JP2006231278A - 排ガスの処理用触媒の製造方法、及び排ガスの処理用触媒 - Google Patents

排ガスの処理用触媒の製造方法、及び排ガスの処理用触媒 Download PDF

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勝己 野地
Masanao Yonemura
将直 米村
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一雅 笠木
Hideji Fujii
秀治 藤井
Masatoshi Katsuki
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Abstract

【課題】 コーテイング層内に担持される化合物を良好に制御することを可能とする排ガスの処理用触媒の製造方法、及び排ガスの処理用触媒を提供する。
【解決手段】 CeO2を主成分とする固体状の第1の担体成分と、TiO2、Al23、ZrO2、SiO2、及びLa23及びこれらの複合酸化物から成る群から選ばれた少なくとも一種の固体状の第2の担体成分とを、貴金属を含有する原料液に浸漬させ焼成して触媒担持成分を得て、該触媒担持成分を整粒後、該触媒担持成分をアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を含有する原料液に浸漬させ、触媒スラリーを調製し、該触媒スラリーを基材にウォッシュコートするようにした。
【選択図】 なし

Description

本発明は、排ガスの処理用触媒の製造方法、及び排ガスの処理用触媒に関する。
近年、省資源・環境保護の観点から自動車用ガソリンエンジンをリーンバーン状態で駆動させるシステムの社会的要求がある。リーンバーン状態とは燃料消費率を下げるため、希薄燃料状態、つまり、燃料量に対して空気(酸素)量が過剰な状態である。このような酸素過剰雰囲気では、燃料の消費率は下がるものの、NOxを浄化する触媒を使用しても、その性能が経時的に劣化する。
そこで、酸素含有量の高い排ガスを流通させるリーン状態の処理工程と、酸素含有量の低い排ガスを流通させる燃料リッチ状態の処理工程とを交互に繰り返す排ガスの処理方法がある。
一方、このような処理方法に好適に用いることができる排ガスの処理用触媒として、貴金属を複数種の担体成分に担持し、かつ、窒素酸化物を効率的に分解するためにバリウム等のアルカリ土類金属やアルカリ金属を担持することが行われている。
しかし、ここで、担体成分のうちには、バリウム等のアルカリ土類金属やアルカリ金属との間で複合化しやすいものもあり、長時間の使用によって寄せ集まり、触媒全体としての性能が経時的に劣化してしまい、耐久性に問題があった。
そのための対策として、このような担体成分を含む層と、アルカリ土類金属やアルカリ金属を含む層とを二段階に分けてコーテイングすることも考えられる。
しかし、そのように工程を多段にするためには、複数種のスラリーを準備せねばならず、作業上の負担を招くおそれがある。
特開平8-99034号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、単一のスラリーをコーテイングするだけで、コーテイング層内に担持される化合物を良好に制御することを可能とする排ガスの処理用触媒の製造方法、及び排ガスの処理用触媒を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、一酸化炭素、炭化水素及び窒素酸化物を含有する排ガスの処理用触媒の製造方法であって、CeO2を主成分とする固体状の第1の担体成分と、TiO2、Al23、ZrO2、SiO2、及びLa23及びこれらの複合酸化物から成る群から選ばれた少なくとも一種の固体状の第2の担体成分とを、貴金属を含有する原料液に浸漬させ焼成して触媒担持成分を得て、該触媒担持成分を整粒後、該触媒担持成分をアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を含有する原料液に浸漬させ、触媒スラリーを調製し、該触媒スラリーを基材にウォッシュコートするようにしたことを特徴とする。
本発明に係る排ガスの処理用触媒の製造方法は、別の形態で、一酸化炭素、炭化水素及び窒素酸化物を含有する排ガスの処理用触媒の製造方法であって、CeO2を主成分とする固体状の第1の担体成分に、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属、並びに貴金属を担持させ、触媒担持成分を得て、該触媒担持成分を整粒後、該触媒担持成分をTiO2、Al23、ZrO2、SiO2、及びLa23及びこれらの複合酸化物から成る群から選ばれた少なくとも一種の第2の担体成分の原料液に浸漬させ、粉砕して触媒スラリーを調製し、該触媒スラリーを基材にウォッシュコートするようにしたことを特徴とする。
本発明は、別の側面において、排ガスの処理用触媒であって、本発明に係る製造方法によって得られることを特徴とする。
本発明によれば、単一のスラリーをコーテイングするだけで、コーテイング層内に担持される化合物を良好に制御することを可能とする排ガスの処理用触媒の製造方法、及び排ガスの処理用触媒が提供される。
以下に、本発明に係る排ガスの処理用触媒の製造方法、及び排ガスの処理用触媒について、その実施の形態を参照しながらさらに詳細に説明する。
まず、本発明に係る排ガスの処理用触媒の製造方法について、その実施の形態を説明する。
排ガスの処理用触媒の製造方法(その1)
この製造方法は、以下の工程を含み、これらをその順に従って実施する。
1−A: CeO2を主成分とする固体状の第1の担体成分と、TiO2、Al23、ZrO2、SiO2、及びLa23及びこれらの複合酸化物から成る群から選ばれた少なくとも一種の固体状の第2の担体成分とを、貴金属を含有する原料液に浸漬させ焼成して触媒担持成分を得る工程
1−B: 該触媒担持成分を整粒する工程
1−C: アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を含有する原料液に浸漬させ触媒スラリーを調製する工程
1−D: 該触媒スラリーを基材にウォッシュコートする工程
工程1−Aは、触媒担持成分を得る工程である。
第1の担体成分は、活性金属である貴金属を分散して担持し、一酸化炭素、炭化水素及び窒素酸化物の酸化及び窒素酸化物の還元が可能な触媒とすることを目的とする担体成分である。これらのうち、CeO2が最も好適である。CeO2は、Ba又はその化合物等のアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属又はそれらの化合物と並存しても複合化して固まりを形成する傾向は小さい。
固体状とは、粉末状であることが一般的である。通常は、粒径1μm〜10μmの範囲のものを採用する。
第2の担体成分も、活性金属である貴金属を分散して担持する点は同じであるが、
第1の担体成分に添加することによって、第1の担体のシンタリングを抑制する効果を狙って配合される成分である。これらの担体成分は、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属又はそれらの化合物と近接して存在することにより、互いに複合化しやすい傾向を持っている。
第2の担体成分は、TiO2、Al23、ZrO2、SiO2、及びLa23及びこれらの複合酸化物から成る群から選ばれるものの少なくとも一種である。
固体状とは、第2の担体成分についても、粉末状であることが一般的である。通常は、粒径1μm〜10μmの範囲のものを採用する。
この工程1−Aでは、上記第1の担体成分と、第2の担体成分とを、貴金属を含有する原料液に浸漬させ焼成して触媒担持成分を得る。
担持される活性成分である貴金属としては、Pt、Rh、Ir、Ru、Pd及びそれらの酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種以上が好適に用いられる。これらを2種以上任意に組み合わせて用いることも可能である。例えば、PtとRh、PtとRu、PtとPdなどの組み合わせが用いられる。
本発明の触媒における貴金属の担持量は、担体成分を含む触媒全体に対して、金属元素換算で通常0.1〜3重量%、好ましくは0.3〜2重量%程度であるが、これらに限定されるものではなく、上記した貴金属の組み合わせからなる場合等には、その範囲を超える量であっても差し支えない。
貴金属を含有する原料液としては、塩化物、硝酸塩、錯塩の水溶液を挙げることができる。
工程1−Bは、上記触媒担持成分を整粒する工程である。
この工程は、当業者にとって公知の手法によって、工程1−Aで得られる触媒担持成分を整粒する。
工程1−Cは、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を含有する原料液に浸漬させ触媒スラリーを調製する工程である。
アルカリ金属としては、Na,K,Rb等が挙げられ、アルカリ土類金属としては、Mg,Ca,Ba等が挙げられる。
このようなアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属は、リーン状態で、窒素酸化物との親和力によって、その吸着に寄与する。
本発明の触媒におけるアルカリ金属等の添加量は、担体成分を含む触媒全体に対して、金属元素換算で通常1〜20重量%程度であるが、これらに限定されるものではなく、上記貴金属との組み合わせ等に応じて、その範囲外の量であっても差し支えない。
アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を含有する原料液としては、塩化物、硝酸塩、水酸化物、炭酸塩、酢酸塩を挙げることができる。この原料液中では、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属が、イオンの状態で存在している。
1−Dは、上記触媒スラリーを基材にウォッシュコートする工程である。
この実施形態に係る製造方法では、触媒スラリーを基材にウォッシュコートした後、全体を焼成する。なお、基材としては、ハニカム型のコージェライトやムライト等のセラミックスを採用することができる。
上記したように、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を含有する原料液中の、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属は、イオンの状態で存在している。
したがって、ウォッシュコートするに従って、このようなイオン状態にあるアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属は、基材の側に移行して行く。これにより、TiO2、Al23、ZrO2、SiO2、及びLa23といった第2の担体成分とは、存在分布を異にする。第2の担体成分は、固体状であり、基材側に移行することはできない。
排ガスの処理用触媒の製造方法(その2)
この製造方法は、以下の工程を含み、これらをその順に従って実施する。
2−A: CeO2を主成分とする第1の担体成分に、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属、並びに貴金属を担持させて、触媒担持成分を得る工程
2−B: 該触媒担持成分を整粒する工程
2−C: 該触媒担持成分をTiO2、Al23、ZrO2、SiO2、及びLa23及びこれらの複合酸化物から成る群から選ばれた少なくとも一種の第2の担体成分の原料液に浸漬させ、粉砕して触媒スラリーを調製する工程
2−D: 触媒スラリーを基材にウォッシュコートする工程
工程2−Aは、CeO2を主成分とする第1の担体成分を、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を含有する原料液及び貴金属を含有する原料液に浸漬させ焼成して触媒担持成分を得る工程である。
第1の担体成分は、上記製造方法(その1)と同様である第1の担体成分は、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属と近接して存在しても複合化はしにくい。アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属としては、Na,K,Rb等が挙げられ、アルカリ土類金属としては、Mg,Ca,Ba等を挙げることができる。
このようなアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の固体状化合物は、リーン状態で、窒素酸化物との親和力によって、その吸着に寄与する。
本発明の触媒におけるアルカリ金属等の添加量は、担体成分を含む触媒全体に対して、金属元素換算で通常1〜20重量%程度であるが、これらに限定されるものではなく、上記貴金属との組み合わせ等に応じて、その範囲外の量であっても差し支えない。
この工程2−Aでは、好適には、上記第1の担体成分を、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の原料液及び貴金属を含有する原料液に浸漬させ焼成して触媒担持成分を得る。このように、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属と、貴金属とに対し、各々別途の原料液を準備して浸漬することができる。いずれの原料液に先に浸漬するかについては、特段限定されない。また、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属、並びに貴金属の双方を含有する原料液に浸漬させることもできる。
担持される活性成分である貴金属としては、Pt、Rh、Ir、Ru、Pd及びそれらの酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種以上が好適に用いられる。これらを2種以上任意に組み合わせて用いることも可能である。例えば、PtとRh、PtとRu、PtとPdなどの組み合わせが用いられる。
本発明の触媒における貴金属の担持量は、担体成分を含む触媒全体に対して、金属元素換算で通常0.1〜3重量%、好ましくは0.3〜2重量%程度であるが、これらに限定されるものではなく、上記した貴金属の組み合わせからなる場合等には、その範囲を超える量であっても差し支えない。
貴金属を含有する原料液としては、塩化物、硝酸塩、錯塩の水溶液を挙げることができる。
工程2−Bは、上記触媒担持成分を整粒する工程である。
この工程は、当業者にとって公知の手法によって、工程1−Aで得られる触媒担持成分を整粒する。
工程2−Cは、上記触媒担持成分をTiO2、Al23、ZrO2、SiO2、及びLa23及びこれらの複合酸化物から成る群から選ばれた第2の担体成分の原料液に浸漬させ、粉砕して触媒スラリーを調製する工程である。
第2の担体成分は、活性金属である貴金属を分散して担持する点で第1の担体成分と同じであるが、第1の担体成分に添加することによって、第1の担体のシンタリングを抑制する効果を狙って配合される成分である。
これらの担体成分は、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属又はそれらの化合物と近接して存在することにより、互いに複合化しやすい傾向を持っている。
第2の担体成分の原料液としては、塩化物、硝酸塩、水酸化物、炭酸塩、酢酸塩を挙げることができる。このような原料液中では、第2の担体成分を構成するに至る成分がイオン状態で存在している。
2−Dは、上記触媒スラリーを基材にウォッシュコートする工程である。
この実施形態に係る製造方法では、触媒スラリーを基材にウォッシュコートした後、全体を焼成する。なお、基材としては、ハニカム型のコージェライトやムライト等のセラミックスを採用することができる。
上記したように、第2の原料液中では、第2の担体成分を構成するに至る成分がイオン状態で存在している。
したがって、ウォッシュコートするに従って、このようなイオン状態にある第2の担体成分を構成するに至る成分は、基材の側に移行して行く。アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属とは、存在分布を異にする。アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属は、第1の担体成分に担持された固体状であり、基材側に移行することはできない。
排ガス処理方法
上記した本発明に係る製造方法による触媒はいずれも、一酸化炭素、炭化水素及び窒素酸化物を含有する排ガスの処理方法において、100〜600℃の該排ガスを流通させ、酸素含有量の高い排ガスを流通させるリーン状態の処理工程と、酸素含有量の低い排ガスを流通させる燃料過多(リッチ)状態の処理工程と、を交互に繰り返すことによる処理方法に好適に用いられる。
ここで、酸素含有量の高い排ガスとは、理論空燃比の場合よりも多量の酸素を含んだ酸素過剰の混合気を燃焼させた場合に生じる排ガスであり、酸素含有量の低い排ガスとは、理論空燃比の場合よりも少量の酸素を含んだ燃料過剰の混合気を燃焼させた場合に生じる排ガスを意味する。また、理論空燃比とは、混合気中の燃料を完全酸化させるのに必要な酸素量を過不足なく含んだ酸素過剰の混合気の空燃比である。
先ず、酸素含有量の高いリーン状態の処理工程では、窒素酸化物の浄化反応として、下記の式(1)の反応が起こり、排ガス中のNOが排ガス処理触媒に蓄積される。
4NO+3O3+2BaCO3→2Ba(NO32+2CO2 (1)
次いで、酸素含有量の低いリッチ状態の処理工程では、窒素酸化物の浄化反応として、下記の式(2)の反応が起こり、排ガス処理触媒に蓄積した窒素酸化物がN2として排出されて、排ガス中から窒素酸化物が浄化される。
Ba(NO32+CO→BaCO3+N2+2O2 (2)
なお、リッチ状態で蓄積したアンモニアは、リーン状態で下記の式(3)及び(4)にて分解される。
4NH3 + 4NO + O2 → 4N2 + 6H2O (3)
4NH3 + 3O2 → 2N2 + 6H2O (4)
本処理方法では、リーン状態の処理工程とリッチ状態の処理工程とを交互に繰り返すが、この間の切り替える時間は特に限定されるものではなく、内燃機関等の運転状況や運転環境(温度や湿度等)によって任意に定められる。具体的には、例えばリーン状態の処理工程を1分間の内50〜58秒間行った後、リッチ状態の処理工程を2〜10秒間行い、再び、リーン状態の処理工程に移行する態様が挙げられる。
また、リーン状態の処理工程およびリッチ状態の処理工程における好ましい温度域は、通常100〜750℃、好ましくは150〜500℃程度である。従って、触媒と排ガス流とを接触させる温度いわゆる反応ガス温度は、前記温度範囲に設定することが望ましい。
この排ガス処理方法は、上記のようなリーン状態の処理工程およびリッチ状態の処理工程を含んでおり、それぞれの工程を連続して複数回繰り返して行う。
上記排ガス処理方法には、上記排ガス処理触媒を用いるものであれば、それに加えて他の触媒を任意に組み合わせて処理する方法も含まれる。
本発明に係る製造方法によって得られる触媒は、NOx及び炭化水素の浄化能力が高いが、例えば、さらに高い炭化水素浄化能力を得るために、炭化水素燃焼触媒と組み合せることもできる。組合せ方法としては、排ガス流路において本発明に係る排ガス浄化触媒の後段に炭化水素燃焼触媒を配置することができる。
このような触媒によって処理される排ガスは特に限定されず、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)を含有する排気ガスの処理に適用できるが、例えば内燃機関から排出されるガス、工場等のボイラ排ガス、加熱炉排ガス等の処理に好適に用いられる。
特に、本発明によって得られる触媒を希薄燃焼方式の内燃機関エンジンの排気系統に搭載することにより、窒素酸化物が車外へ排出されるのを著しく抑制することができる。本発明の触媒は、ディーゼル自動車のディーゼルエンジンから排出される排ガスの処理にも効果を発揮する。ディーゼルエンジンは、酸素過剰の高空燃比で運転されており、本発明の触媒は酸素含有下においても優れた活性を示すので、ディーゼルエンジンから排出される排ガスであっても窒素酸化物を効率良く浄化することができる。
〔触媒1の調製〕
68重量部のCeO2、20重量部のZrO2となるような配合割合で混合し、Pt、Rhの原料液に浸漬させて混合した後、これを焼成して、粉末1を得た。なお、Pt、Rhは、68重量部のCeO2、20重量部のZrO2合計88重量部に対して、2重量部になるようにした。そして、該触媒担持粉末を平均粒径5μm以下に整粒後、これを酢酸Ba水溶液に浸漬させ、ボールミルで粉砕して触媒担持粉末1の触媒スラリーとした。ボールミル粉砕時に、68重量部のCeO2、20重量部のZrO2、2重量部のPt、Rhの合計90重量部に対し、10重量部のBaCO3を含むような仕込み組成とした。このスラリーを基材にウォッシュコートした後焼成して、触媒1を得た。
〔触媒2〜5の調製〕
68重量部のCeO2をBa及びPt、Rhの原料液に浸漬させて混合した後、これを焼成して、触媒担持粉末2を得た。なお、BaCO3は、68重量部のCeO2に対し、20重量部含まれるように仕込んだ。68重量部のCeO2と20重量部のBaCO3との合計88重量部に対し、Pt、Rhは、合計で2重量部になるよう仕込んだ。そして、該触媒担持粉末を平均粒径5μm以下に整粒後、これをZr炭酸アンモニウム塩水溶液に浸漬させ、ボールミルで粉砕して触媒担持粉末2のスラリーとした。ボールミル粉砕時に、68重量部のCeO2、20重量部のBaCO3、Pt、Rhの2重量部の合計90重量部に対し、20重量部のZrO2を含むような仕込み組成とした。このスラリーを基材にウォッシュコートした後焼成して、触媒2を得た。同様にして触媒3〜5を得た。
〔比較例1、2の触媒の調製〕
CeO2をBa及びPt、Rhの原料液に浸漬させて混合した後、これを焼成して、比較触媒担持粉末1-αを得た。なお、BaCO3はコート用スラリー調製前の整粒した状態の組成全体を100重量部として、10重量部、Pt、Rhは合計で1重量部になるようにした。また、34重量部のCeO2と20重量部のZrO2をPt、Rhの原料液に浸漬させて混合した後、これを焼成して、比較触媒担持粉末1-βを得た。なお、Pt、Rhは、34重量部のCeO2と20重量部のZrO2との合計54重量部に対して、1重量部になるようにした。そして、該触媒担持粉末1-α及び1-βを、各々平均粒径5μm以下に整粒後、水と混合してボールミルで粉砕して比較触媒担持粉末1-α及び1-βのスラリーとした。この1-αスラリーを基材にウォッシュコートした後焼成し、その後、1-βスラリーを1-αと同量ウォッシュコートした後焼成して、比較触媒1を調製した。

また、68重量部のCeO2と20重量部のZrO2をBa及びPt、Rhの原料液に浸漬させて混合した後、これを焼成して、比較触媒担持粉末2を得た。なお、BaCO3は68重量部のCeO2と20重量部のZrO2との合計88重量部に対して10重量部、Pt、Rhは、これらの合計118重量部に対して2重量部になるようにした。そして、該触媒担持粉末2を、平均粒径5μm以下に整粒後、水と混合してボールミルで粉砕して比較触媒担持粉末2のスラリーとした。このスラリーを基材にウォッシュコートした後焼成して、比較触媒2を調製した。
〔排ガス処理試験〕
脱硝活性の評価条件は、以下の通りであった。
リーン状態:
NOx: 500ppm、O2:10%、CO2:6%、H2O:6%、N2:バランス
リッチ状態:
NOx: 500ppm、CO:4%、O2:0%、CO2:6%、H2O:6%、N2:バランス、
ガス量: 300NL/h、GHSV: 40,000h-1
触媒層温度:約300℃
なお、NOxに対する反応率(%)は、上記ガス条件をリーン57秒、リッチ3秒の切り替えを行ったときの平均とした。反応率は下記式(5)にて表される。
NOxに対する反応率(%)=[(入口NOx濃度−1分間の平均出口NOx濃度)/入口NOx濃度]×100・・・・・(5)
また、触媒をエージングする際の条件は、以下の通りである。
エージング温度:700℃、 エージング時間:50時間
下表1の結果から了解されるように、本発明に係る触媒1〜6は、比較例1、2と異なり、担体成分の複合化が進まず、エージングの後でも良好な脱硝率を維持していることが了解される。
Figure 2006231278

Claims (3)

  1. 一酸化炭素、炭化水素及び窒素酸化物を含有する排ガスの処理用触媒の製造方法であって、CeO2を主成分とする固体状の第1の担体成分と、TiO2、Al23、ZrO2、SiO2、及びLa23及びこれらの複合酸化物から成る群から選ばれた少なくとも一種の固体状の第2の担体成分とを、貴金属を含有する原料液に浸漬させ焼成して触媒担持成分を得て、該触媒担持成分を整粒後、該触媒担持成分をアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を含有する原料液に浸漬させ、触媒スラリーを調製し、該触媒スラリーを基材にウォッシュコートするようにしたことを特徴とする排ガスの処理用触媒の製造方法。
  2. 一酸化炭素、炭化水素及び窒素酸化物を含有する排ガスの処理用触媒の製造方法であって、CeO2を主成分とする固体状の第1の担体成分に、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属、並びに貴金属を担持させ、触媒担持成分を得て、該触媒担持成分を整粒後、該触媒担持成分をTiO2、Al23、ZrO2、SiO2、及びLa23及びこれらの複合酸化物から成る群から選ばれた少なくとも一種の第2の担体成分の原料液に浸漬させ、粉砕して触媒スラリーを調製し、該触媒スラリーを基材にウォッシュコートするようにしたことを特徴とする排ガスの処理用触媒の製造方法。
  3. 請求項1又は2の製造方法によって得られる排ガスの処理用触媒。
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