JP2006233768A - 車両操作装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】運転者のアクセルペダルに対する誤操作を的確に判断し、不用意な自車両の挙動を防止することにより事故を未然に防止する。
【解決手段】アクセルペダル2に足が置かれているかどうかを検出するための足位置検出センサ13を設ける。そして、足位置検出センサ13とアクセルペダル操作量センサ3のそれぞれの検出値の時間的な変化の様子に基づいて、アクセルペダル2の誤操作を検出する。誤操作を検出したときには、アクセルペダル操作量センサ3の検出信号を排除して、不用意な自車両の挙動を防止する。
【選択図】図2
【解決手段】アクセルペダル2に足が置かれているかどうかを検出するための足位置検出センサ13を設ける。そして、足位置検出センサ13とアクセルペダル操作量センサ3のそれぞれの検出値の時間的な変化の様子に基づいて、アクセルペダル2の誤操作を検出する。誤操作を検出したときには、アクセルペダル操作量センサ3の検出信号を排除して、不用意な自車両の挙動を防止する。
【選択図】図2
Description
本発明は、車両操作装置に関し、特に、運転者がアクセルペダルを誤って操作したときに、それを的確に判断して、アクセルペダル操作量センサの検出値を排除することにより、車両の意図しない挙動を防止できるようにした車両操作装置に関する。
車両を運転する者の誤操作により事故を招くケースがある。そこで、運転者の操作がある条件を満たす場合には、それを誤操作と判断して、当該操作を排除するための技術が提案されている。
一例として、アクセルペダルの踏力または踏み込み速度と進行方向の障害物の有無との関係から、当該アクセルペダルの操作が運転者の意思によるものかどうかを見極め、アクセルペダルとブレーキペダルとの踏み間違いに対処するようにした内燃機関のスロットル弁制御装置が特許文献1に開示されている。
また、特許文献2には、車両の転舵、加速および減速の機能を単一の操作装置に集約した、いわゆるサイドスティック式運転操作装置において、衝撃的な誤操作操作が継続する時間よりも長い不感時間を設けておき、ジョイスティックが衝撃的に誤操作されたときに、アクチュエータへの駆動信号の出力を所定時間保持することにより、衝撃的な操作を車両の挙動に伝えないようにする技術が開示されている。
特開平5−256170号公報
特開2002−161760号公報
上記の特許文献に記載のように、運転者の誤操作に基づく車両の意図しない挙動を防止する手段を講じることにより、車両の安全性はさらに向上する。しかし、従来の技術はいまだ十全とはいえず、運転者の誤操作を検出できない状況が起こり得る。例えば、特許文献1に記載のものにおいては、動きを伴わない障害物は有効に検出できても、人のように動きを伴うものを確実に検出するのが容易でない場合があり、路上に飛び出した人を発見してブレーキペダルと間違えてアクセルペダルを勢いよく踏み込んだような場合に、運転者に加速の意図があると判断してしまうことが起こり得る。
また、特許文献2に記載のものは、ジョイスティックの衝撃的な操作により、スロットルアクチュエータの出力値が急激に変化したときなどに、それを運転者の意思によるかどうかを判別することはせず、一律的に誤操作と判断することから、ドライバビリティを制限してしまうことが起こり得る。また、比較的長い時間にわたり誤操作が継続した場合に、十分な効果を期待できないことが起こり得る。
本発明は、上記のように、従来の技術ではアクセルペダルあるいはスロットルアクチュエータに生じた操作が、運転者の意図したものかあるいは誤操作であるかを的確に検出できない状況が存在することに鑑みてなされたものであり、アクセルペダルの操作が誤操作による場合にそれを的確に排除し、運転者の意図しない車両挙動と安全性の低下を、より確実に防止することを可能とする、車両操作装置を提供することを目的としている。
上記の課題を解決するために、本発明者らは、運転者がアクセルペダルとブレーキペダルとを踏み間違えるのは、そのときに足を置いているのが、アクセルペダルであるにも関わらず、ブレーキペダルであると勘違いしているか、あるいは、アクセルペダル付近に足を置いているときに発生しやすいという点に着目した。そして、運転者の足がアクセルペダルをすぐに踏める状況にあり、かつ、上記のような誤操作が発生しやすい状況において、アクセルペダルの誤操作を的確に排除することにより、運転者の意図しない車両挙動を確実に防止できることを確認して、本発明をなすにいたった。
すなわち、前述の課題を解決するために本発明による車両操作装置は、自車速度検出手段21と、運転者が自車両を所望の速度に制御するためのアクセルペダル2と、前記アクセルペダル2の操作量を検出するためのアクセルペダル操作量センサ3と、前記アクセルペダル操作量センサ3の検出値に基づいた電気信号を出力するスロットル制御装置4と、前記スロットル制御装置4から出力される電気信号に基づいてスロットルバルブ6の開閉を行うスロットルアクチュエータ7とを少なくとも備えた車両操作装置において、さらに、前記アクセルペダル2に運転者が足をのせているかどうかを検出するための足位置検出センサ13と、前記自車速度検出手段21によって検出される自車両の速度が所定のしきい値以下であり、前記足位置検出センサ13が、運転者がアクセルペダル2に足を置いていることを検出し、かつ、前記アクセルペダル操作量センサ3が踏み込み量を検出していない状態が所定の期間継続した後、前記アクセルペダル操作量センサ3の検出値がしきい値を越えて変化したときに、該検出値は運転者のアクセルペダルの誤操作に基づくものであると判断して、前記アクセルペダル操作量センサ3の検出値を排除する排除手段、とを備えることを特徴とする。
本発明による車両操作装置では、上記のアクセルペダル操作量センサ3の検出値を排除する排除手段を備えることにより、運転者が意図することなく、すなわち誤操作によってアクセルペダルが急激に踏み込まれたとき、そのアクセルペダル操作量センサ3からの検出値はないものとして排除されるので、スロットルバルブに変位が生じることはない。そのために、内燃機関(エンジン)の回転数が急激に変化することはなく、車両の意図しない挙動が確実に阻止されて、高い安全性が確保される。また、車速がしきい値(任意に設定できるが、時速10km程度が妥当である)を越えている場合には、アクセルペダル操作量センサ3からの検出値は基本的に排除されないので、ドライバビリティを制限してしまうことも起こらない。
本発明による車両操作装置において、前記のようにして誤操作を検出し、それが適宜の手段により運転者に伝えられ、運転者が誤操作に気づいてブレーキペダルを踏んだときに、遅れなく減速ができるようにすることは、安全性確保のために好ましい。そのために、本発明でのスロットル制御装置の好ましい態様では、排除手段が誤操作であると判断したときに、ブレーキローターとブレーキパッドとのクリアランスを狭めるためのスタンバイ信号をブレーキアクチュエータに対して出力する手段がさらに備えられる。
本発明による車両操作装置において、前記足位置検出センサは、アクセルペダル2の踏み込み面に取り付けた圧力センサのような物理量を検知するセンサでもよく、アクセルペダルの踏み込み面を撮像し、画像処理によって足が置かれているか否かを判断することが可能な画像処理装置であってもよい。
本発明による車両操作装置によれば、アクセルペダルの挙動を運転者が意図したものかあるいは運転者の誤操作によるものかを的確に判断することができるので、ドライバビリティを損なうことなく、誤操作を排除することが可能になる。さらに、ブレーキアクチュエータの動きと関連づけることにより、運転者が誤操作に気づいてブレーキペダルを操作するときに、制動距離を短縮することができる。
以下、図面を参照しながら本発明にかかる車両操作装置の実施の形態を説明する。図1は本発明による車両操作装置を備えた車両の概略図であり、図2は車両操作装置におけるスロットル制御装置の内部構成を示す図である。
図1において、1は自車両であり、アクセルペダル2は、運転者が自車両を所望の速度にコントロールするための操作子である。運転者がアクセルペダル2を踏み込んだ操作量は、アクセルペダル操作量センサ3によって電気信号に変換されて、電線を介してスロットル制御装置4に伝達される。
電気信号に変換されたアクセルペダル操作量を受け取ったスロットル制御装置4は、その電気信号の値に基づいて、内燃機関5へ送り込む空気の量を調節するためのスロットルバルブ6の開度目標値を算出し、その開度目標値にスロットルバルブ6の開度を一致させるべくスロットルアクチュエータ7を制御する。内燃機関には、図示しない燃料制御装置によって空気量に見合った燃料が供給される。内燃機関が発生するトルクは、トランスミッション8等を介して、タイヤ9、10、11、12に伝わり自車両の推進力を発生させる。
また、この実施の形態に関わる車両1には、後に、図13に基づき説明するように、車両を減速させるための操作子であるブレーキペダル14の操作量を、ブレーキペダル操作量センサ20によって電気信号に変換し、その電気信号に基づいてブレーキ制御手段15が、各車輪に配置された電動ブレーキアクチュエータ16、17、18、19を制御するような、電動ブレーキシステムが備わっている。なお、図13に示すように、各電動ブレーキアクチュエータ16、17、18、19は、ブレーキパッド902とブレーキローター903とを備えた通常のものである。そして、後記するように、ブレーキ制御手段15には、運転者のブレーキペダル操作量だけでなく、他の制御手段から電気信号(後記する、スロットル制御装置4からのアクセルペダル誤操作信号ic)によっても制動力を制御できるようにされている。
本発明による車両操作装置は、運転者がアクセルペダル2に足を置いているかどうかを検出するための足位置検出センサ13をさらに備える。この例において、前記足位置検出センサ13は、アクセルペダル2の踏み込み面に取り付けられた圧力センサであり、少なくとも、足が置かれているか、そうでないかの2状態を検出できる。なお、図示しないが、足位置検出センサ13は、アクセルペダル2の踏み込み面をカメラで撮影し、画像処理によって足が置かれているかどうかを判断するようなものであってもかまわない。つまり、足位置検出センサ13は、運転者の足の位置が、アクセルペダル2は踏み込んでいないが、アクセルペダル2をすぐに踏める状態にあることが検出できるものであればよく、その形態は任意である。
足位置検出センサ13は、運転者がアクセルペダル2をすぐに踏み込める位置に足を置いているかどうかの情報を電気信号に変換し、スロットル制御装置4に伝達する。スロットル制御装置4では、アクセルペダル操作量センサ3と足位置検出センサ13の検出した信号の変化の様子から、以下の説明するようにして、運転者のアクセルペダル2に対する操作が誤操作であるかそうでないかを判断する。
図2にスロットル制御装置4の内部構成を示す。まず、足位置検出センサ13によって検出されるアクセルペダル待機信号spと自車両速検出手段21によって検出される自車両の速度vvとアクセルペダル操作量センサ3によって検出されるアクセルペダル操作量信号psは、誤操作検出部104aに読み込まれ、誤操作検出部104aは、これらの信号が時間とともに変化する様子を観測して、その結果を、踏み間違いかそうでないかの2状態をあらわすアクセルペダル誤操作信号ic(1または0)として出力する。
なお、本発明に関わる車両操作装置では、車庫入れや渋滞時などのように自車両の速度が低い状態で、しかも、アクセルペダル2を踏み込んではいないがすぐに踏める状態で、所定以上の時間が経過した後に、大きな踏み込み速度を持ってアクセルペダル2が踏み込まれた場合を誤操作と判断し、排除する。これは、アクセルペダル2とブレーキペダル14を頻繁に踏みかえるような状況において、運転者がブレーキペダル14に足を置いているつもりで、アクセルペダル2を勢いよく操作する状況(誤操作)に効果を発揮する。
図2の誤操作排除部104bでは、アクセルペダル誤操作信号icの状態に基づいて、運転者のアクセルペダル操作を無効にしたり有効にしたりして、その結果を、誤操作排除済みアクセルペダル操作量信号dnとして出力する。すなわち、アクセルペダル誤操作信号icが1であれば、誤操作排除済みアクセルペダル操作量信号dnに0をセットし、アクセルペダル誤操作信号icが0であれば、誤操作排除済みアクセルペダル操作量信号dnにアクセルペダル操作量信号psの値をセットする。
図2のスロットルアクチュエータ制御部104cでは、誤操作排除部104bで得られた誤操作排除済みアクセルペダル操作量信号dn(すなわち、アクセルペダル操作量信号ps)と、スロットル開度センサ22から得られるその時刻におけるスロットルバルブ開度taを読み込み、スロットルアクチュエータ7をアクセルペダル操作量信号dnに応じた適切なスロットル開度に一致させるべく、スロットル開度指令信号rtを出力する。
図2の誤操作検出部104aによって得られるアクセルペダル誤操作信号icは、図示しないドライバを介して電線によってブレーキ制御手段15に伝えられ、この例においては、ブレーキ制御手段15は、運転者の誤操作を検出する(ic=1)と、それぞれのブレーキアクチュエータ16、17、18、19に信号を送り、図示しないブレーキアクチュエータのピストンをわずかに前進させて、ブレーキローターとブレーキパッドのクリアランスを小さくし、次のブレーキ動作にすばやく対応できるよう備える。
ここで、図3に示す状態遷移図を用いて誤操作検出部104aのアルゴリズムを詳しく説明する。なお、誤操作検出部104aは、スロットル制御装置4の中である周期をもって定期的に実行され、自車両が走行可能である限り停止することはない。
誤操作検出部104aの処理を開始すると、最初に状態s0に遷移する。状態s0ではアクセルペダル待機信号spを監視し、アクセルペダル待機信号spが1、すなわち、運転者がアクセルペダルに足を添えるまで、状態s1には遷移しない。また、状態s0では、アクセルペダル誤操作信号icを0、すなわち、誤操作がない状態に初期化しておく。状態s0にて、アクセルペダル待機信号spが1になると状態s1に遷移する。状態s1は、内部に図4に示すような状態を持っている。状態s1に遷移すると、瞬時に、状態s11に遷移し、自車両の速度vvが低速走行の基準値(しきい値)である例えば時速10km以下かどうかをチェックし、自車両の速度vvが時速10kmを超えていれば状態s11にとどまり、時速10km以下であれば状態s12に遷移する。
状態s12の内部は、図5に示す状態で構成されており、状態s12に遷移すると直ちに状態s121で処理を開始する。
状態s121では、状態s121に遷移してからの経過時間を監視する。状態s121に遷移して、基準時間t2が経過すると低速走行状態であると判断し、状態s123に遷移する。また、低速走行基準時間t2が経過しないうちにアクセルペダル操作量信号psが0より大、すなわち、運転者がアクセルペダルを踏み込んだことを検出したら、状態s122に遷移する。また、状態s121では、アクセルペダル誤操作信号icを0に初期化する。
状態s122では、自車両の速度vvが低速走行の基準値である時速10kmを越えるか、アクセルペダル操作量信号psが0になる(すなわち、アクセルペダルを戻す)まで、状態の遷移は発生しない。自車両の速度vvが低速走行の基準値である時速10kmを超えた場合は状態s11に遷移し、アクセルペダル操作量信号psが0になると状態s121に遷移する。
状態s123では、アクセルペダル操作量信号psが0より大きくなる、すなわち、アクセルペダルが踏み込まれるまでは状態が遷移することはない。アクセルペダル操作量信号psが0より大きくなると状態s124に遷移する。
状態s124では、状態s124に遷移してから経過した時間とアクセルペダルの踏み込み速度とを監視する。もし、状態s124にて、誤操作の判断基準時間であるt3の間ずっと、ペダル踏み込み速度が基準値sl1を上回る場合、運転者のアクセルペダルの操作が誤操作であると判断され、状態s125に遷移する。逆に、ペダル踏み込み速度の基準値sl1を下回る場合は、状態s122に遷移する。また、状態s124でアクセルペダル操作量信号psが0になった場合、すなわち、運転者がアクセルペダルを元に戻した場合は、状態s121に遷移する。
状態s125では、アクセルペダル誤操作信号icを1、すなわち、その時点で行われている運転者のアクセルペダルに対する操作が踏み間違いであることを示す値にセットして、アクセルペダル操作量信号psが0、すなわち、運転者がアクセルペダルを元に戻すまで、その状態から遷移することはない。
以上に説明したように、本発明による車両操作装置では、運転者がアクセルペダルをすぐに踏み込める状態で、しばらくアクセルペダルを操作せず、所定の時間を置いて、勢いよくアクセルペダルを踏み込んだ場合、運転者の誤操作を的確に判断し、誤操作による自車両の不用意な挙動の変化を抑えることができる。
上記のアルゴリズムを備えた本発明による車両操作装置の判断手順をフローチャートにより、更に詳しく説明する。最初に図6に示すように、前記誤操作検出部104aの処理を開始して、状態s0に遷移したかどうかを判断する(ステップ201)。状態s0でない場合は、そのまま終了する。状態s0の場合は、誤操作検出部104aは、アクセルペダル誤操作信号icを0(誤操作がない状態)に初期化する(ステップ202)。その状態で、足位置検出センサ13からの運転者がアクセルペダルに足をのせているかどうかの信号spを監視し(ステップ203)、信号spがない場合(0の場合)は、誤操作検出部104aは危険性がないと判断してそのまま処理を終了する。信号spがある場合(足をのせている場合)は、誤操作が生じる可能性があるので、状態s11に遷移する(ステップ204)。なお、信号spは、前記したように、アクセルペダル2に取り付けた圧力センサやアクセルペダル近傍を撮像装置からの画像処理等によって得ることができる。
図7は状態s11でのフローチャートを示す。状態s11に遷移したとき(ステップ301)、誤操作検出部104aは、自車両の速度vvが基準値(この例では時速10km)を越えているかどうかを判断する(ステップ302)。速度vvが時速10kmを越えている場合には、運転者は意識してアクセルペダル2を踏み込んでいると判断して、処理を終了する。速度vvが時速10km以下であれば、誤操作が生じる可能性があるので、状態s121に移る(ステップ303)。
図8は状態s121でのフローチャートを示す。状態s121に遷移したとき(ステップ401)、誤操作検出部104aは、アクセルペダル誤操作信号icを0(誤操作がない状態)に初期化し(ステップ402)、基準時間t2が経過するのを待つ(ステップ403)。時速10km以下の状態が基準時間t2の間で継続した場合には、状態s123に移る(ステップ404)。低速状態が一定時間継続しておりかつアクセルペダル操作量信号psに変化がない場合には、誤操作検出部104aは、運転者がその運転状態を十分に意識していると判断し、そこで待機する。一方、所定時間t2が経過しないうちに運転者がアクセルペダルを踏み込んだことを検出した場合(アクセルペダル操作量信号ps>0)には(ステップ405)、状態s122に移る(ステップ406)。
図9は状態122にあるときのフローチャートを示す。上記の条件で状態s122に遷移したとき(ステップ501)、自車両の速度vvが低速走行の基準値(時速10km)を越えているかどうかを調べる(ステップ502)。越えている場合には、再び状態s11移り(ステップ503)、図7に示したフローに従う。自車両の速度vvが基準値(時速10km)を越えていない場合には、誤操作検出部104aは、アクセルペダル操作量信号psがそのまま継続しているか0になるか(アクセルペダルが戻されたか)を検出し(ステップ504)、アクセルペダル操作量信号psが維持されている場合には、運転者は意識してアクセルペダルをわずかに踏み込んでいると判断して、処理を終了する。アクセルペダル操作量信号psが0になった場合には、状態s121に移り(ステップ505)、図8のフローに従う。
図10は状態s123でのフローチャートを示す。状態s123(ステップ601)は、アクセルペダル2に運転者が足をのせており(sp=1)、自車両の速度vvが低速状態の基準値(時速10km)以下であり、かつその状態が規定時間t2継続している状態である。そこで、誤操作検出部104aは、再び、アクセルペダル操作量信号psがそのまま継続しているか0になるか(アクセルペダルが戻されたか)を監視し(ステップ602)、アクセルペダル操作量信号psが0になったときは、安全サイドへの変化であり、この状態に止まる。アクセルペダル操作量信号psが維持されている場合には、状態s124に移る(ステップ603)。この状態は、低速走行時に、運転者がアクセルペダルをブレーキペダルと勘違いして足を置いているような場合に起こり得る。
図11は状態s124でのフローチャートを示す。状態s124(ステップ701)では、アクセルペダル操作量信号psが継続しているかどうか(ps>0)を判断する(ステップ702)。継続していなければ安全サイドでの変化であり、状態s121に戻る(ステップ703)。継続している場合には、誤操作検出部104aは、遷移後に時間t3が経過したかどうかを監視する(ステップ704)。
時間t3が経過した場合に、その間のペダル踏み込み速度が基準値sl1を上回るかどうか(ステップ705)を監視する。遷移後の一定時間t3の間、ペダル踏み込み速度(時間当たりの踏み込み量の変化)が基準値(しきい値)sl1を上回る場合には、ブレーキペダル14と間違えてアクセルペダル2を踏み込むというような、運転者によるアクセル2の誤操作が生じたものと判断し、状態s125に移る(ステップ706)。アクセルペダルの踏み込み速度が基準値sl1を越えない場合には、運転者は意識してアクセルペダルを操作していると判断して、その位置に止まる。それ以外では、状態s122に戻る(ステップ707)。踏み込み速度の基準値sl1は、車両の形態によって異なるが、80〜120mm/s程度に設定するのが好ましい。
図12は状態s125でのフローチャートを示す。状態s125(ステップ801)では、アクセルペダル操作量信号psが継続しているかどうか(ps>0)を再び判断する(ステップ802)。継続していなければ状態s121に戻る(ステップ803)。継続している場合は、運転者のアクセルペダルの誤操作が継続している場合であり、前記したように、アクセルペダル誤操作信号icを1に値にセットして(ステップ804)、アクセルペダル操作量信号psが0、すなわち、運転者がアクセルペダルを元に戻すまで、その状態を維持する。
図2に基づき説明したように、誤操作検出部104aがアクセルペダル誤操作信号ic=1をセットしたとき、その信号は、一方において、誤操作排除部104bに送られ、誤操作排除部104bは、アクセルペダル操作量センサ3からのアクセルペダル操作量信号psがないものとして(検出量は排除されて)、アクセルペダル操作量信号dnを0にセットする。それにより、スロットルアクチュエータ制御部104cからのスロットル開度指令信号rtも0となり、アクセルの踏み込みはないものとされる。この状態は、運転者がアクセルペダルを元に戻すまで維持されと共に、適宜の手段により、運転者に注意を促す音、光、振動などの情報が発せられる。
他方において、誤操作検出部104aがアクセルペダル誤操作信号ic=1をセットしたとき、その信号は、ブレーキ制御手段15にも伝えられる。図13はそのときの作動態様を説明しており、アクセルペダル誤操作信号ic=1の信号を受けて、ブレーキ制御手段15は、それぞれの電動ブレーキアクチュエータ16、17、18、19に対してブレーキローター903とブレーキパッド902とのクリアランスを狭めるためのスタンバイ信号(制御電流)を出力するようにされている。すなわち、ブレーキ制御手段15は、通常であれば押付け力(ブレーキパッド902がブレーキローター903を押し付ける力)が検出されない位置にピストン904を制御しているが、図1に示すスロットル制御装置4から誤操作を検出したことを知らされると、車両挙動の変化が感じられない程度の押付け力が発生する位置までピストン904を押し出す。これによって、運転者が誤操作に気づいてブレーキペダル14を踏み込むときに、遅れなく電動ブレーキアクチュエータを作動させることが可能となり、誤操作後に直ちに減速ができるようになって、一層の安全性確保が確立される。
1…自車両、2…アクセルペダル、3…アクセルペダル操作量センサ、4…スロットル制御装置、5…内燃機関(エンジン)、6…スロットルバルブ、7…スロットルアクチュエータ、8…トランスミッション、9、10、11、12…車輪、13…足位置検出センサ、14…ブレーキペダル、15…ブレーキ制御手段、16、17、18、19…電動ブレーキアクチュエータ、20…ブレーキペダル操作量センサ、21…自車両速検出手段、22…スロットル開度センサ、104a…誤操作検出部、104b…誤操作排除部、104c…スロットルアクチュエータ制御部、902…ブレーキパッド、903…ブレーキローター、904…ピストン、sp…足位置検出センサによって検出されるアクセルペダル待機信号、vv…自車両の速度、ps…アクセルペダル操作量センサによって検出されるアクセルペダル操作量信号、ic…アクセルペダル誤操作信号、dn…誤操作排除済みアクセルペダル操作量信号、ta…スロットルバルブ開度、rt…スロットル開度指令信号
Claims (4)
- 自車速度検出手段と、運転者が自車両を所望の速度に制御するためのアクセルペダルと、前記アクセルペダルの操作量を検出するためのアクセルペダル操作量センサと、前記アクセルペダル操作量センサの検出値に基づいた電気信号を出力するスロットル制御装置と、前記スロットル制御装置から出力される電気信号に基づいてスロットルバルブの開閉を行うスロットルアクチュエータとを少なくとも備えた車両操作装置において、前記車両操作装置は、
前記アクセルペダルに運転者が足をのせているかどうかを検出するための足位置検出センサと、
前記自車速度検出手段によって検出される自車両の速度が所定のしきい値以下であり、前記足位置検出センサが、運転者がアクセルペダルに足を置いていることを検出し、かつ、前記アクセルペダル操作量センサが踏み込み量を検出していない状態が所定の期間継続した後、前記アクセルペダル操作量センサの検出値がしきい値を越えて変化したときに、該検出値は運転者のアクセルペダルの誤操作に基づくものであると判断して、前記アクセルペダル操作量センサの検出値を排除する排除手段、
とをさらに備えることを特徴とする車両操作装置。 - 前記排除手段が誤操作であると判断したときに、ブレーキローターとブレーキパッドとのクリアランスを狭めるためのスタンバイ信号をブレーキアクチュエータに対して出力する手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の車両操作装置。
- 前記足位置検出センサは、アクセルペダルの踏み込み面に取り付けた圧力センサであることを特徴とする請求項1または2に記載の車両操作装置。
- 前記足位置検出センサは、アクセルペダルの踏み込み面を撮像し、画像処理によって足が置かれているか否かを判断することが可能な画像処理装置を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の車両操作装置。
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