JP2006225312A - レプチン分泌抑制組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】
血中におけるレプチンの分泌を抑制しうる物質を新たに探索し、このレプチン分泌抑制効果に基づく関連疾患の治療・予防・改善に役立つ剤、食品及び飼料の開発を課題とする。
【解決手段】
大豆中に含まれる大豆サポニンを有効成分として投与することにより、血中レプチンの分泌を抑制することができる。したがって、大豆サポニンをレプチン分泌抑制組成物(剤、食品、飼料)として有効に利用できる。
【選択図】
図1
血中におけるレプチンの分泌を抑制しうる物質を新たに探索し、このレプチン分泌抑制効果に基づく関連疾患の治療・予防・改善に役立つ剤、食品及び飼料の開発を課題とする。
【解決手段】
大豆中に含まれる大豆サポニンを有効成分として投与することにより、血中レプチンの分泌を抑制することができる。したがって、大豆サポニンをレプチン分泌抑制組成物(剤、食品、飼料)として有効に利用できる。
【選択図】
図1
Description
本発明は大豆サポニンを有効成分とするレプチン分泌抑制組成物および大豆サポニンのレプチン分泌抑制組成物としての利用に関する。
わが国の食生活は食事スタイルの変化とともに、肉類などの動物性食品の摂取が増加する一方で、日本食離れに伴う米類・野菜類・豆類等の植物性食品の摂取が減少している。このような背景において、糖尿病や動脈硬化疾患あるいは肥満症といった、いわゆる生活習慣病患者やその予備軍の増加は年々増加傾向にあり、社会的な問題となりつつある。
現在ではこのような生活習慣病は肥満などの食生活や、さらに現代社会のストレスを原因とし、糖尿病や高コレステロール血症など単一の症例に留まらず、多くの合併症を併発することが危ぶまれており、肥満や糖尿病の防止を目的として、生体内での代謝メカニズムが研究されている。
近年、肥満の分子病態の研究において脂肪組織から分泌されるサイトカインとしてレプチンが注目されており、レプチンをメディエーターとした新たなエネルギー代謝系の分子機構が解明されてきた(非特許文献1)。レプチンは146個のアミノ酸からなるペプチドホルモンであり、マウスやラット、ヒトといった哺乳動物に確認されており、脂肪細胞から分泌されたレプチンは血液を介し視床下部のレプチンレセプターに働きかけて摂食抑制作用などを発揮することが報告されている(非特許文献2)。また、レプチンは脂肪酸酸化の亢進によりエネルギー消費を増大させる作用を有しており、末梢臓器組織のAMPキナーゼを活性化することによるものと報告されている(非特許文献3)。レプチンの生理作用としては食欲の抑制、体重減少、酸素消費量の増加、脂肪組織重量の低下などの肥満抑制効果や、最近では血糖値の低下やインスリンへの作用など糖尿病との関連が報告されている(非特許文献4)。ヒトでは一般に血中レプチン量が高いほど肥満の傾向が強く、レプチン量はBMI値や体脂肪率と正の相関を示すことからレプチン量を抑制することにより、肥満の防止が期待される。
かかる状況下、血液中のレプチン量を低下せる方法としてコーヒーなどに含まれるクロロゲン酸を摂取することが開示されている(特許文献1)。また特定の油脂組成物がレプチンを抑制し体脂肪を改善することが開示されている(特許文献2)。しかしこれらの単一の成分を多量に食品などに添加すると食品の風味や物性に影響を及ぼす場合もあるため、血中へのレプチンの分泌を抑制する成分を新規に見出だすことは産業上非常に有意義である。
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特開2002−138297号公報
特開2000−14348号公報
特開昭62−5971号公報
国際公開WO2003/075939号公報
かかる状況に鑑み、レプチンの分泌を抑制しうる成分を新たに解明できれば、レプチンの代謝系に起因するとされる疾患を治療・予防しうる薬剤や食品の開発にさらに可能性が開かれる。すなわち本発明は、副作用がなく安全性に優れ且つ簡便に経口投与でき、血中のレプチン量を抑制せしめることにより肥満、糖尿病やその関連疾患およびそれらの症状を改善し、予防する作用を有するレプチン分泌抑制剤を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決すべく研究を重ねた結果、大豆中の微量成分である大豆サポニンを有効成分として経口投与することにより、血中レプチン濃度を強く抑制することを初めて見出し本発明を完成させた。
すなわち、前記課題を解決する本発明は、
(1)大豆サポニンを有効成分とするレプチン分泌抑制組成物、
(2)大豆サポニンが乾燥重量あたり10重量%以上含まれる大豆抽出物を使用する前記(1)記載の組成物、
(3)組成物が食品、剤または飼料である前記(1)記載の組成物、
(4)レプチン分泌抑制組成物の製造のための、大豆サポニンの利用、
(5)大豆サポニンが乾燥重量あたり10重量%以上含まれる大豆抽出物を使用する、前記(4)記載の利用、
(6)製造する組成物が食品、剤または飼料である前記(4)記載の利用、である。
(1)大豆サポニンを有効成分とするレプチン分泌抑制組成物、
(2)大豆サポニンが乾燥重量あたり10重量%以上含まれる大豆抽出物を使用する前記(1)記載の組成物、
(3)組成物が食品、剤または飼料である前記(1)記載の組成物、
(4)レプチン分泌抑制組成物の製造のための、大豆サポニンの利用、
(5)大豆サポニンが乾燥重量あたり10重量%以上含まれる大豆抽出物を使用する、前記(4)記載の利用、
(6)製造する組成物が食品、剤または飼料である前記(4)記載の利用、である。
本発明により、大豆サポニンの血中レプチンの分泌抑制効果が明らかとなり、それを利用した機能剤や飲食品を提供することにより、肥満や糖尿病といったレプチンが関与する種々の病態の予防・改善・治療に役立つことができる。また、大豆サポニンの新たな用途の開発により、大豆サポニンの健康素材としての利用の幅をさらに拡大することができる。
本発明のレプチン分泌抑制組成物は大豆サポニンを有効成分として含むことを特徴とする。以下、本発明について詳細に説明する。
大豆サポニン(以下、「サポニン」と略記する。)は大豆原料中に含まれるサポニン類の総称であり、特に大豆胚軸中には2〜4重量%程度含まれている。サポニンにはいくつかの種類が含まれており、「ソヤサポゲノールA」をアグリコン骨格とし、アグリコンのC−3位とC−22位に糖鎖がエーテル結合したビスデスモシドサポニンであるグループAサポニン、「ソヤサポゲノールB」をアグリコン骨格とし、アグリコンのC−3位に糖鎖がエーテル結合したモノデスモシドサポニンであるグループBサポニンなどに分類されている。また、糖鎖の部分中がアセチル化されたサポニンも報告されている(非特許文献5)。
したがって、本発明の組成物にはサポニンの純品を使用しても良いし、大豆原料から適当な溶媒で抽出される大豆抽出物を使用しても良い。大豆抽出物を使用する場合、抽出物の乾燥重量あたり、サポニンが10重量%以上含有することが好ましく、15〜80重量%含有することがさらに好ましい。
大豆サポニン(以下、「サポニン」と略記する。)は大豆原料中に含まれるサポニン類の総称であり、特に大豆胚軸中には2〜4重量%程度含まれている。サポニンにはいくつかの種類が含まれており、「ソヤサポゲノールA」をアグリコン骨格とし、アグリコンのC−3位とC−22位に糖鎖がエーテル結合したビスデスモシドサポニンであるグループAサポニン、「ソヤサポゲノールB」をアグリコン骨格とし、アグリコンのC−3位に糖鎖がエーテル結合したモノデスモシドサポニンであるグループBサポニンなどに分類されている。また、糖鎖の部分中がアセチル化されたサポニンも報告されている(非特許文献5)。
したがって、本発明の組成物にはサポニンの純品を使用しても良いし、大豆原料から適当な溶媒で抽出される大豆抽出物を使用しても良い。大豆抽出物を使用する場合、抽出物の乾燥重量あたり、サポニンが10重量%以上含有することが好ましく、15〜80重量%含有することがさらに好ましい。
大豆抽出物の原料として用いる大豆原料には、例えば丸大豆、脱皮大豆、脱皮脱胚軸大豆、大豆胚軸、脱脂大豆、分離大豆たん白、濃縮大豆たん白、豆乳、オカラ等が挙げられ、特に限定されないが、効率良くサポニンを得るには含有率の高い大豆胚軸を使用することが特に好ましい。
大豆原料からのサポニンの抽出に使用される溶媒は特に限定されず、公知の方法で抽出すれば良く、好ましくは水性溶媒、より好ましくは水又はメタノール、エタノールもしくはプロパノール等のアルコール類を単独又は混合して用いれば、大豆抽出物中のサポニンを主成分化することができる。例えば、特許文献3に開示されているように、大豆胚軸を原料として、水性溶媒などにより抽出することにより、乾燥固形分中サポニンを10重量%を含有する大豆抽出液を風味よく、安価に得ることが可能である。大豆抽出液は食品に適した状態にして、そのまま、あるいは濃縮により濃縮液とし、あるいは噴霧乾燥により乾燥粉末として加工し、サポニンを含む大豆抽出物を得ることができる。
また大豆抽出物をさらに、カラムクロマトグラフィー等の樹脂処理や有機溶媒等による液液分配法等により精製することにより、サポニンをより高純度化することができる。特に大豆抽出物を合成吸着剤に吸着させ、含水アルコールでサポニンを含有する画分を溶出する方法(特許文献4)は、簡易な方法であってサポニンをより高純度で主成分化できるため、好ましい。例えば合成吸着剤としては、ダイヤイオン(三菱化学製)やセパビーズ(三菱化学製)、アンバーライト(住友化学製)等の合成吸着剤を用いることができる。これを製造用タンクに投入するか、又はカラムに充填して抽出液を接触させる。吸着した画分を例えば60〜95容量%含水エタノールで溶出するなどして、サポニンを効率良く得ることができる。
さらに、特許文献5に記載のように、カラムを予め10〜35容量%含水エタノールでイソフラボン等の不純物を洗浄しておけば、サポニンを乾燥重量あたり40重量%含む大豆抽出物を得ることが可能である(特許文献5)。
さらに、特許文献5に記載のように、カラムを予め10〜35容量%含水エタノールでイソフラボン等の不純物を洗浄しておけば、サポニンを乾燥重量あたり40重量%含む大豆抽出物を得ることが可能である(特許文献5)。
本発明の組成物が剤として投与される場合は、有効成分を単独で、又は薬学的に許容される担体と混合して各種の投与形態に調製して投与することができる。いずれの場合もこれらは適当な薬学的に許容される担体を用いて通常の方法に従い製剤化できる。ここで用いられる担体としては通常の薬剤に汎用される各種のもの、例えば充填剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤等の希釈剤乃至賦形剤等を例示できる。投与形態は特に限定されず、治療目的に応じて適宜選択できるが、例えば経口的投与の場合には、錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤等の形態で、また、非経口的投与の場合に、注射剤、坐剤などの形態で投与できる。簡易性の点から経口的投与が望ましい。
本発明の組成物が食品の場合は、一般的な食品の形態であるクリーム等の水中油型乳化食品;マーガリン等の油中水型乳化食品;食用油;清涼飲料、茶系飲料、乳飲料等の飲料;牛乳、チーズ、ヨーグルト等の乳製品;豆乳、発酵豆乳、大豆蛋白飲料、豆腐、納豆、油揚げ、厚揚げ、がんもどき等の大豆製品;ハンバーグ、ミートボール、唐揚げ、ナゲット等の肉加工品;各種総菜類;焼き菓子、チョコレート、ケーキ、冷菓、シリアル、飴、ガム、タブレット等の菓子類;食パン、菓子パン、ドーナツ等のパン類;米飯、寿司、餅等の米飯類など、様々な食品に配合することができる。
また、サポニンは容易に食品中の含有量を測定できるので、これを有効成分(関与する成分)として食品の本体又は食品の包装、容器、ラベル、広告、パンフレット等に、「血中のレプチン分泌抑制作用を有するため、レプチンに関連する疾病の予防や改善に適する旨」、「サポニンが有効成分として含まれる旨」、「サポニンの有効摂取量」等を直接的に表示した、特定保健用食品等の健康用途の食品にもすることができる。もちろん、かかる直接的表示がなされなくとも、その食品を摂取すればレプチンに関連する疾病の予防や改善に効果があることをイメージさせるような間接的な表示をし、かかる効果が表示されているに等しい健康用途の食品も本発明には包含される。
また、サポニンは容易に食品中の含有量を測定できるので、これを有効成分(関与する成分)として食品の本体又は食品の包装、容器、ラベル、広告、パンフレット等に、「血中のレプチン分泌抑制作用を有するため、レプチンに関連する疾病の予防や改善に適する旨」、「サポニンが有効成分として含まれる旨」、「サポニンの有効摂取量」等を直接的に表示した、特定保健用食品等の健康用途の食品にもすることができる。もちろん、かかる直接的表示がなされなくとも、その食品を摂取すればレプチンに関連する疾病の予防や改善に効果があることをイメージさせるような間接的な表示をし、かかる効果が表示されているに等しい健康用途の食品も本発明には包含される。
さらに本発明の組成物は飼料であることも可能である。飼料の種類は特に限定されないが近年では犬、猫等のペットの肥満も深刻化しているため、ペットフードのような飼料とすることも可能である。飼料の原料には、本発明の有効成分の他、通常使用されるものを使用できる。飼料の形態は、例えば缶詰、ペレット、粒体、粉末、液体などに加工できる。
本発明の組成物の投与量は、用法、投与対象となる者もしくは動物の年齢、性別その他の条件、疾患の程度、目的等により適宜選択でき、特に限定されない。通常ヒトの場合、サポニンの摂取量が10〜500mg/日程度の範囲となる量を目安とすればよいが、サポニンは長らく食されてきた大豆中の成分であり、副作用の心配がほとんどないため、かかる上限と下限を超える範囲を設定することを妨げない。また上記組成物は1日に1回又は2〜4回程度に分けて投与することもできる。
本発明の組成物が有する血中レプチン分泌抑制効果により、肥満症、高脂血症、II型糖尿病(非インスリン依存性糖尿病)などの疾患の治療、予防又は改善が可能と考えられ、さらには過食、体重増加、脂肪肝などの生活習慣の改善が期待される。
したがって、本発明の組成物には別の機能性成分又はこれを含む原料を併用し、サポニンとの相加的あるいは相乗的効果を持たせることもできる。別の成分は特に限定されないが、例えば大豆サポニン以外の茶やキラヤ等のサポニン類、イソフラボン、カテキン、クロロゲン酸、タンニン、ヘスペリジン、プロアントシアニジン、アントシアニン、グリチルリチン、没食子酸、エラグ酸、カカオポリフェノール等のポリフェノール類並びにこれらを含む植物抽出物、マンノースオリゴ糖、大豆オリゴ糖などのオリゴ糖、キチン・キトサン、グルコマンナン、難消化性デキストリン等の食物繊維、グルコサミン等のアミノ糖、中鎖脂肪酸、ジアシルグリセロール、共役脂肪酸油脂、多価不飽和脂肪酸油脂等の機能性油脂、レシチン、植物ステロール、大豆蛋白、大豆β−コングリシニン、大豆ペプチド、鳥獣魚介肉ペプチド等のペプチド類、カルニチン、バリン、ロイシン、イソロイシン、テアニン等のアミノ酸類、グルカン、ヒドロキシクエン酸、γ−アミノ酪酸、フィチン酸、カプサイシン、ギムネマ酸、リグニン、コエンザイムQ10、コンズリトールA、βグルカンなどを併用することができる。
したがって、本発明の組成物には別の機能性成分又はこれを含む原料を併用し、サポニンとの相加的あるいは相乗的効果を持たせることもできる。別の成分は特に限定されないが、例えば大豆サポニン以外の茶やキラヤ等のサポニン類、イソフラボン、カテキン、クロロゲン酸、タンニン、ヘスペリジン、プロアントシアニジン、アントシアニン、グリチルリチン、没食子酸、エラグ酸、カカオポリフェノール等のポリフェノール類並びにこれらを含む植物抽出物、マンノースオリゴ糖、大豆オリゴ糖などのオリゴ糖、キチン・キトサン、グルコマンナン、難消化性デキストリン等の食物繊維、グルコサミン等のアミノ糖、中鎖脂肪酸、ジアシルグリセロール、共役脂肪酸油脂、多価不飽和脂肪酸油脂等の機能性油脂、レシチン、植物ステロール、大豆蛋白、大豆β−コングリシニン、大豆ペプチド、鳥獣魚介肉ペプチド等のペプチド類、カルニチン、バリン、ロイシン、イソロイシン、テアニン等のアミノ酸類、グルカン、ヒドロキシクエン酸、γ−アミノ酪酸、フィチン酸、カプサイシン、ギムネマ酸、リグニン、コエンザイムQ10、コンズリトールA、βグルカンなどを併用することができる。
以下、この発明の実施例を示すが、本発明がこれらの具体例によってその技術的範囲が限定されるものではない。
本発明の有効成分であるサポニンの分析方法を以下に示す。
(サポニンの分析方法)
大豆抽出物にメタノールを加え、還流抽出を行った。得られた抽出液を乾固し塩酸メタノールにて加水分解を行った。さらに酢酸エチルにて分配後、ビストリメチルシリルトリフルオロアセドアミドにて誘導体化した。これをガスクロマトグラフィーに供し、カプリン酸コレステロールを内部標準として定量を行った。
(サポニンの分析方法)
大豆抽出物にメタノールを加え、還流抽出を行った。得られた抽出液を乾固し塩酸メタノールにて加水分解を行った。さらに酢酸エチルにて分配後、ビストリメチルシリルトリフルオロアセドアミドにて誘導体化した。これをガスクロマトグラフィーに供し、カプリン酸コレステロールを内部標準として定量を行った。
(製造例1)サポニンを含有する大豆抽出物の製造
大豆生胚軸500gに75容量%含水エタノール2.0Lを加え、攪拌抽出を行った。抽出液をろ過により分離した後、再度75容量%含水エタノール2.0Lを加え、同様に抽出を行い、3回の抽出液を混合し、該抽出液を減圧下、40℃にて濃縮を行った。
このようにして得られた抽出物を水に溶解し、吸着樹脂ダイアイオンHP-20(三菱化学(株)製)を充填したカラム(100mL)にSV2の流速にて負荷した。
次に、20容量%含水エタノールで洗浄し、さらに80容量%含水エタノールで溶出させることでサポニン画分を得た。これを減圧下濃縮を行い、乾燥粉末化してサポニンを含有する大豆抽出物を得た。本抽出物のサポニンの純度は乾燥固形分中60重量%であった。ちなみに本抽出物中におけるイソフラボンの含量は1重量%であり、微量にしか含まれていなかった。
大豆生胚軸500gに75容量%含水エタノール2.0Lを加え、攪拌抽出を行った。抽出液をろ過により分離した後、再度75容量%含水エタノール2.0Lを加え、同様に抽出を行い、3回の抽出液を混合し、該抽出液を減圧下、40℃にて濃縮を行った。
このようにして得られた抽出物を水に溶解し、吸着樹脂ダイアイオンHP-20(三菱化学(株)製)を充填したカラム(100mL)にSV2の流速にて負荷した。
次に、20容量%含水エタノールで洗浄し、さらに80容量%含水エタノールで溶出させることでサポニン画分を得た。これを減圧下濃縮を行い、乾燥粉末化してサポニンを含有する大豆抽出物を得た。本抽出物のサポニンの純度は乾燥固形分中60重量%であった。ちなみに本抽出物中におけるイソフラボンの含量は1重量%であり、微量にしか含まれていなかった。
(試験例)
サポニンが血中レプチン濃度に及ぼす影響について、肥満ラットを用いた動物実験により検討した。モデル動物は4週齢のSD系雄ラット(日本チャールズリバー(株)販)を12匹を使用した。1週間の予備飼育後、群間の平均体重がほぼ同等になるようにコントロール群(6匹)とサポニン群(6匹)に群分けを行った。食事飼料は肥満を誘導させる高脂肪食としてQuick−Fat(日本クレア製)の自由摂取とし、サポニン群の飼料は製造例1で得られた大豆抽出物(サポニン含量60重量%)を0.5%カルボキシメチルセルロース(CMC)水溶液に混ぜ、大豆抽出物の摂取量を100mg/体重kg/日、すなわちサポニンとして60mg/体重kg/日として60日間経口投与を行った。なおコントロール群には0.5%CMC水溶液を投与した。
60日後に腹大動脈から採血を行った。常法に従って血清を調製し血液中のレプチン量をELISA法にて測定した。結果を表1に示す。
サポニンが血中レプチン濃度に及ぼす影響について、肥満ラットを用いた動物実験により検討した。モデル動物は4週齢のSD系雄ラット(日本チャールズリバー(株)販)を12匹を使用した。1週間の予備飼育後、群間の平均体重がほぼ同等になるようにコントロール群(6匹)とサポニン群(6匹)に群分けを行った。食事飼料は肥満を誘導させる高脂肪食としてQuick−Fat(日本クレア製)の自由摂取とし、サポニン群の飼料は製造例1で得られた大豆抽出物(サポニン含量60重量%)を0.5%カルボキシメチルセルロース(CMC)水溶液に混ぜ、大豆抽出物の摂取量を100mg/体重kg/日、すなわちサポニンとして60mg/体重kg/日として60日間経口投与を行った。なおコントロール群には0.5%CMC水溶液を投与した。
60日後に腹大動脈から採血を行った。常法に従って血清を調製し血液中のレプチン量をELISA法にて測定した。結果を表1に示す。
(表1)
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群名 動物数 大豆サポニン投与量 血中レプチン濃度
(mg/体重kg/日) (pg/ml)
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コントロール群 6 − 620.2
サポニン群 6 60 293.2
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群名 動物数 大豆サポニン投与量 血中レプチン濃度
(mg/体重kg/日) (pg/ml)
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コントロール群 6 − 620.2
サポニン群 6 60 293.2
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コントロール群が620.2pg/mlであるのに対し、サポニン群は293.2pg/mlであった。コントロール群を100%とした場合のサポニン群の相対量を図1に示したように、サポニンの添加によって肥満ラットの血中レプチン濃度が47.3%にまで抑制される効果が認められた。
以上の結果よりサポニンが血中におけるレプチンの分泌を抑制していることが示された。
以上の結果よりサポニンが血中におけるレプチンの分泌を抑制していることが示された。
Claims (6)
- 大豆サポニンを有効成分とするレプチン分泌抑制組成物。
- 大豆サポニンが乾燥重量あたり10重量%以上含まれる大豆抽出物を使用する請求項1記載の組成物。
- 組成物が食品、剤または飼料である請求項1記載の組成物。
- レプチン分泌抑制組成物の製造のための、大豆サポニンの利用。
- 大豆サポニンが乾燥重量あたり10重量%以上含まれる大豆抽出物を使用する、請求項4記載の利用。
- 製造する組成物が食品、剤または飼料である請求項4記載の利用。
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