JP2006236817A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】カソードにおけるフラッディングを防止する燃料電池を提供する。
【解決手段】 空気及び水素が供給されて発電する固体高分子膜(10)を有する膜電極接合体(1)であって、固体高分子膜(10)の一方の面に形成されたカソード触媒層(21)と、カソード触媒層(21)に積層されたカソード拡散層(22,23)とを有し、カソード触媒層(21)の撥水性がカソード拡散層(22,23)のいずれの領域の撥水性よりも高く、カソード触媒層(21)からカソード拡散層(22,23)にかけての撥水性勾配は、空気供給側よりも空気排出側のほうが大きい、
ことを特徴とする膜電極接合体(1)。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池に関する。
固体高分子型燃料電池は、電解質膜としての固体高分子膜の両面にアノード極(燃料ガス極)とカソード極(酸化剤極;空気極)とを有する。アノード極には水素H2を含有する燃料ガスが供給される。カソード極には酸素O2を含有する酸化剤ガスが供給される。
アノード極では以下の反応が生じる。
アノード極:2H2→4H++4e− 。
このようにしてアノード極で生成したプロトンH+は、固体高分子膜を透過してカソード極に到達する。また電子e−は外部回路を通ってカソード極に到達する。
カソード極では酸化剤ガスとして供給された酸素O2と、アノード極に到達したプロトンH+及び電子e−とが以下のように反応して水H2Oを生成する。
カソード極:O2+4H++4e−→2H2O 。
ところで、固体高分子膜は、プロトンを透過させるために水分を含んでいる必要がある。そこで、特許文献1ではカソード側では、親水性の触媒層と撥水性のマイクロレイヤ(Micro Layer、以下「MIL」という)の間に、撥水性が徐々に変化する中間層を設けた。このようにすることで、MILから触媒層にかけて撥水性を徐々に弱められ、電池反応により生じた生成水の一部が撥水されて固体高分子側に戻され、固体高分子の乾燥が防止される。また高負荷時には中間層で一時的に増加した生成水を保留することで、生成水が滞留して生ずるフラッディングを防止するようにしている。
特開2003−59498号公報
しかし、従来技術では生成層調整層の撥水性が高すぎるため、高湿度条件での運転時や低温からの起動時には、カソード側触媒層でのフラッディングを防止できないという問題点があった。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、低湿度から高湿度までの広い範囲の条件でも十分に撥水ができる燃料電池の提供を目的とする。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
空気及び水素が供給されて発電する固体高分子膜(10)を有する膜電極接合体(1)であって、前記固体高分子膜(10)の一方の面に形成されたカソード触媒層(21)と、前記カソード触媒層(21)に積層されたカソード拡散層(22,23)とを有し、前記カソード触媒層(21)の撥水性が前記カソード拡散層(22,23)のいずれの領域の撥水性よりも高く、前記カソード触媒層(21)から前記カソード拡散層(22,23)にかけての撥水性勾配は、空気供給側よりも空気排出側のほうが大きいことを特徴とする膜電極接合体(1)を用いる。
本発明によれば、膜電極接合体1の固体高分子膜10の空気供給側(入口側)付近での乾燥を防止でき、空気排出側(出口側)付近でのフラッディングを防止できるので、低湿度から高湿度までの広い範囲の条件で運転可能な膜電極接合体(1)を提供できる。
以下では図面等を参照して本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明によるMEAの第1実施形態を示す図であり、図1(A)は積層断面を示す図であり、図1(B)は積層方向の撥水性勾配を示す図である。図1(B)の矢印Aはカソード20の積層方向の撥水性勾配を示す。
膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly、以下「MEA」という)1は、固体高分子膜10の一方の面に形成されたカソード20と、他方の面に形成されたアノード30とを有する。
固体高分子膜10は、パーフルオロスルホン酸系電解質膜を使用することができる。また、炭化水素系電解質膜を使用してもよい。
カソード20は、触媒層21と、MIL22と、ガス拡散層(Gas Diffusion Layer、以下「GDL」という)23とを有する。
触媒層21は固体高分子膜10の一方の面に隣接し、触媒層21の外側にMIL22を積層し、MIL22の外側にGDL23を積層する。
触媒層21としては、白金をカーボン(カーボンブラックやケッチェンブラックなど。なおグラファイト化したものでもよい)に担持したものに、固体高分子膜10と同じパーフルオロスルホン酸系電解質溶液(アイオノマ)と、フッ素樹脂またはフッ化カーボンなどの撥水剤(例えばテフロン(登録商標))を混入して形成する。
MIL22は、GDL23に形成されたカーボン層であり、カーボン(アセチレンブラック、カーボンブラックなど)にフッ素樹脂などの撥水剤を混入して形成する。MIL22は、図1(B)に示すように撥水性が触媒層21よりも低くなるように撥水剤の量が調整されている。
GDL23としては、カーボンペーパー、カーボンクロスなどの炭素繊維で形成された材料にフッ素樹脂などの撥水剤(例えばテフロン(登録商標))を含有したものを用いる。
図1(B)に示すように、GDL23の撥水性が、MIL22の撥水性よりもさらに低くなるように、GDL23に用いる撥水剤の量が調整されている。
GDL23は、空気供給側(入口側)から空気排出側(出口側)にいくにつれて撥水性が弱まるように、GDL23の面方向に撥水性を設定する。このGDL23のガスの流れる方向(ガス流通方向)の撥水性は、以下で説明するように、GDL23のいくつかの領域における撥水剤の含有量を調整することで構成する。
アノード30もカソード20と同様に、触媒層31と、MIL32と、GDL33を有する。
触媒層31は固体高分子膜10の他方の面に隣接し、触媒層31の外側にMIL32を積層し、MIL32の外側にGDL33を積層する。
アノード30の構成は一般的なものであり、触媒層31、MIL32及びGDL33の材料もカソード20の触媒層21、MIL22及びGDL23の材料と同様であるので詳細な説明は省略する。
なお本実施形態では、触媒層31は、触媒層21に比較して撥水性が低くなるように撥水剤の量を調整してある。またMIL32は、図1(B)に示すように撥水性が触媒層31よりも高くなるように撥水剤の量が調整されている。さらにGDL33は図1(B)に示すように撥水性がMIL32よりも低く、触媒層31よりも高くなるように撥水剤の量が調整されている。
ただしアノード30の積層方向の撥水性の程度は、固体高分子膜10のカソード20からアノード30への水の透過性、アノード30の湿度条件に対する感度などを考慮して設定し、上記の積層方向の撥水性勾配に限られるものではない。
本発明のカソード20とアノード30の各層の撥水性は、各層において撥水剤の含有割合を調節することによって構成しているので、カソード20とアノード30のそれぞれの積層方向の撥水性勾配は容易に決定できる。
次にカソード20のGDL23のそれぞれ領域の撥水性と、積層方向の撥水性勾配について、図2(A)、(B)を用いて説明する。
図2は、本発明によるMEAの第1実施形態を示す図であり、図2(A)は本実施形態のMEA1のカソード20の積層方向、及びGDL23の面方向における撥水傾向を示す図であり、図2(B)はその撥水傾向を具体的に線図で示した図である。
MEA1のカソード20の積層方向の撥水性勾配と、GDL23の面方向の撥水性勾配によって、カソード20の空気供給側(入口側)ほどカソード20の積層方向の撥水性勾配が小さく、空気排出側(出口側)ほど、カソード20の積層方向の撥水性勾配は大きい。
触媒層21、MIL22、GDL23の撥水性は撥水剤の含有率で調整する。カソード20において、触媒層21の撥水剤の含有率を40wt%とし、MIL22の撥水剤の含有率を30wt%とし、GDL23の撥水剤の含有率をMIL22の撥水剤の含有率30wt%よりも低くする。このようにして触媒層21からMIL22、GDL23に行くほど撥水性を弱めて、積層方向の撥水性勾配を持たせる。なお上記含有率はあくまで一例であり、撥水剤の撥水性能に応じて適宜変更すればよい。また、各層の撥水性は撥水剤の含有率ではなく接触角の大小で確認してもよい。
図3は本実施形態に使用するGDL23とGDLの外側に設けられ、ガスの流路を有するセパレータを示す図である。
セパレータの流路はストレート流路である。GDL23は、GDL入口部231、GDL中間部232、GDL出口部233の3つの領域を有する。
GDL入口部231は空気供給側(入口側)付近に構成される。GDL出口部233は空気排出側(出口側)付近に構成される。GDL中間部232は、GDL入口部231とGDL出口部233との間に挟まれるように構成される。
そして本実施形態では、撥水剤の含有率は、GDL入口部231で20wt%、GDL中間部232で10wt%、GDL出口部233で0wt%とした。このように、GDL23の面内において、GDL入口部231からGDL中間部232、GDL出口部233にいくにつれて撥水性が弱まるように撥水剤の量を調整することで、カソード20積層方向における撥水性勾配は、空気供給側(入口側)ほど小さく、空気排出側(出口側)ほど大きい。
また本実施形態では、GDL入口部231及びGDL出口部233の長さは、少なくともGDL23の全長の5分の1以上とした。このようにすることで、触媒層21のフラッディング及び固体高分子膜10の乾燥を確実に防ぐことができる。
次にMEA1の製造方法について説明する。
まず第1の製造方法としては以下のものがある。
GDL23にMIL22を一体化させる。そしてMIL22に触媒層21をスプレーして接合する。このようにしてカソード20を製造する。
同様に、GDL33にMIL32を一体化させる。そしてMIL32に触媒層31をスプレーして接合する。このようにしてアノード30を製造する。
このようにして製造したカソード20及びアノード30を固体高分子膜10の片面ずつにホットプレスで転写またはスプレーして接合させてMEA1を製造する。
また別の第2の製造方法としては以下のものがある。
カソード20において、GDL23にMIL22を一体化させる。アノード30において、GDL33にMIL32を一体化させる。
GDL23と一体化したMIL22に、固体高分子膜10とホットプレスで転写またはスプレーによって接合された触媒層21を接合する。
GDL33と一体化したMIL32に、固体高分子膜10とホットプレスで転写またはスプレーによって接合された触媒層31を接合する。
このようにしてMEAを製造することができる。
固体高分子膜10、アイオノマにパーフルオロスルホン酸系を使うかで炭化水素系を使うかによって、ホットプレスなどの接合条件などが変わってくる
次に第1実施形態の効果について説明する。
本実施形態のMEA1のカソ−ド20においては、触媒層21からMIL22、GDL23に行くほど撥水性が弱まるように各層の撥水性を設定している。このようにしたので、固体高分子膜10のカソード20側で発生した水を、触媒層21からMIL22、GDL23に向かってスムーズに移動させることができ、高湿度条件での運転時や低温からの起動時でも、カソード20側の触媒層21でのフラッディングを防止できる。
また、カソード20の触媒層21からMIL22、GDL23に向かう積層方向の撥水性勾配を、空気供給側(入口側)ほど小さくしたので、電池反応により生じた生成水の一部が撥水されて固体高分子膜10側に戻され、固体高分子膜10の空気供給側(入口側)の乾燥を防止することができる。さらに、カソード20の触媒層21からMIL22、GDL23に向かう積層方向の撥水性勾配を、空気排出側(出口側)ほど大きくしたので、電池反応により生じた生成水が排出されやすくなり、触媒層21の空気排出側の水の排出が確実になり、カソード20でのフラッディングを防止することができる。
このようなことから低湿度から高湿度までの広い範囲の条件で運転可能な燃料電池を提供することができる。
(第2実施形態)
図4は、本発明によるMEA1とMEA1の外側に設けられ、ガスの流路を有するセパレータの第2実施形態を示す図である。
なお以下に示す各実施形態では前述した実施形態と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。
本実施形態のセパレータの流路はサーペンタイン流路である。
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、カソード20において、触媒層21からMIL22、GDL23に行くほど、撥水性が弱まるように各層の撥水性を設定している。
そして撥水剤含有率は、GDL入口部231では20wt%とし、GDL出口部233では0wt%とし、その間の領域のGDL中間部232では10wt%とする。このように、GDL入口部231からGDL中間部232、GDL出口部233にいくにつれて撥水性が弱まるように撥水剤の量を調整することで、カソード20の積層方向における撥水性勾配は、空気供給側(入口側)に行くほど小さく、空気排出側(出口側)に行く大きい。
本実施形態のGDL23のアノード30は第1実施形態のアノード30と同じ構成のため詳細な説明は省略する。
ここで第2実施形態の効果について説明する。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様に触媒層21からMIL22、GDL23に行くほど、撥水性が弱まるように各層の撥水性を設定し、さらにGDL入口部231からGDL中間部232、GDL出口部233にいくにつれて撥水性が弱まるように撥水剤の量を調整した。このようにすることで、カソード20の積層方向における撥水性勾配は、空気供給側(入口側)ほどを小さく、空気排出側(出口側)ほど大きくなる。
したがって、カソード20のセパレータの流路がサーペンタイン流路の場合であっても、本実施形態のように各層の撥水性を設定することで、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
図5と図6は、本発明によるMEAの第3実施形態を示す図であり、図5(A)はMEA2の積層断面を示す図であり、図5(B)はMEA2の積層方向の撥水性勾配を示す図である。なお、図5(B)の矢印A4はカソード20の積層方向の撥水性勾配を示し、矢印B4はアノード30の積層方向の撥水性勾配を示す。
図6はセパレータの流路に対するアノード30のGDL30における領域の分割例である。
本実施形態のMEA2は第1実施形態のMEA1と同様に、固体高分子膜10の一方に形成されたカソード20と、他方の面に形成されたアノード30とを有する。
カソード20の各層の構成要素、撥水性の大きさ、GDL23のそれぞれの領域の撥水性は本発明の第1実施形態のMEA1と同様なので詳細な説明は省略する。
本実施形態のMEA2のアノード30について説明する。
MEA2のアノード30は、MEA1のアノード30のように、触媒層31は固体高分子膜10の一方の面に隣接し、触媒層31の外側にMIL32を積層し、MIL32の外側にGDL33を積層する。
それぞれ触媒層31とMIL32、GDL33の構成要素はMEA1のアノード30と同等のものであるので、詳細な説明は省略する。
ここでアノード30の各層は触媒層21と同じ撥水性を有するように触媒層31を形成し、MIL22と同じ撥水性を有するようにMIL32を形成し、GDL23と同じ撥水性を有するようにGDL33を形成する。
このようにアノード30の各層の撥水性を決定し、触媒層31からMIL32、GDL33に行くほど撥水性が弱まるように、積層方向の撥水性の勾配を設ける。
GDL33は、カソード20のGDL23と同様に、GDL入口部331とGDL中間部332とGDL出口部333を有する。
ここで一例として本実施形態のセパレータの流路がストレート流路である場合について説明する。GDL入口部331はアノード30の空気供給側(入口側)に構成され、GDL出口部333はアノード30の空気排出側(出口側)付近に構成される。GDL中間部332はGDL入口331とGDL出口部333の間に挟まれるように構成される。
さらにGDL入口部331はGDL入口部231と同じ撥水性を有するように形成し、GDL中間部332はGDL中間部232と同じ撥水性を有するように形成し、GDL333はGDL233と同じ撥水性を有するように形成する。
本実施形態ではカソード20とアノード30の各層の撥水性と、GDL23とGDL33の面のそれぞれの領域の撥水性を同等にしたので、カソード20とアノード30の積層方向の撥水性の勾配は同等である。
ここで第3実施形態の効果について説明する。
MEA2においてカソード20と同様に、アノード30の触媒層31からMIL32、GDL33に行くほど、撥水性が弱まるように各層の撥水性を設定し、かつ、GDL33においてはGDL入口部331からGDL中間部332、GDL出口部333に行くにつれて撥水性が弱まるように各領域の撥水性を設定した。このようにすることで、アノード30の積層方向における撥水性勾配は、空気供給側(入口側)ほど大きく、空気排出側(出口側)ほど小さい。
このように、カソード20と同仕様のアノード30を備えたMEA2では、カソード20とアノード30の両方で空気供給側(入口側)の積層方向の撥水性勾配が小さいので、カソード20、アノード30の両方とも空気供給側(入口側)での水の移動を抑えられ、固体高分子膜10の空気供給側(入口側)の乾燥を防止をより強化できる。
また、カソード20とアノード30の両方で空気排出側(出口側)の積層方向の撥水性勾配が大きいので、水がスムーズに移動するため、固体高分子膜10の空気排出側(出口側)でのフラッディングの防止をより強化できる。
これらの両者の効果によって、低湿度から高湿度までの広い範囲の条件の運転が可能な燃料電池を提供できる。
(第4実施形態)
図7は、本発明によるMEAの第4実施形態を示す図であり、図7(A)本実施形態のMEAを用いた燃料電池スタック7aの側面図である。図7(B)〜(D)燃料電池スタック7aに用いる本実施形態のMEAの積層断面を示す図である。図7(E)〜(G)は燃料電池スタック7aに用いるMEAの積層方向の撥水性勾配を示す図である。なお、図7(E)〜図7(G)の矢印E1〜G2は各MEAの積層方向の撥水性勾配を示す。
燃料電池スタック7aは、複数の中央単位セル73と、一対のエンドセル74、75と、一対のエンドプレート71、72から構成される。
複数の中央単位セル73が並列に積層され、その一方の端の外側にエンドセル74を積層し、他方の端の外側にエンドセル75を積層する。エンドセル74の外側にエンドプレート71積層し、エンドセル75の外側にエンドプレート72を積層する。
中央単位セル73はMEA101を有し、エンドセル74,75はそれぞれMEA102を有する。
このようにして本実施形態のMEAを備えた燃料電池スタック7aを構成する。
中央単位セル73に用いるMEA101とエンドセル74、75に用いるMEA102は、第3実施形態のMEA2のようにカソード20とアノード30を同仕様にしている。
つまり、図7(E)〜(G)に図示されているように、MEA101とMEA102において、それぞれカソード20とアノード30の各層の構成要素と撥水性の強さは同じであり、カソード20のGDL23とアノード30のGDL33における各領域の撥水性も同じである。
このことから、MEA101とMEA102において、第3実施形態と同様に、それぞれカソード20の積層方向の撥水性勾配とアノード30の積層方向の撥水性勾配が同じである。
次に、MEA101とMEA102の相違点について以下一例を挙げて説明する。
本実施形態では、それぞれMEA101の触媒層21、触媒層31とMEA102の触媒層21、31の撥水性を同等に設定し、MEA101のMIL22、MIL32とMEA102のMIL22、MIL32の撥水性を同等に設定する。
つまり、MEA101とMEA102において、GDL23、33以外の領域では全く同じ構成を有している。
ここで、MEA102のGDL22、33の撥水性はMEA101のGDL23、33の撥水性よりも小さくする。ここで一例として、本実施形態ではMEA102のGDL23とGDL33は撥水性を有さないように形成し、MEA102のGDL23とGDL33は撥水性を有するように形成する。
このようにすることで、MEA102のカソード20における積層方向の撥水性勾配はMEA101のカソード20の積層方向の撥水性勾配よりも大きくなる。
同様に、MEA102のアノード30における積層方向の撥水性勾配はMEA101のアノード30における積層方向の撥水性勾配よりも大きくなる。
ここで本発明の第4実施形態の効果について説明する。
本実施形態では、燃料電池スタック7aにおいて中央単位セル73に用いるMEA101とエンドセル74、75に用いるMEA102は第3実施形態のMEA2のようにカソード20とアノード30の構成を同仕様にしている。
ここでGDL23、33以外の構成において、MEA101とMEA102で同仕様とする。
ここで、MEA101のGDL23、33とMEA102のGDL22、33の撥水性は相違するように設定する。
MEA102のGDL23とGDL33の撥水性を、MEA101のGDL23とGDL33の撥水性よりも小さくなるように設定する。
このようにすることで、MEA102のカソード20とアノード30の積層方向の撥水性勾配は、MEA101のカソード20とアノード30の積層方向の撥水性勾配よりも大きくなる。
このことから、エンドセル74、75に備えられたMEA102は中央単位セル73に備えられたMEA101よりも、カソード20の触媒層21からMIL22、GDL23に向かう水の移動と、アノード30の触媒層31からMIL32、GDL33に向かう水の移動がよりスムーズなる。
このため、エンドセル74、75において、固体高分子膜10のカソード20でのフラッディングの防止を中央単位セル73よりもさらに強化できるので、特に低温からの起動時に発生するエンドセル74、75で電圧が上がらない問題を解消することができる。
MEA102のカソード20とアノード30の積層方向の撥水性勾配が、MEA101のカソード20とアノード30の積層方向の撥水性勾配よりも大きければ、MEA101のGDL23,33とMEA102のGDL23、33以外の構成を同仕様にしなくてもよい。
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明と均等であることは明白である。
第1実施形態において、例えばGDL入口部231からGDL出口部233にいくにつれて撥水性が弱まるようにして撥水性の勾配が構成されていれば、GDL中間部232内をさらに分割してもよい。
また、MIL22において、空気供給側(入口側)から空気排出側(出口側)にいくにつれて撥水剤の含有量が低くなり、かつ、MIL22からGDL23への、どの積層方向において、撥水性が弱まるように撥水性の勾配が構成できるように、MIL22内に撥水性の勾配を構成してもよい。
カソード20において触媒層21からMIL22、GDL23にいくにしたがって撥水性が弱まるように、積層方向に撥水性の勾配を持たせる一例として、各層の撥水剤の含有量について、触媒層21を1としたとき、MIL22の含有割合を0.2〜1とし、GDL23の含有割合を0〜0.5としてもよい。
また、GDL23において前記ではGDL入口部231とGDL中間部232とGDL出口部233の3つの領域に分けたが、GDL23においてGDL入口部231側とGDL出口部233側の少なくとも2つの領域に分割してあれば、これに限らない。GDL23を撥水性の違う2つの領域に分割する場合は、GDL入口部231側とGDL出口部233側の撥水剤の含有率を1:(0.5以下)とすることが望ましい。
このようにすることで、GDL23においてGDL入口部231側からGDL出口部233側にいくにつれて、撥水性が弱まるように撥水性の勾配を持たせることができる。
使用する固体高分子膜10のカソ−ド20からアノ−ド30への水の透過性、アノ−ド30側の湿度条件に対する感度等を考慮し、アノ−ド30側仕様を微調整(若干撥水性勾配を変える等)してもよい。
第4実施形態において必要に応じて、燃料電池スタック7aに用いるMEA102を備えた単位セルの数を変化させてもよい。これにより、特に低温からの起動時に発生する、エンドセルで電圧が上がらない問題を解消することができる。
本発明による第1実施形態のMEAの積層方向の撥水性を示す図である。 本発明による第1実施形態のMEAの積層方向の撥水性の勾配とGDL23の面方向の撥水性の勾配を示す図である。 本発明による第1実施形態のGDLの面方向の領域の分割例を示す図である。 本発明による第2実施形態のGDLの面方向の領域の分割例を示す図である。 本発明による第3実施形態のMEAの積層方向の撥水性を示す図である。 本発明による第3実施形態のGDLの面方向の領域の分割例を示す図である。 本発明による第4実施形態のMEAを備えた燃料電池スタックを示す図である。
符号の説明
20 カソード
21 触媒層
22 MIL
23 GDL
30 アノード
31 触媒層
32 MIL
33 GDL
71 エンドプレート
73 中央単位セル
75 エンドセル
231 GDL入口部
232 GDL中間部
233 GDL出口部
331 GDL入口部
332 GDL中間部
333 GDL出口部

Claims (7)

  1. 空気及び水素が供給されて発電する固体高分子膜を有する膜電極接合体であって、
    前記固体高分子膜の一方の面に形成されたカソード触媒層と、
    前記カソード触媒層に積層されたカソード拡散層と、
    を有し、
    前記カソード触媒層の撥水性が前記カソード拡散層のいずれの領域の撥水性よりも高く、
    前記カソード触媒層から前記カソード拡散層にかけての撥水性勾配は、空気供給側よりも空気排出側のほうが大きい、
    ことを特徴とする膜電極接合体。
  2. 請求項1に記載の膜電極接合体において、
    前記カソード拡散層の空気供給側の撥水性と空気排出側の撥水性に差を持たせることで、
    前記カソード触媒層から前記カソード拡散層に向かう撥水性勾配が、空気供給側よりも空気排出側の方が大きくなっている
    ことを特徴とする膜電極接合体。
  3. 請求項1、2に記載の膜電極接合体において、
    前記カソード拡散層は、空気供給側から空気排出側になるにつれて撥水性が低くなる、
    ことを特徴とする膜電極接合体。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の膜電極接合体において、
    前記カソード触媒層は、撥水剤の含有量で撥水性が調整される、
    ことを特徴とする膜電極接合体。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の膜電極接合体において、
    前記カソード拡散層は、撥水剤の含有量で撥水性が調整される、
    ことを特徴とする膜電極接合体。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の膜電極接合体において、
    前記固体高分子膜の他方の面に形成されたアノード触媒層と、
    前記アノード触媒層に積層されたアノード拡散層と、
    を有し、
    前記アノード触媒層は、撥水性が前記カソード触媒層の撥水性と同等であり、
    前記アノード拡散層は、撥水性が前記カソード拡散層の撥水性と同等である、
    ことを特徴とする膜電極接合体。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の膜電極接合体を積層する燃料電池スタックであって、
    両端に備えられた一対のエンドセルに用いる膜電極接合体の撥水性勾配が、中央に配置される膜電極接合体の撥水性勾配よりも大きい、
    ことを特徴とする燃料電池スタック。


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