JP4542502B2 - 細胞分離方法ならびに細胞検査方法とその試薬キット - Google Patents

細胞分離方法ならびに細胞検査方法とその試薬キット Download PDF

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    • C12M47/00Means for after-treatment of the produced biomass or of the fermentation or metabolic products, e.g. storage of biomass
    • C12M47/04Cell isolation or sorting

Description

本発明は細胞の識別や分離を行う方法に関する。特に、再生医療や細胞のインプラントに用いる細胞分離のための細胞識別分離に関する。
細胞を識別したり分離したりしようとすると、何らかの指標に従い区別する必要がある。細胞を区別する方法としては下記のような方法をあげることができる。
1)細胞浸透性の染料による分類:
各細胞は細胞全体の形、細胞全体に占める核の比率、細胞質に存在する顆粒の種類や量に応じて、細胞浸透性の染料を利用して分類することができる。核や細胞内顆粒を分類のターゲットにする場合は、染料を用いて染色して検出する場合が多い。たとえば、核を見たい場合は酢酸オルセインや酢酸カーミン、パパニコロウ染色、DAPI染色があげられる。染料で染色して可視光で検出する他、蛍光染色で蛍光像として観察することもできる。
検出には顕微鏡下で目視観察して識別する方法とCCDカメラなどで画像として識別する方法のいずれもが実用化されている。たとえば、尿中に出現する異型細胞検査による膀胱がんや尿道のがんなどの検査や血中の異型細胞分類、組織中における細胞診によるがん検査などをあげることができる。
2)蛍光抗体法による細胞表面抗原(マーカー)染色による細胞分類:
一般にCDマーカーと呼ばれる細胞表面抗原を、それに特異的な蛍光標識抗体で染色するもので、セルソーターによる細胞分離やフローサイトメーターや組織染色によるがん検査などに用いられている。もちろんこれらは、医療面のみならず、細胞生理研究用や、工業的な細胞利用の上でも多用されている。
これらの方法は、細胞を分類して、単に、その形態学的な違いを調べるだけであれば、きわめて有用である。特に上記2)の表面抗原の分類に基づく方法は微細な分類が可能で、組織学的な研究や検査、セルソーターによる細胞分離には欠かせない方法となっている。しかしながら、細胞を分離し、その後に分離した細胞を培養して利用しようとすると問題がある、すなわち、表面抗原の蛍光標識抗体による修飾は非可逆的であるので、分離後に残る細胞表面の蛍光標識抗体により、細胞機能が損なわれる可能性がある。
細胞を分離するためには、分離のキーとなる標識物質が必要であり、この標識物質は特異的な細胞表面抗原を認識して、これと強固に結合する必要がある。また、この標識物質には、標識物質が細胞に結合していることを検出するための蛍光体や微粒子からなる識別物質が結合している必要がある。
一般的には細胞表面抗原に結合する標識物質としては、目的細胞表面抗原に対する抗体が用いられる。抗体としてはモノクローナル抗体を用いることが多い。もちろんポリクローナル抗体を用いることもできる。これらの抗体は非特異的な結合を抑え、あるいは、補体系の不用意な活性化を防ぐために、抗体のFc部位を切除したF(ab)、F(ab’)、あるいは、F(ab’)が用いられることが多い。これらの抗体やF(ab)、F(ab’)、あるいは、F(ab’)には、識別物質が共有結合で結合している。識別物質として用いる蛍光体は蛍光検出できるし、粒子も光学的に検出することができる。常磁性粒子を識別物質に用いることで特定細胞の検出と磁石による分離を同時に行う方法も開発されている。
しかし、標識物質である抗体やF(ab)、F(ab')、あるいは、F(ab')と表面抗原の結合は、結合定数が10−1以上と強固なので、平衡論的な処理方法では、細胞の分離後に、標識物質を脱離させることは困難を有する。にもかかわらず、平衡論的な高濃度の表面抗原のエピトープを遊離抗原として加える方法が抗原抗体結合の解消法として一般的に利用される。遊離抗原と細胞表面抗原が交換反応を起こして細胞から標識物質である抗体を解離させることができる。
しかし、高濃度の表面抗原に曝露されることにより、細胞機能が著しく変動したり損傷を受けたりすることは容易に想像できる。あるいは、抗原と抗体の結合は、4Mのグアニジンの塩酸塩やイソチオシアン酸塩のようなカオトロピックイオンによる変性や塩酸酸性化による酸変性で解離するが、このような過酷な条件では細胞が生存することができない。
本願の発明者らは、細胞を分類する過程で細胞機能が損なわれることを回避するための新しい分離方法として特定細胞に存在するトランスポーターを用いることを特願2004−226359として提案した。すなわち、細胞表面に存在するトランスポーターを介して標識物質を細胞内に取り込ませ、この標識物質に識別物質として蛍光色素を結合させておき、トランスポーターを通過した標識物質に結合した蛍光色素で細胞分類を行うのである。この方法では、取り込まれた標識物質は、分離収集された後に、可逆的にトランスポーターから排出させることができるので、分離後の細胞に対する影響が少ない。
特願2004−226359号明細書
従来の細胞分離方法では、シースフローセルにレーザーを照射し、細胞がレーザー光を横切った時に散乱する光を検出する方法と、予め細胞を蛍光標識しておき、レーザーを横切ったときに発生する蛍光を検出する方法がある。そして、これらの一般的なフローサイトメーターやセルソーターは高価であること、装置が大型であること、試料が多量に必要であること、液滴を作成する段階で細胞に損傷を与える可能性があること、直接、試料を観察できないことなどの問題がある。
また、従来の形態学的な細胞分類による細胞識別分離や、蛍光抗体法による細胞表面抗原(マーカー)染色による不可逆的な細胞識別とは異なる新しい細胞識別法が求められている。この新しい細胞識別法は、標識物質が結合した細胞を、分離後に標識物質が結合する前の細胞状態に戻すことができる、あるいは少なくても、一旦標識物質で標識した細胞表面抗原を可逆的に脱標識することで細胞に与える影響を最小限にとどめることが実現できるものであることが必要である。
本発明では、表面抗原の認識物質にマイルドな条件で分解可能な物質を用いるとともに、表面抗原の認識物質を生理的な条件の下で、細胞に影響の無いように分解して除去する。具体的には、認識物質に種々立体構造を形成することのできるポリヌクレオチドを利用する。このポリヌクレオチドは一般的にアプタマーと呼ばれる概念のものである。たとえば、全長を80塩基とし、3'末端側と5'末端側の20塩基は制御された既知の塩基配列とし、中央部の40塩基はランダムな配列の多種類の合成ポリヌクレオチドを用意する。これらの合成ポリヌクレオチドを、内面に分離したい細胞の表面抗原を固定したカラムに通す。その結果、カラム内面には分離したい細胞の表面抗原にアフィニティーがある配列のポリヌクレオチドが捕捉される。このカラムをアルカリ処理して、捕捉されたポリヌクレオチドを分離回収し、PCR増幅することにより、細胞表面抗原に特異的に結合するポリヌクレオチドを得ることができる。すなわち、マイルドな条件で分解可能な表面抗原の認識物質としてのアプタマーを得ることができる。
より特異性が高く、結合力の強いアプタマー(ポリヌクレオチド)を得るために、PCR増幅時にわざとフィデリティーを落として配列が変化するようにしてアフィニティー精製を繰り返す進化工学的な手法を併用しても良い。表面抗原に結合する塩基部分を修飾して電荷を持たせて結合力を高める工夫がなされるケースもある。あるいは塩基の糖鎖部分を修飾したヌクレオチドを用いて結合力を高める工夫がなされるケースもある。
得られる構造認識型ポリヌクレオチドのバックボーン構造はリボヌクレオチド型でもよいし、デオキシリボヌクレオチド型でもよい。一般的にリボヌクレオチド型のほうが多様な構造をとりやすいことから有利であるが、周辺に存在するRNaseによる不用意な分解があるので使用が困難なケースもある。DNaseは細胞外には多く存在せず、不活性化も容易であるからであるこのことから、デオキシリボヌクレオチド型のほうが使い勝手の面では有利である。
上記で得られた構造認識型ポリヌクレオチド(アプタマー)を認識物質とし、常磁性粒子に修飾して認識素子を構成する。常磁性粒子は、標的細胞のサイズに比べ小さすぎるものでは、結合した際に細胞へ取り込まれてしまい、細胞の常態に影響を与えてしまうだけでなく、磁場による回収が困難となる。しかし、常磁性粒子のサイズが大きくなると、溶液中での細胞への衝突確立が減り、細胞の回収効率が悪くなる。
そこで、標的とする細胞の特長および回収目的によって認識素子担体として用いる常磁性粒子のサイズを決定する。標的細胞の回収量のみを目的とする場合、常磁性粒子のサイズを標的細胞の(予想される)平均直径の半分以下のサイズのものを用いる。標的細胞の(予想される)平均直径の半分以上で4μmの直径の常磁性粒子では、細胞へ取り込まれる可能性は無く、回収量も遜色ない。4μmより大きい直径の常磁性粒子では、磁場での回収時間が短時間ですむので、試料中に標的細胞が十分にある場合に用いる。
標的細胞に認識素子を結合させた後、磁場中に置くことで認識素子と結合した標的細胞を回収する。
回収された認識素子に結合した標的細胞は、ヌクレアーゼで処理することで表面抗原に結合している認識物質であるアプタマーを分解除去する。認識ポリヌクレオチドがリボヌクレオチド型の場合はRNaseで分解する。デオキシリボヌクレオチド型の場合はDNaseで分解する。ここで安定性を高めるために修飾ヌクレオチドを利用する場合はこれらヌクレアーゼでの分解が完全に阻害されないように注意することが重要である。ヌクレアーゼの効果を阻害する恐れのあるヌクレオチド構造はアプタマー分子の一部分への導入にとどめるべきである。このようにすることで、たとえ、ヌクレアーゼの働かない部分があるにしてもアプタマー分子全体で見れば十分低分子に分解されるようになる。続いて、標的細胞から解離した常磁性粒子を磁場を用いて回収することで純粋な標的細胞を分離できる。
したがって、アプタマーを認識物質とし常磁性粒子と組み合わせて認識素子を構成した細胞分離方法では細胞に対して可逆的な標識で、さらには磁場中にサンプルを供するという非常に簡便なシステムによって細胞分離が可能となる。
細胞表面抗原の標識物質である構造認識型ポリヌクレオチド(アプタマー)はヌクレアーゼで容易に除去することができる。そして、RNaseやDNaseは細胞膜を通過できないので細胞内のRNAやDNAが損傷を受けることはない。また、細胞表面にRNAやDNAが露出していることも考えにくいので、細胞表面抗原に結合した構造認識型ポリヌクレオチド(アプタマー)によって細胞そのものが影響を受けることは無いと考えられる。さらに、認識素子担体として用いる常磁性粒子を用いた分離方法によって、簡便な分離方法が可能となる。したがって、大掛かりな装置を必要とせず、細胞の分離のための処理により細胞が変質することを防止できる。
本発明の実施例について説明する前に、本発明の認識物質として有用なアプタマーの例として、細胞表面抗原CD4に対するアプタマーの調製方法と常磁性粒子への修飾方法について説明する。認識物質としてのアプタマーとしてNucleic Acids Research 26,3915-3924 (1998)記載の論文「Staining of cell surface human CD4 with 3’−F-pyrimidine−containing RNA aptamers for flow cytometry」記載の細胞表面抗原CD4に対するアプタマーを用いる。このアプタマーはリボヌクレオチド型すなわちRNAアプタマーである。
上記論文ではアプタマーを蛍光で識別できるようにするために、RNAアプタマーの5’末端にインビトロトランスクリプションでGDP−β−Sを導入する。すなわちこの時点でアプタマーの5’末端にはチオリン酸基が挿入される。このチオリン酸基にヨードアセチル基を導入したビオチンを反応させ、5’ビオチン化RNAアプタマーを得る。
ストレプトアビジンがコートされた常磁性子に5’ビオチン化RNAアプタマーを加える。ストレプトアビジンがコートの常磁性粒子はすでに市販されており、例えばDynabeads M−28 Streptavidinという商品名で常磁性粒子の直径が2.8μmのものをDYNAL BIOTECH社から入手できる。アビジン−ビオチン相互作用によって5’ビオチン化RNAアプタマーが常磁性粒子に修飾される。この際、5’ビオチン化RNAアプタマーを加える量と混合溶液の塩強度をコントロールすることでアプタマーの修飾量が制御できる。
次に、認識物質を化学結合によって常磁性粒子に修飾する方法例を述べる。RNAアプタマーは上記論文記載の方法を用いてもよいが、ここでは化学合成によって作成したものを用いる。以下の方法においても常磁性粒子にRNAアプタマーを修飾する際の混合比と混合溶液の塩強度をコントロールする。
(i)アミド結合:RNAアプタマーの化学合成時にアミノ基を導入する。カルボキシル基が表面に導入されている常磁性粒子を用意し、カルボキシル基をカルボジイミドで活性エステルの形にして、5’アミノ化RNAアプタマーを反応させる。
(ii)アルデヒド結合:RNAアプタマーの5’末端にアルデヒド基を導入したものを用意する。カルボキシル基表面の常磁性粒子を用意し、カルボキシル基をカルボジイミドで活性エステルの形にした後、ヒドラジンを反応させた常磁性粒子と5’アルデヒド基RNAアプタマーを反応させる。
(iii)ジスルフィド結合:5’末端にアミノ基を導入した合成RNAアプタマーにN-(8-Maleimidocapryloxy)sulfosuccinimideのような2価性試薬を反応させてSH基と反応するマレイイミド基をRNAアプタマーの5’末端に導入する。常磁性粒子の表面にSH基の導入したものを調整する。SH基の導入は、NH表面の常磁性粒子に2−イミノチオランを用いて常磁性粒子のアミノ基を修飾しSH基を導入する。マレイイミド基を導入したRNAアプタマーをSH基表面の常磁性粒子をpH7で混合することで反応させる。
(iv)その他:この他に、DYNAL BIOTECH社から販売されているトシル基やエポキシ基表面の常時性粒子を用いて共有結合によってRNAアプタマーを修飾することができる。また、イソチオシアナート基表面の常磁性粒子を用いて、5’アミノ化RNAアプタマーを修飾する方法も有効な手段である。
以上、RNAアプタマーを常磁性粒子に修飾する調製法を述べたが、デオキシリボヌクレオチドでできたDNAアプタマーの場合も、合成機でDNAアプタマーを合成する時に5'末端に上記RNAアプタマーと同様にSH基やアミノ基を導入することができるので、認識素子として同様に調製することができる。RNAアプタマーは上記合成法以外にも定法に従い5'末端側にT7プロモータを持つ1本鎖DNAとして合成し、その後RNAポリメラーゼを用いてRNAに転写してもよい。
(実施例1)
細胞表面抗原CD4を認識するための物質としてRNAアプタマーを採用し、RNAアプタマーが結合した細胞の分離回収のために粒径が3μm常磁性粒子を用いた装置例について説明する。すなわち、細胞表面抗原CD4提示細胞を上述したRNAアプタマーと常磁性粒子で構成される認識素子を用いて磁場を利用し分離、回収する。
図1は分離システムおよびその流れを説明する図である。101は第一混合槽であり、サンプルである試料細胞群、認識素子および洗浄および希釈用の緩衝液が導入され、混合される。第一混合槽101では、右側の吹き出しに示すように、▲で示される細胞表面抗原CD4 113を持つ標的細胞111の細胞群と、●で示されるCD4以外の表面抗原114を持つ細胞112の細胞群と、細胞表面抗原CD4認識RNAアプタマー116が常磁性粒子115に修飾してある認識素子117とが混合される。この際、認識素子117の濃度が100nMとなるようにする。十分な時間を置くと、CD4抗原113とRNAアプタマー116が結合する、その結果、標的細胞111と認識素子117とが結合体となる。第一混合槽101の後流部からバルブ102で制御されて無用なドレインが排出される。
次に、第一磁場分離槽104にサンプルと認識素子混合溶液を移す。第一磁場分離槽104に磁場を発生させるために用いる磁石105が備えられる。この磁石105は希土類のネオジウムを用いるのがよい。また、この磁石は可動式とし、第一磁場分離槽104の磁場の強度を調節できる。磁場中では、右側の吹き出しに示すように、常磁性粒子115を担体とする認識素子117と結合している標的細胞111は、磁場によってトラップされ、結合しない細胞はバルブ102で制御されてドレインに流れる。結果、標的細胞111のみが試料細胞群から回収される。
第一磁場分離槽104から磁石105を離して、磁場を開放し、上流部から緩衝液を導入する。ここで用いる緩衝液は、後にヌクレアーゼで処理することを考慮し、10mM HEPES(pH7.4)で、0.15M NaCl、2mM MgCl、1mg/ml BSAの組成のものとする。
続いて、第二混合槽106にて標的細胞111と認識素子117の結合体に50u/mlのBenzonase(登録商標)ヌクレアーゼを混合する。RNAアプタマーは立体構造を形成しているので、1本鎖RNAを分解するリボヌクレアーゼAのようなタイプのヌクレアーゼだけでは十分な分解ができないケースがある。1本鎖と2本鎖RNAの両方を分解する酵素を用いるのが効果的である。ここではThe Journal of Biological Chemistry 244、 5219-5225 (1969)記載のSerratia marcescens由来のヌクレアーゼを遺伝子工学的に量産した(EP特許No. 0229866、米国特許No. 5,173,418)商品名Benzonase(登録商標)を使用する。この酵素は、37℃で働き、使用pHレンジが6から9と中性領域であるので細胞に対して利用しやすい。高濃度のリン酸や一価の金属イオンで酵素化成が落ちるので、ここでは緩衝液として比リン酸系の緩衝液を用いる。リン酸系を使用せざるを得ない場合は、リン酸カリウム/ナトリウム濃度を5mMに押さえ、0.15M NaCl、2mM MgCl、1mg/ml BSAを含む条件で用いる。Benzonase(登録商標)ヌクレアーゼの量は10〜100u/mlで使用する。あるいは、リボヌクレアーゼAとリボヌクレアーゼT1の混合物を用いることもできるがSerratia marcescens由来のヌクレアーゼのほうが汎用性に富む。
必要に応じて、緩衝液の代わりに血清を用いることも考えられるが、この場合は、血清中のヌクレアーゼインヒビターの影響があるケースがあるので、血清ロット毎にBenzonase(登録商標)ヌクレアーゼ添加量を加減する必要がある可能性がある。一般的には血清を用いる場合は100〜400u/mlで利用することでよい結果を得られる。
ヌクレアーゼを標的細胞111と認識素子117の結合体に混合すると、右側の吹き出しに示すように、RNAアプタマーが分解され(ここでは、参照符号119(スキャナで読めない可能性があるので、黒い線にしてください)を付した破線で示す)、標的細胞111が認識素子117から解離する。
ヌクレアーゼ処理後、第二磁場分離槽107へ、標的細胞111が認識素子117から解離したまま混合されているサンプルを流す。第二磁場分離槽107も、第一磁場分離槽104と同様、第二磁場分離槽107に磁場を発生させるために用いる磁石105が備えられる。第二磁場分離槽107では、、右側の吹き出しに示すように、磁場によって常磁性粒子115がトラップされ、分離された標的細胞111のみが流れていく。
第二磁場分離槽117の下流に細胞をカウントできるように、細胞の流路を挟んで、光源108とフォトンカウンター109を配置し、分離された標識細胞111の数をリアルタイムで計測する。細胞数を計測する方法として、散乱光にて検出する方法でもよい。
回収された標的細胞を含む溶液は回収して、溶液を交換して認識物質RNAアプタマーの分解物119を除去することにより、細胞表面抗原CD4提示細胞111を純粋に回収することができる。細胞上清の交換には遠心を用いる。3000rpmで15分間遠心して細胞を沈殿させ、上清を捨てる操作を行う。
このようにRNAアプタマーで修飾された常磁性粒子から構成する認識素子を用いることで、磁場による非常に簡便な細胞分離が可能である。また、RNAアプタマーを表面抗原と結合させて、細胞回収後にリボヌクレアーゼでアプタマーを分解除去すれば、細胞標識前の分裂(???)できる程度の自然な状態に戻すことができる。この技術は、上述したように、細胞の分離、回収に革命的な効果をもたらす。
(実施例2)
図2(A),(B)は、実施例1と同様に、細胞表面抗原CD4を認識するRNAアプタマーで修飾された3μm常磁性粒子からなる認識素子を用いて、細胞表面抗原CD4提示細胞を磁場を利用し分離、回収する装置例とその方法を示す図である。
図2(A)は検査装置の概念図を示す。サンプルチューブ202、分注機構201および磁場発生機構203が最小構成単位である。この他に、認識素子溶液204(細胞表面抗原CD4を認識するRNAアプタマーで修飾された3μm常磁性粒子208が混入されている)を保持しているチューブ、ヌクレアーゼ溶液を保持しているチューブ205を用意する。分注機構201はx方向、y方向(紙面に垂直方向)およびz方向に移動が制御されるとともに、自動分注が可能である。また、磁場発生機構203は可動式で、サンプルチューブ202中の磁場の強度をコントロールできる。ここで、磁場を発生させる磁石としては、希土類の磁石を用いる。また磁場発生機構の位置はサンプルチューブに対して側面の位置でも構わない。
図2(B)は、この装置を用いて細胞表面抗原CD4提示細胞を分離、回収する方法を示す。試料細胞群をサンプルチューブ202に入れる。試料細胞群には、細胞表面抗原CD4提示細胞206とそれ以外の表面抗原を持つ細胞207とが混在している。分注機構201を用いて、認識素子溶液204を分注し、撹拌する。分注機構にて撹拌しながら十分な時間反応させた後、磁場発生機構203でサンプルチューブ202中に磁場を発生させる。認識素子208と結合した細胞は、磁場によってサンプルチューブ壁面に固定される。
磁場をかけた状態で、分注機構201にて上清を回収し、さらに、緩衝液もしくは培養液にてサンプルチューブ202を2回洗浄する。続いて、ヌクレアーゼ溶液205を分注機構201でサンプルチューブ202に添加する。ヌクレアーゼを添加することで認識素子208のアプタマーが分解される(ここでは、参照符号210(スキャナで読めない可能性があるので、黒い線にしてください)で示す)。その結果、アプタマーと結合し、アプタマーで修飾された常磁性粒子とともに、サンプルチューブ202の壁面にトラップされていた細胞206が解離する。細胞206が解離した溶液を回収することで、細胞表面抗原CD4提示細胞が分離される。
(実施例3)
本発明を応用することにより、検査キットを実現することができる。ここでは、細胞表面抗原CD44に結合するRNAアプタマーを認識物質とし、認識素子担体に常磁性粒子(粒径1μm)を用いるケースについて説明する。糞便中に含まれる剥奪した癌由来細胞でCD44を細胞表面抗原として表現している細胞の分離検出およびその検査を目的とする検査キットについて説明する。
被検体である糞便0.1gを1mLの10mM PBS(pH7.5)、0.15M NaCl、1%BSA緩衝液に懸濁したものをサンプルとして用いる。RNAアプタマー修飾常磁性粒子(認識素子)をサンプル溶液に添加し、30分間緩やかに攪拌する。懸濁液を内径2mmのチューブに通し、チューブに1cmおきで配したネオジウム系磁石のアレーでチューブ内を移動する磁性粒子をトラップする。回収した常磁性粒子を培養液で洗浄し、Benzonase(登録商標)ヌクレアーゼを添加する。
30分間緩やかに撹拌した懸濁液とヌクレアーゼの混合溶液を、ネオジウム系磁石のアレーを通し、通過した溶液を回収、遠心にて細胞表面抗原CD44提示細胞を得る。分離した生細胞を細胞培養用マイクロチャンバー、例えば、本願の発明者らが提案する特願2004−305258号明細書に記載される細胞培養用マイクロチャンバー、で培養する。がん細胞であれば長期培養に耐えることができ、程なく分裂を開始する細胞も現れる。
このように糞便中の細胞からがん由来細胞を分離し、一定期間培養することができればがんの部位を特定することはできないが、体のどこかに病巣があることを知ることができる。また、抗がん剤の効能検査等も同時に行うことも可能である。
本発明に係る分離システムおよびその流れを説明する図である。 (A),(B)は、細胞表面抗原CD4を認識するRNAアプタマーで修飾された常磁性粒子からなる認識素子を用いて、細胞表面抗原CD4提示細胞を磁場を利用し分離、回収する装置例とその方法を示す図である。
符号の説明
101…第一混合槽、102…バルブ、104…第一磁場分離槽、105…磁石、106…第二混合槽、108…光源、109…フォトンカウンター、111…標的細胞、112…CD4以外の表面抗原を持つ細胞、113…細胞表面抗原CD4、114…CD4以外の表面抗原、115…常磁性粒子、116…細胞表面抗原CD4認識RNAアプタマー、117…認識素子サンプルである試料細胞群、201…分注機構、202…サンプルチューブ、203…磁場発生機構、204…認識素子溶液、205…チューブ、208…常磁性粒子、206…細胞表面抗原CD4提示細胞、207…細胞表面抗原CD4以外の表面抗原を持つ細胞、208…認識素子、210…分解されたアプタマー。

Claims (4)

  1. 特定細胞の表面に存在する特定の抗原に特異的に結合するポリヌクレオチドを認識物質とし、該認識物質が常磁性の機能を持つ担体に結合した構造を持つ認識素子を準備し、試料細胞群と前記認識素子を混合した溶液中で前記試料細胞群中の前記特定細胞の特定抗原に前記ポリヌクレオチドを結合させるとともに、前記特定抗原を有する特定細胞と前記認識素子の複合体に磁力を適用して、前記複合体を前記溶液から単離し、前記複合体にヌクレアーゼを作用させて前記特定細胞の特定抗原に結合している前記ポリヌクレオチドを分解し、さらに磁力にて前記常磁性の機能を持つ担体を除去して前記特定細胞を得る細胞分離方法。
  2. がん由来細胞に発現する表面抗原に特異的に結合するポリヌクレオチドで、前記ポリヌクレオチドが共有結合で常磁性機能を持つ微粒子担体と結合している構造の認識素子を、試料細胞群中の前記がん由来細胞で発現する表面抗原と前記ポリヌクレオチドを結合させて、前記がん由来細胞と前期認識素子の複合体を磁場を用いて単離し、前記複合体にヌクレアーゼを作用させて前記がん由来細胞で発現する表面抗原に結合している前記ポリヌクレオチドを分解し、さらに磁場によって前記常磁性機能を持つ微粒子担体を回収することで前記がん由来細胞を得てがんの存在を判定する細胞検査方法。
  3. 標的とする特定細胞に発現する表面抗原に特異的に結合するポリヌクレオチドが結合している常磁性機能を持つ物質よりなる認識素子、該認識素子と細胞群試料とを混合して前記特定細胞と前記ポリヌクレオチドの複合体を生成する混合手段、該混合手段に磁場を作用させる磁場装置、該磁場装置の発生する磁場に捕捉された認識素子に前記複合体の前記ポリヌクレオチドを分解するためのヌクレアーゼを添加する手段、前記ポリヌクレオチドの分解により分離された前記特定細胞を回収する手段、とよりなることを特徴とする細胞分離装置。
  4. 標的とする特定細胞に発現する表面抗原に特異的に結合する前記ポリヌクレオチドと、前記ポリヌクレオチドが常磁性機能を持つ物質に結合している認識素子と、該認識素子と被検体を混合したサンプル懸濁液を通すネオジウム系磁石のアレーを設けたチューブと、
    前記認識素子と前記特定細胞の複合体を解離させるためのヌクレアーゼが試薬としてセットされた試薬および検査キット。
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