JP2006232966A - (メタ)アクリル樹脂の分解方法 - Google Patents
(メタ)アクリル樹脂の分解方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006232966A JP2006232966A JP2005048582A JP2005048582A JP2006232966A JP 2006232966 A JP2006232966 A JP 2006232966A JP 2005048582 A JP2005048582 A JP 2005048582A JP 2005048582 A JP2005048582 A JP 2005048582A JP 2006232966 A JP2006232966 A JP 2006232966A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- meth
- acrylic resin
- solution
- reactor
- solvent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W30/00—Technologies for solid waste management
- Y02W30/50—Reuse, recycling or recovery technologies
- Y02W30/62—Plastics recycling; Rubber recycling
Landscapes
- Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
Abstract
【課題】 モノマー収率の高い(メタ)アクリル樹脂の分解方法を提供する。
【解決手段】 (メタ)アクリル樹脂が溶解した溶液を加熱して、前記(メタ)アクリル樹脂を分解する方法において、前記溶液中に不活性ガスおよび/または水蒸気を供給しながら加熱するか、あるいは、前記溶液が入れられた反応器を該反応器の下方から下記式(1)の条件下で加熱するか、少なくとも一方を採用する。ただし式(1)中、Dは前記溶液からなる層の厚さ、Sは前記反応器における加熱される部分の面積を示す。
D≦0.2×S1/2 ・・・(1)
【選択図】 なし
【解決手段】 (メタ)アクリル樹脂が溶解した溶液を加熱して、前記(メタ)アクリル樹脂を分解する方法において、前記溶液中に不活性ガスおよび/または水蒸気を供給しながら加熱するか、あるいは、前記溶液が入れられた反応器を該反応器の下方から下記式(1)の条件下で加熱するか、少なくとも一方を採用する。ただし式(1)中、Dは前記溶液からなる層の厚さ、Sは前記反応器における加熱される部分の面積を示す。
D≦0.2×S1/2 ・・・(1)
【選択図】 なし
Description
本発明は(メタ)アクリル樹脂を加熱、分解してモノマーを回収する方法に関する。
(メタ)アクリル樹脂を加熱して分解することにより、該樹脂を構成するモノマーを回収できることが知られている。
具体的な回収方法としては、流動層や押出し機を利用した方法や、(メタ)アクリル樹脂を溶媒に溶解した状態で熱分解し、モノマーを回収する方法などが知られている。溶媒に溶解して熱分解する方法では、通常、熱分解により生成したモノマーは気体として反応器の外へと出ていき、その後冷却されることにより液体として回収される。このような方法によれば、固体である(メタ)アクリル樹脂を液状で取り扱える点で好ましい。
(メタ)アクリル樹脂を溶媒に溶解して分解し、モノマーを回収する方法としては、特許文献1に開示された方法がある。
特開2000−327831号公報
具体的な回収方法としては、流動層や押出し機を利用した方法や、(メタ)アクリル樹脂を溶媒に溶解した状態で熱分解し、モノマーを回収する方法などが知られている。溶媒に溶解して熱分解する方法では、通常、熱分解により生成したモノマーは気体として反応器の外へと出ていき、その後冷却されることにより液体として回収される。このような方法によれば、固体である(メタ)アクリル樹脂を液状で取り扱える点で好ましい。
(メタ)アクリル樹脂を溶媒に溶解して分解し、モノマーを回収する方法としては、特許文献1に開示された方法がある。
しかしながら、本発明者らがこの方法に従って(メタ)アクリル樹脂を加熱分解したところ、回収されたモノマーの量が少なく、モノマー収率が低いという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、モノマー収率の高い(メタ)アクリル樹脂の分解方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、モノマー収率を向上させるためには、生成したモノマーの副反応を抑えることが必要であり、そのためには、生成したモノマーの反応器外への移行を促し、モノマーの反応器内での滞留を抑えることが重要であるとの知見を得て、本発明を完成するに至った。
本発明の第1の分解方法は、(メタ)アクリル樹脂が溶解した溶液を加熱して、前記(メタ)アクリル樹脂を分解する方法において、前記溶液中に不活性ガスおよび/または水蒸気を供給しながら加熱することを特徴とする。
本発明の第2の分解方法は、(メタ)アクリル樹脂が溶解した溶液を加熱して、前記(メタ)アクリル樹脂を分解する方法において、前記溶液が入れられた反応器を該反応器の下方から下記式(1)の条件下で加熱することを特徴とする。
D≦0.2×S1/2・・・(1)
ただし式(1)中、Dは溶液からなる層(以下、溶液層という。)の厚さ、Sは反応器における加熱される部分の面積を示す。
また、(メタ)アクリル樹脂と該(メタ)アクリル樹脂以外の物質とからなる対象物を溶媒に加えて、溶質の主成分が前記(メタ)アクリル樹脂である溶液と、主成分が前記物質である固体とからなるスラリーを調製するスラリー調製工程と、前記スラリーを前記溶液と前記固体とに分離する分離工程と、前記溶液を加熱して、該溶液中の前記(メタ)アクリル樹脂を分解する分解工程とを有する方法においては、前記分解工程を前記第1の分解方法および/または前記第2の分解方法で行うことが好ましい。
本発明の第1の分解方法は、(メタ)アクリル樹脂が溶解した溶液を加熱して、前記(メタ)アクリル樹脂を分解する方法において、前記溶液中に不活性ガスおよび/または水蒸気を供給しながら加熱することを特徴とする。
本発明の第2の分解方法は、(メタ)アクリル樹脂が溶解した溶液を加熱して、前記(メタ)アクリル樹脂を分解する方法において、前記溶液が入れられた反応器を該反応器の下方から下記式(1)の条件下で加熱することを特徴とする。
D≦0.2×S1/2・・・(1)
ただし式(1)中、Dは溶液からなる層(以下、溶液層という。)の厚さ、Sは反応器における加熱される部分の面積を示す。
また、(メタ)アクリル樹脂と該(メタ)アクリル樹脂以外の物質とからなる対象物を溶媒に加えて、溶質の主成分が前記(メタ)アクリル樹脂である溶液と、主成分が前記物質である固体とからなるスラリーを調製するスラリー調製工程と、前記スラリーを前記溶液と前記固体とに分離する分離工程と、前記溶液を加熱して、該溶液中の前記(メタ)アクリル樹脂を分解する分解工程とを有する方法においては、前記分解工程を前記第1の分解方法および/または前記第2の分解方法で行うことが好ましい。
本発明によれば、モノマー収率の高い(メタ)アクリル樹脂の分解方法を提供できる。
以下本発明について、実施形態例を挙げて詳細に説明する。
[第1の実施形態例]
図1は、(メタ)アクリル樹脂が溶媒中に溶解している溶液(以下、(メタ)アクリル樹脂溶液という。)を加熱して、(メタ)アクリル樹脂を分解する際に好適に使用される反応システム10Aである。この反応システム10Aは、(メタ)アクリル樹脂溶液が入れられた反応器11と、この反応器11を加熱するための加熱手段12と、(メタ)アクリル樹脂溶液中に不活性ガスを供給するためのガス吐出装置13と、反応器11から排出される気体を冷却して液体と気体とに分離する冷却器14と、冷却器14で分離された液体を回収する回収器15とを備えて構成されている。
[第1の実施形態例]
図1は、(メタ)アクリル樹脂が溶媒中に溶解している溶液(以下、(メタ)アクリル樹脂溶液という。)を加熱して、(メタ)アクリル樹脂を分解する際に好適に使用される反応システム10Aである。この反応システム10Aは、(メタ)アクリル樹脂溶液が入れられた反応器11と、この反応器11を加熱するための加熱手段12と、(メタ)アクリル樹脂溶液中に不活性ガスを供給するためのガス吐出装置13と、反応器11から排出される気体を冷却して液体と気体とに分離する冷却器14と、冷却器14で分離された液体を回収する回収器15とを備えて構成されている。
使用される(メタ)アクリル樹脂は、アクリル酸、メタクリル酸、およびそれらのエステルなどのモノマーを主な構成単位として有するものである。アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル等が挙げられ、メタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル等が挙げられる。なお、これらのモノマーの沸点は約60〜170℃の範囲である。
(メタ)アクリル樹脂としては、モノマー収率が高いことから、メタクリル酸メチルの含有量が50質量%以上、さらには70質量%以上である単量体から製造されたものが好ましい。また、単量体は、共重合成分として、無水マレイン酸、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル等のモノマーを含んでいてもよい。これらのモノマーを含む場合、その単量体中の含有量は、通常30質量%以下、好ましくは10質量%以下である。
(メタ)アクリル樹脂としては、モノマー収率が高いことから、メタクリル酸メチルの含有量が50質量%以上、さらには70質量%以上である単量体から製造されたものが好ましい。また、単量体は、共重合成分として、無水マレイン酸、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル等のモノマーを含んでいてもよい。これらのモノマーを含む場合、その単量体中の含有量は、通常30質量%以下、好ましくは10質量%以下である。
(メタ)アクリル樹脂溶液は、(メタ)アクリル樹脂が溶解している限り、(メタ)アクリル樹脂を溶解する際に同伴される添加剤などを含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、シリカ、炭酸カルシウム、ガラス繊維、タルク、クレイ等の充填剤が挙げられる。充填剤の配合量は、通常、(メタ)アクリル樹脂と充填剤との合計100質量部のうち、0.1〜75質量部である。また、その他の添加剤としては、顔料、染料、補強剤、各種安定剤等が挙げられる。これら添加物は、溶媒に溶解していても、固体として存在していてもよい。
(メタ)アクリル樹脂溶液の溶媒は、(メタ)アクリル樹脂を溶解するものが使用でき、具体的には、ビフェニール/ジフェニールオキサイド系混合溶媒、ベンジルトルエン系溶媒、ジベンジルトルエン系溶媒、重質アルキルベンゼン系溶媒などが使用できる。
ビフェニール/ジフェニールオキサイド系混合溶媒の例として、ダウサームA(沸点257℃、綜研化学(株))、サームエス300(沸点257℃、新日鐵化学(株))が挙げられる。ベンジルトルエン系溶媒の例として、NeO SK−Oil 1300(沸点291℃、綜研化学(株))が挙げられる。ジベンジルトルエン系溶媒の例として、NeO SK−Oil 1400(沸点391℃、綜研化学(株))、バーレルサーム400(沸点390℃、松村石油(株))が挙げられる。重質アルキルベンゼン系溶媒の例として、バーレルサーム200(沸点382℃、松村石油(株))が挙げられる。
(メタ)アクリル樹脂は、通常250℃以上で分解を始めるので、沸点(大気圧)が250℃以上の溶媒を使用する場合には、大気圧下で分解でき、沸点(大気圧)が250℃未満の溶媒を使用する場合には、加圧下で分解できる。
ビフェニール/ジフェニールオキサイド系混合溶媒の例として、ダウサームA(沸点257℃、綜研化学(株))、サームエス300(沸点257℃、新日鐵化学(株))が挙げられる。ベンジルトルエン系溶媒の例として、NeO SK−Oil 1300(沸点291℃、綜研化学(株))が挙げられる。ジベンジルトルエン系溶媒の例として、NeO SK−Oil 1400(沸点391℃、綜研化学(株))、バーレルサーム400(沸点390℃、松村石油(株))が挙げられる。重質アルキルベンゼン系溶媒の例として、バーレルサーム200(沸点382℃、松村石油(株))が挙げられる。
(メタ)アクリル樹脂は、通常250℃以上で分解を始めるので、沸点(大気圧)が250℃以上の溶媒を使用する場合には、大気圧下で分解でき、沸点(大気圧)が250℃未満の溶媒を使用する場合には、加圧下で分解できる。
(メタ)アクリル樹脂溶液中の(メタ)アクリル樹脂と溶媒との割合は、(メタ)アクリル樹脂を1回しか供給しない、いわゆるバッチ運転の場合には、(メタ)アクリル樹脂100質量部に対して、溶媒は10〜10000質量部であることが好ましい。溶媒の量が少なすぎると、(メタ)アクリル樹脂の全量が溶解しにくい場合がある。溶媒の量が多すぎると、反応器を過度に大きくしなければならないという問題がある。工業的には、使用する溶媒の量は、(メタ)アクリル樹脂100質量部に対して100〜1000質量部が特に好ましい。
また、(メタ)アクリル樹脂を連続的に供給する場合には、その供給速度をQ(g/min)、溶媒の量をV(g)とすると、V/Qは、10≦V/Q≦1000の範囲内とすることが好ましい。V/Qを10以上とすることで、(メタ)アクリル樹脂の分解を十分に行うことができる。V/Qを1000以下とすることで、使用する溶媒の量が過度に多くなる、或いは反応器が過度に大きくなる、といったことを防げる。特に好ましい範囲は、15≦V/Q≦500である。
また、(メタ)アクリル樹脂を連続的に供給する場合には、その供給速度をQ(g/min)、溶媒の量をV(g)とすると、V/Qは、10≦V/Q≦1000の範囲内とすることが好ましい。V/Qを10以上とすることで、(メタ)アクリル樹脂の分解を十分に行うことができる。V/Qを1000以下とすることで、使用する溶媒の量が過度に多くなる、或いは反応器が過度に大きくなる、といったことを防げる。特に好ましい範囲は、15≦V/Q≦500である。
(メタ)アクリル樹脂溶液が入れられる反応器11としては特に制限はないが、溶媒として沸点(大気圧)が250℃未満のものを使用する場合には、上述したように加圧下で加熱する必要があるので、耐圧性を備えた反応器を使用する。
加熱手段12としては、特に制限はなく、図示例のようにジャケット式で熱媒を流す方法や、電気ヒータ加熱、燃料燃焼によるバーナー方式が利用できる。加熱は、反応器全体で行っても良いし、一部分だけで行っても良い。
ガス吐出装置13としては、不活性ガス源と接続されること等により、液中に不活性ガスを供給できるものであれば特に制限はなく、シングルホール式または多ホール式のノズル、金属焼結フィルターなどの気泡発生装置、ディスパージャーなどのガス分散装置等に代表される各種装置が例示できる。これらガス吐出装置13は、好ましくは反応器11内の底部に設けられる。
不活性ガスとしては、(メタ)アクリル樹脂の分解に影響を与えないとともに、生成したモノマーなどとも反応しない窒素、アルゴンなどを使用できる。
冷却器14としては、冷媒による冷却が可能なコンデンサーなどが使用でき、回収器15としては、液体を溜めることができる各種容器が使用できる。
加熱手段12としては、特に制限はなく、図示例のようにジャケット式で熱媒を流す方法や、電気ヒータ加熱、燃料燃焼によるバーナー方式が利用できる。加熱は、反応器全体で行っても良いし、一部分だけで行っても良い。
ガス吐出装置13としては、不活性ガス源と接続されること等により、液中に不活性ガスを供給できるものであれば特に制限はなく、シングルホール式または多ホール式のノズル、金属焼結フィルターなどの気泡発生装置、ディスパージャーなどのガス分散装置等に代表される各種装置が例示できる。これらガス吐出装置13は、好ましくは反応器11内の底部に設けられる。
不活性ガスとしては、(メタ)アクリル樹脂の分解に影響を与えないとともに、生成したモノマーなどとも反応しない窒素、アルゴンなどを使用できる。
冷却器14としては、冷媒による冷却が可能なコンデンサーなどが使用でき、回収器15としては、液体を溜めることができる各種容器が使用できる。
(メタ)アクリル樹脂溶液を加熱して、この溶液に溶解している(メタ)アクリル樹脂を分解する具体的方法としては、図1に示すように、まず、(メタ)アクリル樹脂溶液を反応器11に入れ、ガス吐出装置13を作動させて溶液中に不活性ガスを吹き込むとともに、加熱手段12を作動させて、(メタ)アクリル樹脂が分解する温度以上に加熱する。このような方法により、(メタ)アクリル樹脂溶液中の(メタ)アクリル樹脂は分解してモノマーとなり、モノマーはその沸点が(メタ)アクリル樹脂の分解温度よりも低いために気体となり、吹き込まれた不活性ガスに同伴されて冷却器14へと送られる。冷却器14では、モノマーは冷却されて液体となり、回収器15に回収され、不活性ガスは気体のまま系外に排気される。なお、回収器15には、モノマーの他、一部の副生成物や溶媒も回収される。
なお、使用される(メタ)アクリル樹脂溶液は、溶媒に(メタ)アクリル樹脂を溶解させてあらかじめ調製しておいてもよいし、溶媒のみを反応器11に入れて加熱しておいてその中に(メタ)アクリル樹脂または(メタ)アクリル樹脂の高濃度溶液を加える方法で調製してもよく、制限はない。また、反応システム10Aの運転方式は、(メタ)アクリル樹脂溶液をあらかじめ所定量反応器に供給するバッチ式でも、連続的に供給する連続式でもよい。
なお、使用される(メタ)アクリル樹脂溶液は、溶媒に(メタ)アクリル樹脂を溶解させてあらかじめ調製しておいてもよいし、溶媒のみを反応器11に入れて加熱しておいてその中に(メタ)アクリル樹脂または(メタ)アクリル樹脂の高濃度溶液を加える方法で調製してもよく、制限はない。また、反応システム10Aの運転方式は、(メタ)アクリル樹脂溶液をあらかじめ所定量反応器に供給するバッチ式でも、連続的に供給する連続式でもよい。
このような方法によれば、(メタ)アクリル樹脂の分解により生成したモノマーは、不活性ガスに同伴されて速やかに反応器11の外へと送られるので、反応器11内に滞留することがない(滞留抑制効果)。また、不活性ガスは溶媒には溶けないので、このような不活性ガスによって希釈された気体状のモノマーも溶媒に溶けにくくなるという効果(溶解抑制効果)も生じる。よって、これら滞留抑制効果および溶解抑制効果によりモノマーの副反応が抑制され、反応器11内に蓄積されたり、モノマーとともに反応器11の外に移行したりする副生成物が低減でき、モノマー収率が高くなる。さらに、不活性ガスの供給により、反応器11内が攪拌されるという撹拌効果も発現するため、反応器11内に攪拌機を設置しなくても、効率的に分解が進行するという効果も得られる。なお、必要に応じて、攪拌機を別途設置してもよい。
このような方法によれば、回収器15に回収されるモノマーと副生成物からなる液状の樹脂分解物の収率(以下、樹脂分解物収率という。)が90%以上、樹脂分解物中のモノマー濃度が90%以上となり、モノマー収率81%以上を達成することができる。
このような方法によれば、回収器15に回収されるモノマーと副生成物からなる液状の樹脂分解物の収率(以下、樹脂分解物収率という。)が90%以上、樹脂分解物中のモノマー濃度が90%以上となり、モノマー収率81%以上を達成することができる。
(メタ)アクリル樹脂溶液の加熱を大気圧下で行う場合には、(メタ)アクリル樹脂溶液の具体的な加熱温度は、(メタ)アクリル樹脂を短時間で分解するという観点からは高い方が好ましいため、溶媒の大気圧での沸点になるべく近い温度とすることが好ましい。しかしながら、このような場合には、生成したモノマーとともに多量の溶媒が回収器15まで送られてしまい、回収されたモノマーと溶媒とを分離する工程に大きなエネルギーを要する。よって、このように分離が必要となる溶媒の量を低減するという観点からは、加熱温度を溶媒の沸点よりも10℃低い温度以下とし、反応器11内における溶媒の蒸気圧を低くして、溶媒の反応器11外への移行を抑制することが好ましい。その結果、モノマーと溶媒とを蒸留などで分離する際に要するエネルギーが抑制される。具体的には、このように加熱温度を溶媒の沸点よりも10℃低い温度以下とすることで、以下のように定義されるモノマーへの溶媒混入率を5%以下とすることができる。
また、(メタ)アクリル樹脂溶液の加熱は加圧下で行ってもよい。加圧することにより、溶媒の大気圧での沸点以上に加熱することができ、(メタ)アクリル樹脂の分解をより短時間で行うことができる。その際の圧力は、使用する溶媒の蒸気圧によって決められる。
不活性ガスの供給温度には特に制限はなく、室温のまま供給しても、加熱して供給してもよい。また、不活性ガスの好ましい供給量は、(メタ)アクリル樹脂の平均的な分解速度によって異なり、平均的な分解速度をX(g/min)とした場合、不活性ガスの供給量Y(mL/min)は、Xの1倍〜100倍が好ましい。(メタ)アクリル樹脂の平均的な分解速度Xは、バッチ式の場合には、仕込んだ(メタ)アクリル樹脂の質量(g)を分解完了までに要した時間(min)で除した値であり、連続式の場合には、(メタ)アクリル樹脂の供給速度(g/min)である。YがXの1倍以上では、上述したようなモノマーの溶解抑制効果および滞留抑制効果、さらには撹拌効果が良好に発現する。また、YがXの100倍以下では、供給量が多すぎて溶媒が見かけ上膨張する、液面が不安定になるなどの不都合は生じ難い。
図2の反応システム10Bは、水蒸気を(メタ)アクリル樹脂溶液に供給しながら、(メタ)アクリル樹脂を分解する際に好適に使用されるものであって、ガス吐出装置13の前段側に、水を加熱して水蒸気とする水蒸気発生装置16が設けられている点で図1と異なっている。
水蒸気を供給する図2の反応システム10Bによっても、図1の場合と同様、モノマーの溶解抑制効果および滞留抑制効果、さらには撹拌効果が得られ、図1の場合と同等のモノマー収率を達成できる。なお、水蒸気は100℃以上で供給され、その供給量Y(mL/min)の好ましい範囲は、不活性ガスの場合と同様である。また、水蒸気を使用した場合、冷却器14において水蒸気は水となってモノマーとともに回収器15に回収されるが、モノマーとは非相溶なので、二層分離法により容易に分離できる。なお、水蒸気と不活性ガスとを共に(メタ)アクリル樹脂溶液に供給しても構わない。
[第2の実施形態例]
図3の反応システム10Cは、(メタ)アクリル樹脂溶液が入れられた底面が正方形の筒型反応器11’と、この反応器11’が載置される面(以下、加熱面という。)の全体が昇温することにより反応器を加熱する平板状ヒータ(加熱手段)12’とを具備し、(メタ)アクリル樹脂溶液が入れられた反応器11’をその下方から加熱するものである。また、この反応システム10Cは、図1および2の反応システム10A,10Bと同様の冷却器14と回収器15も備えている。
そして、図3の例においては、反応器11’内における溶液層の厚さD(=d1)と、反応器11’において平板状ヒータ12’により加熱される部分の面積Sとが、下記式(1)を満たすように調整されている。
D≦0.2×S1/2・・・(1)
図3の反応システム10Cは、(メタ)アクリル樹脂溶液が入れられた底面が正方形の筒型反応器11’と、この反応器11’が載置される面(以下、加熱面という。)の全体が昇温することにより反応器を加熱する平板状ヒータ(加熱手段)12’とを具備し、(メタ)アクリル樹脂溶液が入れられた反応器11’をその下方から加熱するものである。また、この反応システム10Cは、図1および2の反応システム10A,10Bと同様の冷却器14と回収器15も備えている。
そして、図3の例においては、反応器11’内における溶液層の厚さD(=d1)と、反応器11’において平板状ヒータ12’により加熱される部分の面積Sとが、下記式(1)を満たすように調整されている。
D≦0.2×S1/2・・・(1)
ここで、反応器において加熱手段により加熱される部分の面積(以下、加熱部の面積という。)Sとは、加熱手段により1次的に加熱される部分の面積を指し、例えば図3に示すように、加熱手段が平板状ヒータ12’であって、平板状ヒータ12’の一部を覆うように反応器11’が載置され、反応器11’の底面全体が平板状ヒータ12’と接している場合には、Sは反応器11’の底面積と等しい。一方、平板状ヒータ12’の全面を覆うように反応器がこの上に載置される場合、Sは平板状ヒータ12’の面積と等しい。
また、反応器内における溶液層の厚さDとは、例えば図3に示すように、反応器11’の底面が平面であって、かつ、底面が水平に配置されている場合には、溶液の深さd1と等しい。図4の反応システム10Dのように、使用される反応器11’の底面が平面であっても、この底面が水平ではなく傾斜するように配置されていて、しかも、溶液層の厚さを制御するための厚み制御板17が設置されていて、溶液層の液面が反応器11’の底面とほぼ平行に制御されている場合には、溶液層の厚さとは図中d2で示す部分の長さとなる。すなわち、図3および図4の例のように、加熱手段として、反応器11’を加熱する平面状の平板状ヒータ12’を具備し、平板状ヒータ12’の上に反応器11’が配置されることにより加熱される場合には、溶液層の厚さDは、平板状ヒータ12’の加熱面に対して垂直方向の溶液層の厚さとなる。また、その厚さが一定でない場合には、その平均値とする。なお、図4の反応システム10Dは、(メタ)アクリル樹脂溶液が連続供給される際に好適に採用されるものであり、溶媒は溶媒受器18に流れ落ちるようになっている。
また、反応器内における溶液層の厚さDとは、例えば図3に示すように、反応器11’の底面が平面であって、かつ、底面が水平に配置されている場合には、溶液の深さd1と等しい。図4の反応システム10Dのように、使用される反応器11’の底面が平面であっても、この底面が水平ではなく傾斜するように配置されていて、しかも、溶液層の厚さを制御するための厚み制御板17が設置されていて、溶液層の液面が反応器11’の底面とほぼ平行に制御されている場合には、溶液層の厚さとは図中d2で示す部分の長さとなる。すなわち、図3および図4の例のように、加熱手段として、反応器11’を加熱する平面状の平板状ヒータ12’を具備し、平板状ヒータ12’の上に反応器11’が配置されることにより加熱される場合には、溶液層の厚さDは、平板状ヒータ12’の加熱面に対して垂直方向の溶液層の厚さとなる。また、その厚さが一定でない場合には、その平均値とする。なお、図4の反応システム10Dは、(メタ)アクリル樹脂溶液が連続供給される際に好適に採用されるものであり、溶媒は溶媒受器18に流れ落ちるようになっている。
このように溶液層の厚さDと加熱部の面積Sとを調整したうえで(メタ)アクリル樹脂溶液を加熱して、(メタ)アクリル樹脂を分解することにより、溶液層の厚さDが小さく制御され、生成したモノマーが反応器11’の外へ出ていくために溶液中を通過する時間が短くなる。よって、モノマーの溶媒への滞留や溶解も低減することができ、モノマーの副反応が抑制され、モノマー収率が向上する。さらに好ましくは下記式(2)の条件、より好ましくは下記式(3)の条件を満たすようにすると、溶液層の厚さDが過度に小さくなることがなく、また、加熱部の面積Sが大きくなりすぎて工業的に不都合を生じてしまうこともない。
0.01×S1/2≦D≦0.2×S1/2・・・(2)
0.02×S1/2≦D≦0.15×S1/2・・・(3)
0.01×S1/2≦D≦0.2×S1/2・・・(2)
0.02×S1/2≦D≦0.15×S1/2・・・(3)
なお、第2の実施形態例で使用される(メタ)アクリル樹脂や溶媒の種類、これらの混合比率、その他の各種条件や装置などは、第1の実施形態例と同様に選択できる。
また、このように溶液層の厚さDと加熱部の面積Sを調整するとともに、図5の反応システム10Eのように、(メタ)アクリル樹脂溶液中に不活性ガスおよび/または水蒸気を供給することでより一層モノマー収率を向上させることもできる。さらに、溶液層の上方の気相部に窒素、アルゴン等の不活性ガスを供給することにより、分解で生成したモノマーの冷却器14への移行を促してもよい。
また、このように溶液層の厚さDと加熱部の面積Sを調整するとともに、図5の反応システム10Eのように、(メタ)アクリル樹脂溶液中に不活性ガスおよび/または水蒸気を供給することでより一層モノマー収率を向上させることもできる。さらに、溶液層の上方の気相部に窒素、アルゴン等の不活性ガスを供給することにより、分解で生成したモノマーの冷却器14への移行を促してもよい。
[第3の実施形態例]
本実施形態例では、(メタ)アクリル樹脂と(メタ)アクリル樹脂以外の物質とからなる混合物や複合物を対象物とし、この対象物を溶媒に加えてスラリーとし、そこから(メタ)アクリル樹脂溶液を分離し、これを上述した第1の実施形態例や第2の実施形態例のようにして分解することにより、モノマーを高収率で回収する。
すなわち、まず、(メタ)アクリル樹脂と(メタ)アクリル樹脂以外の物質とからなる対象物を溶媒に加えて、溶質の主成分が(メタ)アクリル樹脂である溶液と、主成分が(メタ)アクリル樹脂以外の物質である固体とからなるスラリーを調製する(スラリー調製工程)。ついで、このスラリーを溶液と固体とに分離し(分離工程)、得られた溶液を加熱して、溶液中の(メタ)アクリル樹脂を分解する(分解工程)。分解工程は、(メタ)アクリル樹脂溶液中に不活性ガスおよび/または水蒸気を供給しながら加熱する方法、または、(メタ)アクリル樹脂溶液が入れられた反応器を反応器の下方から(1)式の条件下で加熱する方法の少なくとも一方を採用して行う。なお、ここで主成分とは、含有量が80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは100質量%である成分を意味する。
本実施形態例では、(メタ)アクリル樹脂と(メタ)アクリル樹脂以外の物質とからなる混合物や複合物を対象物とし、この対象物を溶媒に加えてスラリーとし、そこから(メタ)アクリル樹脂溶液を分離し、これを上述した第1の実施形態例や第2の実施形態例のようにして分解することにより、モノマーを高収率で回収する。
すなわち、まず、(メタ)アクリル樹脂と(メタ)アクリル樹脂以外の物質とからなる対象物を溶媒に加えて、溶質の主成分が(メタ)アクリル樹脂である溶液と、主成分が(メタ)アクリル樹脂以外の物質である固体とからなるスラリーを調製する(スラリー調製工程)。ついで、このスラリーを溶液と固体とに分離し(分離工程)、得られた溶液を加熱して、溶液中の(メタ)アクリル樹脂を分解する(分解工程)。分解工程は、(メタ)アクリル樹脂溶液中に不活性ガスおよび/または水蒸気を供給しながら加熱する方法、または、(メタ)アクリル樹脂溶液が入れられた反応器を反応器の下方から(1)式の条件下で加熱する方法の少なくとも一方を採用して行う。なお、ここで主成分とは、含有量が80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは100質量%である成分を意味する。
(メタ)アクリル樹脂以外の物質としては、樹脂の場合、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂が挙げられる。その場合、スラリー調製工程に使用される溶媒は、(メタ)アクリル樹脂を溶解する一方で、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂をほとんど溶解しないものであって、第1の実施形態例で例示した溶媒が好適に使用できる。スラリー調製工程では、溶媒の温度を50〜200℃とすることが好ましい。50℃以上とすることで、(メタ)アクリル樹脂の溶解を促進し、短時間での溶解が可能となり、200℃以下とすることで、この工程中での(メタ)アクリル樹脂や(メタ)アクリル樹脂以外の物質の分解を抑制できる。
分離工程では、フィルターによる濾過、遠心分離などの方法により、スラリー調製工程で得られたスラリーを溶液と固体とに分離する。
そして、得られた溶液を加熱して、溶液中の(メタ)アクリル樹脂を分解する分解工程を行う。分解工程の諸条件、装置などの詳細は、第1および第2の実施形態例と同様に設定できる。
なお、スラリー調製工程と分離工程とは、図6に示すように、撹拌機21を備えた溶解槽20と、溶解槽20で調製されたスラリーを分離するフィルター24を備えた分離槽22とが、スラリーを輸送する送液ポンプ23により接続された装置により好適に実施できる。
そして、得られた溶液を加熱して、溶液中の(メタ)アクリル樹脂を分解する分解工程を行う。分解工程の諸条件、装置などの詳細は、第1および第2の実施形態例と同様に設定できる。
なお、スラリー調製工程と分離工程とは、図6に示すように、撹拌機21を備えた溶解槽20と、溶解槽20で調製されたスラリーを分離するフィルター24を備えた分離槽22とが、スラリーを輸送する送液ポンプ23により接続された装置により好適に実施できる。
このような方法によれば、他の物質と混合された混合物、あるいは、複合化された複合物として使用されることも多い(メタ)アクリル樹脂を対象物から選択的に取り出してから分解するので、回収された液体の中には他の物質に由来する成分が混入しにくい。よって、目的物であるモノマーとこれら混入成分とを蒸留などで分離する際に要するエネルギーが抑制され、モノマー収率も向上し、工業的に好適である。このような方法は、特に(メタ)アクリル樹脂を含む廃棄物から(メタ)アクリル樹脂のモノマーを回収する際に好適である。
以下、実施例を示すが、本発明は実施例により限定されるものではない。
(使用した(メタ)アクリル樹脂)
樹脂A:メタクリル酸メチル(MMAと略記)単位100質量%からなる単独重合体であり、質量平均分子量は70万(東ソー(株)のゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定、ポリスチレン換算)である。
(使用した溶媒)
溶媒A:綜研化学(株)のNeO SK−Oil 1400である。沸点(大気圧)391℃である。この溶媒は、樹脂Aをほぼ100%溶解する。
(使用した(メタ)アクリル樹脂)
樹脂A:メタクリル酸メチル(MMAと略記)単位100質量%からなる単独重合体であり、質量平均分子量は70万(東ソー(株)のゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定、ポリスチレン換算)である。
(使用した溶媒)
溶媒A:綜研化学(株)のNeO SK−Oil 1400である。沸点(大気圧)391℃である。この溶媒は、樹脂Aをほぼ100%溶解する。
実施例中、回収した液体中の溶媒の質量とMMAの質量は、ガスクロマトグラフィー((株)島津製作所製、GC−17A)で測定した。具体的には、溶媒とMMAについてあらかじめ検量線を作成しておき、回収した液体のガスクロマトグラフィーの結果から、回収した液中の溶媒の質量とMMAの質量を算出した。また、樹脂分解物の質量は、回収した液体の質量から、ガスクロマトグラフィーの結果より算出された溶媒の質量を差し引くことで求めた。
また、樹脂分解物中のモノマー濃度(MMA濃度)は、MMAの質量を樹脂分解物の質量で割ることにより算出した。
また、樹脂分解物中のモノマー濃度(MMA濃度)は、MMAの質量を樹脂分解物の質量で割ることにより算出した。
[実施例1]
図1に示す構成の反応システムにより、以下のようにして(メタ)アクリル樹脂を分解し、モノマーを回収した。
まず、200℃で樹脂A250gと、溶媒A500gとを混合し、(メタ)アクリル樹脂溶液750gを調製した。一方、底部に気泡発生装置(富士フィルター工業(株)製、焼結金属フィルター)を備えた3リットルの分解反応器(内直径15cmの円筒型)にあらかじめ溶媒Aを250g仕込み、窒素を200mL/分で供給しながら、391℃(溶媒Aの沸点)まで温度を上げてその温度を保った。そして、窒素供給を継続しながら、その溶媒中に予め調製しておいた溶液750gを一度に全量供給した。
供給直後は分解反応器の温度は270℃まで低下したので、391℃になるように加熱した。270℃から391℃までの昇温に8分を要した。溶液750gを供給した時点を開始として、30分で樹脂Aがほぼ全量分解した。この条件での樹脂Aの平均的な分解速度X(g/min)は、X=250/30=8.3g/minと計算される。
分解開始から完了までに系外に出て行ったガスを、5℃の冷媒を通したコンデンサー(冷却器)により冷却して、256gの液体を得た。
ガスクロマトグラフィーで分析した結果、256gの液の内、樹脂分解物は234g、溶媒は22gであった。樹脂分解物収率は234/250×100=93.6%であった。分解物中のMMA濃度は94.5%であった。MMA収率は93.6×94.5=88.5%と計算された。モノマーへの溶媒混入率は、22/(22+234×94.5/100)×100=9%であった。結果を表1に示す。
図1に示す構成の反応システムにより、以下のようにして(メタ)アクリル樹脂を分解し、モノマーを回収した。
まず、200℃で樹脂A250gと、溶媒A500gとを混合し、(メタ)アクリル樹脂溶液750gを調製した。一方、底部に気泡発生装置(富士フィルター工業(株)製、焼結金属フィルター)を備えた3リットルの分解反応器(内直径15cmの円筒型)にあらかじめ溶媒Aを250g仕込み、窒素を200mL/分で供給しながら、391℃(溶媒Aの沸点)まで温度を上げてその温度を保った。そして、窒素供給を継続しながら、その溶媒中に予め調製しておいた溶液750gを一度に全量供給した。
供給直後は分解反応器の温度は270℃まで低下したので、391℃になるように加熱した。270℃から391℃までの昇温に8分を要した。溶液750gを供給した時点を開始として、30分で樹脂Aがほぼ全量分解した。この条件での樹脂Aの平均的な分解速度X(g/min)は、X=250/30=8.3g/minと計算される。
分解開始から完了までに系外に出て行ったガスを、5℃の冷媒を通したコンデンサー(冷却器)により冷却して、256gの液体を得た。
ガスクロマトグラフィーで分析した結果、256gの液の内、樹脂分解物は234g、溶媒は22gであった。樹脂分解物収率は234/250×100=93.6%であった。分解物中のMMA濃度は94.5%であった。MMA収率は93.6×94.5=88.5%と計算された。モノマーへの溶媒混入率は、22/(22+234×94.5/100)×100=9%であった。結果を表1に示す。
[実施例2]
分解反応器に攪拌翼を設置した以外は、実施例1と同様に操作した。攪拌翼形状は6枚タービン翼で回転数は毎分150回転とした。結果を表1に示す。
分解反応器に攪拌翼を設置した以外は、実施例1と同様に操作した。攪拌翼形状は6枚タービン翼で回転数は毎分150回転とした。結果を表1に示す。
[実施例3]
図2に示す構成の反応システムを採用し、窒素の代わりに水蒸気を使用した以外は、実施例1と同様に操作した。なお、水を0.1g/分で水蒸気発生装置に送り、250℃の水蒸気を発生させた。水蒸気供給量は約220mL/分と計算される。結果を表1に示す。
図2に示す構成の反応システムを採用し、窒素の代わりに水蒸気を使用した以外は、実施例1と同様に操作した。なお、水を0.1g/分で水蒸気発生装置に送り、250℃の水蒸気を発生させた。水蒸気供給量は約220mL/分と計算される。結果を表1に示す。
[実施例4]
分解反応器に攪拌翼を設置した以外は、実施例3と同様に操作した。攪拌翼形状は6枚タービン翼で回転数は毎分150回転とした。結果を表1に示す。
分解反応器に攪拌翼を設置した以外は、実施例3と同様に操作した。攪拌翼形状は6枚タービン翼で回転数は毎分150回転とした。結果を表1に示す。
[実施例5]
図1の構成の反応システムにより、樹脂Aの連続分解反応を実施した。分解反応器に溶媒A750gを仕込み、溶媒の中に設置した気泡発生装置にて窒素を200mL/minで供給しながら、溶媒の温度を391℃に保った。分解反応器の温度を391℃に保ちながら、樹脂Aを5g/minで供給した。樹脂Aの供給を2時間連続して行った後、さらに30分間、温度を391℃に保って、終了とした。結果を表1に示す。
図1の構成の反応システムにより、樹脂Aの連続分解反応を実施した。分解反応器に溶媒A750gを仕込み、溶媒の中に設置した気泡発生装置にて窒素を200mL/minで供給しながら、溶媒の温度を391℃に保った。分解反応器の温度を391℃に保ちながら、樹脂Aを5g/minで供給した。樹脂Aの供給を2時間連続して行った後、さらに30分間、温度を391℃に保って、終了とした。結果を表1に示す。
[実施例6]
図1の構成の反応システムにより、以下のようにして(メタ)アクリル樹脂を分解し、モノマーを回収した。
まず、200℃で樹脂A250gと、溶媒A500gとを混合し、(メタ)アクリル樹脂溶液750gを調製した。一方、底部に気泡発生装置を備えた3リットルの分解反応器に溶媒Aを250g仕込み、窒素を200mL/分で供給しながら、360℃まで温度を上げてその温度を保った。気泡発生装置および分解反応器は、実施例1と同じものである。窒素供給を継続しながら、その溶媒中に予め調製しておいた溶液750gを一度に全量供給した。供給直後は分解反応器の温度は250℃まで温度が低下したので、360℃になるように加熱した。250℃から360℃までの昇温に5分を要した。溶液750gを供給した時点を開始として、60分で樹脂Aがほぼ全量分解した。この条件での樹脂Aの平均的な分解速度X(g/min)は、X=250/60=4.2g/minと計算される。結果を表2に示す。
図1の構成の反応システムにより、以下のようにして(メタ)アクリル樹脂を分解し、モノマーを回収した。
まず、200℃で樹脂A250gと、溶媒A500gとを混合し、(メタ)アクリル樹脂溶液750gを調製した。一方、底部に気泡発生装置を備えた3リットルの分解反応器に溶媒Aを250g仕込み、窒素を200mL/分で供給しながら、360℃まで温度を上げてその温度を保った。気泡発生装置および分解反応器は、実施例1と同じものである。窒素供給を継続しながら、その溶媒中に予め調製しておいた溶液750gを一度に全量供給した。供給直後は分解反応器の温度は250℃まで温度が低下したので、360℃になるように加熱した。250℃から360℃までの昇温に5分を要した。溶液750gを供給した時点を開始として、60分で樹脂Aがほぼ全量分解した。この条件での樹脂Aの平均的な分解速度X(g/min)は、X=250/60=4.2g/minと計算される。結果を表2に示す。
[実施例7]
図2に示す構成の反応システムを採用し、窒素の代わりに水蒸気を使用した以外は、実施例6と同様に操作した。なお、水を0.1g/分で水蒸気発生装置に送り、250℃の水蒸気を発生させた。水蒸気供給量は約220mL/分と計算される。結果を表2に示す。
図2に示す構成の反応システムを採用し、窒素の代わりに水蒸気を使用した以外は、実施例6と同様に操作した。なお、水を0.1g/分で水蒸気発生装置に送り、250℃の水蒸気を発生させた。水蒸気供給量は約220mL/分と計算される。結果を表2に示す。
[実施例8]
分解反応器の温度を360℃とし、樹脂Aを3g/minとし、樹脂Aの供給を2時間連続して行った後、さらに60分間、温度を360℃に保った以外は実施例5と同様に操作した。結果を表2に示す。
分解反応器の温度を360℃とし、樹脂Aを3g/minとし、樹脂Aの供給を2時間連続して行った後、さらに60分間、温度を360℃に保った以外は実施例5と同様に操作した。結果を表2に示す。
[比較例1]
窒素の供給を(メタ)アクリル樹脂溶液中ではなく、この溶液よりも上方の気相部に対して行った以外は実施例1と同様に操作した。結果を表2に示す。
窒素の供給を(メタ)アクリル樹脂溶液中ではなく、この溶液よりも上方の気相部に対して行った以外は実施例1と同様に操作した。結果を表2に示す。
[実施例9]
図3に示す構成の反応システムにより、以下のようにして(メタ)アクリル樹脂を分解し、モノマーを回収した。
まず、200℃で樹脂A267gと、溶媒A534gとを混合し、溶液801gを調製した。なお、反応器の底面は一辺が20cmの正方形であり、平板状ヒータの加熱面の一部を覆うように反応器が載置され、反応器の底面全体が加熱面と接しているので、加熱部の面積Sは400cm2である。
加熱温度(平板状ヒータの設定温度)を391℃とし、反応器に(メタ)アクリル樹脂溶液を全量供給した。また、溶液層の上方の気相部に窒素を50mL/minで流しておいた。溶液層の厚みD(=d1)は約2cmであった。(メタ)アクリル樹脂溶液801gを供給した時間を開始として、30分で樹脂Aがほぼ全量分解した。結果を表3に示す。
図3に示す構成の反応システムにより、以下のようにして(メタ)アクリル樹脂を分解し、モノマーを回収した。
まず、200℃で樹脂A267gと、溶媒A534gとを混合し、溶液801gを調製した。なお、反応器の底面は一辺が20cmの正方形であり、平板状ヒータの加熱面の一部を覆うように反応器が載置され、反応器の底面全体が加熱面と接しているので、加熱部の面積Sは400cm2である。
加熱温度(平板状ヒータの設定温度)を391℃とし、反応器に(メタ)アクリル樹脂溶液を全量供給した。また、溶液層の上方の気相部に窒素を50mL/minで流しておいた。溶液層の厚みD(=d1)は約2cmであった。(メタ)アクリル樹脂溶液801gを供給した時間を開始として、30分で樹脂Aがほぼ全量分解した。結果を表3に示す。
[実施例10]
図5に示す構成の反応システムにより、以下のようにして(メタ)アクリル樹脂を分解し、モノマーを回収した。
なお、加熱温度(平板状ヒータの設定温度)を370℃とし、窒素を気相部ではなく、反応器内の底部に設けたノズルから50mL/minで供給した以外は、実施例9と同様に操作した。(メタ)アクリル樹脂溶液801gを供給した時間を開始として、45分で樹脂Aがほぼ全量分解した。この条件での樹脂Aの平均的な分解速度X(g/min)は、X=267/45=5.9g/minと計算される。結果を表3に示す。
図5に示す構成の反応システムにより、以下のようにして(メタ)アクリル樹脂を分解し、モノマーを回収した。
なお、加熱温度(平板状ヒータの設定温度)を370℃とし、窒素を気相部ではなく、反応器内の底部に設けたノズルから50mL/minで供給した以外は、実施例9と同様に操作した。(メタ)アクリル樹脂溶液801gを供給した時間を開始として、45分で樹脂Aがほぼ全量分解した。この条件での樹脂Aの平均的な分解速度X(g/min)は、X=267/45=5.9g/minと計算される。結果を表3に示す。
[実施例11]
図4に示す構成の反応システムにより、以下のようにして(メタ)アクリル樹脂を分解し、モノマーを回収した。
まず、200℃で樹脂A4kgと、溶媒A8kgとを混合し、(メタ)アクリル樹脂溶液12kgを調製した。なお、反応器は、その底面が20cm×80cmの長方形のものであり、平板状ヒータの加熱面の一部を覆うように反応器が載置され、反応器の底面全体が加熱面と接している。よって、加熱部の面積Sは1600cm2である。
加熱温度(平板状ヒータの設定温度)を391℃とし、(メタ)アクリル樹脂溶液を40g/minで全量供給した。なお、図示のように厚み制御板を取り付け、溶液層の厚みD(=d2)を3cmとなるようにした。流れ落ちてくる溶媒Aは、下部に設置した溶媒受器に回収した。また、溶液層の上方の気相部に窒素を50mL/minで流しておいた。結果を表3に示す。
図4に示す構成の反応システムにより、以下のようにして(メタ)アクリル樹脂を分解し、モノマーを回収した。
まず、200℃で樹脂A4kgと、溶媒A8kgとを混合し、(メタ)アクリル樹脂溶液12kgを調製した。なお、反応器は、その底面が20cm×80cmの長方形のものであり、平板状ヒータの加熱面の一部を覆うように反応器が載置され、反応器の底面全体が加熱面と接している。よって、加熱部の面積Sは1600cm2である。
加熱温度(平板状ヒータの設定温度)を391℃とし、(メタ)アクリル樹脂溶液を40g/minで全量供給した。なお、図示のように厚み制御板を取り付け、溶液層の厚みD(=d2)を3cmとなるようにした。流れ落ちてくる溶媒Aは、下部に設置した溶媒受器に回収した。また、溶液層の上方の気相部に窒素を50mL/minで流しておいた。結果を表3に示す。
[比較例2]
反応器として底面が一辺15cmの正方形のものを使用し、加熱部の面積Sを225cm2とした以外は実施例9と同様に操作した。溶液層の厚みDは約4cmであった。(メタ)アクリル樹脂溶液801gを供給した時間を開始として、30分で樹脂Aがほぼ全量分解した。結果を表3に示す。
反応器として底面が一辺15cmの正方形のものを使用し、加熱部の面積Sを225cm2とした以外は実施例9と同様に操作した。溶液層の厚みDは約4cmであった。(メタ)アクリル樹脂溶液801gを供給した時間を開始として、30分で樹脂Aがほぼ全量分解した。結果を表3に示す。
[実施例12]
図6に示す装置の溶解槽に、溶媒A550gを入れて130℃に加熱した。その中に、樹脂混合物310gを入れて、スラリーを調製した。樹脂混合物は、樹脂A80質量%(約3mmのペレット)、ポリエチレン4質量%(約3mmのペレット、アルドリッチ製)、ポリプロピレン4質量%(約3mmのペレット、アルドリッチ製)、ポリカーボネート4質量%(約3mmのペレット、アルドリッチ製)、ポリエチレンテレフタレート4質量%(約3mmのペレット、アルドリッチ製)、ポリ塩化ビニル樹脂4質量%(ポリ塩化ビニルからなるチューブを約3mmに粉砕したペレット、)からなる混合物である。
こうして得たスラリーを、目開き0.3mmのステンレス製メッシュに通し、濾過した。メッシュ上に、固体を捕集した。
次に、濾液798gを、図1に示す構成の反応システムで加熱し、(メタ)アクリル樹脂を分解した。具体的には、分解反応器に溶媒Aを200g仕込み、窒素を200mL/minで供給しながら、360℃に保った。その中に濾液を10g/minで供給した。濾液10g/minの内、樹脂Aは3.1g/minである。濾液の全量供給に約80分を要した。全量供給した後、さらに60分間、分解反応器内を360℃に保って、終了とした。結果を表4に示す。
なお、濾液中の溶質としては、赤外分光光度計(日本分光(株))による分析では樹脂Aのみが検出され、かつ、メッシュ上に捕集された固体の質量は、約62gであり、使用した樹脂混合物中における樹脂A以外の樹脂の合計質量と一致した。よって、濾液の溶質はほぼ樹脂Aのみであり、一方、メッシュ上の固体は、ほぼポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル樹脂のみであると判断できた。
図6に示す装置の溶解槽に、溶媒A550gを入れて130℃に加熱した。その中に、樹脂混合物310gを入れて、スラリーを調製した。樹脂混合物は、樹脂A80質量%(約3mmのペレット)、ポリエチレン4質量%(約3mmのペレット、アルドリッチ製)、ポリプロピレン4質量%(約3mmのペレット、アルドリッチ製)、ポリカーボネート4質量%(約3mmのペレット、アルドリッチ製)、ポリエチレンテレフタレート4質量%(約3mmのペレット、アルドリッチ製)、ポリ塩化ビニル樹脂4質量%(ポリ塩化ビニルからなるチューブを約3mmに粉砕したペレット、)からなる混合物である。
こうして得たスラリーを、目開き0.3mmのステンレス製メッシュに通し、濾過した。メッシュ上に、固体を捕集した。
次に、濾液798gを、図1に示す構成の反応システムで加熱し、(メタ)アクリル樹脂を分解した。具体的には、分解反応器に溶媒Aを200g仕込み、窒素を200mL/minで供給しながら、360℃に保った。その中に濾液を10g/minで供給した。濾液10g/minの内、樹脂Aは3.1g/minである。濾液の全量供給に約80分を要した。全量供給した後、さらに60分間、分解反応器内を360℃に保って、終了とした。結果を表4に示す。
なお、濾液中の溶質としては、赤外分光光度計(日本分光(株))による分析では樹脂Aのみが検出され、かつ、メッシュ上に捕集された固体の質量は、約62gであり、使用した樹脂混合物中における樹脂A以外の樹脂の合計質量と一致した。よって、濾液の溶質はほぼ樹脂Aのみであり、一方、メッシュ上の固体は、ほぼポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル樹脂のみであると判断できた。
[実施例13]
溶媒Aを8kgとし、樹脂混合物を5kgとした以外は実施例11と同様にして、濾液12kgを得て、濾液を同様に加熱して、(メタ)アクリル樹脂を分解した。結果を表4に示す。
溶媒Aを8kgとし、樹脂混合物を5kgとした以外は実施例11と同様にして、濾液12kgを得て、濾液を同様に加熱して、(メタ)アクリル樹脂を分解した。結果を表4に示す。
本発明によれば、(メタ)アクリル樹脂を分解した際のモノマー収率が向上するので、モノマーリサイクルの推進などにも寄与する。
10A,10B,10C,10D,10E 反応システム
11,11’ 反応器
12 加熱手段
12’ 平板状ヒータ
13 ガス吐出装置
14 冷却器
15 回収器
16 水蒸気発生装置
17 厚み制御板
18 溶媒受器
20 溶解槽
21 攪拌機
22 分離槽
23 送液ポンプ
24 フィルター
11,11’ 反応器
12 加熱手段
12’ 平板状ヒータ
13 ガス吐出装置
14 冷却器
15 回収器
16 水蒸気発生装置
17 厚み制御板
18 溶媒受器
20 溶解槽
21 攪拌機
22 分離槽
23 送液ポンプ
24 フィルター
Claims (3)
- (メタ)アクリル樹脂が溶解した溶液を加熱して、前記(メタ)アクリル樹脂を分解する方法において、
前記溶液中に不活性ガスおよび/または水蒸気を供給しながら加熱することを特徴とする(メタ)アクリル樹脂の分解方法。 - (メタ)アクリル樹脂が溶解した溶液を加熱して、前記(メタ)アクリル樹脂を分解する方法において、
前記溶液が入れられた反応器を該反応器の下方から下記式(1)の条件下で加熱することを特徴とする(メタ)アクリル樹脂の分解方法。
D≦0.2×S1/2 ・・・(1)
(ただし式(1)中、Dは前記溶液からなる層の厚さ、Sは前記反応器における加熱される部分の面積を示す。) - (メタ)アクリル樹脂と該(メタ)アクリル樹脂以外の物質とからなる対象物を溶媒に加えて、溶質の主成分が前記(メタ)アクリル樹脂である溶液と、主成分が前記物質である固体とからなるスラリーを調製するスラリー調製工程と、前記スラリーを前記溶液と前記固体とに分離する分離工程と、前記溶液を加熱して、該溶液中の前記(メタ)アクリル樹脂を分解する分解工程とを有し、
前記分解工程は、請求項1または2の方法でなされることを特徴とする(メタ)アクリル樹脂の分解方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005048582A JP2006232966A (ja) | 2005-02-24 | 2005-02-24 | (メタ)アクリル樹脂の分解方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005048582A JP2006232966A (ja) | 2005-02-24 | 2005-02-24 | (メタ)アクリル樹脂の分解方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006232966A true JP2006232966A (ja) | 2006-09-07 |
Family
ID=37040979
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005048582A Withdrawn JP2006232966A (ja) | 2005-02-24 | 2005-02-24 | (メタ)アクリル樹脂の分解方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006232966A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012081551A1 (ja) * | 2010-12-14 | 2012-06-21 | 住友化学株式会社 | メタクリル樹脂含有液状組成物およびモノマー回収方法 |
WO2022244881A1 (ja) | 2021-05-20 | 2022-11-24 | マイクロ波化学株式会社 | (メタ)アクリルモノマーの製造方法 |
-
2005
- 2005-02-24 JP JP2005048582A patent/JP2006232966A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012081551A1 (ja) * | 2010-12-14 | 2012-06-21 | 住友化学株式会社 | メタクリル樹脂含有液状組成物およびモノマー回収方法 |
JP2013018955A (ja) * | 2010-12-14 | 2013-01-31 | Sumitomo Chemical Co Ltd | メタクリル樹脂含有液状組成物およびモノマー回収方法 |
WO2022244881A1 (ja) | 2021-05-20 | 2022-11-24 | マイクロ波化学株式会社 | (メタ)アクリルモノマーの製造方法 |
JPWO2022244881A1 (ja) * | 2021-05-20 | 2022-11-24 | ||
JP7289173B2 (ja) | 2021-05-20 | 2023-06-09 | マイクロ波化学株式会社 | (メタ)アクリルモノマーの製造方法 |
KR20240009967A (ko) | 2021-05-20 | 2024-01-23 | 마이크로파 화학 주식회사 | (메타)아크릴 모노머의 제조 방법 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN104125940B (zh) | 用于从氯三氟代乙烯合成三氟代乙烯的方法 | |
JP5069231B2 (ja) | 発泡ポリスチレンのリサイクル方法 | |
WO2001030729A1 (fr) | Procede de separation et de recuperation de dimethylterephthalate et d'ethylene glycol de residus de polyester | |
JPH0753465A (ja) | フッ素化カルボン酸の回収方法 | |
JPS61106529A (ja) | 2,2,2−トリフルオロエタノ−ルの製造法 | |
KR20100014451A (ko) | 수지의 분해 생성물의 회수 방법 | |
JP2006232966A (ja) | (メタ)アクリル樹脂の分解方法 | |
EP1481957A1 (en) | Process for producing fluoromonomer | |
JP5128150B2 (ja) | メタクリル酸メチルの回収方法 | |
CN1251782A (zh) | 在液相氧化中镇定气的使用 | |
JP2005154525A (ja) | ポリスチレン系樹脂組成物の処理方法及び処理装置 | |
JP4564295B2 (ja) | 気泡塔型反応器を用いた酢酸製造方法 | |
JP2004224940A (ja) | ポリエステル廃棄物からの有効成分回収方法 | |
JP5196814B2 (ja) | 樹脂の分解生成物の回収方法 | |
CN1617847A (zh) | (甲基)丙烯酸酯的制造方法 | |
JP2003300915A (ja) | ポリアルキレンテレフタレートからモノマーの製造方法 | |
JP2003321571A (ja) | アクリル系樹脂からのモノマー回収方法 | |
CN1226267C (zh) | 共沸蒸馏方法 | |
JP2010043165A (ja) | 樹脂の分解生成物の回収方法、および樹脂の分解生成物の回収システム | |
JP2007056124A (ja) | 樹脂の分解装置及び分解方法 | |
JP2003300916A (ja) | Petからモノマーの製造方法 | |
JP6504059B2 (ja) | ヘキサクロロアセトンの製造方法 | |
JP7539733B1 (ja) | ポリエステルを含む物質の再資源化方法 | |
JP2005263731A (ja) | (メタ)アクリル酸エステルの製造方法 | |
JPH09290230A (ja) | プラスチックの処理方法及び熱分解装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20080513 |