JP2006237145A - 有機半導体装置組立体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い信頼性を有し、可撓性を備えた有機半導体装置組立体、及び、その製造方法を提供する。
【解決手段】有機半導体装置組立体は、有機材料から成る第1の基板10;第1の基板10上に形成された有機半導体装置22;有機材料から成る第2の基板40;第1の基板10と第2の基板40を対向させて保持するために、有機半導体装置の周囲を囲むように配置された有機材料から成る保持部材30;並びに、第1の基板10、第2の基板40、及び、保持部材30によって囲まれた空間に一端部が連通し、他端部が閉塞された有機材料から成るチューブ52を備え、有機半導体装置22は真空雰囲気等の空間に配置されている。
【選択図】 図1
【解決手段】有機半導体装置組立体は、有機材料から成る第1の基板10;第1の基板10上に形成された有機半導体装置22;有機材料から成る第2の基板40;第1の基板10と第2の基板40を対向させて保持するために、有機半導体装置の周囲を囲むように配置された有機材料から成る保持部材30;並びに、第1の基板10、第2の基板40、及び、保持部材30によって囲まれた空間に一端部が連通し、他端部が閉塞された有機材料から成るチューブ52を備え、有機半導体装置22は真空雰囲気等の空間に配置されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、有機半導体装置組立体及びその製造方法に関する。
近年、有機材料から構成される有機半導体装置の研究が活発に行われている。一般に、有機材料は可撓性を備えている。このため、例えばプラスチック基板やプラスチック・フィルム等の上に有機半導体装置を配置して、例えば画像表示装置を構成することにより、従来では実現が困難であった可撓性を有する画像表示装置を実現することができる。しかしながら、有機半導体装置を構成する材料は、環境に影響され、劣化することがある。例えば、水蒸気や酸素を含む雰囲気中に有機電界効果トランジスタ(以下、有機FETと称する)を置き、有機FETの閾値電圧を測定すると、閾値電圧が時間の経過に伴って変化することが認められる場合がある。有機半導体装置を画像表示装置等に実用的に用いるためには、有機半導体装置は、高い信頼性を備えなければならない。
このため、有機半導体装置を、第1の基板、第2の基板、及び、保持部材で囲まれた空間内に保持し、その空間内を真空雰囲気や不活性ガス雰囲気とし、有機半導体装置の長寿命化を図ることが提案されている(例えば、特開2004−247343号公報参照)。
特開2004−247343号
第1の基板、第2の基板、及び、保持部材で囲まれた空間内に有機半導体装置を配置して構成される有機半導体装置組立体においては、第1の基板、第2の基板、及び、保持部材をそれぞれ可撓性のある有機材料で構成することにより、可撓性を備えた有機半導体装置組立体を得ることができる。更に、その空間を真空雰囲気や不活性ガス雰囲気とすることにより、有機半導体装置の信頼性を高めることができる。空間を所定の雰囲気にするためには、有機材料によって囲まれる空間に連通する貫通孔から空間内の排気、充填を行い、その後に封止をする必要がある。上記特許公開公報では、排気、充填、及び、封止の方法については述べられていないが、例えば、従来の陰極線管においても、ガラス材料で囲まれた空間内の排気を行い、その後に封止を行っている。しかし、上述の有機半導体装置組立体では、有機材料で囲まれた空間内を排気、封止する必要がある。このため、ガラス材料を用いることを前提としている従来の陰極線管の方法は、有機材料に影響を与えるために、有機半導体装置組立体に適用することはできない。従って、可撓性を備える有機半導体装置組立体において、高い信頼性を実現するためには、有機半導体装置、有機材料から成る第1の基板、第2の基板、及び、保持部材に影響を与えることなく、空間内の排気、充填、及び封止を行う技術が求められている。
従って、本発明の目的は、高い信頼性を有し、可撓性を備えた有機半導体装置組立体、及び、その製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の有機半導体装置組立体は、
(A)有機材料から成る第1の基板、
(B)第1の基板上に形成された有機半導体装置、
(C)有機材料から成る第2の基板、
(D)第1の基板と第2の基板を対向させて保持するために、有機半導体装置の周囲を囲むように配置された有機材料から成る保持部材、並びに、
(E)第1の基板、第2の基板、及び、保持部材によって囲まれた空間に一端部が連通し、他端部が閉塞された有機材料から成るチューブ、
を備えることを特徴とする。
(A)有機材料から成る第1の基板、
(B)第1の基板上に形成された有機半導体装置、
(C)有機材料から成る第2の基板、
(D)第1の基板と第2の基板を対向させて保持するために、有機半導体装置の周囲を囲むように配置された有機材料から成る保持部材、並びに、
(E)第1の基板、第2の基板、及び、保持部材によって囲まれた空間に一端部が連通し、他端部が閉塞された有機材料から成るチューブ、
を備えることを特徴とする。
また、上記の目的を達成するための本発明の有機半導体装置組立体の製造方法は、
(A)有機材料から成る第1の基板上に、有機半導体装置を形成する工程、
(B)有機半導体装置の周囲を囲むように配置された有機材料から成る保持部材を介して、第1の基板と有機材料から成る第2の基板を対向させて保持する工程、
を具備し、その後、
(C)第1の基板又は第2の基板に一端部が取り付けられ、第1の基板、第2の基板、及び、保持部材によって囲まれた空間に連通したチューブを介して、該空間を排気及び/又は充填することにより所定の雰囲気とし、その後、
(D)チューブの他端部を閉塞する、
工程を具備することを特徴とする。
(A)有機材料から成る第1の基板上に、有機半導体装置を形成する工程、
(B)有機半導体装置の周囲を囲むように配置された有機材料から成る保持部材を介して、第1の基板と有機材料から成る第2の基板を対向させて保持する工程、
を具備し、その後、
(C)第1の基板又は第2の基板に一端部が取り付けられ、第1の基板、第2の基板、及び、保持部材によって囲まれた空間に連通したチューブを介して、該空間を排気及び/又は充填することにより所定の雰囲気とし、その後、
(D)チューブの他端部を閉塞する、
工程を具備することを特徴とする。
本発明の有機半導体装置組立体、あるいは、本発明の有機半導体装置組立体の製造方法(以下、これらを総称して、単に本発明と呼ぶ場合がある)において、保持部材として硬化型の樹脂を用いることができ、具体的には、熱硬化型の樹脂、紫外線硬化型の樹脂を例示することができる。有機半導体装置の周囲を囲むように紫外線硬化型の樹脂を第1の基板上又は第2の基板上に印刷することにより、保持部材を配置することが可能である。紫外線硬化型の樹脂は硬化させる際に熱を加える必要がないので好ましく、紫外線硬化型の樹脂として、例えば、アリル系樹脂(積水化学工業株式会社 フォトレックA−704等)、アクリル系樹脂(協立化学産業株式会社 ワールドロック72c3等)、あるいは、エポキシ系樹脂を例示することができ、前記工程(B)において、紫外線硬化型の樹脂に紫外線を照射することにより、第1の基板と第2の基板を、保持部材を介して対向させて保持することができる。
本発明において、第1の基板又は第2の基板にチューブを一端部が空間に連通するように取り付ければよい。そしてこの場合、チューブの一端部を、紫外線硬化型の樹脂によって取りつけてもよい。紫外線硬化型の樹脂は、樹脂を硬化させる際に熱を加える必要がないので好ましく、紫外線硬化型の樹脂として、例えば、アリル系樹脂(積水化学工業株式会社 フォトレックA−704等)、アクリル系樹脂(協立化学産業株式会社 ワールドロック72c3等)、あるいは、エポキシ系樹脂を例示することができる。チューブを、第1の基板又は第2の基板に形成された貫通孔を介して空間に連通させてもよく、この貫通孔を、レーザー光の照射により形成することができる。貫通孔を、チューブの取り付け前に形成してもよいし、チューブの取り付け後に形成してもよい。
本発明において、第1の基板、第2の基板、及び、保持部材によって囲まれる空間を、チューブを介して排気/充填することにより所定の雰囲気とし、その後、加熱することにより、チューブの他端部を閉塞してもよい。熱収縮性の有機材料から成るチューブを用い、前記工程(D)において、これを加熱することでチューブの他端部を閉塞してもよい。熱収縮性の有機材料として、例えば、ポリ塩化ビニール系材料、ポリオレフィン系材料、あるいは、フッ素樹脂系材料を例示することができる。ポリ塩化ビニール系材料から成るチューブの例として、住友電気工業株式会社製 スミチューブV(300V)、三菱樹脂株式会社製 ヒシチューブ、あるいは、ナルゲン8000プラスチックチューブ等を挙げることができる。
本発明において、第1の基板、第2の基板、及び、保持部材によって囲まれる空間は、真空雰囲気、不活性ガス雰囲気、低酸素雰囲気、あるいは、低水蒸気雰囲気に保持されていることが好ましい。不活性ガスとしては、窒素(N2)ガスや希ガス等が好適に用いられる。
ここで、「真空雰囲気」とは、常温・常圧の環境下において、空間が大気圧以下の圧力であることを意味し、より好ましくは、1×10-3Pa以下の圧力であることが望ましい。また、「不活性ガス雰囲気」とは、常温・常圧の環境下において、空間における不活性ガスの圧力が、1×10-3Pa以上の圧力であることを意味し、より好ましくは、1.01×105Pa(1気圧)以上の圧力であることが望ましい。
また、「低酸素雰囲気」とは、常温・常圧の環境下において、空間における酸素の分圧が、2.2×104Pa以下の圧力であることを意味し、より好ましくは、2.1×10-4Pa以下の圧力であることが望ましい。更に、「低水蒸気雰囲気」とは、常温・常圧の環境下において、空間における水蒸気の分圧が、3.6×103Pa以下の圧力であることを意味し、より好ましくは、3.5×10-5Pa以下の圧力であることが望ましい。
本発明において、第1の基板、第2の基板、及び、保持部材によって囲まれる空間に連通する充填用の貫通孔、及び、排気用の貫通孔を個別に設け、充填用の貫通孔を介して不活性ガスを充填しつつ、排気用の貫通孔を介して排気することにより、空間の内部を不活性ガス雰囲気としてもよい。この場合は、充填用の貫通孔、排気用の貫通孔のそれぞれに有機材料から成るチューブが連通するように配置してもよい。
本発明において、第1の基板、あるいは、第2の基板として、可撓性を有する高分子材料、例えば、ポリエーテルスルホン(PES)やポリイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)に例示される高分子材料から構成されたプラスチック・フィルムやプラスチック・シート、プラスチック基板を挙げることができる。また、水蒸気や酸素等の不透過性を有する多層構造からなる基板、フィルム等を用いることもできる。水蒸気に対し不透過性を有するフィルムの例として、SiNをコーティングしたプラスチックフィルムを挙げることができる。また、酸素に対し不透過性を有するフィルムの例として、SiOをコーティングしたプラスチックフィルムを挙げることができる。プラスチックフィルムを構成する材料として、例えば、ポリエーテルサルホン(PES)系材料、ポリカーボネート(PC)系材料、あるいは、ポリエチレンテレフタレート(PET)系材料を例示することができる。
本発明において「有機半導体装置」とは、これを構成する半導体材料、導電体材料、及び、絶縁体材料のうち、半導体材料が有機材料から成るものを意味する。導電体材料、及び、絶縁体材料は、有機材料から成るものでもよく、無機材料から成るものでもよい。
有機半導体装置として、チャネル形成領域が有機材料から成る半導体層によって構成された有機FETを例示することができる。有機FETの構造として、所謂ボトムゲート/ボトムコンタクト構造(第1の基板上に形成されたゲート電極、ゲート電極及び基板上に形成されたゲート絶縁層、ゲート絶縁層上に形成されたソース/ドレイン電極、並びに、ソース/ドレイン電極の間であってゲート絶縁層上に形成され半導体材料によって構成されたチャネル形成領域を備える)、または、ボトムゲート/トップコンタクト構造(第1の基板上に形成されたゲート電極、ゲート電極及び基板上に形成されたゲート絶縁層、ゲート絶縁層上に形成され、半導体材料によって構成されたチャネル形成領域を含むチャネル形成領域構成層、並びに、チャネル形成領域構成層上に形成されたソース/ドレイン電極を備える)を挙げることができる。
更に、有機FETの構造として、所謂トップゲート/ボトムコンタクト構造(第1の基板上に形成されたソース/ドレイン電極、ソース/ドレイン電極の間の基板上に形成され、半導体材料によって構成されたチャネル形成領域、ソース/ドレイン電極及びチャネル形成領域上に形成されたゲート絶縁層、並びに、ゲート絶縁層上に形成されたゲート電極を備える)、あるいは、トップゲート/トップコンタクト構造(第1の基板上に形成され、半導体材料によって構成されたチャネル形成領域を含むチャネル形成領域構成層、チャネル形成領域構成層上に形成されたソース/ドレイン電極、ソース/ドレイン電極及びチャネル形成領域上に形成されたゲート絶縁層、並びに、ゲート絶縁層上に形成されたゲート電極を備える)を挙げることもできる。
本発明において、有機半導体装置は、第1の基板の上に直接形成されてもよく、また、第1の基板上に下地層が設けられ、その下地層の上に有機半導体装置が形成されてもよい。
本発明において、有機半導体装置の半導体層を構成する有機材料として、2,3,6,7−ジベンゾアントラセン(ペンタセンとも呼ばれる)、C9S9(ベンゾ[1,2−c;3,4−c’;5,6−c”]トリス[1,2]ジチオール−1,4,7−トリチオン)、C24H14S6(アルファ−セキシチオフェン)、銅フタロシアニンで代表されるフタロシアニン、フラーレン(C60)、テトラチオテトラセン(C18H8S4)、テトラセレノテトラセン(C18H8Se4)、テトラテルルテトラセン(C18H8Te4)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸[PEDOT/PSS]を挙げることができる。
本発明において、半導体層の形成方法として、真空蒸着法やスパッタリング法に例示される物理的気相成長法(PVD法);各種の化学的気相成長法(CVD法);スピンコート法;スクリーン印刷法やインクジェット印刷法といった印刷法;エアドクタコーター法、ブレードコーター法、ロッドコーター法、ナイフコーター法、スクイズコーター法、リバースロールコーター法、トランスファーロールコーター法、グラビアコーター法、キスコーター法、キャストコーター法、スプレーコーター法、スリットオリフィスコーター法、カレンダーコーター法といった各種コーティング法;及びスプレー法の内のいずれかを挙げることができる。
本発明において、有機半導体装置のゲート電極やソース/ドレイン電極等を構成する導電体層を構成する材料として、白金(Pt)、金(Au)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、銅(Cu)等の金属、あるいは、これらの金属元素を含む合金、これらの金属から成る導電性粒子、これらの金属を含む合金の導電性粒子を挙げることができるし、これらの元素を含む層の積層構造とすることもできる。更には、ゲート電極やソース/ドレイン電極を構成する材料として、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸[PEDOT/PSS]といった有機材料を挙げることもできる。ゲート電極やソース/ドレイン電極、配線等の形成方法として、真空蒸着法やスパッタリング法に例示されるPVD法;各種のCVD法;スピンコート法;スクリーン印刷法やインクジェット印刷法といった印刷法;上述した各種コーティング法;リフトオフ法;シャドウマスク法;及びスプレー法の内のいずれかを挙げることができる。
また、本発明において、有機半導体装置を構成するゲート絶縁層等の材料として、SiO2、SiN、スピン・オン・グラス(SOG)、金属酸化物高誘電絶縁膜にて例示される無機系絶縁材料だけでなく、ポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリビニルフェノール(PVP)にて例示される有機系絶縁材料を挙げることができるし、これらの組み合わせを用いることもできる。ゲート絶縁層等の形成方法として、真空蒸着法やスパッタリング法に例示されるPVD法;各種のCVD法;スピンコート法;スクリーン印刷法やインクジェット印刷法といった印刷法;上述した各種コーティング法;浸漬法;キャスティング法;及びスプレー法の内のいずれかを挙げることができる。
本発明の有機半導体装置組立体においては、第1の基板、第2の基板、保持部材、及び、チューブにより密閉された空間に、第1の基板上に形成された有機半導体装置が配置されているので、可撓性を備えることができる。更に、空間を、真空雰囲気、不活性ガス雰囲気、低酸素雰囲気、あるいは、低水蒸気雰囲気とすることで、有機半導体装置の信頼性を高めることができる。本発明の有機半導体装置組立体の製造方法によれば、有機半導体装置、第1の基板、第2の基板、及び、保持部材に影響を与えることなく、空間内の排気、充填、及び、封止を行うことができる。
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明する。
実施例1は、本発明の有機半導体装置組立体、及び、本発明の有機半導体装置組立体の製造方法に関する。以下、模式的な一部断面図である図1、図2の(A)〜(D)、図3の(A)〜(C)、並びに、図4の(A)〜(B)を参照して、実施例1の有機半導体装置組立体及びその製造方法を説明する。
図1を参照して、実施例1の有機半導体装置組立体の構造を説明する。有機半導体装置組立体1は、有機材料から成る第1の基板10、第1の基板10上に形成された有機半導体装置22、有機材料から成る第2の基板40、第1の基板10と第2の基板40を対向させて保持するために、有機半導体装置22の周囲を囲むように配置された有機材料から成る保持部材30、並びに、第1の基板10、第2の基板40、及び、保持部材30によって囲まれた空間に一端部が連通し、他端部が閉塞された有機材料から成るチューブ52を備える。
第1の基板10、第2の基板40、保持部材30、及び、チューブ52によって密閉された空間は、真空雰囲気に保持されている。このため、第1の基板10上に形成された有機半導体装置22への、水蒸気等や酸素の影響を低減することができる。また、第1の基板10、第2の基板40、及び、保持部材30がそれぞれ可撓性のある有機材料で構成されているので、有機半導体装置組立体1は可撓性を有することができる。
有機半導体装置22は、第1の基板10上に形成されたゲート電極11、ゲート電極11及び第1の基板10上に形成されたゲート絶縁層12、ゲート絶縁層12上に形成されたソース/ドレイン電極13、並びに、ソース/ドレイン電極13の間であってゲート絶縁層12上に形成され、半導体材料によって構成されたチャネル形成領域を備える有機半導体層14から構成される。即ち、図1に示す有機半導体装置22は所謂ボトムゲート/ボトムコンタクト構造の有機FETであるが、本発明において有機半導体装置の構造をこれに限定するものではない。
チューブ52の一端部は、第1の基板10に取り付けられている。実施例1では、チューブ52の一端部は、紫外線硬化型の樹脂51により取り付けられている。チューブ52は、第1の基板10に形成された貫通孔50を介して、第1の基板10、第2の基板40、及び、保持部材30によって囲まれた空間に連通している。チューブ52は、例えば熱収縮性の有機材料からなり、その他端部は閉塞している。
以下、図1に示した有機半導体装置組立体1の製造方法を説明する。
[工程−100]
先ず、有機半導体装置22を構成するゲート電極を形成する。具体的には、ポリエーテルスルホン(PES)から成る第1の基板10上に、レジスト層100に基づきゲート電極形成用のパターンを形成する(図2の(A)参照)。
先ず、有機半導体装置22を構成するゲート電極を形成する。具体的には、ポリエーテルスルホン(PES)から成る第1の基板10上に、レジスト層100に基づきゲート電極形成用のパターンを形成する(図2の(A)参照)。
次に、密着層としてのTi層、ゲート電極11としてのAu層を、第1の基板10及びレジスト層100上に真空蒸着法によって形成する(図2の(B)参照)。尚、密着層をCr層から成るものとすることもできる。図面においては、密着層の図示を省略した。真空蒸着を行う際、第1の基板10は温度を調整することができる基板ホルダーに載置されており、真空蒸着中の基板温度の上昇を抑制することができるので、第1の基板10の変形を最小限に抑えた成膜を行うことができる。尚、Ti層やAu層を形成する代わりに、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸[PEDOT/PSS]といった有機材料から成る導電体層を、スピンコート法で形成してもよい。
次に、リフトオフ法によりレジスト層100を除去することで、ゲート電極11を得ることができる(図2の(C)参照)。
[工程−110]
次いで、ゲート電極11上を含む第1の基板10上にゲート絶縁層12を形成する。具体的には、ポリビニルフェノール(PVP)から成るゲート絶縁層12を、スピンコート法に基づき、ゲート電極11及び第1の基板10上に形成する。スピンコート法を行う際の回転数(RPM)及びポリビニルフェノール(PVP)の粘度を変化させることで、ポリビニルフェノール(PVP)の膜厚を所望する値にすることができる。更に、加熱処理を行いゲート絶縁層12に含まれる溶媒を蒸発させる。その後、ゲート電極の取出部及び不要な部分のゲート絶縁層12を除去する(図2の(D)参照)。
次いで、ゲート電極11上を含む第1の基板10上にゲート絶縁層12を形成する。具体的には、ポリビニルフェノール(PVP)から成るゲート絶縁層12を、スピンコート法に基づき、ゲート電極11及び第1の基板10上に形成する。スピンコート法を行う際の回転数(RPM)及びポリビニルフェノール(PVP)の粘度を変化させることで、ポリビニルフェノール(PVP)の膜厚を所望する値にすることができる。更に、加熱処理を行いゲート絶縁層12に含まれる溶媒を蒸発させる。その後、ゲート電極の取出部及び不要な部分のゲート絶縁層12を除去する(図2の(D)参照)。
尚、ポリビニルフェノール(PVP)から成るゲート絶縁層12の代わりに、SiO2から成るゲート絶縁層12を、スパッタリング法に基づき、ゲート電極11及び第1の基板10上に形成してもよい。ゲート絶縁層12の成膜を行う際、ゲート電極11の一部をハードマスクで覆うことによって、ゲート電極11の取出部をフォトリソグラフィ・プロセス無しで形成することができる。
[工程−120]
次いで、ゲート絶縁層12上にソース/ドレイン電極13を形成する。具体的には、全面に、レジスト層101に基づきソース/ドレイン電極形成用のパターンを形成する(図3の(A)参照)。
次いで、ゲート絶縁層12上にソース/ドレイン電極13を形成する。具体的には、全面に、レジスト層101に基づきソース/ドレイン電極形成用のパターンを形成する(図3の(A)参照)。
次に、密着層としてのTi層、ソース/ドレイン電極13としてのAu層を、ゲート絶縁層12及びレジスト層101上に真空蒸着法によって形成する(図3の(B)参照)。図面においては、密着層の図示を省略した。真空蒸着を行う際、第1の基板10は温度を調整することができる基板ホルダーに載置されており、真空蒸着中の基板温度の上昇を抑制することができるので、第1の基板10の変形を最小限に抑えた成膜を行うことができる。
その後、リフトオフ法によりレジスト層101を除去することで、ソース/ドレイン電極13を得ることができる(図3の(C)参照)。
次いで、ゲート絶縁層12上に、有機半導体層14、絶縁層20、配線21A乃至21Cを以下に説明する[工程−130]及び[工程−140]に基づき形成する。
[工程−130]
具体的には、ゲート電極11の一部及びソース/ドレイン電極13をハードマスクで覆った状態で、真空蒸着法に基づき、有機半導体材料であるペンタセンをゲート絶縁層12上に形成する(図4の(A)参照)。ペンタセンの真空蒸着を行う際、第1の基板10は温度を調整することができる基板ホルダーに載置されており、真空蒸着中の基板温度を所望の温度に確実に制御することができるので、結晶性の良い有機半導体層14を形成することができる。ペンタセン薄膜の形成条件を以下の表1に例示する。
具体的には、ゲート電極11の一部及びソース/ドレイン電極13をハードマスクで覆った状態で、真空蒸着法に基づき、有機半導体材料であるペンタセンをゲート絶縁層12上に形成する(図4の(A)参照)。ペンタセンの真空蒸着を行う際、第1の基板10は温度を調整することができる基板ホルダーに載置されており、真空蒸着中の基板温度を所望の温度に確実に制御することができるので、結晶性の良い有機半導体層14を形成することができる。ペンタセン薄膜の形成条件を以下の表1に例示する。
[表1]
[成膜可能な条件]
基板温度:0〜200゜C
成膜速度 :0.01nm/秒〜10nm/秒
圧力 :10-5Pa〜10-3Pa
[典型的な成膜条件]
基板温度:60゜C
成膜速度 :0.05nm/秒
圧力 :1×10-4Pa
[成膜可能な条件]
基板温度:0〜200゜C
成膜速度 :0.01nm/秒〜10nm/秒
圧力 :10-5Pa〜10-3Pa
[典型的な成膜条件]
基板温度:60゜C
成膜速度 :0.05nm/秒
圧力 :1×10-4Pa
その後、全面にポリビニルフェノール(PVP)から成る絶縁層20を形成した後、ゲート電極11及びソース/ドレイン電極13の上方の絶縁層20に開口部を形成する(図4の(B)参照)。
[工程−140]
次いで、絶縁層20の開口部内を含む絶縁層20上に導電体層を形成し、この導電体層をパターニングすることで、ゲート電極11に接続された配線21A、及びソース/ドレイン電極13に接続された配線21B,21Cを形成することができる(図5の(A)参照)。以上の工程により、第1の基板上に、チャネル形成領域15が有機材料から構成された所謂トップゲート/ボトムコンタクト構造の有機FETである有機半導体装置22が形成される。
次いで、絶縁層20の開口部内を含む絶縁層20上に導電体層を形成し、この導電体層をパターニングすることで、ゲート電極11に接続された配線21A、及びソース/ドレイン電極13に接続された配線21B,21Cを形成することができる(図5の(A)参照)。以上の工程により、第1の基板上に、チャネル形成領域15が有機材料から構成された所謂トップゲート/ボトムコンタクト構造の有機FETである有機半導体装置22が形成される。
また、必要に応じて、有機半導体装置22を任意の材料でオーバーコートし、シール23を形成してもよい(図5の(B)参照)。以下、有機半導体装置22はシール23が形成されていない態様で説明を行う。
尚、ポリビニルフェノール(PVP)から成る層を形成する代わりに、全面にSiO2から成る絶縁層20を形成した後、ゲート電極11及びソース/ドレイン電極13の上方の絶縁層20に開口部を形成し、これらの開口部内を含む絶縁層20上に導電体層を形成し、この導電体層をパターニングすることで、ゲート電極11に接続された配線21A、及びソース/ドレイン電極13に接続された配線21B,21Cを形成することもできる。また、必要に応じて、有機半導体装置22を任意の材料でオーバーコートとし、シール23を形成してもよい。
[工程−150]
次いで、第1の基板10上に、有機半導体装置22の周囲を囲むように有機材料から成る保持部材30を配置する。具体的には、紫外線硬化型の樹脂を、スクリーン印刷法で塗布する。これにより、保持部材30が、第1の基板10上に、有機半導体装置22の周囲を囲む枠状に配置される(図6の(A)参照)。尚、第2の基板40上に、有機半導体装置22の周囲を囲むように有機材料から成る保持部材30を配置する態様でもよい。更には、枠状の保持部材30を別途形成し、これを紫外線硬化型の接着剤を介して第1の基板あるいは第2の基板に載置する態様でもよい。
次いで、第1の基板10上に、有機半導体装置22の周囲を囲むように有機材料から成る保持部材30を配置する。具体的には、紫外線硬化型の樹脂を、スクリーン印刷法で塗布する。これにより、保持部材30が、第1の基板10上に、有機半導体装置22の周囲を囲む枠状に配置される(図6の(A)参照)。尚、第2の基板40上に、有機半導体装置22の周囲を囲むように有機材料から成る保持部材30を配置する態様でもよい。更には、枠状の保持部材30を別途形成し、これを紫外線硬化型の接着剤を介して第1の基板あるいは第2の基板に載置する態様でもよい。
次に、第1の基板10とポリエチレンテレフタレート(PET)から成る第2の基板40を、保持部材30を介して対向させた状態とし、図示せぬ光源から紫外線を照射し保持部材30を硬化させる。これにより、第1の基板と第2の基板は、保持部材30を介して対向した状態で保持される(図6の(B)参照)。
[工程−160]
次いで、第1の基板10、第2の基板40、及び、保持部材30によって囲まれた空間に連通する貫通孔50を形成する。具体的には、図6の(B)において、図の下側から上側に第1の基板10に図示せぬ光源からレーザー光を照射し、貫通孔50を形成する(図7の(A)参照)。
次いで、第1の基板10、第2の基板40、及び、保持部材30によって囲まれた空間に連通する貫通孔50を形成する。具体的には、図6の(B)において、図の下側から上側に第1の基板10に図示せぬ光源からレーザー光を照射し、貫通孔50を形成する(図7の(A)参照)。
次に、第1の基板10、第2の基板40、及び、保持部材30によって囲まれた空間に一端部が連通したチューブを取り付ける。具体的には、第1の基板10に形成された貫通孔50の周囲に、紫外線硬化型の樹脂51を塗布する。次に、熱収縮性の有機材料から成るチューブ52の一端部を、紫外線硬化型の樹脂51を介して第1の基板10に取り付けた後、図示せぬ光源から紫外線を照射して樹脂51を硬化させることにより、チューブ52の一端部が、貫通孔50を介して空間に連通するように取り付けることができる(図7の(B)参照)。
尚、チューブ52を第1の基板10に取り付けた後、レーザー光を照射して貫通孔50を形成する態様でもよい。あるいは、第1の基板10と第2の基板40を対向させて保持する前に、第1の基板10に貫通孔50を形成し、その後、チューブ52を取り付ける態様でもよい。第2の基板40に貫通孔50を形成し、チューブ52を第2の基板40に取り付ける態様でもよい。後述するが、これらの工程は、支障がない限り任意の順序で行うことができる。
[工程−170]
次いで、第1の基板10、第2の基板40、及び、保持部材30によって囲まれる空間の内部を、チューブ52を介して排気/充填することにより所定の雰囲気の状態とする。具体的には、先ず、油回転式ポンプやクライオポンプ等から構成される排気装置60を、チューブ52の他端部に接続する(図8の(A)参照)。
次いで、第1の基板10、第2の基板40、及び、保持部材30によって囲まれる空間の内部を、チューブ52を介して排気/充填することにより所定の雰囲気の状態とする。具体的には、先ず、油回転式ポンプやクライオポンプ等から構成される排気装置60を、チューブ52の他端部に接続する(図8の(A)参照)。
次に、排気装置60を動作させ、第1の基板10、第2の基板40、及び、保持部材30によって囲まれる空間内を排気する。これにより、空間内の圧力を所定の値、例えば、常温・常圧の環境下において5Pa以下、より好ましくは5×10-4以下の状態とした後、チューブ52の他端部を電気ヒータ等の図示せぬ加熱手段で加熱する。チューブ52の他端部は熱収縮し、閉塞した状態となる。(図8の(B)参照)。
これにより、第1の基板10、第2の基板40、及び、保持部材30によって囲まれる空間の内部は、真空雰囲気に保持される。空間の内部の圧力は、常温・常圧の環境下において大気圧以下、より好ましくは、1×10-3Pa以下の圧力で保持されることが望ましい。
上記の工程により得られる有機半導体装置組立体1では、第1の基板10、第2の基板40、保持部材30、及び、チューブ52によって密閉された空間は、真空雰囲気に保持されている。このため、第1の基板10上に形成された有機半導体装置22への、水蒸気等や酸素の影響を低減することができる。また、第1の基板10、第2の基板40、及び、保持部材30がそれぞれ可撓性のある有機材料で構成されているので、有機半導体装置組立体1は可撓性を有することができる。
実施例2も、実施例1と同様に、本発明の有機半導体装置組立体、及び、本発明の有機半導体装置組立体の製造方法に関する。実施例2は、充填用の貫通孔を介して不活性ガスを充填しつつ、排気用の貫通孔を介して排気する点が実施例1と異なる。以下、模式的な一部断面図である図9、図10の(A)〜(B)を参照して、実施例2の有機半導体装置組立体及びその製造方法を説明する。
図9を参照して、実施例2の有機半導体装置組立体2の構造を説明する。有機半導体装置組立体2は、有機材料から成る第1の基板10、第1の基板10上に形成された有機半導体装置22、有機材料から成る第2の基板40、第1の基板10と第2の基板40を対向させて保持するために、有機半導体装置の周囲を囲むように配置された有機材料から成る保持部材30、並びに、第1の基板10、第2の基板40、及び、保持部材30によって囲まれた空間に一端部が連通し、他端部が閉塞された有機材料から成るチューブ52A、チューブ52Bを備える。チューブ52A,チューブ52Bは、それぞれ排気用、及び、充填用に用いられる。これらの詳細については、後述する。
第1の基板10、第2の基板40、保持部材30、チューブ52A、及び、チューブ52Bによって密閉された空間は、所定の雰囲気、例えば、不活性ガス雰囲気、低酸素雰囲気、あるいは、低水蒸気雰囲気に保持されている。このため、第1の基板10上に形成された有機半導体装置22への、水蒸気等や酸素の影響を低減することができる。また、第1の基板10、第2の基板40、及び、保持部材30がそれぞれ可撓性のある有機材料で構成されているので、有機半導体装置組立体1は可撓性を有することができる。
有機半導体装置22は、実施例1において説明したと同様であるので説明は省略する。
チューブ52A、及び、チューブ52Bの一端部は、第1の基板10に取り付けられている。実施例1と同様に、これらのチューブ52A、52Bの一端部は、紫外線硬化型の樹脂51により取り付けられている。チューブ52A、及び、チューブ52Bは、第1の基板10に形成された貫通孔50を介して、第1の基板10、第2の基板40、及び、保持部材30によって囲まれた空間に連通している。これらのチューブ52A、52Bは、例えば熱収縮性の有機材料からなり、その他端部は閉塞している。
以下、図9に示した有機半導体装置組立体2の製造方法を説明する。
[工程−200]
先ず、実施例1で説明した[工程−100]〜[工程−150]の工程を行う。
先ず、実施例1で説明した[工程−100]〜[工程−150]の工程を行う。
[工程−210]
次いで、第1の基板10に、第1の基板10、第2の基板40、及び、保持部材30によって囲まれた空間に連通する貫通孔を2つ形成する。具体的には、図6の(B)において、図の下側から上側に第1の基板10に図示せぬ光源からレーザー光を2箇所に照射し、貫通孔50を2つ形成する。その後、第1の基板10、第2の基板40、及び、保持部材30によって囲まれた空間に連通したチューブ52A、チューブ52Bを配置する。具体的には、第1の基板10に形成された2つの貫通孔50の各々の周囲に、紫外線硬化型の樹脂51を塗布する。次に、熱収縮性の有機材料から成るチューブ52A、及び、チューブ52Bの一端部を、紫外線硬化型の樹脂51を介して第1の基板10に取り付ける。その後、図示せぬ光源から紫外線を照射して樹脂51を硬化させることにより、チューブ52A、及び、チューブ52Bの一端部を、貫通孔50を介して空間に連通するように取り付けることができる(図10の(A)参照)。
次いで、第1の基板10に、第1の基板10、第2の基板40、及び、保持部材30によって囲まれた空間に連通する貫通孔を2つ形成する。具体的には、図6の(B)において、図の下側から上側に第1の基板10に図示せぬ光源からレーザー光を2箇所に照射し、貫通孔50を2つ形成する。その後、第1の基板10、第2の基板40、及び、保持部材30によって囲まれた空間に連通したチューブ52A、チューブ52Bを配置する。具体的には、第1の基板10に形成された2つの貫通孔50の各々の周囲に、紫外線硬化型の樹脂51を塗布する。次に、熱収縮性の有機材料から成るチューブ52A、及び、チューブ52Bの一端部を、紫外線硬化型の樹脂51を介して第1の基板10に取り付ける。その後、図示せぬ光源から紫外線を照射して樹脂51を硬化させることにより、チューブ52A、及び、チューブ52Bの一端部を、貫通孔50を介して空間に連通するように取り付けることができる(図10の(A)参照)。
尚、チューブ52Aあるいはチューブ52Bを第1の基板10に取り付けた後、レーザー光を照射して貫通孔50を形成する態様でもよい。更には、第1の基板10と第2の基板40を対向させて保持する前に、第1の基板10に貫通孔50を形成し、その後、チューブ52Aあるいはチューブ52Bを取り付ける態様でもよい。第2の基板40に貫通孔50を形成し、チューブ52Aあるいはチューブ52Bを、第2の基板40に取り付ける態様でもよい。
その後、図10の(B)に示すように、図面の左側にあるチューブ52Aの他端部に、実施例1と同様に排気装置60を接続する。更に、図面の右側にあるチューブ52Bの他端部に、不活性ガス、例えば窒素ガスを充填する充填装置70を接続する。即ち、図面の左側にある貫通孔50は排気用の貫通孔であり、右側の貫通孔50は充填用の貫通孔である。
次に、充填装置70を動作させ、チューブ52Bを介して、第1の基板10、第2の基板40、及び、保持部材30によって囲まれた空間に例えば不活性ガスを充填しつつ、排気装置60を動作させ、空間内をチューブ52Aを介して排気する。これにより、空間内を不活性ガス雰囲気の状態とした後、チューブ52A及びチューブ52Bの各々の他端部を電気ヒータ等の図示せぬ加熱手段で加熱する。チューブ52A及びチューブ52Bの各々の他端部は熱収縮し、閉塞した状態となる(図10の(B)参照)。
これにより、第1の基板10、第2の基板40、及び、保持部材30によって囲まれた空間は、不活性ガス雰囲気に保持される。排気用の貫通孔50と、充填用の貫通孔50がそれぞれ個別に形成されているので、空間内の充填を良好に行うことができる。
尚、充填装置70は、低酸素雰囲気の気体、あるいは、低水蒸気雰囲気の気体を充填するものでもよい。この場合は、低酸素雰囲気、あるいは、低水蒸気雰囲気内に有機半導体装置22が保持されることになる。この場合には、第1の基板10、第2の基板40、及び、保持部材30によって囲まれる空間内は、低酸素雰囲気、あるいは、低水蒸気雰囲気に保持される。低酸素雰囲気とする場合は、常温・常圧において、空間における酸素の分圧が、2.2×104Pa以下の圧力であればよく、より好ましくは、2.1×10-4Pa以下の圧力であることが望ましい。更に、低水蒸気雰囲気とする場合は、常温・常圧において、空間における水蒸気の分圧が、3.6×103Pa以下の圧力であればよく、より好ましくは、3.5×10-5Pa以下の圧力であることが望ましい。
上記の工程により得られる有機半導体装置組立体2では、第1の基板10、第2の基板40、保持部材30、チューブ52A、及び、チューブ52Bにより密閉された空間は、不活性ガス雰囲気に保持されている。このため、第1の基板10上に形成された有機半導体装置22への、水蒸気等や酸素の影響を低減することができる。また、第1の基板10、第2の基板40、及び、保持部材30がそれぞれ可撓性のある有機材料で構成されているので、有機半導体装置組立体2は可撓性を有することができる。
以上、本発明を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例における有機半導体装置組立体の構成要素の具体的な構成、構造は例示であり、適宜、変更することができる。実施例において説明した有機半導体装置組立体の製造方法の具体的な方法も例示であり、適宜、変更することができる。
実施例1、あるいは、実施例2において、貫通孔50は、有機半導体装置22に干渉しない任意の位置に形成することができる。例えば、実施例2では、第1の基板に2つの貫通孔50を形成して説明をしたが、これに限定するものではない。例えば、図11の(A)に示すように、第1の基板10に排気用の貫通孔50を形成し、第2の基板40に充填用の貫通孔50を形成してもよい。また、図11の(B)に示すように、第2の基板40に排気用の貫通孔50を形成し、第1の基板10に充填用の貫通孔50を形成してもよい。
実施例1、あるいは、実施例2の説明において、各工程は、支障がない限り任意の順序で行うことができる。具体的には、第1の基板上への有機半導体の形成工程をA工程、第1の基板又は第2の基板への印刷等による保持部材の配置工程をB工程、第1の基板と第2の基板との対向保持工程をC工程、第1の基板又は第2の基板への貫通孔の形成工程をD工程、チューブの取り付け工程をE工程とすると、図12に示すケース番号1〜ケース番号40で示される順序で各工程を行うことができる。尚、ケース番号1〜ケース番号8は、チューブが取り付けられていない状態で第1の基板と第2の基板の保持工程が行われるので、実施上好ましい。
更に、実施例1、あるいは、実施例2において、チューブ52,チューブ52A、及び、チューブ52Bを熱収縮性の材料から成るものとして説明したが、これに限定するものではない。例えば、チューブを熱可塑性の材料から成るものとし、チューブが加熱されることにより溶融して閉塞状態となるものでもよい。また、チューブの端部が、他の部材により塞がれることで閉塞状態となるものでもよい。
10・・・第1の基板、11・・・ゲート電極、12・・・ゲート絶縁層、13・・・ソース/ドレイン電極、14・・・有機半導体層、20・・・絶縁層、21・・・配線、22・・・有機半導体装置、23・・・シール、30・・・保持部材、40・・・第2の基板、50・・・貫通孔、51・・・紫外線硬化型の樹脂、52、52A、52B・・・チューブ、60・・・排気装置、70・・・充填装置、100・・・レジスト層、101・・・レジスト層
Claims (23)
- (A)有機材料から成る第1の基板、
(B)第1の基板上に形成された有機半導体装置、
(C)有機材料から成る第2の基板、
(D)第1の基板と第2の基板を対向させて保持するために、有機半導体装置の周囲を囲むように配置された有機材料から成る保持部材、並びに、
(E)第1の基板、第2の基板、及び、保持部材によって囲まれた空間に一端部が連通し、他端部が閉塞された有機材料から成るチューブ、
を備えることを特徴とする有機半導体装置組立体。 - 前記空間は真空雰囲気に保持されていることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体装置組立体。
- 前記空間は不活性ガス雰囲気に保持されていることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体装置組立体。
- 前記空間は低酸素雰囲気に保持されていることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体装置組立体。
- 前記空間は低水蒸気雰囲気に保持されていることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体装置組立体。
- 保持部材は、紫外線硬化型の樹脂から成ることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体装置組立体。
- 第1の基板又は第2の基板に、一端部が前記空間に連通したチューブが取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体装置組立体。
- チューブの一端部は、チューブが前記空間に連通するように、紫外線硬化型の樹脂により取り付けられていること特徴とする請求項7に記載の有機半導体装置組立体。
- チューブの他端部は、加熱されることにより閉塞されていることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体装置組立体。
- チューブは、熱収縮性の有機材料から成ることを特徴とする請求項9に記載の有機半導体装置組立体。
- (A)有機材料から成る第1の基板上に、有機半導体装置を形成する工程、
(B)有機半導体装置の周囲を囲むように配置された有機材料から成る保持部材を介して、第1の基板と有機材料から成る第2の基板を対向させて保持する工程、
を具備し、その後、
(C)第1の基板又は第2の基板に一端部が取り付けられ、第1の基板、第2の基板、及び、保持部材によって囲まれた空間に連通したチューブを介して、該空間を排気及び/又は充填することにより所定の雰囲気とし、その後、
(D)チューブの他端部を閉塞する、
工程を具備することを特徴とする有機半導体装置組立体の製造方法。 - 前記工程(C)において、所定の雰囲気を真空雰囲気とすることを特徴とする請求項11に記載の有機半導体装置組立体の製造方法。
- 前記工程(C)において、所定の雰囲気を不活性ガス雰囲気とすることを特徴とする請求項11に記載の有機半導体装置組立体の製造方法。
- 前記工程(C)において、所定の雰囲気を低酸素雰囲気とすることを特徴とする請求項11に記載の有機半導体装置組立体の製造方法。
- 前記工程(C)において、所定の雰囲気を低水蒸気雰囲気とすることを特徴とする請求項11に記載の有機半導体装置組立体の製造方法。
- 保持部材は紫外線硬化型の樹脂から成ることを特徴とする請求項11に記載の有機半導体装置組立体の製造方法。
- 有機半導体装置の周囲を囲むように紫外線硬化型の樹脂を第1の基板上又は第2の基板上に印刷することにより、保持部材を配置することを特徴とする請求項16に記載の有機半導体装置組立体の製造方法。
- 前記工程(B)において、紫外線硬化型の樹脂に紫外線を照射することにより、第1の基板と第2の基板を、保持部材を介して対向させて保持することを特徴とする請求項17に記載の有機半導体装置組立体の製造方法。
- チューブの一端部は、紫外線硬化型の樹脂によって取り付けられていることを特徴とする請求項11に記載の有機半導体装置組立体の製造方法。
- チューブは、第1の基板又は第2の基板に形成された貫通孔を介して、前記空間に連通していることを特徴とする請求項11に記載の有機半導体装置組立体の製造方法。
- 前記貫通孔を、レーザー光の照射により形成することを特徴とする請求項20に記載の有機半導体装置組立体の製造方法。
- 前記工程(D)において、加熱することによって、チューブの他端部を閉塞することを特徴とする請求項11に記載の有機半導体装置組立体の製造方法。
- チューブは、熱収縮性の有機材料から成ることを特徴とする請求項22に記載の有機半導体装置組立体。
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