JP2006224786A - 衝撃吸収式ステアリングコラム装置と電動式パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 アウターコラム13とインナーコラム14とが径方向に重畳する重畳部15の円周方向複数個所に、締め代を有する上記各嵌合部16、16を設ける。そして、これら各嵌合部16、16の配置を円周方向に関して不均等とすると共に、上下方向に偏った位置とする。これにより、上記各嵌合部16、16の締め代の変化に対してコラプス荷重を鈍感にする事ができ、低コストでコラプス荷重を安定させる事ができる。又、上記各嵌合部16、16は、上下方向に偏った位置に配置されている為、この上下方向の曲げ力に対して十分な強さを確保できる。
【選択図】 図1
Description
そして、これらアウターコラムとインナーコラムとの間に大きな軸方向荷重が加わった場合に、これらアウターコラムとインナーコラムとの軸方向に亙る相対変位により、軸方向寸法を収縮可能としたものである。
特に、請求項1に記載した衝撃吸収式ステアリングコラム装置に於いては、上記アウターコラムと上記インナーコラムとが径方向に重畳する重畳部の円周方向複数個所に、締め代を有する嵌合部を設けており、これら各嵌合部を、円周方向に関して不均等に配置している。
特に、請求項11に記載した電動式パワーステアリング装置に於いては、上記ステアリングコラムを、上述した衝撃吸収式ステアリングコラム装置としている。
この様に構成すれば、各嵌合部の締め代に対するコラプス荷重の変化をより鈍感にする事ができる。
又、請求項2及び請求項3に記載した発明を実施する為に好ましくは、請求項4に記載した様に、各嵌合部のうち、取付状態に於ける上下方向に偏った位置に配置された嵌合部の締め代を、他の位置に配置された嵌合部の締め代よりも大きくする。
この様に構成すれば、取付状態に於ける上下方向の曲げに対する強さを高くでき、走行時等のステアリングホイールの振動を防止できる。即ち、衝撃吸収式ステアリングコラム装置を自動車に取り付けた場合、ステアリングホイールの振動を防止する為に、上下方向の曲げ力に対する強さを確保する事が必要とされる。これに対して本発明の場合には、各嵌合部の配置を上下方向に偏らせたり、この上下方向に偏った位置に配置された嵌合部の締め代を大きくして、この上下方向の曲げ力に対する強さを高くする事により、走行時等に於けるステアリングホイールの振動を防止できる。又、上下方向の曲げ力に対する強さを確保できれば、衝突時にステアリングコラムがこじれにくくなり、安定して(円滑に)ステアリングコラムを収縮させる事ができる。更に、この様な本発明の衝撃吸収式ステアリングコラム装置を、ステアリングコラムの軸方向寸法を確保しにくい、電動式パワーステアリングコラム装置に適用した場合には、曲げ力に対する強さを確保する為に嵌合部の軸方向長さを長くする必要がなく、重畳部の軸方向長さを短くできる為、コラプスストロークを確保し易い。尚、ステアリングコラムを構成するアウターコラムとインナーコラムとの肉厚を大きくすれば、曲げ力に対する強さをより高くできる。この場合でも、嵌合部の締め代に対するコラプス荷重の変化が鈍感である為、これら各嵌合部の締め代の変化に拘らず、コラプス荷重を安定させる事ができる。
或は、請求項6に記載した様に、上記各嵌合部のうち、衝突時に曲げ力が作用する嵌合部の面積を、他の嵌合部の面積よりも大きくする。
この様に構成すれば、衝突時に曲げ力が作用する嵌合部の面圧を小さくできる為、衝突時にステアリングコラムがこじれにくくなり、このステアリングコラムの収縮をより安定して(円滑に)行なわせる事ができる。又、衝突時の曲げ力に基づく負荷に対してもこの嵌合部を構成する部分がへたりにくくなり、安定したコラプス荷重が得られる。
尚、請求項6に記載した発明を実施する為に、請求項7に記載した様に、衝突時に曲げ力が作用する嵌合部の軸方向長さを、他の嵌合部の軸方向長さよりも大きくしても良い。即ち、嵌合部の軸方向長さを大きくする事により、この嵌合部の面積を大きくする事もできる。
この様に構成すれば、衝突時に作用する曲げ力に対する強さをより確保し易い。
この様に構成すれば、各突起を形成する位置やこれら各突起の高さ等を調整する事により、各嵌合部の配置を偏らせたり、締め代を変化させると言った構造を有する、上述の各発明を実施し易い。
又、請求項9に記載した様に、アウターコラムの内周面とインナーコラムの外周面との間に低摩擦材製のスペーサを配置し、各嵌合部がこのスペーサを介して嵌合する様にしても良い。
或は、請求項10に記載した様に、アウターコラムの内周面とインナーコラムの外周面とのうち、少なくとも一方の周面で他方の周面に嵌合する部分に、低摩擦表面処理を施しても良い。
この様に構成すれば、多少コストが嵩むが、コラプス荷重をより安定して得られる。
その他の構造及び作用は、前述の実施例1或は実施例2と同様である。
2 ステアリングホイール
3、3a ステアリングコラム
4 後部ブラケット
5 前部ブラケット
6 インスツルメントパネル
7 第一の自在継手
8 第二のステアリングシャフト
9 第二の自在継手
10 第三のステアリングシャフト
11 電動モータ
12 減速機
13 アウターコラム
14 インナーコラム
15 重畳部
16、16a 嵌合部
17、17a 突起
18、18a 変形部
Claims (11)
- アウターコラムと、このアウターコラムの一端部内側にその片端部を挿入したインナーコラムとを備え、これらアウターコラムとインナーコラムとの間に大きな軸方向荷重が加わった場合に、これらアウターコラムとインナーコラムとの軸方向に亙る相対変位により軸方向寸法を収縮可能とした衝撃吸収式ステアリングコラム装置に於いて、上記アウターコラムと上記インナーコラムとが径方向に重畳する重畳部の円周方向複数個所に、締め代を有する嵌合部を設けており、これら各嵌合部が円周方向に関して不均等に配置されている事を特徴とする、衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
- 各嵌合部の締め代を不均等にした、請求項1に記載した衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
- 各嵌合部の配置を、取付状態に於ける上下方向に偏らせた、請求項1に記載した衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
- 各嵌合部のうち、取付状態に於ける上下方向に偏った位置に配置された嵌合部の締め代を、他の位置に配置された嵌合部の締め代よりも大きくした、請求項2〜3の何れか1項に記載した衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
- アウターコラムとインナーコラムとの重畳部の軸方向に離隔した位置には、円周方向に関して不均等に配置された嵌合部がそれぞれ存在しており、これら各嵌合部のうち、衝突時に曲げ力が作用する嵌合部の数を、他の嵌合部の数よりも多くした、請求項1〜4の何れか1項に記載した衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
- アウターコラムとインナーコラムとの重畳部の軸方向に離隔した位置には、円周方向に関して不均等に配置された嵌合部がそれぞれ存在しており、これら各嵌合部のうち、衝突時に曲げ力が作用する嵌合部の面積を、他の嵌合部の面積よりも大きくした、請求項1〜5の何れか1項に記載した衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
- 衝突時に曲げ力が作用する嵌合部の軸方向長さを、他の嵌合部の軸方向長さよりも大きくした、請求項6に記載した衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
- 各嵌合部を、アウターコラムとインナーコラムとのうちの一方の部材の円周方向複数個所に突起を形成し、これら各突起を他方の部材に締め代を有する状態で嵌合する事により構成した、請求項1〜7の何れか1項に記載した衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
- アウターコラムの内周面とインナーコラムの外周面との間に低摩擦材製のスペーサを配置し、各嵌合部をこのスペーサを介して嵌合させた、請求項1〜8の何れか1項に記載した衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
- アウターコラムの内周面とインナーコラムの外周面とのうち、少なくとも一方の周面で他方の周面に嵌合する部分に、低摩擦表面処理を施した、請求項1〜8の何れか1項に記載した衝撃吸収式ステアリングコラム装置。
- 後端にステアリングホイールを固定するステアリングシャフトと、このステアリングシャフトを挿通自在なステアリングコラムと、通電に伴ってこのステアリングシャフトに回転方向の力を付与する電動モータとを備えた電動式パワーステアリング装置に於いて、上記ステアリングコラムを、請求項1〜10の何れか1項に記載した衝撃吸収式ステアリングコラム装置とした、電動式パワーステアリング装置。
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