JP2006238845A - 細胞分離方法、細胞識別方法ならびに細胞検査方法 - Google Patents

細胞分離方法、細胞識別方法ならびに細胞検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】試料細胞群から細胞に与えるダメージを抑制して特定の細胞を分離する方法の確立。
【解決手段】特定細胞の表面に存在する特定の抗原に特異的に結合するポリヌクレオチドを標識物質とし、該標識物質は共有結合で識別物質と結合している構造をした識別素子を準備し、試料細胞群と前記識別素子を混合して前記試料細胞群中の前記特定細胞の特定抗原に前記ポリヌクレオチドを結合させるとともに前記識別物質を利用して前記特定抗原を有する特定細胞を識別して分離し、分離した細胞にヌクレアーゼを作用させて前記特定細胞の特定抗原に結合している前記ポリヌクレオチドを分解して前記特定細胞を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は細胞の識別や分離を行う方法に関する。特に、再生医療や細胞のインプラントに用いる細胞分離のための細胞識別分離に関する。
細胞を識別したり分離したりしようとすると、何らかの指標に従い区別する必要がある。細胞を区別する方法としては下記のような方法をあげることができる。
1)細胞浸透性の染料による分類:
各細胞は細胞全体の形、細胞全体に占める核の比率、細胞質に存在する顆粒の種類や量に応じて細胞浸透性の染料を利用して分類することができる。核や細胞内顆粒を分類のターゲットにする場合は、染料を用いて染色して検出する場合が多い。たとえば核を見たい場合は酢酸オルセインや酢酸カーミン、パパニコロウ染色、DAPI染色があげられる。染料で染色して可視光で検出する他、蛍光染色で蛍光像として観察することもできる。検出には顕微鏡下で目視観察して識別する方法とCCDカメラなどで画像として識別する方法のいずれもが実用化されている。たとえば尿中に出現する異型細胞検査による膀胱がんや尿道のがんなどの検査や血中の異型細胞分類、組織中における細胞診によるがん検査などをあげることができる。
2)蛍光抗体法による細胞表面抗原(マーカー)染色による細胞分類:一般にCDマーカーと呼ばれる細胞表面抗原を、それに特異的な蛍光標識抗体で染色するもので、セルソーターによる細胞分離やフローサイトメーターや組織染色によるがん検査などに用いられている。もちろんこれらは、医療面のみならず、細胞生理研究用や、工業的な細胞利用の上でも多用されている。
これらの方法は、細胞を分類して、単に、その形態学的な違いを調べるだけであれば、この方法はきわめて有用である。特に上記2)の表面抗原の分類に基づく方法は微細な分類が可能で、組織学的な研究や検査、セルソーターによる細胞分離には欠かせない方法となっている。しかしながら、細胞を分離し、その後に分離した細胞を培養して利用しようとすると問題がある、すなわち、表面抗原の蛍光標識抗体による修飾は非可逆的であるので、分離後に残る細胞表面の蛍光標識抗体により、細胞機能が損なわれる可能性がある。
細胞を分離するためには、分離のキーとなる標識物質が必要であり、この標識物質は特異的な細胞表面抗原を認識して、これと強固に結合する必要がある。また、この標識物質には、標識物質が細胞に結合していることを検出するための蛍光体や微粒子からなる識別物質が結合している必要がある。
一般的には細胞表面抗原に結合する標識物質としては、目的細胞表面抗原に対する抗体が用いられる。抗体としてはモノクローナル抗体を用いることが多い。もちろんポリクローナル抗体を用いることもできる。これらの抗体は非特異的な結合を抑え、あるいは、補体系の不用意な活性化を防ぐために、抗体のFc部位を切除したF(ab)、F(ab’)、あるいは、F(ab’)が用いられることが多い。これらの抗体やF(ab)、F(ab’)、あるいは、F(ab’)には、識別物質が共有結合で結合している。識別物質として用いる蛍光体は蛍光検出できるし、粒子も光学的に検出することができる。磁気粒子を識別物質に用いることで特定細胞の検出と磁石による分離を同時に行う方法も開発されている。
しかし、標識物質である抗体やF(ab)、F(ab’)、あるいは、F(ab’)と表面抗原の結合は、結合定数が10−1以上と強固なので、平衡論的な処理方法では、細胞の分離後に、標識物質を脱離させることは困難を有する。にもかかわらず平衡論的な高濃度の表面抗原のエピトープを遊離抗原として加える方法が抗原抗体結合の解消法として一般的に利用される。遊離抗原と細胞表面抗原が交換反応を起こして細胞から標識物質である抗体を解離させることができる。しかし、高濃度の表面抗原に曝露されることにより、細胞機能が著しく変動したり損傷を受けたりすることは容易に想像できる。あるいは、抗原と抗体の結合は、4Mのグアニジンの塩酸塩やイソチオシアン酸塩のようなカオトロピックイオンによる変性や塩酸酸性化による酸変性で解離するが、このような過酷な条件では細胞が生存することができない。
本願の発明者らは、細胞を分類する過程で細胞機能が損なわれることを回避するための新しい分離方法として特定細胞に存在するトランスポーターを用いることを特願2004−226359として提案した。すなわち、細胞表面に存在するトランスポーターを介して標識物質を細胞内に取り込ませ、この標識物質に識別物質として蛍光色素を結合させておき、トランスポーターを通過した標識物質に結合した蛍光色素で細胞分類を行うのである。この方法では、取り込まれた標識物質は、分離収集された後に、可逆的にトランスポーターから排出させることができるので、分離後の細胞に対する影響が少ない。
細胞表面抗原を可逆的に標識することで、従来の形態学的な細胞分類による細胞識別分離や、蛍光抗体法による細胞表面抗原(マーカー)染色による不可逆的な細胞識別とは異なる新しい細胞識別法が求められている。この新しい細胞識別法は、特願2004−226359と同様に、標識物質が結合した細胞を、分離後に標識物質が結合する前の細胞状態に戻すことができる、あるいは少なくても、一旦標識物質で標識した細胞表面抗原を可逆的に脱標識することで細胞に与える影響を最小限にとどめることが実現できるものであることが必要である。
細胞を識別して分離することは、細胞に施した処理結果を評価するために行われる場合も有るが、より重要な目的は、分離した細胞を再利用することにある。たとえばヒトより分離した幹細胞を分化させて生体内に戻す(移植する)することを想定すると、細胞表面に標識物質や蛍光体などの識別物質が多量に残っていることは、それ自体ハプテンとして働いたり、変異原性を持っていたりするために避ける必要がある。しかしながら、先にも述べたように、細胞をある指標を基に分離するには、多くの場合、表面抗原に標識物質を結合させて標識し、標識物質に結合している識別物質を頼りに目的細胞を分離せざるを得ない。したがって、分離した目的細胞を利用して細胞機能の研究をする場合や、目的細胞をさらに培養して利用したり、研究したりする場合は、標識物質を分離後に脱離させ、分離されるべき目的細胞が標識物質あるいは識別物質により変質することを極力回避することが必要である。
本発明では、表面抗原の標識物質にマイルドな条件で分解可能な物質を用いるとともに、表面抗原の標識物質を生理的な条件の下で、細胞に影響の無いように分解して除去する。具体的には、標識物質に種々立体構造を形成することのできるポリヌクレオチドを利用する。このポリヌクレオチドは一般的にアプタマーと呼ばれる概念のものである。たとえば、全長を80塩基とし、3’末端側と5’末端側の20塩基は制御された既知の塩基配列とし、中央部の40塩基はランダムな配列の多種類の合成ポリヌクレオチドを用意する。これらの合成ポリヌクレオチドを、内面に分離したい細胞の表面抗原を固定したカラムに通す。その結果、カラム内面には分離したい細胞の表面抗原にアフィニティーがある配列のポリヌクレオチドが捕捉される。このカラムをアルカリ処理して、捕捉されたポリヌクレオチドを分離回収し、PCR増幅することにより、細胞表面抗原に特異的に結合するポリヌクレオチドを得ることができる。すなわち、マイルドな条件で分解可能な表面抗原の標識物質としてのアプタマーを得ることができる。
より特異性が高く、結合力の強いアプタマー(ポリヌクレオチド)を得るために、PCR増幅時にわざとフィデリティーを落として配列が変化するようにしてアフィニティー精製を繰り返す進化工学的な手法を併用しても良い。表面抗原に結合する塩基部分を修飾して電荷を持たせて結合力を高める工夫がなされるケースもある。あるいは塩基の糖鎖部分を修飾したヌクレオチドを用いて結合力を高める工夫がなされるケースもある。
得られる構造認識型ポリヌクレオチドのバックボーン構造はリボヌクレオチド型でもよいし、デオキシリボヌクレオチド型でもよい。一般的に色々な構造に対応するにはリボヌクレオチド型のほうが有利であるが、周辺に存在するRNaseによる不用意な分解があるので使いづらいケースもある。使い勝手の面ではデオキシリボヌクレオチド型のほうが有利である。DNaseは細胞の外には多くないし、不活性化も容易であるからである。
このようにして得られた標識物質としての構造認識型ポリヌクレオチド(アプタマー)を識別物質としての蛍光体あるいは金ナノ粒子や磁性ナノ粒子で修飾した識別素子を構成する。この識別素子を試料細胞と混合することで、標識物質と結合する部位を持つ細胞を識別し、識別情報を基にセルソーターで分離する。
分離後に、細胞をヌクレアーゼで処理することで表面抗原に結合している標識ポリヌクレオチドを分解除去する。標識ポリヌクレオチドがリボヌクレオチド型の場合はRNaseで分解する。デオキシリボヌクレオチド型の場合はDNaseで分解する。ここで安定性を高めるために修飾ヌクレオチドを利用する場合はこれらヌクレアーゼでの分解が完全に阻害されないように注意することが重要である。ヌクレアーゼの効果を阻害する恐れのあるヌクレオチド構造はアプタマー分子の一部分への導入にとどめるべきである。このようにすることで、たとえ、ヌクレアーゼの働かない部分があるにしてもアプタマー分子全体で見れば十分低分子に分解されるようになる。
細胞表面抗原の標識物質である構造認識型ポリヌクレオチド(アプタマー)はヌクレアーゼで容易に除去することができる。そして、RNaseやDNaseは細胞膜を通過できないので細胞内のRNAやDNAは損傷を受けることがない。また、細胞表面にRNAやDNAが露出していることも考えにくいので、細胞表面抗原に結合した構造認識型ポリヌクレオチド(アプタマー)によって細胞そのものがヌクレアーゼの影響を受けることは無いと考えられる。したがって、細胞の分離のための処理により細胞が変質することを防止できる。
本発明の実施例について説明する前に、本発明の標識物質として有用なアプタマーの例として、細胞表面抗原CD4に対するアプタマーの調製について説明する。
標識物質としてのアプタマーとしてNucleic Acids Research 26,3915-3924 (1998)記載の論文「Staining of cell surface human CD4 with 3’-F-pyrimidine-containing RNA aptamers for flow cytometry」記載の細胞表面抗原CD4に対するアプタマーを用いる。このアプタマーはリボヌクレオチド型すなわちRNAアプタマーである。上記論文ではアプタマーを蛍光で識別できるようにするために、識別物質としてRNAアプタマーの5’末端にインビトロトランスクリプションでGDP−β−Sを導入する。すなわちこの時点でアプタマーの5’末端にはチオリン酸基が挿入される。このチオリン酸基にヨードアセチル基を導入したビオチンを反応させ、5’ビオチン化RNAアプタマーを得る。
蛍光色素としてフィコビリプロテインとストレプトアビジンのコンジュゲートを反応させ、ビオチンアビジン反応でフフィコビリプロテイン修飾RNAアプタマーを得ている。フィコビリプロテインのうちβ−フィコエリトリンは吸光度計数が2.41×10−1cm−1と大きく、高量子収率も0.98と高い蛍光タンパク質性蛍光体で、高感度検出に適しているが、分子量が240Kダルトンと大きい点とタンパク製であるため非特異吸着や不安定さが問題となる場合もある。本発明でも、実施例の一つではフィコビリプロテイン修飾RNAアプタマーを用いる。しかし、分子量が240Kダルトンもあるのでサイズ的には10nm程度の粒子を識別物質に用いるのと同じである。そこで、識別物質としてフィコビリプロテインのほかに、粒子直径が10nmの蛍光色素含有粒子、粒子直径が10nmの金ナノ粒子、粒子直径が10nmの磁性粒子を用いる。
ここでは識別物質をフィコビリプロテインあるいはナノ粒子とする識別素子の例を述べる。
(i)フィコビリプロテイン修飾RNAアプタマー:上記論文記載の方法を用いてもよいが、ここでは使用しない方法を採用する。RNAアプタマー合成は化学合成が確実である。合成RNAアプタマーの5’末端にアミノ基を導入する。アミノ基の導入にはRNAアプタマーの化学合成時に導入する。5’末端に導入したアミノ基にN-(8-Maleimidocapryloxy)sulfosuccinimideのような2価性試薬を反応させてSH基と反応するマレイイミド基をRNAアプタマーの5’末端に導入する。これとは別に、β−フィコエリトリンにSH基を導入したものを調製する。SH基の導入には2−イミノチオランを用いてβ−フィコエリトリンのアミノ基を修飾しSH基を導入する。マレイイミド基を導入したRNAアプタマーと2−イミノチオラン修飾によりSH基を導入したβ−フィコエリトリンをpH7で混合してβ−フィコエリトリン修飾RNAアプタマーを得る。
(ii)金ナノ粒子修飾RNAアプタマー:Tonya M. Herne と Michael J. TarlovによるJ. Am. Chem. Soc. 1997, 119, 8916-8920記載の方法、ならびに、James J. StorhoffによるJ. Am. Chem. Soc. 1998, 120, 1959-1964記載の方法を参考にして金ナノ粒子修飾RNAアプタマーを調製する方法を述べる。金ナノ粒子(20nmφ)懸濁液に5’末端にSH基を有する合成RNAアプタマーと6−メルカプト−1−ヘキサノールを添加し、1時間放置する。ここで合成RNAアプタマーと6−メルカプト−1−ヘキサノールのモル比は1:100であるが、金ナノ粒子が凝集する場合や、合成RNAアプタマーと金ナノ粒子が結合しない場合は適宜比率を変えて最適条件を見出す。また、金粒子は凝集しやすいので、炭酸カリウム緩衝液の濃度や合成RNAアプタマーの濃度勾配ができないように攪拌しながら合成RNAアプタマーを添加する。金ナノ粒子に対して合成RNAアプタマーのモル比は、100倍の条件で反応させる。すなわち金ナノ粒子数と合成RNAアプタマー分子数が1:1000で反応させることになる。SH基を有する合成RNAアプタマーは化学合成する。反応後8000Gで1時間遠心して、上清を捨てる。0.1MのNaClを含む10mM炭酸カリウム緩衝液(pH9)に再懸濁し、再度遠心して上清を除き、0.1MのNaClを含む10mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)に懸濁してストックとする。
(iii)金粒子以外のナノ粒子修飾RNAアプタマー:たとえば、クオンタムドットのようなナノ粒子は一般に無機系のナノ粒子でできている。ビオチンを導入したポリエチレングリコールで覆われている製品がたとえばEvident Technologies社からEviFluorの商品名で、すでに市販されている。このようなビオチンつきのナノ粒子を用いるにはストレプトアビジンを結合したRNAアプタマーを用いればよい。ストレプトアビジンを結合したRNAアプタマーの調製法を述べる。上記(i)の方法でマレイイミド基を5’末端に導入したRNAアプタマーと2−イミノチオラン修飾によりSH基を導入したストレプトアビジンをpH7で混合してストレプトアビジン結合RNAアプタマーを得る。ストレプトアビジン結合RNAアプタマーとビオチンつきのナノ粒子を混合することで識別素子としてのナノ粒子標識RNAアプタマーを得ることができる。
カルボキシル基を導入したナノ粒子ではカルボキシル基をカルボジイミドで活性エステルの形にして、5’アミノ化RNAアプタマーを反応させる、よく知られた方法で識別素子としてのナノ粒子修飾RNAアプタマーを得ることができる。
以上、ナノ粒子修飾RNAアプタマーの調製法を述べたが、デオキシリボヌクレオチドでできたDNAアプタマーの場合も、合成機でDNAアプタマーを合成する時に5’末端に上記RNAアプタマーと同様にSH基やアミノ基を導入することができるので、識別素子としてのフィコビリプロテイン修飾DNAアプタマー、金ナノ粒子修飾DNAアプタマー、金粒子以外のナノ粒子修飾DNAアプタマーを同様に調製することができる。
RNAアプタマーは上記合成法以外にも定法に従い5'末端側にT7プロモータを持つ1本鎖DNAとして合成し、その後RNAポリメラーゼを用いてRNAに転写してもよい。
(実施例)
細胞表面抗原CD4を標識するための標識物質としてRNAアプタマーを採用し、RNAアプタマーが結合した細胞の分離回収のための識別物質としてβ−フィコエリトリンを採用して識別素子を構成した例について説明する。すなわち、細胞表面抗原CD4提示細胞を上述したβ−フィコエリトリン修飾RNAアプタマーで特異的に標識し、特願2004−379327記載のプラスチックチップ基板上に形成したセルソーターである細胞分離チップを用いて分離する。
図1は細胞表面抗原CD4提示細胞をβ−フィコエリトリン修飾RNAアプタマーで特異的に標識してセルソーターで分離する処理の流れを説明する図である。図1の最上段部に試料10中に2種類の細胞3,4が混在する様子を示す。細胞3には、黒く塗りつぶした三角で示す細胞表面抗原CD4が表れていて、これを参照符号1で示す。細胞4は、黒く塗りつぶした丸で示すCD4以外の表面抗原2が細胞表面に表れている。この試料に、上述したβ−フィコエリトリン修飾RNAアプタマー11を混合する。RNAアプタマーを参照符号5で、β−フィコエリトリンを参照符号6で示す。標識物質11の濃度は100nMである。図1の最上段部の試料10から下向きに逆Y字型に表示した矢印のついた線の共通部に矢印で向かう線を示したのはこれを意味するためである。
この結果、細胞3の細胞表面に存在するCD4抗原1には、識別物質であるβ−フィコエリトリンで修飾された標識物質RNAアプタマーが結合する。CD4以外の表面抗原2には標識物質RNAアプタマーは結合しない。標識物質RNAアプタマーを修飾する識別物質β−フィコエリトリンは532nmのYAGレーザー第2光長波で励起すると、575nm近傍に強い蛍光を発する。したがって、細胞分離チップでは、この蛍光を検出することでCD4提示細胞と、そうでない細胞とを分離することができる。逆Y字型に表示した矢印の先端部の参照符号12で示すのは標識物質RNAアプタマーが結合した細胞3のグループ、参照符号13で示すのは標識物質RNAアプタマーが結合しない細胞4のグループである。
次に、セルソーターで分離したCD4提示細胞をマイクロチューブに回収し、直ちにヌクレアーゼ14を作用させる。RNAアプタマーは立体構造を形成しているので、1本鎖RNAを分解するリボヌクレアーゼAのようなタイプのヌクレアーゼだけでは十分な分解ができないケースがある。1本鎖と2本鎖RNAの両方を分解する酵素を用いるのが効果的である。ここではThe Journal of Biological Chemistry 244、 5219-5225 (1969)記載のSerratia marcescens由来のヌクレアーゼを遺伝子工学的に量産した(European patent No. 0229866、 US patent No. 5,173,418)商品名Benzonase(登録商標)を使用する。この酵素は、37℃で働き、使用pHレンジが6から9と中性領域であるので細胞に対して利用しやすい。高濃度のリン酸や一価の金属イオンで酵素化成が落ちるので、ここでは緩衝液として比リン酸系の緩衝液、たとえば10mM HEPES(pH7.4)で、0.15M NaCl、2mM MgCl、1mg/ml BSAを含むものを用いる。リン酸系を使用せざるを得ない場合は、リン酸カリウム/ナトリウム濃度を5mMに押さえ、0.15M NaCl、2mM MgCl、1mg/ml BSAを含む条件で用いる。Benzonase(登録商標)ヌクレアーゼの量は10〜100u/mlで使用する。あるいは、リボヌクレアーゼAとリボヌクレアーゼT1の混合物を用いることもできるがSerratia marcescens由来のヌクレアーゼのほうが汎用性に富む。
必要に応じて、緩衝液の変わりに血清を用いることも考えられるがこの場合は、血清中のヌクレアーゼインヒビターの影響があるケースがあるので、血清ロット毎にBenzonase(登録商標)ヌクレアーゼ添加量を加減する必要があるかもしれない。一般的には血清を用いる場合は100〜400u/mlで利用することでよい結果を得られる。
図1の標識物質RNAアプタマーが結合した細胞3のグループ12の下側の矢印にヌクレアーゼの矢印が向いているのはヌクレアーゼを添加する処理を意味するものとして表示された。この処理を参照符号は14とした。ヌクレアーゼを作用させた結果、細胞3の表面のCD4抗原1に結合している標識物質RNAアプタマー6は分解される。これを図1では分解された標識物質RNAアプタマーを点の集まりとして表示し、参照符号7で示した。ここで、参照符号15で示すのは、細胞3、分解された標識物質RNAアプタマー7および識別物質β−フィコエリトリン6の混在したものである。
次に、この混合物の細胞上清を交換して分解物17(分解された標識物質RNAアプタマー7および識別物質β−フィコエリトリン6の混合物)を除去することにより、表面にCD4抗原1を持つ細胞3のみが回収される。細胞上清の交換には遠心を用いる。3000rpmで15分間遠心して細胞を沈殿させ、上清を捨てることで分解物17を除去できる。沈殿した細胞を培養液に再懸濁する。この処理を参照符号は16とした。参照符号18は回収された表面にCD4抗原1を持つ細胞3の集まりである。ここで、細胞3の参照符号を3’とし、表面CD4抗原1の参照符号を1’としたのは、細胞3にヌクレアーゼを作用させた結果、少ないとはいえ、細胞3、抗原1が何らかの影響を受けている可能性があるから、全く同じではない、と言う意味である。
図2はヌクレアーゼの添加により細胞表面に結合した識別物質β−フィコエリトリンの蛍光強度の時間変化を検討した結果を示す図である。ここでは、細胞をプレパラートの上にのせ、蛍光顕微鏡で細胞表面を観察し、細胞全体から得られる蛍光強度の積算値を観察する。ヌクレアーゼでアプタマー部分が分解されると識別物質β−フィコエリトリンが細胞表面から拡散して検出できなくなるので、細胞表面の蛍光強度を追跡することでヌクレアーゼがアプタマー部分を分解していく様子を追跡できる。図2では横軸に時間、縦軸に一細胞からの蛍光を積算して細胞あたりの蛍光強度として表示した。セルソーターで分離したβ−フィコエリトリン修飾RNAアプタマーが結合した細胞表面CD4提示細胞(図1に参照符号12で示す標識物質RNAアプタマーが結合した細胞3のグループ)を蛍光顕微鏡下で細胞表面の蛍光強度(励起波長532nm、蛍光波長575nm、バンドパスフィルター使用)を経時的に追跡した結果である。蛍光退色を防ぐため、励起光を照射する時間は極力短くし、たとえば1分間インターバルで1秒だけ光照射して蛍光計測を行う。
22は蛍光強度の時間変化を示す線である。ここで、矢印21がBenzonase(登録商標)ヌクレアーゼを添加したタイミングである。励起波長532nmの励起光の照射時間を短くしても、退色を完全に防ぐことは困難であり、Benzonase(登録商標)ヌクレアーゼを添加しない状態(時間領域23)でも、蛍光強度は時間とともに若干低下する。時刻21でBenzonase(登録商標)ヌクレアーゼを添加すると、若干の時間的遅れはあるものの、細胞から検出できる蛍光強度が時間領域24に示すように、急速に低下する。
このことは、β−フィコエリトリン修飾RNAアプタマーが結合した細胞表面CD4提示細胞をセルソーターで分離する段階では、β−フィコエリトリンの識別物質としての機能には問題がなく、ヌクレアーゼが添加されると細胞表面に結合しているβ−フィコエリトリン結合RNAアプタマーのRNAアプタマー部分(図1の参照符号5)が分解し、蛍光体であるβ−フィコエリトリン6が溶液中に拡散してしまうことを表している。
図3は、本発明によって、β−フィコエリトリン結合RNAアプタマーを除去して得られた表面CD4提示細胞が培養可能であることを示す図である。横軸に時間、縦軸に細胞数を表示した。図2の特性から、Benzonase(登録商標)ヌクレアーゼを添加してβ−フィコエリトリン修飾RNAアプタマーが十分なレベルで除去できたと言える時間をあらかじめ評価しておく。セルソーターで分離された細胞にヌクレアーゼを添加して前記時間の経過を待ってβ−フィコエリトリン修飾RNAアプタマー除去済みの細胞を得る。この細胞を、例えば、本願の発明者らが提案する特願2004−305258の発明の細胞培養用マイクロチャンバーで培養する。この細胞培養用マイクロチャンバーはアガロース製のアレー状のマイクロチャンバーからなり、半透膜を介して倍溶液を常時交換可能な構造で、細胞を一細胞ごとに長期間培養することができる。βフィコエリトリン結合RNAアプタマーを除去した表面CD4提示細胞を培養すると、グラフ31のように細胞が分裂を行う。グラフ31が階段状になっているのは、スタートした細胞が一細胞であるために、細胞分裂ごとに細胞数が増えることを示している。Benzonase(登録商標)ヌクレアーゼ処理を行わない細胞はグラフ32のように分裂することができず、いずれ死滅する。
このように細胞標識にRNAアプタマーを結合させて表面抗原を認識し、細胞標識の必要がなくなった後にリボヌクレアーゼでアプタマーを分解除去すれば、細胞標識前の分裂できる程度の自然な状態に戻すことができる。この技術は、実施例1で説明したように、セルソーターを用いる細胞分離に革命的な効果をもたらす。すなわち、表面抗原を抗体で標識する従来方では、目的細胞の分離後に標識物の細胞からの除去ができずに、細胞に与えるダメージが致命的である場合がほとんどであった。本発明を用いることで、表面抗原の標識物質を可逆的に除去できるようになったので、分離細胞の利用ができるようになったのである。
(アプタマーの他の例1)
実施例では、標識物質としてのアプタマーをRNAアプタマーとし、細胞表面抗原CD4を標識する場合について具体的に説明した。ここでは、標識物質としてのアプタマーがDNAタイプとして、生細胞組織のマイクロ分離に利用する例について説明する。
DNAアプタマー調製はCD4抗原に対してランダムな40塩基長の配列の両端にPCR増幅用のプライミング配列を配したものを予め用意し、磁気粒子に固定したCD4抗原でアフィニティー分離を行うことによる。アフィニティー精製したフラクションを配列の両端のプライミング配列を用いてPCR増幅し、再度磁気粒子に固定したCD4抗原でアフィニティー分離を行う。この工程を繰り返すことでRNAアプタマーに比べれば結合力が弱いがCD4抗原に結合するDNAアプタマーを得る。最終的に片方のプライマーに保護基を有するSH基を5’末端に持つプライマーを用いてPCR増幅して5’末端SH化DNAアプタマーを得る。後は実施例記載の方法と同様に金ナノ粒子β−フィコエリトリンと反応させて識別素子としてのβ−フィコエリトリン修飾DNAアプタマーを得る。
バイオプシーサンプルをスライドグラス上に軽く押しつぶし固定する。β−フィコエリトリン修飾DNAアプタマーを添加し、30分間放置することでCD4提示細胞をβ−フィコエリトリン修飾DNAアプタマーで標識する部分を切り出し(あるいは標識されない部分をレーザーキリングで焼ききる)、培養液中でBenzonase(登録商標)ヌクレアーゼあるいはDNaseIをpH7で処理すると、CD4リッチな組織部分を生きたまま得ることができる。
(アプタマーの他の例2)
ここでは、標識物質としてのアプタマーがEpCAMに結合するRNAタイプであり、識別物質が磁性粒子(粒径100nm程度)を用いるケースについて説明する。血中を循環するがん由来細胞でEpCAMを表面抗原としてもつ細胞の分離検出を目的とする。
EpCAMに結合するRNAアプタマーの調製は40塩基からなるランダムな配列の1本鎖DNAの5'末端にT7プロモーター配列を含む26塩基長の配列を導入し、3'末端に24塩基からなるPCR用のプライミングサイトを導入した全長90塩基長の配列を合成する。配列は5'側からTAATACGACTCACTATAGGGAGACAAN(40)TTCGACAGGAGGCTCACAACAGGである。T7配列を用いてRNAポリメラーゼでRNAに転写する。RNAに転写には500μlスケールで100pmolのDNAに100uのT7ポリメラーゼを作用させる。基質は各々3mMの2‘−F−CTP,2’−F−UTP,各々1mMのATPとGTPで25℃で10時間行う。RNA転写後DNaseIでDNAを分解し電気泳動で転写RNA産物を回収する。回収した転写RNA産物を熱変性後、2mMのMgClを含むPBS(pH7.4)中でEpCAM固定セファロースCL4Bカラムに通す。結合した転写RNA成分を7M尿素を含む溶液で溶出させる。得られる転写RNA成分を逆転写し両端の既知配列部分に相補な配列のプライマーペアーでPCR増幅する。得られるPCR産物を再度T7プロモータで転写し同様にEpCAM固定セファロースCL4Bカラムで捕捉し、結合した転写RNA成分を回収する。転写−捕捉−回収−PCR増幅の工程を15回繰り返し、EpCAMに特異的に反応するRNAアプタマーを得る。
得られるアプタマーにNucleic Acids Research 26,3915-3924 (1998)記載の論文「Staining of cell surface human CD4 with 3’-F-pyrimidine-containing RNA aptamers for flow cytometry」記載の方法のインビトロトランスクリプションでアプタマーの5’末端にはチオリン酸基を挿入する。このチオリン酸基にヨードアセチル基を導入したビオチンを反応させ、5’ビオチン化RNAアプタマーを得る。ストレプトアビジンコンジュゲート磁気ビーズを反応させ、識別物質が磁性粒子のEpCAMに特異的に反応するRNAアプタマーを得る。 EpCAM陽性のがん細胞へのRNAアプタマー標識磁性粒子の反応を説明する。血液10mlを5倍容の培養液に懸濁し、EpCAMに対応するRNAアプタマー標識磁性粒子を添加し、30分間緩やかに攪拌する。懸濁液を内径2mmのチューブに通し、チューブに1cmおきで配したネオジウム系磁石のアレーで穴の磁性粒子を捕捉する。回収した磁性粒子を培養液で洗浄し、実施例1のセルソーターで細胞を分離する。このとき、細胞に磁性粒子が結合したものを分離する。分離の判断は形状による。分離した細胞にBenzonase(登録商標)ヌクレアーゼを添加し、アプタマー部分を分解し、生細胞を得る。分離した生細胞を特願2004−305258記載の細胞培養用マイクロチャンバーで培養する。がん細胞であれば長期培養に耐えることができ、程なく分裂を開始する細胞も現れる。
一般に造血系細胞以外の血液中に循環する生細胞は、がん由来細胞がほとんどである。血内では生きたまま血管内皮表面から剥がれることはないし、剥がれたとしても血中内で防御機構が働き分解されてしまう。これに対して、がん細胞は生きたまま剥がれ落ちるし、血中内でも抵抗を示し、生きたまま血管内を循環する。しかし、量的には少なく、生検には向かない。血液中に循環するがん由来細胞を濃縮して、一定期間培養することができればがんの部位を特定することはできないが体のどこかに病巣があることを知ることができる。
なお、前記識別素子の識別物質を粒子あるいは磁気粒子とした場合、前記識別素子の標識物質が結合した細胞の識別に粒子像ないし散乱光検出あるいは磁気検出を用いることができる。
本発明は試料細胞群から細胞に与えるダメージを抑制して特定の細胞を分離できるので再生医療に有用である。
細胞表面抗原CD4提示細胞をβ−フィコエリトリン修飾RNAアプタマーで特異的に標識してセルソーターで分離する処理の流れを説明する図である。 ヌクレアーゼの添加が識別物質β−フィコエリトリンの蛍光強度に及ぼす影響を検討した結果を示す図である。 β−フィコエリトリン結合RNAアプタマーを除去して得られた表面CD4提示細胞が培養可能であることを示す図である。
符号の説明
1…細胞表面抗原CD4、2…CD4以外の表面抗原、3,4…細胞、5…RNAアプタマー、6…β−フィコエリトリン、10…試料、11…β−フィコエリトリン修飾RNAアプタマー、12…標識物質RNAアプタマーが結合した細胞3のグループ、13…標識物質RNAアプタマーが結合しない細胞4のグループ、15…細胞3と分解された標識物質RNAアプタマー7と識別物質β−フィコエリトリン6が混在したもの、16…細胞3の回収処理、17…分解物、18…回収された表面にCD4抗原1を持つ細胞3の集まり。

Claims (8)

  1. 特定細胞の表面に存在する特定の抗原に特異的に結合するポリヌクレオチドを標識物質とし、該標識物質は共有結合で識別物質と結合している構造をした識別素子を準備し、試料細胞群と前記識別素子を混合して前記試料細胞群中の前記特定細胞の特定抗原に前記ポリヌクレオチドを結合させるとともに前記識別物質を利用して前記特定抗原を有する特定細胞を識別して分離し、分離した細胞にヌクレアーゼを作用させて前記特定細胞の特定抗原に結合している前記ポリヌクレオチドを分解して前記特定細胞を得る細胞分離方法。
  2. がん由来細胞に発現する表面抗原に特異的に結合するポリヌクレオチドで、前記ポリヌクレオチドは共有結合で標識物と結合している構造をしており、試料細胞郡中の前記がん由来細胞で発現する表面抗原に前記ポリヌクレオチドを結合させて識別して分離し、分離した細胞にヌクレアーゼを作用させて前記がん由来細胞で発現する表面抗原に結合している前記ポリヌクレオチドを分解して前記がん由来細胞を得てがんの存在を判定する細胞検査方法。
  3. がん由来細胞でEpCAMを表面抗原に特異的に結合するポリヌクレオチドで、前記ポリヌクレオチドは共有結合で標識物と結合している構造をしており、試料細胞郡中の前記がん由来細胞でEpCAMを表面抗原に前記ポリヌクレオチドを結合させて識別して分離し、分離した細胞にヌクレアーゼを作用させて前記がん由来細胞でEpCAMを表面抗原に結合している前記ポリヌクレオチドを分解して前記がん由来細胞を得てがんの存在を判定する細胞検査方法。
  4. 特定細胞の表面に存在する特定の抗原に特異的に結合するポリヌクレオチドを標識物質とし、該標識物質は共有結合で識別物質と結合している構造をした識別素子を準備し、試料細胞群と前記識別素子を混合して前記試料細胞群中の前記特定細胞の特定抗原に前記ポリヌクレオチドを結合させるとともに前記識別物質を利用して前記特定抗原を有する特定細胞を識別する細胞識別方法において、前記ポリヌクレオチドを分解するヌクレアーゼを試薬として用いる細胞識別方法。
  5. 前記ポリヌクレオチドがリボヌクレオチドでできており、前期ヌクレアーゼがリボヌクレアーゼ(RNase)である請求項1記載の細胞分離方法。
  6. 前記ポリヌクレオチドがデオキシリボヌクレオチドでできており、前期ヌクレアーゼがデオキシリボヌクレアーゼ(DNase)であることを特徴とする請求項1記載の細胞分離方法。
  7. 前記識別素子の識別物質が蛍光体で、前記識別素子の標識物質が結合した細胞の識別に蛍光検出を用いる請求項1ないし4のいずれかに記載の細胞分離方法、細胞検査方法または細胞識別方法。
  8. 前記識別素子の識別物質が粒子あるいは磁気粒子で、前記識別素子の標識物質が結合した細胞の識別に粒子像ないし散乱光検出あるいは磁気検出を用いる請求項1ないし4のいずれかに記載の細胞分離方法、細胞検査方法または細胞識別方法。
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