JP2010007506A - エンジン用動弁装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】構造が簡素なエンジンブレーキ装置を実現することが可能なエンジン用動弁装置を提供する。
【解決手段】シリンダヘッド4上に設けたガイドパイプ26内に上下方向に摺動可能にガイドロッド28を配設し、ガイドロッド28の上部にバルブブリッジ30を揺動可能に連結する。バルブブリッジ30の両端30b,30cを排気弁10のステム12上部にそれぞれ当接させ、ロッカアーム34によりバルブブリッジ30を押圧することにより、クランク軸に同期して排気弁10の開閉を行う。一方、揺動可能にロッカシャフト6に支持された押圧部材42の係合部70を上方からバルブブリッジ30に係合させ、排気ブレーキ機構76が作動した場合には、シリンダヘッド4に設けた駆動機構44で押圧部材42を下方に揺動させることによりバルブブリッジ30を下方に押圧し、排気弁10の一方を閉弁位置においてもわずかに開いた状態に保持する。
【選択図】図1
【解決手段】シリンダヘッド4上に設けたガイドパイプ26内に上下方向に摺動可能にガイドロッド28を配設し、ガイドロッド28の上部にバルブブリッジ30を揺動可能に連結する。バルブブリッジ30の両端30b,30cを排気弁10のステム12上部にそれぞれ当接させ、ロッカアーム34によりバルブブリッジ30を押圧することにより、クランク軸に同期して排気弁10の開閉を行う。一方、揺動可能にロッカシャフト6に支持された押圧部材42の係合部70を上方からバルブブリッジ30に係合させ、排気ブレーキ機構76が作動した場合には、シリンダヘッド4に設けた駆動機構44で押圧部材42を下方に揺動させることによりバルブブリッジ30を下方に押圧し、排気弁10の一方を閉弁位置においてもわずかに開いた状態に保持する。
【選択図】図1
Description
本発明はエンジン用動弁装置に関し、特にエンジンブレーキ力を得るための機構を備えたエンジン用動弁装置に関する。
トラックやバスなどの大型車両では大きな制動力を必要とするため、補助ブレーキ装置が用いられる。このような補助ブレーキ装置の1つは、エンジンブレーキ力を用いるようにしたエンジンブレーキ装置であって、同期式エンジンブレーキ装置及び常開式エンジンブレーキ装置が広く知られている。
同期式エンジンブレーキ装置では、エンジンブレーキを必要とするときに、吸気弁及び排気弁の他にエンジンの各気筒に設けられた第3弁、或いは各気筒の排気弁が、ピストンの圧縮上死点付近において開弁される。これにより、圧縮行程において燃焼室内で圧縮された空気が排気通路に排出され、エンジンに負の仕事をさせることによってエンジンブレーキ力が得られる。このような同期式エンジンブレーキ装置は、例えば特許文献1などに開示されている。
同期式エンジンブレーキ装置では、エンジンブレーキを必要とするときに、吸気弁及び排気弁の他にエンジンの各気筒に設けられた第3弁、或いは各気筒の排気弁が、ピストンの圧縮上死点付近において開弁される。これにより、圧縮行程において燃焼室内で圧縮された空気が排気通路に排出され、エンジンに負の仕事をさせることによってエンジンブレーキ力が得られる。このような同期式エンジンブレーキ装置は、例えば特許文献1などに開示されている。
また、常開式エンジンブレーキ装置は、エンジンの排気通路に設けられた排気ブレーキ装置と併用される。常開式エンジンブレーキ装置では、排気ブレーキ装置の作動によりエンジンの排気通路が閉塞されているときに、吸気弁及び排気弁の他にエンジンの各気筒に設けられた第3弁、或いは各気筒の排気弁がわずかに開弁した状態に保持される。このようにすることにより、排気ブレーキ装置の作動によって排気圧を上昇させて圧縮行程の開始時点での圧力を高めると共に、圧縮行程による圧縮圧を排気通路に解放することで、エンジンブレーキ力を得る。このような常開式エンジンブレーキ装置は、例えば特許文献2に開示されている。
特開平10−141077号公報
特開2002−97972号公報
同期式エンジンブレーキ装置においては、第3弁或いは排気弁を圧縮上死点付近で開弁するための駆動機構が必要となる。この駆動機構は、吸気弁及び排気弁の通常の開閉駆動に同期して、第3弁或いは排気弁を開閉駆動しなければならないため、機構が複雑になると共に、大型化するという問題がある。特に第3弁を用いる場合には、吸気弁及び排気弁の他に第3弁を気筒毎にシリンダヘッドに配置しなければならず、シリンダヘッドにおいて動弁装置を構成するる各部材のレイアウトに制限が生じるという問題もある。また、排気弁を用いる場合には、第3弁を用いる場合に比べてレイアウトの制限を減らすことが可能であるものの、排気弁の通常の開閉作動とエンジンブレーキのための開閉作動とを両立させるために、駆動機構が更に複雑になるという問題がある。
一方、常開式エンジンブレーキ装置においては、同期式エンジンブレーキ装置のように吸気弁及び排気弁の通常の開閉駆動に同期して第3弁或いは排気弁を開閉駆動する必要がなく、同期式エンジンブレーキ装置に比べて駆動機構を簡略化することが可能である。しかしながら、第3弁を用いる場合のレイアウトの問題、及び排気弁を用いる場合の駆動機構が更に複雑になるという問題は依然として生じる。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、構造が簡素なエンジンブレーキ装置を実現可能なエンジン用動弁装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明のエンジン用動弁装置は、エンジンの各気筒毎に設けられた排気ポートの一対の開口を開閉可能にシリンダヘッドに設けられた一対の排気弁と、上記一対の排気弁のそれぞれを閉弁方向に付勢する閉弁付勢部材と、上記シリンダヘッド上の上記一対の排気弁の間で上方に開口するように設けられたガイド孔と、上記ガイド孔内に下部を上下方向に摺動可能に支持されたガイドロッドと、上記一対の排気弁のステム上部に両端部をそれぞれ当接させ、中間部分が上記ガイドロッドの上部に揺動可能に連結されたバルブブリッジと、上記エンジンの気筒配列方向に延設された支持軸に揺動可能に支持され、上記エンジンのクランク軸の回転に同期して上記バルブブリッジを押圧し、上記閉弁付勢部材に抗して上記一対の排気弁を開弁する開閉駆動部材と、上記支持軸に揺動可能に支持され、上記バルブブリッジを下方に押圧可能に上記バルブブリッジに係合し、上記バルブブリッジを下方に押圧したときに、上記開閉駆動部材による上記バルブブリッジの押圧の有無に関わらず、上記一対の排気弁の少なくとも一方を開弁状態に保持する押圧部材と、上記シリンダヘッドに設けられ、上記バルブブリッジを下方に押圧した状態と、上記バルブブリッジの下方への押圧を解除した状態とに選択的に上記押圧部材を駆動する駆動機構とを備えたことを特徴とする(請求項1)。
このように構成されたエンジン用動弁装置によれば、シリンダヘッドに設けられた駆動機構は、バルブブリッジを下方に押圧した状態と、バルブブリッジの下方への押圧を解除した状態とに選択的に押圧部材を駆動する。
押圧部材がバルブブリッジの下方への押圧を解除した状態にある場合には、支持軸に揺動可能に支持された開閉駆動部材が、クランク軸の回転に同期してバルブブリッジを押圧することにより、バルブブリッジの両端部が一対の排気弁のステムをそれぞれ押し下げ、一対の排気弁が閉弁付勢部材に抗して開弁する。従って、各気筒の排気弁は、開閉駆動部材の揺動によりエンジンのクランク軸の回転に同期して開閉駆動される。
押圧部材がバルブブリッジの下方への押圧を解除した状態にある場合には、支持軸に揺動可能に支持された開閉駆動部材が、クランク軸の回転に同期してバルブブリッジを押圧することにより、バルブブリッジの両端部が一対の排気弁のステムをそれぞれ押し下げ、一対の排気弁が閉弁付勢部材に抗して開弁する。従って、各気筒の排気弁は、開閉駆動部材の揺動によりエンジンのクランク軸の回転に同期して開閉駆動される。
一方、駆動機構の駆動により押圧部材がバルブブリッジを下方に押圧した状態にある場合には、バルブブリッジの両端部が一対の排気弁のステムの上部に当接すると共に、中間部分がガイドロッドの上部に揺動可能に連結されているので、一対の排気弁の少なくとも一方のバルブステムが、バルブブリッジによって押し下げられる。この結果、一対の排気弁の少なくとも一方は、最も閉じた状態においても開弁した状態となる。
従って、駆動機構により押圧部材を駆動してバルブブリッジを下方に押圧し、一対の排気弁の少なくとも一方をこのような開弁状態とすれば、動弁装置を常開式エンジンブレーキ装置として作動させることができる。
また、上記エンジン用動弁装置において、上記押圧部材は、一端側が上記支持軸に支持されると共に、他端側が上記駆動機構に連結され、上記駆動機構との連結位置よりも上記支持軸寄りの位置に形成された係合部により、上記バルブブリッジに係合することを特徴とする(請求項2)。
また、上記エンジン用動弁装置において、上記押圧部材は、一端側が上記支持軸に支持されると共に、他端側が上記駆動機構に連結され、上記駆動機構との連結位置よりも上記支持軸寄りの位置に形成された係合部により、上記バルブブリッジに係合することを特徴とする(請求項2)。
このように構成されたエンジン用動弁装置によれば、押圧部材は支持軸に支持された一端側を支点として、他端側に連結された駆動機構によって揺動する。このとき、駆動機構との連結位置よりも支持軸寄りの位置に形成された係合部がバルブブリッジに係合して押圧するので、駆動機構が押圧部材に加える力より大きい押圧力をバルブブリッジに加えることができる。
また、上記エンジン用動弁装置において、上記押圧部材は、上記支持軸に近い側に位置する上記バルブブリッジの端部において上記バルブブリッジと係合し、上記バルブブリッジを押圧することにより、上記一対の排気弁のうちの上記支持軸に近い側に位置する排気弁を開弁状態に保持することを特徴とする(請求項3)。
このように構成されたエンジン用動弁装置によれば、押圧部材が支持軸に近い側に位置するバルブブリッジの端部を押圧すると、バルブブリッジの中間部分はガイドロッドの上部に揺動可能に連結され、支持軸から遠い側に位置するバルブブリッジの端部は閉弁付勢部材によって閉弁方向に付勢された排気弁のステムに当接しているので、支持軸に近い側に位置するバルブブリッジの端部にステムを当接する排気弁のみが、バルブブリッジに押圧されて開弁状態となる。
このように構成されたエンジン用動弁装置によれば、押圧部材が支持軸に近い側に位置するバルブブリッジの端部を押圧すると、バルブブリッジの中間部分はガイドロッドの上部に揺動可能に連結され、支持軸から遠い側に位置するバルブブリッジの端部は閉弁付勢部材によって閉弁方向に付勢された排気弁のステムに当接しているので、支持軸に近い側に位置するバルブブリッジの端部にステムを当接する排気弁のみが、バルブブリッジに押圧されて開弁状態となる。
また、上記エンジン用動弁装置において、上記エンジンは、排気通路を閉塞して上記エンジンを減速させる排気ブレーキ機構を備え、上記駆動機構は、上記エンジンを減速させる際に、上記排気ブレーキ機構の作動に対応して、上記バルブブリッジを下方に押圧した状態となるように上記押圧部材を駆動することを特徴とする(請求項4)。
このように構成されたエンジン用動弁装置では、排気ブレーキ機構の作動に対応して一対の排気弁の少なくとも一方が開弁状態に保持されるので、常開式エンジンブレーキ装置としてエンジンブレーキ力を効果的に得ることができる。
このように構成されたエンジン用動弁装置では、排気ブレーキ機構の作動に対応して一対の排気弁の少なくとも一方が開弁状態に保持されるので、常開式エンジンブレーキ装置としてエンジンブレーキ力を効果的に得ることができる。
また、上記エンジン用動弁装置において、上記バルブブリッジは、一端側に揺動可能に装着された回転規制金具を介して上記一対の排気弁の一方のステム上部に係止されており、上記押圧部材は、上記バルブブリッジの他端側を押圧することにより、上記一対の排気弁の他方の排気弁を開弁状態に保持することを特徴とする(請求項5)。
このように構成されたエンジン用動弁装置では、バルブブリッジの中間部分がガイドロッドの上部に揺動可能に連結されると共に、一端側がこの一端側に揺動可能に装着された回転規制金具を介して一対の排気弁の一方のステム上部に係止されている。従って、バルブブリッジの他端側が押圧部材によって押し下げられることにより、バルブブリッジが一対の排気弁の一方のステム上部に係止された回転規制金具との連結部分を支点として傾動し、一対の排気弁の他方が開弁状態に保持される。
このように構成されたエンジン用動弁装置では、バルブブリッジの中間部分がガイドロッドの上部に揺動可能に連結されると共に、一端側がこの一端側に揺動可能に装着された回転規制金具を介して一対の排気弁の一方のステム上部に係止されている。従って、バルブブリッジの他端側が押圧部材によって押し下げられることにより、バルブブリッジが一対の排気弁の一方のステム上部に係止された回転規制金具との連結部分を支点として傾動し、一対の排気弁の他方が開弁状態に保持される。
また、上記エンジン用動弁装置において、上記押圧部材と上記駆動機構とは、上記押圧部材に形成された長孔と、上記駆動機構に設けられて上記長孔に嵌合するピンとを介して連結されていることを特徴とする(請求項6)。
このように構成されたエンジン用動弁装置では、駆動機構によって押圧部材を駆動する際に、押圧部材の揺動に伴い、押圧部材に形成された長孔内を駆動機構に設けられたピンが移動可能となる。従って、押圧部材と駆動機構とが連結状態を維持したまま、駆動機構による押圧部材の駆動をスムーズに行うことができる。
このように構成されたエンジン用動弁装置では、駆動機構によって押圧部材を駆動する際に、押圧部材の揺動に伴い、押圧部材に形成された長孔内を駆動機構に設けられたピンが移動可能となる。従って、押圧部材と駆動機構とが連結状態を維持したまま、駆動機構による押圧部材の駆動をスムーズに行うことができる。
本発明のエンジン用動弁装置によれば、複雑な構造とすることなく排気弁を用いた常開式エンジンブレーキ装置を実現することができる。結果的に、部品コストや製造コストを低く抑えることができると共に、信頼性も増大する。
また、請求項2のエンジン用動弁装置によれば、駆動機構が押圧部材に加える力より大きい押圧力をバルブブリッジに加えることができるので、駆動機構を小型化することが可能となる。
また、請求項2のエンジン用動弁装置によれば、駆動機構が押圧部材に加える力より大きい押圧力をバルブブリッジに加えることができるので、駆動機構を小型化することが可能となる。
また、請求項3のエンジン用動弁装置によれば、押圧部材は、支持軸に近い側に位置するバルブブリッジの端部を押圧するのに必要な長さを有していればよいので、押圧部材の長さをできるだけ短くして、耐久性及び応答性を向上することができる。更に、一対の排気弁のうちの一方のみを押圧部材により開弁するので、両方の排気弁を共に開弁する場合に比して少ない押圧力で排気弁を開弁することができる。従って、駆動機構、押圧部材、及びバルブブリッジなどの耐久性を向上することができ、駆動機構を小型化することができる。
また、請求項4のエンジン用動弁装置によれば、常開式エンジンブレーキ装置としてエンジンブレーキ力を効果的に得ることができる。
また、請求項5のエンジン用動弁装置によれば、回転規制金具を介して一対の排気弁の一方のステム上部にバルブブリッジの一端側が係止されているので、バルブブリッジの他端側が押圧部材によって押し下げられることによりバルブブリッジが傾動し、バルブブリッジの一端側が一対の排気弁の一方のステム上部から脱落することなく、一対の排気弁の他方をスムーズに開弁状態とすることができる。
また、請求項5のエンジン用動弁装置によれば、回転規制金具を介して一対の排気弁の一方のステム上部にバルブブリッジの一端側が係止されているので、バルブブリッジの他端側が押圧部材によって押し下げられることによりバルブブリッジが傾動し、バルブブリッジの一端側が一対の排気弁の一方のステム上部から脱落することなく、一対の排気弁の他方をスムーズに開弁状態とすることができる。
また、請求項6のエンジン用動弁装置によれば、押圧部材が揺動する際に、押圧部材に形成された長孔内を駆動機構に設けられたピンが移動可能となるため、押圧部材と駆動機構とが連結状態を維持したまま、駆動機構による押圧部材の駆動をスムーズに行うことができる。
以下、図面に基づき本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態においてエンジン1は、車両に搭載された直列4気筒のOHV(オーバヘッドバルブ)式ディーゼルエンジンであって、図1は本実施形態の動弁装置2の要部を示す平面図である。また図2は、図1中のII−II線に沿う概略断面図である。
図1は、エンジン1の第1気筒#1及び第2気筒#2について、動弁装置2の要部を示すものであるが、上述のようにエンジン1は直列4気筒エンジンであって、図示されない第3及び第4気筒は、第1気筒#1及び第2気筒#2の位置関係と同様の位置関係を有して、図1における第2気筒#2の右側に配設されている。また、第3及び第4気筒における動弁装置2の構成は、図1に示される第1気筒#1及び第2気筒#2における動弁装置2の構成と同様である。
本実施形態においてエンジン1は、車両に搭載された直列4気筒のOHV(オーバヘッドバルブ)式ディーゼルエンジンであって、図1は本実施形態の動弁装置2の要部を示す平面図である。また図2は、図1中のII−II線に沿う概略断面図である。
図1は、エンジン1の第1気筒#1及び第2気筒#2について、動弁装置2の要部を示すものであるが、上述のようにエンジン1は直列4気筒エンジンであって、図示されない第3及び第4気筒は、第1気筒#1及び第2気筒#2の位置関係と同様の位置関係を有して、図1における第2気筒#2の右側に配設されている。また、第3及び第4気筒における動弁装置2の構成は、図1に示される第1気筒#1及び第2気筒#2における動弁装置2の構成と同様である。
図1及び図2に示されるように、エンジン1のシリンダヘッド4には、第1乃至第4気筒の配列方向に沿ってロッカシャフト(支持軸)6が延設されている。各気筒には一対の吸気弁8及び一対の排気弁10がそれぞれ設けられ、各気筒において一対の吸気弁8は、ロッカシャフト6の軸線方向に直交する方向、即ち気筒配列方向に直交する方向に配列され、一対の排気弁10も同様に気筒配列方向に直交する方向に配列されている。
但し、図1に示されるように、第1気筒#1及び第2気筒#2では、一対の吸気弁8と一対の排気弁10との位置関係が、気筒配列方向において逆となっている。即ち、第1気筒#1及び第2気筒#2では一対の排気弁10同士が隣接している。このような吸気弁8と排気弁10との位置関係は第3及び第4気筒においても同様であり、第3気筒は第1気筒#1と同じ配置、第4気筒は第2気筒#2と同じ配置となっている。そして、第3気筒における動弁装置2の構成は、第1気筒#1における動弁装置2の構成と同様であり、第4気筒における動弁装置2の構成は、第2気筒#2における動弁装置2の構成と同様である。そこで、以下では第1気筒#1及び第2気筒#2における動弁装置2の構成について代表的に説明する。
第1気筒#1において、一対の排気弁10のそれぞれのステム12は、図2に示されるように、シリンダヘッド4のバルブガイド14により上下方向に摺動可能に支持され、ステム12上部に係合したリテーナ16と、シリンダヘッド4の上面との間にはバルブスプリング18(閉弁付勢部材)が介装されている。排気弁10は、バルブスプリング18の付勢力により上方に付勢され、下部の傘部20を、シリンダヘッド4下面に形成された排気ポート24の一対の開口に装着されているバルブシート22に当接させて、排気ポート24を閉鎖している。
シリンダヘッド4上の両排気弁10の間にはガイドパイプ26が立設され、ガイドパイプ26の下端はシリンダヘッド4内に嵌合されてシリンダヘッド4に固定されている。ガイドパイプ26内はガイド孔26aとして上方に開口し、このガイド孔26a内には上方から、ガイドロッド28が上下方向に摺動可能に挿入されている。ガイド孔26a内の下端は、シリンダヘッド4により閉塞され、ガイド孔26a内の上端側はガイドロッド16により閉塞されている。ガイドパイプ26には、ガイドパイプ26が嵌合している部分におけるシリンダヘッド4の上面に対応して、互いに対向する一対の連通孔26bが貫設され、これらの連通孔26bを介してガイド孔26a内がシリンダヘッド4上面の空間と連通している。
図1及び図2に示されるように、ガイドロッド28の上端部分には、一対の排気弁10の配設方向に延設されたバルブブリッジ30が揺動可能に支持されている。具体的には、バルブブリッジ30の中央下面に形成された連結部30aが、支軸31を介してガイドロッド28の上部に揺動可能に支持されている。バルブブリッジ30の両端部30b,30c下面には、排気弁10に対応して当接面30dが形成され、各当接面30dは円弧状をなして、それぞれ排気弁10のステム12上端部に当接している。
ロッカシャフト6から遠い側のバルブブリッジ30の端部30bには、バルブブリッジ30に対して揺動可能な回転規制金具32が装着されている。回転規制金具32は、排気弁10のステム12上端部に嵌合し、バルブブリッジ30が排気弁10のステム12の上端部に当接して揺動する際に、バルブブリッジ30の端部30bとステム12上端部との係合が解除されないようにバルブブリッジ30の水平方向の回動を規制する。
ロッカシャフト6には、各気筒の排気弁10に対応してロッカアーム34(開閉駆動部材)が揺動可能に嵌め込まれている。各ロッカアーム34は、ロッカシャフト6の軸線と直交する方向に、それぞれ対応する排気弁10に向かって延設されている。そして、ロッカアーム34の排気弁10側の端部34aの下面が、バルブブリッジ30の中央上面に当接している。
ロッカシャフト6を挟んで排気弁10とは反対側となるロッカアーム34の端部34bには、上方からアジャストボルト36が螺合している。アジャストボルト36の下端は、シリンダヘッド4上に突出したプッシュロッド38の上端に当接している。従って、アジャストボルト36を回転操作することにより、ロッカアーム34とプッシュロッド38との間のクリアランスを調整可能となっている。
プッシュロッド38は、シリンダヘッド4を貫通して下方の図示しないシリンダブロック側に延設され、シリンダブロックに設置されたカム軸の駆動によって上下動する。プッシュロッド38の上方への移動に伴い、ロッカアーム34が図1において時計回りに揺動すると、ロッカアーム34の端部34aによりバルブブリッジ30が下方に押圧される。バルブブリッジ30は、ガイドパイプ26のガイド孔26a内をガイドロッド28が案内されながら下方に移動し、その両端30b,30cの当接面30dにより両排気弁10のステム12上部が下方に押圧される。このため、両排気弁10はバルブスプリング18による閉弁方向の付勢力に抗して開弁する。一方、プッシュロッド38の下方への移動に伴い、ロッカアーム34が図1において反時計回りに揺動すると、ロッカアーム34の端部34aによるバルブブリッジ30への押圧が解除され、バルブスプリング18の付勢力によって排気弁10が閉弁される。
カム軸によるプッシュロッド38の駆動は、図示しないクランク軸の回転に同期して行われ、これにより排気弁10は、対応する気筒の作動サイクルに同期したタイミングで開閉されて、筒内からの排ガスの排出が行われる。
第1気筒#1において、クランク軸の回転に同期して排気弁10を開閉駆動するための動弁機構2の構成は以上の通りであるが、吸気弁8の駆動に関しても実質的に同様に動弁機構2が構成されている。また、第2気筒#2においても、上述したように一対の吸気弁8及び一対の排気弁10の配置が、気筒配列方向において第1気筒#1とは逆になるものの、クランク軸の回転に同期して吸気弁8及び排気弁10を開閉駆動するための動弁機構2の構成は、上述の第1気筒#1と同様である。
第1気筒#1において、クランク軸の回転に同期して排気弁10を開閉駆動するための動弁機構2の構成は以上の通りであるが、吸気弁8の駆動に関しても実質的に同様に動弁機構2が構成されている。また、第2気筒#2においても、上述したように一対の吸気弁8及び一対の排気弁10の配置が、気筒配列方向において第1気筒#1とは逆になるものの、クランク軸の回転に同期して吸気弁8及び排気弁10を開閉駆動するための動弁機構2の構成は、上述の第1気筒#1と同様である。
以上のようにして行われるクランク軸の回転に同期した各気筒の排気弁10の開閉駆動とは別に、本実施形態の動弁装置2には、車両の減速時にエンジンブレーキ力を得るべく排気弁10を開弁するためのエンジンブレーキ機構40が設けられており、以下ではこのようなエンジンブレーキ機構40について説明する。なお、第3及び第4気筒に対して設けられるエンジンブレーキ機構は、第1気筒#1及び第2気筒#2に対して設けられるエンジンブレーキ機構40と同様である。従って、以下では第1気筒#1及び第2気筒#2に設けられるエンジンブレーキ機構40について代表的に説明する。
図1に示されるように、第1気筒#1の一対の排気弁10を開閉駆動するロッカアーム34と、第2気筒#2の一対の排気弁10を開閉駆動するロッカアーム34との間には、押圧部材42が揺動可能に、その一方の端部42aにおいてロッカシャフト6に支持されている。また、第1気筒#1と第2気筒#2との間のシリンダヘッド4上には、後述するようにして押圧部材42を揺動させるための駆動機構44が設けられている。
図3は、図1中のIII−III線に沿う断面図であるが、図3に示されるように、駆動機構44は、シリンダヘッド4の上面に形成されている凹部46上に設置されたケーシング48を有する。ケーシング48は、ロッカシャフト6をシリンダヘッド4上に保持するブラケット50と一体的に形成され、図示しないボルトによりシリンダヘッド4に固定されている。
また、ケーシング48は下端が開口する円筒状をなして凹部46を覆っており、ケーシング48の内部には、ケーシング48の内周面に摺動して上下動可能な駆動ピストン52が設けられている。ケーシング48の上部は閉塞されており、ケーシング48と駆動ピストン52とによって、駆動ピストン52の上方に密閉された油室54が形成されている。油室54は、ケーシング48に形成された給排ポート56を介して、図示しない油圧源に連通しており、油圧源からの加圧された作動油の供給が制御され、給排ポート56を介して油室54内に対して作動油の供給/排出が行われるようになっている。
駆動ピストン52の上面には上方に向けて係合ロッド58が突設されており、この係合ロッド58は、ケーシング48の上面にガイド壁60を有して形成された開口部62からケーシング48の外方に突出し、押圧部材42の端部42aとは逆側の端部42bに向けて延びている。押圧部材42の端部42bには、図1に示されるように溝42cが形成されると共に、図3に示されるように長孔42dが形成されている。係合ロッド58の上端部は、押圧部材42の溝42c内に挿入され、ピン64を介して押圧部材42の長孔42dに係合している。従って、駆動ピストン52の下方への移動に伴って係合ロッド58が下方に移動すると、端部42bで係合ロッド58と係合している押圧部材42が下方に揺動する。このとき、ピン64は長孔42dで移動可能となっており、押圧部材42は端部42bが係合ロッド58と係合した状態でスムーズに揺動することができる。
駆動ピストン52の下面と凹部46の底面との間には、駆動ピストン52を上方に付勢するリターンスプリング66が設けられている。油室54に加圧された作動油が供給されず、駆動ピストン52の上面に作動油の油圧が作用していない場合、駆動ピストン52はリターンスプリング66によって上方に付勢され、開口部62のガイド壁60下端に当接した状態で停止している。
一方、油室54内に加圧された作動油が供給されると、駆動ピストン52は作動油の油圧によりリターンスプリング66の付勢力に抗して下方に移動する。このような駆動ピストン52の下方への移動により、駆動ピストン52と共に下方に移動する係合ロッド58が押圧部材42を下方に揺動させる。
駆動ピストン52が摺動するケーシング48の内周壁にはストッパ68が設けられており、駆動ピストン52はストッパ68に当接するまで下方に移動する。このストッパ68の位置は、後述する理由により、押圧部材42に所定の揺動を生じさせるように設定されている。油室54に加圧された作動油が供給されている間、駆動ピストン52は下方に移動してストッパ68に当接した状態で停止しており、押圧部材42は最も下方に揺動した状態(以下、第1の状態という)となる。
駆動ピストン52が摺動するケーシング48の内周壁にはストッパ68が設けられており、駆動ピストン52はストッパ68に当接するまで下方に移動する。このストッパ68の位置は、後述する理由により、押圧部材42に所定の揺動を生じさせるように設定されている。油室54に加圧された作動油が供給されている間、駆動ピストン52は下方に移動してストッパ68に当接した状態で停止しており、押圧部材42は最も下方に揺動した状態(以下、第1の状態という)となる。
油圧源からの加圧された作動油の供給が停止されると、駆動ピストン52の上面に対する作動油の油圧の作用がなくなるので、駆動ピストン52はリターンスプリング66の付勢力により上方に移動し、油室54内にある作動油が給排ポート56から排出される。このような駆動ピストン52の上方への移動により、駆動ピストン52と共に上方に移動する係合ロッド58が押圧部材42を上方に揺動させる。駆動ピストン52は、その上面が開口部62のガイド壁60下端に当接するまで上方に移動し、ガイド壁60下端に当接した状態で停止する。油室54への加圧された作動油の供給が停止されている間、駆動ピストン52は上方に移動してガイド壁60下端に当接した状態で停止しており、押圧部材42は最も上方に揺動した状態(以下、第2の状態という)となる。
従って、油室54への加圧された作動油の供給/排出を制御することによって駆動ピストン52が上下に移動し、これに伴って押圧部材42は第1の状態と第2の状態とに切り換えられる。
図1に示されるように、押圧部材42のロッカシャフト6側の端部42aと駆動機構44側の端部42bとの間には、第1気筒#1の排気弁10に設けられたバルブブリッジ30及び第2気筒#2の排気弁10に設けられたバルブブリッジ30のそれぞれに向けて、一対の係合部70が突設されている。一方、第1気筒#1の排気弁10に設けられたバルブブリッジ30及び第2気筒#2の排気弁10に設けられたバルブブリッジ30の端部30cは、それぞれ対応する係合部70に向けてL字状に屈曲している。
図1に示されるように、押圧部材42のロッカシャフト6側の端部42aと駆動機構44側の端部42bとの間には、第1気筒#1の排気弁10に設けられたバルブブリッジ30及び第2気筒#2の排気弁10に設けられたバルブブリッジ30のそれぞれに向けて、一対の係合部70が突設されている。一方、第1気筒#1の排気弁10に設けられたバルブブリッジ30及び第2気筒#2の排気弁10に設けられたバルブブリッジ30の端部30cは、それぞれ対応する係合部70に向けてL字状に屈曲している。
一対の係合部70のそれぞれの端部70aは、バルブブリッジ30の端部30cの上方に位置しており、ロッカアーム34によるバルブブリッジ30への押圧が解除されて排気弁10が閉弁し、且つ押圧部材42が第2の状態にあるとき、係合部70の端部70aがバルブブリッジ30の端部30cに当接するようになっている。このとき、係合部70の端部70aがバルブブリッジ30を押圧して下方に移動させることのないように、係合部70の端部70aとバルブブリッジ30の端部30cとの間のクリアランスを調整するためのアジャストスクリュ72がそれぞれの端部70aに設けられている。
第1気筒#1及び第2気筒#2に対して設けられたエンジンブレーキ機構40は以上のように構成されるが、このエンジンブレーキ機構40は、図示しない排気マニホールドを介してエンジン1の排気ポート24に接続された排気管(排気通路)74に設けられている排気ブレーキ機構76の作動に対応して作動する。排気ブレーキ機構76は、排気管74に設けられた排気絞り弁78と、この排気絞り弁78を開閉駆動する排気絞り弁アクチュエータ80とによって構成される。通常、排気絞り弁78は全開状態に保持され、エンジン1の排気は、排気絞り弁78によって排気圧が上昇されることなく排気管74内を流動する。一方、車両制動時には、排気絞り弁アクチュエータ80によって排気絞り弁78が全閉状態に駆動され、排気管74を閉塞して排気圧を上昇させることにより補助ブレーキ力を得る。このような排気ブレーキ機構76の作動に対応し、エンジンブレーキ機構40は以下のように作動する。
まず、車両に制動力を必要とせず、排気ブレーキ機構76が作動していない場合、エンジンブレーキ機構40の油室54には、加圧された作動油が供給されておらず、駆動ピストン52はリターンスプリング66によって上方に付勢され、開口部62のガイド壁60下端に当接した状態で停止している。従って、前述したように押圧部材42は最も上方に揺動した第2の状態に保持される。このとき押圧部材42の係合部70は、端部70aがバルブブリッジ30を押圧して下方に移動させることのない状態で、バルブブリッジ30の端部30cに上方から当接している。このため、バルブブリッジ30は押圧部材42の係合部70によって動きを規制されず、前述したように、カム軸によるプッシュロッド38の駆動に対応し、排気弁10はクランク軸の回転に同期して開閉され、気筒内からの排気の排出が行われる。
一方、車両に制動力が必要となり、排気ブレーキ機構76が作動して排気絞り弁78が全閉となった場合には、エンジンブレーキ機構40の油室54内に、給排ポート56を介して油圧源から加圧された作動油が供給される。すると、前述したように、駆動ピストン52が作動油の油圧によりリターンスプリング66の付勢力に抗して下方に移動し、駆動ピストン52と共に下方に移動する係合ロッド58が押圧部材42を下方に揺動させる。駆動ピストン52はストッパ68に当接するまで下方に移動して停止し、押圧部材42は最も下方に揺動した第1の状態に保持される。
このとき、押圧部材42の係合部70は、押圧部材42の下方への揺動に伴って、当接しているバルブブリッジ30の端部30cを押し下げる。バルブブリッジ30は、連結部30aが、上下動可能なガイドロッド28の上部に支軸31を介して揺動可能に支持されると共に、端部30bが回転規制金具32によって排気弁10のステム12上端部に係止されているので、端部30cが押圧部材42の係合部70によって押し下げられることにより、回転規制金具32との連結部分を支点として傾動し、端部30cに当接する排気弁10のステム12を下方に押圧する。従って、バルブブリッジ30の端部30bが排気弁10のステム12上端部から脱落することなく、バルブブリッジ30の端部30cに当接する排気弁10のステム12がスムーズに下方に押圧される。
図4は、図2に示される断面において、このようにしてバルブブリッジ30の端部30cが押し下げられた状態を示す概略断面図であるが、図4に示されるように、端部30cが排気弁10のステム12を下方に押圧することによって、排気弁10は最も閉じた状態となる位置である閉弁位置においてもわずかに開弁した状態となる。このとき、押圧部材42の係合部70はバルブブリッジ30の上方から端部30cに当接しているので、バルブブリッジ30の下方への移動は押圧部材42の係合部70によって規制されない。従って、クランク軸の回転に同期したプッシュロッド38の駆動に対応し、前述のように一対の排気弁10のそれぞれは開閉されるが、端部30cに当接している排気弁10は閉弁位置において全閉となることはなく、わずかに開弁した状態を保持する。
このような状態において、端部30cに当接している排気弁10が閉弁位置にあるときにシリンダヘッド4の下面、即ち燃焼室の上面から突出する量は、図示しないピストンが上死点にあってもピストンと接触することのない量に設定されている。押圧部材42の揺動に伴う排気弁10の下方への移動量は、駆動ピストン52の下方への移動量によって定まるので、排気弁10のシリンダヘッド4の下面からの突出量が適正な量となるように、ケーシング48の内周壁に設けられるストッパ68の位置が定められている。
排気ブレーキ機構76が作動し、排気絞り弁78が全閉となって排気圧が上昇しているときに、一対の排気弁10の一方がわずかに開弁した状態に保持されることにより、圧縮行程の開始時点での圧力が高められると共に、圧縮行程による圧縮圧が排気管74に解放され、エンジンブレーキ力を効果的に得ることができる。即ち、エンジンブレーキ機構40は常開式エンジンブレーキ装置として作動する。
車両の制動が不要となり、排気ブレーキ機構76の排気絞り弁78が全開状態に戻されると、油室54内への加圧された作動油の供給が停止される。これにより、前述したように駆動ピストン52はリターンスプリング66の付勢力によって上方に移動し、駆動ピストン52と共に上方に移動する係合ロッド58が押圧部材42を上方に揺動させる。駆動ピストン52は開口部62のガイド壁60下端に当接するまで上方に移動して停止し、押圧部材42は最も上方に揺動した第2の状態に保持される。
このとき、バルブブリッジ30の端部30cにステム12が当接する排気弁10は、バルブスプリング18によって閉弁方向への付勢力を受けているので、押圧部材42の上方への揺動に伴ってバルブブリッジ30の端部30cを押し上げる。この結果、押圧部材42が第2の状態に保持されると、バルブブリッジ30は図2の状態に復帰し、排気弁10は閉弁位置において全閉状態となる。従って排気弁10は、再びカム軸によるプッシュロッド38の駆動に対応した開閉のみが行われるようになる。
エンジンブレーキ機構40を以上のように構成することにより、排気弁10を開弁状態に保持するための機構を複雑な構造とすることなく常開式エンジンブレーキ装置を実現することができる。結果的に、部品コストや製造コストを低く抑えることができると共に、信頼性も増大する。
また、本実施形態において、第1気筒#1と第2気筒#2とでは、吸気弁8と排気弁10との配置を気筒配列方向で逆とし、一対の排気弁10を第1気筒#1と第2気筒#2とで隣接させるようにしている。このため、エンジンブレーキ機構40を、第1気筒#1と第2気筒#2との間に配置して2つの気筒で共有することができる。残りの第3及び第4気筒においてもエンジンブレーキ機構は同様に設けられるので、より一層簡素な構造で常開式エンジンブレーキ装置を実現することができる。
また、本実施形態において、第1気筒#1と第2気筒#2とでは、吸気弁8と排気弁10との配置を気筒配列方向で逆とし、一対の排気弁10を第1気筒#1と第2気筒#2とで隣接させるようにしている。このため、エンジンブレーキ機構40を、第1気筒#1と第2気筒#2との間に配置して2つの気筒で共有することができる。残りの第3及び第4気筒においてもエンジンブレーキ機構は同様に設けられるので、より一層簡素な構造で常開式エンジンブレーキ装置を実現することができる。
なお、全ての気筒で排気弁と吸気弁との位置関係を同一にしたエンジンにおいても、本実施形態と同じようにして常開式エンジンブレーキ装置を構成することができる。この場合、2つの気筒でエンジンブレーキ機構40を共有することができないので、各気筒毎にエンジンブレーキ機構を設ける必要がある。また、これに伴い各押圧部材42に設けられる係合部70は、それぞれ対応する気筒のバルブブリッジ30に向けて1方向にのみ延設される。その他の構成については上記実施形態と同様であり、上記実施形態と同様に作動する。この場合には上記実施形態に比して部品点数は増大するものの、個々のエンジンブレーキ機構は本実施形態と同様に簡素な構成であるので、複雑な構造とすることなく常開式エンジンブレーキ装置を実現することができる。更に、この場合にエンジンブレーキ機構は必ずしも全ての気筒に設けなければならないわけではなく、必要に応じて一部の気筒のみに設けるようにしてもよい。
また、本実施形態では、押圧部材42のロッカシャフト6側の端部42aと駆動機構44側の端部42bとの間に設けられた係合部70によりバルブブリッジ30を押圧するようにしたので、駆動機構44の駆動ピストン52によって押圧部材42の端部42bに加えられる力より大きな力でバルブブリッジ30を押圧することができる。従って、駆動機構44の小型化が可能となる。
また、本実施形態では、バルブブリッジ30のロッカシャフト6側の端部30cを押圧部材42によって押圧するようにしているので、押圧部材42の長さを極力短くすることができる。この結果、押圧部材42の耐久性及び応答性を向上することができる。更に、一対の排気弁10のうち一方の排気弁10のみを開弁するので、両方の排気弁10を共に開弁する場合に比して少ない押圧力で排気弁10を開弁することができる。従って、駆動機構44、押圧部材42、及びバルブブリッジ30などの耐久性を向上することができると共に、駆動機構44を小型化することができる。
以上で本発明の一実施形態に係るエンジン用動弁装置についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態ではエンジン1を直列4気筒のOHV式ディーゼルエンジンとしたが、気筒数はこれに限定されるものではなく、またディーゼルエンジン以外のOHV式エンジンであってもよい。なお、気筒数が上記実施形態と異なる場合であっても、互いに隣接する気筒の対ごとの吸気弁及び排気弁の配置を上記実施形態と同様にすれば、気筒の対ごとに同様のエンジンブレーキ機構40を設けることができる。また、全ての気筒で排気弁と吸気弁との位置関係を同一にした場合には、前述したように、各気筒にエンジンブレーキ機構を設け、各押圧部材42に設けられる係合部70を、それぞれ対応する気筒のバルブブリッジ30に向けて1方向にのみ延設すればよい。なお、この場合にもエンジンブレーキ機構は必ずしも全ての気筒に設けなければならないわけではなく、必要に応じて一部の気筒のみに設けるようにしてもよい。
例えば、上記実施形態ではエンジン1を直列4気筒のOHV式ディーゼルエンジンとしたが、気筒数はこれに限定されるものではなく、またディーゼルエンジン以外のOHV式エンジンであってもよい。なお、気筒数が上記実施形態と異なる場合であっても、互いに隣接する気筒の対ごとの吸気弁及び排気弁の配置を上記実施形態と同様にすれば、気筒の対ごとに同様のエンジンブレーキ機構40を設けることができる。また、全ての気筒で排気弁と吸気弁との位置関係を同一にした場合には、前述したように、各気筒にエンジンブレーキ機構を設け、各押圧部材42に設けられる係合部70を、それぞれ対応する気筒のバルブブリッジ30に向けて1方向にのみ延設すればよい。なお、この場合にもエンジンブレーキ機構は必ずしも全ての気筒に設けなければならないわけではなく、必要に応じて一部の気筒のみに設けるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、加圧された作動油により駆動ピストン52を移動させて押圧部材42を揺動させるようにしたが、作動油に代えて圧縮空気などの気体を用いるようにしてもよい。また駆動機構44自体を上記実施形態のように流体式とせず、例えば電磁ソレノイド等の電動アクチュエータを用いるようにしてもよい。
また、上記実施形態ではエンジンブレーキ機構40によってエンジンブレーキ力を得る場合に、一対の排気弁10のうちロッカシャフト6に近い側の排気弁10のみを閉弁位置においてわずかに開くようにしたが、両方の排気弁10をわずかに開くようにしてもよいし、ロッカシャフト6から遠い側の排気弁10のみをわずかに開くようにしてもよい。この場合、バルブブリッジ30に当接する押圧部材42の係合部70の位置を変えるか、或いはバルブブリッジ30の両端部30b,30cのそれぞれに対応して係合部70を設ければよい。
また、上記実施形態ではエンジンブレーキ機構40によってエンジンブレーキ力を得る場合に、一対の排気弁10のうちロッカシャフト6に近い側の排気弁10のみを閉弁位置においてわずかに開くようにしたが、両方の排気弁10をわずかに開くようにしてもよいし、ロッカシャフト6から遠い側の排気弁10のみをわずかに開くようにしてもよい。この場合、バルブブリッジ30に当接する押圧部材42の係合部70の位置を変えるか、或いはバルブブリッジ30の両端部30b,30cのそれぞれに対応して係合部70を設ければよい。
1 エンジン
2 動弁装置
4 シリンダヘッド
6 ロッカシャフト(支持軸)
10 排気弁
18 バルブスプリング(閉弁付勢部材)
26a ガイド孔
28 ガイドロッド
30 バルブブリッジ
34 ロッカアーム(開閉駆動部材)
40 エンジンブレーキ機構
42 押圧部材
44 駆動機構
70 係合部
74 排気管(排気通路)
76 排気ブレーキ機構
2 動弁装置
4 シリンダヘッド
6 ロッカシャフト(支持軸)
10 排気弁
18 バルブスプリング(閉弁付勢部材)
26a ガイド孔
28 ガイドロッド
30 バルブブリッジ
34 ロッカアーム(開閉駆動部材)
40 エンジンブレーキ機構
42 押圧部材
44 駆動機構
70 係合部
74 排気管(排気通路)
76 排気ブレーキ機構
Claims (6)
- エンジンの各気筒毎に設けられた排気ポートの一対の開口を開閉可能にシリンダヘッドに設けられた一対の排気弁と、
上記一対の排気弁のそれぞれを閉弁方向に付勢する閉弁付勢部材と、
上記シリンダヘッド上の上記一対の排気弁の間で上方に開口するように設けられたガイド孔と、
上記ガイド孔内に下部を上下方向に摺動可能に支持されたガイドロッドと、
上記一対の排気弁のステム上部に両端部をそれぞれ当接させ、中間部分が上記ガイドロッドの上部に揺動可能に連結されたバルブブリッジと、
上記エンジンの気筒配列方向に延設された支持軸に揺動可能に支持され、上記エンジンのクランク軸の回転に同期して上記バルブブリッジを押圧し、上記閉弁付勢部材に抗して上記一対の排気弁を開弁する開閉駆動部材と、
上記支持軸に揺動可能に支持され、上記バルブブリッジを下方に押圧可能に上記バルブブリッジに係合し、上記バルブブリッジを下方に押圧したときには、上記開閉駆動部材による上記バルブブリッジの押圧の有無に関わらず、上記一対の排気弁の少なくとも一方を開弁状態に保持する押圧部材と、
上記シリンダヘッドに設けられ、上記バルブブリッジを下方に押圧した状態と、上記バルブブリッジの下方への押圧を解除した状態とに選択的に上記押圧部材を駆動する駆動機構と
を備えたことを特徴とするエンジン用動弁装置。 - 上記押圧部材は、一端側が上記支持軸に支持されると共に、他端側が上記駆動機構に連結され、上記駆動機構との連結位置よりも上記支持軸寄りの位置に形成された係合部により、上記バルブブリッジに係合することを特徴とする請求項1に記載のエンジン用動弁装置。
- 上記押圧部材は、上記支持軸に近い側に位置する上記バルブブリッジの端部において上記バルブブリッジと係合し、上記バルブブリッジを押圧することにより、上記一対の排気弁のうちの上記支持軸に近い側に位置する排気弁を開弁状態に保持することを特徴とする請求項1に記載のエンジン用動弁装置。
- 上記エンジンは、排気通路を閉塞して上記エンジンを減速させる排気ブレーキ機構を備え、
上記駆動機構は、上記エンジンを減速させる際に、上記排気ブレーキ機構の作動に対応して、上記バルブブリッジを下方に押圧した状態となるように上記押圧部材を駆動することを特徴とする請求項1に記載のエンジン用動弁装置。 - 上記バルブブリッジは、一端側に揺動可能に装着された回転規制金具を介して上記一対の排気弁の一方のステム上部に係止されており、
上記押圧部材は、上記バルブブリッジの他端側を押圧することにより、上記一対の排気弁の他方の排気弁を開弁状態に保持することを特徴とする請求項1に記載のエンジン用動弁装置。 - 上記押圧部材と上記駆動機構とは、上記押圧部材に形成された長孔と、上記駆動機構に設けられて上記長孔に嵌合するピンとを介して連結されていることを特徴とする請求項1に記載のエンジン用動弁装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008165615A JP2010007506A (ja) | 2008-06-25 | 2008-06-25 | エンジン用動弁装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008165615A JP2010007506A (ja) | 2008-06-25 | 2008-06-25 | エンジン用動弁装置 |
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JP2010007506A true JP2010007506A (ja) | 2010-01-14 |
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ID=41588293
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Country Status (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20160016111A (ko) * | 2014-08-04 | 2016-02-15 | 현대중공업 주식회사 | 밸브기구의 손상을 방지한 실린더 헤드 조립체 |
-
2008
- 2008-06-25 JP JP2008165615A patent/JP2010007506A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20160016111A (ko) * | 2014-08-04 | 2016-02-15 | 현대중공업 주식회사 | 밸브기구의 손상을 방지한 실린더 헤드 조립체 |
KR101916983B1 (ko) * | 2014-08-04 | 2019-01-30 | 현대중공업 주식회사 | 밸브기구의 손상을 방지한 실린더 헤드 조립체 |
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