JP2004242513A - 未分化造血細胞検出用マーカー - Google Patents

未分化造血細胞検出用マーカー Download PDF

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Abstract

【課題】未分化造血細胞検出用の遺伝子マーカー及びポリペプチドマーカーを提供すること、及び、該マーカーを用いた未分化造血細胞の検出・分離方法を提供すること。
【解決手段】成体の骨髄の造血肝細胞等の未分化造血細胞において発現しているJAM−1の遺伝子及びポリペプチドを未分化造血細胞検出用のマーカーとして用いる。本発明においては、該JAM−1遺伝子を検出するためのプローブ、及び該JAM−1ポリペプチドを検出するための抗体を作製し、該プローブ及び抗体を用いて未分化造血細胞を検出し、更に該未分化造血細胞の分離を行う。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、未分化造血細胞検出用遺伝子マーカー及び未分化造血細胞検出用ポリペプチドマーカー、特にはJAM−1遺伝子からなる未分化造血細胞検出用遺伝子マーカー、JAM−1タンパク質からなる未分化造血細胞検出用ポリペプチドマーカー、及び該マーカーを用いた未分化造血細胞の検出・分離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
我々の体内を流れる血液には、酸素を運搬する赤血球、免疫系を構成し生体防御の担い手となる好中球、好酸球、好塩基球などの顆粒球、単球及びリンパ球からなる白血球、止血に関わる血小板など形態も機能も大きく異なる血液細胞が含まれている。これら全ての血液細胞は、骨髄に少数存在する造血幹細胞から様々な中間段階を経て分化・成熟する。成熟した血液細胞の寿命は短く、たとえばヒトにおいて、赤血球は約120日、血小板は約7日であり、白血球の中で最も多く存在する好中球では血中にわずか約8時間程度留まるだけである。このような消費を補うために、成人の体内では1日に約2000億個の赤血球および血小板と約700億個の好中球が産生されている。このように造血系は、骨髄中の造血幹細胞を起源として大量の血液細胞の産生を生涯にわたって維持するきわめて動的に制御されたシステムである。この造血系の起源となる造血幹細胞は、こうした造血系の特徴を保つために、1個の細胞からすべての系統の血液細胞を作り出せる多分化能と自分と同じ細胞を作り続けることが出来る自己複製能という2つの能力を持つ細胞と定義される。
【0003】
造血幹細胞は、上記のように自己複製能と多分化能という2つの能力を有する。これらの能力によって、造血幹細胞は骨髄において、造血のホメオスタシス(恒常性)の維持や、感染やストレスに対処する誘導的造血のための正確な複製及び分化を行っている。造血幹細胞が、このような正確な自己複製能を維持するためには、造血幹細胞と造血支持環境との相互作用が重要である。こうした相互作用には、造血幹細胞と造血支持細胞とがインテグリン(Integrin:細胞表面上の接着機能受容体分子)やノッチ(Notch)受容体などを介して接触することによる直接的な相互作用、及び幹細胞因子(stem cell factor:SCF)などの液性因子を介した間接的な相互作用があり、これらが相互に関連し造血を調節している。しかし、造血幹細胞は他の組織の幹細胞と比べてその存在箇所の特定は難しく、正確な自己複製能の維持に必要な造血環境の分子基盤であるニッチェ(生態学的箇所)の解明は遅れている。また、造血環境の形成に必要な因子もまだ不明な部分が多い。この原因の一つとして、灌流により得られる骨髄細胞中のストローマ細胞の割合が非常に低く(0.05%未満)、単離が難しい事が挙げられる。
【0004】
発生学的には、ヒトの造血組織は、胎児の卵黄嚢で始まり、胎生2ヶ月からは肝が造血の主座を占めるようになるが、胎生4ヶ月を頂点として次第に減少する。胎生4ヶ月からは骨髄造血が始まり、胎生7ヶ月からは骨髄が造血の主座となる。胎児の成熟に伴って肝、脾の造血機能は次第に低下し、骨髄が成人期の中心的な造血器官として機能する。
【0005】
骨髄での造血は、造血幹細胞を全ての血液細胞を起源として、様々な段階の造血前駆細胞を経て分化・増殖し、最終的に成熟血球として血管内へ生み出される。該造血幹細胞は、自己複製能によって個体の生涯にわたって、造血を維持できる。該造血幹細胞は、分化を開始するとまず自己複製能を失って多分化能を持った多能性造血前駆細胞を経て、次第に各系統の血球に特徴的な構造と機能とを獲得し成熟血球となる。これらの過程で造血前駆細胞は盛んに増殖し、最終的に多数の血球を産生できる。
【0006】
このように血液細胞は、多能性造血幹細胞から種々の造血前駆細胞を経て分化し形成される。成熟の進んだ血液細胞は、細胞内顆粒などの特徴によって光学顕微鏡で形態的に区別できる。一方、造血幹細胞及び造血前駆細胞のような未分化な造血細胞では、形態的な区別がつかない。形態的に判別できる最も初期段階の細胞は、マクロファージに分化する単芽球、好酸球・好中球・好塩基球に分化する骨髄芽細胞、巨核球・血小板に分化する巨核球芽等が知られている。
【0007】
形態的に判別できない該造血前駆細胞を、機能的に観察する公知の方法としてコロニー形成法(Colony forming unit−culture:CFU−C)がある。本方法は、メチルセルロース(methyl cellulose)を用いた固形培地に種々のサイトカインを加えて、被検細胞を培養し形成される血液コロニーを形態的に観察するものである。最も未分化な混合コロニー形成単位(Colony forming unit−mix:CFU mix)は、マクロファージ・顆粒球、赤血球・巨核球に分化できる細胞であり、これらの混在した血球コロニーとして観察される。混合コロニー形成単位より分化が進み、顆粒球マクロファージ系のみに分化が限定された造血前駆細胞は、顆粒球マクロファージコロニー形成単位(Colony forming unit−granulocyte:CFU−GM)として観察される。さらに分化が進むと、マクロファージに分化するマクロファージコロニー形成単位(Colony forming unit−macrophage:CFU−G)となる。赤血球系にコミットした造血前駆細胞は、赤芽球バースト形成単位(Burst−forming unit−erythroid:BFU−E)及び赤血球コロニー形成単位(Colony forming unit−erythroid:CFU−E)として観察される。巨核球血小板系にコミットした造血前駆細胞は、巨核球コロニー形成単位(Colony forming unit−megakaryocyte:CFU‐Meg)として検出できる。
【0008】
近年、造血幹細胞の発生に関して、マウスを用いたいくつかの研究の報告がなされている。該報告を用いて血液細胞の発生について詳細に説明すると、血液細胞は発生段階においていくつかの組織を経由した後に骨髄へと移行する(図1)。マウスの血液細胞は、胎生7.5日の卵黄嚢に現れる血球塊から最初に発生するが、この時期の血液細胞のほとんどが有核の胎生型赤血球で、成体型造血再建活性(long−term repopulating−hematopoietic stem cell:LTR−HSC)を持つ造血幹細胞は存在しない(Immunity, 1, 291−301, 1994)。LTR−HSC活性を有する造血幹細胞はそれより遅れて胎生10日の大動脈−中腎−生殖隆起周辺の領域(Aorta−gonad−mesonephros:AGM)から発生する事が確認されている(EMBO J., 19,2465−74,2000)。
【0009】
AGM領域では、造血幹細胞は大動脈内皮細胞に接着した状態で存在しており、ES細胞を用いた分化培養系でも内皮細胞マーカーであるFlk−1陽性、血液細胞マーカーであるCD45陰性細胞からCD45陽性の血液細胞が増殖して来ることから、血液細胞が血管内皮細胞と共通の前駆細胞(ヘマンジオブラスト:hemangioblast)から分化することが示唆されている(Immunity, 16, 673−83,2002;Development, 124, 2039−48, 1997;Development, 125, 1747−57, 1998)。AGM領域から発生した造血幹細胞は胎生11.5日には、胎生期の主な造血器官である肝臓へと移行する。肝臓において造血幹細胞は活発に増殖と分化を繰り返しており、出生直後まで肝臓での造血は続くが、造血幹細胞は胎生16日には脾臓、18日に成体の造血器官である骨髄へと移行していき、これと並行して肝臓は次第に成体の主な役割である代謝器官へと性質を変える。
【0010】
血小板の前駆細胞である巨核球は、16〜32Nに相当する多倍数体で、球形または卵形の直径30〜100μmの大型血液細胞であり、止血作用に関与する血小板の産生を担っている。巨核球は、胎生期肝臓に初めて見い出され、脾臓及び骨髄にも存在し、これらの臓器で造血幹細胞から、混合コロニー形成単位(CFU−Mix)、巨核球系コロニー形成単位(CFU−Meg)を経て分化する。
【0011】
興味深いことに、巨核球と発生過程の造血前駆細胞とは共通した表面抗原を発現していることが知られている。例えば、巨核球系の表面抗原であるCD41は、AGM領域の血球塊にも発現しており、ES細胞からのEmbryoid body(EB)培養法を用いた実験では、CD41陽性細胞から血液細胞が発生することから、胎生期において発生過程の造血前駆細胞に発現していることが示唆されている(Developmental biology, 243, 301−11, 2002;Development, 129, 2003−13, 2002;Blood, 101, 508−16, 2003)。また成体の造血系においても、巨核球の増殖因子として知られているThrombopoietin(TPO)が、より幼若な細胞であるcommon myeloid progenitor(CMP)の増殖を促進し、TPOやその受容体であるであるc−mplの遺伝子破壊マウスでは、巨核球のみならずCMPの量が減少するという事から、巨核球と幼若な血液前駆細胞との関連性が示唆される(Blood, 92, 4−10, 1998;Blood, 87, 2162−70, 1996)。
【0012】
一方で、巨核球は内皮細胞のマーカーであるCD31やvWFなどを発現し、逆にc−mplが内皮細胞に発現していることから、内皮細胞との関連も示唆されている(Blood, 91, 923−9, 1998)。
【0013】
近年、骨髄培養の技術が進歩し、顕微鏡下で識別が可能な幼若細胞より更に未分化な造血前駆細胞を検出することも可能になった。また、そのような技術も開示されている(特表2000−509277号公報)。しかし、造血前駆細胞から成熟血球に至る過程は、その機構の複雑さと、造血前駆細胞の未分化の段階での検出・分離の困難さから、まだそのメカニズムの多くが解明されていない。したがって、これらの研究を進展させるためには、該未分化段階での造血細胞を検出・分離する手段を開発することが重要である。特に、昨今は骨髄移植や細胞治療の技術が進展してきており、自己複製能を有するとともに、多種類の細胞にも分化できる造血幹細胞の検出・分離が重要となり、そのような手段の開発が切に望まれているところである。
【0014】
【特許文献1】
特表2000−509277号公報。
【非特許文献1】
Developmental biology, 243, 301−311, 2002。
【非特許文献2】
Development, 129, 2003−2013, 2002。
【非特許文献3】
Blood, 101, 508−516, 2003。
【非特許文献4】
Blood, 92, 4−10, 1998。
【非特許文献5】
Blood, 87, 2162−2170, 1996。
【非特許文献6】
Blood, 91, 923−929, 1998。
【非特許文献7】
Journal of Cell Biology, 142, 117−127, 1998。
【非特許文献8】
Immunobiology, 204, 572−581, 2001。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、未分化造血細胞検出用の遺伝子マーカー及びポリペプチドマーカーを提供すること、更には、該マーカーを用いた未分化造血細胞の検出・分離方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、血液細胞のマーカーとなる抗原を見い出すべく、胎生肝臓において巨核球様の細胞を強く染色する抗体を作成した。該抗体の抗原を探索した結果、接着因子の一つであるJAM−1(junctional adhesion molecule−1)が、該抗体に特異的に結合される分子であった。該JAM−1は、造血能の最も高い時期の胎生肝臓において発現しており、更に該JAM−1が、成体の骨髄の造血幹細胞においても発現していることを見い出し、JAM−1が未分化造血細胞検出用のマーカーとして用いることができることを確認して、本発明を完成するに至った。
【0017】
本発明者らが本発明を完成するに至った経緯について説明すると、まず、本発明者らが造血支持因子の探索源に胎生肝臓を用いたのは、マウス胎生14.5日では肝臓の約20%が血液細胞以外の細胞であり培養なしに大量の造血支持細胞を調製することが出来ること、及び胎生肝臓では成体の骨髄よりも活発に造血幹細胞の増殖および分化が起こっており造血支持因子の探索に適していることによる。そこで、本発明者らは、最も造血能の高いマウス胎生14.5日の肝臓を用い、シグナルトラップ法(signal sequence trap:SST)、及び胎生肝臓抗原に対するモノクローナル抗体の作成とその抗原遺伝子の同定という2つの方法で造血支持因子の探索を行った。これら発生段階の方法は膜外に存在するタンパクを標的とし、細胞間の相互作用に関与する遺伝子のスクリーニングに有用な方法であると考えたからである。得られた抗体でマウス胎生14.5日の肝臓の切片を染色して調べた結果、肝芽細胞や内皮細胞、星状細胞など様々な細胞を染色する抗体が存在していた。その中には、巨核球を強く染色する抗体も5種類(24−10,27−8,27−9,34−8,38−5)含まれていた(図2)。
【0018】
本発明者らは、これらの得られた巨核球を染色する5種類の抗体が、幼若な血液細胞のマーカーとなることを期待し、抗原の同定および血液細胞における発現パターンの解析を主な目的として研究を進めた。最初に、これら5種類の抗体の内、4種類の抗体に対する抗原がLO細胞(AGM領域由来のヘマンジオブラスト様細胞株)に発現していることを確認した。そこで、抗原の同定のため、LO細胞から作製したcDNAライブラリーを用いて、発現クローニングを行った。
その結果、4種類の抗体全てがJAM−1(junctional adhesion molecule−1)を認識していることが判明した。次に、CD41が胎生期特異的に幼若な血液細胞に発現していることを踏まえて、AGM領域および胎生肝臓におけるJAM−1の発現を解析した。
【0019】
その結果、どちらにおいても幼若な血液細胞でJAM−1が発現していた。実際に、胎生肝の血液細胞をJAM−1陽性と陰性に分け、コロニー形成能を比較した結果、JAM−1陽性細胞の方が混合コロニー形成単位(CFU−Mix)の数が有意に多かった。また、フローサイトメトリー法による解析からは、骨髄細胞全体では、JAM−1陽性細胞が1〜4%であったのに対して、成体の骨髄の造血幹細胞分画(c−kit及びSca−1二重陽性の造血幹細胞分画)に存在する細胞では95%以上がJAM−1を発現していることが判明した。更に、種々の造血組織から、JAM−1陽性細胞を分離してコロニー形成を調べたところ、JAMは未分化造血前駆細胞を検出するマーカーとなることが明らかになった。以上の結果から、JAM−1は発生段階に関わらず、幼若な血液細胞のマーカーとなりうることが確認された。
【0020】
本発明の未分化造血細胞のマーカーとなるJAM−1は、膜一回貫通型のタンパク質で、膜外に2つのインテグリン様のループ構造を持つ接着因子である(図6)。JAM−1は、内皮細胞及び上皮細胞、血液では巨核球と樹状細胞に発現していることが報告されている(Journal of Cell Biology, 142, 117−127, 1998;Immunobiology, 204,572−581, 2001)。本発明は、該JAM−1の遺伝子及びポリペプチド(タンパク質)を未分化造血細胞の検出用マーカーとして用い、更には、該マーカー遺伝子検出用のプローブを作成し、及び該マーカーポリペプチド(タンパク質)に特異的に結合する抗体を作成し、未分化造血細胞の検出、分離を行うことよりなる。
【0021】
すなわち具体的には本発明は、JAM−1遺伝子からなる未分化造血細胞検出用遺伝子マーカー(請求項1)や、JAM−1遺伝子が、配列表の配列番号1、3、5、7、9、又は11に示される塩基配列を有することを特徴とする請求項1記載の未分化造血細胞検出用遺伝子マーカー(請求項2)や、未分化造血細胞の検出が、造血幹細胞の検出であることを特徴とする請求項1又は2記載の未分化造血細胞検出用遺伝子マーカー(請求項3)や、JAM−1タンパク質からなる未分化造血細胞検出用ポリペプチドマーカー(請求項4)や、JAM−1タンパク質が、配列表の配列番号2、4、6、8、10、又は12に示されるポリペプチドを有することを特徴とする請求項4記載の未分化造血細胞検出用ポリペプチドマーカー(請求項5)や、未分化造血細胞の検出が、造血幹細胞の検出であることを特徴とする請求項4又は5記載の未分化造血細胞検出用ポリペプチドマーカー(請求項6)や、請求項1又は2記載のJAM−1遺伝子のDNA配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA配列を有する未分化造血細胞マーカー遺伝子検出用プローブ(請求項7)や、請求項2記載の塩基配列のアンチセンス鎖の全部又は一部からなる請求項7記載の未分化造血細胞マーカー遺伝子検出用プローブ(請求項8)や、請求項7又は8記載のDNAの少なくとも1つ以上を固定化させたことを特徴とする未分化造血細胞マーカー遺伝子検出用マイクロアレイ又はDNAチップ(請求項9)からなる。
【0022】
また本発明は、請求項4又は5記載のポリペプチドを用いて誘導され、該ポリペプチドに特異的に結合することを特徴とする抗体(請求項10)や、抗体が、モノクローナル抗体又は該抗体の可変領域をフレキシブルなペプチドリンカーで結合した一本鎖抗体であることを特徴とする請求項10記載の抗体(請求項11)や、抗体が、ポリクローナル抗体であることを特徴とする請求項10記載の抗体(請求項12)からなる。
【0023】
さらに本発明は、請求項7〜9のいずれか記載の診断用プローブ及び/又は請求項10〜12のいずれか記載の抗体を用いて、被検細胞における未分化造血細胞検出用マーカー遺伝子及び/又は未分化造血細胞検出用マーカーポリペプチドの発現を検出することを特徴とする未分化造血細胞の検出方法(請求項13)や、未分化造血細胞が造血幹細胞であることを特徴とする請求項13記載の未分化造血細胞の検出方法(請求項14)や、請求項7〜9のいずれか記載の診断用プローブ及び/又は請求項10〜12のいずれか記載の抗体を用いて、被検細胞における未分化造血細胞検出用マーカー遺伝子及び/又は未分化造血細胞検出用マーカーポリペプチドの発現を検出し、検出した未分化造血細胞を分離することを特徴とする未分化造血細胞の分離方法(請求項15)や、請求項10〜12のいずれか記載の抗体を用いた蛍光抗体法により被検細胞中における未分化造血細胞を標識化し、該標識化した未分化造血細胞をセルソーターを用いて分離することを特徴とする請求項15記載の未分化造血細胞の分離方法(請求項16)や、請求項10〜12のいずれか記載の抗体を用いた被検細胞集団中における未分化造血細胞を標識化し、該標識化した未分化造血細胞を磁気ビーズ法を用いて分離することを特徴とする請求項15記載の未分化造血細胞の分離方法(請求項17)からなる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明は、JAM−1遺伝子及びJAM−1タンパク質を、未分化造血細胞検出用マーカーとして用いて、未分化造血細胞の検出及び/又は分離を行うことよりなる。本発明のJAM−1遺伝子からなる未分化造血細胞検出用遺伝子マーカーの遺伝子のDNA配列は、配列表の配列番号1、3、5、7、9、及び11に示されており、該DNA配列情報は、NCBIの遺伝子データーベースにおいて、それぞれアクセッションナンバーNM016946(配列番号1)、NM144503(配列番号3)、NM144502(配列番号5)、NM144503(配列番号7)、NM144504(配列番号9)、NM(配列番号11)によりアプローチすることができる。また、本発明のJAM−1タンパク質からなる未分化造血細胞検出用ポリペプチドマーカーのアミノ酸配列は、配列表の配列番号2、4、6、8、10、及び12に示されており、該配列情報は、同じくNCBIの遺伝子データーベースにおいて、それぞれアクセッションナンバーNM016946(配列番号2)、NM144503(配列番号4)、NM144502(配列番号6)、NM144503(配列番号8)、NM144504(配列番号10)、NM(配列番号12)によりアプローチすることができる。
【0025】
本発明で、検出・分離する未分化造血細胞としては、造血幹細胞及びその他の未分化な造血前駆細胞を挙げることができる。特に、造血前駆細胞の分化における多能性のメカニズムの解明や、骨髄移植や遺伝子治療の目的のために、未分化造血細胞を検出・分離する場合は、自己複製能と多分化能とを有する造血幹細胞の検出・分離が重要である。
【0026】
本発明の遺伝子マーカーにより、未分化造血細胞を検出、分離するために、JAM−1遺伝子のDNA配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA配列を有するプローブを用いることができる。該プローブを用いて未分化造血細胞を検出するには、公知の方法を用いて適宜実施することができる。例えば、配列表に示した遺伝子マーカーのDNA配列から適宜の長さのDNAプローブを作成し、適宜蛍光標識等の標識を付与しておき、これを被検体とハイブリダイズすることにより、造血細胞の検出を行う。該DNAプローブとしては、配列表に示した本発明の遺伝子マーカーの塩基配列のアンチセンス鎖の全部又は一部からなる未分化造血細胞マーカー遺伝子検出用プローブを用いることができる。
また、該プローブを、少なくとも1つ以上を固定化させたマーカー遺伝子検出用のマイクロアレイ又はDNAチップの形で用いることもできる。
【0027】
なお、上記DNAプローブの作製に際して、本発明の塩基配列において、「JAM−1遺伝子のDNA配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」条件としては、例えば、42℃でのハイブリダイゼーション、及び1×SSC(0.15M NaCl、0.015M クエン酸ナトリウム)、0.1%のSDS(Sodium dodecyl sulfate)を含む緩衝液による42℃での洗浄処理を挙げることができ、65℃でのハイブリダイゼーション、及び0.1×SSC、0.1%のSDSを含む緩衝液による65℃での洗浄処理をより好ましく挙げることができる。なお、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに影響を与える要素としては、上記温度条件以外に種々の要素があり、当業者であれば種々の要素を組み合わせて、上記例示したハイブリダイゼーションのストリンジェンシーと同等のストリンジェンシーを実現することが可能である。
【0028】
更に、本発明においては、本発明のJAM−1タンパク質のポリペプチドマーカーの検出に際して、該タンパク質のポリペプチドによって誘導され、該ポリペプチドに特異的に結合する抗体を用いることができる。該抗体としては、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体を挙げることができる。また、ファージディスプレイ(phage display)法等により作製された一本鎖(Single chain)抗体も利用が可能である。該抗体の作製は、本発明のポリペプチドマーカーを抗原として、常法により作製することができる。本発明の抗体を用いて、被検細胞における未分化造血細胞検出用マーカーポリペプチドの発現を検出するには、公知の抗体を用いた免疫学的測定法を用いて実施することができる。該免疫学的測定法としては、例えばRIA法、ELISA法、蛍光抗体法等の公知の免疫学的測定法を挙げることができる。
【0029】
本発明においては、本発明の診断用プローブ及び/又は本発明の抗体を用いて、被検細胞における未分化造血細胞検出用マーカー遺伝子及び/又は未分化造血細胞検出用マーカーポリペプチドの発現を検出し、検出した未分化造血細胞を分離して未分化造血細胞を取得することができる。
例えば、本発明の抗体を用いて蛍光抗体法を用いて未分化造血細胞を、検出・分離するには、公知の方法により未分化造血細胞を標識化し、標識化した未分化造血細胞を公知のセルソーターにより分離し、採取する。すなわち、まず蛍光抗体法により未分化造血細胞を標識化するには、本発明の未分化造血細胞検出用ポリペプチドマーカーに特異的に結合する抗体を蛍光標識し、これを抗原を発現している未分化造血細胞に結合させて、造血細胞を標識化する(直接蛍光抗体法)か、或いは、抗原を発現している未分化造血細胞に、未標識の本発明の特異抗体を結合させた後に、標識化した二次抗体(抗免疫グロブリン抗体)を結合させて造血細胞を標識化し(間接蛍光抗体法)、該標識化した造血細胞を蛍光活性化セルソーター(フローサイトメーターの一つ)等により、分離、採取する。
【0030】
また、本発明の抗体を用いて公知のビーズによる細胞分離法を利用して未分化造血細胞を分離、採集できる。すなわち、未標識の本発明の未分化造血細胞検出ポリペプチドマーカーに特異的に結合する抗体を造血細胞に反応させて、抗原を発現している未分化細胞に結合させる。さらに、公知の磁気ビーズを結合した二次抗体を反応させて、該造血細胞を磁気によって標識化する。或いは、まず、本発明の未分化造血細胞検出用ポリペプチドを公知の方法によってビオチン(biotin)によって標識し、これを造血細胞に反応させ、抗原を発現している未分化造血細胞に結合させる。さらに、該造血細胞に、公知のビオチンに対して特異的に結合するストレプトアビジン(streptoavidin)を結合させた磁気ビーズを結合させて該造血細胞を磁気標識する。該磁気標識化した造血細胞を、磁気分離カラム等の磁気分離装置により、分離、採取する。
【0031】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
【0032】
[材料及び方法]
(パニング法による発現クローニング)
この実験ではSeedらにより考案された方法(Proc Natl Acad Sci USA 84, 3365−3369, 1987)を一部改良して行い、1週間の実験を1セットとしてインサート(挿入断片)が濃縮されるまで繰り返し作業を行った。
一日目に、LO細胞株のcDNAライブラリーを導入した大腸菌を500mLのLB培地に接種し、O.D.600nmが0.6になるまで培養した後、クロラムフェニコールを加え更に一晩培養を続けた。一方で、COS7細胞株をトリプシン−EDTA溶液でディッシュから剥がした後、6cmディッシュに5〜10×10の細胞を播種し培養した。
【0033】
2日目に、培養した大腸菌を遠心して上清を十分取り除いた後、20%ショ糖/50mM Tris−HCl(pH8.0)に懸濁した。懸濁した大腸菌溶液にリゾチーム溶液を添加し5分間氷上で静置した後、EDTA(pH8.0)を加え、更に5分間氷上に静置した。次に、50mM Tris−HCl(pH8.0)を加え37℃で5分間加温した後、再び氷上に戻して氷冷した10%ショ糖/10mM塩酸マグネシウム/DMEM(Doulbecco’s modified Eagle medium)を徐々に加え撹拌した。上記で処理したプロトプラスト(protoplast)化大腸菌懸濁液をディッシュから培養液を取り除いたCOS7細胞に重層し、室温で10分間、2,000rpmで遠心した後、ディッシュから上清を取り除いた。
50%(W/W)ポリエチレングリコール1450/DMEM溶液をディッシュ上に均一に加えた後、直ちにディッシュから過剰のポリエチレングリコール溶液を吸引し2分間細胞融合させた。DMEM培地で2回プレートを洗浄した後、10%FCS/DMEM培地中で3〜4時間培養した。その後、培養液を交換し更に3日間培養した。
【0034】
5日目に、大腸菌と融合したCOS7細胞を5mM EDTA/PBSでディッシュから剥がし、細胞数をカウントした後、遠心して上清を除き各ハイブリドーマの上清を2mLずつ加え氷上で30分間反応させた。その後、PBSで細胞を洗浄し、5×10細胞/mLとなるように5%牛胎仔血清/PBSで懸濁し200μLの二次抗体結合ビーズ(Dyna beads M−450 Goat anti rat IgG:Dynal社製)を加え氷上で30分間反応させた。抗原を発現している細胞の回収には、マグネットホルダーを用いて5〜10回洗浄を行ない、非結合の細胞を除くことにより行った。Dyna beadsと結合し残った細胞をHirt溶液により溶解し、5分の1量の5M NaClを加え4℃で一晩反応させた。
6日目に、細胞溶解液からフェノール・クロロホルム抽出およびクロロホルム抽出によりタンパクを除去し、エタノール沈澱によりプラスミドの精製を行った。精製したプラスミドをエレクトロポレーション法により大腸菌に形質転換し、LB培地で一晩培養した。
7日目に、培養した大腸菌をグリセロールによりストックし、残りの大腸菌からプラスミドの回収およびcDNAインサートの確認をした。
【0035】
(Total RNAの抽出)
頚椎脱臼したマウスを速やかに解剖し、各組織300mgを2mLのTRIzol reagent(In Vitrogen社製)に入れホモジナイザーで破砕した。各組織を1.5mLの遠心チューブに移し、8000rpmで5分間遠心し、上清を新しいチューブに移し2回クロロホルム抽出を行い、イソプロパノール沈澱によりRNAを精製した。精製したRNAは、50μLのDEPC(diethyl pyrocarbonate)水に溶解し、吸光度計により濃度を測定し−80℃に保存した。
【0036】
(ジゴキシゲニンDigoxygenin(DIG)ラベルプローブの作成)
JAM−1のcDNAをノーザンブロット法用のプローブとして用いるため、cDNAを含むプラスミドを制限酵素Not Iで処理し、フェノール・クロロホルム抽出及びクロロホルム抽出によりタンパクを除去した後、エタノール沈澱によりDNAフラグメントを回収した。DNAフラグメントは、1μg/μLになるように純水に溶解した後、1μLを35μLの純水に希釈し、10×PCR緩衝液 5μL、ジゴキシゲニン−DNA標識液(DIG−DNA labeling mixture) 4μL、10pM プライマー 5μL、TaqDNAポリメラーゼ(r−Taq polymerase) 1μLを混合し、熱変性94℃ 1分、アニーリング50℃ 30秒、伸長72℃ 1分の反応を40サイクル行った。
【0037】
(ノーザンブロット)
各試料のtotal RNA 10μgを1%ホルムアルデヒド−アガロースゲルにて電気泳動し、核酸ブロッティング用メンブレン(Hybond N membrane:Amersham Pharmacia Biotech社製)にブロッティング後、2分間、紫外線照射で固定した。次に、以下の条件でハイブリダイゼーションを行った。まず、ハイブリダイゼーション液(50%ホルムアミド、5×SSC、50mMリン酸ナトリウム緩衝液 pH7.0、2% blocking reagent、0.1%サルコシル(sarocosyl)、7%SDS)で、42℃、1〜4時間インキュベートした後、20μg/mlのプローブが入ったHybridization bufferで42℃、8〜16時間インキュベートした。ハイブリダイゼーション終了後、メンブレンを第一洗浄液(1st washbuffer:2×SSC、0.1%SDS)で、室温、5分、2回、第二洗浄液(2nd wash buffer:2×SSC、0.1%SDS)で58℃、15分、2回洗浄した。次に、緩衝液1(Buffer 1:0.1M maleic acid、0.15M NaCl、pH7.5(BOEHRINGER MANNHEIM社製))で1分、緩衝液2(Buffer 2:2% blocking regent in Buffer 1)で30分ブロッキングしアルカリフォスファターゼ結合−抗ジゴキシゲニン抗体(Anti−Digoxigenin−Alkaline phosphatese conjugated antibody:BOEHRINGER MANNHEIM社製)で30分間反応させた後、Buffer1で15分、2回洗浄した。アルカリ性のAssay buffer(0.1M Tris、0.1M NaCl、50mM MgCl、pH9.5)で5分、化学発光基質(CDP−Star Chemiluminescent Substrate:New England Biolabs社製)を含むアッセイ液で5分それぞれインキュベートし、アルカリフォスファターゼによる基質の化学発光をX線フィルム(Amersham Pharmacia Biotech社製)に感光させた。
【0038】
(抗体の精製)
抗体を大量に生産するため、前処理として1週間前に0.5mLのpristane(ICN Biomedicals inc.製)を注射しBalb/c slcのヌードマウス(SLC社)に、500μLのPBSに懸濁した5×10のハイブリドーマを腹腔内に注射した。2〜3週間後に、ヌードマウスの腹部が膨らんできたら、頚椎脱臼後にシャーレ上で切開し腹水を回収した。回収した腹水は、3000rpm、20分間遠心し、脂肪と血球を除去し4℃で保存した。腹水からの抗体の精製には、MabTrap Kit(Amersham Pharmacia Biotech社製)を使用し、方法はキットに添付のプロトコールに従い行った。実際に行った方法を手短に説明すると、1mLの腹水と結合液(Binding Buffer)1mLを混ぜ0.45μmのフィルターに通した後、5mLの純水で一回洗浄し、3mLの結合液で1回平衡化したカラムに通し、抗体をカラムに含まれるプロテインG(Protein G)に結合させた。抗体の結合したカラムを5mLの結合液で洗浄し、5mLの溶出液(Elution buffer)で抗体をカラムから溶出した。この際、75μLの中和液(neutralizing buffer)を入れたチューブに1mLずつ分注し各画分のタンパクの濃度を吸光度計のOD値280で計った。精製した抗体はその後、SLIDE−A−LyzerDialysis Cassette(PIERCE社製)に入れPBSに浸積し、4℃、12〜16時間透析することで余計な塩を取り除いた。
【0039】
(抗体のビオチン化)
抗体のビオチン化は、ECL protein biotinylation module(Amersham Pharmacia Biotech社製)を使用し、方法はキットに添付のプロトコールに従って行った。手短に説明すると、抗体を1mg/mLの濃度になるよう2mLの炭酸緩衝液(bicarbonate buffer)に希釈し、80μLのビオチン化剤(biotinylation reagent)を加え室温で1時間放置しビオチン化を行った。ビオチン化された抗体は、5mLの0.1%BSA/PBS、20mLのPBSの順に平衡化させたSephadex G25 colum(Amersham Pharmacia Biotech社製)に通して精製した。
【0040】
(胎生肝の分離およびフローサイトメトリー法による解析)
各発生段階の胎仔マウスより肝臓を摘出し、眼科用ハサミで細断した。1mg/mLのコラゲナーゼ溶液で37℃で15分処理して細胞を分散させた。次に、低張の溶血液(15mM Tris、100mM NHCl)で4℃、5分間処理し、混入している赤血球を破壊後、口径70μmのセルストレーナー(cell strainer)に通した。フローサイトメトリー法には、細胞を1サンプルあたり1×10から1×10/50μLになるよう5%牛胎仔血清−2mM EDTA/PBSで懸濁し、非特異的染色を防ぐため抗マウスFc−受容体γ抗体を1μL加え、氷上で30分間静置した。細胞をPBSで洗浄後、50μLの5%FCS−2mM EDTA/PBSに懸濁し1μLの一次抗体を加え氷上で30分間静置後、細胞をPBSで洗浄し、50μLの5%FCS−2mM EDTA/PBSに懸濁して1μLの二次抗体を加え更に30分間氷上で静置した。抗体を結合させた細胞は、PBSで洗浄し5%FCS−2mM EDTA/PBSに懸濁した後、フローサイトメーター(FACS Calibur(Becton−Dickinson社))により解析した。
【0041】
(フローサイトメトリー法により分取した細胞の形態的観察)
回収用セルソーター(FACS Vantage:Becton−Dickinson社)により分取した細胞を1×10となるよう100μLのPBSに懸濁し、集細胞装置(Cytospin:Thermo Bioanalysis社)で300rpm,3分間遠心してスライドガラスに張り付けた。風乾後、グリュワイド溶液で3分間固定し水道水で余分な溶液を洗い流した。次に、ギムザ溶液で、30分間染色し、水道水で余分な溶液を洗い流した。光学顕微鏡により細胞の形態を観察した。
【0042】
(骨髄における造血幹細胞分画の解析)
頚椎脱臼したマウスから取り出した大腿骨および頚骨を、PBSにより灌流し骨髄の血液細胞を回収した。回収した血液細胞は、溶血液により赤血球を除去した。さらに分化した血球を除く目的で、10の細胞を500μLの5%FCS/PBSに懸濁し、分化マーカーであるTer119、Gr−1、B220、CD4およびCD8抗マウスラット抗体(Pharmingen社)を5μLずつ加え氷上30分間反応させた。細胞をPBSで洗浄後、2mLの5%FCS/PBSに懸濁しDyna beadsを300μL加え4℃、30分間、穏やかに震盪させながら反応させた。Dyana beadsに結合した細胞はマグネットホルダーにより除去し、残った未分化な細胞をフローサイトメトリー法により解析した。
【0043】
[実施例の結果]
(「巨核球様細胞を染色する抗体の抗原の発現」−抗原はAGM由来の細胞株LOに発現している−)
巨核球のマーカーであるCD41は胎生期特異的に幼若な血液細胞に発現しており、また巨核球のマーカーとなる分子が内皮細胞に多く発現していることから、巨核球様の細胞を染色する5つの抗体(24−10,27−8,27−9,34−8,38−5)がヘマンジオブラストに発現している可能性が考えられた。
そこで、これらの抗体が我々の研究室で樹立したAGM由来のヘマンジオブラスト様細胞株LOにおいて発現しているかフローサイトメトリー法により解析した。この際、細胞株を用いた理由として、恒常的に抗原を発現している細胞株が存在すると、抗原の特定やその他の解析に有用であると考えられたからである。その結果、これら5種類の抗体のうち、24−10,27−9,34−8および38−5がLO細胞で発現していることが分かった(図3)。一方で、27−8に関しては、発現が確認できなかった。
【0044】
(「巨核球様細胞を染色する抗体の認識」−抗体のうち、4種類は(JAM−1)junctional adhesion molecule−1を認識している−)
巨核球様細胞を染色する抗体のうち4種類の抗体の抗原がLO細胞で発現していることが確認できたので、これらの抗原をクローニングするため、我々の研究室で作製したLO細胞のcDNAライブラリーを用いて発現クローニングを行った。スクリーニングは3回行い、1回目と2回目は4種類の抗体を全て混ぜて、3回目のみ各抗体に分けて行ったが、2回目のスクリーニングの段階で既に特定のcDNA断片の濃縮が確認され、3回目の各抗体に分けて行ったスクリーニングでは、どの抗体を用いた場合にも同じ長さのcDNA断片が確認された。そこで、3回目のスクリーニングにより得られたプラスミドを大腸菌に形質転換して植菌しコロニーを10個単離して解析したところ、10クローン中6クローンが同じ長さのcDNAであった(図4)。
【0045】
cDNAの塩基配列をシークエンシング反応により調べたところ、接着分子の一つjunctional adhesion molecule−1(JAM−1)であった。JAM−1は、膜一回貫通型のタンパクで、膜外に2つのインテグリン様のループ構造を持つ接着因子である(図5)。また、JAM−1は内皮細胞および上皮細胞、血液細胞では巨核球と樹状細胞に発現していることが報告されている(Journal of Cell Biology 142, 117−127, 1998、Immunobiology 204, 572−581, 2001)。JAM−1の成体の各組織での発現パターンをノーザンブロット法により調べたところ、発現量に差が有るもののほとんど全ての組織でJAM−1が発現していた(図6)。しかし、最初の2回のスクリーニングは抗体を混ぜて行ったため、4種類の抗体全てがJAM−1を認識しているのか確認する必要があった。そこで、JAM−1をリポフェクションによりCOS7細胞に強制発現させ、これらの抗体が実際にJAM−1を認識するかフローサイトメトリー法により解析した。その結果、これら全ての抗体がJAM−1を認識していることが判明した(図7)。
【0046】
(「AGM領域におけるJAM−1の発現」−AGM領域では80%以上の細胞がJAM−1を発現している−)
JAM−1は、成体の血液細胞では巨核球および血小板で発現していることが報告されている。そこで、前述したように巨核球のマーカーとなる複数の遺伝子が胎生期の未分化な血液細胞に多く発現しているということ、及びヘマンジオブラスト様細胞株LOに発現していたことから、造血幹細胞の発生部位であるAGM領域でのJAM−1の発現解析を試みた。この実験では、JAM−1陽性集団をより詳細に解析するため、ビオチン化したJAM−1抗体(27−9)を用いた多重染色でのフローサイトメトリー法により行った。その結果、AGM領域の80%以上の細胞がJAM−1を発現していた(図8)。その中でも、ほぼ全てのFlk−1陽性の血管内皮細胞、PCLP1陽性CD45陰性のヘマンジオブラストが存在すると考えられる集団(Immunity 11, 567−578, 1999)の約90%およびc−Kit,CD34共陽性の造血幹細胞集団の約75%がJAM−1を発現していた。しかし、この時期のTer119陽性の赤血球ではJAM−1は発現しておらず、CD45陽性の血液細胞での発現は40%程度であった。
【0047】
(「胎生期肝臓の血液細胞におけるJAM−1陽性細胞集団の比率」−JAM−1陽性細胞集団の比率は発生段階が進むにつれて低下する)
AGM領域では、内皮細胞やヘマンジオブラストだけで無く幼若な血液細胞もJAM−1を発現していた。そこで、AGM領域から発生した造血幹細胞の移行先である肝臓でのJAM−1の発現を発生段階に従って、フローサイトメトリー法により解析した。解析には、AGM領域から造血幹細胞が移行し始める胎生11.5日、造血能が最も高い胎生14.5日および成体の造血器官である骨髄および脾臓へ造血幹細胞が移行を始める胎生18.5日の肝臓を用いた。その結果、CD45陽性の血液細胞集団の中でのJAM−1の発現頻度が胎生11.5日では28%、胎生14.5日では15%,胎生18.5日では7%と発生段階の進行に伴い減少することが分かった(図9)。また、自家蛍光を発する肝細胞が多く存在する側方散乱光(Side Scatter:SSC)の値が高い細胞集団においては、肝臓での造血能が高い胎生14.5日まで約70%程度の細胞がJAM−1を発現しているが、それ以降の胎生18.5日では16.5%と急激に減少していく傾向が見られた。しかし、内皮細胞のマーカーであるFlk−1陽性の細胞集団においては発生段階に関わらずほぼ全ての細胞がJAM−1を発現していた。
【0048】
血液細胞全体では、JAM−1陽性の細胞は発生段階の進行と共に減少していく傾向が見られたことから、JAM1は未分化な血液細胞に多く発現している可能性が考えられた。そこで、未分化な血液細胞のマーカーであるc−kit,CD34二重陽性の細胞集団に限定してJAM−1の発現を調べた。その結果、c−kit,CD34二重陽性の細胞集団において、JAM−1を発現している細胞の割合は胎生11.5日目で60%以上と最も高く、胎生14.5日目以降では低下するものの発生段階に関わらずc−Kit,CD34共陽性細胞の20%以上がJAM−1を発現していることが確認できた(図10)。
【0049】
(「胎生期の肝臓のJAM−1陽性血液細胞」−JAM−1陽性血液細胞には未分化な細胞が多く存在する−)
胎生期の肝臓細胞でのフローサイトメトリー法による解析から、未分化な血液細胞がJAM−1を発現している可能性が示唆された。そこで、コロニーアッセイ法により、実際にJAM−1陽性の血液細胞が未分化な細胞であるかを、胎生11.5日,14.5日および18.5日の肝臓を用いて調べた。まず、最初にそれぞれの発生段階のCD45陽性の血液細胞をJAM−1陽性とJAM−1陰性にセルソーター(FACS Vantage)により精製回収し、形態を観察した。意外な事に、JAM−1陽性とJAM−1陰性の血液細胞に形態的な差はほとんど見られず、JAM−1陰性の方が球状の細胞が多かった(図11)。また、胎生18.5日のJAM−1陽性血液細胞の中には、分化した形態の細胞も多く存在していた。しかし、コロニー形成能は、JAM−1陽性細胞の方がJAM−1陰性細胞よりも高かった。形成されたコロニーの総数では、各発生段階においてJAM−1陽性細胞の方がJAM−1陰性細胞より約1.5倍多く、未分化な血液細胞のコロニーであるCFU−Mixの数では、JAM−1陽性細胞の方がJAM−1陰性細胞より胎生11.5日では約4倍、胎生14.5日および胎生18日では約10倍と非常に顕著な差が認められた(図12)。また、JAM−1陽性細胞由来のコロニーは個々のコロニーが大きく、JAM−1陽性細胞が盛んな増殖能力を持っていることを示した(図13)。
【0050】
(「成体の骨髄におけるJAM−1の発現」−成体の骨髄では造血幹細胞あるいは造血前駆細胞がJAM−1を発現している−)
胎生期の肝臓のほぼ全ての発生段階において、JAM−1が未分化な血液細胞に発現していることが示唆された。そこで、成体の主な造血器官である骨髄においてもJAM−1が未分化な血液細胞に発現しているか調べるため、造血幹細胞分画でのJAM−1の発現をフローサイトメトリー法により解析した。骨髄に存在する血液細胞の95%以上は分化段階の進んだ血液細胞であるため、最初に分化マーカーであるB220,CD4,CD8,Gr−1,Ter119を発現している細胞をDyna beadsにより除去した。この作業では、分化マーカー陽性細胞を完全には除去しきれないため、分化マーカー陽性細胞がどの程度残っているかフローサイトメトリー法により確認したところ、全体の約50%程度まで減少していた。次に、分化マーカー陽性細胞の除去により、JAM−1の発現頻度がどのように変化するか調べた。その結果、骨髄細胞全体ではJAM−1陽性細胞が1〜4%であったのに対して、分化マーカー陽性細胞を除去した後では、JAM−1陽性細胞が約15%に増加していた(図14)。
【0051】
次に、これらの細胞を造血幹細胞のマーカーであるc−kitとSca−1抗体で染色し、c−kit,Sca−1二重陽性の造血幹細胞を含む分画におけるJAM−1陽性細胞の頻度を調べた。その結果、この分画の95%以上の細胞がJAM−1を発現していることが判明した。反対にJAM−1陽性細胞において、c−kitおよびSca−1の発現を検討した結果、c−kit強陽性の分画にJAM−1陽性細胞が局在していることが分かった。しかし、この実験系では、分化マーカー陽性の細胞が完全に除去されたわけでは無く、JAM−1陽性集団が本当に分化マーカー陰性の細胞か確認する必要があった。そこで、フローサイトメトリー法の解析時に分化マーカーを完全に除去し、Sca−1陽性細胞におけるJAM−1の発現を調べた。その結果、完全に分化マーカーを除去した後でも、JAM−1,Sca−1共陽性の細胞は存在していることが判明した。以上の結果から、成体の骨髄では造血幹細胞あるいは造血前駆細胞がJAM−1を発現していることが示唆された。
【0052】
【発明の効果】
造血前駆細胞の分化における多能性のメカニズムの解明や、骨髄移植や遺伝子治療の目的のために、未分化造血細胞を検出、分離することが必要になる。特に、これらの目的のために、自己複製能と多分化能とを有する造血幹細胞の検出、分離が重要となる。本発明により、JAM−1遺伝子及びポリペプチドが未分化な造血細胞において発現され、該造血細胞の良いマーカーとして利用できることが確認できたことにより、該マーカーを使用して未分化造血細胞を容易に検出、分離することが可能となった。
【0053】
【配列表】
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【図面の簡単な説明】
【図1】マウス胎生期の造血組織の移行を示す図である。
【図2】本発明の実施例における、巨核球細胞を染色する各抗体を示す図である。
【図3】本発明の実施例における、各巨核球抗体に対する抗原のLO細胞での発現パターンを示す図である。
【図4】本発明実施例における、3回目のスクリーニングで得られたライブラリーをシングルクローンにし、cDNAインサートの長さを確認した結果を示す図である。
【図5】本発明でマーカーとして用いるJAM−1の構造を示す図である。
【図6】本発明の実施例における、JAM−1遺伝子の発現組織分布を示す図である。
【図7】本発明の実施例における、フローサイトメトリー法により巨核球様細胞を染色する抗体が、JAM−1を認識することを確認したことを示す図である。
【図8】本発明の実施例における、フローサイトメトリー法による、AGM領域おけるJAM−1の発現パターンを示す図である。
【図9】本発明の実施例における、肝臓の各発生段階におけるJAM−1の発現パターンの変化をフローサイトメトリー法により解析した結果を示す図である。
【図10】本発明の実施例における、肝臓の各発生段階の未分化な血液細胞におけるJAM−1の発現パターンの変化をフローサイトメトリー法により解析した結果を示す図である。
【図11】本発明の実施例における、JAM−1陽性及び陰性の血液細胞の形態を示す図である。
【図12】本発明の実施例における、JAM−1陽性及び陰性血液細胞由来のコロニー数を示す図である。
【図13】本発明の実施例における、胎生肝臓の各発生段階における、JAM−1陽性及び陰性の血液細胞由来のコロニーの形態を示す図である。
【図14】本発明の実施例における、骨髄の未分化な細胞におけるJAM−1の発現パターンを示す図である。

Claims (17)

  1. JAM−1遺伝子からなる未分化造血細胞検出用遺伝子マーカー。
  2. JAM−1遺伝子が、配列表の配列番号1、3、5、7、9、又は11に示される塩基配列を有することを特徴とする請求項1記載の未分化造血細胞検出用遺伝子マーカー。
  3. 未分化造血細胞の検出が、造血幹細胞の検出であることを特徴とする請求項1又は2記載の未分化造血細胞検出用遺伝子マーカー。
  4. JAM−1タンパク質からなる未分化造血細胞検出用ポリペプチドマーカー。
  5. JAM−1タンパク質が、配列表の配列番号2、4、6、810、又は12に示されるポリペプチドを有することを特徴とする請求項4記載の未分化造血細胞検出用ポリペプチドマーカー。
  6. 未分化造血細胞の検出が、造血幹細胞の検出であることを特徴とする請求項4又は5記載の未分化造血細胞検出用ポリペプチドマーカー。
  7. 請求項1又は2記載のJAM−1遺伝子のDNA配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA配列を有する未分化造血細胞マーカー遺伝子検出用プローブ。
  8. 請求項2記載の塩基配列のアンチセンス鎖の全部又は一部からなる請求項7記載の未分化造血細胞マーカー遺伝子検出用プローブ。
  9. 請求項7又は8記載のDNAの少なくとも1つ以上を固定化させたことを特徴とする未分化造血細胞マーカー遺伝子検出用マイクロアレイ又はDNAチップ。
  10. 請求項4又は5記載のポリペプチドを用いて誘導され、該ポリペプチドに特異的に結合することを特徴とする抗体。
  11. 抗体が、モノクローナル抗体又は該抗体の可変領域をフレキシブルなペプチドリンカーで結合した一本鎖抗体であることを特徴とする請求項10記載の抗体。
  12. 抗体が、ポリクローナル抗体であることを特徴とする請求項10記載の抗体。
  13. 請求項7〜9のいずれか記載の診断用プローブ及び/又は請求項10〜12のいずれか記載の抗体を用いて、被検細胞における未分化造血細胞検出用マーカー遺伝子及び/又は未分化造血細胞検出用マーカーポリペプチドの発現を検出することを特徴とする未分化造血細胞の検出方法。
  14. 未分化造血細胞が造血幹細胞であることを特徴とする請求項13記載の未分化造血細胞の検出方法。
  15. 請求項7〜9のいずれか記載の診断用プローブ及び/又は請求項10〜12のいずれか記載の抗体を用いて、被検細胞における未分化造血細胞検出用マーカー遺伝子及び/又は未分化造血細胞検出用マーカーポリペプチドの発現を検出し、検出した未分化造血細胞を分離することを特徴とする未分化造血細胞の分離方法。
  16. 請求項10〜12のいずれか記載の抗体を用いた蛍光抗体法により被検細胞中における未分化造血細胞を標識化し、該標識化した未分化造血細胞をセルソーターを用いて分離することを特徴とする請求項15記載の未分化造血細胞の分離方法。
  17. 請求項10〜12のいずれか記載の抗体を用いた被検細胞集団中における未分化造血細胞を標識化し、該標識化した未分化造血細胞を磁気ビーズ法を用いて分離することを特徴とする請求項15記載の未分化造血細胞の分離方法。
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