JP2006229154A - 圧電アクチュエータ、インクジェットヘッド、およびそれらの製造方法 - Google Patents

圧電アクチュエータ、インクジェットヘッド、およびそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract


【課題】 電極層の密着性を改善できる圧電アクチュエータ、インクジェットヘッドおよびその製造方法を提供することにある。
【解決手段】 振動板2上に、エアロゾルデポジション法により、圧電層5を構成する材料と同一のPZTからなる密着層3を形成する。このとき、セラミックス材料であるPZTの粒子は比較的硬く、衝突の衝撃によって振動板2にめり込むため、密着層3が振動板2に強く密着する。そして、この密着層3上に、下部電極4を形成し、その上に圧電層5を重ねる。このとき、下部電極4を圧力室16の開口部16Aに対応する領域に設け、その周縁には密着層3が露出する露出領域3Aを設けておく。そして、この上に圧電層5を積層すると、露出領域3においては圧電層5が密着層3上に直接に積層され、密着層3と一体化する。したがって、下部電極4が密着層3と圧電層5からなるセラミックス層に閉じ込められて強固に固定される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、圧電アクチュエータ、インクジェットヘッド、およびそれらの製造方法に関する。
インクジェットヘッド等に用いられる圧電アクチュエータの一例として、特許文献1に記載のものがある。この圧電アクチュエータは、流路形成体においてノズル開口と連通する圧力室の開口部を閉じるように設けられる基板(振動板)を備え、この基板上に下部電極、圧電層、上部電極を積層したものである。下部電極と上部電極との間に電界を印加すると、圧電層の変形に伴って基板が撓み、圧力室内のインクが加圧されてノズル開口から吐出される。
このような圧電アクチュエータの製造方法として、エアロゾルデポジション法(AD法)と呼ばれるものがある。これは、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電材料の微粒子を気体中に分散させたもの(エアロゾル)を基板表面に向けて噴射させ、微粒子を基板上に衝突・堆積させることにより圧電膜を形成させるものである(例えば特許文献1)。
特開2001−54946公報
ところが、下部電極層は、下層の基板や上層の圧電層との密着性があまり強くなく、製造工程中に部分的に剥離を生じてしまう場合がある。例えば、圧電層にアニール処理を施す際に、各層を構成する材料の熱膨張率に差によって重なり合う層の界面に応力が生じ、剥離が起こることがある。このような場合には、充分な圧電特性が得られなくなってしまうため、改善が求められていた。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電極層の密着性を改善できる圧電アクチュエータ、インクジェットヘッドおよびその製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するための請求項1の発明に係る圧電アクチュエータは、基板と、前記基板上にセラミックス材料により形成された密着層と、前記密着層上に、周縁に前記密着層が露出された露出領域を残しつつ形成された一の電極層と、前記一の電極層が設けられた前記密着層上に圧電材料の粒子を含むエアロゾルを噴き付けて前記粒子を付着させることにより前記露出領域および前記一の電極層を覆うように設けられた圧電層と、前記圧電層上に設けられて前記一対の電極と対となる他の電極層と、を備えるものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の圧電アクチュエータであって、前記密着層が前記圧電材料の粒子を含むものである。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の圧電アクチュエータであって、前記密着層の厚みが5μm以下とされたものである。
請求項4の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の圧電アクチュエータであって、前記密着層が、組成の異なる複数の層が積層されてなるものであって、前記複数の層の厚みがそれぞれ3μm以下とされたものである。
なお、密着層を構成する層の具体例としては、例えばアルミナ、ジルコニア等からなる絶縁層、拡散防止層等が挙げられる。
請求項5の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の圧電アクチュエータであって、前記一の電極層が、前記基板に含まれる元素の前記圧電層への拡散を防止する拡散防止機能を有するものである。
請求項6の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の圧電アクチュエータであって、前記密着層が、前記セラミックス材料の粒子を含むエアロゾルを前記基板に噴き付けて付着させることにより設けられるものである。
請求項7の発明は、インクを吐出するためのインク吐出ノズルと、前記インク吐出ノズルに連通するとともに一面側に開口する開口部を備えた圧力室が複数設けられたインク流路形成体と、前記インク流路形成体の一面側に前記開口部を閉じるように設けられた振動板と、前記振動上にセラミックス材料により形成された密着層と、前記密着層上に、周縁に前記密着層が露出された露出領域を残しつつ形成された一の電極層と、前記一の電極層が設けられた前記密着層上に、圧電材料の粒子を含むエアロゾルを噴き付けて前記粒子を付着させることにより前記露出領域および前記一の電極層を覆うように設けられた圧電層と、前記圧電層上に設けられて前記一対の電極と対となる他の電極層と、を備えるインクジェットヘッドである。
請求項8の発明は、請求項7に記載のインクジェットヘッドであって、前記一の電極層が、前記開口部に対応する開口領域に設けられているとともに、前記振動板に含まれる元素の前記圧電層への拡散を防止する拡散防止機能を有するものである。
請求項9の発明は、基板にセラミックス材料の粒子を含むエアロゾルを噴き付けてこのセラミックス材料の粒子を付着させることにより密着層を形成する密着層形成工程と、前記密着層上において、周縁に前記密着層が露出する露出領域を残しつつ一の電極層を形成する第1の電極層形成工程と、前記一の電極層を形成させた密着層上に圧電材料の粒子を含むエアロゾルを噴き付けてこの圧電材料の粒子を付着させることにより前記露出領域および前記一の電極層を覆うように圧電層を形成する圧電層形成工程と、前記圧電層をアニール処理するアニール処理工程と、前記圧電層上に前記一の電極層と対をなす他の電極層を形成する第2の電極層形成工程と、を含む圧電アクチュエータの製造方法である。
請求項10の発明は、インクを吐出するためのインク吐出ノズルに連通するとともに一面側に開口する開口部を備えた圧力室が複数設けられたインク流路形成体と、前記インク流路形成体の一面側に前記開口部を閉じるように設けられる振動板と、この振動板上に積層される圧電膜とを備える圧電アクチュエータと、を備えるインクジェットヘッドを製造する方法であって、前記振動板にセラミックス材料の粒子を含むエアロゾルを噴き付けてこのセラミックス材料の粒子を付着させることにより密着層を形成する密着層形成工程と、前記密着層上において、前記開口部に対応する開口領域に、周縁に前記密着層が露出する露出領域を残しつつ一の電極層を形成する第1の電極層形成工程と、前記一の電極層を形成させた密着層上に圧電材料の粒子を含むエアロゾルを噴き付けてこの圧電材料の粒子を付着させることにより前記露出領域および前記一の電極層を覆うように圧電層を形成する圧電層形成工程と、前記圧電層をアニール処理するアニール処理工程と、前記圧電層上に前記一の電極層と対をなす他の電極層を形成する第2の電極層形成工程と、を含むものである。
請求項11の発明は、請求項10に記載のインクジェットヘッドの製造方法であって、前記密着層形成工程の前に、前記インク流路形成体を形成する前記インク流路形成体形成工程と、前記インク流路形成体の前記一面に前記振動板を接合する振動板接合工程と、
をさらに備えるものである。
請求項1および請求項7の発明によれば、基板(振動板)上に、セラミックス材料により形成されて、圧電層(多くは酸化物セラミックスである)との親和性の良い密着層を設ける。そして、密着層上には一の電極層を設ける。このとき、この一の電極層の周縁には密着層が露出された露出領域が設けられているから、この露出領域がその上層に設けられる圧電層と直接に接し、圧電層と強く密着する。このような構成によれば、一の電極層は、密着層と圧電層とに挟み込まれて、密着層の露出領域と圧電層との強い密着によって固定される。これにより、一の電極層の剥離を防止することができ、良好な圧電特性を確保することができる。
請求項2の発明によれば、密着層が、圧電層を構成する圧電材料と同種の材料を含む。このような構成によれば、密着層と圧電層とが一体化し、より強く密着するから、一の電極層の剥離防止をより確実なものとすることができる。また、材料の共通化によりコストダウンを図ることができる。
請求項3の発明によれば、密着層の厚みが5μm以下とされている。ここで、密着層は圧電アクチュエータの撓み動作には寄与しない層であり、あまり厚ければ撓み動作に影響を与える。一方で、密着性に関しては、薄くても層として形成されている限りその能力を発揮することができる。このため、密着層を、撓み動作にほとんど影響を与えない程度に薄くすることによって、圧電アクチュエータとしての動作を安定させることができる。
請求項4の発明によれば、密着層は、組成の異なる複数の層が積層されてなるものである。このような構成によれば、種々の特性を有する層を組み合わせることによって、種々の機能を密着層に付加することができ、優れた圧電アクチュエータを提供することができる。また、各層を、撓み動作にほとんど影響を与えない程度に薄くすることによって、圧電アクチュエータとしての動作を安定させることができる。
請求項5の発明によれば、一の電極層が拡散防止機能を備える。このような構成によれば、基板に含まれる元素の圧電層への拡散を抑制して圧電特性の低下を防ぐことができる。
請求項6の発明によれば、密着層は、圧電層と同様にエアロゾルデポジション法により作製される。このように、製法の共通化を図ることにより、製造コストを削減できる。
請求項8の発明によれば、一の電極層が、密着層上において圧力室の開口部に対応する開口領域に設けられており、かつ、拡散防止機能を有している。このような構成によれば、開口領域、すなわち電圧の印加により撓むことが必要な領域において、振動板に含まれる元素の圧電層への拡散の影響による圧電特性の低下を防ぐことができる。
請求項9〜11の発明によれば、基板上に、セラミックス材料の粒子を含むエアロゾルを噴き付けてこれらの粒子を付着させることにより密着層を形成する。このとき、セラミックス材料の粒子は比較的硬く、衝突の衝撃によって基板にめり込むため、密着層が基板に強く密着する。
そして、この密着層上に、一の電極層を形成し、その上に圧電層を重ねる。このとき、一の電極層の周縁には密着層が露出する露出領域が設けられるから、この露出領域が上層に形成される圧電層と直接に接し、圧電層と密着する。ここで、密着層はセラミックス材料により形成されて、圧電層(多くは酸化物セラミックスである)と親和性が良いから、密着層と圧電層とが強く密着する。このようにすれば、一の電極層が密着層と圧電層との間に挟み込まれ、密着層の露出領域と圧電層との密着によって固定される。これにより、下部電極の基板及び圧電層との剥離を防止でき、良好な圧電特性を確保することができる。
<第1実施形態>
以下、本発明を具体化した第1実施形態について、図1〜図3を参照しつつ詳細に説明する。図1には、本実施形態のインクジェットヘッド10を示す。インクジェットヘッド10は、インク20が収容される複数の圧力室16を備えた流路ユニット11(本発明のインク流路形成体に該当する)と、この流路ユニット11上に圧力室16を閉じるように接合されたアクチュエータプレート1(本発明の圧電アクチュエータに該当する)とを備えている。
流路ユニット11は、全体として平板状をなしており、ノズルプレート12、マニホールドプレート13、流路プレート14、および圧力室プレート15を順に積層するとともに、各プレート12、13、14、15を互いにエポキシ系の熱硬化性接着剤にて接合した構成となっている。
ノズルプレート12は、ポリイミド系の合成樹脂材料にて形成されており、その内部にはインク20を噴射するための複数のインク吐出ノズル19が整列して形成されている。マニホールドプレート13は、例えばステンレス(SUS430)にて形成され、その内部には、インク吐出ノズル19に接続する複数のノズル流路18が設けられている。流路プレート14は、同じくステンレス(SUS430)にて形成されており、内部にノズル流路18に連通した複数のプレッシャ流路17が設けられている。圧力室プレート15は同じくステンレス(SUS430)にて形成され、その内部にはプレッシャ流路17に連通した複数の圧力室16が設けられている。圧力室16は、流路プレート14、マニホールドプレート13に設けられた図示しないマニホールド流路、および共通インク室を介してインクタンクに接続されている。このようにして、インクタンクに接続された共通インク室から、マニホールド流路、圧力室16、プレッシャ流路17およびノズル流路18を経てインク吐出ノズル19へと至るインク流路が形成されている。
この流路ユニット11に積層されるアクチュエータプレート1は、圧力室16の壁面の一部を構成する振動板2(本発明の基板に該当する)と、この振動板2上に形成された密着層3と、この密着層3上に設けられた下部電極4(本発明の一の電極層に該当する)と、この下部電極4が設けられた密着層3上に積層された圧電層5と、この圧電層5上に設けられた上部電極6(本発明の他の電極層に該当する)とで構成されている。
振動板2は、例えばステンレス(SUS430)にて矩形状に形成されており、流路ユニット11の上面に熱圧着により接合されて、流路ユニット11の上面全体を覆う形態となっている。なお、この振動板2は、流路ユニット11を構成するマニホールドプレート13、流路プレート14、および圧力室プレート15と同種の金属材料により形成されており、これにより、振動板2を流路ユニット11に熱圧着する際の反りを防止することができる。
この振動板2において流路ユニット11に接する面と反対側の面には、密着層3が全面にわたって設けられている。この密着層3は、エアロゾルデポジション法により形成されたものであって、後述の圧電層5を構成する圧電セラミックス材料と同一の材料により構成されている。
この密着層3上には、下部電極4、および各下部電極4に接続した複数のリード部(図示せず)が形成されている。下部電極4は、流路ユニット11における各圧力室16の開口部16Aに対応する開口領域にそれぞれ設けられており、密着層3の面上において開口部16Aから外れた領域は、下部電極4によって覆われない露出領域3Aとされている。各下部電極4は、駆動回路IC(図示せず)のグランドに接続されてグランド電極として使用される。
圧電層5は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の強誘電体の圧電セラミックス材料から形成されており、密着層3との間で下部電極4を挟み込むようにしながら、密着層3の表面全体にほぼ均一な厚みで積層されている。密着層3の面上において下部電極4によって覆われない露出領域3Aは、圧電層5と直に接している。このとき、密着層3は、圧電層5を構成する圧電セラミックス材料と同一の材料からなっているため、この露出領域3Aでは両層3、5が一体化して強く密着している。これにより、下部電極4は、密着層3と圧電層5とからなるセラミックス層の内部に閉じ込められ、強く固定される。
なお、この圧電層5は、エアロゾルデポジション法により形成されたものであって、その厚み方向に分極するように分極処理が施されている。
この圧電層5の表面(密着層3に密着されている側と逆側の面)には、複数の上部電極6が備えられている。この上部電極6は、圧電層5の表面全面に渡って設けられるとともに、駆動回路ICに接続されており、駆動電極として使用される。
印刷を行う際には、駆動回路ICから所定の駆動信号が発せられると、上部電極6の電位が下部電極4よりも高い電位とされ、圧電層5の分極方向(厚み方向)に電界が印加される。すると、圧電層5が厚み方向に膨らむとともに、面方向に収縮する。これにより、圧電層5および振動板2(即ちアクチュエータプレート1)が、圧力室16側に凸となるように局所的に変形する(ユニモルフ変形)。このため、圧力室16の容積が低下して、インク20の圧力が上昇し、インク吐出ノズル19からインク20が噴射される。その後、上部電極6が下部電極4と同じ電位に戻されると、圧電層5と振動板2とが元の形状になって圧力室16の容積が元の容積に戻るので、インク20をインクタンクに連通するマニホールド流路より吸い込む。
さて、密着層3および圧電層5は、エアロゾルデポジション法によって成膜されるものである。図2に、成膜装置30の概略図を示した。この成膜装置30は、材料粒子Mをキャリアガスに分散させてエアロゾルZを形成するエアロゾル発生器31、およびエアロゾルZを噴射ノズル37から噴出させて基板に付着させるための成膜チャンバ35を備えている。
エアロゾル発生器31には、内部に材料粒子Mを収容可能なエアロゾル室32と、このエアロゾル室32に取り付けられてエアロゾル室32を振動する加振装置33とを備えている。エアロゾル室32には、キャリアガスを導入するためのガスボンベBが導入管34を介して接続されている。導入管34の先端はエアロゾル室32内部において底面付近に位置し、材料粒子M中に埋没するようにされている。キャリアガスとしては、例えばヘリウム、アルゴン、窒素等の不活性ガスや空気、酸素等を使用することができる。
成膜チャンバ35には、圧電層を形成する基板を取り付けるためのステージ36と、このステージ36の下方に設けられた噴射ノズル37が備えられている。噴射ノズル37は、エアロゾル供給管38を介してエアロゾル室32に接続されており、エアロゾル室32内のエアロゾルZが、エアロゾル供給管38を通って噴射ノズル37に供給されるようになっている。また、この成膜チャンバ35には、粉体回収装置39を介して真空ポンプPが接続されており、その内部を減圧できるようにされている。
次に、この成膜装置30を用いて、アクチュエータプレート1を備えたインクジェットヘッド10を製造する方法について説明する。
まず、ステンレスにより形成されたマニホールドプレート13、流路プレート14、圧力室プレート15に、それぞれノズル流路18、プレッシャ流路17、圧力室16となる孔をエッチングにより形成する。次いで、これらを積層した状態で接合し、流路ユニットの大半を形成する(インク流路形成体形成工程)。なお、ノズルプレート12は合成樹脂材料により形成されているため、後述するアニール処理の際に加熱すると溶融するから、ここでは接合せず、アニール処理の後に接合する。
次に、図3Aに示すように、ステンレスにより形成された振動板2を、流路ユニット11における圧力室プレート15の上面に位置合わせした状態で重ねて熱圧着により接合し、振動板2によって各圧力室16を閉鎖する(振動板接合工程)。
次に、図3Bに示すように、振動板2上に密着層3を形成する(密着層形成工程)。密着層3は、エアロゾルデポジション法(AD法)によって形成する。まず、振動板2を成膜装置30のステージ36にセットする。次いで、エアロゾル室32の内部に、材料粒子Mとして圧電セラミックス材料であるPZTの粒子を投入する。
そして、ガスボンベBからキャリアガスを導入して、そのガス圧で材料粒子Mを舞い上がらせる。それととともに、加振装置33によってエアロゾル室32を振動することで、材料粒子Mとキャリアガスとを混合してエアロゾルZを発生させる。そして、成膜チャンバ35内を真空ポンプPにより減圧することにより、エアロゾル室32と成膜チャンバ35との間の差圧により、エアロゾル室32内のエアロゾルZを高速に加速しつつ噴射ノズル37から噴出させる。噴出したエアロゾルZに含まれる材料粒子Mは振動板2に衝突して堆積し、密着層3を形成する。
このとき、材料粒子MであるPZTは適度な硬さをもつセラミックス材料の粒子であるので、振動板2の表面に高速で衝突し、これらが粉砕されつつ振動板2に適度にめり込んだ微細構造を取る。これにより、粒界面が緻密で密着性の高い層を作ることができる。また、密着層3の厚みを5μm以下とする。この理由は、密着層3はアクチュエータプレート1の撓み動作には寄与しない一方で、密着性に関しては、薄くても層として形成されている限りその能力を発揮することができるためである。すなわち、密着層3を、撓み動作にほとんど影響を与えない程度に薄くすることによって、アクチュエータプレート1の動作を安定させることができるのである。
次に、図3Cに示すように、この密着層3上に下部電極4および図示しないリード部を形成する(第1の電極層形成工程)。下部電極4およびリード部を形成するには、例えば、密着層3上の全域に導体膜を形成した後、フォトリソグラフィ・エッチング法を利用して所定のパターンに形成してもよく、あるいは密着層3の上面に直接スクリーン印刷により形成しても良い。このとき、下部電極4は流路ユニット11における各圧力室16の開口部16Aに対応する開口領域に形成される。すなわち、下部電極4の周縁であって開口部16Aから外れた領域は、下部電極4によって覆われず、密着層3が露出した露出領域3Aとなる。なお、下部電極4は、後述のアニール工程において圧電層5への拡散が起こらず、かつ、振動板2に含まれるFe,Cr等の金属元素の圧電層5への拡散を防ぐ機能を有する材料、例えば金や白金等により形成されることが好ましい。
続いて、図3Dに示すように、圧電層5をエアロゾルデポジション法(AD法)によって形成する(圧電層形成工程)。まず、下部電極4形成後の振動板2を成膜装置30のステージ36にセットする。次いで、エアロゾル室32の内部に、材料粒子MとしてPZTの粒子を投入する。
そして、上記した第1の電極層形成工程と同様にしてエアロゾルZを発生させ、振動板2に吹き付ける。噴出したエアロゾルZに含まれる材料粒子Mは密着層3および下部電極4の面上に衝突して堆積し、圧電層5を形成する。このとき、下部電極4が、圧力室16の開口部16Aに対応する領域のみに形成されており、その周縁は密着層3が露出した露出領域3Aとなっている。したがって、この露出領域3Aでは材料粒子Mが密着層3上に直接に堆積する。ここで、密着層3は、圧電層5を構成するPZTと同一の材料からなっているため、圧電層5が密着層3上に直接に積層される露出領域3Aでは、両層3、5が一体化して強く密着する。これにより、下部電極4は、密着層3と圧電層5とからなるセラミックス層の内部に閉じ込められ、強く固定される。
続いて、必要な圧電特性を得るために、形成した圧電層5のアニール処理を行う。アニール処理は、充分な圧電特性の確保のために600℃以上で行われることが好ましく、800℃以上で行われることがより好ましい。このとき、振動板2と密着層3とは、上記したように両層3、5が直接に重ねられる露出領域3Aにおいて一体化し、これら両層3、5によって構成されるセラミックス層の内部に下部電極4が固定された構造となっている。これにより、熱膨張率の差による下部電極4の密着層3、圧電層5からの剥離を回避することができる。さらに、上記したように密着層3は適度な硬さをもつセラミックス材料の粒子を振動板2に衝突、付着させることにより形成されているものであるから、その界面が振動板2に適度にめり込んだ微細構造を取っており、振動板2に強く密着している。これにより、熱膨張率の差による密着層3の振動板2からの剥離を回避することができる。
また、加熱によってステンレス製の振動板2に含まれているFe、Crが圧電層5中に拡散する。しかし、下部電極4は拡散防止機能を有する材料により形成されているので、この下部電極4が形成されている領域、すなわち圧力室16の開口部16Aに対応する領域では、Fe、Crの拡散が防止される。加えて、下部電極4自身は加熱による拡散の起こらない材料によって構成されているから、下部電極4からの圧電層5への拡散の影響はない。これにより、電圧の印加により撓むことが必要な領域において、拡散の影響による圧電特性の低下を防ぐことができる。
次に、図3Eに示すように、圧電層5の上面に上部電極6を全面にわたって形成する(第2の電極層形成工程)。この後、上部電極6−密着層3間に通常のインク噴射動作時よりも強い電界を印加して、両電極間の圧電層5を厚み方向に分極する(分極処理)。最後に、ノズルプレート12をマニホールドプレート13に接合する。以上によりアクチュエータプレート1が完成する。
以上のように本実施形態によれば、振動板2上に、エアロゾルデポジション法により、圧電層5を構成する材料と同一のPZTからなる密着層3を形成する。このとき、セラミックス材料であるPZTの粒子は比較的硬く、衝突の衝撃によって振動板2にめり込むため、密着層3が振動板2に強く密着する。そして、この密着層3上に、下部電極4を形成し、その上に圧電層5を重ねる。このとき、下部電極4を圧力室16の開口部16Aに対応する領域に設け、その周縁には密着層3が露出する露出領域3Aを設けておく。そして、この上に圧電層5を積層すると、露出領域3Aにおいては圧電層5が密着層3上に直接に積層され、密着層3と一体化する。したがって、下部電極4が密着層3と圧電層5からなるセラミックス層に閉じ込められて強固に固定される。これにより、各層を構成する材料の熱膨張率の差による層間の剥離を回避することができ、良好な圧電特性を確保することができる。
また、密着層3を、撓み動作にほとんど影響を与えない程度に薄くすることによって、圧電アクチュエータとしての動作を安定させることができる。さらに、密着層3と圧電層5との製法および材料を共通化することにより、コストダウンを図ることができる。
加えて、下部電極4を、圧力室16の開口部16Aに対応する開口領域に設け、かつ、拡散防止機能を有する材料によって構成する。これにより、開口領域、すなわち電圧の印加により撓むことが必要な領域において、振動板2に含まれる元素の圧電層5への拡散の影響による圧電特性の低下を防ぐことができる。
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態について、図4および図5を参照しつつ説明する。図4には、本実施形態のインクジェットヘッド40を、図5には、このインクジェットヘッド40用のアクチュエータプレート41の製造工程を示した。本実施形態の第1実施形態との相違点は、密着層43が圧電層45とは異なる種類のセラミックス材料により形成されている点である。
本実施形態のインクジェットヘッド40は、第1実施形態と同様の構成の流路ユニット11と、この流路ユニット11上に圧力室16を閉じるように接合されたアクチュエータプレート41とを備えている。
アクチュエータプレート41は、第1実施形態と同様に、ステンレス製の振動板42上に、密着層43、下部電極44、圧電層45、および上部電極46をこの順に積層したものである。密着層43は、第1実施形態と同様にエアロゾルデポジション法により形成されたものであって、例えばアルミナ等の、圧電層45を構成する圧電セラミックス材料とは異種の絶縁性セラミックス材料により構成されている。この密着層43は、振動板42に含まれる金属元素の圧電層45への拡散を防止する拡散防止層を兼ねている。
その余の構成は第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
本実施形態のアクチュエータプレート41を製造する際には、まず、第1実施形態と同様に、ステンレスにより形成された振動板42を、流路ユニット11における圧力室プレート15の上面に位置合わせした状態で重ねて熱圧着により接合し、振動板42によって各圧力室16を閉鎖する(図5A)。
次に、振動板42上に密着層43を形成する。密着層43は、材料粒子Mとして例えばアルミナの粒子を用い、第1実施形態と同様にエアロゾルデポジション法(AD法)によって形成する(図5B)。このとき、材料粒子Mであるアルミナは適度な硬さをもつセラミックス材料の粒子であるので、第1実施形態と同様に、振動板2の表面に高速で衝突し、これらが粉砕されつつ振動板2に適度にめり込んだ微細構造を取る。これにより、密着層3が振動板2に強く密着する。
次に、密着層43上に下部電極44および図示しないリード部を形成する(図5C)。このとき、第1実施形態と同様に、下部電極4は流路ユニット11における各圧力室16の開口部16Aに対応する開口領域に形成され、この開口部16Aから外れた領域は、密着層43が露出した露出領域43Aとなる。
続いて、第1実施形態と同様に、圧電層45をエアロゾルデポジション法(AD法)によって形成する(図5D)。このとき、第1実施形態と同様に、露出領域43Aでは材料粒子Mが密着層43上に直接に堆積する。ここで、密着層43は、圧電層45を構成する圧電セラミックス材料と同質で親和性の良いセラミックス材料からなっているため、圧電層5が密着層43上に直接に積層される露出領域43Aでは、両層43、45が強く密着する。これにより、下部電極44は、密着層43と圧電層45とに挟み込まれて、露出領域43Aにおける密着層43と圧電層45との強い密着によって強固に固定される。
続いて、必要な圧電特性を得るために、形成した圧電層45のアニール処理を行う。このとき、振動板42−密着層43間は上記したように強く密着している。また、密着層43−圧電層45間も露出領域43Aにおいて強く密着し、これら両層の間に下部電極44が固定された構造となっている。これにより、第1実施形態と同様に、各層を構成する材料の熱膨張率の差による層間の剥離を回避することができる。
さらに、密着層43が拡散防止層を兼ねているため、振動板42に含まれる元素の圧電層45への拡散が防止される。これにより、拡散の影響による圧電特性の低下を防ぐことができる。
次に、第1実施形態と同様に圧電層45の上面に上部電極46を全面にわたって形成する(図5E)。この後、上部電極46−密着層43間に通常のインク噴射動作時よりも強い電界を印加して、両電極間の圧電層45を厚み方向に分極する(分極処理)。以上によりアクチュエータプレート41が完成する。
以上のように、本実施形態によっても、第1実施形態と同様に各層を構成する材料の熱膨張率の差による層間の剥離を回避することができる。また、密着層43に拡散防止機能を持たせることにより、アニール処理時において振動板42に含まれる元素の圧電層45への拡散を防止し、圧電特性の低下を防ぐことができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
<実施例1>
1.下部電極および圧電層の形成
(1)密着層
ステンレス(SUS430)製の基板の表面に、AD法により厚さ2μmの密着層を形成した。セラミックス材料としてはアルミナを用い、成膜条件は、ノズル開口0.4mm×10mm、成膜チャンバー内圧力400Pa、エアロゾル室内圧力30000Pa、キャリアガス種類He、ガス流量は6リットル/min、ノズル−基板間距離10〜20mmとした。
(2)下部電極
下部電極材料としては、Ti/Pt合金を用いた。成膜装置としては上記実施形態と同様のものを使用した。
密着層上に、RF(高周波)スパッタ法により厚さ1μmの下部電極層を形成した。スパッタ条件は高周波電力1kW、チャンバ内圧力0.08Paとした。このとき、下部電極をアルミナ層よりも一回り小さく形成し、下部電極の周縁に密着層が露出した領域が残るようにした。
(3)圧電層
次いで、この下部電極層を形成した密着層上に、AD法により圧電層を形成した。圧電材料としてはPZTを用い、成膜条件はノズル開口0.4mm×10mm、成膜チャンバー内圧力300Pa、エアロゾル室内圧力30000Pa、キャリアガス種類He、ガス流量は4リットル/min、ノズル−基板間距離10〜20mmとした。このとき、圧電層を密着層上面の全面にわたって形成し、下部電極周縁の密着層が露出した領域においては、圧電層が密着層上に直接に積層されるようにした。圧電層の厚さは表面粗さ計による段差測定で概ね8μmであった。
2.試験
圧電膜上に粘着性樹脂テープを用いてマスキングを行い、有効面積3.6mm以上の上部電極をAu蒸着機を用いて形成して、圧電アクチュエータを構成した。
この圧電アクチュエータに、また、強誘電体測定器(TFANALYZER2000;AiXACT社製)により、周波数1Hzで電圧を+30V〜−30Vまで変化させながら印加して静電容量を測定し、残留分極(Pr)および抗電界(Ec)を求めた。
<比較例>
圧電層を下部電極上にのみ形成し、圧電層と密着層とが直に接する部分が無いようにした。その他は、実施例1と同様にして下部電極および圧電層の形成、および試験を行った。
[結果と考察]
実施例、比較例ともに、試験開始直後のPrは36μC/cm、Ecは80kV/cmであった。実施例においては、開始60分後のPrは34μC/cm、Ecは82kV/cmであり、良好な圧電特性を維持していた。一方、比較例では、開始10分後にPrが10μC/cm、Ecが90kV/cmとなり、圧電特性が大きく低下していることから、下部電極層の剥離が生じていると判断された。
このことから、実施例においては、密着層の露出領域と圧電層との強い密着により下部電極層が固定されているために、下部電極の密着層および圧電層からの剥離が回避され、高い圧電特性を維持できているといえる。
本発明の技術的範囲は、上記した実施形態によって限定されるものではなく、例えば、次に記載するようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。その他、本発明の技術的範囲は、均等の範囲にまで及ぶものである。
(1)上記実施形態では、圧電材料としてPZTを使用したが、圧電材料の種類としては圧電アクチュエータの材料として通常に使用されるものであれば特に制限はなく、例えばチタン酸バリウム、チタン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛(PMN)、ニッケルニオブ酸鉛(PNN)、亜鉛ニオブ酸鉛等を使用することができる。
(2)上記実施形態では、圧力室16の開口部16Aに対応する領域に下部電極4、44を形成し、開口部16Aから外れる領域を露出領域3A、43Aとしたが、下部電極と露出領域の形成位置は上記実施形態の限りではなく、下部電極の周囲を囲うように露出領域が設けられる形態であればいかなる形態であっても良い。例えば、密着層の周縁よりやや内側位置までを露出領域とし、この露出領域よりも内側の領域に全域にわたって下部電極を形成するようにしても良い。
(3)上記実施形態では、上部電極を圧電層の全面にわたって形成したが、上部電極の形状は上記実施形態の限りではなく、例えば各圧力室の開口部に対応する領域に個別に形成しても良い。
(4)第1実施形態では、密着層3を構成する材料として圧電層5を構成する材料と同一のPZTを使用し、第2実施形態では、密着層43を構成する材料として圧電層45を構成する材料とは異なるセラミックス材料であるアルミナを使用したが、密着層を構成する材料は上記実施形態の限りではなく、圧電層を構成する圧電セラミック材料と同質で親和性の良いセラミックス材料であれば適用可能である。例えば、インジウム−スズ酸化物(ITO)、SrRuO(SRO)など、一般には電極として用いられる材料であっても良いし、また、例えば、密着層3を、圧電層を構成する材料と同一の材料と異なる材料との混合物によって形成しても良い。
第1実施形態のインクジェットヘッドの側断面図 成膜装置の概略図 第1実施形態のアクチュエータプレートの製造工程を示す側断面図 (A)振動板を圧力室プレートに接合した様子を示す図 (B)密着層を露出領域形成した様子を示す図 (C)下部電極を形成した様子を示す図 (D)圧電膜を形成した様子を示す図 (E)上部電極を形成した様子を示す図 第2実施形態のインクジェットヘッドの側断面図 第2実施形態のアクチュエータプレートの製造工程を示す側断面図 (A)振動板を圧力室プレートに接合した様子を示す図 (B)密着層を形成した様子を示す図 (C)下部電極を形成した様子を示す図 (D)圧電膜を形成した様子を示す図 (E)上部電極を形成した様子を示す図
符号の説明
1…アクチュエータプレート(圧電アクチュエータ)
2…振動板(基板)
3…密着層
3A…露出領域
4…下部電極(一の電極層)
5…圧電層
6…上部電極(他の電極層)
10…インクジェットヘッド
11…流路ユニット(インク流路形成体)
16…圧力室
16A…開口部
19…インク吐出ノズル

Claims (11)

  1. 基板と、
    前記基板上にセラミックス材料により形成された密着層と、
    前記密着層上に、周縁に前記密着層が露出された露出領域を残しつつ形成された一の電極層と、
    前記一の電極層が設けられた前記密着層上に圧電材料の粒子を含むエアロゾルを噴き付けて前記粒子を付着させることにより前記露出領域および前記一の電極層を覆うように設けられた圧電層と、
    前記圧電層上に設けられて前記一対の電極と対となる他の電極層と、
    を備える圧電アクチュエータ。
  2. 前記密着層が前記圧電材料の粒子を含む請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
  3. 前記密着層の厚みが5μm以下である請求項1または請求項2に記載の圧電アクチュエータ。
  4. 前記密着層が、組成の異なる複数の層が積層されてなるものであって、前記複数の層の厚みがそれぞれ3μm以下である請求項1〜請求項3のいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
  5. 前記一の電極層が、前記基板に含まれる元素の前記圧電層への拡散を防止する拡散防止機能を有する請求項1〜請求項4のいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
  6. 前記密着層が、前記セラミックス材料の粒子を含むエアロゾルを前記基板に噴き付けて付着させることにより設けられるものである請求項1〜請求項5のいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
  7. インクを吐出するためのインク吐出ノズルと、
    前記インク吐出ノズルに連通するとともに一面側に開口する開口部を備えた圧力室が複数設けられたインク流路形成体と、
    前記インク流路形成体の一面側に前記開口部を閉じるように設けられた振動板と、
    前記振動板上にセラミックス材料により形成された密着層と、
    前記密着層上に、周縁に前記密着層が露出された露出領域を残しつつ形成された一の電極層と、
    前記一の電極層が設けられた前記密着層上に、圧電材料の粒子を含むエアロゾルを噴き付けて前記粒子を付着させることにより前記露出領域および前記一の電極層を覆うように設けられた圧電層と、
    前記圧電層上に設けられて前記一対の電極と対となる他の電極層と、
    を備えるインクジェットヘッド。
  8. 前記一の電極層が、前記開口部に対応する開口領域に設けられているとともに、前記振動板に含まれる元素の前記圧電層への拡散を防止する拡散防止機能を有する請求項7に記載のインクジェットヘッド。
  9. 基板にセラミックス材料の粒子を含むエアロゾルを噴き付けてこのセラミックス材料の粒子を付着させることにより密着層を形成する密着層形成工程と、
    前記密着層上において、周縁に前記密着層が露出する露出領域を残しつつ一の電極層を形成する第1の電極層形成工程と、
    前記一の電極層を形成させた密着層上に圧電材料の粒子を含むエアロゾルを噴き付けてこの圧電材料の粒子を付着させることにより前記露出領域および前記一の電極層を覆うように圧電層を形成する圧電層形成工程と、
    前記圧電層をアニール処理するアニール処理工程と、
    前記圧電層上に前記一の電極層と対をなす他の電極層を形成する第2の電極層形成工程と、
    を含む圧電アクチュエータの製造方法。
  10. インクを吐出するためのインク吐出ノズルに連通するとともに一面側に開口する開口部を備えた圧力室が複数設けられたインク流路形成体と、
    前記インク流路形成体の一面側に前記開口部を閉じるように設けられる振動板と、この振動板上に積層される圧電膜とを備える圧電アクチュエータと、
    を備えるインクジェットヘッドを製造する方法であって、
    前記振動板にセラミックス材料の粒子を含むエアロゾルを噴き付けてこのセラミックス材料の粒子を付着させることにより密着層を形成する密着層形成工程と、
    前記密着層上において、前記開口部に対応する開口領域に、周縁に前記密着層が露出する露出領域を残しつつ一の電極層を形成する第1の電極層形成工程と、
    前記一の電極層を形成させた密着層上に圧電材料の粒子を含むエアロゾルを噴き付けてこの圧電材料の粒子を付着させることにより前記露出領域および前記一の電極層を覆うように圧電層を形成する圧電層形成工程と、
    前記圧電層をアニール処理するアニール処理工程と、
    前記圧電層上に前記一の電極層と対をなす他の電極層を形成する第2の電極層形成工程と、
    を含むインクジェットヘッドの製造方法。
  11. 前記密着層形成工程の前に、
    前記インク流路形成体を形成する前記インク流路形成体形成工程と、
    前記インク流路形成体の前記一面に前記振動板を接合する振動板接合工程と、
    をさらに備える請求項10に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
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