JP2006233186A - ポリエステル系樹脂組成物およびそれからなる繊維 - Google Patents
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Abstract
【課題】難燃素材として用いられる繊維製品、フィルム製品、樹脂成型品などで力学特性の低下が少なく、従来にないドリップ抑制効果、難燃性、低環境付加に優れたポリエステル系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ポリエステル系樹脂からなる樹脂組成物において、該樹脂組成物中にRSiO1.5(Rは有機基)で示される構造単位を少なくとも含むシリコーン系化合物を含有してなり、該シリコーン系化合物のシラノール基量が重量比で2%以上10%以下であり、且つポリエステル系樹脂とシリコーン系化合物の配合比が100:0.1以上100:10未満であることを特徴とするポリエステル系樹脂組成物。
【選択図】なし
【解決手段】ポリエステル系樹脂からなる樹脂組成物において、該樹脂組成物中にRSiO1.5(Rは有機基)で示される構造単位を少なくとも含むシリコーン系化合物を含有してなり、該シリコーン系化合物のシラノール基量が重量比で2%以上10%以下であり、且つポリエステル系樹脂とシリコーン系化合物の配合比が100:0.1以上100:10未満であることを特徴とするポリエステル系樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明はポリエステル系樹脂組成物に関して、難燃素材として好適に用いることができるものであり、さらに詳しくは、ポリエステル系樹脂組成物の難燃特性としてドリップ性および難燃性が改善されたポリエステル系樹脂組成物およびポリエステル系繊維構造物に関するものである。
ポリエステル系樹脂組成物である、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートは力学特性、加工性、価格等が汎用的であり、繊維用途やフィルム用途、樹脂成型品などに多く使用されている。また、近年ではポリ乳酸が非石油系ポリエステル樹脂として上市され始め、ポリエステル系樹脂の有用性は高まっている。
それに伴い、火災予防の点で難燃特性が重要視されており、現在までに数多くの難燃性ポリエステル系樹脂組成物や難燃性ポリエステル系繊維構造物が提案されている。例えば有機ハロゲン化合物、またはこれと三酸化アンチモンとを添加することにより難燃性を付与する技術が提案されている。しかしながら、これらの難燃性ポリエステル系樹脂組成物は燃焼時にハロゲン化ガスを発生するという問題があった。また、その燃焼挙動はドリップ(溶融滴下)型であるため、ドリップにより他の素材に付着したり、人体へ付着して火傷する危険性もある。
これに対して、シリコーン系化合物を添加することにより有害なガスを発生させずに難燃性を付与する試みがなされている。
このシリコーン系化合物とは1官能性のR3SiO0.5(M単位)、2官能性のR2SiO1.0(D単位)、3官能性のRSiO1.5(T単位)、4官能性のSiO2.0(Q単位)で示される単位のいずれかから構成されるものである。
このシリコーン系化合物を利用して難燃性を付与する例として、例えば、M、D、T、Q単位から構成される一般的なシリコーン系化合物を熱可塑性重合体に混合した粉末状重合体混合物が提案されているが(特許文献1参照)、シリコーン系化合物単独では難燃性の効果が低く、該特許文献の実施例に記載されているようにハロゲン系難燃剤やリン系難燃剤を併用する必要があり、シリコーン系化合物単独では難燃性を改善することができていない。
また、非シリコーンポリマーとモノオルガノシロキサンとの混練物からなる溶融加工可能なポリマー組成物が提案されている(特許文献2参照)。
確かにこの例はハロゲン元素やアンチモン元素、リン元素を含まず、ある程度の難燃性を発現することが可能であるが、難燃性を発現するためには非シリコーンポリマーとモノオルガノシロキサンの配合比を10:1乃至1:5の範囲にすることが必要であり、モノオルガノシロキサンの添加量が多く、コストアップや非シリコーンポリマーの物性低下を招く問題がある。また、このモノオルガノシロキサンではドリップを抑制することはできないといった課題がある。
確かにこの例はハロゲン元素やアンチモン元素、リン元素を含まず、ある程度の難燃性を発現することが可能であるが、難燃性を発現するためには非シリコーンポリマーとモノオルガノシロキサンの配合比を10:1乃至1:5の範囲にすることが必要であり、モノオルガノシロキサンの添加量が多く、コストアップや非シリコーンポリマーの物性低下を招く問題がある。また、このモノオルガノシロキサンではドリップを抑制することはできないといった課題がある。
また、芳香環含有非シリコーン樹脂にD単位とT単位からなるシリコーン系化合物を添加し難燃性を付与する難燃性樹脂組成物が提案されているが(特許文献3参照)、該特許文献の実施例に記載されているように芳香環含有率の高いポリカーボネートやポリスチレンでは効果があるものの、芳香環含有率の低い樹脂、例えばポリオレフィンやポリエステル系樹脂組成物に適用した場合は、満足な難燃特性やドリップ抑制の効果を発現することができないため汎用性が低いという問題があり、現状の技術ではポリエステル系樹脂組成物の難燃特性やドリップの抑制、難燃剤添加による力学特性の低下、ハロゲン化ガスの発生、汎用性などの問題を解決するには至っていない。
特開平1−318069号公報
特開昭54−36365号公報
特開平10−139964号公報
本発明は前記した現状に鑑み、難燃特性やドリップを改善し、力学特性の低下が少なく、汎用性の高いポリエステル系樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
本発明は、上記の課題を解決するため、以下の構成を採用する。すなわち、
(1)ポリエステル系樹脂からなる樹脂組成物において、該樹脂組成物中にRSiO1.5(Rは有機基)で示される構造単位を少なくとも含むシリコーン系化合物を含有してなり、該シリコーン系化合物のシラノール基量が重量比で2%以上10%以下であり、且つポリエステル系樹脂とシリコーン系化合物の配合比が100:0.1以上100:10未満であることを特徴とするポリエステル系樹脂組成物。
(1)ポリエステル系樹脂からなる樹脂組成物において、該樹脂組成物中にRSiO1.5(Rは有機基)で示される構造単位を少なくとも含むシリコーン系化合物を含有してなり、該シリコーン系化合物のシラノール基量が重量比で2%以上10%以下であり、且つポリエステル系樹脂とシリコーン系化合物の配合比が100:0.1以上100:10未満であることを特徴とするポリエステル系樹脂組成物。
(2)シリコーン系化合物に含まれる有機基がフェニル基であり、且つフェニル基の含有量がモル比で85%以上であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル系樹脂組成物。
(3)シリコーン系化合物の重量平均分子量が500以上100000以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリエステル系樹脂組成物。
(4)シリコーン系化合物がRSiO1.5構造単位をモル比で90%以上含有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のポリエステル系樹脂組成物。
(5)ポリエステル系樹脂がポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸のいずれかからなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のポリエステル系樹脂組成物。
(6)ポリエステル系樹脂組成物が樹脂成型物であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のポリエステル系樹脂組成物。
(7)ポリエステル系樹脂組成物がチップ、フレーク、パウダーのいずれかの形態であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のポリエステル系樹脂組成物。
(8)ポリエステル系繊維からなる繊維構造物において、該繊維構造物中にRSiO1.5(Rは有機基)で示される構造単位を少なくとも含むシリコーン系化合物を含有してなり、該シリコーン系化合物のシラノール基量が重量比で2%以上10%以下であり、且つポリエステル系樹脂とシリコーン系化合物の配合比が100:0.1以上100:10未満であることを特徴とするポリエステル系繊維構造物。
(9)ポリエステル系繊維構造物がフィラメントであることを特徴とする請求項8に記載のポリエステル系繊維構造物。
(10)ポリエステル系繊維構造物がステープルであることを特徴とする請求項8に記載のポリエステル系繊維構造物。
(11)ポリエステル系繊維構造物が繊維製品であることを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載のポリエステル系繊維構造物。
本発明によれば、難燃素材として用いられる用途、具体的には、繊維用途、フィルム用途、樹脂成型物などで従来にないドリップ抑制効果、難燃性に優れたポリエステル系樹脂組成物およびそれからなる繊維構造物を提供できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、ポリエステル系樹脂からなる樹脂組成物において、該樹脂組成物中にRSiO1.5(Rは有機基)で示される構造単位を少なくとも含むシリコーン系化合物を含有してなり、該シリコーン系化合物のシラノール基量が重量比で2%以上10%以下であり、且つポリエステル系樹脂とシリコーン系化合物の配合比が100:0.1以上100:10未満であることを特徴とするポリエステル系樹脂組成物のポリエステル系樹脂組成物であることを特徴としている。
シリコーン系化合物とは、R3SiO0.5(M単位)、R2SiO1.0(D単位)、RSiO1.5(T単位)、SiO2.0(Q単位)の構造単位からなるが、本発明のシリコーン系化合物は少なくともRSiO1.5(T単位)の構造単位を含むシリコーン系化合物であり、それ単独で構成されていても良く、T単位を少なくとも含有していれば、MT単位、DT単位、TQ単位などの複数の構造単位からなっていても良い。
シリコーン系化合物の耐熱性の点から好ましくはRSiO1.5(T単位)の構造単位をシリコーン系化合物に対してモル比で90%以上含有することが好ましく、更に好ましくは95%以上である。シリコーン系化合物にT単位を含むことでシリコーン系化合物の耐熱性が向上し、燃焼時にシリコーン系化合物の分解が抑制され、難燃性を向上することができる。
また、ここでいう本発明のシリコーン系化合物のシラノール基量はシリコーン系化合物に対して重量比で2%以上10以下であることが必要であり、好ましくは3%以上7%以下である。
このシラノール基量の測定には29Si−NMRにおいてシラノール基を含有しない構造由来のSiO2.0、RSiO1.5、R2SiO1.0、R3SiO0.5のピークの面積(積分値)とシラノール基を含有する構造由来のSi(OH)4、SiO0.5(OH)3、SiO1.0(OH)2、SiO1.5(OH)、RSi(OH)3、RSiO0.5(OH)2、RSiO1.0(OH)、R2Si(OH)2、R2SiO0.5(OH)、R3Si(OH)のピークの面積(積分値)の比からシラノール基量を算出することが可能である。
例えば、RSiO1.5とRSiO1.0(OH)の積分値の比が1.5(RSiO1.5):1.0(RSiO1.0(OH))であれば下記式1の通り求めることができる。
シラノール基量を本発明の範囲内とすることで、燃焼時にポリエステル系樹脂とシリコーン系化合物が架橋構造を形成し、ポリエステル系樹脂の炭化を促進するためドリップを抑制することができる。
シラノール基量が本発明の範囲を下回るとドリップ抑制の効果が低くなるため好ましくなく、本発明の範囲を上回るとドリップ抑制の効果は平衡に達し、ポリエステル系樹脂と溶融混練する際にゲル化し、物性の低下や加工特性の低下を招くため好ましくない。
また、シリコーン系化合物はQ単位の構造単位のみからなる場合を除いて、Si元素と結合する有機基を含有しており、ここでいう本発明のシリコーン系化合物の有機基としては水素基、水酸基、炭化水素基、芳香族炭化水素基などが挙げられる。
炭化水素基の具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ビニル基、アリル基、メタクリル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
芳香族炭化水素基としてはフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
シリコーン系化合物の汎用性や耐熱性の観点から有機基は水酸基、メチル基、フェニル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基をシリコーン系化合物中に含まれる全有機基に対してモル比で85%以上含むことが好ましい。
また、ここでいう本発明のシリコーン系化合物はGPCで測定されポリスチレン換算で求められる重量平均分子量がポリエステル系樹脂組成物への分散性の観点から500以上100000以下の範囲が好ましく、更に好ましくは1000以上10000以下の範囲である。重量平均分子量が該範囲を上回ると溶融混練の際にシリコーン系化合物の粘度が高く、シリコーン系化合物の分散性が悪化する場合があり、本発明の範囲を下回ってもシリコーン系化合物の分散性が悪化したりする場合があり、加工特性が低下する場合がある。
また、ここでいう本発明のポリエステル系樹脂とシリコーン系化合物の配合比はドリップ抑制の効果、難燃性の観点から100:0.1以上100:10未満の範囲であることが必要であり、更に好ましくは100:1以上100:8以下である。
また、ここでいう本発明のポリエステル系樹脂はポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートの石油系ポリエステルのいずれかであるほか、ポリ−L−乳酸、ポリ−D−乳酸の非石油系ポリエステルのいずれかである。
ポリエステル系樹脂は樹脂組成物中に主成分として含有していることが好ましく、樹脂組成物に対して重量比で70%以上含有していることが好ましいがこの限りではなく、ドリップ抑制の効果や難燃性、樹脂組成物の物性低下や加工特性の低下が無い範囲で他の有機ポリマーや無機化合物とのブレンドやアロイ、コンポジットなどが可能である。
また、ここでいう本発明のポリエステル系樹脂組成物は樹脂成型物として好適に用いることが可能であり、特にドリップ抑制の効果や難燃性が必要な成型物、例えば車両の内外装材、電化製品の筐体、電気回路のカバーなどで用いることが可能であるが、この限りではない。
また、ここでいう本発明のポリエステル系樹脂組成物はチップやフレーク、パウダーの形状とすることで輸送運搬の際や溶融成型機などへポリエステル系樹脂組成物を供給する時に好適に用いることができ効率がよい。
次に本発明は、ポリエステル系繊維からなる繊維構造物において、該繊維構造物中にRSiO1.5(Rは有機基)で示される構造単位を少なくとも含むシリコーン系化合物を含有してなり、該シリコーン系化合物のシラノール基量が重量比で2%以上10%以下であり、且つポリエステル系樹脂とシリコーン系化合物の配合比が100:0.1以上100:10未満のポリエステル系繊維構造物であることを特徴としている。
シリコーン系化合物とはR3SiO0.5(M単位)、R2SiO1.0(D単位)、RSiO1.5(T単位)、SiO2.0(Q単位)の構造単位からなり、ここでいう本発明のシリコーン系化合物は少なくともRSiO1.5(T単位)の構造単位を含むシリコーン系化合物であり、それ単独で構成されていても良く、T単位を少なくとも含有していれば、MT単位、DT単位、TQ単位などの複数の構造単位からなっていても良い。
シリコーン系化合物の耐熱性の点から好ましくはRSiO1.5(T単位)の構造単位をシリコーン系化合物に対してモル比で90%以上含有することが好ましく、更に好ましくは95%以上である。シリコーン系化合物にT単位を含むことでシリコーン系化合物の耐熱性が向上し、燃焼時にシリコーン系化合物の分解が抑制され、難燃性を向上することができる。
また、ここでいう本発明のシリコーン系化合物のシラノール基量はシリコーン系化合物に対して重量比で2%以上10%以下であることが必要であり、好ましくは3%以上7%以下であることが好ましい。
このシラノール基量の測定には29Si−NMRにおいてシラノール基を含有しない構造由来のSiO2.0、RSiO1.5、R2SiO1.0、R3SiO0.5のピークの面積(積分値)とシラノール基を含有する構造由来のSi(OH)4、SiO0.5(OH)3、SiO1.0(OH)2、SiO1.5(OH)、RSi(OH)3、RSiO0.5(OH)2、RSiO1.0(OH)、R2Si(OH)2、R2SiO0.5(OH)、R3Si(OH)のピークの面積(積分値)の比からシラノール基量を算出することが可能である。
例えば、RSiO1.5とRSiO1.0(OH)の積分値の比が1.5(RSiO1.5):1.0(RSiO1.0(OH))であれば下記式1の通り求めることができる。
シラノール基量を本発明の範囲内とすることで、燃焼時にポリエステル系繊維とシリコーン系化合物が架橋構造を形成し、ポリエステル系繊維の炭化を促進するためドリップを抑制することができる。
シラノール基量が本発明の範囲を下回るとドリップ抑制の効果が低くなるため好ましくなく、本発明の範囲を上回るとドリップ抑制の効果は平衡に達し、ポリエステル系繊維構造物を溶融紡糸する際にゲル化し、物性の低下や加工特性の低下を招くため好ましくない。
また、シリコーン系化合物はQ単位の構造単位のみからなる場合を除いて、Si元素と結合する有機基を含有しており、ここでいう本発明のシリコーン系化合物の有機基としては水素基、水酸基、炭化水素基、芳香族炭化水素基などが挙げられる。
炭化水素基の具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ビニル基、アリル基、メタクリル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
芳香族炭化水素基としてはフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
シリコーン系化合物の汎用性や耐熱性の観点から有機基は水酸基、メチル基、フェニル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基をシリコーン系化合物中に含まれる全有機基に対してモル比で85%以上含むことが好ましい。
また、ここでいう本発明のシリコーン系化合物はGPCで測定されポリスチレン換算で求められる重量平均分子量がポリエステル系繊維への分散性の観点から500以上100000以下の範囲が好ましく、更に好ましくは1000以上10000以下の範囲である。重量平均分子量が該範囲を上回ると溶融紡糸の際にシリコーン系化合物の粘度が高く、シリコーン系化合物の分散性が悪化するため製糸性の低下を招く場合があり、本発明の範囲を下回ってもシリコーン系化合物の分散性が悪化するため製糸性の低下を招く場合がある。
また、ここでいう本発明のポリエステル系繊維とシリコーン系化合物の配合比はドリップ抑制の効果、難燃性の観点から100:0.1以上100:10未満の範囲が必要であり、更に好ましくは100:1以上100:8以下である。
また、ここでいう本発明のポリエステル系繊維はポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートの石油系ポリエステルのいずれかであるほか、ポリ−L−乳酸、ポリ−D−乳酸の非石油系ポリエステルのいずれかである。
ポリエステル系繊維は本発明の繊維構造物中に主成分として含有していることが好ましく、繊維構造物に対して重量比で70%以上含有していることが好ましいがこの限りではなく、ドリップ抑制の効果や難燃性、樹脂組成物の物性低下や加工特性の低下が無い範囲で他の繊維との混紡や混繊などが可能である。
また、ここでいう本発明のポリエステル系繊維構造物はフィラメントやステープルとして好適に用いることが可能であり、例えば衣料用途のフィラメントとしては単糸繊度が0.1dtexから20dtexの範囲が好適であり、総繊度として50dtexから300dtexでフィラメント数が10から100本の範囲が好適である。
また、このようにして得られたフィラメントは例えば一重組織である三原組織や変化組織、二重組織であるよこ二重組織やたて二重組織などの織物に製織し、繊維構造物として得ることができる。
また、このときの繊維構造物の質量は50g/m2以上500g/m2以下の範囲が好適である。
また、例えば産業用途のフィラメントとしては単糸繊度が20Dtexから1000Dtexの範囲が好適であり、総繊度として100Dtexから10000Dtexでフィラメント数が10から100本の範囲が好適である。
また、このようにして得られたフィラメントは衣料用途と同様に例えば一重組織である三原組織や変化組織、二重組織であるよこ二重組織やたて二重組織などの織物に製織し、繊維構造物として得ることができる。
また、このときの繊維構造物の質量は300g/m2以上1500g/m2以下の範囲が好適である。
このようにして本発明のポリエステル系繊維構造物は織物や編み物、不織布などの布帛形態として得ることが可能であり、繊維製品として特にドリップ抑制の効果や難燃性が必要な繊維製品、例えばカーシートやカーマットなどの車両内装材、カーテン、カーペット、椅子張り地などのインテリア素材、衣料素材などでドリップが抑制され、且つ難燃性を発現する繊維製品として好適に用いることができる。
次に本発明の製造方法に関して詳細に説明する。
ポリエステル系樹脂組成物の製造方法としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートでは一般的な重合方法で製造することができ、例えばアンチモン化合物、チタン化合物、ゲルマニウム化合物、アルミニウム化合物を主たる触媒として、ジカルボン酸または及び/又はそのエステル形成誘導体とジオール及び/又はそのエステル形成誘導体からエステル化反応により合成することで製造することができる。
また、ポリ乳酸も既知の任意の重合方法で製造することが可能であり、例えばL−乳酸を原料として用い、一旦、無水環状二量体であるラクチドを生成し、その後、開環重合する方法(ラクチド法)で製造することができる。
次に本発明でいうシリコーン系化合物の製造方法としては、一般的な重縮合によって製造することができる。例えばR3SiOCl(トリオルガノクロロシラン)、R2SiOCl2(ジオルガノジクロロシラン)、RSiOCl3(モノオルガノトリクロロシラン)、SiOCl4(テトラクロロシラン)をモノマーとして用い、目的とするM、D、T、Q単位のいずれかから構成されるシリコーン系化合物をR3SiOCl(M単位に相当)、R2SiOCl2(D単位に相当)、RSiOCl3(T単位に相当)、SiOCl4(Q単位に相当)から所望のモル比で酸もしくはアルカリの触媒下で縮合せしめ、シリコーン系化合物を合成する方法で製造することができる。
また、シリコーン系化合物に含有される各有機基の含有量は前記したモノマーのRを所望の有機基で置換しておくことで、所望の量の有機基を含有したシリコーン系化合物を製造することができる。
また、シリコーン系化合物に含有されるシラノール基の含有量は反応時間によって制御可能であるが、シラノール基を制御するために封鎖剤としてR3SiOClやR3SiOHをシラノール基と反応させることでシラノール基の含有量を制御することも可能である。このシラノール基の含有量の測定は29Si−NMRなどにより測定可能である。
また、シリコーン系化合物の重量平均分子量は製造時の反応時間によって制御可能であり、分子量の測定はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定し、ポリスチレン換算で算出することができる。
このようにして製造できるシリコーン系化合物をポリエステル系樹脂組成物に付与する方法としては、例えばシリコーン系化合物をポリエステル系樹脂の重合時に添加する方法、ポリエステル系樹脂とシリコーン系化合物を2軸押し出し機やバンバリーミキサーなどの溶融混練機で付与する方法が挙げられるが、ポリエステル系樹脂組成物中にシリコーン系化合物を付与することができればこれに限るものではない。
具体的には例えば、L/Dが30の二軸押し出し機を用いてポリエステル系樹脂としてIV:0.65ポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、ポリエチレンテレフタレート樹脂とシリコーン系化合物を所望の組成で供給し、加工温度290℃、吐出量5kg/hr、スクリュー回転数300rpmの条件で加工することで目的とする樹脂組成物を得ることができる。
また、樹脂成型品の製造方法としては射出成型法、押し出し成型法、圧縮成型法、真空成型法などの成型方法により、所望の形に成型することができ、その工程に影響を受けるものではない。
また、フィルムの製造方法についても一般的な延伸、後加工を採用でき、その行程に影響を受けるものではない。
次にポリエステル系繊維構造物の製造方法について説明する。
ポリエステル系繊維構造物の製造方法としては、一般的な溶融紡糸機を用いて製造することが可能である。
具体的な例として例えば、ポリエステル系樹脂としてIV(固有粘度)が0.65のポリエチレンテレフタレートを用いたポリエチレンテレフタレートとシリコーン系化合物の繊維構造物の製造方法としては、前記した樹脂組成物の製造方法により、ポリエチレンテレフタレートとシリコーン系化合物が2軸押し出し機により溶融混練された樹脂組成物を3mmのチップ形状にカッティングした後、150℃、12時間、2Torrでチップを乾燥し、該チップをプレッシャーメルター型の溶融紡糸機のホッパーに仕込み、紡糸温度290℃、紡糸速度1500m/min、吐出量40g/minで溶融紡糸を行うことで未延伸を得た後、延伸機により延伸温度90℃、セット温度130℃、延伸倍率3〜5倍、加工速度400m/minで延伸し、延伸糸を得ることが可能であり、この延伸糸を用いて仮撚り加工糸、織物、編み物などの繊維構造物を得ることができる。
また、本発明のポリエステル系樹脂組成物には目的に応じて既存の添加剤、例えば酸化防止剤、耐光剤、耐電防止剤、有機顔料、無機顔料、分散剤、滑剤、増粘剤、充填剤、炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン等の粒子などの添加剤が含有されていても良い。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。
まず、実施例及び比較例におけるシリコーン系化合物の調製を下記の通り行い、表1に示すシリコーン系化合物1から16を得た。
<M、D、T、Q単位の割合の調製>R3SiOCl(M単位に相当)、R2SiOCl2(D単位に相当)、RSiOCl3(T単位に相当)、SiOCl4(Q単位に相当)を所望のモル比にて混合したのち水にて加水分解し、発生する塩酸はメタノールによって取り除いた。次いで、水酸化カリウムを触媒として縮合し、M、D、T、Q単位の割合が異なるシリコーン系化合物を製造した。
<フェニル基、メチル基の割合の調整>前記したR部分をそれぞれフェニル基、メチル基で置換し、モル比でフェニル基、メチル基の割合の異なるシリコーン系化合物を調製した。
<シラノール基の含有量の調整>シリコーン系化合物を縮合する際の反応時間を各々調整し、得られたシリコーン系化合物を29Si−NMRにより溶媒としてCDCl3、標準物質としてTMS(テトラメチルシラン)用いて、積算回数256回で測定し、シラノール基を含有しない構造由来のSiO2.0、RSiO1.5、R2SiO1.0、R3SiO0.5のピークの面積(積分値)とシラノール基を含有する構造由来のSi(OH)4、SiO0.5(OH)3、SiO1.0(OH)2、SiO1.5(OH)、RSi(OH)3、RSiO0.5(OH)2、RSiO1.0(OH)、R2Si(OH)2、R2SiO0.5(OH)、R3Si(OH)のピークの面積(積分値)の比からRSiO1.0(OH)とRSiO1.5の各々の積分値の比からシラノール基量(wt%)を算出した。
<重量平均分子量の測定>シリコーン系化合物を縮合する際の反応時間を各々調整し、得られたシリコーン系化合物をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて、ポリスチレン換算の重量平均分子量を測定した。
また、各実施例における燃焼評価については下記の通り行った。
<樹脂組成物のドリップ性の評価方法>長さ125mm±5mm、幅13.0mm±0.5mm、厚さ3mmの平板を試験片として作製し、アンダーラーターズ・ラボラトリーズが定める20mm垂直燃焼試験(UL94V)に準じて10秒間接炎後のドリップの回数を評価した。
<繊維構造物のドリップ性の評価方法>長さ100mm、質量1gの繊維構造物を試験片として作製し、JIS L 1091(1992) D法に準じて評価したときの接炎後のドリップの回数を評価した。
<酸素指数(LOI)の測定>樹脂組成物の評価では長さ150mm、幅6.5mm±0.5mm、厚さ3mmの平板を試験片として作製した。また、繊維構造物の評価では長さ150mm、幅60mmの繊維布帛を作製し、JIS K 7201(1976)(酸素指数法による高分子材料の燃焼試験方法)に準じて酸素指数を求めた。
<糸物性の測定方法>オリエンテック社製テンシロンUCT−100型を用い、試料長20cm、引張速度100mm/minの条件で引張試験を行って、最大荷重を示した点の応力を繊維の強度(cN/dtex)とした。また、破断時の伸度を繊維の伸度(%)とした。
実施例1〜8、比較例1〜5
母材となる樹脂として固有粘度(IV)が0.65のポリエチレンテレフタレートを用い、表1に示すシリコーン系化合物1〜8を用いてポリエチレンテレフタレートとシリコーン系化合物の配合比を95wt%:5wt%として、混練温度:275℃、L/D:30、スクリュー回転数:300rpmの条件で2軸押し出し機を用いて混練を行い、ポリエチレンテレフタレート中にシリコーン系化合物を含有した樹脂組成物を得た。
母材となる樹脂として固有粘度(IV)が0.65のポリエチレンテレフタレートを用い、表1に示すシリコーン系化合物1〜8を用いてポリエチレンテレフタレートとシリコーン系化合物の配合比を95wt%:5wt%として、混練温度:275℃、L/D:30、スクリュー回転数:300rpmの条件で2軸押し出し機を用いて混練を行い、ポリエチレンテレフタレート中にシリコーン系化合物を含有した樹脂組成物を得た。
その後、得られた樹脂組成物を樹脂組成物のドリップ性の評価方法と酸素指数の評価方法における条件準じて成型し、ドリップ性の評価と難燃性の指標である酸素指数(LOI値)の測定を行った。
なお、比較例1はシリコーン系化合物を含まないので、混練は行わずに直接成型して、ドリップ性の評価と酸素指数の測定を行った。
その結果、表2に示すとおり、実施例1〜8はドリップが無く、比較例1〜5と比較して高いドリップ抑制の効果を示し、また難燃性の指標であるLOIも比較例1〜5と比較して高いLOI値を示し、ドリップ抑制の効果と難燃性に優れている結果が得られた。
実施例9〜16、比較例6〜10
実施例1〜8、比較例1〜5により得られたポリエチレンテレフタレートとシリコーン系化合物の樹脂組成物を3mm角のチップにカッティングし、その後、得られたチップを真空乾燥機で150℃、12時間、2Torrで乾燥した後、紡糸温度290℃、紡糸速度1500m/min、口金口径0.23mm−24H(ホール)、吐出量40g/minの条件で紡糸を行い、ポリエチレンテレフタレートとシリコーン系化合物の組成比が95wt%:5wt%の未延伸を得た後、次いで延伸機を用いて加工速度400m/min、延伸温度90℃、セット温度130℃の条件で延伸糸の繊度が85dtex−24フィラメントになるような延伸倍率で延伸を行い、延伸糸を得た後、糸物性として繊度、強度、伸度を測定した。
実施例1〜8、比較例1〜5により得られたポリエチレンテレフタレートとシリコーン系化合物の樹脂組成物を3mm角のチップにカッティングし、その後、得られたチップを真空乾燥機で150℃、12時間、2Torrで乾燥した後、紡糸温度290℃、紡糸速度1500m/min、口金口径0.23mm−24H(ホール)、吐出量40g/minの条件で紡糸を行い、ポリエチレンテレフタレートとシリコーン系化合物の組成比が95wt%:5wt%の未延伸を得た後、次いで延伸機を用いて加工速度400m/min、延伸温度90℃、セット温度130℃の条件で延伸糸の繊度が85dtex−24フィラメントになるような延伸倍率で延伸を行い、延伸糸を得た後、糸物性として繊度、強度、伸度を測定した。
その後、得られた延伸糸を筒編み機で編物の繊維構造物を作製し、繊維構造物のドリップ性の評価方法と酸素指数の評価方法に準じて試験片を作製した後、繊維構造物のドリップ性の評価と酸素指数(LOI値)の測定を行った。
尚、比較例6はポリエチレンテレフタレート単体なので、混練は行わずに直接紡糸、延伸、筒編みして、燃焼評価における条件に裁断し、酸素指数の測定を行った。
その結果、表3に示すとおり、実施例9〜16はドリップが無く、比較例6〜10と比較して高いドリップ抑制の効果を示し、また難燃性の指標であるLOIも比較例6〜10と比較して高いLOI値を示し、ドリップ抑制の効果と難燃性に優れている結果が得られた。
実施例17、比較例11
ポリエステル系ポリマーとしてIV:0.65であるポリプロピレンテレフタレートを用い、シリコーン系化合物として前記した製法によって得られる表1のシリコーン系化合物1を用い、ポリプロピレンテレフタレート:シリコーン系化合物=95wt%:5wt%の配合比で混練温度:250℃、L/D:30、スクリュー回転数:300rpmの条件で2軸押し出し機を用いて混練を行い、ポリプロピレンテレフタレート中にシリコーン系化合物を混合した。
ポリエステル系ポリマーとしてIV:0.65であるポリプロピレンテレフタレートを用い、シリコーン系化合物として前記した製法によって得られる表1のシリコーン系化合物1を用い、ポリプロピレンテレフタレート:シリコーン系化合物=95wt%:5wt%の配合比で混練温度:250℃、L/D:30、スクリュー回転数:300rpmの条件で2軸押し出し機を用いて混練を行い、ポリプロピレンテレフタレート中にシリコーン系化合物を混合した。
その後、得られた樹脂組成物を各評価における条件に成型し、LOI、ドリップ性の評価を行った。尚、比較例11はシリコーン系化合物を含まないので、混練は行わずに直接成型して、LOI、ドリップ性の評価を行った。
その結果、表4に示すとおり、実施例17はドリップが無く、比較例11と比較して高いドリップ抑制の効果を示し、また難燃性の指標であるLOIも比較例11と比較して高いLOI値を示し、ドリップ抑制の効果と難燃性に優れている結果が得られた。
実施例18、比較例12
ポリエステル系ポリマーとしてIV:0.64であるポリブチレンテレフタレートを用い、シリコーン系化合物として前記した製法によって得られる表1のシリコーン系化合物1を用い、ポリブチレンテレフタレート:シリコーン系化合物=95wt%:5wt%の配合比で混練温度:250℃、L/D:30、スクリュー回転数:300rpmの条件で2軸押し出し機を用いて混練を行い、ポリブチレンテレフタレート中にシリコーン系化合物を混合した。
ポリエステル系ポリマーとしてIV:0.64であるポリブチレンテレフタレートを用い、シリコーン系化合物として前記した製法によって得られる表1のシリコーン系化合物1を用い、ポリブチレンテレフタレート:シリコーン系化合物=95wt%:5wt%の配合比で混練温度:250℃、L/D:30、スクリュー回転数:300rpmの条件で2軸押し出し機を用いて混練を行い、ポリブチレンテレフタレート中にシリコーン系化合物を混合した。
その後、得られた樹脂組成物を各評価における条件に成型し、LOI、ドリップ性の評価を行った。尚、比較例12はシリコーン系化合物を含まないので、混練は行わずに直接成型して、LOI、ドリップ性の評価を行った。
その結果、表5に示すとおり、実施例18はドリップが無く、比較例12と比較して高いドリップ抑制の効果を示し、また難燃性の指標であるLOIも比較例12と比較して高いLOI値を示し、ドリップ抑制の効果と難燃性に優れている結果が得られた。
実施例19、比較例13
ポリエステル系ポリマーとして重量平均分子量が15.1万のポリ−L−乳酸ポリマーを用い、シリコーン系化合物として前記した製法によって得られる表1のシリコーン系化合物1を用い、ポリ乳酸:シリコーン系化合物=95wt%:5wt%の配合比で混練温度:200℃、L/D:30、スクリュー回転数:300rpmの条件で2軸押し出し機を用いて混練を行い、ポリ乳酸中にシリコーン系化合物を混合した。
ポリエステル系ポリマーとして重量平均分子量が15.1万のポリ−L−乳酸ポリマーを用い、シリコーン系化合物として前記した製法によって得られる表1のシリコーン系化合物1を用い、ポリ乳酸:シリコーン系化合物=95wt%:5wt%の配合比で混練温度:200℃、L/D:30、スクリュー回転数:300rpmの条件で2軸押し出し機を用いて混練を行い、ポリ乳酸中にシリコーン系化合物を混合した。
その後、得られた樹脂組成物を各評価における条件に成型し、LOI、ドリップ性の評価を行った。尚、比較例13はシリコーン系化合物を含まないので、混練は行わずに直接成型して、LOI、ドリップ性の評価を行った。
その結果、表6に示すとおり、実施例19はドリップが無く、比較例13と比較して高いドリップ抑制の効果を示し、また難燃性の指標であるLOIも比較例13と比較して高いLOI値を示し、ドリップ抑制の効果と難燃性に優れている結果が得られた。
Claims (11)
- ポリエステル系樹脂からなる樹脂組成物において、該樹脂組成物中にRSiO1.5(Rは有機基)で示される構造単位を少なくとも含むシリコーン系化合物を含有してなり、該シリコーン系化合物のシラノール基量が重量比で2%以上10%以下であり、且つポリエステル系樹脂とシリコーン系化合物の配合比が100:0.1以上100:10未満であることを特徴とするポリエステル系樹脂組成物。
- シリコーン系化合物に含まれる有機基がフェニル基であり、且つフェニル基の含有量がモル比で85%以上であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル系樹脂組成物。
- シリコーン系化合物の重量平均分子量が500以上100000以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリエステル系樹脂組成物。
- シリコーン系化合物がRSiO1.5構造単位をモル比で90%以上含有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のポリエステル系樹脂組成物。
- ポリエステル系樹脂がポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸のいずれかからなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のポリエステル系樹脂組成物。
- ポリエステル系樹脂組成物が樹脂成型物であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のポリエステル系樹脂組成物。
- ポリエステル系樹脂組成物がチップ、フレーク、パウダーのいずれかの形態であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のポリエステル系樹脂組成物。
- ポリエステル系繊維からなる繊維構造物において、該繊維構造物中にRSiO1.5(Rは有機基)で示される構造単位を少なくとも含むシリコーン系化合物を含有してなり、該シリコーン系化合物のシラノール基量が重量比で2%以上10%以下であり、且つポリエステル系樹脂とシリコーン系化合物の配合比が100:0.1以上100:10未満であることを特徴とするポリエステル系繊維構造物。
- ポリエステル系繊維構造物がフィラメントであることを特徴とする請求項8に記載のポリエステル系繊維構造物。
- ポリエステル系繊維構造物がステープルであることを特徴とする請求項8に記載のポリエステル系繊維構造物。
- ポリエステル系繊維構造物が繊維製品であることを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載のポリエステル系繊維構造物。
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2005
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