JP2006346274A - X線ct装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】検体に対するX線被曝量の低減と、画像に発生するハレーションの抑制を可能にしたX線CT装置を提供する。
【解決手段】X線管8より被検体2へ照射されるX線の強度を減衰させる補償フィルタ14を、フィルタ駆動手段15により被検体2の大きさや撮影部位の大きさに応じてX線管8の接離方向へ移動調整できるようにしたもので、被検体2が大きい場合の断層撮影時は、補償フィルタ14をX線管8へ接近させ、また被検体2が小さい場合の断層撮影時には、補償フィルタ14をX線管8より離間させるように補償フィルタ14の位置を制御することにより、被検体2の周辺部に達する軟X線を減衰させることができるため、被検体2に対する無効被曝を大幅に低減することができると共に、画像に発生するハレーションを抑制することができるため、得られる断層画像の画質向上が図れる。
【選択図】図2

Description

本発明は、被検体に対するX線被曝量の低減と、画像に発生するハレーションの抑制を可能にしたX線CT装置に関する。
X線を使用して被検体の断層撮影を行うX線CT装置は、被検体を中心に回転する回転体を有していて、この回転体に被検体を挟んで対向するようX線管とX線検出器が配置されている。
またX線管の近傍には、X線管より被検体へ向けて照射されるX線を扇状のビームにコリメートするコリメータと、X線の強度を減衰させて、撮影部位等に応じてX線の照射量を調整したり、画像に発生するハレーションを抑制する補償フィルタが設置されている。
そしてX線管より被検体へ照射され、被検体を透過したX線はX線検出器により検出されて、X線強度に応じた電気信号に変換された後、増幅手段により適正レベルにまで増幅され、画像処理手段へと出力されるようになっており、画像処理手段は、入力されたデジタル画像データを演算処理して画像を再構成し、被検体の断層画像として記録し、また表示手段に断層画像を表示するようになっている。
一方最近では、X線CT装置により被検体を断層撮影する際、被検体に対するX線被曝量を低減することが求められており、被検体に対するX線被曝量を低減したX線CT装置が例えば特許文献1で提案されている。
前記特許文献1に記載のX線CT装置では、X線管より被検体へ照射されるX線の照射範囲を設定する関心領域を設定可能にし、かつチャンネルコリメータにより、予め設定した関心領域以外へのX線の照射を、数十回に1回程度に抑制することにより、被検体に対するX線の被曝量を低減させるように構成されている。
特開平11−19078号公報
しかし前記特許文献1に記載のX線CT装置のように、チャンネルコリメータにより関心領域にのみ集中的にX線を照射するようにしたものでは、被検体の撮影領域が関心領域に限定されている場合は、被検体に対する被曝量の低減効果は得られるが、X線撮影領域が被検体全体に亘る場合、X線被曝量の低減効果が得られない問題がある。
一方X線管より被検体へ向けて照射されるX線の強度を、補償フィルタにより減衰することにより、被検体に対する被曝量を低減させる方法もあるが、補償フィルタはX線管の下方に固定されていて、被検体の大きさや形状に合わせて部分的にX線強度を制御することができないため、被検体に対し被曝量を減衰させるためには、被検体へ照射されるX線全体の強度を減衰させる必要がある。
しかし補償フィルタによりX線全体の強度を減衰させてしまうと、得られる断層画像の画質が著しく低下する問題が発生する。
また補償フィルタによりX線強度を制御する場合、図12の(イ)に示すようにX線断層撮影する被検体aが標準的な大きさの例えば成人の場合、X線管bより補償フィルタcを介して被検体aへ照射され、かつ被検体aを透過してX線検出器dにより検出されたX線の強度は、図12の(ロ)に示すように被検体aの周辺部では減衰率が大きくなって、X線の減衰効果が得られるようになる。
しかし被検体aの大きさが図13の(イ)に示すように小さい例えば子供の場合は、図13の(ロ)に示すように被検体aの周辺部では減衰率が小さくなって、十分な減衰効果が得られない。
これは被検体の周辺部がX線検出器の出力にほとんど影響しない軟X線の吸収が主となることから、被検体が小さい場合、周辺部の軟X線を補償フィルタでは十分に減衰させることができないためで、X線被曝量が効果的に低減できない問題がある。
本発明はかかる問題を解消するためになされたもので、被検体に対するX線被曝量の低減と、画像に発生するハレーションの抑制を可能にしたX線CT装置を提供することを目的とするものである。
本発明のX線CT装置は、被検体を中心に回転する回転体と、被検体を挟んで対向するよう回転体に配置されたX線管及びX線検出器と、X線管より被検体へ照射されるX線をコリメートするコリメータと、X線管より被検体へ照射されるX線の強度を減衰させる補償フィルタとを備えたX線CT装置であって、補償フィルタをX線管の接離方向及び/または接離方向と直交する方向へ駆動するフィルタ駆動手段と、被検体の大きさや撮影部位の大きさに応じて補償フィルタの位置を調整するようフィルタ駆動手段を制御することにより、被検体の周辺や撮影部位周辺の軟X線を減衰させる制御手段とから構成したものである。
前記構成により、被検体が大きい場合の断層撮影時は、補償フィルタをX線管へ接近させ、また被検体が小さい場合の断層撮影時には、補償フィルタをX線管より離間させるように補償フィルタの位置を制御することにより、被検体の周辺部に達する軟X線を減衰させることができるため、被検体に対する無効被曝を大幅に低減することができると共に、画像に発生するハレーションを抑制することができるため、得られる断層画像の画質向上が図れるようになる。
本発明のX線CT装置は、断層撮影する被検体が非円形の場合、被検体のチャンネル方向の投影幅が大きい部位の断層撮影時は補償フィルタをX線管へ接近させ、またチャンネル方向の投影幅が小さい部位の断層撮影時には補償フィルタをX線管より離間させるように補償フィルタを、X線管の1回転内またはX線管の螺旋スキャン中連続的に位置制御するようにしたものである。
前記構成により、被検体の例えば胴部のような非円形の部位を断層撮影する際に、被検体の関心領域ではない部位の無効被曝を大幅に減少させることができる。
本発明のX線CT装置は、断層撮影する前記被検体が非円形で、かつ被検体の限られた小さな局部を断層撮影する場合、被検体のチャンネル方向の投影幅が大きい部位の断層撮影時は補償フィルタをX線管へ接近させ、かつ小さな局部に寄った側に補償フィルタを移動させ、またチャンネル方向の投影幅が小さい部位の断層撮影時には補償フィルタをX線管より離間させ、かつ小さな局部に寄った側に補償フィルタを移動させるように補償フィルタを、X線管の1回転内またはX線管の螺旋スキャン中連続的に位置制御するようにしたものである。
前記構成により、被検体の例えば胴部のような非円形の部位の小さな局部を断層撮影する際に、被検体の関心領域ではない部位の無効被曝を大幅に減少させることができる。
本発明のX線CT装置によれば、被検体の周辺部に達する軟X線を減衰させることができるため、被検体に対する無効被曝を大幅に低減することができると共に、画像に発生するハレーションを抑制することができるため、得られる断層画像の画質向上が図れるようになる。
本発明の実施の形態を、図面を参照して詳述する。
図1はX線CT装置の側面図、図2は図1のA−A線に沿う断面図、図3は回転体の拡大正面図、図4は補償フィルタの拡大断面図、図5は制御系の構成図、図6ないし図8は作用説明図である。
X線CT装置の主要部を構成するガントリ1は、中心部に円形の開口部1aを有していて、この開口部1aに被検体2を寝かせる寝台3が設けられている。
ガントリ1内には、開口部1aと合致する位置に円孔4aを有する円板状の回転体4が回転自在に支承されており、回転体4は電動機よりなる回転駆動手段6に無端ベルトよりなる動力伝達手段7を介して接続されていて、回転駆動手段6により被検体2を中心に回転されるようになっている。
回転体4には、被検体2を挟んで対向する位置にX線管8とX線検出器9が配置されていて、X線管8には、ガントリ1側に設置された高圧電源10より変圧器10aを介して電力が供給されるようになっており、X線管8には、X線管8を冷却するX線管冷却手段11が冷却管11aを介して接続されている。
またX線管8の近傍には、X線管8の焦点8aから被検体2へ向けて照射されるX線を扇状のビーム12にコリメートするコリメータ13と、X線強度を減衰する補償フィルタ14及び補償フィルタ14を駆動するフィルタ駆動手段15が設置されている。
コリメータ13は図4に示すように、上下面が開口する角箱状のケース13aを有していて、ケース13aの底面側開口部に、X線をコリメートするコリメータ板13bが設けられており、ケース13a内に補償フィルタ14とフィルタ駆動手段15が収容されている。
補償フィルタ14は、X線の減衰量に応じて自動または手動で切り換える複数枚の金属板よりなるフィルタ板(図示せず)により構成されており、補償フィルタ14がX線管8の接離方向へ移動自在となるよう、ケース13a内に設けられたガイドレール13cに摺動自在に支承されている。
補償フィルタ14をX線管8の接離方向へ移動調整するフィルタ駆動手段15は、油圧や空気等の流体圧により直線的に動作するアクチュエータ15aより構成されていて、アクチュエータ15aはケース13a側に固定され、アクチュエータ15aの作動部15bは補償フィルタ14側に接続されていて、アクチュエータ15aにより補償フィルタ14がX線管8の接離方向へ移動調整自在となっている。
なお直線的に動作するアクチュエータ15aとして、ボールねじ等の機械要素と、これを駆動する電動機を組み合わせたものを使用してもよい。
一方X線管8より被検体2へ向けて照射され、かつ被検体2を透過したX線を検出するX線検出器9は、X線管8の焦点8aを中心に円弧状に形成されていて、X線の受光面9aに、被検体2の体軸方向と直交するチャンネル方向に多数の受光素子群(図示せず)が配列され、また受光素子群は、被検体の体軸方向(スライス方向)へ複数列配列されている。
X線検出器9により受光されたX線は、X線検出器9によりX線強度に応じた電気信号に変換された後、X線検出器9の背面側に設置された増幅手段16により所定レベルにまで増幅され、ガントリ1より離れた位置に設置された操作卓18へと送られるようになっている。
操作卓18には、X線CT装置全体を制御する制御手段20と、X線検出器9より増幅手段16を経て送られてきたデジタル画像データを再構成する画像処理手段20a及び再構成した断層画像を表示する表示手段21等が設けられており、制御手段20には、回転体4に設置されたユニット制御手段22及び寝台3を水平方向と上下方向へ移動自在に支持するテーブルユニット23等が接続されている。
ユニット制御手段22は、回転体4に設置されたX線管8やX線検出器9、補償フィルタ14、フィルタ駆動手段15等を制御手段20からの指令に基づいて適正に制御するもので、ガントリ1側に配線された制御手段20からの信号ケーブル25と、回転体4側に設けられたユニット制御手段22の間は、図示しないスリップリング等の信号伝達手段により接続されている。
またテーブルユニット23は、箱形のケース23aを有していて、ケース23a内に寝台3を水平方向及び上下方向に駆動する寝台駆動手段(図示せず)が設置されており、制御手段20により寝台駆動手段の動作が制御されるようになっている。
次に前記構成されたX線CT装置の作用を、図6ないし図8を参照して説明する。
X線断層撮影する被検体2が図3に示すように成人等の標準的な大きさの場合、まず寝台3へ被検体2を寝かせたら、被検体2の検査対象部位が回転体4の回転中心と一致するようにテーブルユニット23により寝台3を高さ調整する。
次に操作卓18より被検体2が標準的な大きさである旨の情報を入力すると、操作卓18内の制御手段20は、回転体4に設けられたユニット制御手段22を介して補償フィルタ14のフィルタ駆動手段15へ制御信号を送るため、フィルタ駆動手段15のアクチュエータ15aが補償フィルタ14をX線管8と接近する方向へ移動調整する。
補償フィルタ14の移動調整が完了すると、回転体4が回転駆動手段6により回転駆動され、同時にX線管8より被検体2へ向けてX線が照射されて、被検体2の断層撮影が開始されると共に、被検体2が載置された寝台3が被検体2の体軸方向へ予め設定された速度で移動を開始する。
X線管8より被検体2へ照射されたX線は、被検体2を透過した後X線検出器9に受光され、X線検出器9によりX線の強度に応じた電気信号に変換される。
X線検出器9により電気信号に変換された画像データは、増幅手段16により所定レベルにまで増幅された後、ユニット制御手段22より操作卓18へと送られ、操作卓18内に設けられた画像処理手段20aにより画像が再構成され、被検体2の断層画像が制御手段20の記憶手段に記録されると共に、表示手段21に画像表示される。
以上は被検体2が標準的な大きさの場合であるが、図6に示すように被検体2が標準より小さい例えば子供の場合は、操作卓18より被検体2が小さいことを情報として入力すると、制御手段20は、ユニット制御手段22を経て補償フィルタ14のフィルタ駆動手段15へ制御信号を送るため、フィルタ駆動手段15のアクチュエータ15aは補償フィルタ14を、X線管8より離間する方向へ移動調整する。
この状態で被検体2の断層撮影を開始すると、X線管8より被検体2へ向けて照射されたX線は、X線管8より離間する方向へ移動調整された補償フィルタ14を通過する際、被検体2の周辺部に達する軟X線が減衰されて、被検体2に対する無効被曝を減少させるため、結果的に被検体2に対するX線被曝量の低減が図れるようになる。
また被検体2の形状に合わせてX線の強度を制御(抑制)することができることにより、被検体2に対する被曝量の減少と同時に、断層画像に発生するハレーションを抑制することができるため、より解像度の高いX線断層画像が得られるようになる。
一方図7は被検体2を寝台3に寝かせた状態で、例えば胴部のように横方向に幅の広い部位を断層撮影する場合を示している。
この場合図7の(イ)に示すように、X線管8が最上位に位置する回転体4の回転角0度の状態では、補償フィルタ14もX線管8にもっとも接近した位置にある。
この状態から回転体4を右回り方向へ回転させて断層撮影を開始するが、図7の(ロ)に示すように回転体4が90度回転した位置では、X線管8よりもっとも離間するようフィルタ駆動手段15により補償フィルタ14を移動させる。
その後回転体4が図7の(ハ)に示すように180度回転したところで、再びX線管8よりもっとも接近した位置へ補償フィルタ14を移動させ、回転体4が図7の(ニ)に示すように270度回転したところで、再び被検体2にもっとも接近した位置へ移動させる。
以下回転体4が1回転する毎に前記動作を繰り返して、被検体2の例えば胴部を連続的に断層撮影するもので、被検体2のチャンネル方向の投影幅が大きい部位の断層撮影時は、補償フィルタ14をX線管8へ接近させ、またチャンネル方向の投影幅が小さい部位の断層撮影時には、補償フィルタ14をX線管8より離間させるように、X線管5の1回転内で連続的に補償フィルタ14を位置制御し、またX線管5を螺旋状に旋回させながら被検体2を螺旋スキャンする場合は、X線管5が旋回しながら移動している間に連続的に位置制御することにより、被検体2に対する無効被曝を大幅に減少させることができると同時に、画像に発生するハレーションの抑制効果も得られるようになる。
また図8は被検体2を寝台3上に横向きにした状態で、被検体2の例えば胴部の断層撮影を行う場合を示すもので、この場合は、図8の(イ)及び(ハ)に示すように回転体4の回転角が0度と180度のときに補償フィルタ14がX線管8よりもっとも離間するように、そして図8の(ロ)及び(ニ)に示すように回転体4の回転角が90度と270度のときに、補償フィルタ14がX線管8にもっとも接近するように、フィルタ駆動手段15により補償フィルタ14を移動制御するようにしたもので、この場合も図7の場合と同様に、X線管5の1回転内で連続的に補償フィルタ14を位置制御し、また被検体2を螺旋スキャンする場合は、X線管5が旋回しながら移動している間に連続的に位置制御することにより、被検体2に対する無効被曝を大幅に減少させることができると同時に、画像に発生するハレーションの抑制効果も得られるようになる。
なお前記実施の形態では、補償フィルタ14のフィルタ駆動手段15に直線的に動作するアクチュエータ15aを使用した場合について説明したが、図9の(イ)ないし(ニ)及び図10の(イ)及び(ロ)に示す変形例のようなフィルタ駆動手段15を使用してもよい。
図9の(イ)は、電動機よりなるアクチュエータ15cの回転をローラ15dとガイドレール15eの摩擦力により直線動に変換して補償フィルタ14をX線管8の接離方向へ移動させており、図9の(ロ)はピニオン15f及びラック15gを介して補償フィルタ14をX線管8の接離方向へ移動させる変形例を示している。
図9の(ハ)は、アクチュエータ15cの回転を連結ロッド15hを介して直線動に変換して、補償フィルタ14をX線管8の接離方向へ移動させる変形例を示している。
図9の(ニ)は、アクチュエータ15cにより回転される偏心カム15iに、ばね等の付勢手段15jにより補償フィルタ14を圧接させて、偏心カム15iの回転により補償フィルタ14をX線管8の接離方向へ移動させる変形例を示している。
一方図10は、補償フィルタ14をX線管8の接離方向のみならず、これと直交する方向にも移動調整自在としたフィルタ駆動手段15の変形例を示すもので、コリメータ13のケース13a内に補償フィルタ14及び直線的に動作するアクチュエータ15aが収容された可動ケース13fが設けられており、可動ケース13fは、ケース13a内に水平方向に布設されたガイドレール13dに支承されている。
また図10に示す変形例では、フィルタ駆動手段15が、補償フィルタ14をX線管14の接離方向へ移動調整するアクチュエータ15aと、補償フィルタ14をX線管8の接離方向と直交する方向へ移動調整するアクチュエータ15cとより構成されおり、図10の(イ)では、アクチュエータ15aとアクチュエータ15cとを組み合わせることにより、補償フィルタ14をX線管8の接離方向へ及びこれと直交する方向へ移動調整自在としており、図10の(ロ)は直線的に動作するアクチュエータ15aと、アクチュエータ15cの回転をX線管8の接離方向と直行する方向へ変換する連結ロッド15hにより補償フィルタ14をX線管8の接離方向及びこれと直交する方向へ移動調整自在としたもので、これらフィルタ駆動手段15を使用することにより、図12に示すように、被検体2の限られた小さな局部2aについても、被検体2に対する無効被曝を低減しながらの断層撮影が可能になる。
すなわち被検体2を寝台3に寝かせた状態で、図12に示すように例えば胴部右側の小さな局部2aを断層撮影する場合、回転体4の回転角が0度では、補償フィルタ14をX線管8にもっとも接近させ、かつ局部2aに寄った側に移動させた状態で局部2aの断層撮影を開始し、回転体4が90度回転したところで、図12の(ロ)に示すように補償フィルタ14をX線管8の離間方向へ移動させる。
その後回転体4が180度回転したところで、再び補償フィルタ14をX線管8に接近させると同時に、補償フィルタ14を局部2a側へ移動させる。
そして回転体4が270度回転したところで、図12の(ニ)に示すように補償フィルタ14をX線管8の離間方向へ移動させる。
以下前記動作を繰り返して、被検体2の限られた小さな局部2aの断層撮影を行うもので、回転体4の回転に伴い補償フィルタ14を被検体2の接離方向と局部2aに接近する方向へ移動制御することにより、撮影部位周辺の軟X線を補償フィルタ14により減衰させることができるため、これによって被検体2に対する被曝量の低減と、画像に発生するハレーションの抑制効果が得られるようになる。
本発明のX線CT装置は、被検体の周辺部に達する軟X線を減衰させることができるため、被検体に対する無効被曝を大幅に低減することができる上、画像に発生するハレーションを抑制することができるため、X線を使用して被検体の断層撮影を行うX線CT装置に最適である。
本発明の実施の形態になるX線CT装置の側面図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 本発明の実施の形態になるX線CT装置に設けられた回転体の拡大正面図である。 本発明の実施の形態になるX線CT装置に設けられたコリメータ及び補償フィルタの拡大断面図である。 本発明の実施の形態になるX線CT装置の制御系を示す構成図である。 本発明の実施の形態になるX線CT装置の作用説明図である。 本発明の実施の形態になるX線CT装置の作用説明図である。 本発明の実施の形態になるX線CT装置の作用説明図である。 本発明の実施の形態になるX線CT装置に設けられたフィルタ駆動手段の変形例を示す説明図である。 本発明の実施の形態になるX線CT装置に設けられたフィルタ駆動手段の変形例を示す説明図である。 本発明の実施の形態になるX線CT装置に設けられたフィルタ駆動手段の変形例による作用を示す説明図である。 従来のX線CT装置の説明図である。 従来のX線CT装置の説明図である。
符号の説明
1 ガントリ
2 被検体
4 回転体
8 X線管
9 X線検出器
13 コリメータ
14 補償フィルタ
15 フィルタ駆動手段
20 制御手段

Claims (3)

  1. 被検体を中心に回転する回転体と、前記被検体を挟んで対向するよう前記回転体に配置されたX線管及びX線検出器と、前記X線管より前記被検体へ照射されるX線をコリメートするコリメータと、前記X線管より前記被検体へ照射されるX線の強度を減衰させる補償フィルタとを備えたX線CT装置であって、前記補償フィルタを前記X線管の接離方向及び/または接離方向と直交する方向へ駆動するフィルタ駆動手段と、前記被検体の大きさや撮影部位の大きさに応じて前記補償フィルタの位置を調整するよう前記フィルタ駆動手段を制御することにより、前記被検体の周辺や撮影部位周辺の軟X線を減衰させる制御手段とを具備したことを特徴とするX線CT装置。
  2. 請求項1に記載のX線CT装置において、断層撮影する前記被検体が非円形の場合、前記被検体のチャンネル方向の投影幅が大きい部位の断層撮影時は前記補償フィルタを前記X線管へ接近させ、またチャンネル方向の投影幅が小さい部位の断層撮影時には前記補償フィルタを前記X線管より離間させるように前記補償フィルタを、前記X線管の1回転内またはX線管の螺旋スキャン中連続的に位置制御することを特徴とするX線CT装置。
  3. 請求項1に記載のX線CT装置において、断層撮影する前記被検体が非円形で、かつ前記被検体の限られた小さな局部を断層撮影する場合、前記被検体のチャンネル方向の投影幅が大きい部位の断層撮影時は前記補償フィルタを前記X線管へ接近させ、かつ前記小さな局部に寄った側に前記補償フィルタを移動させ、またチャンネル方向の投影幅が小さい部位の断層撮影時には前記補償フィルタを前記X線管より離間させ、かつ前記小さな局部に寄った側に前記補償フィルタを移動させるように前記補償フィルタを、前記X線管の1回転内またはX線管の螺旋スキャン中連続的に位置制御することを特徴とするX線CT装置。
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