JP2000009742A - 走査型プローブ顕微鏡のアプローチ方法 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡のアプローチ方法

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JP2000009742A
JP2000009742A JP10180409A JP18040998A JP2000009742A JP 2000009742 A JP2000009742 A JP 2000009742A JP 10180409 A JP10180409 A JP 10180409A JP 18040998 A JP18040998 A JP 18040998A JP 2000009742 A JP2000009742 A JP 2000009742A
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Masaya Okazaki
賢哉 岡咲
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】連続した1回のアプローチ動作だけで、正確な
コンタクト位置を短時間に特定すると同時に、走査時の
適正な探針荷重値を設定することが可能な走査型プロー
ブ顕微鏡のアプローチ方法を提供する。 【解決手段】Z軸粗動機構12によってカンチレバー4
の探針6を試料8方向に連続的に接近させる1回のアプ
ローチ動作中、変位センサ10(受光素子18)から出
力される全ての変位信号T1をコントローラ14に取り
込みながら、この変位信号が予め設定した閾値Rになる
まで探針を試料に接近させてZ軸粗動機構を停止させ
る。そして、この間にコントローラに取り込まれた全て
の変位信号に基づいて、探針先端が試料表面に接触した
ときのコンタクト位置Cを算出して特定すると同時に、
コンタクト位置に基づいて走査時の適正な探針荷重値L
を設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走査型プローブ顕
微鏡によって試料を測定する際に、カンチレバーの自由
端に設けられた探針を試料に近接させて位置付けるアプ
ローチ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば特開平8−35974号公報に
は、カンチレバーが取り付けれらスキャナと、このスキ
ャナを支持した粗動機構と、カンチレバーの変位状態を
検出して所定の変位信号を出力する変位検出センサとを
備えた走査型プローブ顕微鏡が開示されており、この走
査型プローブ顕微鏡のアプローチ方法では、粗動機構に
よってカンチレバーの探針を一定距離だけ試料方向に粗
動させた後、スキャナを数回伸縮させて変位信号の変化
(カンチレバー自由端の変位)をカウントし、このカウ
ント値に基づいて、探針先端と試料表面とが接触したと
きのコンタクト位置を特定している。具体的には、カウ
ント値が所定値を示したときには、そのカウント値に基
づいて、コンタクト位置を特定し、そうでないときに
は、カウント値が所定値を示すまで、探針先端を試料表
面に接近させてスキャナを数回伸縮させるといった動作
を繰り返す。
【0003】また、別のアプローチ方法としては、以下
の方法が知られている。即ち、粗動機構によってカンチ
レバーの探針を一定距離ずつ試料方向にステップ粗動さ
せ、各々のステップ粗動毎にスキャナを伸縮させながら
カンチレバーの撓み状態(又は、カンチレバーの振動振
幅の変化状態)を検出し、その検出データに基づいてコ
ンタクト位置を特定している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
アプローチ方法は、粗動機構によってカンチレバーの探
針を試料に接近させる毎にスキャナを伸縮させるといっ
た断続的な動作が繰り返されるため、正確なコンタクト
位置を特定するまでに長時間を要する。
【0005】また、従来のアプローチ方法では、コンタ
クト位置のみを検出しているため、走査時の探針荷重値
を設定する場合には、再度スキャナを伸縮させて、試料
表面に対する探針の接触圧(荷重値)を適正化しなけれ
ばならない。
【0006】本発明は、このような問題点を解決するた
めに成されており、その目的は、連続した1回のアプロ
ーチ動作だけで、正確なコンタクト位置を短時間に特定
すると同時に、走査時の適正な探針荷重値を設定するこ
とが可能な走査型プローブ顕微鏡のアプローチ方法を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の走査型プローブ顕微鏡のアプローチ
方法は、カンチレバーの探針を試料方向に連続的に接近
させる1回のアプローチ動作中において、所定の閾値に
達するまで、カンチレバーの変位状態を示す全ての変位
信号を取り込む信号取込工程と、前記変位信号が前記閾
値に達したとき、前記アプローチ動作を停止させる工程
と、前記信号取込工程において取り込まれた全ての変位
信号に基づいて、前記探針の先端が前記試料の表面に接
触したときのコンタクト位置を算出して特定する工程
と、前記コンタクト位置に基づいて、走査時の探針荷重
値を設定する工程とを有する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態に係
る走査型プローブ顕微鏡のアプローチ方法について、図
1及び図2を参照して説明する。なお、走査型プローブ
顕微鏡は、固定した試料に対して探針を所定方向に移動
させることによって、試料の表面情報を測定する探針走
査型と、固定した探針に対して試料を所定方向に移動さ
せることによって、試料の表面情報を測定する試料走査
型とに大別されるが、いずれにも本発明のアプローチ方
法を適用することができる。
【0009】本実施の形態では、その一例として、探針
走査型プローブ顕微鏡を用いたアプローチ方法について
説明する。図1(a)には、本発明のアプローチ方法に
適用した探針走査型プローブ顕微鏡の構成が示されてい
る。探針走査型プローブ顕微鏡は、スキャナ2(例え
ば、チューブ型圧電体スキャナ)の可動端にカンチレバ
ー4が取り付けられており、スキャナ2に印加する電圧
を制御することによって、探針6を試料(例えば、半導
体基板、情報記録用ディスクなど)8に沿って所定方向
(XYZ方向)に所定量だけ移動させることができるよ
うに構成されている。
【0010】具体的には、本実施の形態では、DC(Di
rect Contact)モード測定用の探針走査型プローブ顕微
鏡を想定しており、この探針走査型プローブ顕微鏡は、
自由端に探針6が設けられたカンチレバー4と、このカ
ンチレバー4の探針6を試料8表面に沿って所定方向
(例えば、XYZ方向)に走査させるためのスキャナ2
(例えば、チューブ型圧電体スキャナ)と、カンチレバ
ー4の自由端の変位を光学的に検出することが可能な変
位センサ10と、スキャナ2をZ方向に沿って移動させ
ることによって、カンチレバー4の探針6を試料8に対
して接近させたり離間させることが可能なZ軸粗動機構
12と、スキャナ2及びZ軸粗動機構12を駆動制御す
るためのコントローラ14とを備えている。
【0011】変位センサ10は、カンチレバー4の背面
(探針6が設けられた面とは反対側の面)に向けてレー
ザー光を照射する発光素子16と、カンチレバー4の背
面から反射した反射光を受光し、その受光量及び/又は
受光位置に対応した変位信号T1をコントローラ14へ
出力する受光素子18(例えば、4分割フォトダイオー
ド)とを備えている。
【0012】コントローラ14は、変位センサ10(受
光素子18)から出力される変位信号T1を全て取り込
むことが可能なメモリ機能、変位信号T1に基づいて所
定のサーボ信号T2をスキャナ2に印加して、試料8に
対する探針6の接触圧(荷重値)を一定に維持するフィ
ードバック制御機能、メモリ機能に取り込まれた変位信
号T1に基づいて、探針6先端が試料8表面に接触した
ときのコンタクト位置を算出する機能などを有してい
る。
【0013】なお、試料8は、ステージ20上にセット
されている。なお、ステージ20は、試料8をXY方向
(試料8の面方向)に移動するための移動機構(図示し
ない)を備える構成としても良い。
【0014】次に、本実施の形態のアプローチ方法につ
いて、図1及び図2を参照して説明する。本実施の形態
のアプローチ方法は、Z軸粗動機構12によってカンチ
レバー4の探針6を試料8方向に連続的に接近させる1
回のアプローチ動作中、変位センサ10(受光素子1
8)から出力される全ての変位信号T1をコントローラ
14に取り込みながら、この変位信号T1が予め設定し
た閾値Rになるまで探針6を試料8に接近させてZ軸粗
動機構12を停止させる。そして、この間にコントロー
ラ14に取り込まれた全ての変位信号T1に基づいて、
探針6先端が試料8表面に接触したときのコンタクト位
置Cを特定すると同時に、このコンタクト位置Cに基づ
いて走査時の適正な探針荷重値Lを設定する。
【0015】なお、閾値Rは、コンタクト位置Cを越え
て探針6先端が試料8表面に押し込まれた状態(確実に
圧接している状態)を示す値であり、この閾値Rは、カ
ンチレバー4のバネ定数に対応したカンチレバー4の変
位特性(カンチレバー4の撓み特性)を検出することに
よって、予め設定することができる。
【0016】また、適正な探針荷重値Lは、閾値Rに基
づいてコンタクト位置Cを特定した後に、このコンタク
ト位置Cを基準として、探針6先端を試料8表面に押し
込む量である。つまり、適正な探針荷重値Lは、確実に
探針6先端が試料8表面にコンタクトしている位置を示
す値であると共に、試料8の硬度等に応じて観察者が適
宜設定できる所望の値である。また、図1(b)に示す
ように、適正な探針荷重値Lに対応する変位信号(探針
荷重信号)は、コンタクト位置Cを示す変位信号と閾値
Rとの間に設定される。
【0017】以下、本実施の形態のアプローチ方法を具
体的に説明する。なお、本実施の形態において、Z軸粗
動機構12の粗動速度(カンチレバー4の探針6を試料
8に接近させる速度)は、一定とする。
【0018】まず、コントローラ14によって、探針6
先端と試料8表面との間を数ミリ程度離間させるよう
に、Z軸粗動機構12をZ方向に移動制御する。この状
態において、コントローラ14からZ軸粗動機構12に
制御信号T3を印加することによって、カンチレバー4
を支持したスキャナ2をZ方向に沿って移動させて、カ
ンチレバー4の探針6を試料8に接近させる(図2のス
テップS1)。
【0019】このようにカンチレバー4の探針6を試料
8に接近させると、探針6先端と試料8表面との間の相
互作用(例えば、原子間力、磁気力、粘着力、斥力、引
力など)によってカンチレバー4の自由端が変位するた
め、変位センサ10(受光素子18)からの変位信号T
1は、図1(b)に示すような特性を呈する。
【0020】コントローラ14は、変位センサ10(受
光素子18)から出力される全ての変位信号T1を取り
込みながら、この変位信号T1が閾値Rに達するまで、
Z軸粗動機構12を連続的に駆動させて探針6を試料8
に一気に接近させる(図2のステップS2)。
【0021】そして、変位信号T1が閾値Rに達したと
き、コントローラ14は、Z軸粗動機構12を停止制御
する(図2のステップS3)。次に、コントローラ14
は、Z軸粗動機構12を停止させるまでに取り込んだ全
ての変位信号T1に基づいて、探針6先端が試料8表面
に接触したときのコンタクト位置Cを算出する。
【0022】本実施の形態では、コンタクト位置Cの算
出方法として、経過時間に基づく算出法と微分算出法の
2つの方法を適用している。まず、経過時間に基づく算
出法は、閾値Rに達した時間t1から一定時間前t2の
信号出力をコンタクト位置Cの変位信号として算出する
方法である。
【0023】上述したようにコントローラ14には、閾
値Rに達するまでの時間経過に対応した全ての変位信号
T1が取り込まれているため、変位信号特性が急変する
コンタクト位置Cとその時間t2とを同時に算出して特
定することができる。
【0024】具体的には、Z軸粗動機構12の粗動速度
(カンチレバー4の探針6を試料8に接近させる速度)
をv(=一定)、時間t2から時間t1までの所要時間
をΔtとすると、時間t2から時間t1までにZ軸粗動
機構12が粗動した距離(探針6が試料8に接近した距
離)Δzは、Δz=v×Δtとなる。従って、時間t1
の位置からΔzだけ探針6をZ方向に戻した位置をコン
タクト位置Cとして算出して正確に特定することができ
る。
【0025】一方、微分算出法は、コントローラ14に
取り込んだ全ての変位信号T1に対して、空間的にフィ
ルタ処理を行ってノイズ成分を除去した後、微分処理を
施すことによってコンタクト位置Cを算出する方法であ
る。
【0026】この微分算出法としては、変位センサ10
(受光素子18)からの変位信号T1をローパスフィル
タ等を用いてリアルタイムに微分処理する方法が一般的
であるが、ノイズの影響によってずれた位置をコンタク
ト位置Cとして誤算出してしまうおそれがある。具体的
には、ノイズのレベルがある程度高い場合、実際のコン
タクト位置Cの変位信号もノイズと共にフィルタリング
され、変位信号の変化として捕らえることがでなくな
る。この場合、かなりの時間を経過した後でなければ、
変位信号の変化が表れなくなるため、実際のコンタクト
位置Cよりも遅れて表れた変位信号の変化位置が、あた
かも真のコンタクト位置であるかのように特定されてし
まう。このように特定された誤ったコンタクト位置で
は、探針6を試料8にある程度押し込んだ状態となって
しまう。従って、リアルタイムの微分算出法では、正確
なコンタクト位置Cを特定することはできない。
【0027】しかしながら、本実施の形態では、コンタ
クト位置Cの変位信号を含んだ全ての変位信号T1をコ
ントローラ14に空間的に確保しているため、その全て
の変位信号に対して空間的なフィルタ処理及び微分処理
を施すことによって、探針6先端が試料8表面に最初に
接触した変位信号の変化を正確に算出して、実際のコン
タクト位置Cの特定することができる。
【0028】上記の通り経過時間に基づく算出法、又
は、微分算出法を用いて、コンタクト位置Cを特定した
後、続けて又は同時に、コントローラ14は、そのコン
タクト位置Cに基づいて、走査時の適正な探針荷重値L
を設定する(図2のステップS4)。
【0029】探針荷重値(試料8表面に対する探針6の
接触圧)を設定する方法は、コンタクト位置Cから閾値
Rに達する間にコントローラ14に取り込まれた変位信
号T1のうち、探針荷重値Lに対応する所望の変位信号
(以下、探針荷重信号という)Lを特定し、その探針荷
重信号Lとなるように試料8に対する探針6の圧接状態
を調整する。
【0030】具体的には、変位信号T1が閾値Rとなる
までの履歴から、探針6先端が試料8表面に最初に接触
したコンタクト位置Cを算出した後に、このコンタクト
位置Cを基準として、センサ信号(変位信号T1)が適
正な探針荷重値(探針荷重信号)Lになるまでスキャナ
2をZ方向に縮め(図2のステップS4)、その時点で
サーボ状態とする(図2のステップS5)。
【0031】このように探針荷重値Lを設定しておけ
ば、従来のように改めて探針荷重値を設定すること無
く、上述したアプローチ動作に連続して試料8に対する
探針6の適正な荷重値の設定及び走査を行うことができ
る。
【0032】なお、探針荷重値は、以下のように求める
ことができる。 探針の変位(nm)=変位信号(V)×変位定数(nm
/V) 探針荷重値(nN)=探針の変位(nm)×探針のバネ
定数(nN/m) この場合、変位定数及びバネ定数は、探針6を含む装置
構成によって一意的に決定される。
【0033】このように本実施の形態によれば、探針6
を試料8方向に連続的に接近させている間に、コンタク
ト位置Cを越えて設定した閾値Rに達するまで、変位セ
ンサ10から出力される全ての変位信号T1を取り込ん
だことによって、連続した1回のアプローチ動作だけ
で、正確なコンタクト位置Cを短時間に特定すると同時
に、走査時の適正な探針荷重値Lを設定することが可能
な走査型プローブ顕微鏡のアプローチ方法を提供するこ
とができる。
【0034】なお、上述した実施の形態では、DC(Di
rect Contact)モード測定用の探針走査型プローブ顕微
鏡を想定したが、これに限定されることは無く、図3に
示すように、AC( Alternative Contact)モード測定
用の探針走査型プローブ顕微鏡にも本発明のアプローチ
方法を適用することが可能である。
【0035】図3(a)に示すように、本変形例の探針
走査型プローブ顕微鏡には、カンチレバー4を所望の共
振周波数で振動させるための励振用圧電素子22が設け
られている。
【0036】励振用圧電素子22は、コントローラ14
によって制御されており、コントローラ14から所定の
励振信号が印加されることによって、カンチレバー4を
所定の振動振幅で励振させることができるように構成さ
れている。
【0037】また、変位センサ10(受光素子18)か
らは、所定の振動振幅で励振しているカンチレバー4の
振動振幅の変化が所定の変位信号T1となって出力され
るようになっている。
【0038】なお、その他の構成は、上述した実施の形
態と同様であるため、その説明は省略する。本変形例の
アプローチ方法も上述の実施の形態と同様に、Z軸粗動
機構12によってカンチレバー4の探針6を試料8方向
に連続的に接近させる1回のアプローチ動作中、変位セ
ンサ10(受光素子18)から出力される全ての変位信
号T1をコントローラ14に取り込みながら、この変位
信号T1が予め設定した閾値Rになるまで探針6を試料
8に接近させてZ軸粗動機構12を停止させる。そし
て、この間にコントローラ14に取り込まれた全ての変
位信号T1に基づいて、探針6先端が試料8表面に接触
したときのコンタクト位置Cを特定すると同時に、この
コンタクト位置Cに基づいて走査時の適正な探針荷重値
Lとなるようにスキャナ2を縮ませ、サーボ状態とす
る。
【0039】本変形例では、コントローラ14に取り込
まれる変位信号は、図3(b)に示すような特性を呈す
る。なお、探針荷重値は、以下のように求める。 探針の振動振幅(nm)=変位信号(V)×変位定数
(nm/V) 探針荷重値(nN)=探針の振動振幅(nm)×振動振
幅定数(nN/m) その他の設定条件や具体的なアプローチ方法などは、上
述した実施の形態と同様であるため、その説明は省略す
る。
【0040】このように本変形例によれば、探針6を試
料8方向に連続的に接近させている間に、コンタクト位
置Cを越えて設定した閾値Rに達するまで、変位センサ
10から出力される全ての変位信号T1を取り込んだこ
とによって、連続した1回のアプローチ動作だけで、正
確なコンタクト位置Cを短時間に特定すると同時に、走
査時の適正な探針荷重値Lを設定することが可能な走査
型プローブ顕微鏡のアプローチ方法を提供することがで
きる。
【0041】また、上述した実施の形態(図1参照)及
び変形例(図3参照)では、Z軸粗動機構12の粗動速
度(カンチレバー4の探針6を試料8に接近させる速
度)を一定にした場合について説明したが、この粗動速
度を任意に変化(例えば、粗動開始時は早く、閾値Rに
近付くに従って遅くする)させても、上述した実施の形
態及び変形例と同様の作用効果を実現することができ
る。
【0042】具体的には、コンタクト位置Cの算出方法
として、経過時間に基づく算出法では、Z軸粗動機構1
2の現在位置(試料8表面に対する探針6先端の位置)
と、現在位置に対応した変位信号値と、変位信号の経過
時間とを組にしてコントローラ14に取り込んで置け
ば、これら各データ同士の相関がとれるので、正確なコ
ンタクト位置Cを短時間に算出することができる。ま
た、微分算出法では、Z軸粗動機構12の現在位置(試
料8表面に対する探針6先端の位置)と、現在位置に対
応した変位信号値とを組にしてコントローラ14に取り
込んで置けば、これら各データ同士の相関がとれるの
で、正確なコンタクト位置Cを短時間に算出することが
できる。
【0043】また、上述した実施の形態(図1参照)及
び変形例(図3参照)では、スキャナ2の初期状態を標
準状態(圧電体に電圧が印加されていない状態)として
考えていたが、特にこれに限定されるものではない。
【0044】例えば、上述の実施の形態からも分かるよ
うに、スキャナ2は、走査時の適正な探針荷重値Lまで
縮められる。つまり、このスキャナ2を縮めた状態を想
定して、スキャナ2を標準状態より予め所定の長さだけ
伸ばしておくことも本発明においては有効である。この
ような状態にスキャナ2の長さを設定することによっ
て、スキャナ2の可動範囲を有効に使用することが可能
となる。
【0045】また、上述した実施の形態(図1参照)及
び変形例(図3参照)では、探針走査型プローブ顕微鏡
について説明したが、試料走査型プローブ顕微鏡にも本
発明のアプローチ方法を適用することができる。
【0046】試料走査型プローブ顕微鏡の構成として
は、例えば、カンチレバー4を変位センサ10と共に固
定し、その下方において、Z軸粗動機構12上にスキャ
ナ2を配置し、このスキャナ2の可動端上に試料8をセ
ットする構成、又は、カンチレバー4を変位センサ10
と共にZ軸粗動機構12に固定し、その下方において、
スキャナ2の可動端上に試料8をセットする構成などが
適用できる。
【0047】なお、探針走査型プローブ顕微鏡の構成と
しても、例えば、カンチレバー4を変位センサ10と共
にスキャナ2の可動端に固定し、その下方において、Z
軸粗動機構12上に試料8をセットする構成でも良い。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、連続した1回のアプロ
ーチ動作だけで、正確なコンタクト位置を短時間に特定
すると同時に、走査時の適正な探針荷重値を設定するこ
とが可能な走査型プローブ顕微鏡のアプローチ方法を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の一実施の形態に係る走査型
プローブ顕微鏡の構成を概略的に示す図、(b)は、ア
プローチ動作時の変位信号の特性を示す図。
【図2】アプローチ動作のフローチャート。
【図3】(a)は、本発明の変形例に係る走査型プロー
ブ顕微鏡の構成を概略的に示す図、(b)は、アプロー
チ動作時の変位信号の特性を示す図。
【符号の説明】
4 カンチレバー 6 探針 8 試料 10 変位センサ 12 Z軸粗動機構 14 コントローラ 18 受光素子 T1 変位信号 R 閾値 C コンタクト位置 L 探針荷重値

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カンチレバーの探針を試料方向に連続的
    に接近させる1回のアプローチ動作中において、 所定の閾値に達するまで、カンチレバーの変位状態を示
    す全ての変位信号を取り込む信号取込工程と、 前記変位信号が前記閾値に達したとき、前記アプローチ
    動作を停止させる工程と、 前記信号取込工程において取り込まれた全ての変位信号
    に基づいて、前記探針の先端が前記試料の表面に接触し
    たときのコンタクト位置を算出して特定する工程と、 前記コンタクト位置に基づいて、走査時の探針荷重値を
    設定する工程とを有することを特徴とする走査型プロー
    ブ顕微鏡のアプローチ方法。
  2. 【請求項2】 前記閾値は、前記コンタクト位置を越え
    て前記探針の先端が前記試料の表面に押し込まれた状態
    を示す値であることを特徴とする請求項1に記載の走査
    型プローブ顕微鏡のアプローチ方法。
  3. 【請求項3】 前記走査時の探針荷重値に対応する変位
    信号は、前記コンタクト位置を示す変位信号と前記閾値
    との間で設定されることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の走査型プローブ顕微鏡のアプローチ方法。
JP10180409A 1998-06-26 1998-06-26 走査型プローブ顕微鏡のアプローチ方法 Withdrawn JP2000009742A (ja)

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JP10180409A Withdrawn JP2000009742A (ja) 1998-06-26 1998-06-26 走査型プローブ顕微鏡のアプローチ方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009019943A (ja) * 2007-07-11 2009-01-29 Sii Nanotechnology Inc 走査プローブ顕微鏡

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JP2009019943A (ja) * 2007-07-11 2009-01-29 Sii Nanotechnology Inc 走査プローブ顕微鏡

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