JP2001108950A - 半導体光スイッチの製造方法 - Google Patents

半導体光スイッチの製造方法

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JP2001108950A
JP2001108950A JP28843299A JP28843299A JP2001108950A JP 2001108950 A JP2001108950 A JP 2001108950A JP 28843299 A JP28843299 A JP 28843299A JP 28843299 A JP28843299 A JP 28843299A JP 2001108950 A JP2001108950 A JP 2001108950A
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multiple quantum
well structure
waveguide
optical switch
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Katsura Kaneko
桂 金子
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多重量子井戸構造におけるサブバンド間吸収
を十分大きくすることができ、光スイッチとしての動作
の安定化及び確実化をはかる。 【解決手段】 サブバンド間遷移によって近赤外域で光
吸収を起こす窒化物半導体の多重量子井戸構造を有する
GaN導波路を形成した半導体光スイッチであって、導
波路は、サファイア基板31上に、厚さ2μmのGaN
層32,井戸数50の第1の多重量子井戸構造33,厚
さ0.7μmのGaN層34,井戸数50の第2の多重
量子井戸構造35,厚さ0.7μmのGaN層36,井
戸数50の第3の多重量子井戸構造37,厚さ2μmの
GaN層38を順次積層して構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体光スイッチ
に係わり、特にサブバンド間遷移に伴う光吸収を利用し
た半導体光スイッチ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体レーザ,低損失光ファイ
バ,光ファイバ増幅器,高速集積回路などのオプトエレ
クトロニクス関連技術の発展により、毎秒10ギガビッ
トという大量の情報を長距離伝送することが可能となっ
ている。しかし、来るべきマルチメディア時代において
は、一般の末端利用者も高精細映像情報などの大量の情
報をリアルタイムで利用できることになるので、さらに
大容量の情報を伝送,処理できるインフラストラクチャ
の構築が必要になる。
【0003】光ファイバの広帯域性を生かして大容量の
情報伝送,処理を行うには、光周波数多重(光FDM)
技術や光時分割多重(光TDM)技術を用いるのが妥当
と考えられる。そこで、大規模で効率的な光FDMネッ
トワークや光TDMネットワークの実現に向けて、コン
パクトで高効率の波長変換素子,光制御型の超高速非線
形光スイッチなどの、新しい機能を有する光素子を開発
することが急務となっている。
【0004】このような素子として、電子のサブバンド
間遷移に伴う光吸収を応用した非線形光デバイスが考え
られる。サブバンド間吸収を利用することにより、応答
速度を速く、且つ非線形性を大きくすることができる。
【0005】このサブバンド間吸収層は、光通信で用い
られる近赤外域(1.55μm付近)の波長で動作する
必要がある。サブバンド間吸収については、InP基板
上に形成したInGaAs/AlAs量子井戸層を用い
てこの波長での吸収が報告されている(J.H.Smet et a
l., Appl.Phys.Lett., Vol.64, pp986-987(1994))。し
かしながら、この材料系の場合、サブバンド間の緩和時
間が数psと比較的長く、将来的に要求されるであろう
Tb/sの信号に対応することは不可能である。そこ
で、緩和時間が約100fsと理論的に予測されている
GaN系半導体を用いて量子井戸を形成する必要があ
る。
【0006】半導体光スイッチの基本的な構造は、図6
(a)に全体構成の平面図を、(b)に要部構成の断面
図を示すように、サファイア基板1上にGaN導波路2
を形成し、その上に多重量子井戸構造3を形成したもの
となっており、多重量子井戸構造3は導波路2の直上に
配置されている。
【0007】図7は、光がこの導波路を伝播する際の光
強度分布の様子を示す。導波路2内には基本モードが立
ち、光の強度は中心部分が最も強く、中心から外れるに
伴って強度は減少していき、多重量子井戸構造3の部分
では僅か10%程度の光しか入らないことか分かる。そ
のために、サブバンド間吸収の量も少なくなってしま
う。また、応答速度が速くなるに伴ってサブバンド間吸
収は小さくなる傾向があり、光スイッチが動作するのに
必要な吸収量を得ることは難しい。
【0008】多重量子井戸構造の井戸数を増やせば吸収
は増加するが、GaNとAlGaNの格子定数差が大き
いために結晶成長は難しい。特に、サブバンド間吸収波
長を1.55μmにするにはA1GaNのA1組成を大
きくする必要があり、Al組成0.85の場合では井戸
数を100にするとクラックが多発し、サブバンド間吸
収は起こらなくなってしまうことが、本発明者らの実験
により分かっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の半
導体光スイッチの構造では、多重量子井戸構造に十分な
光が入らないために、光スイッチが動作するのに必要な
量のサブバンド間吸収が得られないという問題があっ
た。また、サブバンド間吸収を増加させるために多重量
子井戸構造における井戸数を増やそうとしても、Al組
成の高いAlGaN/GaN多重量子井戸構造の井戸数
を増やすことは結晶成長上困難であった。
【0010】本発明は、上記事情を考慮して成されたも
ので、その目的とするところは、多重量子井戸構造に十
分な光が入り、スイッチ動作に必要な多量のサブバンド
間吸収が得られる構造を持つ半導体光スイッチを提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】(構成)上記課題を解決
するために本発明は次のような構成を採用している。
【0012】即ち本発明は、単結晶基板上に、サブバン
ド間遷移によって近赤外域で光吸収を起こす窒化物半導
体の多重量子井戸構造を有するGaN導波路を形成した
半導体光スイッチであって、前記多重量子井戸構造は、
前記GaN導波路内に複数個形成されていることを特徴
とする。
【0013】また本発明は、半導体光スイッチの製造方
法において、第1の単結晶基板上に、サブバンド間遷移
によって近赤外域で光吸収を起こす窒化物半導体の多重
量子井戸構造を少なくとも1つ有する第1のGaN導波
路を形成する工程と、第2の単結晶基板上に、サブバン
ド間遷移によって近赤外域で光吸収を起こす窒化物半導
体の多重量子井戸構造を少なくとも1つ有する第2のG
aN導波路を形成する工程と、第1及び第2のGaN導
波路を直接接着する工程とを含むことを特徴とする。
【0014】ここで、本発明の望ましい実施態様として
は次のものがあげられる。 (1) 多重量子井戸構造は、GaN井戸層とAlGaN障
壁層を積層したものであること。 (2) 複数個の多重量子井戸構造は、前記GaN導波路の
半分の高さの面を境に上下対称な位置に配置されている
こと。 (3) 単結晶基板は、サファイア基板であること。
【0015】(4) GaN導波路の直接接着を、多重量子
井戸構造が劣化しない500℃以下の温度で行うこと。 (5) GaN導波路の直接接着の際、多重量子井戸構造同
士を接着すること。
【0016】(作用)本発明によれば、GaN導波路内
に複数個の多重量子井戸構造を設けているので、1つの
多重量子井戸構造の井戸数に制限があっても、トータル
としての井戸数を数倍(多重量子井戸構造の個数倍)増
やすことができ、サブバンド間吸収量を十分に大きくす
ること可能となる。また、GaN導波路の最上層ではな
く、導波路の内部に多重量子井戸構造が埋め込まれるこ
とになるので、これによってもサブバンド間吸収量を増
やすことができる。
【0017】また、直接接着技術を用いて2つのGaN
導波路の多重量子井戸構造同士を接着すれば、2つの多
重量子井戸構造が連続形成されることになり、実質的に
1つの多重量子井戸構造の井戸数を2倍にすることがで
きる。
【0018】
【発明の実施の形態】実施形態を説明する前に、本発明
の基本原理について説明する。
【0019】窒化物半導体からなる量子井戸は、サブバ
ンド間遷移の緩和時間が速いため、次世代の超高速応答
が可能な光スイッチに適している。しかし、応答速度が
速くなるに伴いサブバンド間吸収は小さくなる傾向があ
り、従来の光スイッチの構造では吸収量が不十分であ
る。そこで、導波路内に多重量子井戸構造を形成するこ
とが、高速動作する光スイッチに有効な手段の1つであ
り、本発明はこれを実現するものである。
【0020】また、光通信波長1.55μmの付近にサ
ブバンド間吸収を持つ多重量子井戸構造を作製するに
は、AlGaN障壁層のAl組成を高くする必要があ
る。しかし、実際にAl組成を大きくすると、GaNと
の格子定数差が増大するために障壁層の結晶性が悪化
し、量子井戸界面、特にAlGaN上のGaNとの界面
の平坦性が悪化する。そして、井戸数が100個を越え
ると結晶の品質が著しく劣化し、サブバンド間遷移が起
こらなくなってしまうという問題があった。
【0021】本発明者らの実験によれば、井戸層を10
0個連続で結晶成長させるよりも、井戸層が50個の多
重量子井戸構造をGaN層を間に挾んで2つ成長させた
ものの方が、クラックは少なく且つサブバンド間吸収も
大きくなることが分かっている。従って本発明では、井
戸数50個程度の多重量子井戸構造を複数個並べて全体
の井戸数が100〜200個になるようにする構造を採
用した。
【0022】以下に、本発明の詳細を図示の実施形態に
よって説明する。
【0023】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1
の実施形態に係わる半導体光スイッチの素子構造を示す
断面図である。
【0024】サファイア基板11の上に、厚さ2μmの
GaN層12,多重量子井戸構造13,及び厚さ2μm
のGaN層14が順次積層されている。多重量子井戸構
造13は、Siを4×1010cm-3ドープした厚さ1.
5nmのGaN井戸層と、Alの組成が0.85、厚さ
が1.5nmのAlGaN障壁層とを50組積層するこ
とで構成されている。そして、このような結晶成長層が
幅5μm、高さ約5μmの導波路層を形成している。
【0025】本実施形態の光スイッチは、次のようにし
て作製することができる。まず、サファイア基板11上
に、常圧MOCVD法によりTMG(トリメチルガリウ
ム)とアンモニアガスを用いて、下部GaN層12を成
長する。
【0026】次いで、TMA(トリメチルアルミニウ
ム)を加えてAlGaN障壁層を成長し、その後TMA
を切りSiH4 を加えて、SiドープのGaN井戸層を
成長する。このサイクルを更に49回繰り返した後、A
lGaN障壁層を成長することにより、井戸数50の多
重量子井戸構造(MQW)13を形成する。その後、T
MGとアンモニアガスを用いて上部GaN層14を成長
する。
【0027】次いで、このMOCVD成長基板上にCV
D法にてSiO2 を堆積し、フォトリソグラフィーによ
り導波路のパターニングを行う。続いて、不要なSiO
2 を除去した後、RIE(反応性イオンエッチング)に
より高さ5μmの導波路を形成する。そして、残ったS
iO2 を除去することにより、図1の素子構造が完成す
る。
【0028】本実施形態では、多重量子井戸構造13が
導波路の最上層ではなく導波路の内部に形成されている
ので、多重量子井戸構造13に入る光の量を増やすこと
ができる。従って、サブバンド間吸収の量を増やすこと
ができる、スイッチ動作の安定化をはかることが可能と
なる。但し、本構造では従来素子と同様に、多重量子井
戸構造13における井戸数を増やすことはできず、この
点に改良の余地が残っている。以下の実施形態では、こ
の点をも改良している。
【0029】(第2の実施形態)図2は、本発明の第2
の実施形態に係わる半導体光スイッチの素子構造及び製
造工程を示す断面図である。なお、図1と同一部分には
同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0030】この実施形態の特徴は、MOCVD法と直
接接着法を用いて製造することである。まず、図2
(a)に示すように、第1の実施形態と同様にMOCV
D法により、サファイア基板上にGaN層と多重量子井
戸構造を順次積層したものを2枚用意する。即ち、サフ
ァイア基板11上に厚さ2μmのGaN層12及び井戸
数50の多重量子井戸構造13を順次積層した第1の基
板と、サファイア基板21上に厚さ2μmのGaN層2
2及び井戸数50の多重量子井戸構造23を順次積層し
た第2の基板を用意する。なお、多重量子井戸構造1
3,23を構成する井戸層及び障壁層の材料や厚さ等の
条件は、第1の実施形態と全く同様である。
【0031】次いで、第1の実施形態と同様の方法で、
これら2枚の基板に加工を施し、それぞれ導波路構造を
作製した後、メタノールとアルコールで洗浄し、水洗す
る。さらに、SH処理(SH4 :H2 2 :H2 O=
3:1:1,80度,1分間)し、水洗した後、水分が
残っている状態でマスクアライナーに乗せ、位置合わせ
を行いながら、2枚の基板の導波路部分が一致するよう
に貼り合わせる。
【0032】そして、貼り合わされた2枚の基板に1k
g/cm2 以上の荷重を加えた状態でアニール炉に入
れ、熱処理を行う。この熱処理は、窒素雰囲気中で多重
量子井戸構造の品質が劣化しない温度、例えば500度
で、30分間行った。接着は、水素結合若しくは酸素原
子を1原子層介した結合であり、光が伝幡する上で何の
悪影響も及ぼしたりはしない。
【0033】図2(b)は、このようにして作成された
光スイッチの構造を示し、導波路の中心に位置する多重
量子井戸構造20(13,23)の井戸数は100個に
なる。基板接着法を用いることで、結晶成長では困難で
あった井戸数100個の多重量子井戸構造20を形成す
ることが可能となり、量子井戸構造の品質も良好であ
る。光スイッチを動作させるには、井戸数が100個以
上必要と考えられ、この実施形態を採用すれば、目標の
井戸数を簡易に達成できる。
【0034】このように本実施形態によれば、多重量子
井戸構造を有する2つの導波路を基板直接接着技術によ
り接着することにより、従来困難であった井戸数100
個の多重量子井戸構造20を形成することができる。つ
まり、井戸数50個の2つの多重量子井戸構造13,2
3を連続配置したものは、井戸数100個の多重量子井
戸構造20が1つと見なすことができる。しかも、多重
量子井戸構造20が導波路の最上層ではなく導波路の内
部に形成されているので、多重量子井戸構造20に入る
光の量を増やすことができる。従って、サブバンド間吸
収の量を大幅に増やすことができる、スイッチ動作のよ
り一層の安定化をはかることが可能となる。
【0035】(第3の実施形態)図3は、本発明の第3
の実施形態に係わる半導体光スイッチの素子構造を示す
断面図である。
【0036】この光スイッチは、井戸数50の多重量子
井戸構造が、導波路の半分の高さの位置に1個、それか
ら等間隔離れた位置に1個ずつ形成されている。その製
造方法は、基本的には第1の実施形態と同様である。
【0037】サファイア基板31の上に、厚さ2μmの
GaN層32、井戸数50の第1多重量子井戸構造3
3、厚さ0.7μmのGaN層34、井戸数50の第2
多重量子井戸構造35、厚さ0.7μmのGaN層3
6、井戸数50の第3多重量子井戸構造37、厚さ2μ
mのGaN層38が順次積層されている。そして、第1
の実施形態と同様の方法により各層を一部エッチングす
ることにより、導波路構造が作製されている。なお、多
重量子井戸構造33,35,37を構成する井戸層及び
障壁層の材料や厚さ等は、第1の実施形態と全く同様で
ある。
【0038】多重量子井戸構造を3つに分けた本構造
は、全井戸数は150個となり、第2の実施形態のもの
よりも大きなサブバンド間吸収を得ることができる。さ
らに、3つの多重量子井戸構造33,35,37は、導
波路の中心線から対象な位置にあるので、基本モードの
光が伝播する。従って、第2の実施形態と同様若しくは
それ以上に、スイッチ動作の安定化をはかることが可能
となる。
【0039】(第4の実施形態)図4は、本発明の第4
の実施形態に係わる半導体光スイッチの素子構造及び製
造工程を示す断面図である。なお、図3と同一部分には
同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
【0040】本実施形態が、先に説明した第3の実施形
態と異なる点は、基板接着法を用いて作成したことであ
る。まず、図4(a)に示すように、第3の実施形態と
同様にMOCVD法により、サファイア基板上にGaN
層,第1多重量子井戸構造,GaN層,第2多重量子井
戸構造を順次積層したものを2枚用意する。即ち、サフ
ァイア基板31上に厚さ2μmのGaN層32,井戸数
50の第1多重量子井戸構造33,厚さ0.7μmのG
aN層34,井戸数50の第2多重量子井戸構造35を
順次積層した第1の基板と、サファイア基板41上に厚
さ2μmのGaN層42,井戸数50の第1多重量子井
戸構造43,厚さ0.7μmのGaN層44,井戸数5
0の第2多重量子井戸構造45を順次積層した第2の基
板を用意する。
【0041】次いで、第2の実施形態と同様の方法で、
これら2枚の基板に加工を施し、それぞれに導波路を形
成した後、表面の洗浄処理を行う。そして、洗浄した導
波路構造同士(ここでは多重量子井戸構造35,45)
を張り合わせ、加圧及び熱処理をすることで接着する。
加圧条件及び熱処理温度等は第2の実施形態と同様とし
た。
【0042】図4(b)は、このようにして作成された
光スイッチの構造を示し、導波路の中心に位置する第2
多重量子井戸構造40(35,45)は100個の井戸
数になり、3つの多重量量子井戸33,40,43を合
わせると全井戸数は、200個になる。
【0043】従って本実施形態では、第3の実施形態よ
りも大きなサブバンド間吸収を得ることができ、第3の
実施形態以上にスイッチ動作の安定化をはかることが可
能となる。図5は、本実施形態構造において、導波路に
光が伝搬した時の光強度分布の様子を示す。3つの多重
量子井戸構造33,40,43に多くの光が入射するの
が見て分かる。このことからも、本実施形態のように複
数の多重量子井戸構造を用いることの有用性は大であ
る。
【0044】なお、本発明は上述した各実施形態に限定
されるものではない。多重量子井戸構造はAlGaN/
GaNに限るものではなく、窒化物半導体からなる井戸
層と障壁層を交互に積層したものであればよい。また、
1つの多重量子井戸構造における井戸数は50に何ら限
定されるものではなく、クラック等が発生しない範囲で
適宜変更可能である。その他、本発明の要旨を逸脱しな
い範囲で、種々変形して実施することができる。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、G
aN導波路内に窒化物半導体からなる多重量子井戸構造
を複数個形成することにより、多重量子井戸構造におけ
るトータルの井戸数を増やすことができ、且つ多重量子
井戸構造に十分な光が入るようにでき、スイッチ動作に
必要な多量のサブバンド間吸収が得られる構造を実現す
ることが可能となる。従って、応答速度が極めて速く非
線形を有する光スイッチ素子のスイッチ動作の安定化を
はかることができ、光FDMネットワークや光TDMネ
ットワークの実現に寄与することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係わる半導体光スイッチの素
子構造を示す断面図。
【図2】第2の実施形態に係わる半導体光スイッチの素
子構造及び製造工程を示す断面図。
【図3】第3の実施形態に係わる半導体光スイッチの素
子構造を示す断面図。
【図4】第4の実施形態に係わる半導体光スイッチの素
子構造及び製造工程を示す断面図。
【図5】第4の実施形態において導波路に光が伝搬した
時の光の強度分布の様子を示す図。
【図6】従来の半導体光スイッチの全体構成を示す平面
図と要部構成を示す断面図。
【図7】図6の光スイッチにおける光の伝播の様子を示
す図。
【符号の説明】
11,21,31,41…サファイア基板 12,14,22,32,34,36,38,42,4
4…GaN層 13,23,33,35,37,43,45…多重量子
井戸構造 20,40…2つの多重量子井戸構造が接合された多重
量子井戸構造
【手続補正書】
【提出日】平成12年5月29日(2000.5.2
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 半導体光スイッチの製造方法
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体光スイッチ
に係わり、特にサブバンド間遷移に伴う光吸収を利用し
た半導体光スイッチの製造方法に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】本発明は、上記事情を考慮して成されたも
ので、その目的とするところは、多重量子井戸構造に十
分な光が入り、スイッチ動作に必要な多量のサブバンド
間吸収が得られる構造を持つ半導体光スイッチの製造方
を提供することにある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】即ち本発明は、半導体光スイッチの製造方
法において、第1の単結晶基板上に、サブバンド間遷移
によって近赤外域で光吸収を起こす窒化物半導体の多重
量子井戸構造を少なくとも2つ有し、且つそのうちの1
つを最表面に有する第1のGaN導波路を形成する工程
と、第2の単結晶基板上に、サブバンド間遷移によって
近赤外域で光吸収を起こす窒化物半導体の多重量子井戸
構造を少なくとも2つ有し、且つそのうちの1つを最表
面に有する第2のGaN導波路を形成する工程と、第1
及び第2のGaN導波路を、前記最表面の多重量子井戸
構造同士が接触するように、導波路厚さ方向に直接接着
する工程とを含むことを特徴とする。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単結晶基板上に、サブバンド間遷移によっ
    て近赤外域で光吸収を起こす窒化物半導体の多重量子井
    戸構造を有するGaN導波路を形成した半導体光スイッ
    チであって、 前記多重量子井戸構造は、前記GaN導波路内に複数個
    形成されていることを特徴とする半導体光スイッチ。
  2. 【請求項2】前記複数個の多重量子井戸構造は、前記G
    aN導波路の半分の高さの面を境に上下対称な位置に配
    置されていることを特徴とする請求項1記載の半導体光
    スイッチ。
  3. 【請求項3】第1の単結晶基板上に、サブバンド間遷移
    によって近赤外域で光吸収を起こす窒化物半導体の多重
    量子井戸構造を少なくとも1つ有する第1のGaN導波
    路を形成する工程と、 第2の単結晶基板上に、サブバンド間遷移によって近赤
    外域で光吸収を起こす窒化物半導体の多重量子井戸構造
    を少なくとも1つ有する第2のGaN導波路を形成する
    工程と、 第1及び第2のGaN導波路を直接接着する工程とを含
    むことを特徴とする半導体光スイッチの製造方法。
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