JP2006233520A - 床の排水構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 排水性を損なうことなく自然観のある外観を形成することができる床の排水構造を提供する。
【解決手段】 床部材1に設けた傾斜面2にこの傾斜面2の傾斜に沿って複数本の目地溝3、3…を形成する。隣り合う目地溝3、3の間に複数本の導水溝4、4…を傾斜面2の傾斜方向に並べて形成することによって、複数本の導水溝4、4…で木目調柄を形成する。隣り合う導水溝4、4の間の平坦部5に複数の突起6、6…を設ける。排水のために設けた複数本の導水溝4、4…を利用して木目調柄を形成することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、浴室の床パンの底面や洗面台などの周りの床等に適用される床の排水構造に関するものである。
従来より、浴室の床パンに溝や凹凸を設けて排水性を高めることが行なわれている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、排水性の向上を追求するあまり、その外観は人工的なものとなりやすかった。
特開2004−251095号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、排水性を損なうことなく自然観のある外観を形成することができる床の排水構造を提供することを目的とするものである。
本発明の床の排水構造は、床部材1に設けた傾斜面2にこの傾斜面2の傾斜に沿って複数本の目地溝3、3…を形成し、隣り合う目地溝3、3の間に複数本の導水溝4、4…を傾斜面2の傾斜方向に並べて形成することによって、複数本の導水溝4、4…で木目調柄を形成し、隣り合う導水溝4、4の間の平坦部5に複数の突起6、6…を設けて成ることを特徴とするものである。
本発明によれば、排水のために設けた複数本の導水溝4、4…を利用して木目調柄を形成することができ、排水性を損なうことなく自然観のある外観を形成することができるものである。
本発明にあっては、傾斜面2の傾斜に沿って導水溝4を形成するのが好ましく、これにより、導水溝4を通じて排水しやすくなり、排水性を高めることができるものである。
また、本発明にあっては、平坦部5の傾斜方向における下側の導水溝4に近いほど突起6を高密度に形成するのが好ましく、これにより、導水溝4に排水が導入されやすくなって平坦部5に水を溜まりにくくすることができ、排水性を高めることができるものである。
また、本発明にあっては、導水溝4を木目調柄の年輪様柄として形成するのが好ましく、これにより、木目調柄がより強調されて自然観のある外観を形成することができるものである。
また、本発明にあっては、突起6を設けていない部分に微小突起7を設けることが好ましく、これにより、木目調柄がより強調されて自然観のある外観を形成することができるものである。
また、本発明にあっては、金型にエッチング加工により形成した粗面で突起6を形成するのが好ましく、この金型を用いたプレス成形により突起6を形成することによって、突起6の形成を容易に行うことができるものである。
本発明は、排水性を損なうことなく自然観のある外観を形成することができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明の床の排水構造は、図1に示すように、浴室の床パンや水周りの床を構成する床部材1の表面に形成されるものである。図1において、矢印xは水の流れる方向を示す。また、図1において、後述する突起6の一部は図示省略されている。以下、床部材1が浴室の洗い場用の床パン20である場合について説明するが、これに限定されるものではない。
図2に示すように、床パン20は底板21の周囲に壁板22を立ち上げて上面が開口する箱状に形成されるものである。床パン20はガラス繊維強化プラスチック(FRP)などの樹脂成形品で形成することができる。床パン20の底板21には上下に貫通する排水孔23が設けられており、この排水孔23に排水管を接続することにより排水できるように形成されるものである。図2のものでは排水孔23は床パン20の一方の短辺近傍に設けているが、これに限らず、例えば、床パン20の四隅や中央部に設けても良い。そして、床パン20の底面(底板21の上面)は排水孔23に向って下り傾斜した傾斜面2として形成されている。傾斜面2の傾斜角度は適宜設定可能であるが、例えば、水平に対して1〜3°にすることができる。
本発明の排水構造は床パン20の上記傾斜面2に目地溝3、導水溝4、突起6、微小突起7を設けて形成されるものである。図3に示すように、目地溝3は傾斜面2の表面に凹設されており、傾斜面2の傾斜方向に沿って長く形成されている。また、目地溝3の底面は傾斜面2と同様に排水孔23に向って下り傾斜させて形成されている。目地溝3の幅寸法や深さ寸法は、傾斜面2の面積等に応じて適宜設定可能であるが、例えば、幅寸法W1は1.0〜5.0mm、深さ寸法H1は0.5〜2.0mm、目地溝3の裏面側への突出寸法R1は0.1〜0.3mmとすることができる。また、傾斜面2には複数本の目地溝3、3…が平行に形成されており、隣り合う目地溝3、3の間隔は1〜3mmとすることができるが、この間隔は傾斜面2の面積等によって適宜設定することができる。
導水溝4は隣り合う目地溝3、3の間において傾斜面2の表面に複数本(多数本)凹設されている。導水溝4は傾斜面2の傾斜方向に真っ直ぐに形成されておらず、例えば、平面視でU字状に曲がったり湾曲したりしながら傾斜面2の傾斜方向に沿って長く形成されている。また、複数本の導水溝4、4…は傾斜面2の傾斜方向に間隔を介して並べて形成されている。そして、本発明の排水構造はこれら複数本の導水溝4、4…により木目調柄を形成するものである。このとき、導水溝4、4…は木目調柄の年輪様柄(木目柄の年輪のような柄)として形成されている。導水溝4の幅寸法や深さ寸法は一定ではなく、導水溝4の形状はランダム(不規則)に形成されているが、例えば、幅寸法W2は1.5〜5.0mm、深さ寸法H2は0.2〜0.5mm、導水溝4の裏面側への突出寸法R2は0.2〜0.3mmとすることができる。導水溝4の幅寸法や深さ寸法は、傾斜面2の面積等に応じて適宜設定可能であるが、自然の木目の幅寸法と同等にするのが好ましい。導水溝4の一端あるいは両端は目地溝3と接続されており、導水溝4と目地溝3とは導通している。また、導水溝4の底面は傾斜面2と同様に排水孔23に向って下り傾斜させて形成されている。
傾斜面2の傾斜方向において隣り合う導水溝4、4の間は平坦部5として形成されており、この平坦部5において傾斜面2の表面には複数(多数)の突起6が形成されている。突起6の大きさや形状はランダムに形成されているが、例えば、長さ寸法(図4におけるL)は100〜300μm、幅寸法(図4におけるY)は50〜90μm、高さ寸法(図4におけるH)は40〜60μmとすることができる。突起6の長手方向の向きは自然の木目柄のような外観にするためにランダムであることが好ましい。そして、この複数の突起6により木目柄の導管を表現することができ、一層、自然の木目柄に近い木目調柄を形成することができる。尚、木の導管は、水分を運ぶ内部血管のようなものである。
ここで、図5(a)(b)に示すように、突起6は平坦部5の全体に亘って均一な密度で形成してもよいが、より好ましくは、図6(a)(b)(c)に示すように、平坦部5の傾斜面2の傾斜方向における下側の導水溝4に近づくほど突起6を高密度にするのが好ましい。すなわち、平坦部5は傾斜面2の傾斜方向において上下に隣り合う導水溝4、4の間に形成される部分であるが、傾斜面2の傾斜方向において平坦部5の直下にある導水溝4に近い部分S1ほど、この導水溝4から遠い部分S3に比べて、隣り合う突起6、6の間隔を小さくして、突起6の密度を大きくするのである。これにより、突起6により導水溝4に排水が導入されやすくなって平坦部5に水を溜まりにくくすることができ、排水性を高めることができる。また、図7に示すように、傾斜面2の傾斜方向において平坦部5の直下にある導水溝4に近い部分S1から徐々に遠くなる部分S2、S3ほど、突起6の密度を小さくすることができる。尚、図5のものは従来、家具やフロアー、壁材などに多用されている木目模様であって、導管の間隔が広く、家具、フロアー、壁材の導管は平滑になる外観を呈する。一方、図6に示すものは、導管(突起6、6)の間隔が広い場所と狭い場所が生じ、また、導管(突起6)と年輪(導水溝4)とが重なる外観を呈する。
本発明では、図7に示すように、突起6を設けていない部分にさらに上記突起6よりも小さな微小突起7を多数設けることができる。突起6を設けていない部分とは、例えば、導水溝4の底面や側面及び隣り合う突起6、6の間における平坦部5の表面などである。また、微小突起7としては、例えば、シボ加工などで形成されるシボを用いることができる。そして、この微小突起7により、木目調柄がより強調されて自然観のある外観を形成することができる。また、微小突起7は滑りを防止する役目も兼ねている。また、突起6と微小突起7の両方が存在する部分(オーバーラップ部分)により平坦部5から導水溝4への排水を速めることができる。従って、導水溝4の下流側(傾斜面2の傾斜方向における下側であって、図9においてP2の部分)には微小突起7を設ける必要がないか、或いは導水溝4の上流側(図9においてP1の部分)よりも多く設ける必要はない。
本発明の床の排水構造は、例えば、金型によるプレス成形により形成することができる。本発明に用いる金型を作製するにあたっては、まず、実物の木目柄(模様)の写真を撮る。次に、この写真フィルムに陰影をつける。次に、写真フィルムを溶かして除去する位置と残す位置とを区別する。次に、溶かす深さと工程に合わせてフィルムを作製する。次に、このフィルムを金型に合わせる。次に、フィルムを金型に固定する。次に、金型を塩酸等を成分として含む液につける。このようにしてフィルムをレジストとする金型のエッチング加工により金型に粗面を形成する。そして、この金型の粗面を床部材1の傾斜面2に押し付けてプレス成形することによって、突起6、微小突起7及び導水溝4あるいは目地溝3を形成することができる。また、この金型で床部材1を成形してもよい。
本発明の床の排水構造は、以下のような排水原理で排水するものである。まず、図8、9(a)(b)(c)に示すように、全面が親水性を有する傾斜面2(床パン20の底面)に落ちた水aqは突起(導管)6で水滴に分散される。次に、その水滴が突起6、6の間や微小突起7、7の間を通って導水溝(年輪)4に流れ込む。次に、導水溝4に集まった水は複数本の導水溝4、4…からなる木目調柄の間にある目地溝3に流れ込む。この後、目地溝3から排水孔23へと水が流れ込んで排水される。尚、矢印xは水の流れ方向を示す。図9(a)において点線ニで囲まれた部分は突起6の密度が高い部分を示す。
本発明は、床部材1の直接水がかかる部分で比較的範囲が広く、勾配・傾斜のある部分に適用することができる。
本発明の実施の形態の一例を示す平面図である。 同上の床パンを示す斜視図である。 同上の一部を示す概略図である。 同上の突起を示す斜視図である。 同上の木目調柄を示し、(a)は平面図、(b)は(a)の部分イの拡大図である。 同上の(a)は一部の平面図、(b)は(a)の部分ロを含む拡大図、(c)は(b)のA−AA断面図である。 同上の概略図である。 同上の床パンの断面図である。 同上の(a)は一部の平面図、(b)は(a)の部分ハの拡大図、(c)は部分ハの斜視図である。
符号の説明
1 床部材
2 傾斜面
3 目地溝
4 導水溝
5 平坦部
6 突起
7 微小突起

Claims (6)

  1. 床部材に設けた傾斜面にこの傾斜面の傾斜に沿って複数本の目地溝を形成し、隣り合う目地溝の間に複数本の導水溝を傾斜面の傾斜方向に並べて形成することによって、複数本の導水溝で木目調柄を形成し、隣り合う導水溝の間の平坦部に複数の突起を設けて成ることを特徴とする床の排水構造。
  2. 傾斜面の傾斜に沿って導水溝を形成して成ることを特徴とする請求項1に記載の床の排水構造。
  3. 平坦部の傾斜方向における下側の導水溝に近いほど突起を高密度に形成して成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の床の排水構造。
  4. 導水溝を木目調柄の年輪様柄として形成して成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の床の排水構造。
  5. 突起を設けていない部分に微小突起を設けて成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の床の排水構造。
  6. 金型にエッチング加工により形成した粗面で突起を形成して成ることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の床の排水構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017166235A (ja) * 2016-03-16 2017-09-21 三菱電機株式会社 太陽電池システム

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