JP2006225569A - レーザーマーキング用熱可塑性共重合体組成物及びマーキング部を備えた成形品 - Google Patents

レーザーマーキング用熱可塑性共重合体組成物及びマーキング部を備えた成形品 Download PDF

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和美 川上
Hideyuki Kurimoto
英幸 栗本
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Abstract

【課題】 本発明は、白色発色性に優れた軟質性の成形品が得られるレーザーマーキング用熱可塑性共重合体組成物及びレーザーマーキングにより白色マーキング部を備えた軟質性の成形品を提供する。
【解決手段】 下記アクリル系共重合体(A)と、レーザー光の受光によりそれ自身が消滅する又は変色する黒色物質(B)と、を含有し、
該黒色物質(B)は、該アクリル系共重合体(A)100質量部に対して0.01〜10質量部であることを特徴とするレーザーマーキング用熱可塑性共重合体組成物。
上記アクリル系共重合体(A);メタクリル酸メチル(a−1)30〜80質量%、該メタクリル酸メチル(a−1)以外の(メタ)アクリル酸エステル(a−2)20〜70質量%、及び他の単量体(a−3)0〜50質量%〔(a−1)+(a−2)+(a−3)=100質量%〕からなる共重合体。
【選択図】なし

Description

本発明はレーザーマーキング用熱可塑性共重合体組成物及びマーキング部を備えた成形品
に関する。更に詳しくは、白色発色性に優れた軟質性の成形品が得られるレーザーマーキング用熱可塑性共重合体組成物及びレーザーマーキングにより白色マーキング部を備えた軟質性の成形品に関する。
従来より、カーボンブラックを含むアクリル系樹脂の成形品にレーザー照射することで白色マーキングすることは、下記特許文献1で知られている。この成形品は、硬質である。用途により軟質の成形品が求められている。
特開平8−112968号公報
成形品を軟質にする方法は、当業者において、可塑剤、軟質化剤等を添加して軟質化することが知られている。しかし可塑剤、軟質化剤等で軟質化する方法は、レーザー照射によるマーキングで白色発色の鮮明性が劣る。そして成形品の成形工程で、可塑剤、軟質剤等が成形品の表面に露出して成形品の表面外観性を低下させたり、成形加工で使用される金型、ロールの表面汚染の原因になり成形加工の生産性を低下させる。
本発明は、上記課題を解決するものであり、アクリル系樹脂にかえて、特定のアクリ ル系共重合体を使用することで、上記の欠点を改良したレーザーマーキング用熱可塑性共重合体組成物びマーキング部を備えた成形品を提供することを目的とする。
本発明は、以下に示す通りである。
〔1〕下記アクリル系共重合体(A)と、レーザー光の受光によりそれ自身が消滅する又は変色する黒色物質(B)と、を含有し、
該黒色物質(B)は、該アクリル系共重合体(A)100質量部に対して0.01〜10質量部であることを特徴とするレーザーマーキング用熱可塑性共重合体組成物。
上記アクリル系共重合体(A);メタクリル酸メチル(a−1)30〜80質量%、該メタクリル酸メチル(a−1)以外の(メタ)アクリル酸エステル(a−2)20〜70質量%、及び他の単量体(a−3)0〜50質量%〔(a−1)+(a−2)+(a−3)=100質量%〕からなる共重合体。
〔2〕アクリル系共重合体(A)の硬さ(JIS−A)が、100以下である〔1〕記載のレーザーマーキング用熱可塑性共重合体組成物。
〔3〕〔1〕又は〔2〕に記載のレーザーマーキング用熱可塑性共重合体組成物からなり、且つ、レーザー光の照射により上記黒色物質(B)が消滅され及び/又は変色されて形成されたマーキング部を備えることを特徴とする成形品。
〔4〕硬さ(JIS−A)が、100以下である〔3〕に記載の成形品
本発明のレーザーマーキング用熱可塑性共重合体組成物は、レーザー照射によるマーキングで白色発色に優れた軟質性の成形品が得られる。更に、成形品の成形工程で、可塑剤、軟質剤等が成形品の表面露出がなく、成形品の表面外観性を低下させたり、成形加工で使用される金型、ロールの表面汚染がなく成形加工の生産性に優れる。
本発明について、以下詳細に説明する。
(I)アクリル系共重合体(A)の説明
アクリル系共重合体(A)は、メタクリル酸メチル(a−1)30〜80質量%、該メタクリル酸メチル(a−1)以外の(メタ)アクリル酸エステル(a−2)20〜70質量%、及び他の単量体(a−3)0〜50質量%〔(a−1)+(a−2)+(a−3)=100質量%〕からなる共重合体である。
上記(a−1)成分は、メタクリル酸メチルである。
上記(a−2)成分は、メタクリル酸メチル(a−1)以外の(メタ)アクリル酸エステルであり、下記の単量体が挙げられる。
(a−2)成分の(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステルや、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸エステルが挙げられる。これらの各種(メタ)アクリル酸エステルは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。(a−2)成分を構成する好ましい単量体としては、(a−2)成分を構成する単量体の(共)重合体のガラス転移温度が10℃以下、更に好ましくは0℃以下になる単量体である。(a−2)成分を構成する単量体の(共)重合体のガラス転移温度がこの範囲にあると軟質性に優れた成形品が得られる。
上記(a−3)成分の他の単量体としては、例えば、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、マレイミド系化合物、官能基含有単量体等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、塩素化スチレン、臭素化スチレン等が挙げられる。好ましくはちスチレン、α−メチルスチレンである。これらの芳香族ビニル化合物は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記シアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。これらのうちアクリロニトリルが好ましい。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記マレイミド系化合物としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(2−メチルフェニル)マレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。これらのうちN−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドが好ましい。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。尚、マレイミド系化合物を導入する他の方法としては、例えば、無水マレイン酸を共重合し、その後イミド化する方法でもよい。
上記の官能基含有単量体としては、例えば、ヒドロキシル基、アミノ基、アミド基、エポキシ基、オキサゾリン基等の官能基を有する、(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物等、更にアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、ビニルオキサゾリン等が挙げられる。 これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記アクリル系共重合体(A)において、、メタクリル酸メチル(a−1)は30〜80質量%、好
ましくは35〜75質量%、更に好ましくは40〜70質量%である。30質量%未満であると白色発色性が劣り、一方80質量%を超える軟質性が劣る。
メタクリル酸メチル(a−1)以外の(メタ)アクリル酸エステル(a−2)は、20〜70質量%、
好ましくは25〜63質量%、更に好ましくは30〜58質量%である。20質量%未満である軟
質性が劣り、一方70質量%を超える白色発色性、成形品の表面外観性が劣る。
他の単量体(a−3)は、0〜50質量%、好ましくは2〜40質量%、更に好ましくは2〜30
質量%である。この単量体を共重合することで、この単量体の有する優れた性能を付与するこ
とが出来る。50質量%を超えるこの単量体の有する負の効果が顕著になり好ましくない。 尚、(a−1)と(a−2)と(a−3)との合計は、100質量%である。
アクリル系共重合体(A)は、乳化重合、懸濁重合、溶液重合及び塊状重合等の公知の重合
方法により製造できる。それぞれの重合方法において、必要に応じて、重合開始剤、連鎖移動
剤(分子量調節剤)、乳化剤、水、溶媒等が選択されて用いられる。
アクリル系共重合体(A)のアセトン可溶分の極限粘度(溶媒としてアセトンを使用し、30℃で
測定)は特に限定されないが、好ましくは0.1〜1.2dl/g、更に好ましくは0.2〜1.0dl/
g、特に好ましくは0.2〜0.8dl/gである。極限粘度が低いと機械的強度、耐薬品が劣り、一
方高いと成形加工性が劣り好ましくない。
JIS K6301で測定されるアクリル系共重合体(A)の硬さ(JIS−A)は、好ましくは100以下、更に好ましくは85以下、特に好ましくは75以下である。硬さが範囲を超えて大きいと、軟質性が劣り好ましくない。
(II)黒色物質(B)の説明
上記「黒色物質(B)」は、レーザー光の受光によりそれ自身が消滅する又は変色する物質である。この黒色物質(B)は、波長−反射率曲線で示される400〜700nmの波長の全領域に対して、反射率が10%以下(更に好ましくは5%以下)である物質が好ましい。即ち、ほぼ完全な黒色、及び、僅かに黒以外の色を含む黒に極近い暗色等である。
この黒色物質の種類は特に限定されず、染料であってもよく、顔料であってもよく、更にその他のものであってもよい。即ち、例えば、カーボンブラック、黒色酸化鉄、チタンブラック、カーボンブラックを除く黒鉛等の炭系物質、タンニン酸鉄、酸化クロム(特に酸化第二クロム)、酸化コバルト、酸化マンガン(酸化マンガン水和物を含む)、アニリンブラック等が挙げられる。更には、これら以外の黒色染料及び黒色顔料であってもよい。これらのなかでは、カーボンブラック、黒色酸化鉄及びチタンブラックが好ましく、更にはカーボンブラック及び黒色酸化鉄がより好ましく、特に好ましくはカーボンブラックである。これらの黒色物質は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記カーボンブラックとしては、アセチレンブラック、ガスブラック、オイルブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、サーマルランプブラック等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
このカーボンブラックの形態は特に限定されないが、通常、粉末として含有される。この粉末を構成する粒子形状等は特に限定されないが、その平均粒径は1〜1000nm(より好ましくは1〜500nm、更に好ましくは5〜100nm)であることが好ましい。この範囲であれば分散性が良く、レーザーマーキング白色発色性が良好である。また、カーボンブラックの比表面積は特に限定されないが20〜1500m2/gであること が好ましく、吸油量は35〜300ml/100gが好ましい。更に、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は特に限定されないが1〜10000m2/g(より好ましくは5〜 5000m2/g、更に好ましくは10〜2000m2/g、特に好ましくは20〜1500m2/g)が好ましい。また、pHは2〜10が好ましい。
このカーボンブラックが本熱可塑性重合体組成物に含有される場合、この熱可塑性重合体組
成物の成形体品にレーザー光を照射すると、照射部に存在するカーボンブラックがレーザー光
を受光し、消滅(気化)する。照射部からカーボンブラックがなくなると、この部分は黒色又は暗
色の度合いが小さくなる、もしくは、ほぼ無色となる。このため他部と識別できるマーキング部と
なる。更に、カーボンブラックは優れた蓄熱性を有するため、成形品中に含有されているアクリ
ル系共重合体を発泡させることができる。このため照射部からカーボンブラックが消滅すると共
に、照射部は発泡されて白色化され(特に白色度が強調され)、他部との優れた識別性を発揮
させることができる。
上記黒色酸化鉄は、黒色の鉄酸化物であり、一般にFe34やFeO・Fe23で表される鉄の酸化物である。
この黒色酸化鉄の形態は特に限定されないが、通常、粉末として含有される。この粉末を構成する粒子形状は特に限定されないが、例えば、立方状、球状、針状等のものを用いることができる。これらのなかでも立方状形状が好ましい。また、この黒色酸化鉄の平均粒径は特に限定されないが、0.3〜0.8μm(より好ましくは0.4〜0.6μm)が好ましい。
この黒色酸化鉄が本熱可塑性共重合体組成物に含有される場合、この熱可塑性共重合体組成物の成形品にレーザー光を照射すると、照射部に存在する黒色酸化鉄はレーザー光を受光して熱源となる。これは黒色酸化鉄が他の組成の酸化鉄に変化するためである。その結果、照射部は黒色又は暗色の度合いは小さくなる。更に、黒色酸化鉄は優れた蓄熱性を有するため、カーボンブラックの場合と同様にアクリル系共重合体を発泡させることができ、照射部は発泡されて白色化され(特に白色度が強調され)、他部との優れた識別性を発揮させることができる。
チタンブラックは、一般に、二酸化チタンを還元して得られる化合物である。このチタンブラックの形態等は特に限定されないが、通常、粉末として含有される。この粉末を構成する粒子形状は特に限定されない。また、チタンブラックの平均粒径は特に限定されないが、0.01〜2μm(より好ましくは0.05〜1.5μm、更に好ましくは0.1〜1.0μm)が好ましい。
このチタンブラックが本熱可塑性共重合体組成物に含有される場合、この熱可塑性共重合体の成形体にレーザー光を照射すると、照射部に存在するチタンブラックはレーザー光を受光して白色に変色する。これはチタンブラックが二酸化チタンに変化するためである。その結果、照射部は黒色又は暗色の度合いは小さくなる、もしくは、ほぼ白色となり、他部と識別できるマーキング部となる。但し、カーボンブラックとは異なり蓄熱性には優れないため、本熱可塑性共重合体組成物中に含有されるアクリル系共重合体を発泡させること少ない。
また、黒色物質(B)の含有量は、アクリル系共重合体100質量部に対して、0.01〜10質量部、好ましくは0.01〜5質量部、更に好ましくは0.01〜2質量部、特に好ましくは0.03〜2質量部である。この範囲であれば、レーザーマーキング発色性に優れ、得られる成形品の耐衝撃性にも優れる。
(III)その他の成分
本熱可塑性共重合体組成物は、目的、用途に応じて、他の成分を本発明の目的の効果を損ない範囲で使用できる。他の成分としては、添加剤、重合体成分が挙げられる。、添加剤としては、例えば、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、耐候剤、帯電防止剤、難燃剤、充填剤、滑剤、抗菌剤及び着色剤(酸化チタン等)等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記他の重合体成分としては熱可塑性であってもよく、硬化性(熱硬化性及び光硬化性等)であってもよい。このうち熱可塑性樹脂としては、例えば、熱可塑性エラストマー、ポリカーボネート樹脂、(ゴム強化)スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、液晶ポリマー、ポリウレタン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂等が挙げられる。また、硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、アルキド系樹脂、メラミン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、尿素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ビスマレイミド・トリアジン系樹脂、フラン系樹脂、キシレン系樹脂、グアナミン系樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂等が挙げられる。これらの他の重合体成分は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
特に、硬化性のポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂及びフェノール系樹脂等のうちの1種又は2種以上を含有する場合には、高い耐久性を有するレーザーマーキング部を得ることができる。
(IV)本発明の熱可塑性共重合体組成物の配合方法、成形品の成形方法
上記熱可塑性共重合体組成物は、各原料成分を、各種押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等に投入し、混練りすることによって得ることができる。混練方法としては、各成分を一括添加してもよく、多段添加方式で混練りしてもよい。また各原料成分を各種混合機で混合しただけのものでもよい。このようにして得られた熱可塑性共重合体組成物は、射出成形、押出成形、中空成形、圧縮成形、シート押出、フィルム押出、真空成形、発泡成形、ブロー成形等によって所定形状を有する成形品を製造することができる。
(V)レーザーマーキング部を備える成形品の説明
本発明のレーザーマーキング方法は、本発明のレーザーマーキング用熱可塑性共重合体組成物からなる成形品にレーザー光を照射し、該照射により上記黒色物質(B)を消滅させ及び/又は変色させて該成形品に白色発色のマーキング部を形成する。
そして、このレーザーマーキング部を備える成形品の硬さ(JIS−A)は、好ましくは85以下、更に好ましくは、75以下である。硬さ化この範囲にあると軟質性が求められる用途に有効に使用できる。
上記「成形品」は、形状及び大きさ等は特に限定されない。この成形品としては、例えば、シート状製品、フィルム状製品、OA製品、家電製品、車両内装部品、車載用カーナビゲーション、音響機器(CDプレーヤー、MDプレーヤー等)のハウジング類、ボタン類、スィッチ類、シャーシ類及びトレー類等が挙げられる。
上記「レーザー光」は、黒色物質(B)を消滅させること、及び/又は、黒色物質(E)を変色せること、ができるものであれば特に限定されない。レーザー光は、気体レーザーによるもの、固体レーザーによるもの及び液体レーザーによるもの等が挙げられる。このうち、気体レーザーとしては、CO2レーザー、COレーザー、エキシマ(ArF、K rF、XeCl及びXeFなど)レーザー、Arレーザー、He−Neレーザー、ヨウ素レーザー、銅蒸気レーザー等が挙げられる。また、固体レーザーとしては、YAG(Nd:YAG等)レーザー、YVO4レーザー、ルビーレーザー、GaAs系(GaAsP等 )レーザー、GaAlAs系(GaAlAsSb等)レーザー、InGaAs系(InGaAsSb等)レーザー、InP系レーザー、InAs系レーザー、InSb系レーザー、ZnS系レーザー、GaN系レーザー、CdS系レーザー、CdSe系レーザー、PbSnTe系レーザー等が挙げられる。更に、液体レーザーとしては、酸化ネオジウム液レーザー、キレート化合物液レーザー、色素液レーザー等が挙げられる。これらのうち、CO2レーザー、エキシマレーザー、YAGレーザー及びYVO4レーザー等が好ましい。これらのレーザーは1種単独で又は2種以上を併用できる。
上記「照射」を行う際の照射条件は、黒色物質(B)を消滅させること、及び/又は、黒色物質(B)を変色させることができるものであれば特に限定されない。照射条件とは、即ち、出力、周波数、照射時間(走査速度)、パルス条件、レーザー光源から成形品までの距離及び角度等である。また、照射方法も、スキャン方式及び/又はマスク方式とすることができる。異なる波長のレーザー光を照射してマーキングを形成する際には、1波長ずつ照射してもよく、2以上の波長を同時に照射してもよい。
上記「マーキング部」は、レーザーの照射により成形体の他部と異なる色調を呈するに至った部分である。このマーキング部の形状等は限定されないが、例えば、各種文字、各種記号、各種図柄、及び、これらの結合等が挙げられる。このレーザーマーキングにより形成されたマーキング部は、印刷により形成されたマーキング部に比べて高い耐久性(耐摩耗性及び耐候性等)を発揮できる。
また、このマーキング部は発泡されていることが好ましい。これにより、コントラストに優れた識別性の高いマーキング部を得ることができる。マーキング部が発泡されている場合、通常、発泡部は白色を呈する。
尚、本発明の用いるレーザーマーキング用装置は特に限定されず、本発明の目的を達することができる装置及び機器の組合せであればよい。このレーザーマーキング用装置としては、例えば、レーザー発振器、レーザー変調器、ハンドリングユニット、コントローラー等を備えることができる。レーザー発振器から発振したレーザー光は、レーザー変調器によりパルス変調され、照射部に照射されることとなる。
以下、本発明について、実施例を挙げて具体的に説明する。尚、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。また、実施例中の「%」及び「部」は、特に断らない限り質量基準である。
1.レーザーマーキング用熱可塑性共重合体組成物の原料成分
(1)アクリル系共重合体
(A−1)
メタクリル酸メチル50%、アクリル酸ブチル40%、スチレン10%からなる共重合体。アセトン可溶分の極限粘度(溶媒としてアセトンを使用し、30℃で測定)は、0.5dl/g、硬さ(JIS−A)は、70である。
(A−2)
メタクリル酸メチル45%、アクリル酸2−エチルヘキシル40%、スチレン10%、アクリルニトリル5%からなる共重合体。アセトン可溶分の極限粘度(溶媒としてアセトンを使用し、30℃で測定)は、0.45dl/g、硬さ(JIS−A)は、72である。
(A−3)
(株)クラレ製の軟質アクリル樹脂「パラペット」SA(商品名)。メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、スチレンの共重合体。各単量体量は、本発明の範囲内にある。
(A−4)
メタクリル酸メチル20%、アクリル酸2−エチルヘキシル75%、スチレン5%からなる共重合体。アセトン可溶分の極限粘度(溶媒としてアセトンを使用し、30℃で測定)は、0.45dl/g、硬さ(JIS−A)は、65である。
(A−5)
三菱レイヨン社製のポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA樹脂)「アクリペット VH001」(商品名)。硬くて、硬さ(JIS−A)は、測定不可である。
(2)黒色物質(B)
三菱化学社製のカーボンブラック「三菱カーボン#45」(商品名)を用いた。
(3)軟質化剤
メタクリル酸メチルを重合して得られた分子量5000以下のオリゴマーを用いた。
2.評価方法
(1)レーザー発色性
ロフィン・バーゼル社製のレーザーマーカー「RSM30D型」(商品名)を用い、レーザー光の波長を1064nmとして、出力31A、周波数5.5kHz、走査速度400mm/秒、アパチャーΦ2.0mmの各照射条件で、試験片表面にレーザー光を照射した。得られたマーキング部の白色発色性を目視で観察し、その結果を下記基準に従い評価した。
「○」;鮮明な良好な白色発色が得らた。
「△」;鮮明な良好な白色発色が得らなかった。。
(2)レーザー発色成形品の硬さ(JIS−A)
JIS K6301に従って測定した。
(3)成形品の表面外観性
レーザー発色性評価用の試験片の表面を目視で観察し、その結果を下記基準に従い評価した。
「○」;光沢にすぐれ美麗である。表面外観状態良好。
「△」;ガスがかかったような表面であり、光沢も劣る。表面外観状態不良。
3.レーザーマーキング用熱可塑性樹脂組成物の調製及び評価
上記原料成分を用い、表1に記載の配合に従って、各レーザーマーキング用熱可塑性樹脂組成物を調製した。即ち、各原料成分をミキサーにより5分間混合した後、50mmφ押出機でシリンダー設定温度180〜220℃で溶融混練押出し、ペレットを得た。得られたペレットを十分に乾燥し、射出成形機(型名「EC−60」、東芝機械社製)により、レーザー発色性を評価するための試験片(縦8.0cm、横5.5cm、厚さ2.5mm)を得た。 また、同様にして硬さを測定するための試験片を得た。
Figure 2006225569
4.実施例1〜3、比較例1〜2の説明
表1より、実施例1〜3は、本発明の熱可塑性共重合体組成物であり、本発明の目的の効果が得られている。一方比較例1は、(a−1)成分が本発明の範囲未満且つ(a−2)成分が本発明の範囲を超えたアクリル系共重合体を用いた例であり、本発明の目的とする軟質性は有するがレーザー発色、表面外観性が劣る。比較例2は、軟質化剤で軟質にした例であるが本発明の目的とする軟質性は有するがレーザー発色、表面外観性が劣る。
本発明のレーザーマーキング用熱可塑性樹脂組成物は、ラベル分野、車輌用部品分野、OA製品分野、情報通信機器分野、家電製品分野、包装材分野、雑貨分野及びサニタリー分野など各種分野で軟質性か要求される分野に有効に用いられる。即ち、例えば、車輌用部品分野では、スイッチ類、コネクター類、ステッカー類及びその他の内装部品類等として有用である。また、OA製品分野では、パソコン、キーボード、プリンタ及びファクシミリ等のハウジング、シャーシ、トレー、ボタン、スイッチ、表示枠及び外装ロゴ等として有用である。更に、情報通信機器分野では、携帯電話及びサーバー用製品等のハウジング、シャーシ、トレー、ボタン、スイッチ、表示枠及び外装ロゴ等として有用である。家電製品分野では、リモコン、電話機、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、電子レンジ、エアコン等のハウジング、シャーシ、トレー、ボタン、スイッチ及び表示枠等として有用である。また、包装材分野では、包装用シート類及び包装用フィルム類等として有用である。その他、各種容器、これら容器のキャップ等、電線等の被覆材、プリント配線板あるいはそれに搭載される電子部品等の精密部品、各種パイプ、建材用フィルム、クレジットカード、ICカード等のカード類、看板、標識等の外装材等に有用である。

Claims (4)

  1. 下記アクリル系共重合体(A)と、レーザー光の受光によりそれ自身が消滅する又は変色する黒色物質(B)と、を含有し、
    該黒色物質(B)は、該アクリル系共重合体(A)100質量部に対して0.01〜10質量部であることを特徴とするレーザーマーキング用熱可塑性共重合体組成物。
    上記アクリル系共重合体(A);メタクリル酸メチル(a−1)30〜80質量%、該メタクリル酸メチル(a−1)以外の(メタ)アクリル酸エステル(a−2)20〜70質量%、及び他の単量体(a−3)0〜50質量%〔(a−1)+(a−2)+(a−3)=100質量%〕からなる共重合体。
  2. アクリル系共重合体(A)の硬さ(JIS−A)が、100以下である請求項1に記載のレーザーマーキング用熱可塑性共重合体組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のレーザーマーキング用熱可塑性共重合体組成物からなり、且つ、レーザー光の照射により上記黒色物質(B)が消滅され及び/又は変色されて形成されたマーキング部を備えることを特徴とする成形品。
  4. 硬さ(JIS−A)が、100以下である請求項3に記載の成形品。
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