JP2006220744A - 波長変換素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複雑な工程を省略して、簡単に波長変換素子を製造する。
【解決手段】先ず、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、基板10の上側部分の第1領域5aに水平面11a及び第2領域5bに傾斜面11bを形成して、基板の上側表面を水平面と傾斜面の周期構造にする。次に、基板の上側表面上に設けられた周期構造上にGe層20を形成する。次に、Ge層上に、第2領域の自発分極の方向が、第1領域の自発分極の方向に対して反転するように、GaAs層30を形成する。次に、GaAs層上に、第2領域の自発分極の方向が、第1領域の自発分極の方向に対して反転するように、第1クラッド層40、導波路層50、及び第2クラッド層60を順に形成する。
【選択図】図2
【解決手段】先ず、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、基板10の上側部分の第1領域5aに水平面11a及び第2領域5bに傾斜面11bを形成して、基板の上側表面を水平面と傾斜面の周期構造にする。次に、基板の上側表面上に設けられた周期構造上にGe層20を形成する。次に、Ge層上に、第2領域の自発分極の方向が、第1領域の自発分極の方向に対して反転するように、GaAs層30を形成する。次に、GaAs層上に、第2領域の自発分極の方向が、第1領域の自発分極の方向に対して反転するように、第1クラッド層40、導波路層50、及び第2クラッド層60を順に形成する。
【選択図】図2
Description
この発明は、波長変換素子の製造方法に関する。
波長変換装置を構成する波長変換素子として、周期的ドメイン反転構造が形成された光導波路によって、擬似位相整合(QPM:Quasi−Phase Matching)を実現して波長変換を行う、擬似位相整合型波長変換素子(以下、QPM型波長変換素子と称することもある。)が開発されている(例えば、非特許文献1又は非特許文献2参照)。
図4及び図5を参照して、従来の半導体素子の製造方法について説明する。
先ず、GaAsエピタキシャル基板70の(1、0、0)面71上に、エッチングストップ層として、AlGaAs層80を形成する。その後、AlGaAs層80上に、接着層としてGaAs層90を形成して第1構造体110とする(図4(A))。
次に、第1構造体110と、GaAs基板10とを燐酸処理した後、第1構造体110のGaAs層90と、GaAs基板10の(1、0、0)面11とを密着させて、室温で接着する。この接着では、GaAsエピタキシャル基板70の[0、1、1]軸が、GaAs基板10の[0、1、1]軸と平行になるようにする。なお、ここで行う燐酸処理によって、GaAs基板10の表面の酸化物が除去でき、さらに、GaAs基板10の表面付近のAs濃度が高くなるため、再酸化を防ぐことができる(図4(B))。
次に、GaAs基板10とGaAsエピタキシャル基板70が接着された第2構造体112に対して、750℃の水素雰囲気中で、2時間程度の熱処理を行う。その後、GaAsエピタキシャル基板70及びAlGaAs層80をウェットエッチングにより除去する(図4(C))。
次に、GaAsエピタキシャル基板70及びAlGaAs層80が除去されて露出したGaAs層90上に、フォトリソグラフィ技術により、周期構造を持つフォトレジストマスク100を形成する(図5(A))。
フォトレジストマスク100をマスクとしたエッチングにより、GaAs層90を選択的に除去する。このエッチングにより残存したGaAs層90を第1ドメインGaAs層92aと称する(図5(B))。
レジストパターン100を除去した後、GaAs層90が除去された部分を、GaAsで埋め込んで、第2ドメインGaAs層92bを形成する(図5(C))。
その後、GaAsバッファ層35、Al0.7Ga0.3As層(第1クラッド層)40、Al0.6Ga0.4As層(導波路層)50、Al0.7Ga0.3As層60(第2クラッド層)及びGaAsキャップ層65の順で有機金属気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)によって結晶成長する(図5(D))。
その後、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)によりリッジ導波路を形成する。
徐長青、武政敬三、中村幸治、篠崎啓助、和田浩、高森毅、岡山秀彰、上條健著「光通信用半導体擬似位相整合波長変換素子」信学技報、OCS96−67、1996年 Chang−quig Xu、Keizo Takemasa、Koji Nakamura、Hideaki Okayama and Takeshi Kamijoh著「AlGaAs Semiconductor Quasiphase−Matched Wavelength Converters」Japanese Journal of Applied Physics Vol.37(1998)pp.823−831、1998年3月
徐長青、武政敬三、中村幸治、篠崎啓助、和田浩、高森毅、岡山秀彰、上條健著「光通信用半導体擬似位相整合波長変換素子」信学技報、OCS96−67、1996年 Chang−quig Xu、Keizo Takemasa、Koji Nakamura、Hideaki Okayama and Takeshi Kamijoh著「AlGaAs Semiconductor Quasiphase−Matched Wavelength Converters」Japanese Journal of Applied Physics Vol.37(1998)pp.823−831、1998年3月
しかしながら、上述の従来例の波長変換素子の製造方法では、GaAs基板とGaAsエピタキシャル基板とを貼り合わせる前に、エッチングストップ層の形成や、水素雰囲気中での熱処理を行った後、基板のエッチングをするので、製造工程が複雑で、困難であるという課題がある。
この発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、この発明の目的は、複雑な工程を省略した、簡単な波長変換素子の製造方法を提供することにある。
上述した目的を達成するために、この発明の波長変換素子の製造方法は、以下の工程を備えている。先ず、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、半導体基板の上側部分の第1領域に水平面及び第2領域に傾斜面を形成して、半導体基板の上側部分を水平面と傾斜面の周期構造にする。次に、半導体基板の上側表面の周期構造上にGe層を形成する。次に、Ge層上に、第2領域内の自発分極の方向が、第1領域内の自発分極の方向に対して反転するように、GaAs層を形成する。次に、GaAs層上に、第2領域内の自発分極の方向が、第1領域内の自発分極の方向に対して反転するように、第1クラッド層、導波路層、及び第2クラッド層を順次に積層して形成する。
また、この発明の波長変換素子の他の好適実施例は、以下の工程を備えている。先ず、第1領域と第2領域に周期的に区画された半導体基板の上側表面上に、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、第2領域に開口部が設けられている絶縁膜マスクを形成する。次に、半導体基板の上側表面の、第2領域に設けられた開口部からの露出面上にSi層及びGaAs層を順次に積層して形成する。次に、絶縁膜マスクを除去する。次に、第1領域の、半導体基板の上側表面の領域上、及び、第2領域のGaAs層上に、第2領域内の自発分極の方向が、第1領域内の自発分極の方向に対して反転するように、第1クラッド層、導波路層、及び第2クラッド層を順次に積層して形成する。
この発明の波長変換素子の製造方法によれば、GaAs基板とGaAsエピタキシャル基板を貼り合わせる工程が不要であるので、エッチングストップ層の形成や、水素雰囲気中での熱処理の工程が不要となるなど、複雑で困難な工程を省略することができる。
また、バッファ層の形成と、第1クラッド層、導波路層及び第2クラッド層の形成とを、基板を大気に曝すことなく連続的に行えば、工程がさらに簡略化される。
以下、図を参照して、この発明の実施の形態について説明するが、各構成要素の構成および配置関係についてはこの発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例につき説明するが、各構成要素の組成(材質)および数値的条件などは、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は以下の実施の形態に限定されない。
(第1実施形態)
図1(A)、(B)、(C)及び(D)と図2(A)、(B)及び(C)は第1実施形態の波長変換素子の製造工程を説明するための概略図で、断面の切り口で示してある。
図1(A)、(B)、(C)及び(D)と図2(A)、(B)及び(C)は第1実施形態の波長変換素子の製造工程を説明するための概略図で、断面の切り口で示してある。
先ず、半導体基板としてGaAs基板10を用意する。なお、半導体基板として、Si基板、Ge基板、あるいは、InP基板を用いても良い。ここでは、GaAs基板10を、その上側表面が(1、0、0)面11である直方体状として説明する。図1(A)〜(D)及び図2(A)〜(C)では、断面を(0、1、1)面12とし、及び、GaAs基板10の紙面に対して右側の側面を(0、−1、1)面13とする。ここで、−1は、ミラー指数の1の上にバーをつけたものを表している。なお、GaAs基板10は、(1、0、0)面を[0、1、1]軸に対して10度程度まで傾斜させた傾斜基板としても良い(図1(A))。
次に、GaAs基板10の(1、0、0)面11上に、例えばCVD法などの任意好適な周知の方法でシリコン酸化(SiO2)膜15を形成する。その後、SiO2膜15上に、フォトレジスト17を塗布する(図1(B))。
次に、グラデーションマスクを用いたフォトリソグラフィにより、フォトレジスト17をパターニングして、第1領域5aに水平面18aと第2領域5bに傾斜面18bを周期的に有する傾斜型レジスト18に加工する(図1(C))。第1領域5a及び第2領域5bは、一組の連続した領域であって、この一組を基準として周期的に形成する。また、第1及び第2領域の大きさは、設計に応じて任意好適に設定すればよい。
次に、傾斜型レジスト18をマスクとして、SiO2膜15に対してドライエッチングを行う。このドライエッチングにより、SiO2膜15の一部分が除去されて、傾斜型絶縁膜マスク16になる。このドライエッチングにおいて、傾斜型レジスト18は、SiO2膜15の一部分とともに除去される。傾斜型レジスト18は、厚みの均一部分と厚みが連続的に低減する部分とを有しているので、SiO2膜15も傾斜型レジスト18の形状に合せてエッチングされる。従って、傾斜型絶縁膜マスク16のマスク形状は、エッチングされたSiO2膜15に転写される。よって、SiO2膜15は、このエッチングによって、傾斜型レジスト18の形状と同一形状の傾斜型絶縁膜マスク16となる。従って、傾斜型絶縁膜マスク16は、第1領域5aに水平面16aと第2領域5bに傾斜面16bを周期的に有している(図1(D))。
次に、下地であるGaAs基板10に対して、傾斜型絶縁膜マスク16を用いたドライエッチングを行い、GaAs基板10の上側部分のエッチングを行う。このとき、傾斜型絶縁膜マスク16も、GaAs基板10の上側部分とともに除去される。GaAs基板10の上側部分の形状は、傾斜型絶縁膜マスク16の形状と同様に、当該マスク16の形状を転写した形状になる。従って、GaAs基板10の上側表面は、第1領域5aに水平面11aと第2領域5bに傾斜面11bを周期的に有している。つまり、GaAs基板10の上側表面は、水平面11aと傾斜面11bの周期構造になる。ここで、傾斜面11bの傾斜方向は、[0、−1、1]軸を基準として形成される。また、傾斜面11bの水平面11aに対する、すなわち、傾斜面11bの[0、−1、1]軸に対する傾斜角度θは1〜10度程度とする(図2(A))。
エッチング後のGaAs基板10の(1、0、0)面11に形成された周期構造上に、バッファ層としてGe層20及びGaAs層30を順に成長させる。後述する過程で自発分極の反転を生じさせるために、Ge層20を、2nm以上の厚さに形成するのが好ましい。また、GaAs層30は、10nm以上の厚さに形成するのが好ましい。Ge層20及びGaAs層30の形成には、例えば、分子線エピタキシャル成長(MBE:Molecular Beam Epitaxy)装置を用いることができる。成長条件の詳細は、装置依存性があるため装置固有の最適条件とするが、例えば、Ge層20の成長温度を、400〜500℃程度とし、GaAs層30の成長温度を、400〜650℃程度とする(図2(B))。
GaAs基板10の上側表面の傾斜方向によって、その上に成長したGaAs層30の自発分極の方向が反転する。ここでは、第1領域5a内の自発分極、すなわち水平面11a上のGaAs層の部分の自発分極の方向が[1、0、0]軸方向であり、第2領域5b内の自発分極、すなわちエッチングにより形成された傾斜面11b上の自発分極の方向が[−1、0、0]軸方向であるとする。以下の説明では、第1領域5a、すなわち、自発分極の方向が[1、0、0]軸方向であるドメインを第1ドメインと称する。また、第2領域5b、すなわち、自発分極の方向が[−1、0、0]軸方向であるドメインを第2ドメインと称することもある。
図2(A)を参照して説明した、傾斜面11bの水平面11aに対する傾斜角度θは、第2ドメインの自発分極の方向が、第1ドメインの自発分極に対して反転するように設定されているものとしている。
次に、例えば、MBE装置を用いたエピタキシャル成長により、Al0.6Ga0.4As層(以下、第1クラッド層とも称する。)40、Al0.7Ga0.3As層(以下、導波路層とも称する。)50、及びAl0.6Ga0.4As層(以下、第2クラッド層とも称する。)60を順に形成する。
第1クラッド層40、導波路層50及び第2クラッド層60の自発分極の方向は、第1領域5a及び第2領域5bの領域毎に、各領域におけるGaAs層30の自発分極の方向に等しくなる(図2(C))。
なお、バッファ層の形成と、第1クラッド層40、導波路層50及び第2クラッド層60の形成は、真空を破らずに連続的に行っても良い。
第1ドメインと第2ドメインの周期的ドメイン反転構造を得た後、GaAsのキャップ層を形成した後、任意好適な周知の反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)により、リッジ導波路を形成する。このRIEにより露出する第1及び第2クラッド層40及び60と導波路層50の酸化を防ぐために、SiN膜を任意好適な周知のCVD法などで形成する。
なお、周期的ドメイン反転構造を得た後の工程は、従来公知なので、詳細な説明を省略する。
第1実施形態の波長変換素子の製造方法によれば、GaAs基板とGaAsエピタキシャル基板を貼り合わせる工程が不要であるので、エッチングストップ層の形成や、水素雰囲気中での熱処理の工程が不要となるなど、複雑で困難な工程を省略することができる。
また、バッファ層の形成と、第1クラッド層40、導波路層50及び第2クラッド層60の形成を、真空を破らずに、すなわち基板を大気に曝すことなく連続的に行えば、工程がさらに簡略化される。
ここでは、バッファ層等のエピタキシャル成長する層を、GaAs層としているが、InP層を用いても良い。また、傾斜型絶縁膜マスク16を形成せずに、GaAs基板10の(1、0、0)面11上に、直接、傾斜型レジスト18を形成しても良い。この場合、傾斜型レジスト18をマスクとして用いたドライエッチングにより、GaAs基板10の上側部分がエッチングされる。
(波長変換素子の動作)
上述の工程で形成した波長変換素子に、信号光に比べて短波長の光をポンプ光として用いると、周波数ωsの信号光と、周波数ωpのポンプ光との非線形光学効果により、周波数ωcの変換光が発生する。
上述の工程で形成した波長変換素子に、信号光に比べて短波長の光をポンプ光として用いると、周波数ωsの信号光と、周波数ωpのポンプ光との非線形光学効果により、周波数ωcの変換光が発生する。
例えば、周波数ωsに対応する、信号光の波長λsを1.55μmとし、周波数ωpに対応する、ポンプ光の波長λpを0.77μmとすると、変換光は、ωc+ωs=ωpを満たす、周波数ωcの差周波光となり、1/λc+1/λs=1/λpの式から、変換光の波長λcは、1.53μmとなる。
ここで、ポンプ光、信号光、及び変換光のそれぞれの波数kp、ks、及びkc間の波数差をΔk(=kp−ks−kc)とすると、波長変換素子を伝播した各光の位相差は、ΔkLとなる。ここで、Lは波長変換素子の素子長である。従って、伝播中に位相差が生じないためにはΔk=0とする必要がある。
nを周波数ωでの屈折率、cを光速度としたときに、波数kは、k=nω/cで表される。この関係を用いると、Δk=(npωp−nsωs−ncωc)/cが得られる。屈折率が光の周波数に依存して変化しないならば、ωc+ωs=ωpであるので、常に、Δk=0となる。しかし、実際には、屈折率は周波数依存性を有しており、Δkは0とはならないので、周期的ドメイン反転構造が形成された波長変換素子であるQPM型波長変換素子が使用される。この周期的ドメイン反転構造の周期をΛとすると、波数間の関係は、Δk=kp−ks−kc−2π/Λとなる。ここで、ポンプ光の特定の波長λp0に対して、kp0−ks0−kc0=2π/ΛとなるようにΛを設定すると、この特定のポンプ光の波長λp0では、Δk=0となり、大きな変換効率が得られる。
(第2実施形態)
図3(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)は第2実施形態の波長変換素子の製造工程を説明するための概略図で、断面の切り口で示してある。
図3(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)は第2実施形態の波長変換素子の製造工程を説明するための概略図で、断面の切り口で示してある。
先ず、第1実施形態と同様に、半導体基板としてGaAs基板10を用意する。なお、半導体基板として、Si基板、Ge基板、あるいは、InP基板を用いても良い。ここでは、GaAs基板10を、その上側表面が(1、0、0)面11である直方体状として説明する。図3(A)〜(E)では、断面を(0、1、1)面12とし、及び、GaAs基板10の紙面に対して右側の側面を(0、−1、1)面13とする。なお、GaAs基板10は、(1、0、0)面11を[0、1、1]軸に対して10度程度まで傾斜させた傾斜基板としても良い(図3(A))。
先ず、GaAs基板10の上側表面を、第1領域5a及び第2領域5bの連続する2つの領域を一組として、周期的な区画領域を設定しておく。
次に、GaAs基板10の(1、0、0)面11上の全面に、例えばCVD法などの任意好適な周知の方法でSiO2膜を形成する。その後、従来周知のフォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、SiO2膜を加工して第1領域5a内のSiO2膜の部分を残存させると共に、第2領域5b内のSiO2膜の部分をGaAs基板10の表面を露出させるまで除去することによって、絶縁膜マスク19を形成する。よって、残存するSiO2膜の部分で形成された絶縁膜マスク19は、第2領域5bに開口部19bを有している(図3(B))。
次に、GaAs基板10の(1、0、0)面11上に、絶縁膜マスク19を用いて、バッファ層として、Si層22及びGaAs層32を順次に成長させる。Si層22を、1nm以下の厚さに形成するのが好ましい。また、GaAs層30を、10nm以上の厚さに形成するのが好ましい。Si層22及びGaAs層32の積層の形成には、例えば、MBE装置を用いることができる。成長条件の詳細は、装置依存性があるため装置固有の最適条件とするが、例えば、Si層22の成長温度を、450〜550℃程度とし、GaAs層32の成長温度は、図2(B)を参照して説明した、第1実施形態のGaAs層(図2(B)では、符号30で示す。)と同様に、400〜650℃程度とする(図3(C))。
次に、絶縁膜マスク19を除去する(図3(D))。
その後、例えば、MBE装置を用いたエピタキシャル成長により、Al0.6Ga0.4As層(以下、第1クラッド層とも称する。)40、Al0.7Ga0.3As層(以下、導波路層とも称する。)50、及びAl0.6Ga0.4As層(以下、第2クラッド層とも称する。)60を順に形成する。
GaAs基板10の(1、0、0)面11上のSi層22の有無によって、その上に成長した第1クラッド層40、導波路層50及び第2クラッド層60の自発分極の方向が反転する。ここでは、第1領域5a内の自発分極、すなわちGaAs基板10の(1、0、0)面11上にSi層22を介さずに成長した第1クラッド層40、導波路層50及び第2クラッド層60の自発分極の方向が[1、0、0]軸方向であるとする。このとき、第2領域5b内の自発分極、すなわちSi層22を介して成長した第1クラッド層40、導波路層50及び第2クラッド層60の自発分極の方向は、反転して[−1、0、0]軸方向になる。
ここでは、第1領域5a、すなわち、自発分極の方向が[1、0、0]軸方向であるドメインを第1ドメインと称する。また、第2領域5b、すなわち、自発分極の方向が[−1、0、0]軸方向であるドメインを第2ドメインと称する(図3(E))。
第1ドメインと第2ドメインの周期的ドメイン反転構造を得た後、GaAsのキャップ層を形成した後、任意好適な周知の反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)により、リッジ導波路を形成する。このRIEにより露出する第1及び第2クラッド層40及び60と導波路層50の酸化を防ぐために、SiN膜を任意好適な周知のCVD法などで形成する。
なお、周期的ドメイン反転構造を得た後の工程は、従来公知なので、詳細な説明を省略する。
第2実施形態の波長変換素子の製造方法によれば、第1実施形態と同様にGaAs基板とGaAsエピタキシャル基板を貼り合わせる工程が不要であるので、エッチングストップ層の形成や、水素雰囲気中での熱処理の工程が不要となるなど、複雑で困難な工程を省略することができる。
ここでは、バッファ層等のエピタキシャル成長する層を、GaAs層として説明したが、InP層を用いても良い。
5a 第1領域
5b 第2領域
10 GaAs基板
11、71 (1、0、0)面
11a、16a、18a 水平面
11b、16b、18b 傾斜面
12 (0、1、1)面
13 (0、−1、1)面
15 SiO2膜
16 傾斜型絶縁膜マスク
17 フォトレジスト
18 傾斜型レジスト
19 絶縁膜マスク
19b 開口部
20 Ge層
22 Si層
30、32 GaAs層
35 GaAsバッファ層
40 第1クラッド層
50 導波路層
60 第2クラッド層
65 GaAsキャップ層
70 GaAsエピタキシャル基板
80 AlGaAs層
90 GaAs層
92a 第1ドメインGaAs層
92b 第2ドメインGaAs層
100 フォトレジストマスク
110 第1構造体
112 第2構造体
5b 第2領域
10 GaAs基板
11、71 (1、0、0)面
11a、16a、18a 水平面
11b、16b、18b 傾斜面
12 (0、1、1)面
13 (0、−1、1)面
15 SiO2膜
16 傾斜型絶縁膜マスク
17 フォトレジスト
18 傾斜型レジスト
19 絶縁膜マスク
19b 開口部
20 Ge層
22 Si層
30、32 GaAs層
35 GaAsバッファ層
40 第1クラッド層
50 導波路層
60 第2クラッド層
65 GaAsキャップ層
70 GaAsエピタキシャル基板
80 AlGaAs層
90 GaAs層
92a 第1ドメインGaAs層
92b 第2ドメインGaAs層
100 フォトレジストマスク
110 第1構造体
112 第2構造体
Claims (2)
- フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、半導体基板の上側部分の第1領域に水平面及び第2領域に傾斜面を形成して、前記上側部分を前記水平面と前記傾斜面の周期構造にする工程と、
前記周期構造上にGe層を形成する工程と、
前記Ge層上に、前記第2領域内の自発分極の方向が、前記第1領域内の自発分極の方向に対して反転しているように、GaAs層を形成する工程と、
前記GaAs層上に、前記第2領域内の自発分極の方向が、前記第1領域内の自発分極に方向に対して反転しているように、第1クラッド層、導波路層、及び第2クラッド層を順次に積層して形成する工程と
を備えることを特徴とする波長変換素子の製造方法。 - 第1領域と第2領域に周期的に区画された半導体基板の上側表面上に、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより、前記第2領域に開口部が設けられている絶縁膜マスクを形成する工程と、
前記半導体基板の上側表面の、前記開口部からの露出面上にSi層及びGaAs層を順次に積層して形成する工程と、
前記絶縁膜マスクを除去する工程と、
前記第1領域の、前記半導体基板の上側表面の領域上、及び、前記GaAs層上に、前記第2領域内の自発分極の方向が、前記第1領域内の自発分極の方向に対して反転しているように、第1クラッド層、導波路層、及び第2クラッド層を順次に積層して形成する工程と
を備えることを特徴とする波長変換素子の製造方法。
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JP (1) | JP2006220744A (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09179156A (ja) * | 1995-12-27 | 1997-07-11 | Ngk Insulators Ltd | 光導波路部品、第二高調波発生デバイスおよび光導波路部品の製造方法 |
JPH11183948A (ja) * | 1997-12-18 | 1999-07-09 | Oki Electric Ind Co Ltd | 波長変換素子の製造方法 |
JP2005115150A (ja) * | 2003-10-09 | 2005-04-28 | Univ Of Tokyo | 疑似位相整合型波長変換素子及びその製造方法 |
-
2005
- 2005-02-08 JP JP2005031897A patent/JP2006220744A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09179156A (ja) * | 1995-12-27 | 1997-07-11 | Ngk Insulators Ltd | 光導波路部品、第二高調波発生デバイスおよび光導波路部品の製造方法 |
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Title |
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