えた排気口69が適宜設けられる。
また、アップフロータイプとダウンフロータイプを組み合わせた構造(以下、複合タイプという)の線引炉がある(例えば、特許文献1,2参照)。特許文献1記載の線引炉は、炉心管(外側炉心管)の内部に、上部インナー炉心管及び下部インナー炉心管を有する。この線引炉の下方から供給された不活性ガスは、下部インナー炉心管、上部インナー炉心管を経て線引炉上方から排気される。また、線引炉の上方から供給された不活性ガスは、外側炉心管と上部インナー炉心管の間の空間及び外側炉心管と下部インナー炉心管の間の空間を経て線引炉下方から排気される。
特開平5−279070号公報 特開2003−206155号公報
従来の、アップフロータイプ、ダウンフロータイプ、及び複合タイプの線引炉は、いずれも炉心管及び排気経路におけるダスト付着について考慮されていなかった。近年においては、光ファイバのコストダウンを図るべく、光ファイバ母材の大型化(大径化)、長尺化が進んでいる。これに伴って、光ファイバ母材の加熱、溶融時に発生するダスト量、炉心管及び排気経路に付着する光ファイバ母材1本当たりのダスト量が増加する傾向にある。その結果、炉心管及び排気経路に付着したダストが無視できなくなっている。炉心管及び排気経路に付着したダストは、炉心管の寿命低下、炉心内の温度分布の不均一化、炉心内の内圧の変動及び不安定化、排気詰まりによるダスト逆流などの悪影響をもたらすという問題があった。
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、光ファイバ母材、光ファイバ、炉心管、及び排気経路にダストが付着するおそれのない光ファイバ線引炉及び光ファイバの線引方法を提供することにある。
上記目的を達成すべく本発明に係る光ファイバ線引炉は、炉心内を不活性ガスでパージしつつ、炉心内で加熱溶融させた光ファイバ母材を線引きする光ファイバ線引炉において、
上記炉心を形成する炉心管と、
該炉心管内下部に設けられるインナー炉心管と、
該炉心管と該インナー炉心管の間隙を塞ぐように設けられ、断熱材で構成される排気経路形成部材とを備え、
該排気経路形成部材は炉心内をパージした上記不活性ガスを炉心管外に排気する排気経路を有するものである。
ここで、排気経路形成部材は厚肉管で構成され、その厚肉本体部に、炉心管の内部と外部を連通する排気経路を少なくとも1本設けるようにしてもよい。また、排気経路形成部材は、円環状のフランジ部と少なくとも1本の管部で構成され、フランジ部に管部の数と同数の貫通穴を設け、かつ、その貫通穴と管部内部の穴を連通させるようにしてもよい。さらに、排気経路形成部材を構成する断熱材は、カーボン断熱材であることが好ましい。
一方、本発明に係る光ファイバの線引方法は、炉心内を不活性ガスでパージしつつ、炉心内で加熱溶融させた光ファイバ母材を線引きする光ファイバの線引方法において、
上記炉心を形成する炉心管内下部にインナー炉心管を設け、該炉心管と該インナー炉心管の間隙を塞ぐように、断熱材で構成される排気経路形成部材を設けてなる線引炉を用い、上記光ファイバ母材を加熱、溶融させて線引きする際、
線引炉上方より炉心管内部に不活性ガスを供給すると共に、線引炉下方よりインナー炉心管を通じて炉心管内部に不活性ガスを供給し、炉心管内部に供給された両不活性ガスを、上記排気経路形成部材を介して炉心管外に排気するものである。
本発明によれば、炉心管及び排気経路にダストが付着するおそれがないという優れた効果を発揮する。
以下、本発明の好適一実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
本発明の好適一実施の形態に係る光ファイバ線引炉の構造概略図を図1に示す。
図1に示すように、本実施の形態に係る光ファイバ線引炉10は、炉心13内で加熱溶融させた光ファイバ母材Pを、矢印A2の方向(図1中では下方向)に線引きして光ファイバOFを作製するものである。この光ファイバ線引炉10は、主に、炉心管11、炉殻16、インナー炉心管12で構成される。
炉心管11は上下に開口端を有する管材で構成され、上部開口端に、ロッドRを有する光ファイバ母材Pの長手方向の一部が収容される。炉心管11の内部空間が炉心13を形成する。ロッドRは矢印A1の方向(図1中では上下方向)に移動自在に設けられる。
この炉心管11を取り囲むように炉殻16が設けられる。この炉殻16内には、光ファイバ母材Pを加熱し、溶融させるためのヒータ(加熱手段)14が設けられる。このヒータ14は、炉心管11の長さ方向(図1中では上下方向)中央部付近を取り囲むように配置される。炉殻16は水冷構造となっており、炉殻16の上面壁16a及び下面壁16bには、冷却水Wを循環供給させる冷却水循環手段(図示せず)が接続される。これによって、炉殻16が水冷され、炉殻16の過熱が防止される。
インナー炉心管12は炉心管11よりも小径の管材で構成され、炉心管11の下部開口端に、インナー炉心管12の長手方向の少なくとも一部が挿入して設けられる。インナー炉心管12の下端には、適宜、インナー炉心管12の内径と同径の金属製(例えば、ステンレス鋼製)管材71を接続してもよい。勿論、管材71を接続する代わりに、インナー炉心管12を長尺に形成してもよい。
光ファイバ線引炉10の上部には第1不活性ガス供給手段72が設けられる。より具体的には、炉殻16の上面壁16aに当接させて、炉心管11を取り囲むように円筒部材73が設けられる。この円筒部材73は、円筒部73aと、円筒部73aの非上面壁側端に形成されるフランジ部73bで構成される。円筒部73aに形成した貫通穴73cにガスタンクを備えた第1ガス供給ライン(図示せず)が接続される。フランジ部73bの上部に、光ファイバ母材Pとほぼ同径の穴を有する円環状の耐熱封止部材78が設けられる。耐熱封止部材78は、例えば、光ファイバ母材Pの外径に応じて穴の大きさが縮・拡径自在に調整される。または、穴の大きさの異なる耐熱封止部材78を予め複数個用意しておき、光ファイバ母材Pの外径に応じて使い分けるようにしてもよい。この耐熱封止部材78によって、光ファイバ母材Pと線引炉本体のシールがなされる。
また、光ファイバ線引炉10の下部には第2不活性ガス供給手段75が設けられる。より具体的には、管材71の下端にディスク材76が接続される。このディスク材76の上面中央部には管材71の内径と同径の穴76aが設けられる。この穴76aの中央底部にはより小径の貫通穴76bが設けられ、この貫通穴76bが炉下出口15を形成する。貫通穴76bの径は、光ファイバOFの外径よりもやや大きい程度とされる。ディスク材76の周面には穴76aと周面を連通する貫通穴76cが形成され、この貫通穴76cにガスタンクを備えた第2ガス供給ライン(図示せず)が接続される。
インナー炉心管12の炉心管側端(図1中では上端)の周りには排気経路形成部材20が装着され、これによって、炉心管11とインナー炉心管12の間隙が塞がれる。排気経路形成部材20は、断熱材で構成されている。断熱材は、熱のやり取りが少ない、熱を伝えにくい材料であり、例えば、内部に空気を含有している。ここで、炉殻16の下面壁16bと排気経路形成部材20の下端は面一に形成することが好ましい。
図2に示すように、排気経路形成部材20は厚肉管で構成されるものであり、その中央部の穴21にインナー炉心管12が嵌入される。また、排気経路形成部材20は、炉心管11の内部と外部を連通させるために、厚肉本体部22の上端面と下端面を連絡する排気経路23を備える。排気経路23は、厚肉本体部22の長手方向(図2中では上下方向)に沿って、かつ、周方向に所定の間隔で複数本(図2中では等間隔で6本を図示)設けられる。
炉殻16の下面壁16bに当接させて、インナー炉心管12及び排気経路形成部材20を取り囲むように排気炉殻17が設けられる。排気炉殻17とインナー炉心管12で囲まれた空間が排気小室18を形成する。この排気小室18は、排気経路形成部材20の排気経路23を介して炉心13と連絡され、また、排気炉殻17の貫通穴17aに接続された排気ライン19と連絡される。排気小室18の容積は、排気経路形成部材20における全排気経路23の容積よりも大容積に形成される。排気ライン19は、内圧を制御するためのバルブ(図示せず)を備えていてもよい。
排気経路形成部材20を構成する断熱材としては、炉心13内で使用可能な材料、すなわち約2000℃の高温に耐え得る耐熱性を有した材料であれば特に限定するものではなく、例えば、断熱性及び耐熱性がともに良好なカーボン断熱材(発泡炭素)が挙げられる。
炉心管11及びインナー炉心管12の構成材としては、高純度カーボンやジルコニアなどのセラミックスが挙げられる。
両不活性ガスG1,G2としては、拡散係数が大きいHeガスが好ましいが、特にこれに限定するものではなく、ArガスやN2ガスであってもよい。また、両不活性ガスG1,G2は、同種又は異種のいずれであってもよい。
尚、本実施の形態においては、排気経路形成部材20が一体型の場合を例に挙げて説明を行ったが、特にこれに限定するものではない。例えば、図3に示すように、排気経路形成部材30は、円環状のフランジ部32と少なくとも1本の管部35で構成される別体型であってもよい。フランジ部32には、管部35の数と同数の貫通穴34が、周方向に所定の間隔で複数個(図3中では等間隔で6個を図示)設けられる。フランジ部32と各管部35は、各貫通穴34と各管部35の穴36が連通するように接続される。または、フランジ部32と各管部34の接続は、フランジ部32の各貫通穴34に各管部35を嵌入させてもよい。貫通穴34及び穴36が排気経路23を形成する。排気経路形成部材30のフランジ部32及び管部35は全て断熱材で構成されるが、これに限定されるものではなく、フランジ部32の貫通穴34及び各管部35の穴36の少なくとも表面に断熱層を有する排気経路形成部材30であってもよい。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
光ファイバ線引炉10の炉心13がヒータ14によって加熱される。光ファイバ線引炉10の上方からは、第1不活性ガス供給手段72を介して不活性ガスG1が供給される。また、光ファイバ線引炉10の下方からは、第2不活性ガス供給手段75を介して不活性ガスG2が供給される。
光ファイバ母材Pがヒータ14の加熱により溶融され、光ファイバOFが線引きされる。ここで、線引炉の上方は、光ファイバ線引炉10と光ファイバ母材Pの間隙が耐熱封止部材78でほぼ完全にシールされている。また、光ファイバ線引炉10の下方は、炉下出口15と光ファイバOFの間が開放されているものの、その間隙は非常に小さい。よって、不活性ガスG1のほぼ全量は、炉心管11と光ファイバ母材Pの間隙を介して炉心13内部へと導かれる。また、不活性ガスG2の大部分は、インナー炉心管12と光ファイバOFの間隙を介して炉心13内部へと導かれる。
図5に示したアップフロータイプの線引炉と同様に、インナー炉心管12の下方から供給された不活性ガスG2は、インナー炉心管12内を上側に向かって流れると共に、インナー炉心管12の上端から炉心13内に噴き出される。これによって、インナー炉心管12内のパージが行われる。また、図6に示したダウンフロータイプの線引炉と同様に、炉心管11の上端側から炉心13内に供給された不活性ガスG1は、炉心管11と光ファイバ母材Pの間隙を通じて下側に向かって流れ、これによって、炉心13内のパージが行われる。
パージ後の両不活性ガスG1,G2は、炉心13内がほぼ気密に保たれていることから、炉心13の中央付近まで達した後、圧力がより低い方へと流れる。ここで、炉心13内に臨んで配置される排気経路形成部材20の後流側には排気小室18が形成されているが、この排気小室18は、排気経路23よりも大容積に、かつ、炉心13内よりも低圧に保たれている。よって、両不活性ガスG1,G2は、排気経路形成部材20を介して排気小室18、排気ライン19へと流れ、炉心13内に滞留することなく速やかに排気される。その結果、両不活性ガスG1,G2が逆流することはなく、高温の光ファイバOFは、常にクリーンなアップフローの不活性ガスG2と接触され、また、光ファイバ母材Pは、常にクリーンなダウンフローの不活性ガスG1と接触される。
両不活性ガスG1,G2が排気小室18へと流れる際、排気経路形成部材が設けられていない場合(炉心管11とインナー炉心管12の間隙を直接通過させる場合)だと、炉殻16の上面壁16a及び下面壁16bはウォータジャケット構造となっていることから、下面壁16b近傍において両不活性ガスG1,G2が急激に冷却される。その結果、炉心管11の下部内周面及びインナー炉心管12の上部外周面にダストが多量に付着する。そこで、本実施の形態に係る光ファイバ線引炉10では、炉心管11とインナー炉心管12の間隙に排気経路形成部材20を設けている。排気経路形成部材20は、断熱性及び耐熱性に優れたカーボン断熱材で構成されていることから、両不活性ガスG1,G2と排気経路23の間で熱のやり取りはほとんど生じない。よって、ガス状のダストを含んだ両不活性ガスG1,G2が排気経路形成部材20の排気経路23を通過する際、両不活性ガスG1,G2が急激に冷却されることはない。
その結果、両不活性ガスG1,G2は、高温状態を保ったまま排気経路23を通過するため、排気経路23にダストが付着するおそれはない。排気経路23を通過した両不活性ガスG1,G2は、炉心13内部と比べて低温な排気小室18内で冷却される。この冷却によって、両不活性ガスG1,G2中に含まれるガス状のダストが固化し、排気小室18に付着(固着)する。
以上より、本実施の形態に係る光ファイバ線引炉10によれば、光ファイバ母材P及び光ファイバOFにダストが付着することはほとんどない。よって、線引きによって得られた光ファイバOFは、ダストがほとんど付着していないことから非常に強度の高いものとなり、線引きの途中で断線するおそれはほとんどない。その結果、長尺の光ファイバOFを得ることができる。
また、本実施の形態に係る光ファイバ線引炉10によれば、光ファイバ母材P及び光ファイバOFのみならず、炉心管11及び排気経路形成部材20の排気経路23にもダストが付着することはほとんどない。これは、大型、長尺の光ファイバ母材Pを用いて光ファイバOFの線引きを行った場合も同様である。よって、炉心管11の寿命向上、炉心13内の温度分布の均一化、及び炉心13内の内圧変動の抑制を図ることができる。また、排気経路23がダストによる排気詰まりを起こすおそれはないことから、炉心13内にダストが逆流するおそれもない。
また、排気小室18の内面、または排気小室18と排気ライン19の両内面にも断熱層を適宜コーティングすることで、排気経路の任意の位置(所望の位置)にダストを固着させることができる。排気経路の任意の位置を、メンテナンスの際のアクセスが容易な位置に設定しておけば、経時運転に伴ってダストが固着した任意の位置の排気経路のみを、容易に、交換、補修することができる。よって、長時間にわたって線引きを行っても、光ファイバ線引炉10において、ダスト付着に伴う種々のトラブルが発生するのを防ぐことができる。
また、図2に示した構造の排気経路形成部材20の代わりに、図3に示した構造の排気経路形成部材30を用いることで、排気経路形成部材の製造工程がやや複雑になるものの、高価なカーボン断熱材の使用量を減らすことができ、原料コストの低減を図ることができる。また、排気経路形成部材と、炉心管11及びインナー炉心管12の各接触面積は、排気経路形成部材30の方が排気経路形成部材20よりも小さい。このため、排気経路形成部材30は、排気経路形成部材20よりも断熱性、すなわち、排気経路23を通過する両不活性ガスG1,G2の保温効果に優れている。
以上、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、他にも種々のものが想定されることは言うまでもない。
次に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
図2に示した構造を有する3種類の排気経路形成部材を作製した。各排気経路形成部材は、構成材料が異なっており、それぞれカーボン断熱材製(試料1)、カーボン材製(試料2)、石英ガラス製(試料3)の3種類とした。試料1〜3の各排気経路形成部材を図1に示した線引炉に適用し、光ファイバの線引きを行った。
その結果、試料1の排気経路形成部材を用いた場合、排気経路にダスト付着は生じなかった。これに対して、試料2,3の排気経路形成部材を用いた場合、それぞれ排気経路にダスト付着が生じた。
以上より、断熱材で構成される排気経路形成部材を用いた本発明に係る線引炉においては、炉心管及びインナー炉心管は勿論のこと、排気経路にもダストの付着がないことが確認できた。
図1に示した構造を有する線引炉を用い、光ファイバの線引きを行った。光ファイバ母材としては、外径が110〜120mm、長さが1200mmで、1本当たり1000kmの長さの光ファイバを得ることができる大径のものを用いた。また、炉心管の内径は130mm、インナー炉心管の内径は40mmとした。さらに、排気経路形成部材としては、図2に示した構造のものを用い、カーボン断熱材製、高さは150mmとした。不活性ガスは、ともにHeガスを用いた。
光ファイバを1000km線引きした後、すぐに次の光ファイバ母材を線引炉にセットし、連続して光ファイバの線引きを行った。この線引工程を繰り返し、全体で5000kmの線引きを行った。
線引終了後、線引炉の内部を観察した。その結果、炉心管、インナー炉心管、光ファイバ母材、及び排気経路形成部材の排気経路において、ダストの付着は全く観察されなかった。
また、5000kmの長さの光ファイバに対してプルーフ試験を施し、光ファイバの強度を調べた。その結果、光ファイバの断線箇所は9箇所であり、平均通過長が500kmと長尺な光ファイバを得ることができた。
以上より、本発明に係る線引炉を用いて光ファイバの線引きを行うことで、線引炉における不活性ガスが流れる流路全体でダストの付着は全くなく、かつ、線引きによって得られた光ファイバにもダストの付着がほとんどないことが確認できた。
本発明の好適一実施の形態に係る光ファイバ線引炉の構造概略図である。 図1における排気経路形成部材の拡大斜視図である。 図2の排気経路形成部材の一変形例である。 光ファイバ製造装置の全体模式図である。 従来の光ファイバ線引炉の一例を示す構造概略図である。 従来の光ファイバ線引炉の他の例を示す構造概略図である。
符号の説明
10 光ファイバ線引炉
11 炉心管
12 インナー炉心管
13 炉心
20 排気経路形成部材
23 排気経路
P 光ファイバ母材
G1,G2 不活性ガス

Claims (5)

  1. 炉心内を不活性ガスでパージしつつ、炉心内で加熱溶融させた光ファイバ母材を線引きする光ファイバ線引炉において、
    上記炉心を形成する炉心管と、
    該炉心管内下部に設けられるインナー炉心管と、
    該炉心管と該インナー炉心管の間隙を塞ぐように設けられ、断熱材で構成される排気経路形成部材とを備え、
    該排気経路形成部材は炉心内をパージした上記不活性ガスを炉心管外に排気する排気経路を有することを特徴とする光ファイバ線引炉。
  2. 上記排気経路形成部材が厚肉管で構成され、その厚肉本体部に、上記炉心管の内部と外部を連通する排気経路を少なくとも1本設けた請求項1記載の光ファイバ線引炉。
  3. 上記排気経路形成部材が、円環状のフランジ部と少なくとも1本の管部で構成され、フランジ部に管部の数と同数の貫通穴を設け、かつ、その貫通穴と管部内部の穴を連通させた請求項1記載の光ファイバ線引炉。
  4. 上記断熱材がカーボン断熱材である請求項1から3いずれかに記載の光ファイバ線引炉。
  5. 炉心内を不活性ガスでパージしつつ、炉心内で加熱溶融させた光ファイバ母材を線引きする光ファイバの線引方法において、
    上記炉心を形成する炉心管内下部にインナー炉心管を設け、該炉心管と該インナー炉心管の間隙を塞ぐように、断熱材で構成される排気経路形成部材を設けてなる線引炉を用い、上記光ファイバ母材を加熱、溶融させて線引きする際、
    線引炉上方より炉心管内部に不活性ガスを供給すると共に、線引炉下方よりインナー炉心管を通じて炉心管内部に不活性ガスを供給し、炉心管内部に供給された両不活性ガスを、上記排気経路形成部材を介して炉心管外に排気することを特徴とする光ファイバの線引方法。
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