JP2006233895A - エンジンの動弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 吸気弁閉弁タイミング遅延装置の重量の増加や寸法の大型化を回避しながら、電磁アクチュエータ機構のアマチュアを非吸着位置と吸着位置との間で切り換える応答性を高める。
【解決手段】 電磁アクチュエータ機構62のアマチュア68を非吸着位置に固定して保持ロッド67を吸気弁21のステムエンド21aから離反させるアマチュア固定機構64に、アマチュア68に係合して非吸着位置に保持するストッパレバー89と、ストッパレバー89を揺動させてアマチュア68との係合を解除する係止解除ロッド79とを設けたので、係止解除ロッド79を僅かにストロークさせるだけでストッパレバー89とアマチュア68との係合を解除することが可能となり、重量の増加や寸法の大型化を回避しながら、アマチュア68を非吸着位置と吸着位置との間で切り換える応答性を高めることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃焼室とポートとの間に設けられた弁と、弁のステムエンドに接続されたアマチュアと、アマチュアを吸着することによって弁を開弁状態に保持するコイルと、アマチュアを非吸着位置に固定するアマチュア固定機構とを備えたエンジンの動弁装置に関する。
かかるエンジンの動弁装置は、下記特許文献1により公知である。このエンジンの動弁装置のアマチュア固定機構は、カムシャフトホルダに形成されたシリンダにピストンを摺動自在に嵌合させ、このピストンから上方に突出するアマチュア係止部材の先端を、保持ロッドの上端に固定したアマチュアの下面に対向させたもので、戻しばねの弾発力でピストンを上昇させてアマチュア係止部材でアマチュアの下面を押し上げることでアマチュアを非吸着位置に保持するとともに、油圧でピストンを下降させてアマチュア係止部材をアマチュアの下面から離間させることで、励磁したコイルによりアマチュアを吸着位置に保持するようになっている。
特開2004−52581号公報
ところで上記従来のものは、ピストンと一体のアマチュア係止部材でアマチュアの下面を直接拘束するようになっているため、アマチュアを吸着位置と非吸着位置との間で切り換えるためのアマチュア係止部材のストロークが必然的に大きくなり、切り換えの応答性が低下する問題があった。これを解決するには、吐出容量が大きい油圧ポンプを使用したり、アマチュア係止部材を駆動するピストンの直径を拡大したりする必要があるが、前者の場合には油圧ポンプが大型化し、後者の場合にはピストンが大型化するため、重量の増加やレイアウト性の低下が問題となってしまう。
また従来の構造では、アマチュア係止部材のストロークがアマチュアのストロークと同一、またはそれ以上であったため、アマチュア係止部材の応答性とアマチュアのストローク長とが両立しなかった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、吸気弁閉弁タイミング遅延装置の重量の増加や寸法の大型化を回避しながら、アマチュアを非吸着位置と吸着位置との間で切り換える応答性を高めることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、燃焼室とポートとの間に設けられた弁と、弁のステムエンドに接続されたアマチュアと、アマチュアを吸着することによって弁を開弁状態に保持するコイルと、アマチュアを非吸着位置に固定するアマチュア固定機構とを備えたエンジンの動弁装置において、アマチュア固定機構は、アマチュアに係合して該アマチュアを非吸着位置に保持する係止手段と、係止手段を移動させてアマチュアとの係合を解除する係止解除手段とを備えており、係止解除手段は係止手段をアマチュアの移動する方向に対して交差する方向に移動させて前記係合を解除することを特徴とするエンジンの動弁装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、アマチュア固定機構は、係止手段をアマチュアと係合する方向に付勢する付勢手段を備えたことを特徴とするエンジンの動弁装置が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、係止解除手段は、係止手段に対してアマチュアの移動方向に延びる方向に配置されていることを特徴とするエンジンの動弁装置が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項3の構成に加えて、係止解除手段は、係止手段とロッカーアームとの間に配置されていることを特徴とするエンジンの動弁装置が提案される。
また請求項5に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、係止解除手段は、係止手段に設けた傾斜面を押圧して揺動させることで前記係合を解除することを特徴とするエンジンの動弁装置が提案される。
また請求項6に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、係止手段は摺動面を備え、アマチュアは前記摺動面に沿って摺動しながら吸着位置から非吸着位置に復帰することを特徴とするエンジンの動弁装置が提案される。
尚、実施例の吸気ポート16は本発明のポートに対応し、実施例の吸気弁21は本発明の弁に対応し、実施例の第1吸気ロッカーアーム30は本発明のロッカーアームに対応し、実施例の係止解除ロッド79は本発明の係止解除手段に対応し、実施例のストッパレバー89は本発明の係止手段に対応し、実施例の捩じりばね92は本発明の付勢手段に対応する。
請求項1の構成によれば、アマチュアを非吸着位置に固定して弁の自由な開閉を許容するアマチュア固定機構に、アマチュアに係合して該アマチュアを非吸着位置に保持する係止手段と、係止手段を移動させてアマチュアとの係合を解除する係止解除手段とを設け、係止解除手段は係止手段をアマチュアの移動する方向に対して交差する方向に移動させて係止手段とアマチュアとの係合を解除するので、係止解除手段は係止手段を僅かに移動させるだけで係止手段とアマチュアとの係合を解除することが可能となり、重量の増加や寸法の大型化を回避しながら、かつアマチュアのストローク長を確保しながら、アマチュアを非吸着位置と吸着位置との間で切り換える応答性を高めることができる。
請求項2の構成によれば、付勢手段で係止手段をアマチュアと係合する方向に付勢したので、アマチュアを非吸着位置に確実に保持することができる。
請求項3の構成によれば、係止解除手段を係止手段に対してアマチュアの移動方向に延びる方向に配置したので、係止解除手段をコンパクトにレイアウトすることができる。
請求項4の構成によれば、係止解除手段を係止手段とロッカーアームとの間に配置したので、係止解除手段を更にコンパクトにレイアウトすることができる。
請求項5の構成によれば、係止解除手段が傾斜面を押圧して係止手段が揺動すると、係止手段とアマチュアとの係合が解除されるので、小さい駆動力で前記係合を確実に解除することができる。
請求項6の構成によれば、アマチュアは係止手段に設けた摺動面に沿って摺動するので、係止解除手段の駆動源が故障してもアマチュアを吸着位置から非吸着位置に復帰させることができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
図1〜図8は本発明の第1実施例を示すもので、図1はエンジンのシリンダヘッド部の断面図(図2の1−1線断面図)、図2は図1の2−2線断面図、図3は図1の3部拡大図(アマチュア非吸着状態)、図4はアマチュア固定機構の斜視図、図5は図1に対応する作用説明図(アマチュア吸着状態)、図6はアマチュア固定機構の正常時の作用説明図、図7はアマチュア固定機構の故障時の作用説明図、図8は実施例の効果を説明するグラフである。
図1に示すように、SOHC型の直列4気筒エンジンEはシリンダブロック11と、シリンダブロック11の上面に結合されたシリンダヘッド12と、シリンダヘッド12の上面に結合されたカムシャフトホルダ13とを備えており、シリンダブロック11に形成したシリンダ14にピストン15が摺動自在に嵌合する。シリンダヘッド12には、シリンダ14毎に各2個の吸気ポート16,16および排気ポート17,17が形成されており、シリンダヘッド12の下面にピストン15の上面と対向するように形成され燃焼室18は吸気弁孔19,19を介して吸気ポート16,16に連通するとともに、排気弁孔20,20を介して排気ポート17,17に連通する。
吸気弁孔19,19を開閉する吸気弁21,21はシリンダヘッド12に設けた弁ガイド22,22に摺動自在に案内され、吸気弁ばね23,23で閉弁方向に付勢される。排気弁孔20,20を開閉する排気弁24,24はシリンダヘッド12に設けた弁ガイド25,25に摺動自在に案内され、排気弁ばね26,26で閉弁方向に付勢される。カムシャフトホルダ13はシリンダヘッド12の長手方向に沿って配置された単一の部材であり、シリンダヘッド12の上面とカムシャフトホルダ13の下面との間に吸気・排気共用のカムシャフト27が支持される。カムシャフト27はクランクシャフトに不図示のタイミングチェーンを介して接続されており、クランクシャフトの2分の1の回転数で回転する。
図2を併せて参照すると明らかなように、カムシャフト27の上方のカムシャフトホルダ13には吸気ロッカーアームシャフト28および排気ロッカーアームシャフト29が支持されており、吸気ロッカーアームシャフト28に第1吸気ロッカーアーム30および第2吸気ロッカーアーム31が隣接して配置されるとともに、第1、第2吸気ロッカーアーム30,31の軸方向両側に第1、第2排気ロッカーアーム32,33が配置される。
第1吸気ロッカーアーム30は中間部を吸気ロッカーアームシャフト28に支持されており、二股に分岐した一端部に一方の吸気弁21のステムエンド21aに当接するアジャストボルト34と、球状の上面を有する保持ロッド受け部材35とが設けられ、また他端部にカムシャフト27に設けた吸気ハイカム36に当接するローラ37が支持される。第2吸気ロッカーアーム31は中間部を吸気ロッカーアームシャフト28に支持されており、一端部に他方の吸気弁21のステムエンド21aに当接するアジャストボルト38が設けられ、また他端部にカムシャフト27に設けた吸気ローカム39に当接するスリッパ40が設けられる。吸気ハイカム36のカム山に比べて、吸気ローカム39のカム山の高さは低く設定されている。
吸気ロッカーアームシャフト28を挟んでローラ37およびスリッパ40の反対側の第1、第2吸気ロッカーアーム30,31に、該第1、第2吸気ロッカーアーム30,31を一体に連結して一体に揺動させ、あるいは相互に分離して独立して揺動させるべく、連結・解除機構41が設けられる。
連結・解除機構41は、第1、第2吸気ロッカーアーム30,31に同軸に形成したピン孔30a,31aと、第1吸気ロッカーアーム30のピン孔30aに摺動自在に嵌合する第1ピン42と、第2吸気ロッカーアーム31のピン孔31aに摺動自在に嵌合する第2ピン43と、第1ピン42を第2ピン43に向けて付勢する戻しばね44と、第2ピン43の第1ピン42と反対側の端面に形成された油室45とを備えており、油室45は吸気ロッカーアームシャフト28の内部に形成した油路28aに、吸気ロッカーアームシャフト28および第2吸気ロッカーアーム31に形成した油孔28b,31bを介して常時連通する。
従って、図示せぬ制御手段からの指令で吸気ロッカーアームシャフト28の油路28a、吸気ロッカーアームシャフト28の油孔28bおよび第2吸気ロッカーアーム31の油孔31bを介して油室45に油圧が供給されると、図2に示すように、戻しばね44の弾発力に抗して第1、第2ピン42,43が移動し、第2ピン43が両ピン孔30a,31aに跨がることで、第1、第2吸気ロッカーアーム30,31が連結されて一体に揺動可能になる。また油室45に供給される油圧を抜くと、戻しばね44の弾発力で第1、第2ピン42,43が押し戻され、第1、第2ピン42,43がそれぞれ第1、第2吸気ロッカーアーム30,31のピン孔30a,31aに収納されることで、第1、第2吸気ロッカーアーム30,31が分離されて独立して揺動可能になる。
排気ロッカーアームシャフト29に揺動自在に支持された第1、第2排気ロッカーアーム32,33は、その一端側に設けたローラ46,47がカムシャフト27に設けた排気カム48,49に当接し、その他端側に設けたアジャストボルト50,51が排気弁24,24のステムエンド24a,24aに当接する。また符号52は点火プラグ挿入筒であり、一対の排気弁24,24の間に設けられる。
次に、吸気弁21,21の閉弁タイミングを遅延する吸気弁閉弁タイミング遅延装置61の構造を説明する。図3に示すように、吸気弁閉弁タイミング遅延装置61は、カムシャフトホルダ13に設けられるもので、4個のシリンダ14…に各々対応して電磁アクチュエータ機構62、油圧ダンパー機構63およびアマチュア固定機構64を備える。各シリンダ14に対応する電磁アクチュエータ機構62、油圧ダンパー機構63およびアマチュア固定機構64は全て同一構造であり、以下その一つを例にとって説明する。
図3に示すように、電磁アクチュエータ機構62は、積層鋼板で構成された矩形状のヨーク65の内部に収納したコイル66を備える。ヨーク65の中心を保持ロッド67が上下動自在に貫通しており、その保持ロッド67の上端に固定されたアマチュア68は、ヨーク65の上面に所定の間隔を存して対向する。保持ロッド67の下端は、第1吸気ロッカーアム30の保持ロッド受け部材35の上面に当接可能に対向する。
図3に示すように、電磁アクチュエータ機構62により開弁保持された吸気弁21,21の閉弁時の衝撃を吸収すべく、カムシャフトホルダ13の上面の厚肉部の内部に収納された油圧ダンパー機構63は、カムシャフトホルダ13に形成された下面開放のシリンダ69と、このシリンダ69に摺動自在に嵌合するカップ状のピストン70と、シリンダ69およびピストン70によって区画された油室71とを備えており、電磁アクチュエータ機構62の保持ロッド67がピストン70を貫通して固定される。シリンダ69の内壁面には複数のオリフィス72…が形成され、またピストン70にも、それを貫通するように複数のオリフィス70a…が形成される。ピストン70の上方に形成された油室73には油圧源からチェック弁(図示せず)を介してオイルが供給され、油室73からオリフィス72…を介して排出されたオイルはチェック弁(図示せず)を介してオイルタンクに戻される。
図3および図4に示すように、電磁アクチュエータ機構62の非作動時にアマチュア68を上昇位置に保持するアマチュア固定機構64は、カムシャフトホルダ13に形成された凹部74に嵌合し、プラグ75およびクリップ76で固定されたシリンダ部材77を備える。シリンダ部材77に摺動自在に嵌合するピストン78から上方に延びる係止解除ロッド79が、カムシャフトホルダ13の上面に設けたブッシュ80を貫通して上方に突出する。ピストン78はシリンダ部材77との間に配置されたコイルばね81で下向きに付勢されているが、カムシャフトホルダ13に形成した油路82から油室83に供給された作動油で上方に移動して係止解除ロッド79を更に上方に突出させる。
カムシャフトホルダ13の上面に、一対の支柱84,85がそれぞれボルト86,87で固定されており、一方の支柱84に他方の支柱85に向けて延びる支軸88が固定される。支軸88に一端を枢支されたストッパレバー89は、それ自身に植設したばね受けピン90および他方に支柱85に植設したばね受けピン91に両端を係止した捩じりばね92で、図3の矢印A方向に付勢される。このとき、ストッパレバー89に植設したストッパピン93が一方の支柱84に当接することで、ストッパレバー89の矢印A方向の回動端が規制される。
ストッパレバー89は、アマチュア68の下面に係合可能な係止面89aと、この係止部89aの側部に連なる摺動面89bと、係止解除ロッド79の上端に当接可能な傾斜面89cとを備える。
次に、上記構成を備えた実施例の作用を説明する。
図2において、エンジンEの低速運転領域で吸気弁21,21の動弁系に設けたけた連結・解除機構41の油室45の油圧を抜くと、戻しばね44の弾発力で第1、第2ピン42,43が押し戻され、第1、第2ピン42,43がそれぞれ第1、第2吸気ロッカーアーム30,31のピン孔30a,31aに収納されることで、第1、第2吸気ロッカーアーム30,31が分離されて独立して揺動可能になる。その結果、カム山が高い吸気ハイカム36にローラ37を当接させた第1吸気ロッカーアーム30は大きく揺動して一方の吸気弁21を大きなリフト量で開閉する一方、カム山が低い吸気ローカム39にスリッパ40を当接させた第2吸気ロッカーアーム31は小さく揺動して他方の吸気弁21を小さなリフト量で開閉することで、燃焼室18内に吸気スワールを発生させて混合気の燃焼効率を高めることができる。
エンジンEの中・高速運転領域で連結・解除機構41の油室45に油圧を供給すると、図2に示すように、戻しばね44の弾発力に抗して第1、第2ピン42,43が移動し、第2ピン43が両ピン孔30a,31aに跨がることで、第1、第2吸気ロッカーアーム30,31が連結されて一体に揺動可能になる。その結果、カム山が高い吸気ハイカム36にローラ37を当接させた第1吸気ロッカーアーム30と一体に第2吸気ロッカーアーム31が大きく揺動し、両方の吸気弁21,21を大きなリフト量で開閉してエンジンEの出力が増加する。
吸気弁閉弁タイミング遅延装置61の非作動時、つまり電磁アクチュエータ機構62のコイル66への通電が行われないとき、図1、図3および図6(A)に示すようにアマチュア固定機構64の油室83の油圧は抜かれており、コイルばね81の弾発力でピストン78と共に係止解除ロッド79が下降するため、捩じりばね92の弾発力で図3の矢印A方向に付勢されたストッパレバー89の係止面89aがアマチュア68の下面に係合し、アマチュア68を上昇した非吸着位置に保持することで、第1吸気ロッカーアーム30の揺動に伴って保持ロッド67がアマチュア68と共に不要な上下動をするのが防止される。
これにより、保持ロッド67およびアマチュア68の慣性重量や摺動抵抗が第1吸気ロッカーアーム30のスムーズな揺動を阻害することが防止され、また吸気第1ロッカーアーム30の揺動に保持ロッド67の昇降が追従できないエンジンEの高速運転時に、保持ロッド67の下端が第1吸気ロッカーアーム30の保持ロッド受け部材35から離反したり衝突したりして騒音の発生や耐久性の低下の原因となることが防止される。
一方、吸気弁閉弁タイミング遅延装置61の作動時、つまり電磁アクチュエータ機構62のコイル66への通電が行われるとき、図5および図6(B)、(C)に示すように、アマチュア固定機構64の油室83に油圧が供給され、コイルばね81の弾発力に抗してピストン78と共に係止解除ロッド79が上昇する。その結果、係止解除ロッド79の先端に傾斜面89cを押圧されたストッパレバー89が支軸88まわりに反時計方向に揺動し、その係止面89aがアマチュア68の下面から離脱するため、アマチュア68および保持ロッド67は自由に昇降できる状態となる。
しかして、第1吸気ロッカーアーム30が吸気弁21のステムエンド21aを押し下げて該吸気弁21のリフト量が最大になるのにタイミングを合わせて電磁アクチュエータ機構62のコイル66を励磁すると、ヨーク65にアマチュア68が吸引されることで保持ロッド67が下降し、その下端が保持ロッド受け部材35を下方に押圧する。すると、第1吸気ロッカーアーム30が揺動し、その一端側のアジャストボルト34が吸気弁21のステムエンド21aを押圧して該吸気弁21を開弁させたままの状態に保持する。このとき、第1吸気ロッカーアーム30の他端側のローラ37はカムシャフト27の吸気ハイカム36から離反して空転する。
所定時間の経過後にコイル66を消磁すると、吸気弁ばね23の弾発力で吸気弁21が閉弁位置に上昇し、第1吸気ロッカーアーム30が逆方向に揺動してローラ37が吸気ハイカム36に当接するとともに、保持ロッド受け部材35に下端を押し上げられた保持ロッド67と共にアマチュア68が上昇してヨーク65の上面から離反する。このように、電磁アクチュエータ機構62のコイル66を所定のタイミングで励磁および消磁することにより、吸気弁21の閉弁時期を任意の長さだけ遅延させることができ、ポンピングロスの低減による燃料消費の低減を図ることができる。
尚、電磁アクチュエータ機構62の作動時に、連結・解除機構41で第1、第2吸気ロッカーアーム30,31が一体に結合されていれば、2個の吸気弁21,21の閉弁タイミングを共に遅延させることができる。また連結・解除機構41で第1、第2吸気ロッカーアーム30,31を分離していれば、第1吸気ロッカーアーム30側の吸気弁21の閉弁タイミングだけが遅延し、第2吸気ロッカーアーム30側の吸気弁21は吸気ローカム39のプロフィールに応じたバルブリフト量で開閉する。
ところで、図6(C)に示すように、アマチュア68が下降した吸着位置にあるときに油圧系統が失陥して油室83の油圧が低下すると、係止解除ロッド79がコイルばね81の弾発力で下降してしまい、図7(A)に示すように、ストッパレバー89が時計方向に揺動して摺動面89bがアマチュア68の側面に当接する。しかしながら、ストッパレバー89の摺動面89bはアマチュア68の側面に対して摺動可能であるため、吸気弁ばね23の弾発力で保持ロッド67を押圧されたアマチュア68が上昇しようとすると、そのアマチュア68の側面をストッパレバー89の摺動面89bが摺動することで、図7(B)に示すように、油圧系統が失陥してもストッパレバー89の係止面89aでアマチュア68を非吸着位置に拘束し、吸気弁21を支障なく開閉駆動することができる。
以上のように、アマチュア固定機構64は係止解除ロッド79でアマチュア68を直接係止するのではなく、支軸88まわりに揺動するストッパレバー89を介して間接的にアマチュア68を拘束するので、油圧による係止解除ロッド79の作動ストロークを最小限に抑えて重量の増加や寸法の大型化を回避しながら、アマチュア固定機構64でアマチュア68を非吸着位置および吸着位置に選択的にを切り換える応答性を高めることができる。
図8に示すように、油温の高低に関わらずに、実施例のアマチュア固定機構64は従来例に比べて作動応答性が大幅に向上していることが分かる。
またストッパレバー89は捩じりばね92でアマチュア68に係合する方向に付勢されているので、アマチュア68を非吸着位置に確実に保持して吸気弁21の自由な開閉を可能にすることができる。しかもアマチュア固定機構64の係止解除ロッド79を、アマチュア68により作動する保持ロッド67と平行に配置したので、吸気弁閉弁タイミング遅延装置61をコンパクト化することができる。更に、係止解除ロッド79は、傾斜面89cを押圧してストッパレバー89を揺動させるので、ストッパレバー89を支軸88を回転させることで揺動させる場合に比べて、その駆動力を削減することができる。
以上、吸気弁21,21の動弁作用について説明したが、排気弁24,24の動弁作用は従来のものと同様である。即ち、図2において、カムシャフト27に設けた排気カム48,49にローラ46,47を当接させた第1、第2排気ロッカーアーム32,33が排気ロッカーアームシャフト29まわりに揺動することで、それら第1、第2排気ロッカーアーム32,33に設けたアジャストボルト50,51にステムエンド24a,24aを当接させた排気弁24,24が開閉駆動される。
次に、図9に基づいて本発明の第2実施例を説明する。図1に示す第1実施例ではアマチュア固定機構64がアマチュア68に対して外側(シリンダ軸線から遠い側)に配置されているが、この第2実施例ではアマチュア固定機構64がアマチュア68に対して内側(シリンダ軸線に近い側)に配置されている。その結果、アマチュア固定機構64を第1吸気ロッカーアーム30の上方のスペースに配置することが可能になり、アマチュア固定機構64の外側への張出量を小さくしてエンジンEをコンパクト化することができる。第2実施例のその他の構造および作用効果は第1実施例と同じである。
次に、図10に基づいて本発明の第3実施例を説明する。図4に示す第1実施例では、一対の支柱84,85のうちの一方の支柱84に支軸88を片持ち支持しているが、この第3実施例は一対の支柱84,85に支軸88を両持ち支持することで、支軸88の支持剛性を高めている。第3実施例のその他の構造および作用効果は第1実施例と同じである。
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施例ではアマチュア固定機構64を保持ロッド67の反シリンダ軸線側あるいはシリンダ軸線側に配置しているが、それを隣接するシリンダ間に配置すれば更なるスペースの節減を図ることができる。
また実施例ではカムシャフトと電磁アクチュエータ機構62とを備えたエンジンの動弁装置について述べたが、カムシャフトを用いずに電磁アクチュエータ機構62によって弁を開閉するエンジンの動弁装置に、本発明のアマチュア固定機構64を適用することができる。
エンジンのシリンダヘッド部の断面図(図2の1−1線断面図) 図1の2−2線断面図 図1の3部拡大図(アマチュア非吸着状態) アマチュア固定機構の斜視図 図1に対応する作用説明図(アマチュア吸着状態) アマチュア固定機構の正常時の作用説明図 アマチュア固定機構の故障時の作用説明図 実施例の効果を説明するグラフ 本発明の第2実施例に係る、前記図1に対応する図 本発明の第3実施例に係る、前記図4に対応する図
符号の説明
16 吸気ポート(ポート)
18 燃焼室
21 吸気弁(弁)
21a ステムエンド
27 カムシャフト
30 第1吸気ロッカーアーム(ロッカーアーム)
64 アマチュア固定機構
66 コイル
67 保持ロッド
68 アマチュア
79 係止解除ロッド(係止解除手段)
89 ストッパレバー(係止手段)
89a 傾斜面
89b 摺動面
92 捩じりばね(付勢手段)

Claims (6)

  1. 燃焼室(18)とポート(16)との間に設けられた弁(21)と、
    弁(21)のステムエンド(21a)に接続されたアマチュア(68)と、
    アマチュア(68)を吸着することによって弁(21)を開弁状態に保持するコイル(66)と、
    アマチュア(68)を非吸着位置に固定するアマチュア固定機構(64)と、
    を備えたエンジンの動弁装置において、
    アマチュア固定機構(64)は、アマチュア(68)に係合して該アマチュア(68)を非吸着位置に保持する係止手段(89)と、係止手段(89)を移動させてアマチュア(68)との係合を解除する係止解除手段(79)とを備えており、係止解除手段(79)は係止手段(89)をアマチュア(68)の移動する方向に対して交差する方向に移動させて前記係合を解除することを特徴とするエンジンの動弁装置。
  2. アマチュア固定機構(64)は、係止手段(89)をアマチュア(68)と係合する方向に付勢する付勢手段(92)を備えたことを特徴とする、請求項1に記載のエンジンの動弁装置。
  3. 係止解除手段(79)は、係止手段(89)に対してアマチュア(68)の移動方向に延びる方向に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のエンジンの動弁装置。
  4. 係止解除手段(79)は、係止手段(89)とロッカーアーム(30)との間に配置されていることを特徴とする、請求項3に記載のエンジンの動弁装置。
  5. 係止解除手段(79)は、係止手段(89)に設けた傾斜面(89c)を押圧して揺動させることで前記係合を解除することを特徴とする、請求項1に記載のエンジンの動弁装置。
  6. 係止手段(89)は摺動面(89b)を備え、アマチュア(68)は前記摺動面(89b)に沿って摺動しながら吸着位置から非吸着位置に復帰することを特徴とする、請求項1に記載のエンジンの動弁装置。
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