JP2006231688A - インクジェットヘッド及びその製造方法 - Google Patents

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Hidenori Nakamura
英規 中村
Akira Narizumi
顕 成住
Tatsuya Fukuda
達也 福田
Nanae Koike
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Abstract

【課題】 インクジェットヘッドの吐出口を簡易に形成する。
【解決手段】 複数枚の金属製の薄板(5,6,7,8,9,10)が積み重ねられ拡散接合されることによりヘッド本体(1)が形成され、ヘッド本体(1)の表面の所定箇所にインクの流入口及び吐出口(4)がそれぞれ形成され、ヘッド本体の内部には流入口と吐出口とを結ぶインクの流路が形成されたインクジェットヘッドにおいて、所定の薄板(5)にその厚さ方向に貫通する吐出口用孔(14)が形成されると共にこの吐出口用孔が薄板(5)の端面と交差する位置に端面口(4a)が形成され、上記吐出口がこの端面口によって薄板(5,6,7,8,9,10)の端面の集積面(13)上に形成される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、プリンタ等で使用されるインクジェットヘッドとその製造方法に関する。
従来、インクジェットヘッドを複数枚の金属製薄板を積み重ねて拡散接合することにより作ることが提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。インクジェットヘッドを拡散接合により形成すると、薄板の接合面が原子の相互拡散によって密着するので、インク漏れ防止効果が高まる。また、接着剤、ハンダ等により薄板を接合して構成したインクジェットヘッドに比べ、拡散接合によるインクジェットヘッドはインクに含まれる溶剤、インクジェットヘッドの洗浄用の溶剤等により接合部が腐食したり溶けたりしないので、インク漏れ防止効果が高い。
特開平2−107450号公報 特開平10−166599号公報
従来のインクジェットヘッドには次のような問題がある。
(1)インクの流路と振動板の接合、インクの流路とオリフィスプレートとの接合等に接着剤を用いており、これらの接着剤がインクの溶剤や洗浄用の溶剤で剥落しやすい。
(2)インクの流路等の形成に機械加工を行う部分があり、そのため時間がかかり、高価となり、精度が不安定になりやすい。
(3)薄板にメッキをしてロウ接合する場合があるが、メッキをするために工数、費用がかかり、金メッキを行うとすると材料費が高価になる。
(4)オリフィスプレート及び振動板は、インク流路を形成する部分と材質が異なるので、拡散接合する場合線膨張係数が異なり、接合時の位置精度が低下する。
従って、本発明は上記問題点を解決することができるインクジェットヘッド及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記問題点を解決するため、請求項1に係る発明は、複数枚の金属製の薄板(5,6,7,8,9,10)が積み重ねられ拡散接合されることによりヘッド本体(1)が形成され、ヘッド本体(1)の表面の所定箇所にインクの流入口(3a)及び吐出口(4)がそれぞれ形成され、ヘッド本体(1)の内部には流入口(3a)と吐出口(4)とを結ぶインクの流路が形成されたインクジェットヘッドにおいて、所定の薄板(5)にその厚さ方向に貫通する吐出口用孔(14)が形成されると共にこの吐出口用孔(14)が薄板(5)の端面と交差する位置に端面口(4a)が形成され、上記吐出口(4)がこの端面口(4a)によって薄板(5,6,7,8,9,10)の端面の集積面(13)上に形成されたインクジェットヘッドを採用する。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載のインクジェットヘッドにおいて、吐出口(4)が複数枚の薄板(5)の端面口(4a)を合致させることにより形成されたインクジェットヘッドを採用する。
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載のインクジェットヘッドにおいて、所定の薄板(5,6,7,8,9)にその厚さ方向に貫通する流路用孔(11,15,16,17,18)が形成され、流路用孔(11,15,16,17,18)によってインクの流路が形成されたインクジェットヘッドを採用する。
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のインクジェットヘッドにおいて、インクの流路が複数枚の薄板(5,6,7,8,9)の流路用孔(11,15,16,17,18)を合致させることにより形成されたインクジェットヘッドを採用する。
また、請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のインクジェットヘッドにおいて、上記集積面(13)にオリフィスプレート(19)が拡散接合されたインクジェットヘッド採用する。
また、請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のインクジェットヘッドにおいて、ヘッド本体(1)の両側に吐出口(4)に対応して振動板である薄板(10)が拡散接合されたインクジェットヘッドを採用する。
また、請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のインクジェットヘッドにおいて、流入口(3a)、吐出口(4)及び流路に対応する薄板(5,6,7,8,9)が同じ金属材料で形成されたインクジェットヘッドを採用する。
また、請求項8に係る発明は、請求項7に記載のインクジェットヘッドにおいて、金属材料が合金であるインクジェットヘッドを採用する。
また、請求項9に係る発明は、請求項7に記載のインクジェットヘッドにおいて、金属材料がステンレス鋼であるインクジェットヘッドを採用する。
また、請求項10に係る発明は、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のインクジェットヘッドにおいて、振動板である薄板(10)を除き他の薄板の厚さがすべて同じであるインクジェットヘッドを採用する。
また、請求項11に係る発明は、請求項1乃至請求項10のいずれかに記載のインクジェットヘッドにおいて、振動板である薄板(10)の厚さが0.01mm〜0.05mmであり、他の各薄板(5,6,7,8,9)の厚さが0.02mm〜0.2mmであるインクジェットヘッドを採用する。
また、請求項12に係る発明は、請求項1乃至請求項11のいずれかに記載のインクジェットヘッドにおいて、各薄板(5,6,7,8,9)の少なくとも流入口(3a)、吐出口(4)及び流路に対応する箇所が電解研磨により表面処理されたインクジェットヘッドを採用する。
また、請求項13に係る発明は、請求項1乃至請求項12のいずれかに記載のインクジェットヘッドにおいて、振動板(10)の表面に回路基板(20)が接着されされたインクジェットヘッドを採用する。
また、請求項14に係る発明は、請求項13に記載のインクジェットヘッドにおいて、回路基板(20)に圧電素子(21)が接着されたインクジェットヘッドを採用する。
また、請求項15に係る発明は、請求項14に記載のインクジェットヘッドにおいて、圧電素子(21)が異方性導電材(22)を介して回路基板(20)に接着されたインクジェットヘッドを採用する。
また、請求項16に係る発明は、請求項1乃至請求項15のいずれかに記載のインクジェットヘッドにおいて、表面が耐溶剤性保護層(23)で被覆されたインクジェットヘッドを採用する。
また、請求項17に係る発明は、請求項16に記載のインクジェットヘッドにおいて、少なくとも異方性導電材(22)の表面が耐溶剤性保護層(23)で被覆されたインクジェットヘッドを採用する。
また、請求項18に係る発明は、複数枚の金属製の薄板(5,6,7,8,9,10)を積み重ね拡散接合することによって薄板同士を一体化しヘッド本体(1)とするインクジェットヘッドの製造方法において、素材板(5a,6a,7a,8a)内に輪郭溝(25)及びつなぎ部(27)を介して薄板(5,6,7,8)を形成し、この素材板(5a,6a,7a,8a)同士を拡散接合して少なくともインクの吐出口(4)を形成した後につなぎ部(27)を切断して薄板(5,6,7,8)同士の接合されたものを取り出すインクジェットヘッドの製造方法を採用する。
また、請求項19に係る発明は、請求項18に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、真空又は保護雰囲気中で、ステンレス鋼製の素材板(5a,6a,7a,8a)を重ね合わせて所定圧力でプレスし、750°C〜1100°Cの温度範囲内で加熱することにより全素材板(5a,6a,7a,8a)の拡散接合を行うインクジェットヘッドの製造方法を採用する。
また、請求項20に係る発明は、請求項18又は請求項19に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、少なくとも流路及び吐出口(4)を含んだ薄板(5,6,7,8)の素材板(5a,6a,7a,8a)を拡散接合した後、つなぎ部(27)を切断して薄板(5,6,7,8)同士の接合されたものを取り出し、吐出口(4)が覗く薄板(5a,6a,7a,8a)の端面の集積面(13)を研磨し、この研磨した平滑面にオリフィスプレート(19)を拡散接合するインクジェットヘッドの製造方法を採用する。
また、請求項21に係る発明は、請求項18乃至請求項20のいずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方法において、各薄板の少なくとも流入口、吐出口及び流路に対応する箇所を電解研磨により表面処理するインクジェットヘッドの製造方法を採用する。
本発明によれば、インクの漏れやヘッド本体の腐食等を防止することができるのはもちろんのこと、薄板の厚さの変更、薄板の枚数の変更、薄板の位置の変更、薄板の端面口の位置、幅の変更等によって適正な開口面積、位置、向き、長さの吐出口を形成することができ、従ってインキを精度良く吐出することができる。また、従来のようなメッキ、機械加工部、接着剤等が不要になるので、精度、耐久性、耐溶剤性に優れたインクジェットヘッドとすることができる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1及び図2に示すように、このインクジェットヘッドは、例えばステンレス鋼製のヘッド本体1を備える。
ヘッド本体1は、インクの微小な液滴を噴射する一列に並んだ複数個のオリフィス2とその背後の吐出口4とを略長方形の正面に有し、背面にインクの流入口3aと流出口3bとを有する。ヘッド本体1の内部には、流入口3aと吐出口4とを結ぶインクの流路が形成される。流出口3bはヘッド本体1内の泡抜き、洗浄用溶剤の出口として機能する。
ヘッド本体1は、図3に示すように、金属製の数種類の薄板5,6,7,8,9,10がそれぞれ一枚又は多数枚積み重ねられ拡散接合されることにより形成される。すなわち、ヘッド本体1の中心部に複数枚の第一の薄板5が重ねられて配置され、この第一の薄板5の積層体の両側に第二の薄板6が複数枚重なった状態で配置され、この第二の薄板6の各積層体の外側に第三の薄板7が複数枚重なった状態でそれぞれ配置され、この第三の薄板7の積層体の外側に第四の薄板8が複数枚重なった状態でそれぞれ配置され、この第四の薄板8の積層体の外側にそれぞれ第五の薄板9が配置され、この第五の薄板9の外側にそれぞれ第六の薄板10が配置される。
ヘッド本体1の中心部に置かれる第一の薄板5は、この薄板5の長手方向に伸びる第一の流路用孔11を中央部に有する。第一の流路用孔11は、ケミカルエッチング等により形成され、第一の薄板5をその厚さ方向に広い面積で貫通する。第一の流路用孔11からは、第一の薄板5をその厚さ方向に貫通する吐出口用孔14と流入口用孔12とがそれぞれ分岐する。吐出口用孔14が第一の薄板5の端面と交差する位置には端面口4aが形成され、複数個の端面口4aの重なりによって図2に示すように吐出口4が薄板5,6,7,8の端面の集積面13であるヘッド本体1の正面に開口する。流入口用孔12が第一の薄板5の他の端面と交差する位置にも端面口が形成され、複数個の端面口の重なりによって流入口3aが薄板5,6,7,8の端面の集積面であるヘッド本体1の背面に開口する。
第二の薄板6には、上記第一の薄板5と重なり合って同じ流路を形成する第一の流路用孔11と流入口用孔12が、第二の薄板6を厚さ方向に貫通するように形成される。また、上記吐出口用孔14の始端にそれぞれ合致する小さい長円形の第二の流路用孔15が、第二の薄板6をその厚さ方向に貫通するように形成される。
第三の薄板7には、第一と第二の薄板5,6の第一の流路用孔11に合致する第三の流路用孔16が、第三の薄板7をその厚さ方向に貫通するように形成される。また、上記第二の薄板6と重なり合って同じ流路を形成する第二の流路用孔15が形成される。
第四の薄板8には、第三の薄板7の第三の流路用孔16に合致し、吐出口4ごとに分割された小面積の第四の流路用孔17が、第四の薄板8をその厚さ方向に貫通するように形成される。また、上記第二と第三の薄板6,7と重なり合って同じ流路を形成する第二の流路用孔15が形成される。
第五の薄板9には、上記第四の薄板8と重なり合って、第四の流路用孔17と第二の流路用孔15とを連通させる第五の流路用孔18が、第五の薄板9を厚さ方向に貫通するように形成される。
第六の薄板10は、振動板として機能する板であり、第五の薄板9の第五の流路用孔18を遮蔽する。
上記第一乃至第五の薄板5,6,7,8,9は、例えばSUS304製であり、厚さが0.02mm〜0.2mm/枚のものが使用される。第六の薄板10を除きヘッド本体1の形成には例えば25枚〜250枚使用される。第六の薄板10は、例えば第一乃至第五の薄板5,6,7,8,9と同様にSUS304製であり、厚さが0.01mm〜0.05mm/枚のものがヘッド本体1の両側にそれぞれ一枚ずつ使用される。
上記第一乃至第六の薄板5,6,7,8,9,10が重畳され、第一乃至第五の流路用孔11,15,16,17,18が連通することによってインクの流路が形成され、流入口3aからヘッド本体1内に流入したインクは、第一の流路用孔11、第三の流路用孔16、第四の流路用孔17、第五の流路用孔18、第二の流路用孔15、吐出口用孔14へと流れ、吐出口4に到達してオリフィス2からヘッド本体1の前方へ噴射される。
このように、第一の薄板5にその厚さ方向に貫通する吐出口用孔14が形成されると共にこの吐出口用孔14が第一の薄板5の端面と交差する位置に端面口4aが形成され、吐出口4がこの端面口4aによってすべての薄板5,6,7,8,9,10の端面の集積面13上に形成されることから、第一の薄板5の厚さの変更、位置の変更、端面口4aの位置又は幅の変更等によって、適正な開口面積、位置、向き、長さの吐出口4が形成される。また、第一の薄板5を複数枚重畳し、これら第一の薄板5の厚さや枚数を適宜変更することにより、吐出口4の開口面積が自在に加減される。また、同様に第一乃至第五の薄板5,6,7,8,9を増減変更することにより、適正な形状、大きさのインク流路が形成される。
オリフィス2は、図2及び図3に示すように、金属製例えばステンレス鋼製の薄板からなるオリフィスプレート19に円形の小孔として穿設される。このオリフィスプレート19がヘッド本体1の上記集積面13である正面の研磨面に後述する拡散接合により接着される。各オリフィス2はヘッド本体1の各吐出口4にそれぞれ対応する。ヘッド本体1の吐出口4をオリフィスとしてこの吐出口4から直にインクの液滴を噴射することができる場合は、このオリフィスプレート19は省略可能である。
図1乃至図3に示すように、ヘッド本体1の両側面における振動板である第六の薄板10の表面には、回路基板であるフレキシブルプリントサーキット(FPC)20が図示しない熱圧着シートを介して貼着される。また、ピエゾ素子からなる圧電素子21が帯シート状に配列され、圧電素子21の各帯シートがフレキシブルプリントサーキット20の上に貼着される。圧電素子21は各吐出口4ごとに配置されるが、例えば一方の帯シートの圧電素子21の列は偶数番目の吐出口4に対応して配置され、他方の帯シートの圧電素子21の列は奇数番目の吐出口4に対応して配置される。
また、圧電素子21はフレキシブルプリントサーキット20に対し異方性導電材(ACF)22を介して貼着される。異方性導電材としてはシート状、ペースト状、ボンディング状、板状、バンプ状等所望の形態のものを使用可能である。
また、圧電素子21及びその周辺部は図2に示すように耐溶剤性保護層23で被覆される。耐溶剤性保護層23は、例えばポリパラキシレン等の耐溶剤性材料を化学蒸着、塗工等によりコーティングすることにより形成される。この耐溶剤性保護層23による被覆により、インクの溶剤、インクジェットヘッドの洗浄用溶剤による異方性導電材22の侵食が防止され、電気的導通不良の発生が防止される。この耐溶剤性保護層23は異方性導電材が露出した箇所のみを被覆するように設けてもよい。
ここで、上記構成のインクジェットヘッドの作用について説明する。
インクジェットヘッドは、図示しないプリンタ内に装着される。この装着はたとえばヘッド本体1に設けられた図1及び図3に示す孔24に図示しない固定ネジを通すことにより行われる。
インクは流入口3aからヘッド本体1内に流入し、第一の流路用孔11、第三の流路用孔16、第四の流路用孔17、第五の流路用孔18、第二の流路用孔15、吐出口用孔14へと流れ、オリフィス2の先端に到達しメニスカスを形成する。
そこで、フレキシブルプリントサーキット20から圧電素子21に所定の信号が入力されると、圧電素子21が振動板である第六の薄板10を振動させる。これにより、オリフィス2の箇所でメニスカスを形成したインキがオリフィス2から微細な液滴となって噴射される。
このインクの液滴が紙、板等の被塗布材の表面に付着し、被塗布材の表面にパターンを形成する。
次に、上記ヘッド本体の製造方法について説明する。
(1)図4(A)(B)(C)(D)に示すように、第一乃至第四の薄板5,6,7,8の素材板5a,6a,7a,8aを用意する。
これらのすべての素材板5a,6a,7a,8aは同じ形状、大きさ及び厚さに形成され、各素材板5a,6a,7a,8a内に第一乃至第四の薄板5,6,7,8がそれぞれ輪郭溝25の刻設によって形成される。輪郭溝25を境界にして第一乃至第四の薄板5,6,7,8はそれぞれを取り囲む耳部26と分かたれ、輪郭溝25内に点在するつなぎ部27によって耳部26に連結される。輪郭溝25は例えばケミカルエッチングにより形成され、つなぎ部27はこのケミカルエッチングと同時に薄板の略半分の肉厚のハーフカット部として形成される。
このように、すべての素材板5a,6a,7a,8aとして同じ形状、大きさ及び厚さのものを使用することから、ヘッド本体を精度よく大量に生産することができる。
(2)第一乃至第四の薄板5,6,7,8の素材板5a,6a,7a,8aを積み重ねた重畳体を図5に示す拡散接合装置内に装填する。図5において、符号28は真空チャンバを示し、この真空チャンバ28内に重畳体を当て板29,30で上下から挟んだ状態で収納し、錘31によって図6(A)に示すように加圧する。
この拡散接合は、真空チャンバ28内の真空中で、第一乃至第四の薄板5,6,7,8の素材板5a,6a,7a,8aを重ね合わせて錘31による拡散接合可能な圧力でプレスし、図7に示す処理ラインで所定温度まで加熱することによって行う。この拡散接合により、素材板5a,6a,7a,8aの各接合面で原子が相互拡散し、接合界面の結晶粒界が移動し、接合界面から空隙が略消滅し、インクの漏れが適正に防止される。本発明者等の試験によれば、750°C〜1100°Cの範囲内において適正な拡散接合を行うことができた。なお、図7において、1400°Cはステンレス鋼の融点である。
(3)拡散接合が終了した薄板の重畳体を真空チャンバ28から取り出し、図6(B)に示すように、素材板5a,6a,7a,8aの耳部26をつなぎ部27の箇所で破断させて薄板5,6,7,8のみの重畳体を取り出す。
上述の拡散接合時において、各薄板5,6,7,8は耳部26によって囲まれているので、錘31による加圧力が付加されても、吐出口用孔14、流入口用孔12、流路用孔11,15,16,17の圧潰が防止され、吐出口4、流入口3a、インク流路が適正に形成される。
(4)耳部26が除去された薄板5,6,7,8の重畳体を、その両面に第五の薄板9を当てた上で、図5に示すごとく前回と同様にして真空チャンバ28内に収納し、前回と同様な条件で図6(C)に示すごとく拡散接合する。
なお、第五の薄板9は耳部26を有しないが、第一乃至第四の薄板5,6,7,8の素材板5a,6a,7a,8aと同様に耳部を有する素材板として形成し、前回の拡散接合の際に第一乃至第四の薄板5,6,7,8の素材板5a,6a,7a,8aと共に拡散接合することも可能である。
(5)第五の薄板9が拡散接合された重畳体を、その両面に振動板である第六の薄板10を当てた上で、図5に示すごとく前回と同様にして真空チャンバ28内に収納し、前回と同様な条件で図6(D)に示すごとく拡散接合する。
なお、第六の薄板10を上記(4)の工程で第五の薄板9と共に上記重畳体に拡散接合することも可能である。また、この第六の薄板10も耳部26を有しないが、第一乃至第四の薄板5,6,7,8の素材板5a,6a,7a,8aと同様に耳部を有する素材板として形成し、上記(3)の工程で第一乃至第五の薄板5,6,7,8,9の素材板5a,6a,7a,8a,9aと共に拡散接合することも可能である。
(6)上記(5)の工程を終えた重畳体の正面は図6(E)に示すような薄板5,6,7,8,9,10の端面の集積面13となって現れ、この集積面13に吐出口4が開口する。この集積面13を研磨盤等により研磨して平滑面に仕上げ、この平滑面に図6(F)に示すようにオリフィスプレート19を拡散接合する。オリフィスプレート19の円形の各オリフィス2が集積面13上の矩形の吐出口4に合致し、吐出口4の形状を整える。
上記薄板5,6,7,8,9,10及びオリフィスプレート19は望ましくはすべて同じ材質すなわちステンレス鋼(例えば、SUS304)で作られ、このため線膨張係数が同じとなり、拡散接合時の位置精度が向上する。
なお、吐出口4のみよってインクを適正に吐出することができるときは、オリフィスプレート19の接合は省略可能である。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、上記実施の形態では薄板をステンレス鋼製としたが、その他の合金で形成することも可能である。また、上記実施の形態では薄板及びオリフィスプレートがすべて同じ金属材料で形成されるが、異種類の金属材料を取り混ぜて拡散接合することも可能である。
本発明に係るインクジェットヘッドをオリフィス側から見た斜視図である。 図1に示すインクジェットヘッドのヘッド本体の垂直断面図である。 図1に示すインクジェットヘッドの分解斜視図である。 ヘッド本体の製造に使用する各種素材板の斜視図である。 ヘッド本体の製造に使用する拡散接合装置の概念図である。 ヘッド本体の製造工程を示す説明図である。 拡散接合条件を示すグラフである。
符号の説明
1…ヘッド本体
3a…流入口
4…吐出口
4a…端面口
5,6,7,8,9,10…薄板
5a,6a,7a,8a…素材板
11,15,16,17,18…流路用孔
13…集積面
14…吐出口用孔
19…オリフィスプレート
20…回路基板
21…圧電素子
22…異方性導電シート
23…耐溶剤性保護層
25…輪郭溝
27…つなぎ部

Claims (21)

  1. 複数枚の金属製の薄板が積み重ねられ拡散接合されることによりヘッド本体が形成され、ヘッド本体の表面の所定箇所にインクの流入口及び吐出口がそれぞれ形成され、ヘッド本体の内部には流入口と吐出口とを結ぶインクの流路が形成されたインクジェットヘッドにおいて、所定の薄板にその厚さ方向に貫通する吐出口用孔が形成されると共にこの吐出口用孔が薄板の端面と交差する位置に端面口が形成され、上記吐出口がこの端面口によって薄板の端面の集積面上に形成されたことを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 請求項1に記載のインクジェットヘッドにおいて、吐出口が複数枚の薄板の端面口を合致させることにより形成されたことを特徴とするインクジェットヘッド。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のインクジェットヘッドにおいて、所定の薄板にその厚さ方向に貫通する流路用孔が形成され、流路用孔によってインクの流路が形成されたことを特徴とするインクジェットヘッド。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のインクジェットヘッドにおいて、インクの流路が複数枚の薄板の流路用孔を合致させることにより形成されたことを特徴とするインクジェットヘッド。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のインクジェットヘッドにおいて、上記集積面にオリフィスプレートが拡散接合されたことを特徴とするインクジェットヘッド。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のインクジェットヘッドにおいて、ヘッド本体の両側に吐出口に対応して振動板である薄板が拡散接合されたことを特徴とするインクジェットヘッド。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のインクジェットヘッドにおいて、流入口、吐出口及び流路に対応する薄板が同じ金属材料で形成されたことを特徴とするインクジェットヘッド。
  8. 請求項7に記載のインクジェットヘッドにおいて、金属材料が合金であることを特徴とするインクジェットヘッド。
  9. 請求項7に記載のインクジェットヘッドにおいて、金属材料がステンレス鋼であることを特徴とするインクジェットヘッド。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のインクジェットヘッドにおいて、振動板である薄板を除き他の薄板の厚さがすべて同じであることを特徴とするインクジェットヘッド。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれかに記載のインクジェットヘッドにおいて、振動板である薄板の厚さが0.01mm〜0.05mmであり、他の各薄板の厚さが0.02mm〜0.2mmであることを特徴とするインクジェットヘッド。
  12. 請求項1乃至請求項11のいずれかに記載のインクジェットヘッドにおいて、各薄板の少なくとも流入口、吐出口及び流路に対応する箇所が電解研磨により表面処理されたことを特徴とするインクジェットヘッド。
  13. 請求項1乃至請求項12のいずれかに記載のインクジェットヘッドにおいて、振動板の表面に回路基板が接着されされたことを特徴とするインクジェットヘッド。
  14. 請求項13に記載のインクジェットヘッドにおいて、回路基板に圧電素子が接着されたことを特徴とするインクジェットヘッド。
  15. 請求項14に記載のインクジェットヘッドにおいて、圧電素子が異方性導電材を介して回路基板に接着されたことを特徴とするインクジェットヘッド。
  16. 請求項1乃至請求項15のいずれかに記載のインクジェットヘッドにおいて、表面が耐溶剤性保護層で被覆されたことを特徴とするインクジェットヘッド。
  17. 請求項16に記載のインクジェットヘッドにおいて、少なくとも異方性導電材の表面が耐溶剤性保護層で被覆されたことを特徴とするインクジェットヘッド。
  18. 複数枚の金属製の薄板を積み重ね拡散接合することによって薄板同士を一体化しヘッド本体とするインクジェットヘッドの製造方法において、素材板内に輪郭溝及びつなぎ部を介して薄板を形成し、この素材板同士を拡散接合して少なくともインクの吐出口を形成した後につなぎ部を切断して薄板同士の接合されたものを取り出すことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  19. 請求項18に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、真空又は保護雰囲気中で、ステンレス鋼製の素材板を重ね合わせて所定圧力でプレスし、750°C〜1100°Cの温度範囲内で加熱することにより全素材板の拡散接合を行うことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  20. 請求項18又は請求項19に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、少なくとも流路及び吐出口を含んだ薄板の素材板を拡散接合した後、つなぎ部を切断して薄板同士の接合されたものを取り出し、吐出口が覗く薄板の端面の集積面を研磨し、この研磨した平滑面にオリフィスプレートを拡散接合することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  21. 請求項18乃至請求項20のいずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方法において、各薄板の少なくとも流入口、吐出口及び流路に対応する箇所を電解研磨により表面処理することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
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