JP5981088B2 - エネルギー消費促進剤 - Google Patents

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Description

本発明は、エネルギー消費促進剤及び脂質燃焼促進剤に関する。
現代社会においては、食生活の欧米化により脂質摂取量が増えると同時に、自動車の普及等により運動量が減少しエネルギー消費量が低下している。
運動は、主に筋肉におけるエネルギー代謝を活性化し、エネルギー消費、脂質の利用率を高めるが、実生活において日常的に運動を行うことは現実的には難しい。そこで、運動以外の何らかの手段により運動したのと類似の効果をもたらすことや、限られた運動であっても、その効果をより有効に引き出すことができれば、エネルギー消費量を増大させ、脂質の燃焼を高めることもできる。
これまでに、エネルギー消費を促進させる成分として、交感神経活性化作用を有するカフェインやカプサイシン等が報告されている(非特許文献1、2)。しかしながら、カフェインやカプサイシンは、安全性や刺激性の点から、その実用性が限定され満足できるものではない。その他、エネルギー代謝促進作用を有する例としては、カプシノイド含有組成物(特許文献1)やフラボン類又はフラバノン類(特許文献2)が報告されている。また、近年では、辛味が少なく、低刺激性のカプサイシン類縁体であるカプシエイトのエネルギー消費を亢進する作用が報告されている(非特許文献3)。
一方、米糠は、玄米を精白する際に取り除かれる胚乳以外の部分で、食物繊維(セルロース)、タンパク質、脂質、ビタミン類、ミネラル等の多種の栄養素や、γ−オリザノール、フィチン酸、遊離γ−アミノ酪酸等の機能性成分が含まれている。これまで米糠の抽出物には、抗肥満作用、アディポネクチン分泌促進作用、抗コレステロール作用、抗癌作用、アルコール性肝臓疾患の改善作用等が報告されている(特許文献3〜4、非特許文献4〜6)。
しかしながら、斯かる従来の知見は、エネルギー消費や脂質燃焼量に関するものではない。すなわち、米糠抽出物がエネルギー消費及び脂質燃焼に対して与える影響については、これまで全く知られていない。
特開2004−149494号公報 特開2007−314446号公報 特開2006−257064号公報 特開2005−68132号公報
Dulloo AG.ら、Am J Clin Nutr.1989 49(1):44−50. Kawada T.ら、Proc Soc Exp Biol Med.1986 183(2):250−6. Ohnuki K.ら、Biosci Biotechnol Biochem.2001 65(12):2735−40. Chen CW.ら、J Nutr.2006 136(6):1472−6 Ullah A.ら、Carcinogenesis.1990 11(12):2219−22 Oh CH.ら、J Med Food.2003 6(2):115−21
本発明は、安全性が高く、優れたエネルギー消費促進作用、脂質燃焼促進作用を有し、医薬品、飲食品等に有用なエネルギー消費促進剤及び脂質燃焼促進剤を提供することに関する。
本発明者らは、エネルギー消費及び脂質燃焼を効果的に促進し得る物質を探索したところ、米糠抽出物がエネルギー消費及び脂質の燃焼を有意に高めることを見出した。
すなわち、本発明は、米糠抽出物を有効成分とするエネルギー消費促進剤を提供するものである。
また、本発明は、米糠抽出物を有効成分とする脂質燃焼促進剤を提供するものである。
本発明のエネルギー消費促進剤及び脂質燃焼促進剤は、優れたエネルギー消費促進作用、脂質燃焼促進作用を有し、かつ安全性も高いので、医薬品、食品等の有効成分として有用である。
米糠抽出物摂取が食後エネルギー代謝に与える影響を示す図である。
玄米は、種皮、果皮、胚乳及び胚芽からなり、胚乳組織の外層には糊粉層がある。玄米を精白する際、その度合いによって糊粉層までが米糠(生糠)として排除される。
本発明における米糠は、玄米を精白する際に取り除かれる胚乳以外の部分(種皮、果皮、澱粉層及び胚芽)の混合物を用いてもよく、いずれかを分離したものを用いてもよい。米糠の原料となる米の分類・種類に特に限定はなく、例えばジャポニカ種、インディカ種、ジャバニカ種の糯米、粳米、赤米、紫黒米等いずれも用いることができる。
本発明の米糠抽出物としては、米糠を、そのまま或いは乾燥、凍結乾燥した後に適当に粉砕加工したりしたものを抽出して得られる抽出エキスの他、さらに分離精製して得られるより活性の高い画分(成分)が包含される。具体的には、米糠油、さらにこれを酵素処理した後、蒸留脱酸して得られる成分濃縮油などが挙げられる。当該抽出物は天然成分由来なので安全性も高い。
米糠抽出物は市販品を使用することもできる。例えば、特開2006−257064に記載されている製造法のごとく、米糠をエタノールで加熱溶解(80℃、1時間)し、濃縮後ヘキサンを加えて溶解し、さらに、硫酸を加えてpHを3にし、濾過した濾液をエタノールと水酸化ナトリウムで還流抽出(80℃、1時間)を行い、静置させた上澄に塩酸を加えて中和させ、濃縮乾固した米糠抽出物を用いることができる。
抽出は、室温又は加熱した状態で溶剤に含浸させるか又はソックスレー抽出器等の抽出器具を用いて行われる溶剤抽出の他に、水蒸気蒸留等の蒸留法を用いて抽出する方法、炭酸ガスを超臨界状態にして行う超臨界抽出法、あるいは圧搾して抽出物を得る圧搾法等を用いることができる。抽出は、例えば米糠1質量部に対して1〜50質量部の溶剤を用い、室温(25℃)〜100℃で数時間〜数週間浸漬又は加熱還流するのが好ましい。
例えば、米糠油は、米糠および米胚芽を原料として抽出される植物油であり、抽出法としては、例えば米糠を圧縮してペレット状にした後、油分を抽出し、蒸留処理により精製することにより得られる。具体的には、溶剤100質量部に対して、米糠の凍結乾燥物を10質量部添加して数時間攪拌抽出し、濾過により固形分を除去したのち、蒸留により精製する。得られた米糠油を酵素処理する方法は、例えば、リパーゼ存在下で50℃、3〜20時間処理する方法が挙げられる。また、蒸留脱酸する方法は、例えば、220℃、13.3Paの条件下でクーゲル蒸留装置を用いる方法が挙げられる。
溶剤抽出に用いられる抽出溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の鎖状及び環状エーテル類;ポリエチレングリコール等のポリエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;ピリジン類;超臨界二酸化炭素;油脂、ワックス、その他オイル等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用でき、溶剤を変えて繰り返し行うことも可能である。このうち、炭化水素類などの脂溶性溶剤を用いるのが好ましく、特にヘキサンを用いるのが好ましい。
また、抽出物の分離精製手段としては、例えば、抽出物を活性炭処理、液液分配、カラムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、ゲル濾過、精密蒸留等を挙げることができる。
本発明の米糠抽出物は、斯くして得られる抽出液や画分をそのまま用いてもよく、適宜な溶媒で希釈した希釈液として用いてもよく、或いは濃縮エキスや乾燥粉末としたり、ペースト状に調製したものでもよい。また、凍結乾燥し、用時に、通常抽出に用いられる溶剤で希釈して用いることもできる。また、リポソーム等のベシクルやマイクロカプセル等に内包させて用いることもできる。
本発明の米糠抽出物は、トリテルペン又はその誘導体を含むものが好ましい。トリテルペン又はその誘導体としては、ルパン型トリテルペン又はその誘導体、ククルビタン型トリテルペン又はその誘導体、シクロアルタン型トリテルペン又はその誘導体が挙げられる。このうち、シクロアルテノール、24−メチレンシクロアルタノールなどのシクロアルタン型トリテルペン又はその誘導体が好ましく、特にシクロアルテノール又はその誘導体が好ましい。
これらの誘導体としては、例えば、脂肪酸エステル、フェルラ酸エステル、桂皮酸エステルなどのエステル体、サポニンなどの配糖体が挙げられる。
本発明の米糠抽出物中には、トリテルペン又はその誘導体が0.01質量%以上、特に0.1〜100質量%含まれていることが好ましく、1〜100質量%含まれていることがより好ましく、10〜100質量%含まれていることが更に好ましい。また、シクロアルタン型トリテルペン又はその誘導体が0.01質量%以上、特に0.1〜100質量%含まれていることが好ましく、1〜100質量%含まれていることがより好ましく、10〜100質量%含まれていることが更に好ましい。さらに、シクロアルテノール又はその誘導体が、0.01質量%以上、特に0.1〜100質量%含まれていることが好ましく、1〜100質量%含まれていることがより好ましく、10〜100質量%含まれていることが更に好ましい。
後記実施例に示すように、米糠抽出物は、エネルギー消費促進作用及び脂質燃焼促進作用を有する。従って、本発明の米糠抽出物は、エネルギー消費促進剤及び脂質燃焼促進剤(以下、「エネルギー消費促進剤等」という)となり得、また、当該エネルギー消費促進剤等を製造するために使用することができる。このとき、当該エネルギー消費促進剤等には、当該米糠抽出物を単独で、又はこれ以外に、必要に応じて適宜選択した担体等の、配合すべき後述の対象物において許容されるものを使用してもよい。なお、当該製剤は配合すべき対象物に応じて常法により製造することができる。斯かるエネルギー消費促進剤等は、エネルギー消費促進、脂質燃焼促進のための医薬品、医薬部外品、飲食品、ペットフード等の飼料の有効成分として配合して使用可能である。
また、米糠抽出物は、食後のGIP上昇を有意に抑制する作用を有することが確認された(試験例2)。GIP(Gastric inhibitory polypeptide)は、グルカゴン・セクレチンファミリーに属する消化管ホルモンの1つであり、GIPの上昇が抑制されると、特に脂質の利用が亢進し、エネルギーの消費が高まることが報告されている(Nature medicine 2002 8(7):738−742、Journal of biological chemistry 2008 283(26):18365−18376)。従って、米糠抽出物によるエネルギー消費促進作用及び脂質燃焼促進作用は、米糠抽出物のGIP上昇抑制によるものと考えられる。それゆえ、本発明の米糠抽出物は、GIP上昇抑制作用に基づくエネルギー消費促進剤及び脂質燃焼促進剤となり得る。
なお、ここでの「GIP上昇抑制」とは、脂質及び/又は糖質を含む食事、特に脂質を多く含む食事、そのなかでもトリアシルグリセロールを多く含む食事を摂取することにより消化管から分泌されるGIPの血中濃度が上昇するのを抑制することをいう。すなわち「GIP上昇抑制」とは、主として食後に生じるGIP上昇を抑制することをいう。そして、本発明における「GIP上昇抑制作用」は、消化管からのGIP分泌を抑制することでGIP上昇を抑制するGIP分泌抑制作用、及び血中GIP濃度を低下させることによりGIP上昇を抑制するGIP低下作用のいずれをも含む概念である。
また、本発明においてエネルギー消費とは、栄養素(エネルギー源)が生体各組織において代謝され、化学エネルギーあるいは熱エネルギーに変換されることをいい、エネルギー消費量はその過程で消費される酸素量から算出されるものであり、個体レベルのマクロな物理化学エネルギー産生量を指す。すなわち、エネルギー消費促進作用とは、上記のように定義されるエネルギー消費量を増加させる作用のことを言う。また、脂質燃焼とは脂肪酸が生体各組織において代謝され、化学エネルギーあるいは熱エネルギーに変換されることをいう。
脂質燃焼量は、その酸化的代謝過程で消費される酸素量と排出される二酸化炭素量から例えば下記のPeronnetらの式(i)により算出されるものであり(Peronnetら、Can J Sport Sci. 1991 16:23−29)、個体レベルの脂質由来のエネルギー産生量を指す。すなわち、脂肪燃焼促進作用とは、上記のように定義される脂肪燃焼量を増加させる作用のことをいう。
脂質燃焼量=1.695×(1−1.701/1.695×呼吸商)×酸素消費量[kcal/min] (i)
(但し、呼吸商=二酸化炭素排出量/酸素消費量)
本発明のエネルギー消費促進剤等を医薬品の有効成分として用いる場合、当該医薬品は任意の投与形態で投与され得る。投与形態としては、経口、経腸、経粘膜、注射等が挙げられるが、経口投与が好ましい。経口投与のための製剤の剤型としては、例えば錠剤、被覆錠剤、カプセル剤、軟カプセル剤、顆粒剤、散剤、粉剤、徐放性製剤、懸濁液、エマルジョン剤、トローチ剤、内服液、糖衣錠、丸剤、細粒剤、シロップ剤、エリキシル剤、乳液等が挙げられる。非経口投与としては、静脈内注射、筋肉注射剤、吸入、輸液、坐剤、吸入薬、経皮吸収剤、点眼剤、点鼻剤、クリーム、ジェル、ローション、貼付剤、ゲル、ペースト等が挙げられる。
また、斯かる製剤では、本発明のエネルギー消費促進剤等を単独で、又は他の薬学的に許容される担体と組み合わせて使用してもよい。斯かる担体としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、希釈剤、浸透圧調整剤、流動性促進剤、吸収助剤、pH調整剤、乳化剤、防腐剤、安定化剤、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、保湿剤、増粘剤、光沢剤、活性増強剤、抗炎症剤、殺菌剤、矯味剤、矯臭剤、増量剤、界面活性剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、固着剤、香料、被膜剤等が挙げられる。
上記担体の具体例としては、乳糖、カオリン、ショ糖、結晶セルロース、コーンスターチ、タルク、寒天、ペクチン、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、レシチン、塩化ナトリウム等の固形状坦体が挙げられ、グリセリン、落花生油、ポリビニルピロリドン、オリーブ油、エタノール、ベンジルアルコール、プロピレングリコール、水等の液状坦体が挙げられる。
上記製剤中の米糠抽出物の含有量は、製剤の種類によっても異なるが、一般的に0.001〜100質量%、特に0.01〜100質量%が好ましく、更に好ましくは0.05〜100重量%とするのが好ましい。
本発明のエネルギー消費促進剤等を各種飲食品の有効成分として用いる場合、一般飲食品のほか、エネルギー消費促進、脂質燃焼促進をコンセプトとし、必要に応じてその旨表示した美容飲食品、病者用飲食品、栄養機能飲食品又は特定保健用飲食品等の機能性飲食品に応用できる。
飲食品の形態は、固形、半固形または液状であり得る。飲食品の例としては、パン類、麺類、クッキー等の菓子類、スナック類、ゼリー類、乳製品、冷凍食品、粉末コーヒー等のインスタント食品、でんぷん加工製品、加工肉製品、その他加工食品、コーヒー飲料等の飲料、缶コーヒー飲料や清涼飲料水、果汁飲料等の容器詰め飲料、スープ類、調味料、食用油、栄養補助食品等、及びそれらの原料が挙げられる。また、上記の経口投与製剤と同様、錠剤形態、丸剤形態、カプセル形態、液剤形態、シロップ形態、粉末形態、顆粒形態等であってもよい。
斯かる形態の飲食品は、米糠抽出物の他、他の飲食品材料や、軟化剤、油、乳化剤、防腐剤、香科、安定剤、着色剤、酸化防止剤、増粘剤、固着剤、分散剤、湿潤剤等、更には前記と同様のカフェインを適宜組み合わせて配合し、調製することができる。
また、飲食品中における米糠抽出物の含有量は、その使用形態により異なるが、一般的に0.001〜100質量%とするのが好ましく、0.01〜100質量%とするのがより好ましく、更に好ましくは0.05〜100重量%とするのが好ましい。
また、本発明のエネルギー消費促進剤等を飼料の有効成分として用いる場合には、当該飼料としては、例えば牛、豚、鶏、羊、馬等に用いる家畜用飼料、ウサギ、ラット、マウス等に用いる小動物用飼料、マグロ、ウナギ、タイ、ハマチ、エビ等に用いる魚介類用飼料、犬、猫、小鳥、リス等に用いるペットフード等が挙げられる。
尚、飼料を製造する場合には、エネルギー消費促進剤等を単独で、又はこの他に、牛、豚、羊等の肉類、蛋白質、穀物類、ぬか類、粕類、糖類、野菜、ビタミン類、ミネラル類等一般に用いられる飼料原料、更に一般的に飼料に使用されるゲル化剤、保型剤、pH調整剤、調味料、防腐剤、栄養補強剤等を必要に応じて配合し、常法により当該飼料を加工製造することがきできる。
本発明のエネルギー消費促進剤等を医薬品や機能性食品等の有効成分として用いる場合の投与量・摂取量は、効果が得られる量であれば、特に限定されない。また、その投与量・摂取量は、対象者の状態、体重、性別、年齢又はその他の要因に従って変動し得るが、経口投与の場合の成人1人当たり、シクロアルテノールとして、1日あたり50μg〜500mgとすることが好ましく、特に75μg〜100mg、さらに100μg〜50mgとするのが好ましく、よりさらに150μg〜25mgとするのが好ましい。また、上記製剤は、任意の投与計画に従って投与され得るが、1日1回〜数回に分けて投与することが好ましい。
また、本発明のエネルギー消費促進剤等は、摂食・摂餌時或いは摂食・摂餌前に投与又は摂取するのが好ましく、特に摂食・摂餌前5分から30分以内に投与又は摂取するのが好ましい。本発明のエネルギー消費促進剤等を摂食・摂餌時あるいは摂食・摂餌前に投与又は摂取することにより、摂食・摂餌後のエネルギー消費・脂質燃焼を促すことができる。また、摂食・摂餌の栄養組成としては、特に限定されないが、糖質、脂質、蛋白質、ビタミン、ミネラルを含む通常の食事・餌であり、好ましくは、そのエネルギー構成比は、糖質と脂質の比率が100:0〜10:90の食事が好ましい。投与又は摂取対象者としては、それを必要としているものであれば特に限定されないが、空腹時血糖値が100mg/dL以上の人、あるいは空腹時血中トリグリセリド値が100mg/dL以上の人、あるいは空腹時血中GIP値が10pg/mL以上の人が好ましい。
試験例1 米糠抽出物摂取が食後エネルギー代謝に与える影響
米糠抽出物として、「オリザトリテルペノイド−P」(オリザ油化(株)製)を用いた。本品は、イネ科イネ(Oryza sativa Linne)の種子から生ずる米糠及び米胚芽から加水分解して得られたトリテルペノイドを粉末化したものである。本品のキャピラリーガスクロマトグラフィーによる成分分析結果を表1に示す。
Figure 0005981088
(分析条件)
カラム:キャピラリーGCカラム DB−1(Agilent Technologies社製)、30m×0.25mm、膜厚0.25μm
キャリアガス:ヘリウム、2.30mL/min
スプリット比:40:1
インジェクター:T=300℃
ディテクター:FID、T=300℃
オーブン温度:150℃で1.5分間保持、15℃/分で250℃まで昇温、5℃/分で320℃まで昇温、20分間保持
〔試料の調製〕
白米(栃木産コシヒカリ)に、表2に示す濃縮乳化液(1)を水で10倍希釈した乳化液を1.5倍量添加して30分吸水後、炊飯器(象印マイコン炊飯ジャーNS−KG05、象印マホービン株式会社製)にて炊飯し、試験食とした。
一方、白米(栃木産コシヒカリ)に、表2に示す濃縮乳化液(2)を水で10倍希釈した乳化液を1.5倍量添加して30分吸水後、炊飯器(象印マイコン炊飯ジャーNS−KG05、象印マホービン株式会社製)にて炊飯し、対照食とした。
Figure 0005981088
〔試験方法〕
上記の試験食と対照食についてボランティアによる摂食試験を行い、ヒトに対する米糠抽出物を有効成分とするエネルギー消費及び脂質燃焼亢進効果を検討した。
ボランティア10名(男性10名、年齢27歳〜46歳:平均33.9歳、Body Mass Index:17.3〜26.5:平均21.3)を対象に試験を行った。ボランティア1人に対し、試験食と対照食の試験を両方行った。この2回の試験は約1週間の期間をおいて行った。1回の摂取量は、炊飯した精白米(糖質50g)、及び米糠抽出物添加精白米(糖質50g、米糠抽出物13mg(うちシクロアルテノール5mg))をヒト1人が1回に摂取できるよう、摂取量を設定した。
早朝空腹時(12時間以上絶食後)において、15分間の安静馴化後、15分間安静座位にて摂取前の呼気測定を、呼吸マスクと連結した呼気代謝測定装置VO2000(Medical Graphics Corporation社)にて行った。その後、朝食として試験食あるいは対照食を摂取して頂いた。その後、摂取後10分から120分にかけて安静座位にて摂取後の呼気測定を各時間において15分間呼気測定を行った。測定終了後に、計測ソフトm−Graph(エスアンドエムイー社)を用いて酸素摂取量(mL/min)及び二酸化炭素排出量(mL/min)を解析し、酸素消費量を算出した。また、酸素消費量及び二酸化炭素排出量より、脂質燃焼量を上記式(i)より算出し、総エネルギー消費量を下記式(ii):
総エネルギー消費量=(3.796×酸素消費量+1.214×二酸化炭素排出量)×1.44÷60÷24[kcal/min] (ii)
より算出した。
尚、酸素消費量、総エネルギー消費量、及び脂質燃焼量の経時的な変動に関する有意差検定はStatView解析ソフトを用い、two−way ANOVA検定を行い、P<0.05を有意水準とした。また、試験食と対照食の、各測定時間における検定は対応のあるt検定で行い、P<0.05を有意水準とした。
〔結果〕
図1に示すように、米糠抽出物を含む試験食は、対照食と比べ、食後の酸素消費量、総エネルギー消費量、及び脂質燃焼量を有意に亢進することが確認された。
試験例2 糖質負荷時におけるシクロアルテノールのGIP上昇抑制作用
〔シクロアルテノールの調製〕
試験例1で用いた米糠抽出物(「オリザトリテルペノイド−P」(オリザ油化(株)製))を分離精製し、シクロアルテノール精製品を得た。具体的には、「オリザトリテルペノイド−P」5gを、シリカゲルカラムクロマト(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=9/1)によって分画し、シクロアルテノール含有画分3.93gを得た。その後、本画分1.4gをODSカラム(Inertsil ODS−3:GLサイエンス)を用いたHPLC(展開溶媒:メタノール/アセトニトリル/テトラヒドロフラン/水=15/2/2/1)にて分画し、シクロアルテノール精製品480mgを得た。
〔試料の調製及び試験方法〕
白米(栃木産コシヒカリ)に1.5倍量の水を添加して30分吸水後、炊飯器(象印マイコン炊飯ジャーNS−KG05、象印マホービン株式会社製)にて炊飯した。炊飯米に水とトリオレイン(シグマアルドリッチ製)を添加した後、十分に均一化するまでホモジナイズして投与試料とした。投与試料を白米2mg/g体重+トリオレイン1.5μg/g体重になるようにゾンデにより経口投与したものを対照群とした。投与試料に、前記で調製したシクロアルテノール精製品をそれぞれ添加(トリオレインに溶解)して、白米2mg/g体重+トリオレイン1.5μg/g体重、シクロアルテノールとして0.075μg/g体重、又は0.15μg/g体重になるように、ゾンデにより経口投与したものをそれぞれ試験群1、試験群2とした。
15時間絶食した8週齢雄性Wistarラット(日本SLC株式会社より購入)を、1群10匹として体重がほぼ同一になるように群分けした後、各群に投与直後、経時的に尾静脈から採血した。採取した血液を遠心分離して得られた血漿中のGIP濃度をGIP測定キット(LINKO製)にて測定し、グラフの曲線下面積(AUC)を算出した。
〔結果〕
結果は表3に示すとおりである。結果は平均±標準誤差で示し、群間の統計学的有意差については、対照群に対するt検定を行った(*p<0.05)。
Figure 0005981088
表3の通り、血中GIP濃度は試験群1で低下傾向が認められ、試験群2で有意に低下したことから、シクロアルテノールには糖質負荷時においてGIP上昇抑制効果があることが確認された。

Claims (3)

  1. シクロアルテノール、そのエステル又はその配糖体を含む米糠抽出物を有効成分とするエネルギー消費促進剤。
  2. 米糠抽出物が、米糠油である請求項1記載のエネルギー消費促進剤。
  3. シクロアルテノールとして、1日に50μg〜500mg経口投与するものである請求項1又は2記載のエネルギー消費促進剤。
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