JP2006239164A - 放射線撮影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】撮影時間や撮影距離によらず、モアレの発生しないグリッドを備えた放射線撮影装置を提供する。
【解決手段】 放射形状に放射線吸収部材を配置したグリッド板と、前記グリッド板を回転駆動する手段とを具備する。被検体を透過した放射線のうち、散乱線については、前記放射線吸収部材の側面に入射することにより吸収される。散乱線以外の放射線については、放射線検出手段に到達する。前記放射線検出手段上には、放射形状に配置された前記放射線吸収部材の陰影が現れるが、前記放射線源と前記グリッドとの距離に関わらず、前記散乱線以外の放射線は前記放射線吸収部材の側面に照射されない。 一方、回転駆動することにより、前記陰影も同様に一定速度で回転する。従って、放射線検出手段上のいずれの画素においても、前記放射線吸収部材の陰影が一定時間間隔で通過する。
【選択図】 図2

Description

この発明は、医療分野、工業分野などに用いられる放射線画像撮影装置に使用される、散乱放射線除去のためのグリッドに係り、特に、検出結果を出力した際に出力画面上に発生するモアレを除去する技術に関する。
従来の放射線画像撮影装置に使用されているグリッドは、特開2001−340331に開示されているように、被検体を透過した放射線中に含まれる散乱線を除去するために、放射線検出画素マトリックスの放射線の入射側に配置され、板状の放射線透過部材と、多数本の直線状の放射線吸収部材とから構成されている。また、特表2002−529712号には、円形、十字、V字などの特定のパターンをモチーフとした放射線吸収部材をタイル状に配置したグリッドが開示されている。
上記のグリッドを用いて散乱線を除去する機構を、散乱線除去効果を示す模式図である図8を用いて説明する。被検体5を透過した放射線がグリッド板8を通過する際は、散乱線30が放射線吸収部材の側面に入射することにより吸収され、直接線29が放射線吸収部材23の側面にほぼ入射せずに透過することにより、散乱線による画質の低下を防止することができる。しかし、従来以下のような課題があった。すなわち、従来の第1の課題は、撮影画像上に、当該放射線吸収部材が陰影として映し出される所謂モアレが発生することである。かかる課題を解決するために、特開2000−60843号に開示されているように、撮影後の画像にグリッドのピッチに相当する空間周波数フィルタ処理を施すことによりモアレを目立たなくする手法も提案されているが、モアレを完全に除去できず、また周波数フィルタ処理に伴う画質の低下が懸念される。また、従来の第2の課題は、放射線が平行光でないことに起因して、放射線の中心から離れるに従って直接線が放射線吸収部材の側面に入射し吸収される割合が大きくなることである。このような課題を解決するために、従来から以下のような手法が採られている。
第1の手法は、1次元または2次元の放射線検出画素マトリックスにグリッドを近接配備し、このグリッドを介して投射された投射像が放射線検出画素マトリックス上の各位置に均一に投射されるように、クランクなど往復動作をさせる機構を用いてグリッドを放射線検出画素マトリックスに対してグリッドのピッチ方向に水平に揺動する手法である。前記往復動作の周期は、想定される最小放射線照射時間およびグリッドのピッチに基づいて決定される。かかる第1の手法により、放射線照射の間放射線吸収部材の陰影を往復移動させることにより平均化させて、従来の第1の課題を解決することができる。
第2の手法は、1次元または2次元の放射線検出画素マトリックスにグリッドを近接配備し、このグリッドを介して投射された投射像が放射線検出画素マトリックス上の各位置に均一に投射されるように、放射線の照射期間中に一定速度で片道動作させる機構を用いてグリッドを放射線検出画素マトリックスに対してグリッドのピッチ方向に水平に移動する手法である。前記一定速度は、あらかじめ想定される放射線照射時間およびグリッドのピッチに基づいて決定される。かかる第2の手法により、放射線照射の間放射線吸収部材の陰影を一定速度で移動させることにより平均化させて、従来の第1の課題を解決することができる。
第3の手法は、放射線吸収部材を中心から離れるに従って傾斜角を変化させて配置する手法である。前記傾斜角は、あらかじめ放射線源焦点までの距離を想定して定められる。かかる第3の手法により、点光源である放射線源から放射された放射線は、放射線吸収部材の側面に入射することなくグリッドを透過し、従来の第2の課題を解決することができる。
前記従来技術では、以下のような課題が生じている。前記第1の手法を用いた場合には、新たな第3の課題が生じている。すなわち、往復移動の両折り返し地点でグリッドが一瞬停止するため、動画撮影の場合にはモアレが生じるという問題がある。
前記第2の手法を用いた場合には、前記第1の手法を用いた場合と同様に、連続的に動作できないために、動画撮影に用いることができないという前記第3の課題が生じている。また、新たな第4の課題が生じている。すなわち、実際の放射線照射時間が、あらかじめ想定された放射線照射時間と異なる場合にモアレが生じるという問題がある。放射線照射期間中には、各画素に対して経験的には5本以上の放射線吸収部材の陰影を通過させる必要がある。しかし、自動露光制御などを使用している場合には、被検体を透過した放射線の積算量があらかじめ定められた放射線量を超えた時点で放射線が遮断され、撮影前に想定された放射線照射時間よりも短くなることがあり、かかる場合には、各画素上を通過する放射線吸収部材の陰影の本数が減少することによりモアレが生じる。さらに、新たな第5の課題が生じている。すなわち、限られたストロークで所定の速度まで加速する必要があるため、放射線照射時間が短い場合には急峻な加速が必要となり、振動およびノイズが発生するという問題がある。
前記第3の手法を用いた場合には、新たな第6の課題が生じている。すなわち、それぞれの撮影距離に対応したグリッドを準備し、撮影のたびに最適なグリッドに交換する必要があり、コストおよび操作者の作業負担が増大するという問題に加え、誤って撮影距離に対応していないグリッドを使用した場合には、放射線吸収部材による放射線の吸収率が中心から外れるに従って大きくなり、画質が低下するという問題がある。
本発明は、上記第1〜第2の課題を含め、さらに上記第3乃至第6の課題を解決し、散乱線の影響を適切に除去する交換不要なグリッドを具備し、様々な撮影時間および動画撮影においてもモアレの発生しない放射線撮影装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわち請求項1に記載の放射線撮影装置は、放射線源と、放射線検出手段と、被検体と前記放射線検出手段との間に設置して、前記被検体を透過した放射線から散乱線を除去する放射線撮影用グリッドとを備えた放射線撮影装置であって、前記放射線撮影用グリッドは、放射線に対して透過性を有する放射線透過部材と、前記放射線透過部材内部に配設され放射線を散乱させることなく吸収する放射形状に形成した放射線吸収部材とからなるグリッド板と、前記グリッド板を回転運動させる回転駆動手段とを具備することを特徴とする。
請求項2に記載の放射線撮影装置は、請求項1および請求項2に記載の放射線撮影装置であって、前記グリッド板の回転速度をN[rps]、前記グリッド板の半径をr[mm]、前記放射線吸収部材の最大ピッチをD[mm]、想定される最小撮影時間をT[s]としたとき、2πr・N・T/D >5の関係であることを特徴とする。
請求項3に記載の放射線撮影装置は、請求項1乃至3に記載の放射線撮影装置であって、放射線照射中は前記グリッド板が一定速度で回転するように前記回転駆動手段を制御するグリッド制御手段を具備することを特徴とする。
請求項4に記載の放射線撮影装置は、請求項1に記載の放射線撮影装置であって、前記放射線吸収部材の厚みもしくは深さは、回転中心からの距離に比例することを特徴とする。
本発明の作用は次の通りである。すなわち、請求項1に記載の発明によれば、被検体を透過した放射線のうち、散乱線については、前記放射線吸収部材の側面に入射することにより吸収される。散乱線以外の放射線については、前記放射線吸収部材上に照射された放射線は、放射線吸収部材に吸収され、前記放射線透過部材上に照射された放射線は、放射線検出手段に到達する。前記放射線検出手段上には、放射形状に配置された前記放射線吸収部材の陰影が現れるが、前記放射線源と前記グリッドとの距離に関わらず、前記散乱線以外の放射線は前記放射線吸収部材の側面に照射されない。 一方、前記回転駆動手段が作動することにより、前記グリッド板とともに前記放射線吸収部材が一定速度で回転する。前記放射線吸収部材が一定速度で回転する結果、前記陰影も同様に一定速度で回転する。従って、放射線検出手段上のいずれの画素においても、前記放射線吸収部材の陰影が一定時間間隔で通過する。
請求項2に記載の発明によれば、請求項2に記載の式の左辺は、放射線吸収部材の合計本数(2πr/D)に最小撮影時間の間の回転数(N・T)を乗じたもの、すなわち最小撮影時間の間に通過する放射線吸収部材の本数を表しているから、最小撮影時間T[s]以上の撮影時間の場合であれば、各画素において5本以上の前記放射線吸収部材の陰影が一定時間間隔で通過する。
請求項3に記載の発明によれば、放射線照射中は前記グリッド板が一定速度で回転する。放射線画像は、放射線照射中に収集される。従って、少なくとも放射線画像収集中は、前記グリッド板が一定速度で回転することによって、前記放射線吸収部材の陰影が一定速度で回転する。
請求項4に記載の発明によれば、前記各放射線吸収部材は、前記グリッド板の回転中心からの距離に比例した厚さもしくは深さとなる。従って、前記グリッド板の回転中心を基準とした任意の半径を有する円上において放射線吸収部材と放射線透過部材との割合が一定となる。
本発明が提供する放射線撮影用グリッドは以上詳述したとおりであるから、請求項1に記載の発明によって、前記第1、第2の課題に加えて、前記新たな第3の課題を解決することができる。すなわち、前記放射線吸収部材の陰影が一定時間間隔で通過するから、動画撮影を行う場合であってもモアレが発生することがない。また、前記第6の課題を解決することができる。すなわち、前記放射線源と前記グリッドとの距離に関わらず、散乱線以外の放射線は前記放射線吸収部材の側面に照射されないから、どのような集束距離であっても同様の散乱線除去効果が得られる。従って、撮影距離に応じてグリッド板を複数準備する必要がなくコストが削減できる。また、交換作業が不要になるため、スループットが向上する。
また、請求項2に記載の発明によって、前記第1〜第3および第6の課題に加えて前記第4の課題を解決することができる。すなわち、想定される最小撮影時間T以上の撮影時間の場合であれば、各画素において5本の前記放射線吸収部材の陰影が一定時間間隔で通過するから、陰影は平均化されてモアレが発生することがなく、常に安定した撮影画像を提供できる。
また、請求項3に記載の発明によって、前記第1〜第4および第6の課題に加えて前記第5の課題を解決することができる。すなわち、少なくとも放射線画像収集中は、前記グリッド板が一定速度で回転するから、加速による振動やノイズが発生しにくい。
さらに、請求項4の発明によれば、前記第1〜第6の課題に加えて本願発明特有の課題を解決することができる。すなわち、前記グリッド板の回転中心を基準として、任意の半径を有する円において放射線吸収部材と放射線透過部材との割合が一定となるため、前記グリッド板の回転により、前記グリッド板のいずれの領域においても、透過放射線強度が均一となり、より高画質な画像を提供できる。
特開2001−340331号
特表2002−529712号
特開2000−060843号
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の実施の形態に係る放射線撮影用グリッド装置を採用したX線撮影装置の構成図、図2は放射線撮影用グリッド装置を放射線入射面方向から見た図、図3は、図2のa−a断面を示す図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る放射線撮影用グリッド装置を採用したX線撮影装置は、X線管球3と、X線管球3との間をX線制御線20で接続され、X線出力を制御する機能を有するX線制御装置16と、X線管球3から放射されるX線を絞るコリメータ4と、X線管球3から放射され、被検体5を透過したX線を電気信号に変換する平面放射線検出器2と、平面放射線検出器2との間を画像信号線19で接続され前記変換された電気信号を読み取って画像に変換する画像処理装置15と、被検体5と平面放射線検出器2との間に配置され、被検体5などに照射されたX線のうち散乱線を遮断し直接線を透過させる機能を有する放射線撮影用グリッド装置1と、放射線撮影用グリッド装置1との間をモータ制御線18で接続され、さらにX線制御装置16との間をグリッド制御信号線21で接続され、X線制御装置16からのグリッド制御指示に従い放射線撮影用グリッド装置1の制御を行うグリッド制御部14と、X線制御装置16に接続され、撮影の指令を操作者からX線制御装置17へ伝達する撮影スイッチ17とを備える。
図2に示すように、放射線撮影用グリッド装置1は、散乱線を吸収するためのグリッド板8と、グリッド板8を保持し、放射線検出領域25にかからないように配置された保持枠9と、保持枠9に回転可能に固定され、グリッド板8を厚み方向に支持する厚み方向保持用コロ10と、保持枠9に回転可能に固定され、グリッド板8の位置を上下の方向に対して固定する位置固定用コロ11と、グリッド板8を回転させるためのモータ13と、モータ13のロータ部分に固定され、モータ13の回転トルクをグリッド板8が回転する方向に伝達するギア12とを備える。
図3に示すように、グリッド板8の上下左右の位置は、保持枠9に対して、ラックギア22の内壁に4本の位置固定用コロ11が接触することにより固定されている。さらに、その厚み方向の位置は、厚み方向保持用コロ10a、10bにより挟むことにより固定される。このように、グリッド板8の位置を固定する部品は、放射線検出領域25にかからないように配置される。
グリッド板8は、図4に示すように、X線透過物質(たとえばアルミニウム、炭素繊維強化樹脂、および合成樹脂)からなる円盤形状の放射線透過部材24の内部に、放射線吸収物質(たとえば鉛)からなる帯状の放射線吸収部材23を放射状に複数本配置し、放射線透過部材24の周囲に放射線透過部材24の厚みより厚くしたラックギア22を構成したものである。
以下、X線撮影装置を表す図1およびフローチャートを表す図5を用いて説明する。操作者がX線制御装置16に設けられた撮影スイッチ17を押すと、X線制御装置16は、X線管球3に対してX線照射準備指令を出力するとともに、グリッド制御部14に対してグリッド動作指令を出力する。グリッド動作指令を受け取ったグリッド制御部14は、放射線撮影用グリッド装置1に対して、モータ回転指令を出力する。モータ回転指令は、放射線撮影用グリッド装置1のモータ13に伝達され、モータ13を回転させる。モータ13が回転することにより、モータ13のシャフトに固定されるとともにグリッド板8のラックギア22にかみ合わされたギア12が回転し、グリッド板8が回転する。グリッド制御部14は、モータ13の回転速度を、図示しない回転速度検出手段により検出し、モータ13の回転速度をあらかじめ設定された速度になるようにフィードバック制御する。グリッド制御部14は、前記図示しない回転速度検出手段により検出された前記モータ13の回転速度があらかじめ設定された速度に達した場合は、準備完了状態をX線制御装置へ出力する。一方、X線照射準備指令を受け取ったX線管球3は、図示しない陽極を回転させ、X線出力の準備を開始する。X線管球3は、前記図示しない陽極の回転速度を検出する陽極回転速度検出手段を具備しており、前記図示しない陽極の回転速度があらかじめ定められた回転速度に達した場合には、準備完了をX線制御装置16へ出力する。X線制御装置16は、グリッド制御部14およびX線管球3の双方から準備完了状態を受け取った後、X線管球3に対してX線発生に必要な高電圧の印加を開始する。前記X線発生に必要な高電圧は、あらかじめ定められた撮影時間が経過するか、もしくは図示しないホトタイマにより一定線量に達したことを検出するかのいずれかまで継続して印加する。X線管球3は、前記X線発生に必要な高電圧が印加されている間、前記図示しない陽極に対して前記高電圧の印加電圧によって加速された電子を衝突させることにより発生するX線を出力する。出力されたX線は、コリメータ4で絞られ、被検体5に照射される。照射されたX線は、被検体5により一部が吸収され、一部が乱反射され、一部が透過する。前記透過したX線および乱反射したX線は、グリッド板8上に照射される。グリッド板8の一部を構成する放射線吸収部材23に照射されたX線は吸収されるが、それ以外のX線は平面放射線検出器2に到達する。平面放射線検出器2に到達したX線は、電荷に変換され一定時間積算された後に電気信号に変換されて、画像処理装置15により読み取られる。画像処理装置15は、電気信号を画像化し、操作者に提示する。
放射線吸収部材23に照射されたX線は平面放射線検出器2に到達しないため、ある瞬間で見れば、放射線吸収部材23の放射形状の陰影が平面放射線検出器2上に映し出されることになる。しかし、グリッド板8が回転することによって陰影が常に移動し続けるために、一定時間積算されることにより平均化される。ただし、放射線吸収部材23の陰影が、画素上を均一な速度パターンで繰り返し移動する必要がある。経験的には、1回の撮影期間の間に、少なくとも5回の繰り返しが必要となる。
1回の撮影期間の間に、少なくとも5回の繰り返しパターンを実現するために必要なグリッド板8の回転速度をN[rps]は、グリッド板8の半径をr[mm]、放射線吸収部材23の最大ピッチをD[mm]、想定される最小撮影時間をT[s]としたとき、2πr・N・T/D >5の関係を満たす必要がある。例えば、一般撮影で17inch角のフラットパネルディテクタ使用する場合を想定すると、最小撮影時間は胸部撮影で5msec程度であるので、最小撮影時間T=0.005[s]、放射線吸収部材23の最大ピッチD=1[mm]、グリッド板8の半径r=sqrt(2) x 17inch/2=305[mm]とすると、次式のようになる。
N > 5 x 1 / (2π x 305 x 0.005) = 0.522[rps]
放射線吸収部材23の本数Nを大きく設定すればグリッド板8の回転速度Nは小さくてもよいが、その場合はグリッドピッチを小さくする必要がある。グリッドピッチを小さくすると、放射線吸収部材23によるX線の吸収量が大きくなり、画質確保のためにより多くの放射線を照射する結果、被検者の被曝線量が増大する。従って、X線の吸収量が許容できる範囲で、放射線吸収部材23の最小ピッチDを選定する。
また、グリッド板8の全面に渡って均一な透過放射線強度とするために、各放射線吸収部材23の厚みもしくは深さを、回転中心からの距離に比例させる。図6は、各放射線吸収部材23の厚みを一定にした場合における陰影の形状26を図示し、放射線検出領域25の中心付近に位置する画素27および中心から離れた場所に位置する画素における透過放射線強度の時間変化をグラフとして示したものである。グラフのX軸は時刻tを表している。図7は、各放射線吸収部材23の厚みを回転中心からの距離に比例させた場合において、図6と同様の内容を図示したものである。図6および図7を比較すると、各放射線吸収部材23の厚みを一定にした場合(図6)では、画素26、画素27における透過放射線強度の繰り返し周波数は同じであるが、そのデューティーが異なっている。かかる場合、中心から離れるに従って明るい画像となるため、画像処理などで補正した上で表示しなければならない。しかし、各放射線吸収部材23の厚みを回転中心からの距離に比例させた場合(図7)には、画素26、画素27における透過放射線強度の繰り返し周波数も、デューティーも同一となるため、画像処理などの追加処理が不要となる。例えば、17inch角のフラットパネルディテクタを使用した放射線撮影装置の場合、放射線吸収部材23の最大ピッチDを1[mm]、グリッド比を10:1とすると、グリッド板8の半径r=sqrt(2) x 17inch/2=305[mm]の円周上における放射線吸収部材の厚みは1/10[mm]であるから、中心付近の半径10[mm]での放射線吸収部材23の厚みは、(10/305)x(1/10)= 0.0033mm程度となる。この加工は、例えば特開2004−93332号に開示されている技術を応用して実現することができる。
一方、放射線吸収部材23の深さを半径に比例させる場合には、前記放射線吸収部材23の厚みを半径に比例させる場合と異なり、中心に近くなるに従って、前記放射線吸収部材23の透過率および前記デューティーが上がるため、結果としてグリッド板8の全面に渡って均一な透過放射線強度が得られる。
以上の構成において、本発明による放射線撮影用グリッド装置では、グリッド板8が所定の速度で回転している間は、平面放射線検出器2上のいずれの画素においても、放射線吸収部材23の陰影が均一なデューティーで通過する。この陰影は、平面放射線検出器2が電荷を積算する作用により平均され、画像全体に均一に分布することになる。したがって、画像にモアレが発生しない。
本発明は、以上に開示した実施例の形態に限定されないことは言うまでもない。本実施例では、放射線検出器として平面放射線検出器を例にしたが、イメージインテンシファイアや、カセッテなどと組み合わせてもよい。
また、グリッド板の形状は円盤型としたが、このような形状には限定されず、回転することを妨げない範囲で変形してもよい。
また、グリッド板の支持機構としてコロを用ることとしたが、このような部品構成には限定されず、公知の技術により種々変形してもよい。
また、医用X線撮影装置での用途について説明したが、このような用途には限定されず、例えば非破壊検査装置であってもよい。
本発明による放射線撮影用グリッド装置を用いたX線撮影装置の基本的な構成を示す図である。 本発明による放射線撮影用グリッド装置を示す図である。 本発明による放射線撮影用グリッド装置を示す図2のa−a断面を示す図である。 本発明による放射線撮影用グリッド装置のグリッド板8を示す図である。 本発明によるX線撮影装置の動作を示すシーケンス図である。 本発明による放射線撮影用グリッド装置にかかる放射線吸収部材の陰影形状と、透過放射線強度の時間的変化を表す図である。 請求項4にかかる放射線吸収部材の陰影形状と、透過放射線強度の時間的変化を表す図である。 従来技術にかかる放射線撮影用グリッドによる散乱線除去効果を示す模式図である。
符号の説明
1.放射線撮影用グリッド装置
2.平面放射線検出器
3.X線管球
4.コリメータ
5.被検体
6.検出器保持機構
7.X線管球保持機構
8.グリッド板
9.保持枠
10.厚み方向保持用コロ
10a.照射面側厚み方向保持用コロ
10b.検出器側厚み方向保持用コロ
11.位置固定用コロ
12.ギア
13.モータ
14.グリッド制御部
15.画像処理装置
16.X線制御装置
17.撮影スイッチ
18.モータ制御線
19.画像信号線
20.X線制御線
21.グリッド制御信号線
22.ラックギア
23.放射線吸収部材
24.放射線透過部材
25.放射線検出領域
26.放射線吸収部材の陰影
27.中心付近に位置する画素
28.中心から離れた場所に位置する画素
29.直接線
30.散乱線

Claims (4)

  1. 放射線源と、放射線検出手段と、被検体と前記放射線検出手段との間に設置して、前記被検体を透過した放射線から散乱線を除去する放射線撮影用グリッドとを備えた放射線撮影装置であって、前記放射線撮影用グリッドは、放射線に対して透過性を有する放射線透過部材と、前記放射線透過部材内部に放射形状に配設され放射線を散乱させることなく吸収する放射線吸収部材とからなるグリッド板と、前記グリッド板を回転運動させる回転駆動手段とを具備することを特徴とする放射線撮影装置。
  2. 前記グリッド板の回転速度をN[rps]、前記グリッド板の半径をr[mm]、前記放射線吸収部材の最大ピッチをD[mm] 、想定される最小撮影時間をT[s]としたとき、2πr・N・T/D >5の関係であることを特徴とする請求項1に記載の放射線撮影装置。
  3. 放射線照射中は前記グリッド板が一定速度で回転するように前記回転駆動手段を制御するグリッド制御手段を具備することを特徴とする請求項1または2に記載の放射線撮影装置。
  4. 前記放射線吸収部材の厚みもしくは深さは、回転中心からの距離に比例して増すようにすることを特徴とする、請求項1乃至3に記載の放射線撮影装置。

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CN110960239B (zh) * 2018-09-28 2024-03-29 西门子医疗有限公司 用于医学x射线成像设备的防散射格栅

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