JP2005338002A - 近接場光プローブユニット、その作製装置および作製方法、近接場光顕微鏡ならびに近接場光による試料測定方法 - Google Patents

近接場光プローブユニット、その作製装置および作製方法、近接場光顕微鏡ならびに近接場光による試料測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 近接場光測定を行うための試料へのアプローチ動作を簡便かつ効率的に行うこと、プローブの試料への衝突による破損を防ぐことが可能な近接場光プローブユニットを提供する。
【解決手段】 近接場光を発生させる近接場光プローブ2と、この近接場光プローブを固着させた固定部6とからなる近接場光プローブユニットにおいて、前記固定部6が基準面6aを有し、この基準面6aから前記近接場光プローブ2先端まで所定の長さを有するもしくはその長さが明確であることを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、走査型近接場光顕微鏡で用いる近接場光プローブユニット、近接場光プローブユニットの作製装置および作製方法、この近接場光プローブユニットを用いた近接場光顕微鏡ならびに試料測定方法に関するものである。
従来、物質表面の表面形状等の測定を行うさい、光学顕微鏡では回折限界のため、分解能は使用する光の波長もしくはその半分程度に留まってしまうことが知られている(例えば特許文献1、2および非特許文献1参照)。
しかし近年の科学技術の進歩に伴い、例えば半導体等の微細形状を有する製品の検査やDNA等の生体組織の測定に要求される分解能はナノメートルオーダー(水準)になっている。
このナノメートルオーダーの測定を可能とするものとして原子間力顕微鏡(AFM)や走査型トンネル顕微鏡(STM)、そして前述の回折限界を打破した走査型近接場光顕微鏡(SNOM)などが挙げられる。
これらナノメートルオーダーでの測定が可能な顕微鏡のうちAFMやSTMが被測定物の表面形状のみしか測定できないのに対しSNOMはその光学特性、さらには物質の組成分析も行えるメリットがある。
以上で述べたような近接場光を利用した顕微鏡では、近接場光プローブ先端に設けられた微小開口径とほぼ同じ領域に近接場光が存在する。そのため近接場光プローブと試料をナノメートル(nm)オーダーで接近させ、その状態を保ちながら相対的に走査しながら測定を行うこととなる。
つまり、測定に先駆け予め近接場光プローブと試料をアプローチさせなくてはいけないが、このときに両者を衝突させてしまうと近接場光プローブが破損し、所望の分解能が達成できなくなってしまう。
近接場光プローブと試料間の距離は一般的にシアフォースと呼ばれる剪断応力を利用して検出する。すなわちプローブを横方向に振動させ、この振動状態をモニタリングする方法で検出している。
しかし、10nm程度まで接近させないと振動状態が変化しないため、非常にゆっくりとしたスピード近付ける必要がある。そのため、近接場光プローブを近接場光測定が可能な位置までセットするために多大な時間が必要となってしまう問題がある。
CCDカメラで近接場光プローブと試料間の距離を観察し、ある程度の距離まで近付けた後にPZT(圧電素子)などの微動アクチュエータでアプローチする方法もある。
しかしながら、この方法では装置が大型化を招いてしまうと共に、高倍率な対物レンズを用いた場合には焦点深度が浅くなるため、CCDの観察を行うための調整時間も多く費やすことになってしまう。
非特許文献1において、水晶振動子(以下、TF)に接着されたプローブは、TFの共振周波数で加振されながら試料へと粗銅アクチュエータにより接近される。このとき、プローブと試料間の距離が数十nm以下になったとき、両者にシアフォースと呼ばれる力が働き、共振状態に変化が生じるので、両者が所望の距離となるよう微動アクチュエータに切り換えて駆動する。
この場合、シアフォースが働く領域までは接近速度を充分に遅くしなければプローブの停止が間に合わず、試料に衝突して破損してしまう。しかし、プローブと試料の初期間隔が例えば10μmであった場合、プローブを10nm/秒でアプローチするとシアフォースが働くまでに約17分もかかってしまう。
このため、測定効率が非常に悪くなってしまう。さらに、もしも誤って両者を衝突させてしまった場合には、その交換はさらに煩わしく、数十分以上の時間を要する。
特開平8−94652号公報 特開2001−4519公報 カレッド・カライ等(Khaled Karrai, et al)著「近接場光顕微鏡用圧電チップ−サンプル距離制御(Piezoelectric tip-sample distance control for near field optical microscopes)」、応用物理論文(Applied Physics Letters)66(14),1995年4月3日,p.1842
特許文献1に開示された近接場走査型顕微鏡の光プローブ保持装置は近接場顕微鏡の光ファイバプローブを確実に保持すると共に、簡便に交換可能なユニットを提供することを目的としている。そのため、プローブを挿入するための空隙部とプローブ保持部を締め付ける部材によって構成されている。
しかし、特許文献1ではプローブユニットとしての着脱性に関して工夫がなされているが、プローブの長さは55mmと記述されるのみであり、保持部から先端までの長さ精度に関しては全く言及されていない。そのため、着脱が容易になることはあっても、その後のアプローチ作業の効率化に関しては考慮されていない。
特許文献2に開示された技術はプローブと試料間に電圧を印加することで静電気力を発生させ、この力を検出することでプローブ試料間距離の制御を行っている。本技術はアプローチを迅速に行うために有効な方法の1つであるが、電圧を印加するため試料に制限がある。
本発明の第1の目的は、上述した実情を考慮して、近接場光測定を行うための試料へのアプローチ動作を簡便かつ効率的に行うこと、プローブの試料への衝突による破損を防ぐことが可能な近接場光プローブユニットを提供することにある。
本発明の第2の目的は、近接場光プローブユニットを実現するための装置、とくに基準面からプローブ先端までの長さを検出することが可能な近接場光プローブユニット作製装置を提供することにある。
本発明の第3の目的は、近接場光プローブユニットを実現するための装置、とくに基準面からプローブ先端までの長さを検出することが可能な近接場光プローブユニット作製方法を提供することにある。
本発明の第4の目的は、近接場光測定を行うための試料へのアプローチ動作を簡便かつ効率的に行うこと、プローブの試料への衝突による破損を防ぐことが可能な近接場光による試料測定方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の近接場光プローブユニットは、近接場光を発生させる近接場光プローブと、該近接場光プローブを固着させた固定部とからなる近接場光プローブユニットにおいて、前記固定部に基準面を設け、この基準面から前記近接場光プローブ先端までを所定の長さに設定したことを特徴とする。
また、請求項2に記載の近接場光プローブユニット作製装置は、端面を先鋭化させた光ファイバを固定するための第1の固定手段と、前記光ファイバを押し付ける押付面と、前記光ファイバと前記押付面を近付ける距離制御手段と、前記第1の固定手段の前記基準面から前記押付面までの距離を検出する距離検出手段とを有することを特徴とする。
また、請求項3に記載の近接場光プローブユニット作製装置は、第2の固定手段と、前記第1および前記第2の固定手段の距離を制御する第2の距離制御手段と、前記第1および前記第2の固定手段を固着する固着手段と、をさらに備えることを特徴とする。
また、請求項4に記載の近接場光プローブユニット作製装置は、前記光ファイバを振動させる振動手段と、振動状態を検出する検出手段とを有し、前記距離制御手段は、前記光ファイバ振動状態に基づいて前記光ファイバと前記押付面の距離を制御することを特徴とする。
また、請求項5に記載の近接場光プローブユニット作製装置は、光源と、この光源から出射される光を光ファイバに導光する導光手段と、前記押付面によって散乱される近接場散乱光を検出する検出手段とを有し、前記距離制御手段は、前記近接場散乱光検出手段によって得られる情報に基づいて前記光ファイバと前記押付面の距離を制御することを特徴とする。
また、請求項6に記載の近接場光プローブユニット作製方法は、近接場光プローブユニットを作製する近接場光プローブユニット作製方法において、先鋭化させた光ファイバを共振させる第1の工程と、前記光ファイバの共振状態をモニタリングする第2の工程と、前記共振状態が所望の状態になるまで前記光ファイバを押し付ける押付面に接近させる第3の工程と、基準面から前記押付面までの距離を検出する第4の工程とからならことを特徴とする。
また、請求項7に記載の近接場光プローブユニット作製方法は、前記基準面から前記押付面までが所望の距離になるよう位置制御する第5の工程と、近接場光プローブ固定手段に前記光ファイバを固着する第6の工程とからなることを特徴とする。
また、請求項8に記載の近接場光プローブユニット作製方法は、前記第1ないし第3の工程が各々、前記光ファイバに光を導光する工程と、前記光ファイバ先端から照射される光を検出する工程と、前記光ファイバ先端から照射される光強度が所望の強度になるまで、前記光ファイバを押付面に接近させる工程であることを特徴とする。
また、請求項9に記載の近接場光顕微鏡は、請求項1記載の近接場光プローブユニットと、近接場光を発生させるための光源と、試料を載置するステージと、前記近接場光プローブ先端で発生し前記試料によって散乱された近接場光を検出する近接場光検出手段と、前記ステージと前記近接場光プローブを所定の位置まで接近させる粗動手段と、前記ステージと前記近接場光プローブをさらに接近させる微動手段と、前記ステージと前記近接場光プローブを相対的に走査する走査手段とを有し、前記粗動手段は前記近接場光プローブ長さ情報および該試料の高さ情報に基づいて前記近接場光プローブと前記試料を所定の距離まで粗動接近させることを特徴とする。
また、請求項10に記載の近接場光顕微鏡は、前記近接場光プローブユニット基準面の表面粗さをL1、前記近接場光プローブユニット取り付け面の表面粗さをL2、前記ステージの試料載置面の表面粗さをL3としたとき、前記粗動手段は、前記近接場光プローブ先端と試料面の距離が(L1+L2+L3)以上になるよう粗動接近させることを特徴とする。
また、請求項11に記載の近接場光による試料測定方法は、請求項1記載の近接場光プローブを共振させる第1の工程と、前記近接場光プローブの共振状態をモニタリングする第2の工程と、前記近接場光プローブを試料に対して粗動接近させる第3の工程と、前記共振状態が所望の状態になるまで前記近接場光プローブをさらに試料に対して微動接近させる第4の工程と、前記近接場光プローブをステージに対して走査する第5の工程と、前記試料によって散乱される近接場散乱光を検出する第6の工程とからなる近接場光による試料測定方法において、前記第3の工程が、前記近接場光プローブ長さ情報および該試料の高さ情報に基づいて前記近接場光プローブを所定の位置まで粗動接近させる工程であることを特徴とする。
また、請求項12に記載の近接場光による試料測定方法は、前記近接場光プローブユニット基準面の表面粗さをL1、前記近接場光プローブユニット取り付け面の表面粗さをL2、前記ステージの試料載置面の表面粗さをL3としたとき、前記第3の工程が、前記近接場光プローブ先端と試料面の距離が(L1+L2+L3)以上になるよう粗動接近させる工程であることを特徴とする。
本発明によれば、基準面から近接場光プローブ先端までの距離が明確な近接場光プローブユニットとすることで、例えばCCDカメラのような補助器具なしにプローブ先端から試料までの距離が分かるので、粗動アプローチ時間を短縮することが可能となり、かつプローブと試料の衝突による破損を防ぐことが可能となる。
振動手段によってプローブを振動させ、振動検出手段によって、プローブ先端と試料間距離に依存したプローブ振動状態を検出するので、近接場光プローブユニット作製装置を実現することが可能となる。
本発明によれば、第1および第2の工程によって、プローブ先端と押付面の接触を感知し、第3の工程においてプローブを押付面に押し付けることで所望の微小開口を作製し、第4の工程によって基準面から押付面までの距離、すなわち基準面からプローブ先端までの距離を検出するので、近接場光プローブ先端までの長さが明確な近接場光プローブユニットを作製することが可能となる。
本発明によれば、作製される近接場光プローブは半導体の構造解析や生体分子の計測等、近接場光顕微鏡で測定される全ての試料へ適用可能であり、とくにシリコンウェーハなどのように形状が極めて安定している試料の測定において、大きな効果が得られる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は一般的な近接場光顕微鏡の構成を示す概略図である。光源(LD)1から照射されたレーザはレンズ(図示せず)によって集光され近接場光プローブ(光ファイバ)2に導光される。
光ファイバ2の先端はエッチング等によって先鋭化され、FIBや押し付け法などの手段によって先端に微小開口3が形成されているため、近接場光4が発生する。一般に知られている通り、この近接場光は開口径とほぼ同じだけの距離内に存在する非伝播光であり、通常は観察されない。
しかし、チューブスキャナ15上に載置された試料20をこの近接場光領域に近接させると近接場光が散乱され伝播光に変換される。この散乱光が再び近接場光プローブ2を通り、ビームスプリッタ8によって偏向され、光検出器(PMT)9によって検知される。
この検知された光の強度や周波数スペクトルに応じて、例えばその表面形状であるとか試料の構造、組成を測定することが可能となる。近接場散乱光の検出に関して本例ではファイバに戻ってくる光を検出しているが、プローブに戻らず周囲に散乱していく光もあるので、試料や測定環境に応じてこの光を検出しても良い。
近接場光プローブ2−試料20間の距離制御はシアフォースと呼ばれる力を利用して行うことができる。例えば近接場光プローブ2に水晶振動子(TF)5を取り付け、任意波形発生器(FG)11によって水平方向に共振させる。
この状態で近接場光プローブ2を試料20に近付けるとシアフォースによってその振幅が減少し、共振周波数が変化する。ロックインアンプ12を用いてこの振動状態をモニタリングし、一定の状態となるようチューブスキャナ15を上下方向に位置制御することでプローブ間距離を一定に保つことが可能となる。
さらに試料20を近接場光プローブ2に対して垂直な面内で走査・測定し、近接場光プローブ位置情報と各地点での近接場散乱光情報の対応付けや解析をPC(パーソナルコンピュータ)10によって統括的にコントロールすることで試料面のデータが得られ、例えばPC10の画面上に3次元的に表示することも可能である。
このような近接場光顕微鏡において、ネックとなっているのが近接場光プローブ2と試料20のアプローチである。シアフォースによって検出できる近接場光プローブ先端と試料間の距離(シアフォース領域)は一般に10nm程度とされている。
この微小なエリアまで近接場光プローブを近付けなくてはいけないのだが、高速で近付けた場合、シアフォースを検知してからステージに停止命令を送ったとしても制御系のオーバーシュート等によって近接場光プローブが試料に衝突し破損してしまう。
この破損を防ぐために低速でアプローチした場合、シアフォース領域に到達するのに多大な時間がかかってしまう。例えば100μm離れた場所から10nm/秒で近付けた場合、シアフォース領域まで達するのに約3時間かかってしまう。
CCDカメラを用いて初期位置をより近い状態にするとしても、せいぜい数μm程度の領域までしか近付けられず、装置の大型化を招き、間隔を精度よく把握するために高倍率の対物レンズを使用すると、その調整時間が増大するといった欠点が生じてしまう。
図2は本発明による近接場光プローブユニットを示す概略図である。図2において、近接場光プローブ固定治具6の基準面6aから近接場光プローブ2先端までの距離Aが明確な近接場光プローブユニットを実現することで近接場光プローブをアプローチさせるべき距離も明確となる。
これによって上述のような欠点を克服しアプローチ時間の短縮や近接場光プローブ破損防止が可能となる。このような近接場光プローブユニットは例えばシリコンウェーハなどのように試料の高さが極めて一定な場合に特に効果が絶大である。
従来、近接場光測定を行うにあたり問題となっていることは、近接場光プローブを試料に対してアプローチさせる時間が多大であるということであった。プローブと試料間の距離が不明確かつバラツキが大きいため、ゆっくりとした速度で長時間かけてアプローチせざるを得ないためである。
したがって、上述したような近接場光プローブユニットを実現できれば上記の欠点を克服でき、近接場光プローブを試料に対してアプローチさせる時間、すなわち、測定に要する時間を大幅に短縮させることができる。
図3は本発明による近接場光プローブユニット作製装置の第1の実施の形態を示す概略図である。図3に示すように、Zステージ上に載置された押付部材18を近接場光プローブ2に対して接近させる構成とする。
そして、両者の接触もしくは接近を検出(手段は図示せず)したとき、基準面6aから近接場光プローブ先端までの距離は基準面6aから押付面までの距離に等しくなるので、これをレーザ変位計で測定すれば近接場光プローブ長を把握でき、前述したような近接場光プローブユニットを作製することができる。
図4は本発明による近接場光プローブユニット作製装置の第2の実施の形態を示す概略図である。図示してない接触・接近の検出に関しては、例えば図4に示すように、水晶振動子(TF)5、任意波形発生器(FG)11、ロックインアンプ(LIA)12を加えた構成とする。
図5は近接場光プローブユニット作製方法を説明するフローチャートである。
図5に示すように、近接場光プローブ2を水晶振動子5と共振させ(S1)、共振状態を検出する(S2)。所望の共振状態かどうか判断し(S3)、所望の共振状態であるならば、アプローチを終了する(S4)。
共振状態が所望の状態でないならば、Zステージを駆動し(S6)、近接場光プローブ2を押付面に接近させ、その共振状態が所望の状態となるまで近接場光プローブ2を押付面に押し付ける。
そして所望の開口を作製できた時点で押付面と近接場光プローブユニット基準面の距離を検出し(S5)、変位計等で測定することで、近接場光プローブ長を正確に把握した近接場光プローブユニットを作製することが可能となる。
距離検出手段を用いて基準面6aと押付面の距離、すなわち近接場光プローブ先端までの距離を検出するので、上述したように近接場光プローブ先端までの長さが明確な近接場光プローブユニットを作製することが可能となる。
図6は本発明による近接場光プローブユニット作製装置の第3の実施の形態を示す概略図である。図6に示すように、この第3の実施の形態はさらにプローブ仮止め治具19および微動Zステージ17を付加した構成とする。
図示してないが、接触・接近検出手段として例えば図4のように、水晶振動子5、FG11、LIA12も付加している。この時点で近接場光プローブを仮止め固定している仮止め治具19は図示してない治具によって固定され、固定治具6とは固定されていない。
図7は近接場光プローブユニット作製方法を説明するフローチャートである。図7に示すように、図5と同様に、所望の開口を作製できた時点で押付面と近接場光プローブユニット基準面の距離を検出(S5)する。
近接場光プローブ先端と押付部材の接触を検知した後、固定治具の基準面6aと押付部材の距離が所望の値かどうか判断し(S7)、所望の値でないならば、微動Zステージ17をZ方向に駆動する(S8)。
基準面と押付部材間が所望の距離になったならば、固定治具と仮止め治具を固定する(S9)。この固定する手段は図示してないが、例えば紫外線硬化樹脂および紫外線照射装置などが効果的である。
第2の距離制御手段(微動Zステージ)17によって第2の固定手段と近接場光プローブ先端の距離が所望の距離になるよう位置決めされ、その後固着手段によって固着されるので基準面から近接場光プローブ先端までが所望の長さをもつ近接場光プローブユニットを作製することが可能となる。
図8は本発明による近接場光プローブユニット作製装置の第4の実施の形態を示す概略図である。この第4の実施の形態では図3の近接場光プローブ作製装置の構成に加え、ビームスプリッタ8、PMT9を加えた構成とする。
図9は近接場光プローブユニット作製方法を説明するフローチャートである。図9において、光ファイバ(近接場光プローブ)2にレーザ光を導き(S11)、近接場散乱を検出し(S12)、所望の光強度かどうか判断する(S14)。
所望の光強度ならば、アプローチを終了し(S15)、基準面と押付面の距離を検出する(S16)。この場合に、所望の光強度でないならば、Zステージ21を駆動する。
PMT9を通じて検出される近接場散乱光強度が所定の値となるまでZステージ21を近接場光プローブ2に接近させることで、この近接場光プローブ2と押付部材18の接触・接近を検知する。
所望の光強度が検出された時点で接近をやめ、基準面6aと押付面の距離を測定することで近接場光プローブ長を正確に把握した近接場光プローブユニットを作製することが可能となる。
従来の近接場光プローブを取り付けた場合、試料からプローブ先端までの距離Xが分からないため、シアフォース領域までゆっくりと近付けざるを得なかった。この欠点を克服する近接場光顕微鏡および近接場光による試料測定方法に関して以下で説明する。
図10は近接場光プローブユニット作製方法を説明するフローチャートである。図1および図10を参照して、装置構成は従来の近接場光顕微鏡とほぼ等しく、本実施の形態においてはPC10のメモリ中にプローブ長および試料高さ情報が保存された構成となっている。
まず、近接場光プローブユニットの基準面6aから先端までの長さA、試料高さBをメモリから読み込む(S21)。ピエゾスキャナ(もしくは試料台)上面からプローブユニット取り付け面7までの距離Lは一定かつ既知であり、本実施の形態ではこれもメモリから読み出したとする。
このとき、プローブ先端から試料までの距離XはX=L−A−Bとなるので、この距離まで粗動ステージ14もしくは微動ステージを駆動して接近させる(S22)。近接場光プローブ破損を避けるため、接近は若干の余裕を残す。例えば100nm程度離れている位置程度まででも良い。
この時点で近接場光プローブ2と試料20は、非常に接近した状態となっている。そこで、これ以降は従来の近接場光顕微鏡と同様にTF5を共振させ(S23)、この共振状態をモニタリングしながらチューブスキャナ15を駆動し(S25)両者を近付けていき、所望の共振状態となった(S26)時点で停止させる。
近接場光を発生し(S27)、所定の測定位置に移動し(S28)、近接場散乱光を検出し(S29)、測定を行い、測定終了かどうか判断し(S30)、終了ならばそのまま終了し、そうでないならば、ステップS28ないしステップS30を繰り返す。
なお、プローブ長が近接場光プローブ毎に異なる場合、PC10のインターフェースを通じてその長さを入力してもよく、長さが一定であるよう作製してあるのであれば不揮発性メモリに保存したデータを使用しても良い。
また試料に関しても、例えばシリコンウェーハのように凹凸の非常に少ないようなもの、高さのバラツキが非常に小さいものであれば、近接場光プローブの衝突による破損が低減し、より大きな効果が得られる。
また、各パーツの面精度も考慮して粗動アプローチ距離を決定することで、さらに近接場光プローブの破損を低減させることが可能となる。例えば固定治具の取り付け面6aの面精度が50nm、アーチ7の取り付け面7aの面精度が200nm、チューブスキャナ(もしくは試料台)上面の面精度が100nmであるとする。
この場合に、これらの合計の半分、すなわち(50+200+100)/2=175nmを安全領域として扱い、粗動アプローチでステージ移動させる距離を前述のXからX−175とすることで、近接場光プローブ2と試料20の衝突をより低減させることが可能である。
この175nm増えた距離に関しても、10nm/秒で微動アプローチすれば、アプローチに要する時間はほんの17.5秒増えるだけで済む。この効率低減は1本数万円する近接場光高価なプローブ破損に比べれば取るに足らないものである。
粗動アプローチ手段14が、近接場光プローブ長さと試料高さ情報に加え各々を取り付ける基準面の表面粗さ情報に基づいて両者が接触しない位置まで粗動接近させるので、粗動アプローチに要する時間を短縮すると共に衝突によるプローブ破損可能性をより低減させることが可能となる。
一般的な近接場光顕微鏡の構成を示す概略図である。 本発明による近接場光プローブユニットを示す概略図である。 本発明による近接場光プローブユニット作製装置の第1の実施の形態を示す概略図である。 本発明による近接場光プローブユニット作製装置の第2の実施の形態を示す概略図である。 近接場光プローブユニット作製方法を説明するフローチャートである。 本発明による近接場光プローブユニット作製装置の第3の実施の形態を示す概略図である。 近接場光プローブユニット作製方法を説明するフローチャートである。 本発明による近接場光プローブユニット作製装置の第4の実施の形態を示す概略図である。 近接場光プローブユニット作製方法を説明するフローチャートである。 近接場光プローブユニット作製方法を説明するフローチャートである。
符号の説明
1 光源(LD)、2 近接場光プローブ(光ファイバ)、3 微小開口、4 近接場光、5 水晶振動子(TF)、6 固定部(プローブ固定治具)、6a 固定部の基準面、7 プローブユニット取り付け面、8 ビームスプリッタ、9 光検出器(PMT)、10 パーソナルコンピュータ(PC)、11 任意波形発生器(FG)、12 ロックインアンプ(LIA)、13 ステージコントローラ(SC)、14 粗動ステージ、15チューブスキャナ、16レーザ変位計、17 微動Zステージ、18 押付部材、19 仮止め治具、20 試料、21 Zステージ

Claims (12)

  1. 近接場光を発生させる近接場光プローブと、該近接場光プローブを固着させた固定部とからなる近接場光プローブユニットにおいて、前記固定部に基準面を設け、この基準面から前記近接場光プローブ先端までを所定の長さに設定したことを特徴とする近接場光プローブユニット。
  2. 端面を先鋭化させた光ファイバを固定するための第1の固定手段と、前記光ファイバを押し付ける押付面と、前記光ファイバと前記押付面を近付ける距離制御手段と、前記第1の固定手段の前記基準面から前記押付面までの距離を検出する距離検出手段とを有することを特徴とする近接場光プローブユニット作製装置。
  3. 第2の固定手段と、前記第1および前記第2の固定手段の距離を制御する第2の距離制御手段と、前記第1および前記第2の固定手段を固着する固着手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項2記載の近接場光プローブユニット作製装置。
  4. 前記光ファイバを振動させる振動手段と、振動状態を検出する検出手段とを有し、前記距離制御手段は、前記光ファイバ振動状態に基づいて前記光ファイバと前記押付面の距離を制御することを特徴とする請求項2又は3記載の近接場光プローブユニット作製装置。
  5. 光源と、この光源から出射される光を光ファイバに導光する導光手段と、前記押付面によって散乱される近接場散乱光を検出する検出手段とを有し、前記距離制御手段は、前記近接場散乱光検出手段によって得られる情報に基づいて前記光ファイバと前記押付面の距離を制御することを特徴とする請求項2又は3記載の近接場光プローブユニット作製装置。
  6. 近接場光プローブユニットを作製する近接場光プローブユニット作製方法において、先鋭化させた光ファイバを共振させる第1の工程と、前記光ファイバの共振状態をモニタリングする第2の工程と、前記共振状態が所望の状態になるまで前記光ファイバを押し付ける押付面に接近させる第3の工程と、基準面から前記押付面までの距離を検出する第4の工程とからならことを特徴とする近接場光プローブユニット作製方法。
  7. 前記基準面から前記押付面までが所望の距離になるよう位置制御する第5の工程と、近接場光プローブ固定手段に前記光ファイバを固着する第6の工程とからなることを特徴とする請求項6記載の近接場光プローブユニット作製方法。
  8. 前記第1ないし第3の工程が各々、前記光ファイバに光を導光する工程と、前記光ファイバ先端から照射される光を検出する工程と、前記光ファイバ先端から照射される光強度が所望の強度になるまで、前記光ファイバを押付面に接近させる工程であることを特徴とする請求項6または7記載の近接場光プローブユニット作製方法。
  9. 請求項1記載の近接場光プローブユニットと、近接場光を発生させるための光源と、試料を載置するステージと、前記近接場光プローブ先端で発生し前記試料によって散乱された近接場光を検出する近接場光検出手段と、前記ステージと前記近接場光プローブを所定の位置まで接近させる粗動手段と、前記ステージと前記近接場光プローブをさらに接近させる微動手段と、前記ステージと前記近接場光プローブを相対的に走査する走査手段とを有し、前記粗動手段は前記近接場光プローブ長さ情報および該試料の高さ情報に基づいて前記近接場光プローブと前記試料を所定の距離まで粗動接近させることを特徴とする近接場光顕微鏡。
  10. 前記近接場光プローブユニット基準面の表面粗さをL1、前記近接場光プローブユニット取り付け面の表面粗さをL2、前記ステージの試料載置面の表面粗さをL3としたとき、前記粗動手段は、前記近接場光プローブ先端と試料面の距離が(L1+L2+L3)以上になるよう粗動接近させることを特徴とする請求項9記載の近接場光顕微鏡。
  11. 請求項1記載の近接場光プローブを共振させる第1の工程と、前記近接場光プローブの共振状態をモニタリングする第2の工程と、前記近接場光プローブを試料に対して粗動接近させる第3の工程と、前記共振状態が所望の状態になるまで前記近接場光プローブをさらに試料に対して微動接近させる第4の工程と、前記近接場光プローブをステージに対して走査する第5の工程と、前記試料によって散乱される近接場散乱光を検出する第6の工程とからなる近接場光による試料測定方法において、前記第3の工程が、前記近接場光プローブ長さ情報および該試料の高さ情報に基づいて前記近接場光プローブを所定の位置まで粗動接近させる工程であることを特徴とする近接場光による試料測定方法。
  12. 前記近接場光プローブユニット基準面の表面粗さをL1、前記近接場光プローブユニット取り付け面の表面粗さをL2、前記ステージの試料載置面の表面粗さをL3としたとき、前記第3の工程が、前記近接場光プローブ先端と試料面の距離が(L1+L2+L3)以上になるよう粗動接近させる工程であることを特徴とする請求項11記載の近接場光による試料測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010085382A (ja) * 2008-10-03 2010-04-15 Toray Res Center:Kk 赤外顕微鏡装置および分光分析方法
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WO2024014186A1 (ja) * 2022-07-14 2024-01-18 株式会社島津製作所 走査型プローブ顕微鏡、および制御方法

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