JP2006221981A - 加工用プローブ及び加工装置並びに加工用プローブの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 サンプルに対向配置されたカンチレバー10と、該カンチレバー10の先端にサンプルに対向した状態で該サンプルの表面に接触可能に設けられ、先端が先鋭化された加工針11とを有する加工用プローブ2の製造方法であって、複数のダイヤモンド小片の中から、カンチレバー10の先端寸法に合うサイズで、且つ、突起を有するダイヤモンド小片を選択する選択工程と、該選択工程後、選択したダイヤモンド小片を加工台上に移動させる移動工程と、該移動工程後、集束ビームにより突起をさらに任意の形状で先鋭化するようエッチング加工すると共に、突起の基端側をカンチレバー10の先端に集束ビームを利用して取り付けて加工針11を作製する加工工程とを備えている加工用プローブ2の製造方法を提供する。
【選択図】 図2
Description
また、上記走査型プローブ顕微鏡の1つである原子間力顕微鏡(AFM;Atomic Force Microscope)と同様の機構をもつ装置に、ダイヤモンド砥粒を先端に有するカンチレバーを取り付け、該カンチレバーで試料等のサンプルを1〜100nmのナノスケールで加工する有効性についても既に知られている(非特許文献2参照)。即ち、粒径が50μm程度のダイヤモンド砥粒を切れ刃として利用することで、その硬度からサンプルを確実に削ることができ、ナノスケールでの加工を実現することができる。
即ち、上記非特許文献2に記載されているように、切れ刃となる従来のダイヤモンド砥粒(加工針)は、予め破砕された状態とされているものであり、該破砕によって粒度が調整されている。そして、複数のダイヤモンド砥粒の中から切れ刃となるべき最適な形状を有するダイヤモンド砥粒を選び、該ダイヤモンド砥粒をカンチレバーの先端に取り付けている。ところが、ダイヤモンド砥粒を接着する際に、特定の位置を切れ刃として選択することが難しい。そのため、結果的に切れ刃としてサンプル表面(被削材表面)に接触する部分の形状は、固体毎に不規則となってしまうものであった。つまり、同じ形状(特性)のものを、複数個、或いは、ある量製造することは不可能に近いものであった。従って、加工精度がそれぞれ異なってしまって品質が保てず、ナノメータースケールの加工技術を実用レベルにすることが困難であった。
本発明の加工用プローブは、サンプルに対向配置されたカンチレバーと、該カンチレバーの先端に前記サンプルに対向した状態で該サンプルの表面に接触可能に設けられ、先端が先鋭化された加工針とを有する加工用プローブであって、前記加工針が、ダイヤモンド小片から集束ビームにより任意の形状に加工されたものであることを特徴とするものである。
ダイヤモンド小片の選択後、該ダイヤモンド小片をピックアップして集束ビーム装置の加工台上に載せる移動工程を行う。
また、加工針は、任意の形状に形成されるので、サンプルを、従来困難であった垂直壁
やオーバーハング等で加工することも可能となり、設計の自由度を向上したり、より精密な加工を行ったりすることができる。
また、本発明の加工用プローブの製造方法は、上記本発明の加工用プローブの製造方法において、前記加工工程の際、前記ダイヤモンドの結晶方向に沿ってエッチング加工を行うことを特徴とするものである。
これにより、サンプルを微細加工するときに、サンプルとの摩擦により発生する電荷が加工針に貯まらず、加工屑(切削屑等)が付き難い状態となる。よって、サンプルを加工屑の影響を与えずに微細加工することができ、品質精度を向上することができる。また、絶縁物試料加工が容易となる。
また、本発明に係る加工装置によれば、任意の形状に形成され、品質が安定した加工用プローブを利用するので、サンプルをナノメータースケールで高精度に微細加工することができる。
本実施形態の加工装置1は、図1に示すように、サンプルSに対向配置された(上方に配された)加工用プローブ2と、サンプルSを載置するステージ3と、該ステージ3と加工用プローブ2とを、サンプル表面S1に平行なXY方向及びサンプル表面S1に垂直なZ方向に相対移動させる移動手段4と、サンプル表面S1を観察する観察手段5とを備えている。
また、ケーシング12内の底部には、防振機構を有するベース15が載置されている。このベース15上には、サンプルSをXYZの3方向に粗動移動させるステッピングモータ等の粗動機構16が取り付けられている。そして、この粗動機構16上に、ステージ3と加工用プローブ2とを、XZ方向に相対移動可能なZスキャナ17と、ステージ3と加工用プローブ2とをXY方向に相対移動可能なXYスキャナ18とが順に載置され、さらに、該XYスキャナ18上にステージ3を介してサンプルSが載置されている。
上記XYスキャナ18及びZスキャナ17は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等からなる圧電素子であり、電圧が印加されると、電圧印加量及び極性等に応じてステージ3をXYZ方向に微小移動させるようになっている。即ち、これらXYスキャナ18及びZスキャナ17は、上記移動手段4を構成している。この移動手段4を作動させることによって、加工針11でサンプル表面S1を切削したり研削したりして微細加工できるようになっている。
また、フォトダイオード21は、レーザ光L(反射光)の入射位置に応じて、カンチレバー10の撓み状態を測定するようになっている。即ち、光てこ方式によりカンチレバー10の撓み状態を測定する。また、この測定を行う場合には、移動手段4により加工針11とサンプル表面S1とを微小な力で接触させた状態で、XY方向への走査を行いながら行う。
なお、カンチレバー10の撓み状態を測定するには、上述した光てこ方式のほかに、カンチレバー10内部に変位検出が可能な歪ゲージを内蔵した自己検知型カンチレバーを用いることもできる。本実施形態においては、光てこ方式を用いた場合について説明する。
本実施形態の加工用プローブ2の製造方法は、複数のダイヤモンド砥粒Dの中から、カンチレバー10の先端寸法に合うサイズで、且つ、略鋭角な突起D1を有するダイヤモンド砥粒D’を選択する選択工程と、該選択工程後、選択したダイヤモンド砥粒D’を加工台T上に移動させる移動工程と、該移動工程後、FIBによりダイヤモンド砥粒D’の上記突起D1をさらに任意の形状で先鋭化するようにエッチング加工すると共に、突起D1の基端側をカンチレバー10の先端にFIBを利用して取り付けて上記加工針11を作製する加工工程とを備えている。これら各工程について、以下に詳細に説明する。
この選択工程によりダイヤモンド砥粒D’を選択した後、SIMで確認しながらマニュピレータ等の図示しない把持機構により該ダイヤモンド砥粒D’をピックアップすると共に、図5に示すように、ピックアップしたダイヤモンド砥粒D’を加工台T上に載置する。
この加工工程により、図2に示すように、カンチレバー10の先端に、先端が先鋭化された加工針11を取り付けることができる。特に、選択工程の際に、複数のダイヤモンド砥粒Dの中から針先に適した最適なダイヤモンド砥粒D’を選択しているので、加工工程時において多くの領域を加工するのではなく、加工領域を極力抑えることができる。よって、加工時間を短縮することができると共に、製造コストの軽減化を図ることができる。
なお、ダイヤモンド砥粒D’を選択する際に、極力突起D1が鋭角なものを選択することで、エッチング加工にかける加工時間をより抑えることができる。
まず、加工用プローブ2を固定ホルダ13に固定すると共にステージ3上にサンプルSを載置した後、サンプル表面S1と加工針11とを接触させる初期工程を行う。即ち、粗動機構16によりステージ3をZ方向にゆっくりと移動させる。また、この際、レーザ光源20からレーザ光Lを照射させ、反射光をフォトダイオード21で検出しておく。この状態で粗動機構16の移動によりステージ3と加工針11とが接触すると、サンプルSに加工針11が押されるのでカンチレバー10が若干撓む。これにより、反射面で反射するレーザ光Lの角度が変化して、フォトダイオード21に入射するレーザ光Lの入射位置が変化する。これにより、サンプル表面S1と加工針11とが接触したことを確実に判断することができる。
所定の圧力で加工針11とサンプル表面S1とを接触させた後、この状態を維持しながらXYスキャナ18によりステージ3をXY方向に向けて走査させる。これにより、加工針11は、サンプル表面S1を切削したり研削したりして、サンプル表面S1をナノメータースケールで微細加工することができる。この走査を加工領域の全領域において、例えば、繰り返し行うことで、サンプル表面S1を確実に所定の形状で微細加工することができる。
なお、カンチレバー10の撓みが一定となるようにZスキャナ17をフィードバック制御することで、一定の接触圧力を維持することができる。
また、サンプルSの微細加工が終了した後、観察手段5によりサンプル表面S1の加工状況(凹凸形状)を観察できるので、確実な加工精度を維持することができる。
また、この場合には、ダイヤモンド小片としてダイヤモンド砥粒D’を使用するのではなく、予めダイヤモンドの結晶方向が研磨面に観察できるもの、例えば、ダイヤモンドドレッサ等を使用すると良い。ダイヤモンドドレッサを使用することで、結晶方位を容易に確認できると共に、加工工程にかける時間を短縮でき、製造コストの軽減化を図ることができる。
この場合には、ダイヤモンド砥粒D’にp型やn型の不純物をイオン注入法や拡散法等によりドーピングするので、天然ダイヤモンドからなるダイヤモンド砥粒D’を使用したとしても、Sic砥粒のように導電性を持たせることができる。
なお、予め導電性を有するダイヤモンド砥粒D’(例えば、ドーパント含有人造ダイヤモンド小片)を使用しても構わない。
このように、導電性を持たせることで、サンプルSを微細加工するときに、サンプルSとの摩擦により発生する電荷が加工針11に貯まらず、加工屑(切削屑等)が付き難い状態となる。よって、サンプルSを加工屑等の影響を与えずに微細加工することができ、品質精度を向上することができる。また、絶縁物試料加工が容易となる。
このように砥粒から選択し移植する方法はタイヤモンド砥粒に限定されず各種の微細粉末にも応用可能である。
S サンプル
T 加工台
1 加工装置
2 加工用プローブ
3 ステージ
4 移動手段
5 観察手段
10 カンチレバー
11 加工針
Claims (10)
- サンプルに対向配置されたカンチレバーと、
該カンチレバーの先端に前記サンプルに対向した状態で該サンプルの表面に接触可能に設けられ、先端が先鋭化された加工針とを有する加工用プローブであって、
前記加工針は、ダイヤモンド小片から集束ビームにより任意の形状に加工されたものであることを特徴とする加工用プローブ。 - 請求項1記載の加工用プローブにおいて、
前記加工針は、ダイヤモンドの結晶方向に沿ってエッチング加工されたものであることを特徴とする加工用プローブ。 - 請求項1又は2記載の加工用プローブにおいて、
前記加工針は、導電性を有していることを特徴とする加工用プローブ。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の加工用プローブと、
前記サンプルを載置するステージと、
該ステージと前記加工用プローブとを、前記サンプル表面に平行なXY方向及びサンプル表面に垂直なZ方向に相対移動させる移動手段と、
前記サンプル表面を観察する観察手段とを備えることを特徴とする加工装置。 - サンプルに対向配置されたカンチレバーと、該カンチレバーの先端に前記サンプルに対向した状態で該サンプルの表面に接触可能に設けられ、先端が先鋭化された加工針とを有する加工用プローブの製造方法であって、
複数のダイヤモンド小片の中から、前記カンチレバーの先端寸法に合うサイズで、且つ、突起を有するダイヤモンド小片を選択する選択工程と、
該選択工程後、選択した前記ダイヤモンド小片を加工台上に移動させる移動工程と、
該移動工程後、集束ビームにより前記ダイヤモンド小片の前記突起をさらに任意の形状で先鋭化するようエッチング加工すると共に、突起の基端側を前記カンチレバーの先端に集束ビームを利用して取り付けて前記加工針を作製する加工工程とを備えていることを特徴とする加工用プローブの製造方法。 - 請求項5記載の加工用プローブの製造方法において、
前記加工工程の際、前記ダイヤモンドの結晶方向に沿ってエッチング加工を行うことを特徴とする加工用プローブの製造方法。 - 請求項6記載の加工用プローブの製造方法において、
前記ダイヤモンド小片として、予めダイヤモンドの結晶方向が研磨面に観察できるものを使用することを特徴とする加工用プローブの製造方法。 - 請求項5から7のいずれか1項に記載の加工用プローブの製造方法において、
前記移動工程の後、前記ダイヤモンド小片に不純物をドーピングするドーピング工程を有することを特徴とする加工用プローブの製造方法。 - 請求項5から7のいずれか1項に記載の加工用プローブの製造方法において、
前記ダイヤモンド小片が、導電性を有していることを特徴とする加工用プローブの製造方法。 - 請求項9記載の加工用プローブにおいて、
前記ダイヤモンド小片が、ドーパント含有人造ダイヤモンド小片であることを特徴とする加工用プローブの製造方法。
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