JP2006219987A - 排ガス処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排ガスの負荷変動に起因したアンモニアリークやNOx除去率の一時的低下の問題の発生を、還元触媒の使用量を増やすことなく防止して、アンモニアリークの問題がなく且つ高いNOx除去率を安定して維持することのできる排ガス処理装置を提供する。
【解決手段】脱硝触媒を備え排ガス発生源から送られる排ガスを処理して排ガス中のNOxを低減する脱硝部と、アンモニア供給手段による脱硝部へのアンモニアの供給量を排ガスの負荷に応じて増減するアンモニア供給手段制御部と、前記脱硝部の前段に配設され、その温度上昇により、吸着しているアンモニアを脱着し、その温度降下によりアンモニア吸着量が増加する特性を有するアンモニア吸蔵部とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ディーゼル車、ディーゼル発電機等の、窒素酸化物(NOx)を含む排ガスを発生すると共に排ガス負荷が変動する排ガス発生源を備えている装置に係り、特に脱硝触媒を備え前記排ガス発生源から送られる排ガスを処理して排ガス中のNOxを低減する脱硝部と、該脱硝部にその触媒作用に必要なアンモニアを供給するアンモニア供給手段と、該アンモニア供給手段によるアンモニアの供給量を排ガスの負荷に応じて増減するアンモニア供給手段制御部と、を備えた排ガス処理装置に関するものである。
この種の排ガス処理装置の従来技術文献として特表2002−513110号公報(特許文献1)が挙げられる。この文献には、脱硝触媒として、アンモニア選択還元触媒(Selective Catalytic Reduction 以下SCRと称す)を用いると共に、該還元触媒がディーゼルエンジンのエンジンサイクル中にアンモニアを吸着および脱着する性質も備えているものを用い、エンジンサイクル中にアンモニアの供給を間欠的に行うように構成された排ガス処理装置が記載されている。そして、前記還元触媒の前記性質とアンモニアの前記間欠的供給により、エンジンサイクルが低温になって前記還元触媒の触媒作用に必要なアンモニア量が少なくて足りる状態のときにはアンモニアの供給を停止し、このアンモニアが供給されない前記停止状態のときは前記還元触媒に吸着されたアンモニアがNOxの還元に使われるようにして、排ガス中のNOxの低減とアンモニアのリークを防止することができる旨記載されている。
なお、この文献には前記還元触媒としてアンモニア吸着・脱着能を有するものを用いることが発明の要部として記載されているが、通常の脱硝触媒(VがTiO担体で担持されたもの等)がアンモニア吸着・脱着能を有することは公知の事実である(例えば、特開平05―146634号公報の段落0013参照)。
また、特開平5−337336号公報(特許文献2)にも、排ガス中にアンモニアを添加し、これを脱硝用触媒に接触させてNOxを分解低減することが記載されている。
特表2002−513110号公報 特開平5−337336号公報
特表2002−513110号公報に記載された排ガス処理装置は、アンモニアのリーク低減を課題にしてはいるが、エンジン負荷の変動に際し、例えばディーゼル車の負荷制御装置がONからOFFに変わった瞬間に排ガス中のNOx含有量及び排ガス流量は減少し、それと同時にアンモニアの供給量も減少するように制御されるが、これらの制御のタイムラグについては全く考慮されていない。
上記と逆に、負荷制御装置がOFFからONに変わった瞬間に排ガス中のNOx含有量及び排ガス流量は増加し、それと同時にアンモニアの供給量も増加するように制御されるが、これらの制御のタイムラグについても全く考慮されていない。
前者のタイムラグは以下の問題を発生する。すなわち、排ガス中のNOx含有量及び排ガス流量(以下、排ガス負荷と称す)の減少にアンモニア供給量の減少が間に合わずにアンモニア過剰の状態が僅かの時間ではあるが発生する。この過剰アンモニアが前記アンモニア選択還元触媒のその時点におけるアンモニア吸着能を超える量である場合、アンモニアは該還元触媒をすり抜けてしまい、アンモニアリークの問題が発生する。
後者のタイムラグにより以下の問題を発生する。すなわち、排ガス負荷の増加にアンモニア供給量の増加が間に合わずにアンモニア不足の状態が僅かの時間ではあるが発生する。このアンモニアの不足量が前記還元触媒がその時点で吸着しているアンモニア量を超える場合、NOx還元が不十分となり、NOx除去率が一時的に低下する問題が発生する。
前記還元触媒の使用量を増やせばアンモニア吸着能を高めることができ、これにより排ガス負荷変動時のアンモニアリーク及びNOx除去率の一時的低下の問題を防止できるが、コストアップという現実的に大きな問題につながる。
上記タイムラグは、ディーゼル車、ディーゼル発電機等に搭載される、負荷制御装置のON―OFFをトリガーとしてアンモニア供給量を増減制御する構造の排ガス処理装置、更にはアンモニア供給手段として尿素を加水分解してアンモニアを生成する構造の排ガス処理装置において特に発生しやすい。また、ディーゼル車等で使用する還元剤としてアンモニアよりも安定性が高く、取り扱い易い尿素の加水分解に要するスペース(又は工程)について、特表2002−513110号公報においては、ほとんど考慮されていない。
後者の特開平5−337336号公報に記載された排ガス処理装置は、ゴミ焼却炉から排出される排ガスのように、排ガス温度、排ガス流量、排ガス中のNOx濃度がいずれもほぼ一定で負荷変動の少ない排ガスを処理対象とする技術であり、排ガスの負荷変動については全く考慮されていない。
本発明の目的は、ディーゼル車、ディーゼル発電機等のように排ガスの負荷が変動する排ガス発生源を備えているものを対象とし、排ガスの負荷変動に起因したアンモニアリークやNOx除去率の一時的低下の問題の発生を、還元触媒の使用量を増やすことなく防止して、アンモニアリークの問題がなく且つ高いNOx除去率を安定して維持することのできる、より省スペースな排ガス処理装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様は、窒素酸化物(NOx)を含む排ガスを発生すると共に排ガス中のNOx含有量が変動する排ガス発生源と、脱硝触媒を備え前記排ガス発生源から発生する排ガス中のNOxを低減する脱硝部と、該脱硝部にその触媒作用に必要なアンモニアを供給するアンモニア供給手段と、該アンモニア供給手段によるアンモニア供給量を排ガス中のNOx含有量に応じて増減させるアンモニア供給手段制御部と、前記脱硝部の前段で且つ前記アンモニア供給手段の後段に配設され、その温度上昇により吸着しているアンモニアを脱着し、その温度降下によりアンモニア吸着量が増加する特性を有するアンモニア吸蔵材を備えた排ガス処理装置である。
本発明によれば、NOxを含む排ガスは、アンモニア供給手段から供給されたアンモニアと共にアンモニア吸蔵部を通過して脱硝部に送られる。この際、アンモニア吸蔵部では、アンモニア吸蔵材によるアンモニアの吸着、若しくは脱着作用により、該吸蔵部出口アンモニア量がその入口アンモニア量に比べ、減少、若しくは増加する。そして、排ガス中のNOxは適量のアンモニアの存在下で選択還元触媒の触媒作用によってNに還元されて浄化され、装置外に排出される。
次に、排ガスの負荷が急激に変動した場合の動作を説明する。
先ず、排ガス負荷が急激に減少した場合を説明する。排ガス負荷の急激な減少は、排ガス発生源における排ガス温度の急激な低下により引き起こされる。この場合、排ガス負荷の減少にアンモニア供給量の減少制御が間に合わずにアンモニア過剰の状態が僅かの時間ではあるが発生する。この過剰アンモニアは、脱硝部の前段に設けられているアンモニア吸蔵部を通過する際に、アンモニア吸蔵材による吸着作用を受ける。すなわち、排ガス温度の低下によりアンモニア吸蔵材の温度が下がるためである。
従って、アンモニア吸蔵材によって前記過剰アンモニアのほとんどが吸着され、その状態の排ガスが後段の脱硝部に送られることになる。これにより脱硝部には適切な量のアンモニアが供給され、NOxの還元に消費され、アンモニアリークの問題は発生しない。
続いて、排ガス負荷が急激に増加した場合を説明する。排ガス負荷の急激な増加は、排ガス発生源における排ガス温度の急激な上昇により引き起こされる。この場合、排ガス負荷の増加にアンモニア供給量の増加制御が間に合わずにアンモニア不足の状態が僅かの時間ではあるが発生する。このアンモニア不足の排ガスは、脱硝部の前段に設けられているアンモニア吸蔵部を通過する際に、アンモニア吸蔵材からアンモニアの放出を受ける。これは、排ガス温度の上昇によりアンモニア吸蔵材の温度が上昇し、該吸蔵材に吸着していたアンモニアを脱着するためである。すなわち、アンモニア吸蔵部入口のアンモニア量に比べ出口量が増えることになり、NOx量の急激な上昇であっても適切な脱硝反応を行うことができるのである。
このように当該アンモニア吸蔵材はアンモニアバッファーとして機能する。
従って、アンモニア吸蔵材によってアンモニアの過不足を補填され、その状態の排ガスが後段の脱硝部に送られることになる。これにより脱硝部には常に適切な量のアンモニアが供給され、NOx還元を十分に行うことができ、安定したNOx除去率を維持することができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記排ガス発生源がディーゼルエンジンであり、前記アンモニア供給手段制御部は前記ディーゼルエンジンの負荷制御装置の動作に連動していることを特徴とする排ガス処理装置である。
本発明によれば、ディーゼルエンジンに適用される排ガス処理装置として、第1の態様と同様の作用効果が得られる。特に、前記アンモニア供給手段制御部は、負荷制御装置の動作によって排ガスの負荷が変動すると共に、該負荷の増加と同時に排ガス温度が上昇し、該負荷の減少と同時に排ガス温度が低下することを利用して、アンモニア吸蔵部を通過する排ガスによって当該アンモニア吸蔵部の温度が上下するように構成されているので、アンモニア吸蔵部の温度を上下するために新たな構成部品を全く必要とせずに、既存の構成部品で実現することができ、スペース的にもコスト的にも無駄がない。
本発明の第3の態様は、第1の態様または第2の態様において、前記アンモニア供給手段が、尿素水貯留部、および尿素水供給装置からなることを特徴とするものである。
尿素はアンモニア前駆体として自動車に貯蔵する上で、その取扱性、価格、発生アンモニア収率などにおいて好ましい形態である。アンモニア供給手段が尿素を加水分解してアンモニアを生成する構造のものは、直接アンモニアの供給する構造のものに比して排ガスの上記急激な負荷変動に対する応答性で少し劣るため、本発明の上記作用効果が顕著に得られる。
本発明の第4の態様は、第1の態様から第3の態様のいずれかにおいて、前記アンモニア吸蔵材は、Al、Si、Zr、Tiの各酸化物の群から選ばれた一つ以上の酸化物を含むことを特徴とするものである。
これらの酸化物は、アンモニアの吸着・脱着性能に優れ、価格的にも廉価であり、本発明に用いるアンモニア吸蔵材として最適である。
本発明の第5の態様は、第1の態様から第4の態様のいずれかにおいて、アンモニア吸蔵材は、尿素を加水分解する触媒を兼ねていることを特徴とするものである。例えば、アンモニア吸蔵材である上記Al、Si、Zr、Tiの各酸化物は、そのまま尿素を加水分解する触媒として機能する。本発明によれば、アンモニア吸蔵材は、尿素を加水分解する触媒を兼ねているので、必要構成部品を増やさずに済み、スペース的にもコスト的にも無駄がない。
本発明によれば、排ガスの負荷変動に起因したアンモニアリークやNOx除去率の一時的低下の問題の発生を、アンモニア選択還元触媒の使用量を増やすことなく防止して、アンモニアリークの問題がなく且つ高いNOx除去率を安定して維持することができる。
図1に基づいて、本発明に係る排ガス処理装置について詳細に説明する。図1は本発明に係る排ガス処理装置の一実施の形態を示すブロック構成図である。本実施の形態に係る排ガス処理装置は、窒素酸化物(NOx)を含む排ガスを発生すると共に排ガス負荷が変動する排ガス発生源1と、脱硝触媒11を備え前記排ガス発生源1から送られる排ガス12を処理して排ガス12中のNOxを低減する脱硝部10と、脱硝部10にその触媒作用に必要なアンモニアを供給するアンモニア供給手段5と、アンモニア供給手段5によるアンモニアの供給量を排ガスの負荷に応じて増減するアンモニア供給手段制御部4を備えている。
ここで、排ガス発生源1は、本実施の形態ではディーゼル車、又はディーゼル発電機等のディーゼルエンジン3である。脱硝触媒11は、公知のアンモニア選択還元触媒であり、具体的にはVやWOがTiO担体に担持されたものである。
アンモニア供給手段5は、尿素水貯留部6と尿素水供給装置7から構成され、排ガス12中へ尿素水を供給する。尿素水供給装置7は、例えば、固定流量ポンプを2つ用意し、1つは常時作動させておき、排ガス負荷上昇時にもう1つを作動させても良く、単純な構造で尿素水の供給量を増減できる。また、本実地の形態以外にも、アンモニアガスやアンモニア水を貯留、供給しても良いが、取扱い易さや価格面から尿素水が好ましい。
尿素水供給量の制御は、アンモニア供給手段制御部4からの信号bで行い、さらに、アンモニア供給手段制御部4は、ディーゼルエンジン3の負荷制御装置2(例えばアクセル)からの信号aを受け、制御されている。すなわち、ディーゼルエンジン3の負荷に応じ、尿素水の供給量を増減できるように構成されている。
ディーゼルエンジン3の負荷制御装置2がアクセルの場合、アクセルの動作、すなわちアクセルのON−OFF動作によって排ガスの負荷が変動する。アイドリング状態からアクセルONによって排ガスの負荷は増加し、排ガス中のNOx濃度が高まり、排ガス温度も上昇する。例えば排ガス温度は300℃〜400℃程度に上昇する。一方、アクセルOFFにより排ガスの負荷は減少し、排ガス中のNOx濃度は低下し、排ガス温度も低下する。例えば150℃〜300℃程度に低下する。
尚、上記アンモニア供給手段制御部4は、アクセル動作の信号aをトリガーとして排ガス負荷変動に応じたアンモニア供給量の制御を行う構成であるが、排ガスの温度を計測して該排ガス温度の上下変動に応じてアンモニア供給量の制御を行う構成にすることも可能であり、同様の作用効果が得られる。
本実施の形態に係る排ガス処理装置は、さらに、前記脱硝部10の前段で且つアンモニア供給手段5の後段にアンモニア吸蔵部8が配設されている。アンモニア吸蔵部8は、アンモニア吸蔵材9を備えている。アンモニア吸蔵材9は、その温度により、アンモニアを吸着、若しくは脱着する特性を有している。
具体的には、アンモニア吸蔵材9は、Al、Si、Zr、Tiの各酸化物(Al、SiO、ZrO、TiO等)の群から選ばれた一つ以上の酸化物を含む構成である。これら酸化物のアンモニアTPD曲線を図2に示す。この図2から、どの酸化物も“脱着アンモニア量/初期吸着アンモニア量”のピークが200〜300℃の範囲にあることが分る。すなわち、アンモニア吸蔵材9が300℃以上の場合、アンモニア吸着量はごく僅かである。そのため、アンモニア吸蔵材9を昇温することで、これまでの吸着していたアンモニアがほとんど脱着するのである。またその逆に、300℃以上の高温状態からアンモニア吸蔵材9の温度を下げると、アンモニアを吸着する作用が生じるのである。
また、本実施の形態に係る排ガス処理装置は、アンモニア吸蔵材9は、尿素を加水分解する触媒を兼ねて構成されている。アンモニア吸蔵材9である上記Al、Si、Zr、Tiの各酸化物(Al、SiO、ZrO、TiO等)は、130℃〜140℃より高い温度で尿素の加水分解を促進する触媒として機能する。本実施の形態によれば、アンモニア源として、取扱い易く、しかも安価である尿素水を使用することができる。また尿素分解のために、新たな構成部品も設ける必要がなく、構造がシンプルである。
次に、上記実施の形態に係る排ガス処理装置の作用を説明する。NOxを含む排ガス12は、通常はアンモニア供給手段5から供給された尿素水と共にアンモニア吸蔵部9を通過して脱硝部10に送られる。この際尿素はアンモニア吸蔵材9で加水分解し、アンモニアとなる。さらにアンモニアは、該アンモニア吸蔵材9に吸着され、排ガス12中のNOxは適量のアンモニアの存在下で脱硝触媒11の触媒作用によってNに還元されて浄化され、装置外に排出される。
ここで、排ガス負荷が高負荷でほぼ一定している時、すなわち排ガス12中のNOx濃度が高い状態でほぼ一定しているときは、アンモニア供給手段制御部4からの指令によりアンモニア供給手段5は尿素水の供給量を前記高負荷に見合う量に増加する。高負荷のときは排ガス12の温度も高くなる(通常は300℃〜400℃)。そのため、アンモニア吸蔵材9で尿素の加水分解から生じたアンモニアは、該アンモニア吸蔵材9にほとんど吸着されることなく、脱硝部10に供給される。さらに、脱硝部10では排ガス12により脱硝触媒11の温度が上昇しているため、触媒活性が高まり、高濃度のNOxが、それに見合う多量のアンモニアの供給を受けて高効率で還元されるのである。
一方、排ガス負荷が低負荷でほぼ一定している時、すなわち排ガス12中のNOx濃度が低い状態でほぼ一定しているときは、アンモニア供給手段制御部4からの指令によりアンモニア供給手段5が尿素水の供給量を前記低負荷に見合う量に減少する。低負荷のときは排ガス12の温度も低くなる(通常は150℃〜300℃)。そのため、アンモニア吸蔵材9で尿素の加水分解から生じたアンモニアは、該アンモニア吸蔵材9にほとんど吸着され、脱硝部10には僅かのアンモニアが供給される。さらに、脱硝部10は排ガス12により脱硝触媒11の温度が低下しているため、触媒活性も低く、低濃度のNOxが、それに見合う少量のアンモニアの供給を受けて還元されるのである。
次に、図3に基づいて、排ガスの負荷が急激に変動した場合を説明する。
先ず、排ガス負荷が急激に減少した場合を説明する。この場合、排ガス負荷の減少にアンモニア供給手段5からの尿素水供給量の減少制御が間に合わずに尿素過剰、すなわちアンモニア過剰の状態が僅かの時間ではあるが発生する(図3の符号20)。この過剰アンモニアは、脱硝部10の前段に設けられているアンモニア吸蔵部8を通過する際に、アンモニア吸蔵材9による吸着作用を受ける。これは、アンモニア吸蔵材9の温度が、排ガス12の温度低下に伴い、下がるためである。
従って、アンモニア吸蔵材9によって前記過剰アンモニアのほとんどが吸着され、その状態の排ガス12が後段の脱硝部10に送られることになる。これにより脱硝部10には適切な量のアンモニアが供給され、NOxの還元に消費され、アンモニアリークの問題は発生しない。当該アンモニア吸蔵部8を設けないと、図3に示した如くアンモニアリーク21が発生する。
次に、排ガス負荷が急激に増加した場合を説明する。この場合、排ガス負荷の増加にアンモニア供給手段5からの尿素水供給量の増加制御が間に合わずにアンモニア不足の状態が僅かの時間ではあるが発生する(図3の符号22)。このアンモニア不足の排ガス12は、アンモニア吸蔵部8を通過する際に、アンモニア吸蔵材9からアンモニアの放出を受ける。これは、アンモニア吸蔵材9の温度が排ガス12の温度上昇に伴い上がるためである。以上のように、当該アンモニア吸蔵材9はアンモニアバッファーとして機能する。
従って、アンモニア吸蔵材9によってアンモニアの過不足を補填され、その状態の排ガス12が後段の脱硝部10に送られることになる。これにより脱硝部10には適切な量のアンモニアが供給され、NOx還元を十分に行うことができ、安定したNOx除去率を維持することができる。当該アンモニア吸蔵部8を設けないと、図3に示した如くNOxの還元が不十分となり、還元されないNOx23を含んだ排ガス12が大気に排出されることになる。
図4は本発明に係る排ガス処理装置の他の実施の形態を示すブロック構成図である。本実施の形態では、アンモニア吸蔵材加熱装置14が更に設けられ、該アンモニア吸蔵材加熱装置14はアンモニア吸蔵材温度制御部13からの信号によりON−OFF制御されるようになっている。アンモニア吸蔵材温度制御部13は、前記アンモニア供給手段制御部4からの信号cで制御され、更にアンモニア供給手段制御部4は、既述のように、ディーゼルエンジン3の負荷制御装置2(例えばアクセル)からの信号aを受け、制御されている。すなわち、ディーゼルエンジン3の負荷に応じ、アンモニア吸蔵材加熱装置14はアンモニア吸蔵材温度制御部13を介してON−OFF制御されるように構成されている。
この実施例によれば、排ガス負荷が急上昇した場合、その変化が瞬時に前記信号a及び信号cによってアンモニア吸蔵材温度制御部13に送られ、アンモニア吸蔵材加熱装置14がONされて、アンモニア吸蔵材9が積極的に加熱される。これにより、アンモニアの脱着が促進される。従って、排ガス負荷の急上昇に迅速に追従した排ガス処理が行える。
上記実施の形態では本発明をシーゼル車に適用した場合を説明したが、これに限定されず、例えばディーゼルエンジンの発電機にも適用することができる。
本発明は、ディーゼル車等の、窒素酸化物(NOx)を含む排ガスを発生すると共に排ガス負荷が変動する排ガス発生源を備えている装置に利用可能である。
本発明に係る排ガス処理装置の一実施の形態を示すブロック構成図であり、ディーゼル車に適用した場合を示す。
アンモニア吸蔵材に吸着されたアンモニアの吸着アンモニア昇温脱離温度(NH−TPD)曲線を示す図である。
本発明に係る排ガス処理装置の作用説明の為の図である。
本発明に係る排ガス処理装置の他の実施の形態を示すブロック構成図である。
符号の説明
1 排ガス発生源
2 負荷制御装置
4 アンモニア供給手段制御部
5 アンモニア供給手段
8 アンモニア吸蔵部
9 アンモニア吸蔵材
10 脱硝部
11 脱硝触媒
12 排ガス
14 アンモニア吸蔵材加熱装置

Claims (5)

  1. 窒素酸化物(NOx)を含む排ガスを発生すると共に排ガス中のNOx含有量が変動する排ガス発生源と、
    脱硝触媒を備え前記排ガス発生源から発生する排ガス中のNOxを低減する脱硝部と、
    該脱硝部にその触媒作用に必要なアンモニアを供給するアンモニア供給手段と、
    該アンモニア供給手段によるアンモニア供給量を排ガス中のNOx含有量に応じて増減させるアンモニア供給手段制御部と、
    前記脱硝部の前段で且つ前記アンモニア供給手段の後段に配設され、その温度上昇により吸着しているアンモニアを脱着し、その温度降下によりアンモニア吸着量が増加する特性を有するアンモニア吸蔵材を備えた排ガス処理装置。
  2. 前記排ガス発生源がディーゼルエンジンであり、前記アンモニア供給手段制御部は前記ディーゼルエンジンの負荷制御装置の動作に連動していることを特徴とする請求項1に記載の排ガス処理装置。
  3. 前記アンモニア供給手段は、尿素水貯留部、および尿素水供給装置からなることを特徴とする請求項1または2に記載の排ガス処理装置。
  4. 前記アンモニア吸蔵材は、Al、Si、Zr、Tiの各酸化物の群から選ばれた一つ以上の酸化物を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の排ガス処理装置。
  5. 前記アンモニア吸蔵材は、尿素を加水分解する特性を有していることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の排ガス処理装置。
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