JPH0835974A - 走査型プローブ顕微鏡用探針アプローチ方法 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡用探針アプローチ方法

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JPH0835974A
JPH0835974A JP6169599A JP16959994A JPH0835974A JP H0835974 A JPH0835974 A JP H0835974A JP 6169599 A JP6169599 A JP 6169599A JP 16959994 A JP16959994 A JP 16959994A JP H0835974 A JPH0835974 A JP H0835974A
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cantilever
displacement
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JP6169599A
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Hisao Yoshino
寿生 吉野
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】カンチレバー及び測定試料の種類を問わず、高
精度且つ簡単に探針のアプローチ制御を行うことができ
る走査型プローブ顕微鏡用探針アプローチ方法を提供す
る。 【構成】圧電体を自然長にセットし(F1)、アプロー
チ機構部を停止制御させるためのしきい値電圧を初期設
定した後(F2)、アプローチ機構部を駆動させる(F
3)。カンチレバーの変位量に対応する変位信号としき
い値電圧とを監視して(F4)、相互に等しいときにア
プローチ機構部を停止制御し(F5)、圧電体を複数回
伸縮させる(F6)。このとき所定の変位信号が検出さ
れた場合(F7)、圧電体の伸縮動作を停止させた後、
探針と試料との間に相互作用が働かないように、圧電体
を所定量だけ縮ませる(F9)。一方、所定の変位信号
が検出されない場合(F7)、新たなしきい値電圧を設
定する(F8)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、測定試料を走査させる
前に、探針を測定試料に対して所定位置までアプローチ
するための走査型プローブ顕微鏡用探針アプローチ方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、探針と測定試料との間の相互作用
に基づいて、測定試料の表面情報を測定する走査型プロ
ーブ顕微鏡として、例えば原子間力顕微鏡(AFM)や
磁気力顕微鏡(MFM)等が知られている。
【0003】この種の走査型プローブ顕微鏡において、
探針と測定試料との間に作用する力の検出は、探針が力
を受けることによって生じるカンチレバー自由端の変位
を検出することによって行われている。
【0004】カンチレバー自由端の変位を検出する変位
検出光学系には、例えば干渉法、合焦検出法や角度検出
法等が適用されている。干渉法は、カンチレバーの自由
端裏面(即ち探針が設けられた面とは反対側の面)に設
けられたミラー面にレーザービームを照射し、カンチレ
バーの変位により生じる反射光の光路長変化を干渉計に
よって検出する方法である。
【0005】合焦検出法は、臨界角プリズムやシリンド
リカルレンズやナイフエッジ等の光学素子を介してカン
チレバーのミラー面にレーザービームを照射し、カンチ
レバーの変位により生じる反射光の合焦点状態を受光器
等によって検出する方法である。
【0006】角度検出法は、カンチレバーのミラー面か
ら反射した反射光の反射角変化を2分割受光素子によっ
て検出する方法である。このような各種変位検出方法の
中で一般的によく利用されているのが、角度検出法であ
る。以下、この角度検出法の1つである光てこ法を用い
た探針アプローチ方法について図4ないし図6を参照し
て説明する。
【0007】図4に示すように、一般的な走査型プロー
ブ顕微鏡には、走査前に探針2を測定試料4に対して所
定位置まで接近させるように、探針2を備えた光てこセ
ンサユニット6を昇降させるアプローチ機構部8が設け
られている。
【0008】このアプローチ機構部8を介して光てこセ
ンサユニット6を下降させることによって、探針2は、
その先端と試料4との間に働く相互作用力が一定の範囲
内に維持されるように、試料4に対して近付けられ位置
決めされる。
【0009】図4には、このようなアプローチ機構部8
を備えた走査型プローブ顕微鏡の全体の構成が概略的に
示されており、以下、その動作について説明を加える。
レーザードライバ10によって駆動されたレーザーダイ
オード12の出射レーザービームは、コリメートレンズ
14を介して平行光束に変換された後、対物レンズ16
によってカンチレバー18の裏面に設けられた反射面
(特に示さない)に集光される。
【0010】探針2と試料4との間に引力又は斥力が作
用していない場合、カンチレバー18に集光したレーザ
ービームは、上記反射面において焦点を結ぶ。カンチレ
バー18は、試料4に対して数度傾斜して位置付けられ
るように、カンチレバー支持台20に支持されているた
め、上記反射面から反射した反射レーザービームは、集
光レンズ22を介して2分割受光素子24に集光され
る。なお、この2分割受光素子24の受光部26は、集
光レンズ22の焦点位置よりも集光レンズ22側に位置
付けられている。
【0011】2分割受光素子24の受光部26に照射さ
れた反射レーザービームは、その光量に対応した電気信
号に変換され、プリアンプ28に出力される。プリアン
プ28に入力された電気信号は、ここで増幅され且つ所
定の演算が施された後、変位信号S1としてコントロー
ラ30に出力される。
【0012】コントローラ30に入力された変位信号S
1は、ここで所定の演算が施された後、サーボ信号S2
として圧電体32に出力され、また、画像信号S3とし
てホストコンピュータ34に出力される。
【0013】次に、アプローチ機構部8の動作について
図4ないし図6を参照して説明する。図4ないし図6に
示すように、ホストコンピュータ34からは、アプロー
チ動作コマンドがコントローラ30に送信され、コント
ローラ30内のアプローチ機構部駆動回路及び圧電体駆
動回路(図示しない)を駆動させる。
【0014】このとき、圧電体駆動回路によって圧電体
32は、自然長(圧電体固有の長さ)にセットされる
(F1)。更に、アプローチ駆動回路によってアプロー
チ機構部8は、図中矢印S方向に下降動作を開始する
(図5(a)参照)。
【0015】また、コントローラ30は、変位信号S1
が所定のしきい値電圧以上になったとき、アプローチ駆
動回路を介してアプローチ機構部8を停止制御させるよ
うにプログラムされる(F2)。
【0016】なお、圧電体32は、圧電体駆動回路を介
して印加される電圧が、プラス時に伸び、マイナス時に
縮むと共に、印加電圧がゼロの時には自然長となるよう
に構成されている。
【0017】いま、圧電体32を自然長に維持させた状
態でアプローチ機構部8を動作させると、アプローチ機
構部8は、移動部8aを下降動作させる(F3)。この
結果、圧電体32は、移動部8aの下降動作に伴って図
中矢印S方向に下降する。そして、圧電体32の移動と
共にカンチレバー18も移動するため、探針2は試料4
の表面近傍に接近することになる。
【0018】この間、カンチレバー18は、初め(初期
位置からxだけ図中矢印S方向に下降したとき)、試料
4との間で引力を受けた後、更に試料4に接近するに従
って斥力作用を受ける。そして、更に下降動作が続いて
初期位置からx′だけ図中矢印S方向に下降したとき、
探針2と試料4との間には、斥力作用が強く働く。この
結果、カンチレバー18は、探針2を試料4から離間さ
せる方向に変位する(図5(b),(c)参照)。
【0019】このとき、プリアンプ28からコントロー
ラ30に入力された変位信号S1には、予め設定された
上記しきい値電圧との間で比較演算が施される(F
4)。変位信号S1がしきい値電圧以上であった場合、
アプローチ駆動回路を介してアプローチ機構部8が停止
制御される(F5)。
【0020】そして、アプローチ機構部8を停止制御し
た状態で、圧電体駆動回路によって圧電体32にマイナ
ス電圧を印加して、圧電体32を所定量(y)だけ縮め
る(図5(d)参照)。かかる縮み制御は、走査開始前
に探針2や試料4を保護するために行われる動作であっ
て、その縮み量(y)は、探針2と試料4との間に相互
作用が働かない位置にカンチレバー18を位置付けられ
さえすればよく、その縮み量の大きさは適宜変更可能で
ある。
【0021】このように圧電体32を所定量(y)だけ
縮めることによって、探針2のアプローチ動作が完了す
る(F6)。そして、このようなアプローチ動作によっ
て位置付けられた探針2の位置を維持させるようにフィ
ードバック制御を行いつつ、探針2を試料4に対して走
査させることによって、試料4の表面情報を測定するこ
とが可能となる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アプロ
ーチ機構部8の下降動作によって探針2を試料4に接近
させる場合、同時に、光てこセンサユニット6も試料4
に接近することになる。この結果、2分割受光素子24
の受光部26には、カンチレバー18の反射面から反射
した反射レーザービームの他、カンチレバー18以外の
領域を通過して試料4から反射した反射光あるいはカン
チレバー18を透過して試料4から反射した反射光が、
試料4の反射率が高い場合に、同時に入射されることに
なる。
【0023】かかる入射光の光量は、光てこセンサユニ
ット6が試料4に接近するに従って増加するため、プリ
アンプ28から出力される変位信号S1も受光量の増加
に伴って大きくなる。
【0024】そして、かかる変位信号S1の大きさが上
記しきい値電圧以上となった場合、コントローラ30
は、アプローチ終了と誤認して、アプローチ駆動回路を
介してアプローチ機構部8を停止制御させてしまう場合
がある。
【0025】かかる弊害について図7を参照しつつ具体
的に説明する。なお、図7(a),(b)は、簡易のた
め、2分割受光素子24の受光部26のみを示し、この
受光部26には、第1及び第2の受光面26a,26b
が形成されていることを示す。
【0026】図7(a)に示すように、アプローチ前に
おいて、受光部26に形成されるスポットは、第2の受
光面26b側にずれており、第1及び第2の受光面26
a,26bから出力される第1及び第2の電気信号A1
,B1 が、A1 >B1 となるようにオフセット調整さ
れている。また、プリアンプ28により演算出力される
変位信号S1は、 S1= (A1 −B1)/ (A1 +B1)<0[V] になっている。
【0027】一方、図7(b)に示すように、アプロー
チ完了時において、受光部26に形成されるスポット
は、第1及び第2の受光面26a,26bに均等に形成
されており、第1及び第2の受光面26a,26bから
出力される第1及び第2の電気信号A2 ,B2 は、A2
=B2 となっている。従って、このときプリアンプ28
により演算出力される変位信号S1は、 S1= (A2 −B2)/ (A2 +B2)=0[V] になっている。
【0028】この結果、アプローチ機構部8を停止制御
させるしきい値電圧の設定値は、0[V]ということに
なる。このような条件の下、図7(c)に示すように、
光てこセンサユニット6が試料4に接近する過程におい
て、レーザーダイオード12から出射されたレーザービ
ームが、カンチレバー18を通過又は透過して試料4か
ら反射した後、試料4の反射率が高い場合、受光部26
の第1の受光面26aに徐々に入射することによって、
変位信号S1が0[V]となってしまう。
【0029】この場合、コントローラ30は、アプロー
チ終了と誤認して、アプローチ駆動回路を介してアプロ
ーチ機構部8を停止制御させてしまう。このような弊害
を除去するために、高反射率タイプのカンチレバーを使
用することが知られている。つまり、カンチレバーを透
過するレーザービームの光量を極力少なくすることで試
料からの反射光を減少させて、上記の弊害を除去するこ
とを目的としている。
【0030】しかし、高反射率タイプのカンチレバー
は、一般に、長さ100〜200μm、幅50μm、厚
さ0.4〜4μm程度のSi34 薄膜から成る微小部
品であり、その探針の長さは、約6μm程度である。
【0031】ここで、カンチレバーが長方形の薄板のと
き、その長さをL、厚さをt、幅をWとし、また、弾性
係数をEとすると、探針に作用する力fと、カンチレバ
ーの変位ΔZとの間の関係は、 ΔZ=4L3 f/Et3 W …(1) なる関係に規定される。
【0032】なお、力fは、探針先端の原子構造と試料
表面の原子構造との間の組み合わせ及びその距離によっ
て決まる物理・化学的力(摩擦力、吸着力、凝着力、静
電気力、ファンデルワールス力等)であり、その大きさ
は、10-5N/m〜10-12N/mの範囲に亘ってい
る。
【0033】このため、カンチレバー及びその変位検出
系には様々な対応が要求される。また、高反射率タイプ
のカンチレバーは、その両面又は片面に金(Au)等が
数百オングストロームの厚さでコーティングされている
関係上、上記(1)式における弾性係数Eが大きくなっ
てしまうという問題が発生する。
【0034】更に、カンチレバーを励振させる走査型プ
ローブ顕微鏡では、カンチレバーの機械的共振周波数
は、高い程良いと言われている関係上、金コートされて
共振周波数が低くなったカンチレバーは使用できないと
いった問題も起こる。
【0035】このように、高反射率タイプのカンチレバ
ーは、弾性係数又は機械的共振周波数がある狭い範囲に
決定されてしまうため、カンチレバー選択の自由度が狭
められてしまうといった問題がある。
【0036】本発明は、このような課題を解決するため
になされており、その目的は、カンチレバー及び測定試
料の種類を問わず、高精度且つ簡単に探針のアプローチ
制御を行うことができる走査型プローブ顕微鏡用探針ア
プローチ方法を提供することにある。
【0037】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、自由端に探針を有するカンチレバ
ー及びこのカンチレバーの変位を光学的に検出する変位
検出光学系を備えたセンサユニットと、このセンサユニ
ットを支持していると共に、所定の印加電圧によって伸
縮してセンサユニットを上下動させる圧電体と、この圧
電体を支持していると共に、前記圧電体を移動させるこ
とによって前記カンチレバーの探針を試料の表面近傍に
接近させて位置決めするアプローチ機構部とを具備した
走査型プローブ顕微鏡に適用される走査型プローブ顕微
鏡用探針アプローチ方法であって、前記圧電体を移動さ
せることによって、前記カンチレバーの探針を前記試料
に接近させる工程と、前記探針と前記試料との間の相互
作用によって生じる前記カンチレバーの変位を光学的に
検出し、その検出信号を出力する工程と、前記検出信号
の電圧レベルが一定レベルになったとき、前記圧電体の
移動を停止させる工程と、前記圧電体に所定の電圧を印
加して前記圧電体を伸縮させることによって、前記カン
チレバーを前記試料との間の相互作用で一定量変位させ
る工程と、前記カンチレバーの変位を光学的に検出し、
その変位信号を出力する工程と、前記変位信号をカウン
トすることによって、前記探針が前記試料から所望の相
互作用を受ける位置に位置付けられているか否かを検出
する工程と、前記探針が前記所望の相互作用を受ける位
置に位置付けられていない場合、再び、前記圧電体の移
動を再開させる工程と、前記探針が前記所望の相互作用
を受ける位置に位置付けられている場合、前記圧電体の
伸縮動作を停止させた後、前記探針と前記試料との間に
相互作用が働かないように、前記圧電体を所定量だけ縮
ませる工程とを有する。
【0038】
【作用】圧電体を移動させることによって、カンチレバ
ーの探針を試料に接近させる。このとき、探針と試料と
の間の相互作用によって生じる前記カンチレバーの変位
を光学的に検出し、その検出信号を出力する。検出信号
の電圧レベルが一定レベルになったとき、圧電体の移動
を停止させる。このとき、圧電体に所定の電圧を印加し
て圧電体を伸縮させることによって、カンチレバーを試
料との間の相互作用で一定量変位させる。カンチレバー
の変位を光学的に検出し、その変位信号をカウントする
ことによって、探針が試料から所望の相互作用を受ける
位置に位置付けられているか否かを検出する。探針が所
望の相互作用を受ける位置に位置付けられていない場
合、再び、圧電体の移動を再開させる。一方、探針が所
望の相互作用を受ける位置に位置付けられている場合、
圧電体の伸縮動作を停止させた後、探針と試料との間に
相互作用が働かないように、圧電体を所定量だけ縮ませ
る。
【0039】
【実施例】以下、本発明の一実施例に係る走査型プロー
ブ顕微鏡用探針アプローチ方法について、図1及び図2
を参照して説明する。なお、本実施例の説明に際し、図
4に開示された構成と同一の構成には、同一符号を付し
てその説明を省略する。
【0040】図1には、本実施例の走査型プローブ顕微
鏡用探針アプローチ方法が適用された走査型プローブ顕
微鏡システムの構成が開示されている。図1に示すよう
に、本実施例の走査型プローブ顕微鏡用探針アプローチ
方法は、自由端に探針2を有するカンチレバー18及び
このカンチレバー18の変位を光学的に検出する変位検
出光学系を備えた光てこセンサユニット6と、この光て
こセンサユニット6を支持していると共に、所定の印加
電圧によって伸縮して光てこセンサユニット6を上下動
させる圧電体32と、この圧電体32を支持していると
共に、この圧電体32を移動させることによって光てこ
センサユニット6に設けられたカンチレバー18の探針
2を試料4の表面近傍に接近させて位置決めするアプロ
ーチ機構部8とを具備した走査型プローブ顕微鏡に適用
されている。
【0041】このような構成によれば、図1及び図2に
示すように、ホストコンピュータ34から所定のコマン
ドが通信ボード36を介して制御部38(以下、CPU
という)に送信される。
【0042】CPU38は、圧電体駆動回路40を駆動
させて、圧電体32に電圧0[V]を印加する。このと
き、圧電体32は、自然長(圧電体固有の長さ)にセッ
トされる(F1)。
【0043】次に、CPU38は、アプローチ機構部駆
動回路42を介してアプローチ機構部8を停止制御させ
るためのしきい値電圧を初期設定するにあたり、その初
期しきい値電圧データをメモリ44より読み込む(F
2)。
【0044】この後、CPU38は、アプローチ機構部
駆動回路42を介してアプローチ機構部8を駆動させる
(F3)。この結果、移動部8aの移動と共に圧電体3
2が下降して、カンチレバー18の探針2を試料4に接
近させる。
【0045】この間、探針2と試料4との間には、これ
ら両者間の距離に対応した相互作用が働くため、カンチ
レバー18は、かかる相互作用によって変位する。この
変位は、変位検出光学系の構成である2分割受光素子2
4の受光量変化に基づいて検出される(詳しくは、図4
及び図7に関する明細書説明部分参照)。
【0046】2分割受光素子24によって受光されたレ
ーザービームは、その受光量に対応した電気信号に変換
された後、プリアンプ28を介して変位信号S1として
差動アンプ46に入力される。
【0047】一方、CPU38によって読み出された初
期しきい値電圧データは、D/A変換器48によってし
きい値電圧アナログ信号S2に変換されて差動アンプ4
6に入力される。
【0048】差動アンプ46に入力された両信号S1,
S2は、所定の差演算が施された後、A/D変換器50
によってデジタル変換されてCPU38に入力される。
CPU38は、入力信号に基づいて、変位信号S1の電
圧レベル(出力電圧)としきい値電圧アナログ信号S2
の初期しきい値電圧とを比べて(F4)、変位信号S1
の出力電圧が初期しきい値電圧と等しくなったとき、ア
プローチ機構部駆動回路42を介してアプローチ機構部
8を停止制御する(F5)。
【0049】次に、CPU38は、圧電体駆動回路40
を駆動させて、圧電体32に所定のパルス電圧を複数回
印加する。このとき、圧電体32は、所定のタイミング
で伸縮動作を繰り返す(F6)。
【0050】このとき、CPU38は、パルス電圧の立
ち上がりに同期して変位信号S1の立ち上がり変化をカ
ウント検出する(F7)。このカウント検出値がゼロ
(即ち、探針2が、試料4との間で生じる所望の相互作
用を受ける位置に位置付けられていないことを意味す
る)である場合、初期しきい値電圧を更新して新たなし
きい値電圧を設定する(F8)。そして、再び、アプロ
ーチ機構部駆動回路42を介してアプローチ機構部8を
駆動させ(F3)、上述した工程を繰り返えす。
【0051】一方、圧電体32の伸縮動作に同期した所
定の変位量がカウント検出されたとき、CPU38は、
圧電体駆動回路40を介して圧電体32の伸縮動作を停
止させた後、探針2と試料4との間に相互作用が働かな
いように、圧電体32を所定量だけ縮ませる(F9)。
なお、かかる縮み量は、探針2と試料4との間に相互作
用が働かない位置に圧電体32を位置付けられさえすれ
ばよく、その縮み量の大きさは適宜変更可能である。
【0052】本実施例によれば、上述したアプローチ動
作は、圧電体32の伸縮動作に同期した所定の変位量が
カウント検出されるまで繰り返されることになる。従っ
て、探針2を試料4に対して所望の距離に高精度にアプ
ローチさせることが可能となる。このため、従来のよう
なアプローチ誤認(アプローチ途中終了)を回避するこ
とができる。更に、本実施例は、一般的な走査型プロー
ブ顕微鏡の構成を殆ど変更させることなく利用すること
ができるため、カンチレバーや測定試料の種類に応じた
新たな構成を別途必要とすることもない。
【0053】なお、本発明は、上述した実施例の構成に
限定されることはなく、例えば、下記のように変更する
ことも可能である。即ち、図3に示すように、本変形例
に係る走査型プローブ顕微鏡用探針アプローチ方法は、
試料4からの反射光の増加に起因して変位信号S1の電
圧レベルが初期しきい値電圧以上に上昇して、アプロー
チ動作が途中で終了してしまった場合、レーザーダイオ
ード12の出射パワーを調整することによって、再度、
アプローチ動作を再開させることを特徴とする。
【0054】このため、本変形例が適用される走査型プ
ローブ顕微鏡システムには、レーザードライバ10を制
御する制御信号S3が出力されるように、CPU38と
レーザードライバ10とは、D/A変換器52を介して
相互に接続されている。
【0055】このような構成によれば、図2に示された
F8の工程即ちしきい値電圧更新工程の代わりに、レー
ザーパワー自動可変工程を設けることによって、変位信
号S1の電圧レベルが初期しきい値電圧以下になるよう
に、レーザードライバ10を制御して、レーザーダイオ
ード12のレーザーパワーを自動調光させることが可能
となる。なお、他の構成及び作用効果は、上記実施例と
同様であるため、その説明は省略する。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、アプローチ動作は、圧
電体の伸縮動作に同期した所定の変位量がカウント検出
されるまで繰り返されることになる。従って、探針を試
料に対して所望の距離に高精度にアプローチさせること
が可能となる。このため、従来のようなアプローチ誤認
(アプローチ途中終了)を回避することができる。更
に、本発明によれば、一般的な走査型プローブ顕微鏡の
構成を殆ど変更させることなく利用することができるた
め、カンチレバーや測定試料の種類に応じた新たな構成
を別途必要とすることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る走査型プローブ顕微鏡
用探針アプローチ方法が適用された走査型プローブ顕微
鏡システムの構成を示す図。
【図2】本発明の一実施例に係る走査型プローブ顕微鏡
用探針アプローチ方法の動作を示すフローチャート。
【図3】本発明の変形例に係る走査型プローブ顕微鏡用
探針アプローチ方法が適用された走査型プローブ顕微鏡
システムの構成を示す図。
【図4】カンチレバーの変位検出方法の1例である光て
こ法が用いられた一般的な走査型プローブ顕微鏡の構成
を示す図。
【図5】(a)〜(d)は、探針アプローチ動作の各工
程を示す図。
【図6】図4に示す走査型プローブ顕微鏡の探針アプロ
ーチ動作を示すフローチャート。
【図7】(a)は、図4に示す走査型プローブ顕微鏡の
探針アプローチ前のレーザースポット状態を示す図、
(b)は、探針アプローチ完了時のレーザースポット状
態を示す図、(c)は、図4に示す走査型プローブ顕微
鏡の探針アプローチ動作において、レーザーダイオード
から出射されたレーザービームが、カンチレバーを通過
又は透過して試料から反射した後、受光部の第1の受光
面に徐々に入射することによってアプローチ終了と誤認
される状態を示す図。
【符号の説明】
2…探針、4…試料、6…光てこセンサユニット、8…
アプローチ機構部、18…カンチレバー、32…圧電
体。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自由端に探針を有するカンチレバー及び
    このカンチレバーの変位を光学的に検出する変位検出光
    学系を備えたセンサユニットと、このセンサユニットを
    支持していると共に、所定の印加電圧によって伸縮して
    センサユニットを上下動させる圧電体と、この圧電体を
    支持していると共に、前記圧電体を移動させることによ
    って前記カンチレバーの探針を試料の表面近傍に接近さ
    せて位置決めするアプローチ機構部とを具備した走査型
    プローブ顕微鏡に適用される走査型プローブ顕微鏡用探
    針アプローチ方法であって、 前記圧電体を移動させることによって、前記カンチレバ
    ーの探針を前記試料に接近させる工程と、 前記探針と前記試料との間の相互作用によって生じる前
    記カンチレバーの変位を光学的に検出し、その検出信号
    を出力する工程と、 前記検出信号の電圧レベルが一定レベルになったとき、
    前記圧電体の移動を停止させる工程と、 前記圧電体に所定の電圧を印加して前記圧電体を伸縮さ
    せることによって、前記カンチレバーを前記試料との間
    の相互作用で一定量変位させる工程と、 前記カンチレバーの変位を光学的に検出し、その変位信
    号を出力する工程と、 前記変位信号をカウントすることによって、前記探針が
    前記試料から所望の相互作用を受ける位置に位置付けら
    れているか否かを検出する工程と、 前記探針が前記所望の相互作用を受ける位置に位置付け
    られていない場合、再び、前記圧電体の移動を再開させ
    る工程と、 前記探針が前記所望の相互作用を受ける位置に位置付け
    られている場合、前記圧電体の伸縮動作を停止させた
    後、前記探針と前記試料との間に相互作用が働かないよ
    うに、前記圧電体を所定量だけ縮ませる工程とを有して
    いることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡用探針アプ
    ローチ方法。
JP6169599A 1994-07-21 1994-07-21 走査型プローブ顕微鏡用探針アプローチ方法 Withdrawn JPH0835974A (ja)

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