JP5014000B2 - 走査プローブ顕微鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、大気中や真空中において先端に探針を有するカンチレバーとサンプル表面に働く相互作用を検出して距離制御を行いながら、探針とサンプルを微動機構により相対的にスキャンし、サンプルの表面の形状や物理特性の測定やサンプル表面の加工、あるいは、探針によりサンプル表面の物質の移動などを行うための走査型プローブ顕微鏡に関するものである。
従来からある走査型プローブ顕微鏡の構成を図13および図14をもとに説明する(特許文献1参照)。
図13は従来からある走査型プローブ顕微鏡の構成図である。従来の走査型プローブ顕微鏡は円筒型圧電素子により構成される3軸微動機構(スキャナ)102の先端にサンプル101が載置され、3軸微動機構はサンプル101と後述するカンチレバー106先端に設けられた探針を近接するために使用される粗動機構(モータ)103上に固定されている。一方、サンプル101の直上には先端に探針を有するカンチレバー106が配置され、該カンチレバー106の基部にはカンチレバー加振用の圧電素子105が配置されている。カンチレバー106の変位はレーザダイオード(LD)104とフォトディテクタ(PD)107から構成される変位検出機構により検出される。この変位検出機構は一般に光てこ法と呼ばれる方法が用いられており、LD104からのレーザ光をカンチレバー背面で反射させてPD107面上に入射させる。カンチレバー106がたわむと、PD107上でのレーザスポットが移動する。PDの検出面は4分割または2分割されており、スポットの移動による各ディテクタ面の出力差によりカンチレバー106の変位検出を行うことが可能となる。
以上のように構成された装置により走査型プローブ顕微鏡の一種である原子間力顕微鏡の測定を行う場合について説明する。圧電素子105によりカンチレバー106を共振周波数近傍で加振しながら変位検出機構によりカンチレバーの振幅や位相を計測し、粗動機構103によりカンチレバー106の探針にサンプル101近接させた後、さらに3軸微動機構102によりカンチレバー106先端の探針とサンプル101間を充分に接近させていく。そうするとサンプルと探針間には、原子間力などの物理的な力が作用し、さらに近接していくとサンプルと探針がカンチレバーの振動に対応して間欠的に接触し、両者に接触力が作用する。この原子間力や接触力により、カンチレバーの振幅や位相が変化する。これらの変化量は、探針とサンプル間の距離に依存するため、カンチレバーの振幅や位相の変化量が常に一定になるように、探針とサンプル間の距離を3軸微動機構102で制御することにより高さ方向の距離制御が行われる。さらに3軸微動機構102によりサンプル101面内で探針106をスキャンすることでサンプル表面の形状像を測定することが出来る。このようにカンチレバーを振動させながら測定する方式は振動方式の原子間力顕微鏡と呼ばれる。
原子間力顕微鏡では振動方式の他にも、コンタクト方式と呼ばれる方法もある。この方法ではカンチレバーは加振せず、変位検出機構により変位を検出しながら、初め粗動機構で探針とサンプルを近づけ、十分に近づいた後は3軸微動機構により高さ方向の距離制御を行っていく。このとき探針先端には原子間力などの物理的な力が作用し、探針は初め引力を受け、さらに近接させていくと探針は斥力を受ける。これらの引力や斥力によりカンチレバーにたわみが生ずる。この原子間力などの物理的な力は、探針とサンプル間の距離に依存し、探針とサンプルを原子間力が作用する領域内に近接させて、3軸微動機構により2次元平面内で走査させながら、カンチレバーのたわみ量が常に一定になるように、探針とサンプル間の距離を制御することにより、サンプル表面の形状像が画像化される。
振動方式の原子間力顕微鏡はコンタクト方式の原子間力顕微鏡に比べて、探針やサンプルに与えるダメージが少ないというメリットがある。
また、前記振動方式やコンタクト方式の原子間力顕微鏡の応用として、探針先端とサンプル表面での物理的な作用を検出することにより、電磁気的物性や光学的物性あるいはサンプルの機械的特性などの物理特性の測定も可能である。
多くの走査型プローブ顕微鏡の測定は大気中で行われるが、サンプル表面の吸着水の影響を排除したい場合やサンプル表面の温度を可変したい場合、サンプル表面の変質を防ぎたい場合などではカンチレバーとサンプルを真空中に配置して測定が行われる。
また、高分子や細胞、染色体、DNA、たんぱく質などの有機系やバイオ系サンプルの場合には、大気下にさらすとサンプルが変質してしまうため、培養液などの溶液中にサンプルとカンチレバーを浸して測定を行う場合もあり、生体サンプルや有機高分子サンプルなどのin situ観察や、溶液中での電気化学反応を組み合わせた測定などに応用されている。
ここで、振動方式の原子間力顕微鏡について、図13と図14により探針とサンプルの距離制御方法について説明する。カンチレバー106の振動に対応してPD106で発生する電流信号はプリアンプ108にて増幅されて電圧信号に変換される。プリアンプ108からの出力はRMS-DCコンバータ109に送られて、交流信号が実効値に相当する直流信号に変換される。
図14は探針106とサンプル101を近づけていった場合の、距離とカンチレバーの振幅量の関係を表すグラフである。図14で横軸は粗動機構103により探針106とサンプル101を接近させていく時間であり、粗動機構の速度を乗じることで探針とサンプル間の距離に換算される。また縦軸は、RMS-DC変換された電圧信号であり、カンチレバーの振幅量に換算される。縦軸の信号はプラス側に変化した場合、カンチレバーの振幅が減少する方向である。走査型プローブ顕微鏡では、あらかじめ基準値発生部111にて動作点が設定される。探針106とサンプル101を近づける場合には、従来は光学顕微鏡などである程度まで粗動機構103をマニュアル調整で接近させ、その後、振幅量は探針106とサンプル101の距離に依存するため、RMS-DC変換された信号が基準電圧に減少するまで粗動機構103で探針とサンプルを接近させていた。なお、探針とサンプルを接近させる場合には粗動機構103だけではなくて3軸微動機構102の垂直方向微動機構を併用する場合もある。またRMS-DC変換後の電圧を基準信号にする場合の他に、FM復調器115でカンチレバーを加振するための圧電素子105に印加する電圧と、PD107での検出信号の位相差信号を基準信号に設定する場合もある。
探針とサンプルを測定エリアまで接近させた後は、カンチレバー106の振幅量が基準値発生部111で設定された動作点になるように探針とサンプル間の距離をフィードバックすることで両者の距離が一定に制御される。したがって、RMS-DCコンバータ109からの信号と基準値発生部111の信号を、誤差アンプ110で比較して、誤差分に相当する信号をフィードバック回路112で発生させて、高圧アンプ117を経由して3軸微動機構102の垂直方向微動機構に誤差に相当する高さ分だけ電圧が印加される。またフィードバック回路112からの出力はA/D変換器113によりアナログ信号からデジタル信号に変換されて制御用のパソコン114に送られて高さ情報として画像化される。また、3軸微動機構102はスキャンジェネレータ118で発生されるラスタスキャン信号を高圧アンプ119で増幅して3軸微動機構102の水平方向微動機構に印加される。これらのラスタスキャン信号と、高さ情報をパソコン114で画像化することでサンプル101の形状像を得ることが出来る。
特開2007−33321号公報
このように構成された走査型プローブ顕微鏡では、探針とサンプルを近接させる技術が非常に重要である。すなわち、探針とサンプルを近接させるときに両者が衝突すると探針先端やサンプル表面が破損し、形状像測定時の分解能の低下や、サンプルの損傷が発生してしまう。また、粗動機構のスピードを遅くして、より慎重に探針とサンプルを近接させる場合には、両者の近接のために多くの時間を費やしてしまい測定効率が悪化する。
また、探針とサンプルを接近させる場合には、数10μm程度まで近づくと、サンプル表面とカンチレバー間に挟まれた領域での空気による減衰のためにカンチレバーの振幅が徐々に減少するが、特に真空中で測定を行う場合には、この空気による減衰が起きず、サンプルと探針が数10nmの領域まで近づいた後、振幅が急激に変化するため粗動機構を止めることが難しく、探針とサンプルを衝突させずに近接させることがより困難である。
探針やサンプルの近接の際のダメージを低減させ、しかも近接に要する時間を短くするためには探針とサンプルが衝突しない領域内で直前まで粗動機構により高速で近接させて、その後探針とサンプルが接触するときには垂直方向微動機構により低速で動作させることが望ましい。
したがって、本発明の目的は、探針がサンプルに接触してダメージを受け探針先端の破損による分解能の低下や、サンプルの損傷の発生がなく、さらに、短時間でアプローチ動作が完了するように粗動機構により探針とサンプルを高速に動作させて両者が接触する直前で確実に粗動機構を停止させるような探針とサンプルの近接方法を提供することである。
本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を提供する。
本発明では、先端に探針を有するカンチレバーと、前記カンチレバーの変位を検出するための変位検出機構と、前記探針に対向した位置に配置されたサンプルと前記探針との距離を調整するための垂直方向微動機構と、前記探針と前記サンプルを近接させるための粗動機構から構成される走査型プローブ顕微鏡において、前記変位検出機構によりカンチレバーの変位を検出しながら、前記粗動機構により探針とサンプルを近接させるときに、前記カンチレバーがサンプル表面に引き寄せられる方向に生じる任意のたわみ量を設定し、前記変位検出機構により設定されたたわみ量を検出した時点で、前記粗動機構を停止させ探針とサンプルを近接させるようにした。
さらに、前記カンチレバーがサンプル表面に引き寄せられる方向に生じる任意のたわみ量と、測定の動作点よりも前の領域においてその方向とは逆方向に生じる任意のたわみ量をそれぞれ設定し、前記変位検出機構によりカンチレバーの変位を検出しながら、前記粗動機構により探針とサンプルを近接させるときに、前記2つの設定されたたわみ量のうちどちらか一方のたわみ量が前記変位検出機構で最初に検出された時点で、前記粗動機構を停止させるようにした。
さらに、粗動機構により探針とサンプルを接近させる前に粗動機構を停止させるための前記カンチレバーの任意のたわみ量を設定し、前記設定されたたわみ量で粗動機構による近接動作が停止した後に、走査型プローブ顕微鏡の測定のための任意のたわみ量を再設定するようにした。
また、本発明では先端に探針を有するカンチレバーと、前記カンチレバーを加振するための加振機構と、前記カンチレバーの変位を検出するための変位検出機構と、前記探針に対向した位置に配置されたサンプルと前記探針との距離を調整するための垂直方向微動機構と、前記探針と前記サンプルを近接させるための粗動機構から構成される走査型プローブ顕微鏡において、前記加振機構により前記カンチレバーを加振し、前記変位検出機構によりカンチレバーの振幅を検出しながら、前記粗動機構により探針とサンプルを近接させるときに、前記カンチレバーの振幅が任意の量だけ増加した振幅量を設定し、前記変位検出機構により設定された振幅量を検出した時点で、前記粗動機構を停止させ探針とサンプルを近接させるようにした。
さらに、前記カンチレバーの振幅が任意の量だけ増加した振幅量と、測定の動作点よりも前の領域において任意の量だけ減少した振幅量とをそれぞれ設定し、前記変位検出機構によりカンチレバーの振幅を検出しながら、前記粗動機構により探針とサンプルを近接させ、前記2つの設定された振幅量のうちどちらか一方の振幅量が前記変位検出機構で最初に検出された時点で、前記粗動機構を停止させるようにした。
以上のように粗動機構の停止位置をコンタクト方式のときにカンチレバーがサンプル表面に引き寄せられる領域や、振動方式で振幅が増加する領域に設定することで、従来よりも確実に探針とサンプルが接触する手前で粗動機構を停止させることが出来る。また、手前で停止できるために停止位置までの粗動機構のスピードを従来よりも高速に動作させることが可能となり、近接させるスピードを早くすることが可能となる。
また、コンタクト方式での前記カンチレバーがサンプル表面に引き寄せられる領域や、振動方式での振幅が増加する領域は非常に狭く、測定時の条件や環境によってはこれらの領域内に設定した停止位置が存在しない場合があるが、この場合でもカンチレバーが引き寄せられる場合とは逆方向の任意のたわみ量や振幅が減少する量を粗動機構の停止点に設定することで、万一、初めに設定した停止位置で粗動機構が止まらなかった場合でも次の停止位置で確実に停止させることができるため、カンチレバーがサンプルに強く衝突することを防止することが可能となる。
また、粗動機構を停止させるためのたわみ量と、測定の際に設定するたわみ量を別々に設定することで、探針を確実にサンプルに衝突しない位置で停止でき、さらに最適な条件で測定を行うことが可能となる。
また、本発明では、カンチレバーの加振周波数に対する振幅量の特性を測定した際に測定されるカンチレバーの1次の共振周波数を示す共振スペクトル上で、共振周波数よりも低周波数側の任意の位置の周波数でカンチレバーを加振するようにした。
このように設定することで、サンプル表面直前で振幅の増加する領域が広くなり、より確実に探針とサンプルが接触する前に粗動機構を停止することが可能となる。
さらに、カンチレバーの周波数特性を測定した際に測定される共振スペクトルのQ値が制御されるようにした。
また、粗動機構により探針とサンプル接近させる前に前記カンチレバーの周波数特性を測定し動作条件を設定するとともに粗動機構を停止させるための振幅量を設定し、粗動機構による近接動作が終了した後に、探針とサンプルが接触しない位置で、もう一度周波数特性を測定し動作条件を設定するとともに走査型プローブ顕微鏡で測定を行う際の振幅量を設定するようにした。
一般にQ値が大きいほうが、探針とサンプル間に働く力の検出感度が高くなり、近接させる際にカンチレバーの振幅や位相の変化を感度よく捉えることが可能であるが、Q値が大きすぎると、探針とサンプル間の距離制御を行う場合の追従性が低下し、制御系が発振しやすくなって形状像を測定する際にスキャンスピードを下げる必要がある。したがってアプローチを行う場合のQ値とスキャンを行う場合のQ値は最適な条件が異なる。このようにそれぞれのQ値と駆動周波数、初期振幅量、目標振幅量などの動作条件を別々に設定することで、最適な条件で近接動作と形状像の測定を行うことが可能となる。
また、本発明では、前記たわみ量または振幅の変化に起因する力を探針とサンプル間に働く原子間に加え、静電気力や、磁気力などを活用するようにした。また、静電気力や磁気力などは形状像の測定に必要のない場合には測定時には除去するようにした。このように外力を探針とサンプル間に与えることで、振幅や変位を外部から変化させることができ、より確実に探針とサンプルが接触する前に粗動機構を停止することが可能となる。
また、本発明では、前記探針と前記サンプルを真空環境下に配置して、上記の各種の方法で探針とサンプルを近接させるようにした。このようにすることで真空中のように振幅が急激に変化し、探針とサンプルが接触する前に粗動機構を停止することが困難な状況下でもより確実に、接触前に粗動機構を停止することができる。
なお、本発明では、前記カンチレバーの代わりに先端に探針を有するプローブを用いて、サンプル表面に対して平行な方向に前記探針を加振させて探針とサンプルを近接させてもよい。
また、本発明では、前記探針と前記サンプルを上記のいずれかに記載したように両者が接触する直前まで近接させた後、更に前記粗動機構または/および前記垂直微動機構により接近または接触させるようにした。このように接近させることで、探針やサンプルにダメージを与えることなくより確実に動作点まで探針をサンプルに近接させることが可能となり、粗動機構のスピードも速くすることができる。
また、本発明では上記のいずれかの近接方法を走査型プローブ顕微鏡に適用した。この場合、探針やサンプルへのダメージがない状態で測定が行われるので、走査型プローブ顕微鏡が高分解能での測定が可能となり、さらに近接動作の時間も短縮でき、測定にかかる時間を短縮できる。
以上のように、本発明の走査型プローブ顕微鏡における探針とサンプルの近接方法では、探針がサンプルに接触する直前で確実に停止できるようにしたため、探針とサンプルを破損することなしに確実に近接させることが可能となる。さらに、近接にかかる時間も短縮することが可能となる。
その結果、走査型プローブ顕微鏡の分解能の低下を防ぐことができ、測定時間の短縮も可能となる。
特に、本発明を真空環境下で使用した場合、本発明の効果はより有効に作用する。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は大気中で用いられる走査型プローブ顕微鏡の概観図である。本実施例では、先端に探針1を有するシリコン製のカンチレバー2がカンチレバーホルダ3に固定されている。カンチレバーホルダ3にはカンチレバー2を加振するための圧電素子よりなる振動子4が取り付けられている。振動方式の走査型プローブ顕微鏡として用いる場合には、振動子4を構成する圧電素子に交流電圧を印加して振動子4を振動させることで、カンチレバー2を振動させる。また、コンタクト方式の走査型プローブ顕微鏡として用いる場合には振動子4には電圧を印加せずにカンチレバー2の加振は行わない。
前記カンチレバー2の変位を検出するための変位検出機構5は、半導体レーザ6と表面が2分割されたフォトディテクタ7から構成され、一般に光てこ法と呼ばれる方式でカンチレバー2の変位検出が行われる。まず、半導体レーザ6の光を集光しカンチレバー2の背面に照射する。カンチレバー2の背面で反射した光は、フォトディテクタ7の検出面に入射する。カンチレバー2がたわんだ場合にはフォトディテクタ7面内でスポットが上下に移動する。このとき分割された検出面の信号強度差を検出することで変位の検出が行われる。なお、探針1とサンプル8間の摩擦力測定などを行う場合にカンチレバー2のねじれ角の検出を行ったり、後述する振動方式でねじり振動による測定を行う場合には4分割のフォトディテクタを用いる場合もある。
サンプル8は、円筒型圧電素子からなる3軸微動機構9の先端に設けられたサンプルホルダ12上に載置される。このときサンプルホルダ12は探針1と対向するように設置されている。
3軸微動機構9は、サンプルホルダ12上に置かれたサンプル8をサンプル面内(XY平面)方向に走査する水平方向微動機構(XY微動機構)10と、サンプル面内と垂直な方向(Z方向)に微動する垂直方向微動機構(Z微動機構)11を有している。
3軸微動機構9の末端は、粗動機構13に取り付けられる。粗動機構13は、ステッピングモータと送りネジにより構成され、サンプル8を探針1の方向(Z方向)に移動させることが可能である。
また、カンチレバー2の上方にはカンチレバー2やサンプル8表面を観察するために光学顕微鏡14が設けられている。この光学顕微鏡14は変位検出機構5のレーザスポットをカンチレバー2背面に位置合わせする際や、サンプル8の測定箇所に探針1を位置決めする場合などに用いられる。
次に、本実施例の装置によりコンタクト方式で走査型プローブ顕微鏡の測定を行う場合の動作について説明する。
まず、変位検出機構5の半導体レーザ6をLDドライバ16により発振させて、レーザスポットを光学顕微鏡14の像を見ながらカンチレバー2の背面に位置合わせする。カンチレバー2背面で反射したレーザ光はフォトディテクタ7に入射し、フォトディテクタ7の信号はプリアンプ15を経由してコントローラ20に送られカンチレバー2の変位が検出される。
次に、探針1とサンプル8を粗動機構13や垂直方向微動機構11により測定点まで近接させる。この近接させる方法の詳細は後述する。
コントローラ20では動作点が任意のカンチレバー2のたわみ量として設定される。探針1とサンプル8間距離が変わった場合にはカンチレバー2のたわみ量が変化する。このとき、たわみ量が一定となるように、コントローラ20からピエゾドライバ18を経由して垂直方向微動機構11に電圧が印加されてフィードバック制御が行われ探針1とサンプル8間距離が一定に保たれる。
このときコントローラ20から水平方向微動機構10にピエゾドライバ18を介して電圧を印加しラスタスキャンを行うことで、サンプル8表面の形状像の測定が行われる。
ここで、探針1とサンプル8を近接させる方法について図1および図2のフローチャートと図3の探針1とサンプル8間距離とカンチレバー2のたわみ量の関係(一般にフォースカーブと呼ばれる)を用いて詳細に説明する。
STEP1:光学顕微鏡14の直上からの像や、正面から目視あるいは正面からの光学顕微鏡(図示せず)などでの観察により、探針1とサンプル8を大まかに接近させる。
STEP2:粗動機構13の動作停止点(SP+)を設定する。動作停止点は変位検出機構5で検出される任意の変位量である。ここで、動作停止点の設定方法を図3のフォースカーブにより説明する。探針1とサンプル8間距離が十分離れている状態(A)から、探針1とサンプル8を接近させていくとまず探針1に引力が作用してカンチレバー2がサンプル8側に引き寄せられる方向にたわむ(B)。このときの変位検出機構5で出力される電圧の符号を仮にプラス側と定義する。さらに接近させていくと、探針1には斥力が作用し、カンチレバー2はサンプル8側と逆方向にたわむ(C)。このときの変位検出機構5からの出力を仮にマイナスと定義する。通常、走査型プローブ顕微鏡の測定を行う際の動作点はこの斥力領域(マイナス電圧側)に設定される。図3では、この測定時の動作点の探針1とサンプル8間距離を0としている。さらに探針1とサンプル8間距離を近づけた後、今度は探針1とサンプル8間距離を離していくと、探針1に働く斥力が減少し、たわみ量は0近づく。そのあとサンプル8表面の吸着層などの影響で探針1に引力が働くため、逆方向にたわみ(D)、そのあと探針1とサンプル8間の相互作用力が働かなくなり、カンチレバーのたわみは0となり、元の状態に戻る(E)。本発明では粗動の動作停止点を引力領域であるプラスの電圧を表示する(SP)の位置に設定した。
STEP3:垂直方向微動機構11を縮めた状態に固定し、粗動機構13により探針1とサンプル8間を近づけ、動作停止点(SP+)に到達した時点で、粗動機構13を停止させる。このとき引力領域で停止させることができるため探針1とサンプル8は衝突しておらず衝突直前で止められている。
STEP4:測定のための動作点(SP)を設定する。この動作点は通常は斥力領域に設定される。
STEP5:垂直方向微動機構11のサーボをONにする。そうすると探針1とサンプル8が離れているため、垂直方向微動機構11が伸びる。このとき、垂直方向微動機構11のストロークの範囲に動作点(SP)が入れば近接動作は完了である。もし垂直方向微動機構11がストロークいっぱいまで伸びきってしまった場合には、STEP6に進む。
STEP6:垂直方向微動機構11と粗動機構13を協調させながら動作点(SP)まで探針1とサンプル8を接近させる。このとき重要なのは探針1とサンプル8が接触した状態で粗動機構13を動作させると探針1が破損してしまうため、粗動機構13を動かす場合には必ず探針1とサンプル8を離した状態で実施する。本実施例では、垂直方向微動機構11を縮め、サーボをロックして、縮めた距離を越えない範囲内で粗動機構13により探針1とサンプル8を接近させて再びサーボをONにする。この動作を繰り返しながら、測定時の動作点に入るようにアプローチ動作を行う。
従来は、粗動機構13の動作停止位置(SP)が、測定の際の動作点とほぼ同じ斥力領域に設定されていたため、粗動機構13を停止させるときに探針1とサンプル8が衝突し、探針1先端が破損して形状像測定時の分解能が低下していた。これを防止するために、粗動機構13のスピードを遅くしたり、遠方からSTEP6に記載したような垂直方向微動機構11と粗動機構13の協調動作を繰り返す必要があり、近接に時間がかかっていた。本実施例ではでは粗動機構13の動作点を引力側に設定することで粗動機構13の停止位置が、探針1とサンプル8が衝突しないぎりぎりの位置で確実に停止させることが可能となった。また、探針1とサンプル8が接触状態になる際には粗動機構13は動かさず垂直方向微動機構11の動作で衝撃のないように動作させるようにした。このため、探針1の破損を防止でき形状像の分解能の低下がない。さらに、粗動機構13の速度を早くすることが可能となりアプローチに要する時間を短縮することが可能となった。本実施例では、粗動機構13を停止する位置を測定時の動作点から100nm以下にすることができ、粗動のスピードは従来よりも10倍以上速くすることができた。
なお、本実施例では粗動機構13の停止位置(SP)を引力側すなわち、変位検出機構の出力がプラス側になるように設定したが、測定条件や測定環境によっては引力が小さかったり引力領域が存在しない場合もある。このとき粗動機構13が停止できずに探針とサンプルが激しく衝突し、探針1のみにとどまらず、カンチレバー2やサンプル8あるいは装置を破損してしまう恐れがある。これを防止するために、本実施例では粗動機構13の停止位置を引力領域に加えて斥力領域(変位検出機構5の出力がマイナス側)にも設定した(SP)。斥力領域の設定値は探針1の破損をできるだけ軽減するために、測定時の動作点(SP)よりも弱めに設定することが望ましい。
本発明の第2の実施例として振動方式の走査型プローブ顕微鏡で測定を行う場合の探針とサンプルの近接方法を図1の走査型プローブ顕微鏡の概観図を参照して説明する。振動方式の走査型プローブ顕微鏡の装置構成は実施例1の図1と同じなので重複する部分は説明を省略する。振動方式の場合には振動子4の圧電素子に電圧が印加されて、カンチレバー2を振動させて、変位検出機構5が検出される。
振動方式の走査型プローブ顕微鏡ではまず、図4に示した、Qカーブと呼ばれるカンチレバー2の周波数特性が測定される。図4で横軸は加振周波数、縦軸は振幅量である。最も一般的な振動方式の走査型プローブ顕微鏡では、通常カンチレバー2の1次の共振周波数付近に駆動周波数が設定される。図4は1次の共振周波数付近の共振スペクトルであり、共振点に対して共振スペクトル上で低周波側または高周波側に駆動周波数が設定される。走査型プローブ顕微鏡で測定を行う場合には駆動周波数での振幅量をモニターする。
図5に振動方式の場合の探針サンプル間距離と振幅量の関係(一般にフォースカーブと呼ばれる)を示す。探針1とサンプル8間の距離が近づくと初め、カンチレバー2とサンプル8表面間に存在する空気の抵抗が増加して徐々に振幅が減少する。さらに探針1とサンプル8を接近させるとコンタクト方式の場合と同様に初め探針1は引力を受け、そのあと斥力を受けて、ついには探針1がサンプル8に間欠的に接触するようになり変曲点付近(B、B)を境に、急激に振幅が減少する。この振幅の減衰量は探針1とサンプル8間の距離に依存するため形状像測定時には動作点を設定し、垂直方向微動機構11によりこの動作点の振幅になるように探針1とサンプル8間の距離がフィードバック制御され、水平方向移動機構10でラスタスキャンを行うことで形状像が測定される。
このとき図5に示した低周波側でのフォースカーブを見ると振幅が単調に減少した後、変曲点(B)付近では一瞬振幅が増加する領域が存在する。
本発明では、この振幅が増加する領域に粗動機構13の停止位置を設定することで、探針1とサンプル8を衝突直前に確実に止めるようにした。
以下に振動方式での走査型プローブ顕微鏡で探針1とサンプル8を近接する手順を図1と図6のフローチャートをもとに説明する。
STEP1:光学顕微鏡14の直上からの像や、正面から目視あるいは正面からの光学顕微鏡(図示せず)などでの観察により、探針1とサンプル8を大まかに接近させる。
STEP2:カンチレバー2の振動スペクトルを測定し、1次の共振スペクトル上で共振周波数よりも少し低周波側に駆動周波数を設定し、初期振幅量を定めて駆動周波数でカンチレバーを加振する。
STEP3:粗動機構13の動作停止点(SP)を設定する。動作停止点(SP)は初期の振幅量よりも振幅が増加した地点を設定する。このとき、低周波側に駆動周波数を設定したときのフォースカーブでの振幅が増加する領域(B)のピークよりも小さい値に動作点を設定する必要がある。この値は実験によりあらかじめ目安をつけておく。本実施例では、(A)点で設定した初期振幅量に対して、1.03倍増加した点を動作停止点に設定した。
STEP4:垂直方向微動機構11を縮めた状態に固定した状態で粗動機構13により探針2とサンプル8間を近づけ、動作停止点に到達した時点で、粗動機構13を停止させる。このとき探針1とサンプル8は間欠的に接触をはじめる前の状態であり、探針1とサンプル8は衝突しておらず衝突直前で止められている。
STEP5:次に測定のための動作点(SP)を設定するため、共振スペクトルを再び測定し、駆動周波数と初期振幅を再設定する。このとき、探針1とサンプル8が近接しすぎていると共振スペクトルを再測定する場合、探針1とサンプル8が衝突してしまう可能性があるため、STEP4のときに、垂直方向圧電素子11を伸ばした状態で固定して粗動を行い、粗動機構13が止まったあと、垂直方向微動機構11を縮めて共振スペクトル測定を行うことで探針1の衝突を防ぐことができる。このあと、測定の状況に応じて任意の動作点(SP)を設定する。
STEP6:垂直方向微動機構11のサーボをONにする。そうすると探針1とサンプル8が離れているため、垂直方向微動機構11が伸びる。このとき、垂直方向微動機構11のストロークの範囲に動作点(SP)が入れば近接動作は完了である。もし垂直方向微動機構11がストロークいっぱいまで伸びきってしまった場合には、STEP7に進む。
STEP7:垂直方向微動機構11と粗動機構13を協調させながら動作点(SP)まで探針1とサンプル8を接近させる。このとき重要なのは探針1とサンプル8が接触した状態で粗動機構13を動作させると探針1が破損してしまうため、粗動機構13を動かす場合には必ず探針1とサンプル8を離した状態で実施する。本実施例では、垂直方向微動機構11を縮め、サーボをロックして、縮めた距離を越えない範囲内で粗動機構13により探針1とサンプル8を接近させて再びサーボをONにする。この動作を繰り返しながら、測定時の動作点に入るようにアプローチ動作を行う。
従来は、粗動機構13の動作停止位置を、測定の際の動作点とほぼ同じ振幅が減少する領域に設定していたため、粗動機構13を停止させるときに探針1とサンプル8が衝突し、探針1先端が破損して形状像測定時の分解能が低下していた。これを防止するために、粗動機構13のスピードを遅くしたり、遠方からSTEP7に記載したような垂直方向微動機構11と粗動機構13の協調動作を繰り返す必要があり、近接に時間がかかっていた。本実施例では粗動機構13の動作点を振幅が増加する側に設定することで粗動機構13の停止位置が、探針1とサンプル8が衝突しないぎりぎりの位置で確実に停止させることが可能となった。また、探針1とサンプル8が接触状態になる際には粗動機構13は動かさず垂直方向微動機構11の動作で衝撃のないように動作させるようにした。このため、探針1の破損を防止でき形状像の分解能の低下がない。さらに、粗動機構13の速度を早くすることが可能となりアプローチに要する時間を短縮することが可能となった。本実施例では、粗動機構13を停止する位置を測定時の動作点から100nm以下にすることができ、粗動のスピードは従来よりも10倍速くすることができた。
なお、本実施例では粗動機構13の停止位置(SP+)を振幅が増加する側に設定したが、測定条件や測定環境によっては振幅の増加分が小さい場合や、振幅が増加しない場合もある。例えば図5のフォースカーブで共振周波数に対して高周波側で駆動した場合、変曲点(B2)付近で急激に振幅が減少し振幅が増加する領域は存在しない。このとき粗動機構13が停止できずに探針1とサンプル8が激しく衝突し、探針1のみにとどまらず、カンチレバー2やサンプル8あるいは装置を破損してしまう恐れがある。これを防止するために、本実施例では粗動機構13の停止位置を振幅が増加する領域に加えて振幅が減少する領域にも設定した(SP−)。振幅が減少する領域での動作点(SP−)は探針1のダメージを少なくするために測定の際の動作点(SP0)よりも大きくするほうが望ましい。
また、例えば、空気による振幅の減少分が大きい場合には、変曲点(B)での振幅が増加してもピークの振幅量が初期の(A)点での振幅量を超えない場合もある。このような場合には、振幅の増加した停止位置と減少した停止位置の両方を設定することで、いったん減少した停止位置で停止させ、その地点で共振スペクトルを測定し直して駆動周波数を設定し、再びアプローチを繰り返していくことで、振幅増加した部分で粗動機構13を止めることが可能となる。
また大気中では、高周波側に設定すると、振幅が増加する部分は発生しないが低周波側に比べて、空気による減衰量が大きいため、探針1とサンプル8が接触しない部分での停止位置の設定が容易である。このためあらかじめ高周波側で探針1とサンプル8が接触しない条件を求めておき、その停止位置で粗動機構13を停止させ、その後、その位置で共振スペクトルを測定し直して低周波側に動作点を設定しアプローチ動作を行うことで振幅が増加した領域で粗動機構13を停止させることもできる。
図7は本発明の第3実施例にかかる走査型プローブ顕微鏡の概観図である。本実施例では図1の装置に真空チャンバー21を装着し、探針1とサンプル8を真空環境下に配置して振動方式の走査型プローブ顕微鏡測定を行う装置である。本実施例では真空ポンプ(図示せず)により10−6Pa真空状態にして測定を実施した。その他の構成は図1と同じなので説明は省略する。
真空環境下では、図8のフォースカーブに示すように空気による振幅の減衰がほとんど起きないため、探針1とサンプル8はサンプル表面直前まで振幅が変化することなしに、急激に振幅が減少する。
そのため、従来のように振幅の減少した部分で粗動機構13の動作停止点を設定するといきなり測定動作点に入り探針1とサンプル8が激しく衝突する。
そのため本発明では1次の共振スペクトル上の低周波側に動作点を設定し、探針1とサンプル8が衝突する直前の振幅が増加する領域に粗動機構13の動作停止点(SP)を設定し、粗動機構13を止めるようにした。また、振幅が減少する地点にも動作停止点(SP)を設定し、万一、振幅が増加する領域で粗動機構13が止まらなかった場合でも探針1の破損がほとんど起こらないようにした。粗動機構13が停止した後は実施例1,2と同様に垂直方向微動機構11と粗動機構13を協調させてアプローチを行うことで探針 1やサンプル8を破損することなしに探針1とサンプル8間距離を動作点まで設定させることが可能である。なお、真空中ではフォースカーブの変曲点(B)の手前でも除々に振幅が増加する場合があり、粗動機構13の停止点をここに設定してもよい。
ここで、真空中では、空気による減衰が少ないため、共振スペクトルが急峻になり、Q値が大きくなる。Q値は共振周波数を共振スペクトルのピークの半値幅で割った値である。このようにQ値が高い状態では力の検出感度は高くなるが、探針1とサンプル8間距離のフィードバックを行う場合の追従性が悪くなり、発振が起こったり、形状像測定時の走査スピードを遅くする必要がある。これを防止するために、形状像測定を行う際にはQ値制御が行われる場合がある。Q値制御はカンチレバー2の振動の信号から速度を求め加振信号に加えることで見かけ上、Q値をコントロールする手法である。Q値制御を行ったQカーブの例を図9に示す。図9では実線に示したQカーブをQ値制御によりQ値を下げ破線で示したようなQカーブにした。本実施例ではカンチレバーの共振周波数を120kHzとし、もとのQ値が1500に対して、400までQ値を下げた。
本実施例では、真空中での測定であるため測定時にはQ値制御によりQ値を下げて測定を行うことが有効である。ただし、探針1とサンプル8を近接させる場合には、Q値が高いほうが力に対する感度が高く、より遠方から感度よく力を検出させることができる。したがって本実施例では、まず図9の実線で示したQ値制御なしの高いQ値のまま共振スペクトルを測定し、低周波側に駆動周波数を設定し、粗動機構13を停止させる振幅量(SP)を設定した後、探針1とサンプル8を近接させるようにした。このときQ値が低いときよりもより遠方から振幅の増加が初まり、しかも図8のフォースカーブでの領域(B)でのピークの振幅の増加量も多くなる。したがって、より確実に探針1とサンプル8が接触しない位置で粗動機構13を止めることが可能となる。
次に粗動機構13が止まった後、探針1とサンプル8が衝突しないように垂直方向微動機構11を縮めてQカーブを再測定し、測定に適した振動スペクトルと動作条件を設定する。このときにはQ値制御により図9の破線で示したようなQカーブになるようにQ値を下げ、駆動周波数と初期振幅を設定し、振幅が減少する動作点(SP)を設定して近接動作を行った。このようにQ値を粗動の開始前と粗動の停止後に測定し直すことで、近接動作に適した条件と測定に適した条件を任意に設定でき、探針1の破損による分解能の低下なしに形状像の測定が可能となる。また、粗動機構13のスピードもアップすることができるとともにQ値制御により走査スピードも向上するため全体の測定時間も短縮することが可能となった。
なお、真空度は、本実施例での圧力に限定されず、真空ポンプの使用など任意の方法で大気圧以下に圧力を設定した場合は本発明に含まれる。また、振動方式のほかコンタクト方式も適用できる。
図10は本発明の第4実施例にかかる真空測定対応の走査型プローブ顕微鏡の概観図である。本実施例では図7の装置に加え、探針1とサンプル8間に電圧を印加できる電圧印加装置22を設けた。また、サンプルステージ12の下側にコイル28を配置しコイル28に電流を流すことで磁力を発生させる磁気力発生装置25も設けた。この他の構成は図7と同一であるため詳細な説明は省略する。
探針1とサンプル8間に電源23により電圧を印加した場合、両者には静電気力が発生する。また、探針1に磁性膜や着磁性の金属膜をコートし、磁気力発生装置25のコイル28に電源26により電流を流して磁気を発生させた場合には探針1は磁気力によりサンプル8方向に引っ張られる。このように静電気力や磁気力を発生させた状態で探針1とサンプル8を近接させていくと、コンタクト方式の場合には探針1とサンプル8間に働く引力が大きくなりしかも静電気力や磁力を掛けていない状態よりも探針とサンプルが離れている状態で引力が発生する。
図11は静電気力や磁気力をかけた場合のコンタクト方式のフォースカーブの一例である。実線は、静電気力や磁気力をかけない場合で破線がかけた場合である。このフォースカーブから探針1とサンプル8が接触する直前の引力領域(B)が広がっていることがわかる。
また、振動方式の場合には振幅の増加量が大きくなりしかも静電気力や磁力を掛けていない状態よりも探針1とサンプル8が離れている状態で振幅が増加する。図12は静電気力や磁気力をかけた場合の振動方式のフォースカーブの一例である。実線は、静電気力や磁気力をかけない場合で破線がかけた場合である。このフォースカーブから探針1とサンプル8が接触する直前の振幅が増加する領域(B)が広がっていることがわかる。
このように外部から力をかけることで、より確実に探針1とサンプル8が衝突する直前で粗動機構13を停止することができる。また、粗動機構13のスピードもより高速に行うことができる。
本実施例では、電圧印加装置22と磁気力発生装置25の双方を持つ構成としたが、サンプル8やカンチレバー2の種類や測定モードによって、どちらか一方を選択して使用することができる。また、どちらか一方の構成のみを持つ装置も本発明に含まれる。
測定の際に静電気力や磁気力が不要な場合には、粗動機構13が停止した後で電圧印加装置22や磁気力発生装置25のスイッチ24、27をOFFにして、動作点を再設定して、垂直方向微動機構11と粗動機構13の協調動作により測定エリアまで近接させて測定を行う。
また、本実施例の電圧印加装置や磁気力発生装置に交流電圧を印加することで、振動方式の走査型プローブ顕微鏡のカンチレバーを加振させるための機構を兼用させたり、あるいは電気的、磁気的特性を測定する際の外部電圧、磁気力印加装置として用いることも可能である。
以上、本発明の実施例を紹介したが、本発明はこれらの実施例に限定されない。例えば走査型プローブ顕微鏡の構造は本発明の形状像測定に限らず探針をサンプルに近接させて探針で機械的特性や電磁気的特性や光学的特性などを測定する各種モードに適用できる。
また、微動機構や変位検出機構や粗動機構の機構は本発明に限定されず目的が同じであれば他の機構も適用可能である。
また、カンチレバーに限らず、光ファイバーの先端を先鋭化した走査型近接場顕微鏡用のプローブなどにも適用できる。
また振動方向はサンプルに対して垂直方向だけでなく平行に振動させる場合やカンチレバーをねじり振動させる場合も本発明に含まれる。
さらに、本発明での駆動周波数は1次の共振周波数に限定されず、探針とサンプルを近づけた時に振幅量が増加する駆動周波数であれば任意の駆動周波数で動作可能である。
溶液中など抵抗が大きくカンチレバーのQ値が小さい場合などは粗動の段階からQ値制御によりQ値を上げて感度を高くすることが有効である。
また変位や振幅量は変位や振幅の変化に起因する信号であれば任意の信号が使用でき符号も任意に設定してよい。さらに変位ではなくカンチレバーにかかる力の信号でもよい。
さらに、絶対振幅量を設定するだけではなく、振幅の変化量を初期振幅で除した無次元量を用いてもよい。
また、粗動機構停止後の動作点までのアプローチ方法は実施例に限定されず他の手法を用いてもよい。
また粗動機構は探針とサンプルが衝突する直前で止めるのが理想であるが、粗動機構を停止させる場合に、探針とサンプルが衝突してしまう場合も本発明に含まれる。万一、衝突した場合でも本発明を適用することで従来技術よりは探針ダメージが軽減される。
本発明の第一実施例および第二実施例の大気中で用いられる走査型プローブ顕微鏡の概観図である。 本発明の第一実施例のコンタクト方式の原子間力顕微鏡の探針とサンプルの近接方法のフローチャートである。 本発明の第一実施例のコンタクト方式の原子間力顕微鏡のフォースカーブである。 本発明の第二実施例の大気中での振動方式の原子間力顕微鏡のQカーブである。 本発明の第二実施例の大気中での振動方式の原子間力顕微鏡のフォースカーブである。 本発明の第二実施例の振動方式の原子間力顕微鏡の探針とサンプルの近接方法のフローチャートである。 本発明の第三実施例の真空中で用いられる走査型プローブ顕微鏡の概観図である。 本発明の第三実施例の真空中での振動方式の原子間力顕微鏡のフォースカーブである。 本発明の第三実施例の真空中での振動方式の原子間力顕微鏡のQカーブである。 本発明の第四実施例の真空中で用いられる電圧印加装置と磁気力発生装置をゆする走査型プローブ顕微鏡の概観図である。 本発明の第四実施例のコンタクト方式の原子間力顕微鏡のフォースカーブである。 本発明の第四実施例の大気中での振動方式の原子間力顕微鏡のフォースカーブである。 従来の走査型プローブ顕微鏡の構成図である。 従来の探針とサンプルを近づけていった場合の距離とカンチレバーの振幅量の関係を表すグラフである。
符号の説明
1 探針
2 カンチレバー
3 カンチレバーホルダ
4 振動子
5 変位検出機構
6 半導体レーザ
7 フォトディテクタ
8 サンプル
9 3軸微動機構
10 水平方向微動機構
11 垂直方向微動機構
12 サンプルホルダ
13 粗動機構
14 光学顕微鏡
15 プリアンプ
16 LDドライバ
17 発信器
18 ピエゾドライバ
19 モータドライバ
20 コントローラ
21 真空チャンバ
22 電圧印加装置
23、26 電源
24、27 スイッチ
25 磁気力発生装置
28 コイル
101 サンプル
102 3軸微動機構(スキャナ)
103 粗動機構(モータ)
104 半導体レーザ(LD)
105 フォトディテクタ(PD)

Claims (14)

  1. 先端に探針を有するカンチレバーと、前記カンチレバーの変位を検出するための変位検出機構と、前記探針に対向した位置に配置されたサンプルと前記探針との距離を調整するための垂直方向微動機構と、前記探針と前記サンプルを近接させるための粗動機構から構成される走査型プローブ顕微鏡において、
    前記変位検出機構によりカンチレバーの変位を検出しながら、前記粗動機構により探針とサンプルを近接させるときに、前記カンチレバーがサンプル表面に引き寄せられる方向に生じる任意のたわみ量を設定し、前記変位検出機構により設定されたたわみ量を検出した時点で、前記粗動機構を停止させることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  2. 前記探針をサンプルに近接させる際に、測定の動作点よりも前の領域において前記任意のたわみ量とは逆方向に生じる任意のたわみ量を更に設定し、
    前記変位検出機構によりカンチレバーの変位を検出しながら、前記粗動機構により探針とサンプルを近接させるときに、前記2つの設定されたたわみ量のうちどちらか一方のたわみ量が前記変位検出機構で最初に検出された時点で、前記粗動機構を停止させることを特徴とする請求項1に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  3. 粗動機構により探針とサンプルを接近させる前に粗動機構を停止させるための前記カンチレバーの任意のたわみ量を設定し、前記設定されたたわみ量で粗動機構による近接動作が停止した後に、走査型プローブ顕微鏡の測定のための任意のたわみ量を再設定することを特徴とする請求項1乃至請求項2に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  4. 先端に探針を有するカンチレバーと、前記カンチレバーを加振するための加振機構と、前記カンチレバーの変位を検出するための変位検出機構と、前記探針に対向した位置に配置されたサンプルと前記探針との距離を調整するための垂直方向微動機構と、前記探針と前記サンプルを近接させるための粗動機構から構成される走査型プローブ顕微鏡において、前記加振機構により前記カンチレバーを加振し、前記変位検出機構によりカンチレバーの振幅を検出しながら、前記粗動機構により探針とサンプルを近接させるときに、前記カンチレバーの振幅が任意の量だけ増加した振幅量を設定し、前記変位検出機構により設定された振幅量を検出した時点で、前記粗動機構を停止させることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  5. 前記探針をサンプルに近接させる際に、測定の動作点よりも前の領域において前記カンチレバーの振幅が任意の量だけ減少した振幅量を更に設定し、
    前記変位検出機構によりカンチレバーの振幅を検出しながら、前記粗動機構により探針とサンプルを近接させ、前記2つの設定された振幅量のうちどちらか一方の振幅量が前記変位検出機構で最初に検出された時点で、前記粗動機構を停止させることを特徴とする請求項4に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  6. 前記カンチレバーの加振周波数に対する振幅量の特性を測定した際に測定されるカンチレバーの1次の共振周波数を示す共振スペクトル上で、共振周波数よりも低周波数側の任意の位置の周波数でカンチレバーが加振されることを特徴とする請求項4、請求項5に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  7. 前記カンチレバーの周波数特性を測定した際に測定される共振スペクトルのQ値が制御されることを特徴とする請求項4乃至請求項6に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  8. 粗動機構により探針とサンプル接近させる前に前記カンチレバーの周波数特性を測定し動作条件を設定するとともに粗動機構を停止させるための振幅量を設定し、粗動機構による近接動作が終了した後に、探針とサンプルが接触しない位置で、もう一度周波数特性を測定し動作条件を設定するとともに走査型プローブ顕微鏡で測定を行う際の振幅量を設定することを特徴とする請求項4乃至請求項7に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  9. 前記たわみ量または振幅量の変化が探針とサンプル間の静電気力に起因することを特徴とする請求項1または請求項8に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  10. 前記たわみ量または振幅量の変化が探針とサンプル間の磁気力に起因することを特徴とする請求項1または請求項9に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  11. 粗動機構により探針とサンプルを接近させる前に前記静電気力または/および磁気力を与え、粗動機構による近接動作が終了した後は、前記静電気力または/および磁気力を排除することを特徴とする請求項9、請求項10に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  12. 前記探針と前記サンプルが真空環境下に配置された請求項1乃至請求項11に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  13. 前記カンチレバーの代わりに先端に探針を有するプローブを用いて、サンプル表面に対して平行な方向に前記探針を加振させて探針とサンプルを近接させるようにした請求項4乃至請求項12に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  14. 前記探針と前記サンプルを請求項1乃至請求項13のいずれかに記載の走査型プローブ顕微鏡において、更に前記粗動機構または/および前記垂直微動機構により接近または接触させることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
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