JP2006224816A - コラムアシスト式電動パワーステアリング装置 - Google Patents

コラムアシスト式電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 コラムアシスト式電動パワーステアリング装置を、軸方向に全長を短縮化して、小型化を図ること。
【解決手段】 ウォームホイール20の芯金部20aの内径側基端部は、ウォームホイール20とウォーム11とのギヤ噛み合い位置の内径側から、車両前方側に軸方向に変位して延在した軸方向変位部20cを有している。軸方向変位部20cは、その内径側が出力軸3に嵌合してあると共に、その外径側が一つの玉軸受30を介して、前方側ハウジング14に回転自在に支持してある。トルクセンサーTSは、ウォームホイール20とウォーム11とのギヤ噛み合い位置の径方向内方に設けた円筒状部21aを有し、トルクセンサーTSの一部であるヨーク9等は、円筒状部21aの径方向内方側に配置してある。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車の操舵機構に用いられる電動パワーステアリング装置のうち、運転者の操舵力をステアリングコラム部で補助する形式のコラムアシスト式電動パワーステアリング装置に関する。
自動車のパワーステアリングは、油圧式パワーステアリングから、効率の高い電動パワーステアリング(Electric Power Steering、以下EPSと記す)に置き換えられる傾向にある。
油圧パワーステアリングは、常時油圧ポンプを駆動するが、EPSは、動力が必要な時にだけ電動モータを駆動するので、EPSは、油圧パワーステアリングに比較して効率が良い。一般に、EPSは、油圧パワーステアリングに比較して、3〜5[%]程度の省燃費化効果があるとされる。
EPSは、油圧パワーステアリングに比較して、大きな推力を発生するのが難しいので、従来は、軽自動車を中心に利用されていた。しかし、近年は、EPSの性能が向上して、大きな推力を発生できるようになり、小型乗用車を中心に普通自動車にも、適用範囲が広がりつつある。
EPSは、「ステアリングホイールから操舵輪(両前輪)に至るまでのステアリング機構のどの部分に補助動力装置を備えているか」によって、幾つかの形式に分類される。
電動モータの補助動力装置をコラム部に備えたものを、コラムアシスト式EPSと、電動モータの補助動力装置をピニオンギヤに備えたものを、ピニオンアシスト式EPSと呼ぶ。
また、電動モータの補助動力装置をラックに備えたものは、ボールねじを使って、電動モータの回転運動をラックの直線運動に変換するので、ボールねじ式EPSと呼ばれる。
コラムアシスト式EPSは、例えば特許文献1などにみることができる。ピニオンアシスト式EPSは、例えば特許文献2などにみることができる。ボールねじ式EPSは、例えば特許文献3などにみることができる。
図3は、従来例に係るコラムアシスト式電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
コラムアシスト式電動パワーステアリング装置では、ステアリングコラム(図示略)内に回転自在に装着したステアリングシャフト2(入力軸)の車両前方側には、出力軸3が連結してある。
この出力軸3の車両前方端部には、中間シャフト(図示略)や自在継手(図示略)等を介してラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置(図示略)等が連結してある。
ステアリングシャフト2(入力軸)の車両前方側には、トーションバー5の基端が圧入固定してあり、このトーションバー5は、中空に形成した出力軸3の内部を延在して、その先端が出力軸3の端部に固定ピン6により固定してある。なお、トーションバー5は、入力軸2から出力軸3に操舵力を伝達すると共に操舵力に応じて入力軸2と出力軸3の間に微小な角度差を生じさせる。
出力軸3の車両後方側には、トルクセンサーTSが設けてある。即ち、出力軸3の車両後方側には、トルクセンサーTSの検出用溝7が形成してあり、これらの溝7の径方向外方には、トルクセンサーTSのスリーブ8が配置してある。このスリーブ8は、その車両後方側端部がステアリングシャフト2(入力軸)の車両前方側端部に加締め等により固定してある。スリーブ8の径方向外方には、ヨーク9や基板等が設けてある。
出力軸3には、電動モータ(図示略)の駆動軸に連結したウォーム減速機構のウォーム(図示略)に噛合したウォームホイール12が取付けてある。なお、ウォームホイール12は、出力軸3に嵌合した芯金部12aと、この芯金部12aに一体的に成形した樹脂製ギア部12bとからなる。
これらウォーム(図示略)及びウォームホイール12は、後方側ハウジング13と、前方側ハウジング14とに収納してある。
なお、出力軸3は、ウォームホイール12の車両後方側の軸受16と、ウォームホイール12の車両前方側の軸受17とにより、ハウジング13,14に回転自在に支持してある。
従って、運転者がステアリングホイール(図示略)を操舵することにより発生した操舵力は、ステアリングシャフト2(入力軸)、トーションバー5、出力軸3、及びラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置を介して、図示しない転舵輪に伝達される。
また、電動モータ(図示略)の回転力は、そのウォーム(図示略)及びウォームホイール12を介して出力軸3に伝達されるようになっており、電動モータ(図示略)の回転力及び回転方向を適宜制御することにより、出力軸3に適切な操舵補助トルクを付与できるようになっている。
特開2002−331943号公報 特開2002−321632号公報 特開2004−114972号公報
一般に、停車状態の転舵(据え切り)や危険回避の高速転舵などに必要な最大のラック推力は、車体前軸重量程度である。軽自動車から普通自動車に適用範囲が拡大すると、車体重量が増し、ラック推力も大きくなる。
ラック推力の増大に伴い、電動モータ出力も減速機の伝達動力も大きくなり、EPS装置全体が大型化する。
しかし、コラムアシスト式EPSは、その機構部分がステアリングコラム内に配置されるので、装置が大きくなりすぎると、衝撃吸収用のストロークが不足することも考えられる。
また、コラムアシスト式EPSのユニットは、ステアリングコラム内に配置されるので、スペース上の制約がもともと大きい。
以上の理由から、コラムアシスト式EPSは、大推力のEPSには、不向きとされる。そのため、大推力EPSには、ボールねじ式EPSなど他の形式が使われることが多い。
しかし、コラムアシスト式EPSは、その構造が簡単で車両への搭載が容易という優れた利点がある。コラムアシスト式EPSを小型化できれば、大推力のEPSに適用範囲を拡大できる。
以上のように、コラムアシスト式EPSは、他のピニオンアシスト式EPSやボールねじ式EPSなどに比べて、装置の小型化が特に重要である。
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであって、軸方向に全長を短縮化して、小型化を図ることができるコラムアシスト式電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の請求項1に係るコラムアシスト式電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイールへの操舵力に対応して、トルクセンサーにより捩りトルクや角度を検出して、電動モータから補助操舵トルクを発生し、減速機構により減速して、操舵機構のコラム部の出力軸に伝達するコラムアシスト式電動パワーステアリング装置に於いて、
前記減速機のウォームホイールの内径側基端部は、当該ウォームホイールとウォームとのギヤ噛み合い位置の内径側から、軸方向に変位して延在した軸方向変位部を有し、
当該軸方向変位部は、その内径側が前記出力軸に嵌合してあると共に、その外径側が一つの玉軸受を介してハウジングに回転自在に支持してあり、
前記トルクセンサーの少なくとも一部は、前記ウォームホイールとウォームとのギヤ噛み合い位置の径方向内方に、配置してあることを特徴とする。
本発明の請求項2に係るコラムアシスト式電動パワーステアリング装置は、前記玉軸受は、4点接触玉軸受であることを特徴とする。
本発明の請求項3に係るコラムアシスト式電動パワーステアリング装置は、前記4点接触玉軸受は、そのの内外輪の有効肉厚比を、6.0〜2.5[%]に設定してあることを特徴とする。
本発明の請求項4に係るコラムアシスト式電動パワーステアリング装置は、前記4点接触玉軸受は、そのの内外輪の有効肉厚比を、4.0〜3.0[%]に設定してあることを特徴とする。
本発明の請求項5に係るコラムアシスト式電動パワーステアリング装置は、前記4点接触玉軸受は、その保持器に、外輪案内のアキシャルドロータイプの溶接プレス保持器が用いてあることを特徴とする。
本発明によれば、減速機のウォームホイールの内径側基端部は、当該ウォームホイールとウォームとのギヤ噛み合い位置の内径側から、軸方向に変位して延在した軸方向変位部を有し、軸方向変位部は、その内径側が出力軸に嵌合してあると共に、その外径側が一つの玉軸受を介してハウジングに回転自在に支持してあり、トルクセンサーの少なくとも一部は、ウォームホイールとウォームとのギヤ噛み合い位置の径方向内方に配置してある。従って、コラムアシスト式電動パワーステアリング装置は、軸方向に全長を短縮化して、小型化を図ることができる。
玉軸受は、ステアリングコラムに作用するウォームのギヤ反力を支える働きをする。玉軸受は、ウォームホイールの軸方向変位部に配置してあるため、ウォームのギヤ噛み合い位置から、コラム軸方向にオフセットした位置にあり、アキシャル荷重とラジアル荷重とモーメント荷重を受けている。アキシャル荷重とモーメント荷重を受ける点を考慮すると、この部分の支持には、4点接触玉軸受や複列アンギュラ玉軸受の双方が適しているが、より好適には、4点接触玉軸受であり、軸受幅を小さくできるから、特にコラムアシスト式電動パワーステアリング装置をより一層小型化することができる。
4点接触玉軸受は、その内外輪の有効肉厚比κ,κが6.0[%]以下、特に好ましくは4.0[%]以下になっており、軸受内径d[mm]に対する軸受外径D[mm]の比D)/d[−]を小さくできるから、EPSのユニットを小型化できる。また、4点接触玉軸受の内外輪の有効肉厚比κ,κが2.5[%]以上、特に好ましくは、3.0[%]以上であるので、熱処理変形を強制する冶具が必要ない程度に内外輪の熱処理変形を小さくでき、熱処理工程を簡素化できる。
4点接触軸受の保持器は、溶接プレス保持器なので、冠型樹脂保持器に比較して薄肉にできる。4点接触玉軸受で保持器を薄肉にすると、軌道の肩を高く設計できるので、耐乗上性が向上する。耐乗上性が向上すると、軸受の転動体寸法(ボール径)の割に、大きなモーメント荷重を負荷できるので、輪受サイズを小型化できる。従って、EPSのユニットを小型化できる。また、保持器は、外輪案内だから、案内面(保持器外径面)の研削加工が容易である。また、保持器は、アキシャルドロータイプ(ボールを保持器側面から組み込む方式)だから、内外輪にボールを組み込んだ後に保持器を組み込めるので、組立性を良好にすることができる。
以下、本発明の実施の形態に係るコラムアシスト式電動パワーステアリング装置を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るコラムアシスト式電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
コラムアシスト式電動パワーステアリング装置では、ステアリングコラム1内に回転自在に装着したステアリングシャフト2(入力軸)の車両前方側には、出力軸3が連結してある。
この出力軸3の車両前方端部には、中間シャフト(図示略)や自在継手(図示略)等を介してラック・アンド・ピニオン式ステアリング装置(図示略)等が連結してある。
ステアリングシャフト2(入力軸)の車両前方側には、トーションバー5の基端が圧入固定してあり、このトーションバー5は、中空に形成した出力軸3の内部を延在して、その先端が出力軸3の端部に固定ピン6により固定してある。なお、トーションバー5は、入力軸2から出力軸3に操舵力を伝達すると共に操舵力に応じて入力軸2と出力軸3の間に微小な角度差を生じさせる。
出力軸3には、電動モータ10の駆動軸に連結したウォーム減速機構のウォーム11に噛合したウォームホイール20が取付けてある。これらウォーム11及びウォームホイール20は、後方側ハウジング13と、前方側ハウジング14とに収納してある。
さて、本実施の形態では、ウォームホイール20は、出力軸3に嵌合・固定した芯金部20aと、この芯金部20aに一体的に成形した樹脂製ギア部20bと、からなる。
この芯金部20aの内径側基端部は、ウォームホイール20とウォーム11とのギヤ噛み合い位置の内径側から、車両前方側に軸方向に変位して延在した軸方向変位部20cを有している。
この軸方向変位部20cは、その内径側が出力軸3に嵌合してあると共に、その外径側が一つの玉軸受30を介して、前方側ハウジング14に回転自在に支持してある。この玉軸受30は、止め輪31により、前方側ハウジング14に取り付けてある。
なお、この玉軸受30は、後に詳述するように、好適には、4点接触玉軸受である。また、入力軸2の車両前方側は、深溝玉軸受22により支持してある。
出力軸3の車両後方側には、トルクセンサーTSが設けてある。即ち、出力軸3の車両後方側には、トルクセンサーTSの検出用溝7が形成してあり、これらの溝7の径方向外方には、トルクセンサーTSのスリーブ8が配置してある。このスリーブ8は、その車両後方側端部がステアリングシャフト2(入力軸)の車両前方側端部に加締め等により固定してある。
本実施の形態では、トルクセンサーTSは、ウォームホイール20とウォーム11とのギヤ噛み合い位置の径方向内方に設けた円筒状部21aと、この円筒状部21aに一体的に車両後方側に設けた円盤状部21bと、からなり、この円盤状部21bは、ネジ21cにより後方側ハウジング13に固定してある。
スリーブ8の径方向外方には、ヨーク9等が設けてあるが、トルクセンサーTSの一部であるヨーク9等は、円筒状部21aの径方向内方側に配置してある。また、トルクセンサーTSの一部である基板等も、一体的に形成した円盤状部21b内に設けてある。
本実施の形態では、以上のように構成してあることから、コラムアシスト式電動パワーステアリング装置は、軸方向に全長を短縮化して、小型化を図ることができる。
コラムアシスト式EPSのユニットは、軸方向に全長を短くして、EPSのユニット全体を小型化するために、ウォームホイール12の内径部にトルクセンサTSのヨーク9等を設けている。従って、従来構造に比べてウォームホイール12を支持する玉軸受(図3に於ける16,17)の内径を大きくしなければならない。本実施の形態では、玉軸受30(4点接触玉軸受)の内輪内径は、55[mm]である。
ところが、標準の玉軸受の寸法系列で、内径を55[mm]に採ると、外輪外径が大きくなり、軸受の負荷容量も必要以上に大きくなってしまう(例えば、NSK カタログ CAT.No.1101f 2003 C−12 B 12などを参照)。内径を大きくしたのは、内部にトルクセンサーTSのヨーク9等を配置するためであって、玉軸受30(4点接触玉軸受)の負荷容量が不足しているからではない。必要十分な玉軸受30(4点接触玉軸受)の負荷容量を確保できる範囲内で、限界まで玉軸受30(4点接触玉軸受)の外径を小さく薄肉化すれば、コラムアシスト式EPSのユニットを小型化できる。
玉軸受30は、ステアリングコラム1に作用するウォーム11のギヤ反力(Fr,Fu)を支える働きをする。玉軸受30は、ウォームホイール12の軸方向変位部12cに配置してあるため、ウォーム11のギヤ噛み合い位置から、符号(x)で示すように、コラム軸方向にオフセットした位置にある。
その結果、玉軸受30は、ギヤ反力(Fr,Fu)が作用して、アキシャル荷重とラジアル荷重とモーメント荷重を同時に受けている。アキシャル荷重とモーメント荷重を受ける点を考慮すると、この部分の支持には、4点接触玉軸受や複列アンギュラ玉軸受の双方が適しているが、より好適には、4点接触玉軸受であり、軸受幅を小さくできるから、特にコラムアシスト式電動パワーステアリング装置をより一層小型化することができる。
また、軸方向のガタが大きいのでウォームホイール12を支持する玉軸受30には、深溝玉軸受は、向かない。なぜなら、ステアリングコラム1の軸方向のガタが大きくなると操舵感を損ねるからである。ステアリングコラム1の軸方向のガタは、一般に100[μm]以下が好ましい。ところが、深溝玉軸受は軸方向剛性が非常に小さいので、軸方向のガタを上記範囲内で設計するのは難しい。
さらに、軸方向剛性の高い玉軸受30としては、4点接触玉軸受や複列アンギュラ玉軸受が考えられるが、コラムアシスト式EPSのユニットを小型化する目的には、特に4点接触玉軸受が適している。なぜならば、軸受幅を小さくできるからである。
図2は、ウォームホイールを支持する玉軸受に好適な4点接触玉軸受の構造を示す模式図である。
図2の4点接触玉軸受30は、内輪30aと、外輪30bと、転動体30c(ボール)と、保持器30dと、ゴムシール30e(内輪摺接)と、を有している。
内輪内径55[mm]、外輪外径69[mm]、幅9[mm]、外輪内径63.8[mm]、内輪外径60.2[mm]、ボール径3.57188[mm](9/64[inch])、ボール数25個、接触角3o[゜]である。
外輪の軌道底径(逃げ溝底の直径)は65.8[mm]、内輪の軌道底径(逃げ溝底の直径)は58.2[mm]である。また、ラジアル幾何すきま(Cr)は、1〜11[μm]である。
外輪有効内径d[mm]、および内輪有効外径d[mm]は、それぞれ式(1)および式(2)で定義される。
外輪の有効肉厚比κ[%]、および内輪の有効肉厚比κ[%]は、それぞれ式(3)および式(4)で定義される。
Figure 2006224816
外輪の有効肉厚比κ[%]、および内輪の有効肉厚比κ[%]は、リングの厚さを評価する指標である。玉軸受30の外形を小さくしEPSユニットを小型化するためには、有効肉厚比は小さい方が良い。
一方で、外輪の有効肉厚比κ[%]、および内輪の有効肉厚比κ[%]は、それぞれを熱処理した際に発生する変形の大小を評価する指標としても使われる。有効肉厚比が小さくなりすぎると、変形を抑制するための冶具をつけて熱処理する必要がある。冶具を必要としない有効肉厚比の下限は、約2.5[%]である。2.5[%]よりも有効肉厚比が小さくなると、変形を強制する冶具が必要なので工程が増えて製造コストが増すからである。
本実施の形態に好適な4点接触玉軸受30の有効肉厚比の範囲は6.0〜2.5[%]であり、特に好ましくは4.0〜3.0[%]の範囲である。本実施の形態に使用される4点接触玉軸受30は、外輪30bの有効肉厚比 3.41[%]、および内輪30aの有効肉厚比3.94[%]なので、上記好適な範囲にある.
4点接触玉軸受30の保持器30dは、外輪案内のアキシャルドロータイプの溶接プレス保持器を用いている。溶接プレス保持器なので、冠型樹脂保持器に比較して薄肉にできる。4点接触玉軸受30で保持器30dを薄肉にすると、軌道の肩を高く設計できるので、耐乗上性が向上する。
耐乗上性が向上すると、4点接触玉軸受30の転動体30cの寸法(ボール径)の割に、大きなモーメント荷重を負荷できるので、4点接触玉軸受30のサイズを小型化できる。従って、EPSユニットを小型化できる。
また、保持器30dは、外輪案内だから、案内面(保持器外径面)の研削加工が容易である。
また、保持器30dは、アキシャルドロータイプ(ボール30cを保持器30d側面から組み込む方式)だから、内外輪30a,30bにボール30cを組み込んだ後に保持器30dを組み込めるので、組立性を良好にすることができる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されず、種々変形可能である。
本発明の実施の形態に係るコラムアシスト式電動パワーステアリング装置の縦断面図である。 ウォームホイールを支持する玉軸受に好適な4点接触玉軸受の構造を示す模式図である。 従来例に係るコラムアシスト式電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
符号の説明
1 ステアリングコラム
2 ステアリングシャフト(入力軸)
3 出力軸
5 トーションバー
6 固定ピン
7 検出用溝
8 スリーブ
9 ヨーク
TS トルクセンサー
10 電動モータ
11 ウォーム
12 ウォームホイール
12a 芯金部
12b 樹脂製ギア部
13 後方側ハウジング
14 前方側ハウジング
16,17 軸受
20 ウォームホイール
20a 芯金部
20b 樹脂製ギア部
20c 軸方向変位部
21a 円筒状部
21b 円盤状部
21c ネジ
22 深溝玉軸受
30 4点接触玉軸受
30a 内輪
30b 外輪
30c 転動体(ボール)
30d 保持器
30e ゴムシール
31 止め輪

Claims (5)

  1. ステアリングホイールへの操舵力に対応して、トルクセンサーにより捩りトルクや角度を検出して、電動モータから補助操舵トルクを発生し、減速機構により減速して、操舵機構のコラム部の出力軸に伝達するコラムアシスト式電動パワーステアリング装置に於いて、
    前記減速機のウォームホイールの内径側基端部は、当該ウォームホイールとウォームとのギヤ噛み合い位置の内径側から、軸方向に変位して延在した軸方向変位部を有し、
    当該軸方向変位部は、その内径側が前記出力軸に嵌合してあると共に、その外径側が一つの玉軸受を介してハウジングに回転自在に支持してあり、
    前記トルクセンサーの少なくとも一部は、前記ウォームホイールとウォームとのギヤ噛み合い位置の径方向内方に、配置してあることを特徴とするコラムアシスト式電動パワーステアリング装置。
  2. 前記玉軸受は、4点接触玉軸受であることを特徴とする請求項1に記載のコラムアシスト式電動パワーステアリング装置。
  3. 前記4点接触玉軸受は、そのの内外輪の有効肉厚比を、6.0〜2.5[%]に設定してあることを特徴とする請求項2に記載のコラムアシスト式電動パワーステアリング装置。
  4. 前記4点接触玉軸受は、そのの内外輪の有効肉厚比を、4.0〜3.0[%]に設定してあることを特徴とする請求項2に記載のコラムアシスト式電動パワーステアリング装置。
  5. 前記4点接触玉軸受は、その保持器に、外輪案内のアキシャルドロータイプの溶接プレス保持器が用いてあることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載のコラムアシスト式電動パワーステアリング装置。
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