JP2006236400A - 光記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 インクの速乾性及び画像耐水性に優れ、濃い画像濃度で高い光沢感を伴った銀塩写真調の印刷画質が得られる光記録媒体を提供すること。
【解決手段】 透光性基板1上に、少なくとも光記録層2及びインク受容層5を有する光記録媒体において、該インク受容層5は、少なくとも、平均一次粒子径5〜50nmのシリカ及び/又はアルミナと、バインダーと、カチオン性物質と、硬膜剤とを含有し、且つ該インク受容層の表面のJIS−Z8741で規定する20度光沢度が15%以上である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レーザー光を用いて情報の記録再生を行う光記録媒体で、その表面にインクジェット方式等による画像印刷が可能な光記録媒体に関する。
光記録媒体は、コンピュータ用情報の他、音声データ、画像データなどの各種情報の保存手段であり、情報の記録及び再生が可能な追記型(CD−R)、情報の記録後にその消去が可能な書換型(CD−RW)が開発され、汎用されている。近年は、取り扱う情報量の増大に伴い、CD−RやCD−RWに比べて大容量の光記録媒体であるDVD−R(追記型)やDVD−RW(書換型)なども普及し始めている。
光記録媒体の利用者にとっては、その光記録媒体にどのような情報が記録されているかが一見して分かるようになっていることが望ましい。従来は、光記録媒体の表面に、筆記用具を用いて直接その記録内容を表示したり、文字や画像が表示されたシールを貼付したりすることで、光記録媒体中の情報内容を判別できるようにしていたが、最近では、パーソナルコンピューターユーザーに広く普及しているインクジェットプリンタを用いて、光記録媒体の表面に直接インクジェット方式で印刷を行う方法が利用されるようになり、インクジェット方式による印刷が可能なインク受容層を備えた光記録媒体(プリンタブル光記録媒体)が開発されている。このようなプリンタブル光記録媒体としては、例えば、透明基板上に記録層、金属反射層、1層又は2層以上の保護層を順次積層してなり、表面に露出している保護層が吸水性及び/又は吸油性を有する有機フィラー及び/又は無機フィラーを含有するUV硬化樹脂からなり、該保護層表面を印刷可能に構成した光記録媒体(特許文献1参照)、あるいは、透明基板上に光吸収層、光反射層、保護層及び/又は印刷受容層を順次積層し、最外層の保護層又は印刷受容層がポリビニルアセタール樹脂と、水分散性樹脂及び/又は水溶性樹脂とを含む光記録媒体(特許文献2参照)がある。
上述した従来のプリンタブル光記録媒体における印刷画像の形成メカニズムは、インク受容層として機能する層を形成する親水性樹脂が、着弾したインクを吸収して膨潤し着色されるものと推察されるが、このようなプリンタブル光記録媒体は、インクの速乾性が良好とは言い難く、インクが着弾してから乾燥定着するまでの時間が長いため、異色の境界部分で色が滲んだり不均一に混ざり合ったりするブリードが発生したり、インクがインク受容層中に完全に浸透しないうちに乾燥してしまうことで、本来得られるべき光沢性が得られなかったり、印刷画像が僅かな摩擦で剥がれ落ちるなどの問題がある。特に近年は、デジタルカメラ等の普及もあって、インクジェットプリント物の印刷画質としては高い光沢感を伴った銀塩写真調のものが好まれる傾向があるが、上述した従来のプリンタブル光記録媒体では、インクの速乾性不足のため、このような写真画質に十分に対応することができなかった。このようなインク速乾性の低さに起因する種々の問題は、インクの打ち込み量を低減する方法で一応回避できるが、この方法では印刷画像の発色性の低下を招くことになり、結局、写真画質を実現することはできない。
また、プリンタブル光記録媒体には、保存性の面から、湿度が高い条件や印刷画像が何らかの理由により水に曝された場合にもインク色材が流れ出さないような、高い画像耐水性が要求されるが、上述した従来のプリンタブル光記録媒体は画像耐水性が不十分であった。
特開平7−169100号公報 特開平8−161769号公報
従って、本発明の目的は、インクの速乾性及び画像耐水性に優れ、濃い画像濃度で高い光沢感を伴った銀塩写真調の印刷画質が得られる光記録媒体を提供することにある。
本発明は、透光性基板上に少なくとも光記録層及びインク受容層を有する光記録媒体において、上記インク受容層は、少なくとも、平均一次粒子径5〜50nmのシリカ及び/又はアルミナと、バインダーと、カチオン性物質と、硬膜剤とを含有し、且つ該インク受容層の表面のJIS−Z8741で規定する20度光沢度が15%以上であることを特徴とする光記録媒体を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明の光記録媒体は、被印刷面の表面光沢性が高く、インクの速乾性及び画像耐水性に優れているので、インク滲みがなく、耐擦性及び保存性に優れ、且つ高い発色性及び光沢感を伴ったフォトライクな高精細画像を印刷することができる。
以下、本発明の光記録媒体について、その好ましい一実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本実施形態の光記録媒体は、いわゆるCD−R型の光ディスクであり、中心にクランプ孔を有するドーナツ型円盤状の透光性基板上に、少なくとも光記録層及びインク受容層とを有する。該インク受容層は、光記録媒体の片面側に最外層として設けられている。
具体的には、本実施形態の光記録媒体は、図1に示すように、透光性基板1上に、スパイラル状にトラッキング用の案内溝1aが形成され、該案内溝1a上に、光記録層2、光反射層3、保護層4及びインク受容層5が順次積層されて構成されている。この光記録媒体は、透光性基板1側からレーザー光を照射して情報の記録再生を行う方式に対応しており、インク受容層5は、透光性基板1のレーザー光が照射される側と反対側の最外層に形成されている。
上記透光性基板1の形成材料としては、この種の光ディスクの基板として用いられているものを特に制限無く用いることができ、例えば、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂等のプラスチック、あるいはガラス等が挙げられる。
上記光記録層2としては、例えば、色素を含有する薄膜、Te等の金属からなる無機系化合物薄膜、FeTbCoからなる光磁気記録合金薄膜、GeSbTe、AgInSbTe、SnSbSe等の相変化記録合金薄膜等が挙げられる。これらの中でも、特に、色素を含有する光記録層は、製造の容易さや記録密度を大きくすることが可能であり、本発明で好ましく用いられる。色素としては、例えば、シアニン系色素、ポリメチン系色素、ポルフィリン系色素、フタロシアニン系色素、アゾ系色素、ナフトキノン系色素、ナフタロシアニン系色素、スクアリリウム系色素、金属錯体系色素等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。色素を有する光記録層は、色素を適当な溶剤に溶解させてスピンコートする方法、色素を減圧下で加熱して蒸着する方法等により形成することができる。色素を含有する光記録層には、ポリマーや分解促進剤等の他、色素の安定性を向上させる目的で、紫外線硬化剤、光安定剤などを含有させることができる。
上記光反射層3は、この種の光ディスクにおける光反射層と同様に、Au,Ag,Cu,Ni,Pt等の金属や合金材料を蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等することにより形成することができる。
上記保護層4は、上記光記録層2及び上記光反射層3を物理的・化学的に保護するための層である。保護層4の形成材料としては、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等が挙げられる。保護層4は、これらの形成材料を用いて公知のスピンコート法等により形成することができる。
本実施形態の光記録媒体の上述の構成は、従来公知の光記録媒体と同様である。
以下に、上記インク受容層5について詳細に説明する。このインク受容層は、いわゆる空隙タイプあるいは吸収タイプなどとも呼ばれる多孔質の層であり、少なくとも、シリカ及び/又はアルミナと、バインダーと、カチオン性物質と、硬膜剤とを必須成分として含有する。
本発明に係るシリカは、乾量基準でSiO293%以上、Al23約5%以下、Na2O約5%以下から構成される微粒子であり、その製造法により、液相法(湿式法)粒子、粉砕固相法粒子、晶析固相法粒子、気相法粒子に大別される。液相法とは、液中に存在する珪酸化合物等を化学変化又は物理変化によって固体状態に析出させる微粒子製造方法である。粉砕固相法とは、シリカ固体を機械的に粉砕する方法である。晶析固相法とは、溶融や固体の相転移などを利用した微粒子製造方法である。気相法とは、揮発性金属化合物の蒸気の熱分解や、原材料の加熱、蒸発、生成した気相種の冷却、凝縮による微粒子製造方法である。これらのシリカの中でも、特に、気相法によって得られた気相法シリカが好ましい。
本発明に係るアルミナとしては、α−アルミナ、遷移アルミナ(γ、δ、θ−アルミナを主相としたアルミナ)、ベーマイト、擬ベーマイト 、ダイアスポア、ギブサイト、バイエライト、無定形アルミナ等が挙げられ、これらの1種以上を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。これらのアルミナの中でも、特に、γ−アルミナ、擬ベーマイトが好ましい。
上記シリカ、上記アルミナの平均一次粒子径は、何れも、5〜50nmであり、好ましくは8〜40nmである。これらの粒子の平均一次粒子径が5nm未満では、良好なインク吸収性が得られないおそれがあり、逆に50nmを超えると、インク受容層の表面光沢性や印刷画像の発色性が低下するおそれがある。
上記シリカ及び/又はアルミナの含有量(シリカ、アルミナのうちの何れか1種を使用する場合はその1種の含有量、これら2種を併用する場合はその合計含有量)は、インクの速乾性及び表面光沢性と塗膜強度とのバランスの観点から、インク受容層の全固形分に対して好ましくは50〜85重量%である。
本発明に係るバインダーは、上記シリカ及び/又は上記アルミナの結着剤として作用するものであり、インクと親和性を有する水溶性あるいは非水溶性の高分子化合物を用いることができる。具体的には、例えば、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系接着剤、澱粉及びその変性物、ゼラチン及びその変性物、カゼイン、プルラン、アラビアゴム、及びアルブミン等の天然高分子樹脂又はこれらの誘導体、ポリビニルアルコール及びその変性物、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリル共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のラテックスやエマルジョン類、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等のビニルポリマー、ポリエチレンイミン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及び無水マレイン酸又はその共重合体等、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール等のアセタール樹脂が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
上記バインダーとして好ましいものは、ポリビニルアルコール及びその変性物(変性ポリビニルアルコール)であり、特に、ケン化度75〜98モル%、平均重合度500〜3000のポリビニルアルコール及びその変性物が好ましい。該変性物としては、カチオン変性物やシラノール変性物が挙げられる。斯かるポリビニルアルコール等は、インク受容層の水性インク吸収性を阻害せず、比較的少量の添加で層強度を高めることができる。
上記バインダーの含有量は、インクの速乾性と塗膜強度とのバランスの観点から、インク受容層中の上記シリカ及び/又は上記アルミナに対して好ましくは15〜40重量%である。
本発明に係るカチオン性物質は、主として印刷画像の耐水性の向上を目的として使用されるものであり、例えば、1級〜3級アミン化合物、1級〜3級アミン塩、4級アンモニウム塩等の低分子化合物や、1級〜3級アミノ基、1級〜3級アミン塩基若しくは4級アンモニウム塩基を有するオリゴマー又はこれらの基を有するポリマー等が挙げられ、具体的には、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドポリマー、エピハロヒドリン−2級アミンコポリマー、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−二酸化硫黄コポリマー、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミドコポリマー、ジアリルメチルアンモニウム塩ポリマー、ジアリルアミン塩酸塩−二酸化硫黄コポリマー、ジメチルメチルアミン塩酸塩コポリマー、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミン4級アンモニウム塩化合物、(メタ)アクリルアミドアルキルアンモニウム塩ポリマー、4級アンモニウム塩基を含むアイオネン等のカチオン性有機物が挙げられ、本発明ではこれらの1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。また、Al3+、Ca2+、Mg2+等の多価金属イオンや、塩化ベンザルコニウム等のカチオン性界面活性剤等も上記カチオン性物質として用いることができる。
上記カチオン性物質の含有量は、印刷画像の耐水性の向上と、インクの速乾性の低下及びブロンジングと呼ばれるインク色材の析出による高光沢化現象の防止とのバランスの観点から、インク受容層の全固形分に対して好ましくは3〜10重量%である。
本発明に係る硬膜剤は、主として印刷画像及びインク受容層の耐水性の向上を目的として使用されるものであり、例えば、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米国特許第3288775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3635718号記載の如き反応性のオレフィンを有する化合物、米国特許第2732316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3103437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3017280号、同第2983611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3100704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3091537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、カリ明ばん、硫酸ジルコニウム及び炭酸ジルコニウムアンモニウムの如きジルコニウム誘導体、ホウ酸、ホウ酸塩、ホウ砂等のホウ素化合物等が挙げられ、本発明ではこれらの1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
上記の硬膜剤の中でも、特に、ホウ素化合物は、本発明に係るバインダーとして好ましく用いられる上記ポリビニルアルコール及びその変性物との架橋反応により、ひび割れ(クラック)などの無いきれいなインク受容層を形成することができるため、本発明で好ましく用いられる。即ち、本発明では、上記バインダーとして、少なくともポリビニルアルコール及びその変性物からなる群から選ばれる1種以上を用い、上記硬膜剤として、少なくともホウ素化合物を用いることが好ましい。
上記硬膜剤の含有量は、インク吸収性の確保と耐水性との両立の観点から、インク受容層の全固形分に対して好ましくは1〜5重量%である。
本発明に係るインク受容層には、上述したシリカ及び/又はアルミナ、バインダー、カチオン性物質、硬膜剤の他に、必要に応じ、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、浸透剤、粘度安定剤、pH調節剤、染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤等の添加剤を適宜含有させることができる。
上記インク受容層の厚みは、インクの速乾性、粉落ちやクラックの防止等の観点から、好ましくは10〜30μm、更に好ましくは15〜25μmである。
上記インク受容層の表面(光記録媒体の被印刷面)は、高い光沢感を伴ったフォトライクな印刷画像を得る観点から、高い光沢性を有することが望ましく、具体的にはJIS−Z8741で規定する20度光沢度が15%以上、特に20%以上であることが好ましい。このような高い表面光沢性は、上述したように、平均一次粒子径が5〜50nmのシリカ及び/又はアルミナをインク受容層に一定量以上含有させることにより、実現することができる。
本発明に係るインク受容層は、上述した各種成分を含有させた塗工液を公知の塗工法により塗工することにより形成することができる。塗工液の塗工は、エアーナイフコーター、カーテンコーター、スライドリップコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、ロールコーター、ビルブレードコーター、ショートドエルブレードコーターなどの塗工装置を用いることもできるが、スピンコーターを用いるスピンコート法により塗工することが好ましい。スピンコート法は、透光性基板上に塗工液を供給(図1に示す実施形態では、保護層4上に塗工液を供給)した後、該基板を高速度で回転させることにより、塗工液を該基板の回転に伴う遠心力によって該基板表面に拡げ、均一な厚さの塗膜を形成する方法である。
特に好ましいインク受容層は、上記のようにして透光性基板上にスピンコート法により形成された塗膜を、冷却した後に加熱乾燥させることによって形成されたものである。一旦形成された塗膜を冷却後に加熱乾燥させることにより、クラックが無く、良好な光沢感を有するインク受容層を形成することができる。塗膜の冷却温度は、好ましくは20℃以下、更に好ましくは15℃以下である。また、加熱乾燥時の加熱温度は、好ましくは40℃以上である。
本発明の光記録媒体は、上述した実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々変更が可能である。
本発明の光記録媒体は、少なくとも光記録層及びインク受容層を有していればよく、その他の層の種類、並びに光記録層とインク受容層を含めた光記録媒体における総層数及び各層の積層順序については、上述した実施形態に制限されず、適宜変更することができる。例えば、インク受容層の被塗工面(図1に示す実施形態では、保護層4の表面)に対する接着性の向上等の目的で、インク受容層の透光性基板側にアンカーコート層を隣接させることもできる。具体的には、透光性基板上に、光記録層、光反射層、保護層、アンカーコート層及びインク受容層を順次積層した構成とすることが可能である。アンカーコート層を設けることにより、被印刷面の表面光沢性の向上も期待できる。アンカーコート層の形成材料としては、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系等の樹脂を用いることができる。アンカーコート層の厚みは、好ましくは0.1〜10μm、更に好ましくは0.2〜5μmである。
また、本発明の光記録媒体は、上述したCD−R型の光ディスクの他、CD型の再生専用光ディスク(CD−ROM)、書き換え可能なCD−RW型の光ディスク、DVD型の再生専用光ディスク、追記可能なDVD−RAM,−RW等の光ディスク等にも適用することができる。また、光ディスク自体の形態も、上述したドーナツ型円盤状に限定されない。
以下に、本発明の実施例及び本発明の効果を示す試験例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、斯かる実施例により何等制限されるものではない。
〔実施例1〕
幅0.5μm、深さ35nmのトラッキング用案内溝を有し、直径120mm、厚み1.2mmのドーナツ型円盤状のポリカーボネート製透光性基板を成型した。この透光性基板上に、含金属アゾ色素のメチルセロソルブ溶液(濃度2.4重量%)をスピンコート法により塗布した後、80℃の乾燥機中で10分間乾燥して光記録層を形成した。この光記録層上に、アルゴンガス中でのDCマグネトロンスパッタ法により平均厚さ100nmの金膜を形成し、光反射層とした。この光反射層上に、紫外線硬化性のポリウレタン樹脂(商品名SD−318、大日本インキ化学社製品)をスピンコート法により塗布した後、紫外線を照射して硬化させて、厚さ6μmの保護層を形成した。
そして、スピンコーターを用いて上記保護層上にインク受容層用塗工液を塗工することにより塗膜を形成し、こうして得られた塗膜を10℃で1分間冷却した後、40℃で10分間加熱乾燥させることにより、厚み25μmのインク受容層を形成した。このインク受容層の組成を下記に示す。このようにして得られた光記録媒体を実施例1のサンプルとした。この光記録媒体のインク受容層の表面のJIS−Z8741で規定する20度光沢度は18%であった。
〈実施例1のインク受容層の組成〉
・気相法シリカ(平均一次粒子径10nm):70重量%
・ポリビニルアルコール(クラレ製、PVA217、ケン化度88%、平均重合度約2000):20重量%
・カチオン性物質(センカ製、PAP−2、ジシアンジアミド系カチオンポリマー):5重量%
・硬膜剤(ホウ酸):5重量%
〔実施例2〕
実施例1において、保護層とインク受容層との間に、ポリエステル系樹脂(高松油脂製、WAC−10)からなる厚み1μmのアンカーコート層を設けた以外は実施例1と同様にして光記録媒体を製造し、これを実施例2のサンプルとした。この光記録媒体のインク受容層の表面のJIS−Z8741で規定する20度光沢度は20%であった。
〔実施例3〕
実施例1において、インク受容層の厚みを8μmとした以外は実施例1と同様にして光記録媒体を製造し、これを実施例3のサンプルとした。この光記録媒体のインク受容層の表面のJIS−Z8741で規定する20度光沢度は15%であった。
〔実施例4〕
実施例1において、インク受容層の厚みを32μmとした以外は実施例1と同様にして光記録媒体を製造し、これを実施例4のサンプルとした。この光記録媒体のインク受容層の表面のJIS−Z8741で規定する20度光沢度は20%であった。
〔実施例5〕
実施例1において、インク受容層形成時の冷却工程を省略(塗膜形成後、冷却せずに加熱乾燥)した以外は実施例1と同様にして光記録媒体を製造し、これを実施例5のサンプルとした。この光記録媒体のインク受容層の表面のJIS−Z8741で規定する20度光沢度は15%であった。
〔比較例1〕
実施例1において、インク受容層中の気相法シリカの平均一次粒子径を4nmに変更した以外は実施例1と同様にして光記録媒体を製造し、これを比較例1のサンプルとした。この光記録媒体のインク受容層の表面のJIS−Z8741で規定する20度光沢度は18%であった。
〔比較例2〕
実施例1において、インク受容層中の気相法シリカの平均一次粒子径を80nmに変更した以外は実施例1と同様にして光記録媒体を製造し、これを比較例2のサンプルとした。この光記録媒体のインク受容層の表面のJIS−Z8741で規定する20度光沢度は11%であった。
〔比較例3〕
実施例1において、インク受容層の組成を下記組成に変更した以外は実施例1と同様にして光記録媒体を製造し、これを比較例3のサンプルとした。この光記録媒体のインク受容層の表面のJIS−Z8741で規定する20度光沢度は11%であった。
〈比較例3のインク受容層の組成〉
・気相法シリカ(平均一次粒子径10nm):70重量%
・ポリビニルアルコール(クラレ製、PVA217、ケン化度88%、平均重合度約2000):25重量%
・硬膜剤(ホウ酸):5重量%
〔比較例4〕
実施例1において、インク受容層の組成を下記組成に変更した以外は実施例1と同様にして光記録媒体を製造し、これを比較例4のサンプルとした。この光記録媒体のインク受容層の表面のJIS−Z8741で規定する20度光沢度は10%であった。
〈比較例4のインク受容層の組成〉
・気相法シリカ(平均一次粒子径10nm):70重量%
・ポリビニルアルコール(クラレ製、PVA217、ケン化度88%、平均重合度約2000):25重量%
・カチオン性物質(センカ製、PAP−2、ジシアンジアミド系カチオンポリマー):5重量%
〔参考例〕
実施例1において、インク受容層の組成を下記組成のいわゆる膨潤タイプに変更した以外は実施例1と同様にして光記録媒体を製造し、これを参考例のサンプルとした。この光記録媒体のインク受容層の表面のJIS−Z8741で規定する20度光沢度は12%であった。
<参考例のインク受容層の組成>
・ゼラチン(コニカゼラチン(株)製KV−3000):39重量%
・ポリビニルピロリドン(BASF社製PVP−K90):50重量%
・カルボキシメチルセルロースナトリウム(ダイセル化学工業製CMC1205):10重量%
・炭酸ジルコニウムアンモニウム(日本軽金属製AZC):1重量%
〔試験例〕
セイコーエプソン製のインクジェットプリンタPM−G800に上記サンプル(光記録媒体)をセットし、該サンプルのインク受容層の表面に、高精細カラーデジタル標準画像[(ISO/JIS-SCID)、画像名称「ポートレート」(サンプル番号1、画像の評価認識番号N1)]を「推奨きれいモード」で印刷した。こうして作製された印刷物について、インクの速乾性、画像耐水性、発色性、光沢性、耐擦性をそれぞれ下記の方法により評価した。これらの評価結果を下記〔表1〕に示す。
(速乾性の評価方法)
上記印刷物の印刷直後の印刷面を目視で観察し、ブリード(異色の境界部分で色が滲んだり不均一に混ざり合う現象)が全く見られないものをA(画質良好)、ブリードがわずかに見られるものをB、ブリードが目立つものをCとした。
(画像耐水性の評価方法)
上記印刷物を室温25℃、相対湿度50%の環境下に24時間放置後、0.3ccの水滴を印刷文字上に滴下し、更に同じ環境下で24時間放置した後、印刷文字を目視で観察し、インクの滲みが見られないものをA(画像耐水性良好)、文字は滲んでいるが判読可能なものをB、滲みがひどく文字を判読できないものをCとした。
(発色性の評価方法)
上記印刷物におけるシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色インクのデューティー100%部分について、グレタグマクベス社製のスペクトロリーノSPM−50を用い、視野角2度、光源D50、フィルター無しの条件で反射光学濃度(OD値)を測定し、CMYKのOD値の合計が7.5を超えるものをA(画像濃度が濃く発色性良好)、該合計が7.5〜6.0の範囲にあるものをB、該合計が6.0未満(平均でOD値1.5未満)ものをCとした。
(光沢性の評価方法)
上記印刷物の印刷面を目視で観察し、銀塩写真の光沢面と比較して光沢感に遜色のないものをA(光沢性良好)、銀塩写真の光沢面と比較して部分的に光沢感に劣る箇所もあるが、概ね良好な光沢感を有するものをB、全体的にマット(艶消し)調であるか、あるいは光沢ムラが見られるものをCとした。
(耐擦性の評価方法)
上記印刷物の印刷面を指の腹で擦った後、その状態を目視で観察し、印刷画像から色材の脱落がないものをA(耐擦性良好)、若干の色材の脱落が確認されるものをB、色材の脱落が明確であるものをCとした。
本発明の光記録媒体の一実施形態としてのCD−Rの断面を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1…透光性基板、2…光記録層、3…光反射層、4…保護層、5…インク受容層

Claims (3)

  1. 透光性基板上に少なくとも光記録層及びインク受容層を有する光記録媒体において、
    上記インク受容層は、少なくとも、平均一次粒子径5〜50nmのシリカ及び/又はアルミナと、バインダーと、カチオン性物質と、硬膜剤とを含有し、且つ該インク受容層の表面のJIS−Z8741で規定する20度光沢度が15%以上であることを特徴とする光記録媒体。
  2. 上記インク受容層の厚みは、10〜30μmであることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  3. 上記インク受容層は、上記透光性基板上にスピンコート法により形成された塗膜を、冷却した後に加熱乾燥させることによって形成されたことを特徴とする請求項1又は2記載の光記録媒体。

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