JP2859653B2 - 鋳型の製造方法 - Google Patents

鋳型の製造方法

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JP2859653B2 JP21705889A JP21705889A JP2859653B2 JP 2859653 B2 JP2859653 B2 JP 2859653B2 JP 21705889 A JP21705889 A JP 21705889A JP 21705889 A JP21705889 A JP 21705889A JP 2859653 B2 JP2859653 B2 JP 2859653B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、比重の重い砂を用いて三次元構造の鋳物を
鋳造するのに適した鋳型の製造方法に関するものであ
る。
[従来の技術] 現在使用されている鋳型は、生砂型や高圧造型、高速
造型など粘土類を粘結剤として用いる普通鋳型と、熱硬
化性鋳型、自硬性鋳型、ガス硬化鋳型、電子線硬化鋳
型、揮散硬化鋳型、精密鋳造鋳型など硬化性粘結剤を用
いる特殊鋳型と、その他の鋳型とに分類される。
普通鋳型は最も一般的な鋳型であるが、生砂型を代表
例とする普通鋳型は粘土類や亜麻仁油などを粘結剤とし
て用いるために、鋳型を加熱セットするにあたって170
〜180℃の温度で数十分から数時間程度の長時間を必要
として生産性が低く、さらに鋳込み時にガスの発生が多
くガス圧で鋳型が破損されたり鋳物に欠陥が多発したり
し易いなどの問題がある。
一方、特殊鋳型は熱硬化性樹脂粘結剤を用いているた
めに、加熱硬化や硬化剤の併用による常温硬化などで粘
結剤を迅速に硬化させることができ、生産性が高く安定
した品質で造型をおこなうことができるものであり、特
に粘結剤としてフェノール樹脂を用いるシェルモールド
は鋳型中子などとして急速に進展している。そしてこの
特殊鋳型は手込めや注型、ブロー等で造型して熱硬化性
樹脂粘結剤を硬化させ、次いで水平割りや垂直割り、ダ
ンプボックス法などで模型を抜き取ることによって製造
される。しかしこのような模型の抜き取りは既に硬化さ
れている鋳型からおこなう必要があるために、鋳造すべ
き物の表面が二次元的に単純なもの以外のもの、例えば
三次元インペラーなどのように鋳造すべき物の表面が三
次元的に複雑に湾曲したものであれば模型を抜き取るこ
とができない。そこでこの場合には、模型を数個から数
十個に分割して分割した個々の模型について手込めで造
型して粘結剤を硬化させたのちにそれぞれの模型を抜き
取るように工夫がおこなわれている。しかしながらこの
特殊鋳型の場合には熱硬化性樹脂粘結剤が硬化した鋳型
から模型を抜く必要があるために、硬化した粘結剤から
の模型の離型が困難であると共に粘結剤が硬化状態にあ
って可塑性のない鋳型から複雑な形状の模型を抜くこと
が困難であって、模型の抜き取りが不可能になることが
あった。
そこで本出願人は、熱硬化性樹脂を粘結剤として用い
て鋳型を製造するにあたって、粘結剤を硬化させる前に
砂の型から模型を抜き取ることを可能にする方法を特開
昭63−68240号公報において提供した。すなわちこの方
法は、増粘剤を配合した熱硬化性樹脂の液状の粘結剤を
砂に混合し、この砂を造型して模型を抜き取ったのちに
粘結剤を硬化させるようにしたことを特徴とするもので
あり、熱硬化性樹脂の液状の粘結剤に増粘剤を配合する
ことによって粘結剤の粘りを高め、粘結剤による砂の型
の保形性を高くして垂れ変形や崩壊などの型くずれのお
それなく模型を抜き取ることができる。このようにし
て、粘結剤を硬化させる前の可塑性を有する状態の砂型
から模型を容易に抜き取ることができるものであり、ま
た熱硬化性樹脂の粘結剤は迅速に硬化されるために砂の
型にくずれが発生する前に硬化させて鋳型を製造するこ
とが可能になるのである。
[発明が解決しようとする課題] この特開昭63−68240号公報で提供した鋳型の製造方
法は、砂として珪砂などの比較的比重の小さいものを用
いる場合には非常に有用なものであるが、砂としてジル
コンサンドなどの比重が大きいものを用いる場合には問
題の生じることのあることが判明した。
すなわち、増粘剤を配合した熱硬化性樹脂の液状の粘
結剤を例えばジルコンサンドと混合して数時間程度放置
しておくと、この混合物はブロック状に固まって流動性
が非常に小さくなり、鋳型へと造型することが非常に困
難になって数時間程度が経過すると造型が全く不可能に
なるという問題が生じることが判明した。このように流
動性が非常に小さくなる理由は明らかではないが、ジル
コンサンドは比重が大きいために(嵩比重は珪砂が1.4
程度であるのに対してジルコンサンドは2.6〜2.8程
度)、ジルコンサンドの粒子が沈降して凝集するためで
はないかと考えられる。従って、ジルコンサンドのよう
な比重の高い砂を用いる場合には、粘結剤と混合したの
ちに直ちに使用しなければならず、作業性の上で問題が
生じることになるものであった。
本発明は、上記の点に鑑みて為されたものであり、三
次元的な形状を有する鋳物を鋳造する鋳型を製造するに
あたって、砂としてジルコンサンドなどの比重の高いも
のを用いても流動性の問題が生じることなく容易に鋳型
を造型することができる鋳型の製造方法を提供すること
を目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明に係る鋳型の製造方法は、砂を多価アルコール
類で湿潤させ、増粘剤を配合した熱硬化性樹脂の液状の
粘結剤をこの砂に混合し、次いでこの砂を造型して模型
を抜き取ったのちに粘結剤を硬化させることを特徴とす
るものである。
以下本発明を詳細に説明する。
粘結剤としては硬化が迅速におこなわれるフェノール
樹脂やフラン樹脂など熱硬化性樹脂を用いるものであ
り、なかでもシェルモールドにおいて汎用されるフェノ
ール樹脂が好ましく、フェノール樹脂のなかでも硬化速
度が速く、しかもヘキサメチレンテトラミンのような硬
化剤を別途配合する必要がなくアンモニア性ガスの発生
がないためにレゾール型のものを用いるのが好ましい。
この熱硬化性樹脂粘結剤は液状で使用されるものであ
り、従って常温で液状のものはそのまま、あるいは常温
で固形のものは溶剤に溶解するなど常温で液状になるよ
うにして用いるものである。
この熱硬化性樹脂粘結剤に粘りを出すために増粘剤を
添加して均一に溶解させる。増粘剤としては液状の熱硬
化性樹脂粘結剤に良く溶解して分離せず、温度−粘度曲
線が余り変化しないものが好ましく、特に使用する熱硬
化性樹脂粘結剤と反応するものがより好ましい。また熱
硬化性樹脂粘結剤を増粘させても余り糸を引いたり、模
型に対して付着性が高いものは好ましくない。さらに低
沸点溶剤を併用した場合には砂と混練したものからの溶
剤の揮散の調整で粘性を任意に変えることができ、鋳型
の形状や大きさに対応して一つの増粘剤を使い分けて用
いることができる。用いて好ましい増粘剤を具体的に例
示すると、α澱粉、β澱粉、カルボキシメチルセルロー
ス(CMC)、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキ
サイド、グアーガムなどであり、さらに市販されている
ものとしてはイソバン(株式会社クラレ)、サイリル
(鐘淵化学工業株式会社)、プルラン(林原生物化学研
究所)、カネカゼムラック(鐘淵化学工業株式会社)な
どを例示することができる。イソバンはイソブチレンと
無水マレイン酸との共重合物であり、外観は白色であっ
て一般にアルカリ水溶液に溶解して使用される。サイリ
ルは主鎖はポリプロピレンオキサイドで末端に反応性シ
リル基を持つ変成シリコン系の液状ポリマーであり、分
子量が約8000で粘度が約230ポイズ(23℃)の淡黄色透
明液状体である。そしてこのサイリルはフェノール樹脂
と反応性を有しており、常温よりも温度が高くなっても
温度の上昇に伴うフェノール樹脂に対する反応で、増粘
の効果を保持することができる。従ってサイリルは増粘
剤として最も好ましいものの一つである。プルランはブ
ドウ糖を最少単位とする天然多糖類で、マルトトリオー
スがα−1,6結合で繰り返される線状構造をした水溶性
のゲル化しない粘性物である。カネカゼムラックはアク
リル酸変性シリコンオリゴマー(Acrylic Silicone Oli
gomer)である。
造型に先立って、まず砂に多価アルコール類を配合し
て混合することによって、砂を多価アルコール類で湿潤
させる。多価アルコール類としてはエチレングリコー
ル、プロピレングリコールなどのグリコール類や、グリ
センリンなどを用いることができる。多価アルコール類
の添加量は、砂100重量部に対して0.1〜1.0重量部程度
の範囲が好ましい。本発明は、砂としてジルコンサンド
のような比重の大きいものを用いる場合に好適な効果を
得ることができるものであり、比重が珪砂よりも大きい
ものであれば、ジルコンサンドの他に、アルミナ質原料
を焼成して得られる球状セラミックサンドであるセラビ
ーズ(例えば内外セラミックス株式会社製ナイガイセラ
ビーズ)や、その他アルミナ(酸化アルミニウム)、マ
グネシア(酸化マグネシウム)などにおいても好適な効
果を得ることができる。このように砂の表面を多価アル
コールで湿潤させた後に、上記の増粘剤を配合した液状
の熱硬化性樹脂粘結剤を砂に混合して混練する。そして
この混練物の砂としてジルコンサンドのような比重の大
きいものを用いた場合において、これを長時間放置して
おいても、混練物の流動性は小さくならず、長時間に亘
って混練物の流動性を保つことができる。この理由は明
らかではないが、砂の表面に湿潤させた多価アルコール
類の作用で砂同士が凝集し合うことを防止し、砂が凝集
してブロック状に固まらないためではないかと考えられ
る。
上記のようにして調製した砂と熱硬化性樹脂粘結剤と
の混練物を模型に充填して造型する。このとき、鋳造す
べき物が三次元インペラーなど三次元的に複雑な形状を
するものであるときには、模型を数個から数十個に分割
し、この各分割模型について造型をおこなう。砂と混練
した液状の熱硬化性樹脂の粘結剤は増粘剤の作用で粘性
が高められており、生砂型など普通鋳型における粘結剤
と同じように砂を良好に粘結させる作用をなし、砂の型
に保形性を与えることができる。従ってシェルモールド
などの特殊鋳型のように粘結剤を硬化させて砂の型を保
形させる必要がなく、熱硬化性樹脂粘結剤によって粘結
され可塑性を有する状態の砂の型から鋳型を抜き取るこ
とができる。このように粘結剤を硬化させる前に模型を
抜くために、特殊鋳型の場合のように模型の表面に硬化
した粘結剤が付着して模型の離型が困難になったり、可
塑性のない砂型から複雑な形状の模型を抜くことが困難
になったりすることがなく、模型の抜き取りが不可能に
なるおそれはないものであって、普通鋳型の場合と同様
に模型の抜き取りを容易におこなうことができる。
このように模型を抜き取ったのちに砂の型の熱硬化性
樹脂粘結剤を硬化させるが、熱硬化性樹脂粘結剤には増
粘剤が配合されていて粘りが高められているために、こ
の粘性で砂の型の保形性を高めて垂れ変形や崩壊など型
くずれが生じにくく、熱硬化性樹脂粘結剤を硬化させる
工程の間に型くずれが発生することを防ぐことができ
る。特に熱硬化性樹脂の粘結剤は加熱等によって迅速に
硬化されるものであり、硬化に長時間を要する普通鋳型
の場合のようにこの長時間の間に型くずれが発生するよ
うなおそれはない。ここで、増粘剤の配合量は砂の型く
ずれを有効に防止できる粘りに熱硬化性樹脂粘結剤の粘
度を高める範囲内で設定され、増粘剤の種類その他鋳型
の形状や大きさ等によって一概にはいえないが、一般的
には液状の熱硬化性樹脂粘結剤100重量部に対して0.5〜
50重量部程度である。また、砂への熱硬化性樹脂粘結剤
の混合量は、砂の比重によっても異なるが、砂100重量
部に対して粘結剤0.5〜3.0重量部が一般的である。
上記のようにして分割した各模型を砂の型から抜き取
ったのちに粘結剤を硬化させて造型をおこない、そして
これを集合させることによって三次元インペラーなど複
雑な形状を有する鋳物を鋳造するための鋳型に仕上げる
ことができるものである。
[実施例] 次ぎに本発明を実施例によって例証する。
粘結剤の製造例1 フェノール1000重量部と37%ホルマリン100重量部と
を反応容器に仕込み、これに28%アンモニア水を50重量
部加えて良く撹拌しながら約60分を要して70℃まで昇温
させ、そのまま4時間反応を継続させた。反応終了後、
減圧脱水を開始し、100Torrで内温が90℃になるまで脱
水した。次いで、これに120重量部のエチレングリコー
ルと500重量部のメタノールを加えた。このようにして
得られたレゾール型フェノール樹脂は赤褐色で、25℃に
おける粘度が30ポアズであった。
粘結剤の製造例2 フェノール940重量部と37%ホルマリン689重量部及び
シュウ酸4.7重量部を反応容器に仕込み、約60分を要し
て還流させ、そのまま2時間反応を継続させた。反応終
了後、常圧で150℃まで脱水をおこない、さらに減圧し
て100Torrで内温が150℃になるまで脱水をおこなった。
このようにして得られた固形のノボラック型フェノール
樹脂の軟化点は97℃であった。次ぎにこのノボラック型
フェノール樹脂550重量部エチレングリコールを450重量
部加えてよく溶解させ、25℃における粘度が60ポアズの
液状樹脂を調製した。
増粘剤の種類 ・ポリビニルアルコールの25%水溶液 …増粘剤No1 ・イソバン#06の25%水溶液 …増粘剤No2 ・サイリル5A03 …増粘剤No3 ・プルランの25%水溶液 …増粘剤No4 <実施例1乃至4> 製造例1で得た粘結剤にNo1〜No4の増粘剤を第1表に
示す配合量で添加して溶解させた。この増粘剤の配合で
粘結剤の25℃における粘度は第1表に示す値に上昇し
た。
一方、砂としてジルコンサンド(オーストラリア産
出)を用いた。このジルコンサンドの粒度分布は、28〜
35メッシュ0.5%、35〜48メッシュ5.1%、48〜65メッシ
ュ35.5%、65〜100メッシュ50.2%、100〜150メッシュ
8.4%、150〜200メッシュ0.2%、200〜270メッシュ0.1
%で、粒度指数は63.69であり、また嵩比重は2.75であ
った。
そしてこのジルコンサンドを万能ミキサーに1000重量
部入れ、これにエチレングリコールを2重量部投入して
約1分間混練することによってジルコンサンドの表面を
エチレングリコールで湿潤させた。次いで上記の増粘剤
を添加した粘結剤を第1表の配合量で投入し、約8分間
混練をおこなって混練砂を得た。この混練砂を用いて種
々の試験をおこなった。結果を第1表に示す。
手への付着性 混練砂を手に取って強く握り締めたのちに手を広げ、
別の手でこすって付着性の有無を調べた。
木製模型への付着性 混練砂を木製の模型に強く押さえ付けのちに手でこす
って付着性の有無を調べた。
造型性 混練した直後の混練砂200gを50mmφのパイプに充填
し、ランマーで5回付き固めたのち脱型し、嵩比重を測
定した。嵩比重が高くなるほど密度が高く充填され造型
性が高まるものであり、嵩比重が2.8以上になったもの
を造型性が「良」、嵩比重が2.8未満のものを造型性が
「悪」と評価した。またこのとき外観も観察して評価の
一要素とした。
グリーン強度 混練した直後の混練砂200gを50mmφの金型に充填して
嵩比重が2.94になるようにプレスで形成し、脱型したの
ちアムスラーにてグリーン強度を測定した。
角欠け性 上記のグリーン強度の測定で作成したテストピース
を予め200℃にセットした送風式乾燥機に入れ、1時間
硬化させてテストピースの角欠け状態を目視により観察
した。
圧縮強度 上記のように同様にして硬化させたテストピースに
ついて、アムスラーにて圧縮強度を測定した。
ガス発生量 上記のようにして硬化させたテストピースを破砕
し、約5gを精秤して予め1000℃にセットした電気炉に入
れ、ガス発生量を測定してそのときの最大量を示した。
鋳込みテスト 混練直後の混練砂を用いて三次元インペラー用鋳型を
造型し、200℃で30分間乾燥硬化させて塗型剤の塗布な
しで注湯した。その冷却後鋳肌を観察して鋳造表面粗さ
標準板(JIS B 0601)で評価した。
<比較例1> 増粘剤を添加しない粘結剤を用い、他は<実施例1乃
至4>と同様にして混練砂を調製した。この混練砂を用
いて<実施例1乃至4>の場合と同様な種々の試験をお
こなった。結果を第1表に示す。
<比較例2> ジルコンサンドをエチレングリコールによって湿潤さ
せる処理しないで用い、他は<実施例1乃至4>と同様
にして混練砂を調製した。この混練砂を用いて<実施例
1乃至4>の場合と同様な種々の試験をおこなった。結
果を第1表に示す。
<実施例5乃至8> 製造例2で得た粘結剤にNo1〜No4の増粘剤及びヘキサ
メチレンテトラミンを第2表に示す配合量で添加して溶
解させた。この増粘剤の配合で粘結剤の25℃における粘
度はそれぞれ第2表に示す値に上昇した。そして<実施
例1乃至4>と同じジルコンサンドを用い、このジルコ
ンサンドを<実施例1乃至4>と同様にエチレングリコ
ールで湿潤させると共に上記増粘剤入り粘結剤と混練し
て混練砂を調製した。この混練砂を用いて<実施例1乃
至4>の場合と同様な種々の試験をおこなった。結果を
第2表に示す。
<比較例3> 増粘剤を添加しない粘結剤を用い、他は<実施例5乃
至8>と同様にして混練砂を調製した。この混練砂を用
いて<実施例5乃至8>の場合と同様な種々の試験をお
こなった。結果を第2表に示す。
<比較例4> ジルコンサンドをエチレングリコールによって湿潤さ
せる処理をしないで使用し、他は<実施例5乃至8>と
同様にして混練砂を調製した。この混練砂を用いて<実
施例5乃至8>の場合と同様な種々の試験をおこなっ
た。結果を第2表に示す。
<実施例9乃至12> 製造例1で得た粘結剤にNo1〜No4の増粘剤を第3表に
示す配合量で添加して溶解させた。この増粘剤の配合で
粘結剤の25℃における粘度は第3表に示す値に上昇し
た。
一方、砂としてセラミックビーズ(内外セラミックス
株式会社製ナイガイセラビーズ60の#750)を用いた。
このセラミックビーズはアルミナ質原料を1680℃で焼成
して調製されるものであり、その組成は完全なムライト
結晶(3Al2O3・2SiO2)となっている。またその形態は
球状で、粒度分布は、36〜50メッシュ0.6%、50〜70メ
ッシュ28.7%、70〜100メッシュ37.6%、100〜140メッ
シュ24.5%、140〜200メッシュ7.8%、200〜280メッシ
ュ0.8%で、粒度指数は77.9であり、また嵩比重は1.69
であった。
そしてこのセラミックビーズを万能ミキサーに1000重
量部入れ、これにエチレングリコールを2重量部投入し
て約1分間混練することによってセラミックビーズの表
面をエチレングリコールで湿潤させた。次いで上記の増
粘剤を添加した粘結剤を第3表の配合量で投入し、約8
分間混練をおこなって混練砂を得た。この混練砂を用い
て<実施例1乃至4>の場合と同様な種々の試験をおこ
なった。結果を第3表に示す。尚、試験のうち、の造
型性の試験では嵩比重が1.7以上になったものを造型性
が「良」、嵩比重が1.7未満のものを造型性が「悪」と
評価した。またのグリーン強度の試験においては嵩比
重が1.8になるようにプレス成形してテストピースを作
成するようにした。
<比較例5> 増粘剤を添加しない粘結剤を用い、他は<実施例9乃
至12>と同様にして混練砂を調製した。この混練砂を用
いて<実施例9乃至12>の場合と同様な種々の試験をお
こなった。結果を第3表に示す。
<比較例6> セラミックビーズをエチレングリコールによって湿潤
させる処理をしないで使用し、他は<実施例9乃至12>
と同様にして混練砂を調製した。この混練砂を用いて<
実施例9乃至12>の場合と同様な種々の試験をおこなっ
た。結果を第3表に示す。
第1表乃至第3表の結果、増粘剤を配合したフェノー
ル樹脂粘結剤を用いるようにした各実施例のものは、増
粘剤を配合しないフェノール樹脂粘結剤を用いた比較例
1,3,5のものに比べ、付着性や造型性、角欠け性、鋳込
みテストなどにおいて優れており、三次元的な鋳物を鋳
込む鋳型の製造が容易になることが確認される。また、
実施例1乃至4のように粘結剤としてレゾール型フェノ
ール樹脂を用いることによって、実施例5乃至8のよう
に粘結剤としてノボラック型フェノール樹脂を用いる場
合のように、ヘキサメチレンテトラミンに主として起因
するガス発生を少なくすることができ、作業性を高める
ことができると共に鋳物欠陥を低減できるものであっ
た。
混練砂の凝集性試験 <実施例13> 砂として粒度が0.7〜0.2mm、比重が3.98の焼結アルミ
ナを用い、増粘剤としてNo3のものを使用するようにし
て上記<実施例9乃至12>と同様に混練砂を得た。
<実施例14> 砂として粒度が0.8〜0.2mm、比重が3.3〜3.4の焼結マ
グネシア(MgO99%以上)を用い、増粘剤としてNo4のも
のを使用するようにして上記<実施例9乃至12>と同様
に混練砂を得た。
実施例1乃至14及び比較例2,4,6で調製した混練砂に
ついて、混練直後、混練後1時間経過、2時間経過、3
時間経過、4時間経過のものをそれぞれ290g取り、これ
を45mmφの金型に入れて180kg/cm2の圧力で加圧し、脱
型して円柱形タブレットを調製した。この円柱形タブレ
ットについて高さと圧縮強さとを測定した。結果を第4
表に示す。
タブレットの高さは充填状態を示すものであり、小さ
い程良く充填されていることを意味する。また、タブレ
ットの圧縮強さは柔らかさを示す値であり、数値が高い
ほど砂の粒子の凝集が進行して混練砂のかたまりが固く
なっていることを意味する。第4表の結果にみられるよ
うに、エチレングリコールで湿潤処理しないジルコンサ
ンドやセラミックビーズを用いた比較例2,4,6のもの
は、混練後の時間の経過とともに圧縮強さが高くなって
おり、時間の経過に従って凝集が進行して混練砂のかた
まりが固くなっているのに対して、ジルコンサンドやセ
ラミックビーズ、アルミナ、マグネシアを予めエチレン
グリコールで湿潤処理したものを用いた各実施例のもの
では、混練後4時間経過したものも圧縮強さは混練直後
のものとほとんど変らず、時間の経過に拘わらず凝集は
ほとんど進行せず混練砂のかたまりが固くならないこと
が確認される。
[発明の効果] 上述のように本発明にあっては、増粘剤を配合した熱
硬化性樹脂の液状の粘結剤を砂に混合し、この砂を造型
して模型を抜き取ったのちに粘結剤を硬化させるように
したものであるから、液状の熱硬化性樹脂の粘結剤は増
粘剤によって粘性が高くなって砂を粘結させる作用が高
まり、砂の型に保形性を与えることができるものであっ
て、粘結剤を硬化させる前の可塑性を有する状態の砂の
型から型くずれのおそれなく模型を容易に抜き取ること
ができるものであり、しかも熱硬化性樹脂の粘結剤は迅
速に硬化させることができるために、砂の型に型くずれ
が始まる前に硬化させて生産性良く鋳型を製造すること
ができるものである。加えて本発明では、砂を多価アル
コール類で湿潤させて用いるようにしているので、砂と
して比重の大きいものを用いても砂の粒子が凝集するこ
とを防止することができ、粘結剤を砂に混合して長時間
放置しても固まって流動性がなくなるようなことがな
く、造型できなくなるというような問題を防ぐことがで
きるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日野谷 健 大阪府高石市千代田2丁目10―5 (72)発明者 柳本 喜晴 大阪府堺市石津町3丁7番1号 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22C 9/02 101

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】砂を多価アルコール類で湿潤させ、増粘剤
    を配合した熱硬化性樹脂の液状の粘結剤をこの砂に混合
    し、次いでこの砂を造型して模型を抜き取ったのちに粘
    結剤を硬化させることを特徴とする鋳型の製造方法。
  2. 【請求項2】砂はジルコンサンド、セラミックサンド、
    アルミナ、マグネシアから選ばれるものであることを特
    徴とする請求項1に記載の鋳型の製造方法。
  3. 【請求項3】粘結剤はレゾール型フェノール樹脂である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の鋳型の製造方
    法。
  4. 【請求項4】増粘剤は熱硬化性樹脂粘結剤に反応性を有
    するものであることを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れかに記載の鋳型の製造方法。
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