JP2003260539A - 鋳造用崩壊性砂中子の製造方法及びその砂中子 - Google Patents

鋳造用崩壊性砂中子の製造方法及びその砂中子

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JP2003260539A JP2002065325A JP2002065325A JP2003260539A JP 2003260539 A JP2003260539 A JP 2003260539A JP 2002065325 A JP2002065325 A JP 2002065325A JP 2002065325 A JP2002065325 A JP 2002065325A JP 2003260539 A JP2003260539 A JP 2003260539A
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邦一 村田
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敦 川内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乾燥炉等の設備を必要とせず、作業効率を良
好に保持でき、低コストで製造できる鋳造用崩壊性砂中
子の製造方法及びその砂中子を提供する。 【解決手段】 砂中子を焼成し、表面温度が120〜1
60℃の余熱を有する砂中子表面に微粉末耐火物と熱硬
化性樹脂からなるコーティング溶液を塗布し、その後、
砂中子の余熱を利用してコーティング溶液を乾燥させて
コーティング層を形成する。焼成した砂中子の余熱を利
用してコーティング溶液を自然乾燥させるので乾燥炉等
の乾燥設備を必要とせず、しかも短時間で乾燥できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイカスト法等の
圧力鋳造に用いられる鋳造用崩壊性砂中子の製造方法及
びその砂中子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばアルミニウム合金等の鋳造
において、ダイカスト法等の溶湯を高速高圧で金型に充
填する圧力鋳造法が広く用いられている。このダイカス
ト法を利用して、例えばシリンダヘッドやヘッドパイプ
等の中空部分を有する製品を製造するには、高速高圧に
耐える強度を有しかつ崩壊性の良い中子を用いなければ
ならない。そこで、上記課題に着目した圧力鋳造用の砂
中子の製造方法が種々発明されており、例えば、特開昭
58−128245号公報や特開平8−300102号
公報等に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特開昭58−1282
45号公報には、有機バインダーを用いて砂中子を造型
し、この砂中子表面に耐火物を混合したスラリーを塗布
し乾燥させて第1のコーティング層を形成し、さらに第
1のコーティング層表面に雲母水溶液を塗布し乾燥して
第2のコーティング層を形成させる砂中子の製造方法が
開示されている。この方法では、砂中子の保護のために
耐火物とコロイダルシリカ等の無機物溶液で第1のコー
ティング層を塗膜し、第1のコーティング層に生じる微
小なクラックに溶湯が差し込むのを防止し、同時に鋳物
表面から砂中子を取り除きやすくするために第2のコー
ティング層が形成されている。しかしながら、2層形成
しなければならず各層ごとに乾燥炉で10〜15分程度
の時間をかけて乾燥するので乾燥の合計時間だけでも2
0分以上かかり、作業時間が長くなって量産効率が劣る
ものであった。また、乾燥炉が必要であるため設備コス
トや電力コストがかかり、さらに乾燥工程での工程管理
が必要となって、結局、製品コストを高価なものとして
いた。
【0004】一方、図3は、特開平8−300102号
公報における圧力鋳造用砂中子の製造工程のフローチャ
ートを示している。図3に示すように、この方法では、
砂中子を焼成し、フェノール樹脂エタノール溶液を、溶
液が熱硬化するに十分な熱を砂中子がもっているうちに
砂中子表面に塗布し、その後、砂中子が60〜100℃
になったところで耐火物スラリーを塗布し、乾燥炉で乾
燥させるようになっている。この方法では、耐火物と砂
中子とが結合して鋳造後の砂中子の崩壊性が悪くなるの
を防止するために砂中子の表面にフェノール樹脂を塗布
しなければならなかった。しかしながら、耐火物スラリ
ーからなるコーティング層を形成する前に砂中子にフェ
ノール樹脂エタノール溶液を塗布するので気化熱により
砂中子の温度が急激に下がり、後工程で塗布する耐火物
スラリーを乾燥させるために乾燥炉を介して別途に強制
乾燥工程を行なう必要があった。また、粘度が500〜
2000cPと高いので砂中子の温度が高いとコーティ
ング層の膜厚が厚く形成され砂中子の寸法精度が維持で
きないとともにコーティング層表面を平滑に形成するた
めさらに中子の熱によりコーティング層に気泡が発生し
て鋳物製品に欠陥が生じるのを防ぐため等の理由で砂中
子の温度を60〜100℃にして砂中子に耐火物スラリ
ーを塗布しなければならなかった。したがって、耐火物
スラリーを乾燥させるために乾燥炉を介して別途に強制
乾燥工程を行なう必要があった。よって、乾燥炉の設備
コストや電力コストがかかり、乾燥工程での管理が必要
であった。さらに、乾燥時間が10〜20分かかるので
作業時間が長く作業効率を低下させる要因となってい
た。また、図3に示すように、この方法では、砂中子を
焼成する工程、砂中子に樹脂を塗布する工程、耐火物ス
ラリーを塗布する工程、120℃の乾燥炉内で乾燥する
工程、と4つの工程が必要であり工程数が多いものであ
った。これにより、製造コストも高いものとなってい
た。
【0005】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、溶湯流入時の高速高圧に十分耐える
強度を有し、砂中子表面への溶湯の差し込みを防止で
き、鋳造後の崩壊性も良く、さらに乾燥炉等の乾燥のた
めの特殊な設備を必要とせず、作業工程数及び作業時間
を大幅に短縮でき、量産効率を良好に保持でき、さら
に、製造コストを低減させ得る鋳造用崩壊性砂中子の製
造方法及びその砂中子を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、粘結剤でおおわれた鋳物砂を焼成して砂中
子を成形し、表面温度が120〜160℃の余熱を有す
る砂中子の表面に、微粉末耐火物と熱硬化性樹脂からな
るコーティング溶液を塗布し、コーティング溶液塗布後
に、さらに該砂中子の余熱でコーティング溶液を乾燥さ
せてコーティング層を形成することを特徴とする鋳造用
崩壊性砂中子の製造方法から構成される。
【0007】また、乾燥における乾燥手段は、自然乾燥
であることとしてもよい。
【0008】また、鋳物砂の粒度がAFS70以上であ
ることとしてもよい。
【0009】また、微粉末耐火物の平均粒径が1μm以
下であることとしてもよい。
【0010】また、コーティング溶液は、粘度が20〜
55cPで余熱を有する砂中子をコーティング溶液中に
2〜5秒間浸漬することにより砂中子表面に塗布するこ
ととしてもよい。
【0011】また、本発明は、請求項1ないし5のいず
れかに記載の鋳造用崩壊性砂中子の製造方法によって製
造された鋳造用崩壊性砂中子から構成される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しつつ本発
明の実施の形態を説明する。図1は本発明の鋳造用崩壊
性砂中子の製造方法の第1の実施の形態に係る概略製造
工程を示しており、本発明の鋳造用崩壊性砂中子の製造
方法は、高速高圧に耐える強度を有しかつ崩壊性の良い
砂中子の製造方法であって、砂中子を焼成し、砂中子が
余熱を持っているうちにコーティング溶液を塗布し、そ
の砂中子の余熱でコーティング溶液を乾燥させてコーテ
ィング層を形成させる乾燥炉を必要としない鋳造用崩壊
性砂中子の製造方法である。
【0013】この実施形態において、鋳造用崩壊性砂中
子の製造方法は、図1に示すように、砂中子焼成工程1
0と、コーティング溶液の塗布工程12と、コーティン
グ溶液の乾燥工程14とからなる。
【0014】砂中子焼成工程10では、粘結剤でおおわ
れた鋳物砂を焼成して所定形状の砂中子を造型する。鋳
物砂は、例えば、ケイ砂、ジルコンサンド又はアルミナ
等の鋳物砂が用いられる。この実施形態において、好適
には、鋳物砂は粒度がAFS70以上のけい砂等、さら
に好適には粒径が小さくて材料コストが安いアルバニー
(商品名)を用いると良い。AFS70以下の鋳物砂を
用いるとコーティング層を設定した膜厚で形成すること
が困難である。AFS70以上の鋳物砂を用いることに
より、砂中子の表面に後述するコーティング溶液を塗布
した際に、砂中子内部にコーティング溶液が不必要に浸
透しすぎることがなく、コーティング層によって砂中子
の崩壊性が悪くなるのを防止できるとともにコーティン
グ層を設定した膜厚に形成できる。また、鋳造時の高速
高圧の溶湯による中子の収縮を防止でき寸法精度のばら
つきをおさえることができる。また、少量の粘結剤でも
中子の強度を確保できるので製造コストを低減し得る。
【0015】粘結剤は、例えば、フェノール樹脂、アク
リル樹脂その他の熱硬化性樹脂が用いられる。鋳物砂に
熱硬化性樹脂を混合してレジンコーテッドサンドとし、
レジンコーテッドサンドを焼成して砂中子が造形され
る。熱硬化性樹脂は、熱により硬化して鋳物砂を結合し
て砂中子を成形させる。鋳造後には、例えばチッピング
マシン等で容易に崩壊させることができる崩壊性の良い
砂中子を形成できる。なお、鋳造後の砂中子の崩壊性を
良くするためにレジンコーテッドサンドを形成するとき
に崩壊剤を添加しても良い。この実施形態において、砂
中子の焼成方法は、例えば、ブローイング造型法等が用
いられ、中子金型にレジンコーテッドサンドを空気とと
もに送り込んで300℃で約60秒焼成して砂中子を造
型する。
【0016】そして、砂中子表面へのコーティング溶液
の塗布工程12では、焼成後の砂中子の表面温度が12
0〜160℃の余熱を有している間に砂中子表面にコー
ティング溶液を塗布する。コーティング溶液は、微粉末
耐火物と熱硬化性樹脂とを混合させた溶液であり、乾燥
して砂中子表面を覆って中子に溶湯が差し込むのを防止
するとともに鋳造後に砂中子を崩壊させる際に剥離性が
良いコーティング層を形成する。
【0017】微粉末耐火物は、例えば、耐火度の高いジ
ルコンフラワーやアルミナフラワー等が用いられる。な
お、微粉末耐火物は、ジルコンフラワーやアルミナフラ
ワーに限らずそれ以外の耐火度の高いものでも良い。好
適には、微粉末耐火物の平均粒径が1μm以下のものを
用いるとよい。これにより、コーティング工程におい
て、槽内の耐火物スラリーに砂中子をディッピングする
際、経時的にスラリー中の耐火物が沈殿して頻繁に攪拌
作業を行うことなく、連続してコーティング作業を継続
することができ、中子の量産性を確保することができ
る。また、コーティング層全体にわたり均等に耐火物が
分布するから、クラッキングが生じにくいとともに溶湯
がコーティング層表面に浸透するのを防止し、鋳造の最
終工程で崩壊性及び剥離性を良好に維持できる。さら
に、コーティング層形成時に表面が平滑化しやすくなる
ので平滑な表面の優れた鋳物製品を製造できる。
【0018】この実施形態において、コーティング溶液
の熱硬化性樹脂は、例えば、水溶性アルカリフェノール
樹脂であり、耐火物と水とを混合した溶液に添加されて
コーティング溶液とする。なお、コーティング溶液の熱
硬化性樹脂は水溶性アルカリフェノール樹脂に限らず任
意のものでもよい。水溶性アルカリフェノール樹脂は、
熱により硬化してジルコンフラワー等の耐火物を砂中子
表面に結着させるバインダーとして機能する。これによ
り、注湯されるときの高速高圧に耐える表面強度の高い
砂中子が形成される。また、水溶性アルカリフェノール
樹脂は、コーティング溶液の粘度調整剤としても作用す
る。耐圧性や製品の寸法精度の維持のために、コーティ
ング層は層の厚さが約0.1〜0.4mmであるのが好
ましく、その厚さの層を形成するためにはコーティング
溶液の粘度が20〜55cP(0.02〜0.055P
a・s)に設定するのが好適である。コーティング溶液
はpH9〜12の範囲でこの粘度になるので、耐火物と
水とを混合した溶液中に0.5〜4.0重量%の水溶性
アルカリフェノール樹脂を添加して粘度調整される。コ
ーティング溶液の粘度が55cPより高いと、余熱を有
した砂中子に塗布する際にその余熱で気泡が発生し、ま
た液切れが悪く、塗りムラが大きくなるので、鋳造時に
溶湯の差し込みや鋳肌表面が粗くなる原因となり鋳物製
品の不良が生じる。なお、コーティング溶液中には、溶
液が混ざりやすくするために界面活性剤を添加しても良
い。また、コーティング溶液の攪拌による気泡発生を防
止するために消泡剤を添加しても良い。
【0019】砂中子の余熱は、前記したように砂中子の
表面温度が120〜160℃の範囲が好適である。砂中
子の表面温度が120℃より低い場合には、砂中子の余
熱だけではコーティング溶液が完全に乾燥せずフェノー
ル樹脂も硬化しないので、鋳造時に高速高圧で注入され
る溶湯に水分や圧力によって剥がれたコーティング層が
巻き込み混入して鋳造製品の不良欠陥になる。それを防
ぐためには結局、乾燥炉等の設備が必要となる。一方、
砂中子の表面温度が160℃より高い場合には、コーテ
ィング溶液塗布時に砂中子の熱によりコーティング溶液
内に気泡が発生し、砂中子表面の平滑さを損なうので、
砂中子に溶湯が差し込んで剥離性が悪くなり鋳物表面に
砂が張り付いて鋳物製品の欠陥が生じる。砂中子の表面
温度が120〜160℃の範囲の場合では、砂中子の温
度でコーティング層に気泡が発生することもなく、コー
ティング溶液塗布後は常温中に配置するだけでよく砂中
子の余熱を利用して乾燥しコーティング層を硬化させ
る。
【0020】この実施形態において、120〜160℃
の表面温度の余熱を有した砂中子を上記の粘度20〜5
5cPに調整されたコーティング溶液中に2〜5秒間浸
漬して塗布される。上記の粘度条件では、浸漬が2秒よ
り短いとコーティング溶液が砂中子表面に十分に塗布さ
れず、また、浸漬が5秒よりも長いとコーティング層が
厚すぎて寸法精度がとれなかったりコーティング溶液が
砂中子内部に不必要に浸透しすぎて鋳造後の崩壊性が悪
くなるので2〜5秒間が好適である。なお、砂中子表面
へのコーティング溶液の塗布は、浸漬に限らずスプレー
や刷毛塗り等により塗布することとしてもよい。
【0021】コーティング溶液の乾燥工程14では、乾
燥手段は自然乾燥であり砂中子の余熱のみを利用してコ
ーティング溶液を乾燥させてコーティング層を形成す
る。この実施形態において、コーティング塗布後、常温
中に約5分程度で配置させておくだけで完全に乾燥す
る。したがって、乾燥炉などの設備を必要としないと同
時に作業時間が短縮される。さらに、砂中子の表面のコ
ーティング層は1層だけであるので、作業効率が良好で
ある。
【0022】図2は上記製造方法により製造された鋳造
用崩壊性砂中子の一部の表面部分の断面拡大図を示して
いる。砂中子は、フェノール樹脂等15を粘結剤とした
鋳物砂16を焼成して造型した砂中子18の表面に、ジ
ルコンフラワー等の微粉末耐火物20と水溶性アルカリ
フェノール樹脂とからなるコーティング層22が形成さ
れている。なお、図2では、鋳物砂16がフェノール樹
脂等15で結着された状態を一部分のみ示したが、実際
には、フェノール樹脂等で砂粒間が結着される。
【0023】
【実施例】次に、本発明の鋳造用崩壊性砂中子の製造方
法の第1の実施例について説明する。鋳物砂として粒度
AFS70以上のアルバニー(商品名)を用い、粘結剤
として水溶性アルカリフェノール樹脂を用いたレジンコ
ーテッドサンドを、300℃の金型で60秒間焼成して
砂中子を造型した。そして、焼成後の砂中子の表面温度
が120〜160℃の状態でその砂中子を、表1に示し
た材料を配合して十分に攪拌した粘度20〜55cP、
pH9〜12のコーティング溶液中に2〜5秒間浸漬し
た後、砂中子を取り出した。その後、常温で自然乾燥さ
せた。そして、コーティング溶液塗布後から約300秒
後に砂中子の表面にコーティング層を形成させた。この
砂中子を金型にセットし、ダイカストによって温度が6
90℃のアルミニウム合金溶湯を、鋳造圧力800kg
/cm、射出速度2.1m/sで鋳造した。鋳造後チ
ッピングマシンにて砂出しを行った結果、約60秒で完
全に砂は除去され、鋳肌への砂やコーティング層の張り
付き残りはほとんどなく鋳物表面は平滑で優れたアルミ
金属肌の製品が得られた。
【0024】
【表1】
【0025】次に、本発明の鋳造用崩壊性砂中子の製造
方法の第2の実施例について説明する。第1の実施例と
同様に、砂中子を造形し、表面温度が120〜160℃
の砂中子を、表2に示した材料を配合して十分に攪拌し
た粘度20〜55cP、pH9〜12のコーティング溶
液中に2〜5秒間浸漬した後、砂中子を取り出した。そ
の後、常温で自然乾燥させ、コーティング溶液塗布後か
ら約300秒後に砂中子の表面にコーティング層を形成
させた。この砂中子を金型にセットし、ダイカストによ
って温度が690℃のアルミニウム合金溶湯を、鋳造圧
力800kg/cm、射出速度2.1m/sで鋳造し
た。鋳造後チッピングマシンにて砂出しを行った結果、
約60秒で完全に砂は除去され、鋳肌への砂やコーティ
ング層の張り付き残りはほとんどなく鋳物表面は平滑で
優れたアルミ金属肌の製品が得られた。
【0026】
【表2】
【0027】本発明の鋳造用崩壊性砂中子の製造方法及
びその砂中子は上記した実施例に限定されるものではな
く特許請求の範囲に記載した発明の本質を逸脱しない範
囲において任意の改変を加えてもよい。
【0028】
【発明の効果】上記したように本発明の鋳造用崩壊性砂
中子の製造方法によれば、粘結剤でおおわれた鋳物砂を
焼成して砂中子を成形し、表面温度が120〜160℃
の余熱を有する砂中子の表面に、微粉末耐火物と熱硬化
性樹脂からなるコーティング溶液を塗布し、コーティン
グ溶液塗布後に、さらに該砂中子の余熱でコーティング
溶液を乾燥させてコーティング層を形成する構成である
から、ダイカスト法等の圧力鋳造で注湯時に高速高圧に
耐える強度を有しかつ中子表面に溶湯が差し込むことな
く、鋳造後の崩壊性が良い、砂中子を製造できるととも
に中子の製造工程は、砂中子を焼成する工程、コーティ
ング溶液を塗布する工程、乾燥する工程だけであり、工
程数が少なくしかもコーティング層の形成は1層のみで
あるので作業労力が軽減され低コストで砂中子を製造で
きる。さらに、焼成後の砂中子の表面温度が120〜1
60℃の余熱を利用してコーティング溶液を乾燥させる
ので、乾燥炉等の乾燥のための設備を必要としないとと
もに非常に短時間で完全に乾燥させることができ、作業
時間を短縮して製造効率を良好にし、砂中子を低コスト
で製造することができる。
【0029】また、乾燥における乾燥手段は、自然乾燥
であることから、乾燥炉等の乾燥のための設備を設ける
必要がなく、設備コスト、電力コストまたは設備管理に
おける人員コスト等を含む運転コストを削減できる。
【0030】また、鋳物砂の粒度がAFS70以上であ
ることから、コーティング溶液が砂中子内部に不必要に
浸透しすぎるのを防ぎ、鋳造後の崩壊性が悪くなるのを
防止できる。また、コーティング層を適度の膜厚に形成
することができる。また、圧力鋳造時による中子の収縮
を防止でき寸法精度を維持できる。また、粘結剤を少量
にしても砂中子の強度を確保できる。
【0031】また、微粉末耐火物の平均粒径が1μm以
下であることから、コーティング工程において、槽内の
耐火物スラリーに砂中子をディッピングする際、経時的
にスラリー中の耐火物が沈殿して頻繁に攪拌作業を行う
ことなく、連続してコーティング作業を継続することが
でき、中子の量産性を確保することができる。さらに、
コーティング層形成時に表面にクラックが生じにくいの
で、溶湯の差し込みを防止でき、砂中子崩壊後には、砂
やコーティング層の張り付きがほとんどない平滑な鋳肌
の鋳物製品を鋳造することができる砂中子を製造するこ
とができる。
【0032】また、コーティング溶液は、粘度が20〜
55cPであり、余熱を有する砂中子をコーティング溶
液中に2〜5秒間浸漬することにより砂中子表面に塗布
することから、余熱を有する砂中子をコーティング溶液
中に浸漬してもコーティング溶液に気泡が発生すること
なく、所定の厚さのコーティング層を形成することがで
きる。また、コーティング溶液が砂中子内部に浸透しす
ぎることもなく鋳造後の砂中子の良好な崩壊性を維持で
きる。
【0033】さらに、本発明の砂中子によれば、上記し
た鋳造用崩壊性砂中子の製造方法によって製造された鋳
造用崩壊性砂中子であるから、ダイカスト法等の圧力鋳
造で溶湯を注湯するときの高速高圧に耐える強度を有
し、中子表面に溶湯が差し込むのを防止でき、鋳造後の
崩壊性の良い砂中子であるとともに低コストで製造でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鋳造用崩壊性砂中子の製造方法の実施
形態に係る製造工程を示すフローチャート図である。
【図2】図1の製造工程により製造された鋳造用崩壊性
砂中子の表面部分の一部断面拡大図である。
【図3】従来の圧力鋳造用砂中子の製造工程を示すフロ
ーチャート図である。
【符号の説明】
10 砂中子焼成工程 12 コーティング溶液の塗布工程 14 コーティング溶液の乾燥工程 16 鋳物砂 18 砂中子 20 微粉末耐火物 22 コーティング層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22C 3/00 B22C 3/00 H 9/12 9/12 H (72)発明者 川内 敦 熊本県熊本市秋津町秋田3439−40 (72)発明者 坂本 晃久 熊本県熊本市花園7丁目12−17 Fターム(参考) 4E092 AA02 AA03 AA04 AA44 AA45 BA09 CA01 CA02 CA10 GA01 4E093 QA02 RC10 RD05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘結剤でおおわれた鋳物砂を焼成して砂
    中子を成形し、表面温度が120〜160℃の余熱を有
    する砂中子の表面に、微粉末耐火物と熱硬化性樹脂から
    なるコーティング溶液を塗布し、 コーティング溶液塗布後に、さらに該砂中子の余熱でコ
    ーティング溶液を乾燥させてコーティング層を形成する
    ことを特徴とする鋳造用崩壊性砂中子の製造方法。
  2. 【請求項2】 乾燥における乾燥手段は、自然乾燥であ
    ることを特徴とする請求項1記載の鋳造用崩壊性砂中子
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 鋳物砂の粒度がAFS70以上であるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の鋳造用崩壊性砂
    中子の製造方法。
  4. 【請求項4】 微粉末耐火物の平均粒径が1μm以下で
    あることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記
    載の鋳造用崩壊性砂中子の製造方法。
  5. 【請求項5】 コーティング溶液は、粘度が20〜55
    cPであり、余熱を有する砂中子をコーティング溶液中
    に2〜5秒間浸漬することにより砂中子表面に塗布する
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の
    鋳造用崩壊性砂中子の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の鋳
    造用崩壊性砂中子の製造方法によって製造された鋳造用
    崩壊性砂中子。
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