JP2006225445A - タイヤモールド製造用石膏鋳型補修用水溶性接着剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 室温で良好な粘着力を有し、かつ、その粘着力を200℃でも維持することができ、さらに700℃を超える湯の注湯時でも補修箇所が外れることがないタイヤモールド製造用石膏鋳型補修用水溶性接着剤を提供する。
【解決手段】 水溶性高分子を基材とするタイヤモールド製造用石膏鋳型補修用水溶性接着剤において、金属アルコキシドが配合されてなる。水溶性高分子は、好適には、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルおよび膠からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
【選択図】 なし
【解決手段】 水溶性高分子を基材とするタイヤモールド製造用石膏鋳型補修用水溶性接着剤において、金属アルコキシドが配合されてなる。水溶性高分子は、好適には、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルおよび膠からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、タイヤモールド製造用石膏鋳型補修用水溶性接着剤(以下、単に「接着剤」とも称する)に関し、詳しくは室温で良好な粘着力を有するとともに、700℃を超える高温でも優れた耐熱接着性を示すタイヤモールド製造用石膏鋳型補修水溶性接着剤に関する。
タイヤを製造するに際しては、成形された生タイヤに内側から圧力をかけて、その外表面を加熱された金型の内壁に密着させ、熱と圧力により生ゴムを加硫する加硫用モールド(以下、「タイヤモールド」と称する)が用いられる。このようなタイヤモールドの作製は、従来、一般に次のようにして行われていた。まず、製造しようとするタイヤのトレッドパターンを木型(ウッドレジン)にて製造する。次いで、得られたウッドレジンのトレッドパターン上に液状ゴムを流し込み、加熱して加硫、硬化させ、トレッドパターンの型取りを行う。しかる後、型取りした加硫ゴム上に石膏を流し込み、硬化させて上記トレッドパターンが転写された石膏鋳型を得る。このようにして作製した石膏鋳型を使用して、最終目的物であるタイヤモールドを作製する。
ここで、上記のようにして製造された石膏鋳型は、タイヤモールド、ひいては製品タイヤに及ぼす影響が大きいことから、破壊した箇所やブレード挿入端部に生じた裂け目に対しては、市販の瞬間接着剤やヤマト糊等の接着剤で補修が行われていた。即ち、図1の(a)に示すように、石膏鋳型1に破壊箇所が生じ、破片2が生じたときは接着剤3により破片2を石膏鋳型1の元の箇所に接着させていた。また、図1の(b)に示すように、乾燥処理の熱によりブレード4が膨張し、その後の冷却により石膏鋳型1に裂け目が生じたときには、その裂け目を接着剤3で埋めてブレード4の脱落を防止していた。
しかしながら、接着剤3による補修後に実施される石膏鋳型1の乾燥処理は、その温度が200℃と高く、接着剤3の耐熱温度を超え、乾燥後に再び石膏鋳型1が破壊するおそれがあるという問題があった。また、石膏鋳型1の破壊箇所を水ガラスで接着する方法も考えられるが、水ガラスの粘着性が小さいため、十分に接着補修することができないという問題があった。さらに、タイヤモールドの素材としては、一般に、アルミニウム(Al)合金が用いられるが、Al合金の注湯時の湯の温度が700℃程度であるめ、補修箇所の破片2が注湯充填時の浮力で外れてしまうという問題もあった。
そこで本発明の目的は、室温で良好な粘着力を有し、かつ、その粘着力を200℃でも維持することができ、さらに700℃を超える湯の注湯時でも補修箇所が外れることがないタイヤモールド製造用石膏鋳型補修用水溶性接着剤を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、水溶性高分子を基材とする水溶性接着剤に対し、所定の化合物を配合することにより上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のタイヤモールド製造用石膏用鋳型補修用水溶性接着剤は、水溶性高分子を基材とするタイヤモールド製造用石膏鋳型補修用水溶性接着剤において、金属アルコキシドが配合されてなることを特徴とするものである。
本発明の接着剤は室温で鋳型補修に十分な粘着性を有するため、精度良く破壊箇所の補修が可能である。また、本発明の接着剤により破壊箇所が補修された石膏鋳型は、その後に実施される石膏鋳型の2次乾燥処理の温度(約200℃)で、該接着剤に配合された成分の金属アルコキシドのガラス化が起こり、より強固な接着力を発揮することになる。よって、かかる補修箇所のガラス化で鋳造中の温度でも注湯時に浮力で破片が外れることもなく、外力付与でも強固な接着力を維持することができるとともに、ガラス化による粘着性と弾性により補修箇所が強固に維持される。
以下、本発明の好適実施形態を具体的に説明する。
本発明の接着剤は、水溶性高分子を基材とするものであり、水分量については水溶性高分子の種類に応じて、室温で鋳型補修に十分な粘着力を有するよう適宜選定すればよい。かかる観点から、好ましくは、水溶液の溶質部濃度は10〜50質量%の範囲内である。
本発明の接着剤は、水溶性高分子を基材とするものであり、水分量については水溶性高分子の種類に応じて、室温で鋳型補修に十分な粘着力を有するよう適宜選定すればよい。かかる観点から、好ましくは、水溶液の溶質部濃度は10〜50質量%の範囲内である。
水溶性高分子は、接着剤として市場で入手し得る各種製品のものを使用することができ、特に制限されるものではないが、好適にはポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルおよび膠からなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子を挙げることができる。
本発明の接着剤においては、上記水溶性高分子を基材とした上で、金属アルコキシドが配合されていることが肝要である。金属アルコキシドは、補修された石膏鋳型の2次乾燥処理の温度(約200℃)でガラス化し、より強固な接着力を発揮することになる。ガラス化された金属アルコキシドの耐熱接着性は800℃と高く、注湯時に浮力で補修箇所の破片が外れることもない。かかる金属アルコキシドを構成する金属としては、Li、K、Na、RbおよびFrからなる群から選択されるアルカリ金属を好適に挙げることができる。また、金属アルコキシドを構成するアルコキシル基としては、好ましくはメトキシル基またはエトキシル基である。
金属アルコキシドの配合量は、好ましくは0.5〜5.0質量%である。この配合量が0.5質量%未満であると石膏鋳型の2次乾燥処理のときに十分なガラス化が行われず、一方、5.0質量%を超えると補修時の粘着性に悪影響を及ぼし、好ましくない。
また、本発明の接着剤には、シリカゾルまたは酸化アルミナの粉末が配合されていることが好ましい。これにより鋳造中の高温に対しても良好に耐熱接着性を付与することができる。これら粉末の配合量は、好ましくは1.0〜10.0質量%である。この添加量が1.0質量%未満であると耐熱接着性に対する改善効果が小さく、一方、10.0質量%を超えると補修時の粘着性に悪影響を及ぼし、好ましくない。
さらに、本発明の接着剤は、上記粉末とともに、または上記粉末の代わりに、ケイ酸アルカリ塩、例えば、メタケイ酸カリウム、メタケイ酸カルシウム、メタケイ酸ナトリウム等が配合されていることが好ましい。かかるケイ酸アルカリ塩の配合によっても、上記粉末の配合の場合と同様に、鋳造中の高温に対しても良好に耐熱接着性を付与することができる。この配合量は、好ましくは0.1〜10.0質量%である。この添加量が0.1質量%未満であると耐熱接着性に対する改善効果が小さく、一方、10.0質量%を超えると補修時の粘着性に悪影響を及ぼし、好ましくない。
以下、本発明を、実施例に基づき説明する。
実施例
下記に示す配合処方に従い供試タイヤモールド製造用石膏鋳型補修用水溶性接着剤を調製し、下記の表1に示す石膏鋳型の補修時の各種接着性を評価した。
1.水: 40重量%
2.酢酸ビニルエマルジョン(ニチゴウモビニール(株)製、商品名:モビニール580): 30重量%
(酢酸ビニルエマルジョン中の水分:70質量%)
3.アルコキシルLi塩(日産化学(株)製、商品名:LSS): 10質量%
4.ケイ酸アルカリ塩(東洋珪酸ソーダ(株)製、商品名:3号珪酸ソーダ):5質量%
5.シリカゾル粉末(日産化学(株)製、商品名:スノーテックス): 5質量%
実施例
下記に示す配合処方に従い供試タイヤモールド製造用石膏鋳型補修用水溶性接着剤を調製し、下記の表1に示す石膏鋳型の補修時の各種接着性を評価した。
1.水: 40重量%
2.酢酸ビニルエマルジョン(ニチゴウモビニール(株)製、商品名:モビニール580): 30重量%
(酢酸ビニルエマルジョン中の水分:70質量%)
3.アルコキシルLi塩(日産化学(株)製、商品名:LSS): 10質量%
4.ケイ酸アルカリ塩(東洋珪酸ソーダ(株)製、商品名:3号珪酸ソーダ):5質量%
5.シリカゾル粉末(日産化学(株)製、商品名:スノーテックス): 5質量%
従来例1、2
従来例1として市販のヤマト糊(ヤマト糊(株)製、商品名:アラビックヤマト糊)を、また従来例2として市販の瞬間接着剤(東亜合成(株)製、商品名:アロンアルファー)を、夫々使用し、下記の表1に示す石膏鋳型の補修時の各種接着性を評価した。得られた結果を下記の表1に示す。
従来例1として市販のヤマト糊(ヤマト糊(株)製、商品名:アラビックヤマト糊)を、また従来例2として市販の瞬間接着剤(東亜合成(株)製、商品名:アロンアルファー)を、夫々使用し、下記の表1に示す石膏鋳型の補修時の各種接着性を評価した。得られた結果を下記の表1に示す。
表1から、実施例では現状の石膏鋳型接着補修部位の剥がれや外れを防止することができるとともに、2次乾燥温度を200℃から250℃まで高めることが可能であることが分かる。これによって2次乾燥時間の短縮や水分放出の促進が可能となり、石膏鋳型の2次乾燥での水分放出が促進される結果、鋳造中に反応生成する鋳造巣を減少させることができる。また、表1から、鋳造中の700℃を超える温度でも注湯時に浮力で破片が外れることがなく、強固な接着力が維持されていることも分かる。
1 石膏鋳型
2 破片
3 接着剤
4 ブレード
2 破片
3 接着剤
4 ブレード
Claims (7)
- 水溶性高分子を基材とするタイヤモールド製造用石膏鋳型補修用水溶性接着剤において、金属アルコキシドが配合されてなることを特徴とするタイヤモールド製造用石膏鋳型補修用水溶性接着剤。
- 前記水溶性高分子がポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルおよび膠からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載のタイヤモールド製造用石膏鋳型補修用水溶性接着剤。
- 前記金属アルコキシドを構成する金属がLi、K、Na、RbおよびFrからなる群から選択されるアルカリ金属である請求項1または2記載のタイヤモールド製造用石膏鋳型補修用水溶性接着剤。
- 前記金属アルコキシドを構成するアルコキシル基がメトキシル基またはエトキシル基である請求項1〜3のうちいずれか一項記載のタイヤモールド製造用石膏鋳型補修用水溶性接着剤。
- シリカゾルまたは酸化アルミナの粉末が混合されてなる請求項1〜4のうちいずれか一項記載のタイヤモールド製造用石膏鋳型補修用水溶性接着剤。
- ケイ酸アルカリ塩が混合されてなる請求項1〜5のうちいずれか一項記載のタイヤモールド製造用石膏鋳型補修用水溶性接着剤。
- 水溶液の溶質部濃度が10〜50質量%である請求項1〜6のうちいずれか一項記載のタイヤモールド製造石膏用鋳型補修用水溶性接着剤。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2005038441A JP2006225445A (ja) | 2005-02-15 | 2005-02-15 | タイヤモールド製造用石膏鋳型補修用水溶性接着剤 |
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JP2005038441A Pending JP2006225445A (ja) | 2005-02-15 | 2005-02-15 | タイヤモールド製造用石膏鋳型補修用水溶性接着剤 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011074414A1 (ja) * | 2009-12-18 | 2011-06-23 | 日東電工株式会社 | 水分散型粘着剤組成物および粘着シート |
CN103497731A (zh) * | 2013-10-18 | 2014-01-08 | 庄汉明 | 一种轮胎自补剂及其制备方法 |
-
2005
- 2005-02-15 JP JP2005038441A patent/JP2006225445A/ja active Pending
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WO2011074414A1 (ja) * | 2009-12-18 | 2011-06-23 | 日東電工株式会社 | 水分散型粘着剤組成物および粘着シート |
CN103497731A (zh) * | 2013-10-18 | 2014-01-08 | 庄汉明 | 一种轮胎自补剂及其制备方法 |
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