JP3070865B2 - ヒトプロジェニター細胞のサブセット - Google Patents

ヒトプロジェニター細胞のサブセット

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JP3070865B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明は、実質的に純粋なヒトプロジェニター細胞(前
駆細胞:progenitor cells)のサブセット(Subset)に関す
るものであり、より詳細にはCD34+/CD38-であ
る実質的に純粋なプロジェニター細胞のサブセットに関
するものである。この新規なプロジェニター細胞のポピ
ュレーション(population)は多能性(pluripotent)幹細
胞からなる。本発明はさらにこれらの多能性幹細胞を骨
髄移植および遺伝子療法に使用することに関するもので
ある。
【0002】発明の背景 ヒト造血系は幾つかの異なる系統の細胞のポピュレーシ
ョンである。これらの細胞は骨髄、胸腺、リンパ組織お
よび抹消血液中に見られる。いずれの系統内にも、多数
の成熟段階がある。大部分の場合、より未熟な発育段階
は骨髄内で生じ、より成熟した、および最終の発育段階
は抹消血液で生じる。
【0003】主要な3系統がある:成熟して血球となる
赤芽球(erythroid)系統;成熟して顆粒球(好中球、好
酸球および好塩基球を含む)および単球となる骨髄性単
球系統;ならびにBリンパ球およびTリンパ球となる類
リンパ球(lymphoid)系統。各系統内および各系統間にお
いて、抗原は系統内の細胞の表面および細胞質内で異な
る発現を示す。1種類または2種類以上の抗原の発現お
よび/または発現の強さは系統内および系統間の成熟段
階を識別するのに利用される。ローケン(Loken)らはB
リンパ球の成熟発育(Blood,70:1316,(1987))、赤芽球の
発育(Blood,69:255,(1987))、好中球の発育(Proc.Anal.
Cellular Pathol.、印刷中)、および類骨髄性単球(mono-
myeloid cell)の発育(J.Anal.Cellular Pathol.、印刷
中)につき記載した一連の報文を発表した。これらそれ
ぞれの場合においてローケンらは抹消血液中の最も成熟
した段階からさかのぼって研究し、より未分化な細胞に
ついて光散乱および抗原発現の変化を記載している。個
々の成熟段階を分化している細胞のポピュレーションに
帰属させることができる。たとえばBリンパ球を用いて
ローケンらは4段階の発育を定めている:″B IV段
階″は成熟したBリンパ球からなり、″B III段
階″は未熟なBリンパ球を表し、″B II段階″はよ
り未熟な前−Bリンパ球を表し、″B I段階″は類リ
ンパ芽球(blast lymphoid cell)を表した。同様な発育
段階が他の各系統についても述べられている。
【0004】細胞を系統に、および細胞系統内の成熟段
階に帰属させることにより、系統関連性(committment)
が示される。しかしいずれの系統にも関連せず(すなわ
ち″プロジェニター″細胞)、従って各系統に分化する
可能性を保持する細胞がある。このごく初期のプロジェ
ニター細胞は多能性幹細胞と定義されている。
【0005】米国特許第4,714,680号明細書に
シビンは、My−10と表示されるモノクローナル抗体
により認識される分化抗原につき述べている。正常な
(すなわち白血病でない)個体においては造血系内のプ
ロジェニター細胞にこの抗原が見出されるにすぎない。
従ってシビンはMy−10により認識される抗原を発現
する(すなわちCD34抗原を発現する)プロジェニタ
ー幹細胞のポピュレーションにつき述べ、My−10を
用いて骨髄移植用の幹細胞を分離する方法を記載してい
る。My−10はアメリカン・タイプ・カルチャー・コ
レクション(マリーランド州ロックフィル)にHB−8
483として寄託されている。My−10はベクトン・
ディッキンソン・イムノサイトメトリー・システム
ズ(″BDIS″)から抗−HPCA 1として市販さ
れている。
【0006】しかし実質的に純粋な多能性幹細胞のポピ
ュレーションを分離するのには抗−CD34抗体、たと
えばMy−10の単独使用では十分でない。ローケンら
の報文に示されるように、段階IのB細胞(B細胞系統
に関連する)はCD34抗原を発現する。従ってシビン
が述べる″幹細胞″と真の多能性幹細胞を識別するため
には抗−CD34モノクローナル抗体の単独使用では十
分でない。従ってこれらの細胞の真のポピュレーション
を分離することはできなかった。
【0007】このように純粋な多能性幹細胞ポピュレー
ションを得ることの利点は、遺伝子療法の分野において
最も容易に認められる。要約すると、遺伝子療法は疾病
が特定の遺伝子の欠如により起こるものである特殊な疾
病の処置であると考えられる。たとえば鎌状赤血球貧血
は単一遺伝子における欠損により起こる。鎌状赤血球貧
血患者の赤血球はこの欠損遺伝子を含み、これが欠損型
の蛋白質ヘモグロビンをコードする。この欠損型により
鎌状赤血球貧血の臨床状態が生じる。鎌状赤血球貧血
は、基礎となる欠損がいかなる細胞にも含まれる遺伝子
にあるため″治癒″し得ない。
【0008】遺伝子療法は、欠損遺伝子を含まず、その
代わりに″正常な″遺伝子を含む細胞で造血系の細胞を
置換または交換することを試みるものである。通常の組
換えDNA技術により、″正常な″遺伝子を分離し、ベ
クターに挿入し、その遺伝子によりコードされる産生物
を発現しうる細胞内へこのベクターをトランスフェクト
する。次いで細胞は患者に導入されなければならな
い。″正常な″遺伝子産生物が産生されると、患者の症
状は″治癒″する。難点は細胞が連続的に再生(regener
ation)ならびに増殖および分化しなければならないこと
である。
【0009】ウォク(Kwok)ら、PNAS 83:455
2(1986)はイヌにおいてプロジェニター細胞を用
いて遺伝子療法を行いうることを効果的に証明した。ウ
ォクらは特定の遺伝子を同等な系統関連細胞(lineage c
ommitted cell)中へ標準的組換えDNA法によるレトロ
ウイルス感染により取り込ませ、この感染細胞をイヌに
移植した。彼らはイヌから分離した細胞において遺伝子
産生物の発現を得た。これらの細胞は増殖および分化し
得たが、自己新生(self renewal)し得なかった。従っ
て″治癒″したとしてもそれは一時的なものであろう。
しかし多能性幹細胞は″正常な″遺伝子を含むベクター
をトランスフェクトするためのより好適な細胞を提供す
る。多能性幹細胞は各系統の細胞に分化しうるのみでな
く、再生しうる。従ってこれらの細胞の無限な供給が確
立される。多能性幹細胞は″自己″を認識しないという
利点をも与える。従ってグラフト対ホスト疾患の発生を
減少させるであろう。従って多能性幹細胞を移植するこ
とにより、″正常な″遺伝子を含む造血系のあらゆるタ
イプの細胞が連続的に増殖するであろう。従って多能性
幹細胞の分離は、骨髄移植のみでなく遺伝子療法におい
ても有用であろう。
【0010】発明の要約 本発明は、実質的に系統関連細胞を含まない実質的に純
粋なヒトプロジェニター幹細胞のポピュレーションから
なる。これらの細胞は実質的に純粋なコロニー形成性芽
細胞ポピュレーション、すなわちCD34+およびCD
38-からなる。CD34+/CD38-である細胞
は、″欠損″した骨髄を致死的照射(または回復しない
無形成を引き起こす他の薬剤)などの手段により破壊し
た患者の骨髄を交換するための骨髄移植に用いられ、ま
た蛋白質、酵素または他の産生物を産生する遺伝子をC
D34+/CD38-細胞のDNAに挿入し、次いでこれ
を患者の骨髄に移植する遺伝子療法に用いられる。
【0011】CD34+/CD38-細胞は骨髄、血液、
または他の組織、たとえば胸腺、リンパ系組織、脾臓ま
たは肝臓から分離される。CD34+/CD38-細胞は
これらの体液または組織から常法により、たとえば蛍光
標識された抗−CD34および抗−CD38抗体を用い
て実質的に純粋な細胞のポピュレーションを選別するフ
ローサイトメトリーにより得られる。フローサイトメト
リー以外の手段、たとえば磁性ビーズによる細胞分別法
は、CD34およびCD38に対するモノクローナル抗
体と共に用いられ、実質的に純粋な細胞のポピュレーシ
ョンを選択および分離する。
【0012】詳細な説明 実質的に特定の系統に関連する細胞を含まず、かつCD
34+/CD38-である実質的に純粋なプロジェニター
幹細胞のポピュレーションの分離および判定は下記によ
り行われた。骨髄吸引液は同意した正常な成人ボランテ
ィアから得られた。骨髄細胞調製物はNH4Cl溶解質
または密度勾配遠心分離により得られた。場合により細
胞をさらにCD34+細胞につき富化した。抗−CD
4、抗−CD8、抗−CD22および抗グリコフォリン
モノクローナル抗体を用いて成熟細胞を排除した。これ
らの抗体を赤血球溶解した骨髄と混合し、これらの抗体
に結合する細胞を抗マウスIgG標識した磁性マイクロ
スフェアにより除去した。磁性マイクロスフェアに結合
しない細胞が、富化されたヒトプロジェニター細胞であ
る。
【0013】これらのヒトプロジェニター細胞を判定す
る際には、細胞をフローサイトメトリー用に調製した。
フローサイトメトリー分析はファクスキャン(FAC
Scan)フローサイトメーターまたはファクスター
(FAC Star)プラス細胞ソーター(共にBDI
Sから入手される)により行われた。データの捕捉はフ
ァクスキャン・リサーチソフトウェアおよびファクスタ
ー・プラスソフトウェア(BDIS)により行われた。
前方光散乱、垂直光散乱、および3種類の蛍光信号を各
細胞につき判定し、リストモードデータファイルに記憶
させた。各実験で約30,000個の細胞を測定した。
リストモードデータファイルの分析はペイント−A−ゲ
ート(Paint−A−Gate、商標)ソフトウェア
(BDIS)により行われた。(米国特許第4,84
5,653号明細書も参照されたい)光学顕微鏡検査の
ためには、選別された細胞を200gで5分間遠心分離
し、10%ウシ胎仔血清(″FCS″)を含む100u
lのPRMI 1640に再懸濁した。サイトスピン調
製物はシャンドン(Shandon)細胞遠心分離機により調製
された。選別された細胞を含むスライドをギムザ染色液
により染色した。
【0014】赤血球溶解した骨髄吸引液を抗−CD38
ファイコエリスチン(″PE″)および抗−CD34フ
ルオレセインイソチオシアネート(″FITC″)モノ
クローナル抗体(抗−Leu 17 PEおよび抗−H
PCA 1 FITCとして市販、BDIS)で染色し
た。前方光散乱、垂直光散乱、および2種類の蛍光信号
をファクスキャン・フローサイトメーターにより骨髄細
胞につき判定した。この分析の一例をペイント−A−ゲ
ートソフトウェアにより図1に示す。
【0015】図1Aは前方および変換垂直光散乱の相関
ディスプレーを示す(データの変換は同一出願人による
出願中のミカエルス、ドスト、タースタッペンおよびロ
ーケンの明細書の記載に従って行われた、P−184
1、本出願と同日出願)。CD34+細胞は黒く見え、
これに対し他の細胞はすべて灰色に表される。主要細胞
のポピュレーションの位置は好酸球については″E
o″、好中球については″N″、未熟な類骨髄細胞につ
いては″IM″、単球については″M″、リンパ球につ
いては″L″、成熟した成核赤血球については″E″で
示す。黒く着色したCD34+細胞が見える光散乱領域
にゲートを施した。この光散乱ゲートを用いてさらに3
0,000個の細胞をリストモードで走査し、CD34
およびCD38発現の相関ディスプレーを図1Bに示
す。
【0016】図1Aの場合と同様に、図1BのCD34
+細胞はは黒く表され、他の細胞はすべて灰色に表され
る。前記CD38ブライト(bright)プラズマ細胞および
未熟なBリンパ球の位置はそれぞれ″P″および″I
B″で示す。CD34およびCD38抗原の分別発現に
基づいて4つのポピュレーションのCD34+細胞が識
別された。段階P Iは最小のポピュレーションであ
り、CD34抗原を明瞭に発現するが、CD38抗原を
欠如する。段階P Iは図1Cに示すように特定の光散
乱領域に見られる。これら段階P Iの細胞の形態はリ
ンパ球よりわずかに大きな細胞の著しく均質なポピュレ
ーションを示した。
【0017】段階P IIの細胞はCD38抗原の低密
度発現、およびCD38抗原密度の増大に従うCD34
抗原密度のわずかな低下を特色とする。段階P IIの
細胞は段階P Iの細胞と同様な光散乱領域に見られた
(図1F参照)。これら段階P IIの細胞の形態は段
階P Iの細胞のものに匹敵するが、比較的大きな不均
質性が認められた。
【0018】段階P IIIの細胞は高密度のCD38
抗原、および中密度のCD38抗原を特色とする。光散
乱特性に関しては、このポピュレーションは比較的低い
光散乱信号のポピュレーション、および比較的高い光散
乱信号のポピュレーションを含み、不均質であった(図
1E)。この不均質性は選別された細胞の形態検査によ
り確認された。赤芽球、類リンパ球および類骨髄細胞由
来の芽細胞がこの選別された細胞画分中に認められた。
【0019】段階P IVの細胞は高密度のCD38抗
原、および不明瞭なCD34抗原の発現を特色とする。
このポピュレーションの光散乱特性は、段階P III
の細胞に比べてよりいっそう分散していた(図1D)。
この細胞の形態検査により、段階P IIIの細胞に比
べてわずかに大きく分化した多重細胞系統の芽細胞が示
された。
【0020】10例の骨髄吸引液において、試料中の段
階P I細胞の頻度は全細胞の0.01%以下であっ
た。CD34+細胞全体の割合は約1%であった。
【0021】CD34+/CD38-細胞が実際に、実質
的に系統関連細胞を含まない実質的に純粋な多能性幹細
胞のポピュレーションからなることを確認するために、
上記4段階それぞれからの細胞を系統識別抗原の発現に
つき検査した。
【0022】赤芽球系統については、密度勾配遠心分離
により骨髄細胞調製物を得た。細胞は抗−CD38、抗
−CD34および抗−CD71(アンチトランスフェリ
ン・レセプターとして市販される、BDIS)蛍光標識
モノクローナル抗体により染色された。骨髄細胞の前方
光散乱、垂直光散乱および3種類の蛍光免疫パラメータ
ーが、ファクスター・プラス細胞ソーターにより、図1
Aに示すものに匹敵する光散乱ゲートを用いて測定され
た。図2は赤芽球について得た光散乱および相対蛍光を
示す。赤芽球であるCD71+細胞は黒く見え、これに
対し他の細胞はすべて灰色に表される。図中の矢印は赤
芽球系統の成熟トラックを示す。これらの最も初期に認
識される赤芽球はCD34抗原および高密度のCD38
抗原の発現を特色とする。これら初期の赤芽球(形態検
査によればエリストブラスト)は図1に示す段階P I
Vに一致する領域に見られ、これよりわずかな程度で段
階P IIIへ及ぶ。段階P Iまたは段階P IIの
CD71の発現は認められず、これはいずれのポピュレ
ーションにも赤芽球関連細胞が無いことを示す。
【0023】骨髄性単球系統については、赤血球溶解し
た骨髄吸引液が抗−CD33(アンチ−Leu M9と
して市販される、BDIS)、抗−CD38および抗−
CD34蛍光標識モノクローナル抗体により染色され
た。光散乱および免疫蛍光パラメーターを上記と同様に
測定し、結果を図3に示す。骨髄性単球系統のマーカー
であるCD33は黒く見え、これに対し他の細胞はすべ
て灰色に表される。図3Dは明瞭に染色されたCD33
細胞のポピュレーションを示し、これはCD34につい
ては不明瞭に染色され、段階P IIIおよび段階P
IVに一致する。この光散乱ゲート内のCD33+細胞
はすべてCD38を発現する(図3C)。段階P Iま
たは段階P IIのCD33の発現は認められず、これ
はいずれのポピュレーションにも骨髄性単球関連細胞が
無いことを示す。
【0024】Bリンパ球系統については、骨髄細胞が抗
−CD38、抗−CD10(アンチ−CALLAとして
市販される、BDIS)、および抗−CD34蛍光標識
モノクローナル抗体により染色された。この場合も光散
乱および蛍光免疫パラメーターを上記と同様に測定し、
図4に示す。Bリンパ球系統を定めるCD10+細胞は
黒く見え、これに対し他の細胞はすべて灰色に表され
る。図4Dは明瞭に染色されたCD10+細胞のポピュ
レーションを示し、これはCD34については不明瞭に
染色され、プロジェニター細胞の段階PIIIに一致す
る。この光散乱ゲート内のCD10+細胞はすべてCD
38抗原を発現する。この場合も段階PIまたは段階P
II細胞にCD10+陽性細胞は無い。
【0025】最後にTリンパ球系統については、低密度
骨髄細胞が抗−CD38、抗−CD5(アンチ−Leu
として市販される、BDIS)、および抗−CD34蛍
光標識モノクローナル抗体により染色された。光散乱お
よび蛍光免疫パラメーターを上記と同様に測定し、図5
に示す。T細胞マーカーであるCD5+細胞は黒く見
え、これに対し他の細胞はすべて灰色に表される。図5
BはCD5+/CD34+ポテンシャルT細胞前駆体がプ
ロジェニター細胞の段階P IIIおよび段階PIVに
一致することを示す。段階P Iまたは段階P IIの
CD5発現により定められるように、Tリンパ球関連細
胞は無い。
【0026】これらの研究とは別に、4段階それぞれに
属する細胞を個々のウェル内へ選別し、それらが芽細胞
コロニーを形成する能力を測定した。4段階それぞれか
らの単細胞を、単細胞培養用液体培地を入れた72ウェ
ルのプレートで平板培養した。各ウェルは20ul I
MDM混合物、2%FCS、1%BSA、5×10-5
2−メルカプトエタノール、600ug/mlトラン
スフェリン、10ug/ml大豆レシチンおよび抗生物
質の混合物を含んでいた。インキュベーション14日目
に組換えヒトIL−3、IL−6、GM−CSF、CS
Fおよびエリスロポイエチン(″Epo″)を各ウェル
に最終濃度100U/mlに添加した。ただしEpoは
2.5U/mlであった。培養物はすべて空気中5%C
2において37℃で十分に加湿したインキュベーター
内でインキュベートされた。プレートを24−34日目
の間、芽細胞コロニーの出現について観察した。7−1
4日目のコロニーを同様な条件の96ウェル平底プレー
トで再−平板培養したのち採点することにより、再−平
板培養の効率を判定した。結果を表1に示す。
【0027】 表1 コロニー形成に関して確認された4プロジェニター状態の 単細胞の平板培養効率 % 段階 段階 段階 段階 再−平板 実験 日 I II III IV 日 培養効率 1 28-34 30.3 7.0 5.6 0.0 40-47 nd 2 28-34 25.1 2.8 0 1.4 40-47 74 3 28-34 25.3 1.8 2.8 2.4 40-47 67 4 28-34 18.8 8.5 2.1 0.0 40-47 100 これから分かるように、段階P I細胞はその後の段階
と比べてより高い割合の芽細胞コロニーを形成する。芽
細胞コロニーの再−平板培養効率は顕著であった。これ
はCD34+/CD38-細胞が実質的に純粋な芽細胞コ
ロニー形成細胞のポピュレーションからなることを示
す。
【0028】他の実験において、細胞を連続的に再−平
板培養しうる可能性につき5世代にわたって調べた。表
2においては、段階P I細胞を単一ウェル芽細胞コロ
ニーから再−平板培養した。これから分かるように、段
階P I細胞は少なくとも5世代の再−平板培養にわた
って芽細胞を形成する能力をもつ。従ってこれらの細胞
は自己新生すると思われる。これは真の多能性幹細胞の
機能および特性である。
【0029】 表2 CFU芽細胞の多世代コロニー形成 実験 世代1 世代2 世代3 世代4 世代5 世代6 1 1 3a/3b 7/4 61/20 9/9 1 1 1/1 5/3 17/10 3/3 0 1 2/2 4/3 13/10 2/2 0 1 1/1 4/2 15/10 2/2 0 2 1 1/1 5/2 13/8 2/2 0 1 3/3 6/3 21/10 5/5 1 1 1/1 3/1 11/5 2/2 0 a=見出されたコロニー数 b=再−平板培養したコロニー数、生存していると思わ
れるコロニーのみを再−平板培養した。
【0030】従って実質的に純粋なヒトプロジェニター
細胞のポピュレーションを分離するためには、抗−CD
34および抗−CD38モノクローナル抗体の組み合わ
せを用いてCD34+およびCD38-であるヒトプロジ
ェニター細胞を選択する。このようなプロジェニター幹
細胞のポピュレーションを調製するための1方法は、細
胞を免疫蛍光標識されたモノクローナル抗体により染色
することである。次いで細胞をCD34+である細胞お
よびCD38-である細胞が選択される通常のフローサ
イトメトリーにより選別する。選別に際して、実質的に
純粋なヒトプロジェニター幹細胞のポピュレーションが
得られる。
【0031】CD34+およびCD38-である実質的に
純粋なヒトプロジェニター細胞のポピュレーションを用
いて遺伝子療法を行うためには、下記の方法により遺伝
子をこれらのプロジェニター細胞に挿入する。遺伝子を
選択し、それを幹細胞にトランスフェクトし、この幹細
胞を患者に移植する方法は、本発明を実施するために重
要ではない。実質的に純粋な幹細胞のポピュレーション
を用いることが重要である。利用しうる方法については
フリードマン(Friedman),Science,
244:1275(1989)およびLancet,1
988年6月,1271頁を参照されたい。
【0032】正常な遺伝子を導入するためには、まず供
与体の細胞から正常な遺伝子を分離しなければならな
い。細胞は組織、血液、または骨髄を含めた他の体液か
ら分離しうる。欠損蛋白質をコードする遺伝子を見出す
ためには、当業者により知られている手段で供与体細胞
からDNAを分離し、酵素消化により開裂させて種々の
長さのセグメントとなす。次いでこれらDNAセグメン
トを個々に、遺伝子産生物の発現に適した調節配列を含
むベクターに挿入する。次いで正常な遺伝子に関する配
列が既知である場合はノーザーンブロッティングなどの
通常の手段でベクターをスクリーニングし、または発現
産生物をウェスターンブロッティングによりスクリーニ
ングすることができる。
【0033】あるいは目的遺伝子のDNA配列または正
常蛋白質の配列が既知である場合がある。その場合は遺
伝子を合成化学により、たとえばDnAシーケンス(ア
プライド・バイオシステムズ)により製造することがで
きる。いずれの場合も遺伝子の分離または構成法によ
り、目的の遺伝子産生物をコードする遺伝子が得られる
はずである。
【0034】その遺伝子を含むDNAが調製されると、
このDNAを上記により分離したCD34+/CD38-
幹細胞のポピュレーションに挿入することができる。こ
のDNAは1)物理的方法、たとえばリン酸カルシウム
による共沈、エレクトロポレーションもしくはマイクロ
インジェクション(たとえば米国特許第4,873,1
91号明細書)、および/または2)ウイルス性ベクタ
ー、たとえばDNAが約7−8kB未満である場合はア
デノウイルス、もしくはこれより長いDNAセグメント
についてはレトロウイルスの使用により挿入しうる。後
者の場合、レトロウイルスのDNAを制限酵素により切
断し、目的配列を含むヒトDNAを挿入し、そしてリゲ
ートする。次いでこの挿入配列を含むレトロウイルスを
上記幹細胞に感染させる。次いでこの幹細胞を目的蛋白
質の産生につきアッセイする。たとえば米国特許第4,
902,783号明細書を参照されたい。
【0035】一般に分子DNAクローニング法は当技術
分野で周知であり、本発明の実施を制限しない。同様な
本発明のさらに詳細な記述についてはフリードマン(F
riedman),Science,244:1275
(1989)およびMolecular Clonin
g:A Laboratory Manual(第2
版)、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー
・プレス(サムブルック、フリッチユおよびマニアチス
編、1989)を参照されたい。
【0036】目的遺伝子を含む幹細胞を移植するために
は、細胞を通常の骨髄移植法により患者の骨髄に導入す
ることができる。一般にこれは経時的にIVによる細胞
のデリバリーを伴う。移植された細胞が既存の骨髄細胞
を完全に置換するのを保証するために、患者の骨髄は注
入前に致死的照射されてもよい。
【0037】本明細書に挙げた刊行物および特許明細書
はすべて本発明が関与する技術分野における通常の技術
水準を示す。刊行物および特許明細書すべてを、それぞ
れ個々の刊行物および特許明細書が特に個々に参考とし
て引用された場合と同様に、ここに参考として引用す
る。
【0038】本発明において特許請求の範囲の精神およ
び範囲から逸脱することなく多様な変更および修正をな
しうることは当業者に自明であるが、以下に、本発明の
好ましい態様を例示する。 (1)CD34抗原を発現するが、CD38抗原および
他の系統関連抗原の発現を欠如する多能性造血性幹細胞
からなる、ヒト細胞の実質的に純粋なポピュレーショ
ン、 (2)細胞が骨髄に由来する、(1)に記載の細胞のポ
ピュレーション、 (3)細胞が血液に由来する、(1)に記載の細胞のポ
ピュレーション、 (4)造血細胞がCD34およびCD38の発現を基準
にして選択される、多能性造血性幹細胞からなるヒト細
胞の実質的に純粋なポピュレーションの分離法、 (5)幹細胞がCD34およびCD38に対し異なる反
応を示す標識モノクローナル抗体1種類または2種類以
上で標識される、(4)に記載の方法、 (6)選択法が、蛍光標識モノクローナル抗体に対し異
なる反応を示す細胞を識別しうる手段を含む、(5)に
記載の方法、 (7)該手段がフローサイトメーターからなる、(6)
に記載の方法、 (8)CD34抗原を発現するが、CD38抗原および
他の系統関連抗原の発現を欠如する造血性幹細胞のポピ
ュレーションのゲノムを変化させるために、機能性遺伝
子産生物を産生しうる遺伝子を挿入する方法において、
下記の工程: a)該遺伝子産生物をコードする遺伝子を供給源から採
取し;そして b)この遺伝子を該ポピュレーション内の1または2以
上の細胞に挿入するを含む方法、 (9)分離された遺伝子が細胞をトランスフェクトしう
るベクターに挿入される、(8)に記載の方法、 (10)ベクターがレトロウイルスである、(9)に記
載の方法、 (11)遺伝子の供給源が正常な供与体の細胞から分離
されるDNAである、(8)に記載の方法、 (12)遺伝子産生物をコードする遺伝子を正常な状態
の該遺伝子を欠如する患者に移植する方法において、C
D34+/CD38-細胞のポピュレーションを分離し、
正常な供与体から該遺伝子を含むDNAセグメントを採
取し、該遺伝子を含むこのDNAセグメントをベクター
に挿入し、該ベクターを該細胞ポピュレーション内の1
または2以上の細胞にトランスフェクトし、そしてこの
トランスフェクトされた細胞ポピュレーションを患者に
移植することを含む方法、 (13)DNAのセグメントが組換えDNA法により調
製される、(8)に記載の方法、 (14)いずれか特定の系統に関連しない細胞のポピュ
レーションからなる、ヒト幹細胞の実質的に純粋なポピ
ュレーション、 (15)自己新生型のコロニー形成性芽細胞のポピュレ
ーションからなる、ヒト幹細胞の実質的に純粋なポピュ
レーション、 (16)細胞がCD34+/CD38-であり、他の系統
関連抗原を欠如する、(14)に記載のポピュレーショ
ン、 (17)細胞を1種類または2種類以上のモノクローナ
ル抗体が付着した固体状支持手段に逐次導通することに
より細胞が分離される、(4)に記載の方法、 (18)該手段に付着した抗体のうち1種類が抗−CD
34モノクローナル抗体である、(17)に記載の方
法、 (19)該手段に付着した抗体のうち1種類が抗−CD
38モノクローナル抗体である、(17)に記載の方
法、 (20)該手段の1つに付着した抗体がCD38および
1種類または2種類以上の他の系統関連抗原に対するモ
ノクローナル抗体からなる、(17)に記載の方法、 (21)細胞が1種類または2種類以上の発育因子に暴
露される、(1)、(14)または(15)に記載のポ
ピュレーション、 (22)発育因子がGM−CSFである、(2)に記載
のポピュレーション、 (23)細胞が造血組織に由来する、(1)に記載のポ
ピュレーション、 (24)標識が蛍光性マーカーである、(5)に記載の
方法、 (25)標識が磁性ビーズおよび蛍光性マーカーからな
る、(5)に記載の方法、 (26)1種類または2種類以上の抗体が標識に結合し
ている、(17)に記載の方法、 (27)標識が磁性ビーズである、(5)に記載の方
法、 (28)支持手段が磁性ビーズである、(17)に記載
の方法、 (29)磁性ビーズが抗−マウス免疫グロブリンで標識
される、(17)に記載の方法、および (30)まず抗−CD34モノクローナル抗体が付着し
た支持手段に細胞を導通し、次いで抗−CD38モノク
ローナル抗体が付着した支持手段に細胞を導通する、
(17)に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】抗−CD34 FITCおよび抗−CD38
PEモノクローナル抗体で標識した正常骨髄吸引液に関
する一連のドットプロットを示す図であり、(A)は試
料中の全細胞についての変換垂直光散乱−対−前方光散
乱のプロットであり、(B)は(A)に描かれたゲート
内の細胞についてのPE−対−FITC対数蛍光強度の
プロットであり、(C)は(B)にIと表示したゲート
内の細胞についての変換垂直光散乱−対−前方光散乱の
プロットであり、(D)は(B)にIVと表示したゲー
ト内の細胞についての変換垂直光散乱−対−前方光散乱
のプロットであり、(E)は(B)にIIIと表示した
ゲート内の細胞についての変換垂直光散乱−対−前方光
散乱のプロットであり、(F)は(B)にIIと表示し
たゲート内の細胞についての変換垂直光散乱−対−前方
光散乱のプロットである。
【図2】骨髄細胞の一連の変換垂直光散乱−対−前方光
散乱(A)および対数蛍光強度(B,DおよびE)のド
ットプロットを示す図であり、ここでは赤芽球が抗−C
D38 APC、抗−CD34 FITCおよび抗−C
D71 PEで標識され、これらは黒く表され、他の細
胞はすべて灰色のままである。
【図3】骨髄細胞の一連の変換垂直光散乱−対−前方光
散乱(A)および対数蛍光強度(B,DおよびE)のド
ットプロットを示す図であり、ここでは骨髄性単球が抗
−CD38 APC、抗−CD34 FITCおよび抗
−CD33 PEで標識され、これらは黒く表され、他
の細胞はすべて灰色のままである。
【図4】骨髄細胞の一連の変換垂直光散乱−対−前方光
散乱(A)および対数蛍光強度(B,DおよびE)のド
ットプロットを示す図であり、ここではBリンパ球が抗
−CD38 APC、抗−CD34 FITCおよび抗
−CD10 APCで標識され、これらは黒く表され、
他の細胞はすべて灰色のままである。
【図5】骨髄細胞の一連の変換垂直光散乱−対−前方光
散乱(A)および対数蛍光強度(B,DおよびE)のド
ットプロットを示す図であり、ここではTリンパ球が抗
−CD38 APC、抗−CD34 FITCおよび抗
−CD5 APCで標識され、これらは黒く表され、他
の細胞はすべて灰色のままである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 595117091 1 BECTON DRIVE, FR ANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNI TED STATES OF AMER ICA (72)発明者 マイケル・ロケン アメリカ合衆国カリフォルニア州94022, ロス・アルトス,サン・ジュアン・コー ト 29 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/90 C12N 5/00 - 5/28 A61K 35/00 - 48/00 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CD34抗原を発現するが、CD38抗
    の発現を欠如し、かつ赤芽球、骨髄性単球及びリンパ
    球系統関連抗原の発現を欠如する多能性造血性幹細胞か
    らなる、ヒト細胞の実質的に純粋なポピュレーション。
  2. 【請求項2】 細胞が造血組織に由来する、請求項1に
    記載のポピュレーション。
  3. 【請求項3】 細胞が骨髄に由来する、請求項2に記載
    の細胞のポピュレーション。
  4. 【請求項4】 細胞が血液に由来する、請求項1に記載
    の細胞のポピュレーション。
  5. 【請求項5】 多能性造血性幹細胞からなるヒト細胞の
    実質的に純粋なポピュレーションの分離法であって、造
    血細胞がCD34およびCD38の発現を欠如し、かつ
    赤芽球、骨髄性単球及びリンパ球系統関連抗原の発現を
    欠如する細胞を選択することによって得られる前記方
    法。
  6. 【請求項6】 幹細胞がCD34およびCD38に対し
    異なる反応を示す標識モノクローナル抗体1種類または
    2種類以上で標識される、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 選択法が、蛍光標識モノクローナル抗体
    に対し異なる反応を示す細胞を識別しうる手段を含む、
    請求項5又は6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 該手段がフローサイトメーターからな
    る、請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 細胞を1種類または2種類以上のモノク
    ローナル抗体が付着した固体状支持手段に逐次導通する
    ことにより細胞が分離される、請求項5に記載の方法。
  10. 【請求項10】 該手段に付着した抗体のうち1種類が
    抗−CD34モノクローナル抗体である、請求項9に記
    載の方法。
  11. 【請求項11】 該手段に付着した抗体のうち1種類が
    抗−CD38モノクローナル抗体である、請求項9に記
    載の方法。
  12. 【請求項12】 該手段の1つに付着した抗体がCD3
    8および1種類または2種類以上の他の系統関連抗原に
    対するモノクローナル抗体からなる、請求項9に記載の
    方法。
  13. 【請求項13】 標識が蛍光性マーカー及び/又は磁性
    ビーズである、請求項6に記載の方法。
  14. 【請求項14】 1種類または2種類以上の抗体が標識
    に結合している、請求項9に記載の方法。
  15. 【請求項15】 支持手段が磁性ビーズである、請求項
    9に記載の方法。
  16. 【請求項16】 磁性ビーズが抗−マウス免疫グロブリ
    ンで標識される、請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 まず抗−CD34モノクローナル抗体
    が付着した支持手段に細胞を導通し、次いで抗−CD3
    8モノクローナル抗体が付着した支持手段に細胞を導通
    する、請求項9に記載の方法。
  18. 【請求項18】 CD34抗原を発現するが、CD38
    抗原の発現を欠如し、かつ赤芽球、骨髄性単球及びリン
    パ球系統関連抗原の発現を欠如する造血性幹細胞のポピ
    ュレーションであって、該造血性幹細胞のゲノム中に機
    能性遺伝子産生物を産生しうる遺伝子が挿入されている
    前記ポピュレーション。
  19. 【請求項19】 CD34抗原を発現するが、CD38
    抗原の発現を欠如し、かつ赤芽球、骨髄性単球及びリン
    パ球系統関連抗原の発現を欠如し、これによりいずれか
    特定の系統に関連しない細胞のポピュレーションからな
    る、ヒト幹細胞の実質的に純粋なポピュレーション。
  20. 【請求項20】 CD34+/CD38-であり、かつ赤
    芽球、骨髄性単球及びリンパ球系統関連抗原の発現を欠
    如する、自己新生型のコロニー形成性芽細胞のポピュレ
    ーションからなる、ヒト幹細胞の実質的に純粋なポピュ
    レーション。
  21. 【請求項21】 細胞が1種類または2種類以上の発育
    因子に暴露される、請求項1、18または19に記載の
    ポピュレーション。
  22. 【請求項22】 発育因子がGM−CSFである、請求
    項21に記載のポピュレーション。
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