JP2006218331A - 外科用クリップの適用装置 - Google Patents

Abstract

【課題】外科手術時間および患者の安全性を最適化するクリップ適用組立体を提供する。
【解決手段】体組織に外科用クリップ１２を取り付けるためのクリップ適用組立体１０は、基端２０および先端２２を有する細長いハウジング１８と、第１および第２の顎装置３０とを含む。ハウジング１８にはクリップ１２の供給面２８が形成されている。顎装置はクリップ１２を取り付けるために開閉される。クリップ供給面２８から顎装置へクリップ１２を送るために駆動装置がハウジング内に配置される。ハウジングの先端から顎装置に沿って支持面７０が延在する。支持面７０は、顎装置へ向かって突出しかつ傾斜した頂面７８を有する隆起当接面７２を含んでおり、ハウジングが常に顎装置に初期荷重を作用させるように頂面７８は顎装置に押圧される。
【選択図】図３

Description

本発明は一般に体組織に外科用クリップ（挾子）を取り付けるためのクリップ適用組立体に関する。特に、本発明はクリップ適用組立体における適正な整合状態を保持するために、顎装置の一部分に沿って延在して、顎装置にハウジングを押圧する初期荷重を作用させる支持面を備えたクリップ適用組立体に関する。

外科用クリップを取り付けるクリップ適用組立体は外科分野において周知である。従来技術のクリップ適用組立体は基端および先端を有する細長いハウジングを含む。従来技術の組立体のハウジングはクリップ供給面も形成されている。それらの組立体は、ハウジングの先端から延在する顎装置と、クリップ供給面から、体組織に外科用クリップを取り付ける顎装置へ外科用クリップを送るためのハウジング内部のクリップ駆動装置も含んでいる。

従来技術のクリップ適用組立体は、ハウジングの先端の顎装置が自由な動きまたは浮動を許されているという点で十分ではない。すなわち、従来技術では、顎装置に初期荷重を作用させて顎装置の動きまたは浮動を防止するために顎装置に実質的に押圧される部材がクリップ適用組立体に全くない。外科用クリップが顎装置へ送られるときにクリップ供給面および顎装置が整合されていなければならないことは一般に理解される。適正な整合状態は、体組織に対する外科用クリップの適正な取り付けを保証する。従来技術の組立体における顎装置は初期荷重を作用されておらず、従って動くことを許されているために、それらの組立体内部の外科用クリップがクリップ供給面から顎装置へ誤給送されてしまうことが一般にある。顎装置への外科用クリップの誤給送はクリップ適用組立体内部での外科用クリップの詰まりを生じるか、体組織への外科用クリップの不適正な取り付けを生じることになる。このような２つの結末は、詰まりを解消するために必要な時間の点で、また外科用クリップの取付けミスが生じた場合には患者の安全の点で、機能不全となることがこの分野で理解されている。

従来技術のクリップ適用組立体に関する上述した機能不全が理由となって、ハウジングの先端から顎装置の一部分に沿って延在し、外科用クリップをクリップ供給面から顎装置へ適正に送ることができるように顎装置をクリップ供給面と整合状態に保持するために、顎装置に押圧されて初期荷重を作用させる支持面を含む新規なクリップ適用組立体を実現することが望まれる。顎装置は初期荷重を作用され、顎装置がクリップ供給面と常に整合状態にあることから外科用クリップは顎装置へ誤給送され得ないので、それなりに外科手術時間および患者の安全は最適化される。

クリップ適用組立体が開示される。本発明のクリップ適用組立体は１つまたは複数の外科用クリップを患者の体組織に取り付ける。このクリップ適用組立体は基端および先端を有する細長いハウジングを含む。このハウジングは、先端に隣接して配置されたクリップ供給面を形成される。クリップ適用組立体はハウジングの先端から延在し、少なくとも１つの顎チップ（顎の先端部分）に含まれている顎装置も含む。顎装置は第１および第２のレッグ（脚）を含むことが好ましい。クリップ駆動装置がハウジング内部に配置される。このクリップ駆動装置はクリップ供給面から顎装置へ外科用クリップを送り、クリップはその後に顎装置にて体組織に取り付けられる。

このクリップ適用組立体は、ハウジングの先端から顎装置の一部分に沿って延在する支持面をさらに含む。その位置で支持面は顎装置のその部分に押圧されて初期荷重を作用させ、すなわち、クリップ供給面と適正な整合状態に顎装置を保持するために一定の力を作用させる。換言すれば、ハウジングは顎装置に押圧されるように常に初期荷重を作用される。それなりに外科用クリップは誤給送されることなくクリップ供給面から顎装置へ適正に送られることができ、また外科用クリップは適正に、クリップ適用組立体内部で詰まりを生じることなく、体組織に取り付けられることができる。

本発明の他の利点は、以下の詳細な説明を参照し、添付図面に関連させて考えることにより一層よく理解されるので、容易に明白となるであろう。

図面を参照すれば、幾つかの図を通じて同じ符号は同様または同じ部分を示しており、クリップ適用組立体は全体を符号１０で示されている。クリップ適用組立体１０はこの分野では外科用クリップの適用装置１０としても参照されており、以下の説明ではそのように参照する。クリップ適用装置１０は患者の体組織に外科用クリップ１２（図５に単独に示されている）を取り付ける。勿論、クリップ適用装置１０は１つの外科用クリップ１２を取り付けることでときどき説明されるが、クリップ適用装置１０は患者に複数の外科用クリップを取り付けることもできることを理解しなければならない。この好ましい実施例のクリップ１２は図５に開示した形状のもので、クリップ・ベース１４およびクリップ・レッグ１６を含んでいる。

まず図１を参照すれば、クリップ適用装置１０は細長いハウジング１８、すなわち軸を含み、このハウジングは基端２０および先端２２を有する。ハウジング１８は射出モールド成形ポリカーボネートで形成されることが好ましい。ハウジング１８は上側半体２４および下側半体２６をさらに含む。要求されるわけではないが、ハウジング１８の上側半体２４および下側半体２６は互いにスナップ嵌め付けされることが好ましい。ハウジング１８は先端２２に隣接してクリップ供給面２８（図３に最も良く示されている）を形成されている。図示するように、クリップ供給面２８は図面で符号を付されていない第１および第２の分岐給送面を含む。外科用クリップ１２はクリップ供給面２８の近くでハウジング１８の内部、好ましくはカートリッジ内に収容されることを理解しなければならない。

図２を参照すれば、クリップ適用装置１０は顎装置３０をさらに含み、顎装置３０は少なくとも１つの顎チップ３２および少なくとも１つの顎ショルダ３４を含む。顎装置３０は患者の体組織に外科用クリップ１２を取り付けるために開閉される。顎ショルダ３４は角度を付されることができるが、この好ましい実施例の顎ショルダ３４は湾曲されている。これは以下にさらに説明される。顎装置３０はハウジング１８の先端２２から特定の角度で外方へ延在する。図示されるように、顎装置３０はハウジング１８の先端２２から外方且つ上方へ延在する。それなりに顎装置３０は下面３６を含むと説明されることができる。しかしながら以下に説明されるクリップ適用装置１０は回転式であるので、ハウジング１８から上方へ向いた顎装置３０の延在部分は説明のために用いられるだけであり、重要なことではない。顎装置３０は少なくとも１つのクリップ・トラック３８をさらに含む。本発明は２つのクリップ・トラック３８を含むことが好ましい。クリップ・トラック３８はクリップ供給面２８から外科用クリップ１２を受け入れる。外科用クリップ１２を体組織に取り付けるために顎装置３０が開閉されるときに外科用クリップ１２がクリップ・トラック３８内に配置される。

図１に戻って参照すれば、本発明のクリップ適用装置１０はハンドル４０および引き金４２と組合されて使用される。本発明の範囲を変更することなく何れの形式とすることができる引き金４２がハンドル４０に配置され、外科用クリップ１２をクリップ供給面２８から顎装置３０へ送ることを助成する。当業者に認識されるようにハンドル４０および引き金４２は回転機構４４によってクリップ適用装置１０のハウジング１８に対して回転可能である。さらに、クリップ適用装置１０とハンドル４０との間の取付けのために支持軸４６がハンドル４０とハウジング１８との間に任意に組み込むことができる。支持軸４６が含まれるならば、図１に示されるようにハンドル４０との連結のためにハウジング１８の基端２０が支持軸４６に取り付けられる。それなりに本発明のクリップ適用装置１０は或る量の外科用クリップ１２を使い果たした後に交換でき、ハンドル４０、引き金４２および支持軸４６は再使用できる。

顎装置３０は以下にさらに説明される第１および第２のレッグを含むことが好ましい。しかしながら、本発明の顎装置３０は本発明の範囲を変更することなく何れの数のレッグも含むことができることを理解しなければならない。この好ましい実施例の顎装置３０は第１の基端レッグ４８および第１の先端レッグ５０を特に含む。第１の顎チップ５２が顎装置３０の第１の先端レッグ５０に配置され、第１の顎ショルダ５４が第１の基端レッグ４８および第１の先端レッグ５０の間に形成されている。この好ましい実施例は第２の基端レッグ５６および第２の先端レッグ５８も含む。第２の顎チップ６０は顎装置３０の第２の先端レッグ５８に配置され、第２の顎ショルダ６２が第２の基端レッグ５６および第２の先端レッグ５８の間に形成されている。第１の顎ショルダ５４および第２の顎ショルダ６２は何れも湾曲されることが好ましい。

クリップ適用装置１０は、この分野でクリップ・プッシャとして知られているクリップ駆動装置６４も含み、クリップ駆動装置はクリップ供給面２８から顎装置３０へ外科用クリップ１２を送るためにハウジング１８の内部に配置される。ハウジング１８はガイド・トラック６６またはチャンネルも形成されており、このトラックはハウジング１８の中央に配置され、またクリップ供給面２８の第１および第２の分岐給送面の間に配置される。従って、ガイド・トラック６６はクリップ駆動装置６４が外科用クリップ１２をクリップ供給面２８から顎装置３０へ送る突起に６４を中央位置に保持する。本発明はクリップ・ガイド・フィンガ６８も組み込んでおり、クリップ・ガイド・フィンガは外科用クリップ１２が顎装置３０へ送られるときにクリップ供給面２８の分岐給送面の各々において外科用クリップ１２に対する圧力を保持することに使用される。認識されるように、クリップ駆動装置６４を作動させて外科用クリップ１２を顎装置３０へ送るために、引き金４２が作動される、すなわち引かれる。

図３を参照すれば、本発明は支持面７０を組み入れており、この支持面はハウジング１８の先端２２から顎装置３０の一部分、すなわち或る長さに沿って延在する。さらに詳しくは、支持面７０はハウジング１８の下側半体２６にてハウジング１８の先端２２から延在する。支持面７０は顎装置３０のその部分、特に顎装置３０の下面３６に対して一定の力を作用させることで押圧される。それなりに支持面７０は作用的且つ連続的に顎装置３０に初期荷重を作用させ、これにより顎装置３０が動く、すなわち浮動することを防止して、顎装置３０をクリップ供給面２８との整合状態に保持する。本出願の説明を通じて顎装置３０に初期荷重を作用させると論じる用語が使用されたときは、そのような用語は支持面７０が顎装置３０のその部分に押圧されてハウジング１８が常に顎装置３０に初期荷重を作用させることを示すことを意図する。支持面７０は顎装置３０のクリップ・トラック３８をクリップ供給面２８と整合させる。上述したように、クリップ適用装置１０が適正な整合状態にあるとき、外科用クリップ１２はクリップ供給面２８から顎装置３０のクリップ・トラック３８へ適正に送られることができる。

図３を参照すれば、支持面７０はパッドとも称される隆起した当接面７２を含む。この隆起当接面７２はそれが一体部分であるような支持面７０の直接の伸長部である。顎装置３０に初期荷重を作用させるために、隆起当接面７２は支持面７０から顎装置３０へ向かって突出している。図４に最も良く示されるように、顎装置３０を効果的に押圧するために、隆起当接面７２は支持面７０までの変化させた厚さを確定する。さらに詳しくは、この変化させた厚さは、図４に示されるように第１の厚さ７４および第２の厚さ７６として説明でき、顎チップ３２に最も近い第２の厚さ７６はクリップ供給面２８に最も近い第１の厚さ７４よりも厚い。隆起当接面７２は特定の傾斜Ｓを有する頂面７８を含む。頂面７８の傾斜Ｓは顎チップ３２へ向けて外方へ増大し、顎装置３０に初期荷重を作用させるために顎装置３０の部分に押圧される隆起当接面７２の頂面７８となる。頂面７８の傾斜Ｓの値は重要ではないが、頂面７８の傾斜Ｓがハウジング１８から顎装置３０の延在している角度に等しいかそれを超えることが重要である。

支持面７０は、その面が顎ショルダ５４，６２に接触しないようにそれらの顎ショルダ５４，６２のまわりを型どる輪郭部分８０をさらに含む。輪郭部分８０は第１の顎チップ５２および第２の顎ショルダ６２へ向かって顎ショルダ５４，６２の先で支持面７０が顎装置３０の部分に押圧されることを可能にしている。好ましい実施例におけるように、顎ショルダ５４，６２が湾曲されているならば、支持面７０および顎ショルダ５４，６２が互いに接触しないように輪郭部分８０は補完的な形状にて顎ショルダ５４，６２のまわりに湾曲される。しかしながら、顎ショルダ５４，６２が湾曲されていない場合には、支持面７０および顎ショルダ５４，６２が接触しない限りにおいて輪郭部分８０は角度を付与されることができる。

顎装置３０の第１の先端レッグ５０および第２の先端レッグ５８に関しては、隆起当接面７２は第１の先端レッグ５０および第２の先端レッグ５８に直接に初期荷重を作用させるために支持面７０から突出される。これを達成するために、隆起当接面７２は第１の支柱８２および第２の支柱８４を含む。隆起当接面７２の第１の支柱８２は顎装置３０の第１の先端レッグ５０に初期荷重を作用させ、隆起当接面７２の第２の支柱８４は顎装置３０の第２の先端レッグ５８に初期荷重を作用させる。

最後に、支持面７０は溝８６も形成されている。溝８６は第１の支柱８２および第２の支柱８４の間に配置され、好ましい実施例では溝８６は中央に位置されている。溝８６は外科用クリップ１２を取り付けるときに体組織を適当に受け入れる。

初期荷重の付与には、隆起当接面７２が幾分かの圧力を連続的に顎装置３０に作用させるようにする公差を必要とするだけである。顎装置３０は典型的に金属で作られ、顎装置３０のクリップ・トラック３８の配向に悪影響せずにハウジング１８の支持面７０から初期荷重を受ける。このように、隆起当接面７２の高さはクリップ・トラック３８とクリップ供給面２８との整合に悪影響を与えることなく或る「適当な範囲（window of opportunity）」内で変化できる。隆起当接面７２を含む支持面７０の使用によれば、隆起当接面７２の高さは±０．０１０の公差内に収まるべきことだけである。これまで、クリップ・トラック３８の位置公差は±０．０１０であり、クリップ供給面２８の位置公差は±０．０１５であるので公差合計は±０．０２５に等しかった。この結果、本発明はクリップ供給面２８と顎装置３０のクリップ・トラック３８との整合精度は約１６０％ほど改善する。

本発明は図解的に説明され、使用した用語は限定ではなく、説明の言葉が自然となるように意図された。

明らかなように、本発明の多くの変更および変形が上述の教示に照らして可能である。従って、特許請求の範囲の記載の範囲内で理解されるべきであり、符号は便宜のためだけのもので、どのようにも制限されるべきものではなく、本発明は特定した説明以外に実現することができるのである。

クリップ適用装置の斜視図である。 顎装置、および顎装置に押圧される支持面を図示しているクリップ適用装置の拡大した斜視図である。 顎装置が取り外され、支持面を十分に詳細に示しているクリップ適用装置の拡大斜視図である。 支持面を示すクリップ適用装置の側面図である。 本発明のクリップ適用装置で使用される外科用クリップの斜視図である。

Claims (1)

1. 体組織に外科用クリップを取り付けるためのクリップ適用組立体であって、
   基端および先端を有し、前記先端に隣接してクリップ供給面を形成された細長いハウジングと、
   前記ハウジングの前記先端から延在し、少なくとも１つの顎チップを含む顎装置と、
   前記クリップ供給面から前記顎装置へ外科用クリップを送るために前記ハウジング内部に配置されたクリップ駆動装置と、
   前記ハウジングの前記先端から前記顎装置の一部分に沿って延在し、外科用クリップを前記クリップ供給面から前記顎装置へ適正に送ることができるようにするために、前記顎装置に初期荷重を作用させるように前記部分に押圧されて前記顎装置を前記クリップ供給面と整合状態に保持する支持面とを含み、
   前記支持面は、前記顎装置に初期荷重を作用させるために該支持面から前記顎装置へ向かって突出する隆起当接面を含んでおり、また、
   前記顎装置は前記ハウジングの前記先端から或る角度で延在し、前記隆起当接面は傾斜を有する頂面を含み、前記顎装置に初期荷重を作用させるために前記頂面が前記部分に押圧されるように、前記少なくとも１つの顎チップへ向かって外側へ前記頂面の前記傾斜が増大しているクリップ適用組立体。

Images