JP2006216748A - 電気二重層キャパシタの電極用炭素複合粉及びその製造方法並びに、該炭素複合粉を用いた電気二重層キャパシタ。 - Google Patents
電気二重層キャパシタの電極用炭素複合粉及びその製造方法並びに、該炭素複合粉を用いた電気二重層キャパシタ。 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 アルカリ賦活のスケールアップ時における大きな体積の塊でも均熱性がよく、均一な賦活でき、高電気容量特に体積あたりの静電容量(F/ml)が大きく品質安定性、耐久性に優れた電気二重層キャパシタ電極用炭素複合粉および分極性電極材料を提供することにある。
【解決手段】一つは易黒鉛化性炭素化物に平均繊維径が200nm以下、アスペクト比が5〜500、結晶構造の層間距離が0.340nm以下、25℃における熱伝導率が400W/(m・K)以上である気相法炭素繊維を0.1〜20質量%混合する。この混合物を賦活してなる電気二重層キャパシタの電極用炭素複合粉である。
その二は液相置換法による真密度が1.50〜1.60g/cm3である易黒鉛化性炭素化物に、25℃における熱伝導率が400W/(m・K)以上である気相法炭素繊維を0.1〜20質量%混合する。この混合物を賦活してなる電気二重層キャパシタの電極用炭素複合粉である。
【選択図】 なし
【解決手段】一つは易黒鉛化性炭素化物に平均繊維径が200nm以下、アスペクト比が5〜500、結晶構造の層間距離が0.340nm以下、25℃における熱伝導率が400W/(m・K)以上である気相法炭素繊維を0.1〜20質量%混合する。この混合物を賦活してなる電気二重層キャパシタの電極用炭素複合粉である。
その二は液相置換法による真密度が1.50〜1.60g/cm3である易黒鉛化性炭素化物に、25℃における熱伝導率が400W/(m・K)以上である気相法炭素繊維を0.1〜20質量%混合する。この混合物を賦活してなる電気二重層キャパシタの電極用炭素複合粉である。
【選択図】 なし
Description
本発明は電気二重層キャパシタ(電気二重層コンデンサともいう)の電極材料として有用な炭素複合紛に関する。更に詳しくは高電気容量、高耐久性、均一性に優れるキャパシタ用電極材料として好適に使用できる炭素複合紛、それを使用した分極性電極材料、電気二重層キャパシタ用電極(分極性電極)、その電極を有する電気二重層キャパシタ、その用途に関する。
電気二重層キャパシタは急速充放電が可能、過充放電に強い、化学反応を伴わないために長寿命、広い温度範囲で使用可能、重金属を含まないため環境に優しいなどのバッテリーにはない特性を有しており、従来からメモリーバックアップ電源等に使用されている。さらに近年では、大容量化開発が急激に進み、高性能エネルギーデバイスへの用途開発が進められ、太陽電池や燃料電池と組み合わせた電力貯蔵システム、ハイブリットカーのエンジンアシスト等への活用も検討されている。
電気二重層キャパシタは、活性炭等から作られた1対の正極と負極の分極性電極を、電解質イオンを含む、溶液中でセパレータを介して対向させた構造からなっている。電極に直流電圧を印加すると正(+)側に分極した電極には溶液中の陰イオンが、負(−)側に分極した電極には溶液中の陽イオンが引き寄せられ、これにより電極と溶液との界面に形成された電気二重層を電気エネルギーとして利用するものである。
従来の電気二重層キャパシタはパワー密度に優れている反面、エネルギー密度が劣っているという欠点があり、エネルギーデバイス用途への活用に際しては、更なる大容量化開発が必要である。電気二重層キャパシタの容量を大きくするには溶液の間で多くの電気二重層を形成する電極材料の開発が不可欠である。
したがって、より多くの電気二重層を形成すべく、比表面積の大きい活性炭の使用が検討されてきたが、このような活性炭は質量あたりの電気容量(F/g)に優る反面、電極密度の低下を招く為に体積あたりの電気容量(F/ml)がそれほど大きくならないという欠点を有していた。
したがって、より多くの電気二重層を形成すべく、比表面積の大きい活性炭の使用が検討されてきたが、このような活性炭は質量あたりの電気容量(F/g)に優る反面、電極密度の低下を招く為に体積あたりの電気容量(F/ml)がそれほど大きくならないという欠点を有していた。
一方、結晶の層間距離d002が0.365nm〜0.385nmである黒鉛類似の微結晶を有する活性炭をアルカリで賦活することによって製造し、分極性電極の原料とすることが提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。該活性炭を分極性電極の原料とした電気二重層キャパシタは、体積あたりの静電容量(F/ml)が大きいという点で優れた原料であるといえる。
しかし、これらアルカリ賦活で製造層する活性炭は実験室的には製造できても工業的に採用し得る製造方法は満足すべきものではなかった。
しかし、これらアルカリ賦活で製造層する活性炭は実験室的には製造できても工業的に採用し得る製造方法は満足すべきものではなかった。
即ち、特許文献4には、攪拌、加熱機構、窒素導入管を備えたバッチ式縦型反応炉を用いた実施例が示されているが、炭素質原料と水酸化カリウムの混合物は熱伝導率が低いため、バッチ式でのスケールアップ時には大きな体積の塊では、均熱がとれないため均一な賦活は難しく品質安定性を得る工業的な製造方法としては採用しがたい。また、特許文献5には、炭素質原料及び水酸化カリウム共存物からロータリーキルンを用いて活性炭を製造する方法が示されているが、昇温時に起るアルカリ溶解物の発泡や再溶融が起こりロータリーキルン内に反応生成物が付着するため、工業的には採用しがたい。
特許文献6には、トンネル炉内に炭質原料と水酸化カリウム混合物を入れた容器を移動させアルカリ賦活処理を行う製造装置が示されているが、炭素質原料と水酸化カリウム混合物は熱伝導率が低いため容器のスケールアップ時には大きな体積の塊では均熱がとれないため均一な賦活は難しく、品質安定性を得る工業的な製造方法としては採用しがたい。また、特許文献7には、炭素質原料と水酸化カリウム混合物を二軸式混練熱処理部(常温から400〜500℃)、固化した原料の定温加熱を行うスクリューフィーダ部(400〜500℃)、高温熱処理部(600〜900℃)の3段階で熱処理しアルカリ賦活する活性炭の製造方法及び製造装置が示されているが、昇温時に起るアルカリ溶解物が二軸式混練熱処理部、スクリューフィーダ部内に付着するため生成物の排出が十分であるため、二軸式混練熱処理部、スクリューフィーダ部が連続的に使用される場合、反応生成物と未反応物が混入されるため均一な賦活が難しく、品質安定性を得る工業的な製造方法としては採用しがたい。
また、特許文献8には、炭素原料と水酸化カリウムを混練機や押出機などの予備連続賦活処理装置にて485℃以上530℃以下の温度処理した後に連続コンベア賦活炉にて600℃以上1000℃以下の温度で連続処理を行いBET比表面積2000m2/g以上の高比表面積活性炭を製造する方法が示されている。然るに専用の予備賦活装置で中間体を生成した後に本賦活装置に入れ替えなければならいため、工業的プラントに適用するためには工程が煩雑になるだけでなく、予備賦活装置と本賦活装置の両方の設備を要するため設備投資コストが膨大になる。
また、本出願人の特許文献9には、炭素質原料及びアルカリ金属化合物を含む組成物に繊維状物質を添加することで賦活中のアルカリ融液の膨張を抑えアルカリ賦活法活性炭の生産性を向上すること、炭素繊維状を添加して賦活することで活性炭の表面に繊維状物質を融着している活性炭が製造可能となることが示されている。確かに繊維状物質を添加することで賦活中のアルカリ融液の膨張を抑えることは工業的プラントに適用するためには生産性の面で有意義な発明であるが、スケールアップ時にも均一なアルカリ賦活が可能となり、体積当たりの静電容量(F/ml)が大きく品質安定性に優れた活性炭を得ることができる。しかし、大量の製品を均一に賦活し、一層優れた品質にするためには、更なる改良が望まれていた。
特開平11−317333号公報
特開2000−68164号公報
特開2000−68165号公報
特開平2−97414号公報
特開平5−258996号公報
特許第3276981号公報
特開2001−163612号公報
特許3619504号公報
特開2003−160323号公報
特許文献9には種々の炭素質原料に繊維状物質を加えて賦活する活性炭の製造法が記載され、炭素質原料としては多くの原料の中に石炭系コークスや石油コークスも記載され、また繊維状物質にも多くのものがあるが、その中には気相法炭素繊維も記載されている。しかし、一層優れた特性の製品を得るためには原料の種類や特性の選択、組み合わせが必要である。
本発明は、アルカリ賦活のスケールアップ時における大きな体積の塊でも均熱が得られ均一な賦活でき、高電気容量特に体積あたりの静電容量(F/ml)が大きく品質安定性、耐久性に優れた電気二重層キャパシタ電極用炭素複合粉および分極性電極材料を提供することを目的とする。
本発明は、アルカリ賦活のスケールアップ時における大きな体積の塊でも均熱が得られ均一な賦活でき、高電気容量特に体積あたりの静電容量(F/ml)が大きく品質安定性、耐久性に優れた電気二重層キャパシタ電極用炭素複合粉および分極性電極材料を提供することを目的とする。
本発明は上記の目的を達成するため鋭意研究した結果、易黒鉛化性炭素化物に熱伝導率が高い気相法炭素繊維を混合して賦活することにより、アルカリ賦活のスケールアップ時にも均一な賦活でき、体積あたりの静電容量(F/ml)が大きく品質安定性等に優れた炭素複合紛が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の構成からなる。
(1)易黒鉛化性炭素化物に、平均繊維径が200nm以下、アスペクト比が5〜500、結晶構造の層間距離d002が0.340nm以下、25℃における熱伝導率が400W/(m・K)以上である気相法炭素繊維を0.1〜20質量%混合し、賦活してなる電気二重層キャパシタの電極用炭素複合粉。
(2)液相置換法による真密度が1.50〜1.60g/cm3である易黒鉛化性炭素化物に、25℃における熱伝導率が400W/(m・K)以上である気相法炭素繊維を0.1〜20質量%混合し、賦活してなる電気二重層キャパシタの電極用炭素複合粉。
(1)易黒鉛化性炭素化物に、平均繊維径が200nm以下、アスペクト比が5〜500、結晶構造の層間距離d002が0.340nm以下、25℃における熱伝導率が400W/(m・K)以上である気相法炭素繊維を0.1〜20質量%混合し、賦活してなる電気二重層キャパシタの電極用炭素複合粉。
(2)液相置換法による真密度が1.50〜1.60g/cm3である易黒鉛化性炭素化物に、25℃における熱伝導率が400W/(m・K)以上である気相法炭素繊維を0.1〜20質量%混合し、賦活してなる電気二重層キャパシタの電極用炭素複合粉。
(3)易黒鉛化性炭素化物が石炭系ピッチまたは石油系ピッチを400℃以上600℃未満、及び600℃以上750℃以下の2段階の温度範囲で熱処理されたものであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の炭素複合粉。
(4)気相法炭素繊維が内部に中空構造を有し、BET比表面積が10m2/g以上であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の炭素複合粉。
(5)易黒鉛化性炭素化物に気相法炭素繊維を混合した賦活前の混合物の25℃における熱伝導率が1〜5W/(m・K)であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の炭素複合粉。
(6)賦活がアルカリ金属化合物によりなされたものであることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の炭素複合粉。
(7)BET比表面積が700〜2100m2/gであることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の炭素複合粉。
(4)気相法炭素繊維が内部に中空構造を有し、BET比表面積が10m2/g以上であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の炭素複合粉。
(5)易黒鉛化性炭素化物に気相法炭素繊維を混合した賦活前の混合物の25℃における熱伝導率が1〜5W/(m・K)であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の炭素複合粉。
(6)賦活がアルカリ金属化合物によりなされたものであることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の炭素複合粉。
(7)BET比表面積が700〜2100m2/gであることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の炭素複合粉。
(8)平均粒子径が1〜50μmであることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の炭素複合粉。
(9)易黒鉛化性炭素化物に、平均繊維径が200nm以下、アスペクト比が5〜500、結晶構造の層間距離d002が0.340nm以下、25℃における熱伝導率が400W/(m・K)以上である気相法炭素繊維0.1〜20質量%とアルカリ金属化合物とを混合し、その混合物の予熱、賦活、冷却を連続的に行い、該賦活における最高温度帯の温度が600〜800℃の範囲にあり、且つその温度における混合物の温度分布が±30℃以内であることを特徴とする電気二重層キャパシタの電極用炭素複合粉の製造方法。
(9)易黒鉛化性炭素化物に、平均繊維径が200nm以下、アスペクト比が5〜500、結晶構造の層間距離d002が0.340nm以下、25℃における熱伝導率が400W/(m・K)以上である気相法炭素繊維0.1〜20質量%とアルカリ金属化合物とを混合し、その混合物の予熱、賦活、冷却を連続的に行い、該賦活における最高温度帯の温度が600〜800℃の範囲にあり、且つその温度における混合物の温度分布が±30℃以内であることを特徴とする電気二重層キャパシタの電極用炭素複合粉の製造方法。
(10)予熱前の混合物の25℃における熱伝導率が、0.6W/(m・K)以上であることを特徴とする上記(9)に記載の炭素複合紛の製造方法。
(11)アルカリ金属化合物が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化セシウムからなら群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記(9)又は(10)に記載の炭素複合粉の製造方法。
(12)上記(1)〜(8)のいずれかに記載の炭素複合粉とカーボンブラックと結合剤を混合して作製した分極性電極材料。
(13)2.7V電圧印加持の膨張率が30%以下、該電極材料の密度が0.70g/cm3以上であり、質量あたりの電気容量が35F/g以上かつ体積あたりの電気容量が30F/ml以上である上記(12)に記載の分極性電極材料。
(11)アルカリ金属化合物が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化セシウムからなら群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記(9)又は(10)に記載の炭素複合粉の製造方法。
(12)上記(1)〜(8)のいずれかに記載の炭素複合粉とカーボンブラックと結合剤を混合して作製した分極性電極材料。
(13)2.7V電圧印加持の膨張率が30%以下、該電極材料の密度が0.70g/cm3以上であり、質量あたりの電気容量が35F/g以上かつ体積あたりの電気容量が30F/ml以上である上記(12)に記載の分極性電極材料。
(14)結合剤が、ポリテトラフルオロエチレン又はポリフッ化ビニリデンである上記(12)又は(13)に記載の分極性電極材料。
(15)上記(1)〜(8)のいずれかに記載の炭素複合粉とカーボンブラックと結合剤を乾式混合した後、該混合粉に沸点200℃以下の有機溶剤を添加し混練し、圧延した後、真空乾燥させることを特徴とする分極性電極材料の製造方法。
(16)上記(12)〜(14)のいずれかに記載の分極性電極材料を含む電極シートと集電体との積層体。
(17)集電体が、アルミニウム、銅、チタン、タンタル、ニッケルまたはそれらの合金からなる群から選ばれる上記(16)に記載の積層体。
(18)上記(16)又は(17)に記載の積層体からなる電極。
(19)上記(18)に記載の電極を使用した電気二重層キャパシタ。
(15)上記(1)〜(8)のいずれかに記載の炭素複合粉とカーボンブラックと結合剤を乾式混合した後、該混合粉に沸点200℃以下の有機溶剤を添加し混練し、圧延した後、真空乾燥させることを特徴とする分極性電極材料の製造方法。
(16)上記(12)〜(14)のいずれかに記載の分極性電極材料を含む電極シートと集電体との積層体。
(17)集電体が、アルミニウム、銅、チタン、タンタル、ニッケルまたはそれらの合金からなる群から選ばれる上記(16)に記載の積層体。
(18)上記(16)又は(17)に記載の積層体からなる電極。
(19)上記(18)に記載の電極を使用した電気二重層キャパシタ。
(20)4級アンモニウム塩、4級イミダゾリウム塩、4級ピリジニウム塩、4級ホスホニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む電解質塩を溶解した電解液を用いることを特徴とする上記(19)に記載の電気二重層キャパシタ。
(21)上記(19)又は(20)に記載の電気二重層キャパシタを含む電源。
(22)上記(21)に記載の電源を使用した自動車。
(23)上記(21)に記載の電源を使用した事務用機器。
(24)上記(21)に記載の電源を使用した太陽電池発電システム。
(25)上記(21)に記載の電源を使用した風力発電システム。
(21)上記(19)又は(20)に記載の電気二重層キャパシタを含む電源。
(22)上記(21)に記載の電源を使用した自動車。
(23)上記(21)に記載の電源を使用した事務用機器。
(24)上記(21)に記載の電源を使用した太陽電池発電システム。
(25)上記(21)に記載の電源を使用した風力発電システム。
本発明の手法を用いることで、アルカリ賦活がスケールアップ時にも、融液の膨張が抑えられると共に均一な賦活できるため、体積あたりの静電容量(F/ml)が大きく品質安定性に優れた活性炭を工業的に製造できることを見出し、工業規模で電気容量(F/ml)が高く、耐久性も良好な活性炭材料を得ることができる。
さらに、当該活性炭材料を使用することで、より優れた特性を有する分極性電極および電気二重層キャパシタを製造することが可能である。
さらに、当該活性炭材料を使用することで、より優れた特性を有する分極性電極および電気二重層キャパシタを製造することが可能である。
以下本発明を詳細に説明する。
(炭素複合粉)
本発明の炭素複合粉は、易黒鉛化性炭素化物に特定の気相法炭素繊維を混合し、賦活したものである。
易黒鉛化性炭素化物(以下単に炭素化物ということもある)の原料として石炭系ピッチ並びに石油系ピッチを使用することができる。好ましくは石炭系ピッチを選択することが最適である。すなわち石油系炭素原料と比較して、側鎖が少なく、芳香族化合物の比率が高く、様々な分子構造の多環芳香族化合物が混在しているため、これを原料とした易黒鉛化性炭素化物はこの化合物に由来して、種々の複雑な微結晶構造等を形成し、優れた電気特性を発現するものと考えられるからである。
なお、石炭系ピッチ、石油系ピッチ(これらを原料ピッチと言う)は特に限定されないが、軟化点100℃以下、さらに好ましくは60℃から90℃のものを使用する。
(炭素複合粉)
本発明の炭素複合粉は、易黒鉛化性炭素化物に特定の気相法炭素繊維を混合し、賦活したものである。
易黒鉛化性炭素化物(以下単に炭素化物ということもある)の原料として石炭系ピッチ並びに石油系ピッチを使用することができる。好ましくは石炭系ピッチを選択することが最適である。すなわち石油系炭素原料と比較して、側鎖が少なく、芳香族化合物の比率が高く、様々な分子構造の多環芳香族化合物が混在しているため、これを原料とした易黒鉛化性炭素化物はこの化合物に由来して、種々の複雑な微結晶構造等を形成し、優れた電気特性を発現するものと考えられるからである。
なお、石炭系ピッチ、石油系ピッチ(これらを原料ピッチと言う)は特に限定されないが、軟化点100℃以下、さらに好ましくは60℃から90℃のものを使用する。
そして、この原料ピッチを400℃以上600℃未満および600℃以上750℃以下の温度によって二段階での炭化を行うのが好ましい。原料ピッチを400℃以上600℃未満の温度で加熱すると、熱分解反応が起こり、ガス・軽質留分が脱離し、残渣は重縮合が起こって最終的には固化する。この炭素化工程における第1段階で、炭素原子間のミクロな結合状態がほぼ決定され、この工程で決定された炭素結晶子の構造は最終生成物である炭素化物の構造の基礎を決定づけるものである。第1段階の加熱温度は400℃未満では熱分解反応が不十分であり炭素化が進行しない、600℃以上に加熱すると黒鉛類似の微結晶性構造部分が過剰に形成されてしまいアルカリ賦活が不可となり好ましくない。
この第1段階の炭素化工程においては、昇温速度は3〜10℃/hr、より好ましくは4〜6℃/hr、最高温度での保持時間を5〜20hr、より好ましくは8〜12hrとすることで行う。
この第1段階の炭素化工程においては、昇温速度は3〜10℃/hr、より好ましくは4〜6℃/hr、最高温度での保持時間を5〜20hr、より好ましくは8〜12hrとすることで行う。
次に、600℃以上750℃以下の温度にて2段階目の炭素化工程を行う。この第2段階の炭素化工程においても、昇温速度は3〜10℃/hr、より好ましくは4〜6℃/hr、最高温度での保持時間を5〜20hr、より好ましくは8〜12hrとすることで行う。第2段階の加熱温度は600℃未満では第1段階の加熱温度と同じであり第2段階の加熱効果が現れない、750℃を越える温度で加熱すると黒鉛類似の微結晶性構造部分が過剰に形成されてしまいアルカリ賦活が困難となり好ましくない。
上記の炭素化工程はアルカリ金属の蒸気中で実施することも有効である。アルカリ金属は、炭素化工程において触媒的な働きをする。即ち、ピッチ中の芳香族環の架橋結合が促進され、炭化反応が進行する。
上記の炭素化工程はアルカリ金属の蒸気中で実施することも有効である。アルカリ金属は、炭素化工程において触媒的な働きをする。即ち、ピッチ中の芳香族環の架橋結合が促進され、炭化反応が進行する。
易黒鉛化性炭素材料の液層置換法による真密度は1.50〜1.60g/cm3であることが好ましい。真密度が1.50g/cm3より小さいとアルカリ賦活後に易黒鉛化性炭素化物に表面官能基が多く残るためキャパシタの耐久性・信頼性に問題が発生し、1.60g/cm3より大きいとアルカリ賦活反応が行われにくく、高い電気容量を有する炭素複合粉が得られない。
易黒鉛化炭素化物に混合する気相法炭素繊維(以下、単に炭素繊維ということもある)は、例えばベンゼン等と金属触媒粒子とを水素気流中で約1000℃で吹き付けることによって製造されたものであり、内部に中空構造を有する分岐状繊維または直鎖状或いはその混合物である。
炭素繊維は炭素化物の粒間にネットワーク状に均一に分散させるため細い方がよく、平均繊維径は200nm以下が好ましく、80〜150nmがより好ましい。また同様の意味で炭素繊維のBET比表面積は10m2/g以上が好ましく、10〜30m2/gがより好ましい。アスペクト比は小さすぎると炭素化物との混合物において、熱伝導率が悪くなり、また大きすぎると分散性が悪くなるので5〜500が好ましく、70〜150がより好ましい。
炭素繊維は炭素化物の粒間にネットワーク状に均一に分散させるため細い方がよく、平均繊維径は200nm以下が好ましく、80〜150nmがより好ましい。また同様の意味で炭素繊維のBET比表面積は10m2/g以上が好ましく、10〜30m2/gがより好ましい。アスペクト比は小さすぎると炭素化物との混合物において、熱伝導率が悪くなり、また大きすぎると分散性が悪くなるので5〜500が好ましく、70〜150がより好ましい。
炭素繊維(カーボンナノチュブを含む)の熱伝導率は炭素複合粉を均一に加熱するため高い方がよく、400W/(m・K)以上が適する。その上限は1200W/(m・K)程度まで可能である。炭素結晶構造における層間距離d002は小さい方が熱伝導率が高いので0.340nm以下が好ましい。その下限は通常0.336nm程度である。この熱伝導率の測定は実施例に記載の方法による。
気相法炭素繊維の長さは炭素複合粉との関係で、易黒鉛化炭素化物の平均粒子径に対する比が1:0.5〜1:2の範囲であるのが好ましい。気相法炭素繊維の長さの比が0.5よりも短いと炭素粒子同士の橋渡しが不十分となり導電性が低下する。長さの比が2を越えると炭素複合粉における炭素粒子の隙間に入れず分極性電極の強度が低下する。
気相法炭素繊維の長さは炭素複合粉との関係で、易黒鉛化炭素化物の平均粒子径に対する比が1:0.5〜1:2の範囲であるのが好ましい。気相法炭素繊維の長さの比が0.5よりも短いと炭素粒子同士の橋渡しが不十分となり導電性が低下する。長さの比が2を越えると炭素複合粉における炭素粒子の隙間に入れず分極性電極の強度が低下する。
気相法炭素繊維は、熱伝導率が400W/(m・K)以上であれば適用できるが、1000〜1500℃で焼成したもの、さらに2500℃以上の温度で黒鉛化処理したものを使用することが好ましい。
上記のような易黒鉛化炭素化物に熱伝導率の高い気相法炭素繊維を混合した炭素複合粉を用いることにより、例えば、アルカリ賦活におけるスケールアップ時にも、融液の膨張が抑えられると共に均一な賦活ができるため、体積あたりの静電容量(F/ml)が大きく品質のバラツキが少ない品質安定性に優れた炭素複合粉を工業的スケールで製造できる。
上記のような易黒鉛化炭素化物に熱伝導率の高い気相法炭素繊維を混合した炭素複合粉を用いることにより、例えば、アルカリ賦活におけるスケールアップ時にも、融液の膨張が抑えられると共に均一な賦活ができるため、体積あたりの静電容量(F/ml)が大きく品質のバラツキが少ない品質安定性に優れた炭素複合粉を工業的スケールで製造できる。
易黒鉛化炭素化物に混合する気相法炭素繊維の混合量は、0.1〜20質量%が適し、好ましくは0.5〜10質量%である。0.1質量%未満だと、易黒鉛化性炭素化物と混合した複合粉の熱伝導率を増加させる効果が少ないために賦活時の均熱性が不十分となり均一な賦活が難しくなり、体積あたりの静電容量(F/ml)が大きく品質安定性に優れた炭素複合粉(活性炭)を工業的に製造できることができない。20質量%を越えると、炭素複合粉中の易黒鉛化炭素化物の割合が少ないため電極を作製したときの電極密度が低くなり、体積あたりの電気容量(F/ml)が低下してしまう。
易黒鉛化性炭素化物に気相法炭素繊維を混合した賦活前の混合物の熱伝導率は1〜5W/(m・K)、さらに1.5〜3W/(m・K)であることが好ましい。1W/(m・K)未満では賦活時の均熱性に劣り、5W/(m・K)を越えるようにするには炭素繊維の量が多くなり、得られる電極の電気容量が下がる。上記の熱伝導率の測定(JIS R2618)は実施例に記載の方法による。
さらに、気相法炭素繊維と易塩化黒鉛化炭素化物とを混合し賦活することで、粒子同士の接触抵抗が低減されるとともに導電性及び電極強度が向上し、電圧印加時の電極膨張率が低減される効果も発現される。
易黒鉛化性炭素化物に気相法炭素繊維を混合した賦活前の混合物の熱伝導率は1〜5W/(m・K)、さらに1.5〜3W/(m・K)であることが好ましい。1W/(m・K)未満では賦活時の均熱性に劣り、5W/(m・K)を越えるようにするには炭素繊維の量が多くなり、得られる電極の電気容量が下がる。上記の熱伝導率の測定(JIS R2618)は実施例に記載の方法による。
さらに、気相法炭素繊維と易塩化黒鉛化炭素化物とを混合し賦活することで、粒子同士の接触抵抗が低減されるとともに導電性及び電極強度が向上し、電圧印加時の電極膨張率が低減される効果も発現される。
気相法炭素繊維は熱伝導率が400W/(m・K)以上であれば、ガス賦活(水蒸気、CO2など)、薬品賦活(塩化亜鉛、燐酸、炭酸カルシウムなど)、アルカリ賦活(水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなど)などにより、予め賦活されたものを使用することも可能である。この場合にはミクロ孔(20Å以下の細孔)容積0.01〜0.4ml/g、BET比表面積10〜500m2/gになるように表面構造を制御したものを使用する方がよい。ミクロ孔の多い炭素繊維を混合すると、電極内部でのイオン拡散抵抗が増大してしまうからである。
例えば、リチウムイオン二次電池では、気相法炭素繊維の良導電性、熱伝導を生かした放熱性の改善に加え、塊状の活性炭粒子に繊維状のものが混在することによる電極膨張クッション材としての役割が増強されるため、電圧印加持の電極膨張率が増加するのを抑えるのにも効果的である。
炭素複合粉の電気特性は、炭素複合粉の比表面積・細孔分布・結晶構造といった構造物性に大きく左右される。このような炭素複合粉の構造特性は、原料の構造、炭素化条件、賦活条件で決定される。そこで、電極材料として有用な炭素複合粉を得るためには、原料の構造、炭素化条件、賦活条件を最適化する必要がある。
上記を達成するために、易黒鉛化炭素化物原料として前記したように石炭系ピッチまたは石油系ピッチを選択することが最適である。難黒鉛化炭素材料と比較して、側鎖が少なく、芳香族化合物の比率が高く、様々な分子構造の多環芳香族化合物が混在しているため、これを原料とした炭素複合粉はこの化合物に由来して、種々の複雑な微結晶構造等を形成し、優れた電気特性を発現するものと考えられるからである。
上記を達成するために、易黒鉛化炭素化物原料として前記したように石炭系ピッチまたは石油系ピッチを選択することが最適である。難黒鉛化炭素材料と比較して、側鎖が少なく、芳香族化合物の比率が高く、様々な分子構造の多環芳香族化合物が混在しているため、これを原料とした炭素複合粉はこの化合物に由来して、種々の複雑な微結晶構造等を形成し、優れた電気特性を発現するものと考えられるからである。
黒鉛類似の微結晶性構造部分が形成されている易黒鉛化炭素化物原料では、例えば、アルカリ賦活反応時にKOHが還元されて生じた金属カリウムが炭素層間をこじ開けることによりできた層間の隙間が多く形成される。このためキャパシタ電圧印加時に炭素の層間の隙間を電解液イオン(溶媒和イオン半径が約37nm)がインターカレートして層間を押し広げる形で細孔内に吸着するため、高い電気容量を発揮できるものと推測される。一方、黒鉛類似の微結晶性構造部分が形成されていない活性炭では、アルカリ賦活反応時の水や二酸化炭素ガスによる炭素の消費により形成される細孔が多くなり、金属カリウムによる炭素層間の隙間は少なくなり、高い電気容量を発揮できるものは少なくなる。
炭素複合粉は、窒素吸着法によって求めたDFT法による10〜13Åの細孔容積が0.07ml/g以上であるのが好ましい。10〜13Åの細孔容積が0.07ml/g未満であるとキャパシタ容量が不十分となる。
炭素複合粉は、窒素吸着法によって求めたDFT法による10〜13Åの細孔容積が0.07ml/g以上であるのが好ましい。10〜13Åの細孔容積が0.07ml/g未満であるとキャパシタ容量が不十分となる。
易黒鉛化炭素化物は、賦活前に好ましくは平均粒径1〜30μmに粉砕する。粉砕方法はジェットミル、振動ミル、バルベライザなど通常の粉砕方法で良い。
平均粒径が好ましくは1〜30μmの粒度に前粉砕したものをアルカリ水酸化物と混合して加熱し、炭素化物等に細孔を形成して炭素複合粉とすることが好ましい。易黒鉛化炭素化物を粒のままアルカリ賦活した場合、賦活後に炭素複合粉中の金属不純物を低減させるための酸洗浄を行っても粒の内部に含まれる金属不純物の洗浄が不十分となり、後粉砕時に炭素複合粉中に混入しキャパシタの耐久性に悪影響を及ぼす。
平均粒径が好ましくは1〜30μmの粒度に前粉砕したものをアルカリ水酸化物と混合して加熱し、炭素化物等に細孔を形成して炭素複合粉とすることが好ましい。易黒鉛化炭素化物を粒のままアルカリ賦活した場合、賦活後に炭素複合粉中の金属不純物を低減させるための酸洗浄を行っても粒の内部に含まれる金属不純物の洗浄が不十分となり、後粉砕時に炭素複合粉中に混入しキャパシタの耐久性に悪影響を及ぼす。
アルカリ賦活反応に使用するアルカリ金属水酸化物は、特に限定されるものではないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等が好適に使用される。賦活は前記の特性を有する易黒鉛化炭素化物と気相法炭素繊維の混合物にアルカリ金属水酸化物を加え、これを例えば金属ケース等に入れ、予熱、賦活、冷却を連続的に行うことが効率的である。賦活温度は、最高温度帯が600℃〜800℃の範囲が適し、好ましくは700℃〜760℃である。最高温度帯における被加熱物の温度分布は±30℃以内が好ましく、更に好ましくは±20℃以内、最も好ましくは±10℃以内である。アルカリ金属水酸化物は炭素複合粉質量の1.5〜5.0倍量、より好ましくは1.7〜3.0倍量混合する。
易黒鉛化炭素化物と炭素繊維にアルカリ金属水酸化物を添加した混合物の賦活前の熱伝導率は高い方がよく、0.6W/(m・K)以上が好ましく、さらに 1〜2W/(m・K)が好ましい。この熱伝導率は実施例に記載の方法 (JIS R2618)で測定する。
アルカリ賦活は、N2、Arガスなどの不活性ガス雰囲気で行うことが適しているが、必要に応じて水蒸気、炭酸ガス等を導入しても良い。
易黒鉛化炭素化物と炭素繊維にアルカリ金属水酸化物を添加した混合物の賦活前の熱伝導率は高い方がよく、0.6W/(m・K)以上が好ましく、さらに 1〜2W/(m・K)が好ましい。この熱伝導率は実施例に記載の方法 (JIS R2618)で測定する。
アルカリ賦活は、N2、Arガスなどの不活性ガス雰囲気で行うことが適しているが、必要に応じて水蒸気、炭酸ガス等を導入しても良い。
アルカリ賦活は、例えば水酸化カリウム(KOH)を使用した場合、加熱により、300℃〜400℃の温度において、KOHの溶融や脱水が起こり、400℃以上の温度において、金属カリウム(K)、水蒸気による賦活反応が起こる。このとき反応物は液体状態から固体状態への状態変化が起こると同時に、炭素原料中の炭素の酸化による一酸化炭素ガス(CO)や二酸化酸素ガス(CO2),水素(H2)などのガスが発生する。これにより反応物の融液が発泡したり突沸する現象(融液膨張)が起こり容器からの噴きこぼれが生じることにより、反応物は容器の容量に対して限られた少量しか仕込めず、アルカリ賦活反応の生産性を著しく下げることがある。
然るに、本発明の易黒鉛化炭素化物と気相法炭素繊維との混合粉を使用してアルカリ賦活を行った場合には、反応物の融液が発泡したり突沸する現象(融液膨張)が抑えられる。気相法炭素繊維の添加により融液膨張が抑えられる理由としては、綿に水が吸い込まれる時と同じように、アルカリ融液は繊維の間に保持されると推定される。また、充填層内の粒子が流体によって浮遊流動する流動層の流動形態におけるスラッキングやバブリング現象から推察すると、気相法炭素繊維により粒子が浮遊流動する層内に流路ができることにより、発泡や突沸する現象(融液膨張)が抑えられることが考えられる。
アルカリ賦活後の処理物は、水、酸などの洗浄を行うことが好ましい。酸洗浄には、硫酸、燐酸、塩酸、硝酸などの鉱酸類、蟻酸、酢酸、クエン酸などの有機酸を使用することができる。洗浄効率と残存物の点から塩酸、クエン酸が好ましい。酸濃度は0.01〜20規定であり、好ましくは0.1〜1規定である。洗浄方法としては、酸添加後に攪拌すれば良いが、煮沸または50〜90℃で加温すると洗浄効率が向上する。また、超音波洗浄機を使用するとより効果的である。
洗浄時間は、0.5時間〜24時間であるが通常は1〜5時間で実施される。
洗浄回数は、煮沸酸洗浄は1〜5回、残留塩素を除去する熱水煮沸洗浄は1〜5回程度が好適である。洗浄に使用する容器は、酸洗浄の場合グラスライニング、タンタル、テフロン(登録商標)などが好ましい。
また、これらの洗浄工程に全自動攪拌加温濾過乾燥機、例えば多機能濾過機WDフィルター(ニッセン製)、FVドライヤー(大川原製作所製)などを使用することができる。なお、洗浄に使用する純水はイオン電気伝導度1.0μS/cm以下のものを使用するのが好ましいが、これらの洗浄水には工程中の洗浄廃液をリサイクルして使用することも可能である。
洗浄時間は、0.5時間〜24時間であるが通常は1〜5時間で実施される。
洗浄回数は、煮沸酸洗浄は1〜5回、残留塩素を除去する熱水煮沸洗浄は1〜5回程度が好適である。洗浄に使用する容器は、酸洗浄の場合グラスライニング、タンタル、テフロン(登録商標)などが好ましい。
また、これらの洗浄工程に全自動攪拌加温濾過乾燥機、例えば多機能濾過機WDフィルター(ニッセン製)、FVドライヤー(大川原製作所製)などを使用することができる。なお、洗浄に使用する純水はイオン電気伝導度1.0μS/cm以下のものを使用するのが好ましいが、これらの洗浄水には工程中の洗浄廃液をリサイクルして使用することも可能である。
このようにして得られた炭素複合粉は平均粒子径が1〜50μmのものが電気二重層キャパシタの電極材料に適し、タップ密度計(蔵持科学器械製作所製)によるタップ密度は、タップ回数50回で0.35〜0.70g/mlであり、粉体抵抗は、1.0MPaで0.4Ωcm以下がよい。
また、炭素複合粉のBET比表面積を好ましくは700〜2100m2/gとすることができる。この範囲が好ましいのは700m2/g未満だと質量あたりの電気容量(F/g)が下がり、2100m2/gを越えると体積あたりの電気容量(F/ml)が下がるからである。
また、炭素複合粉は、窒素吸着法によって求めたDFT法による10〜13Åの細孔容積が0.07ml/g以上であるのが好ましい。10〜13Åの細孔容積が0.07ml/g未満であるとキャパシタ容量が不十分となる。
このような炭素複合粉は、過剰な電圧を与えなくても、1サイクル目から高い電気容量を発揮し、また、その電気容量の保持率が高いという特徴を有している さらに、易黒鉛化炭素化物が十分な炭化工程を経ることで、炭素表面の官能基量が低減されて、電気容量の劣化が抑えられたものと考えられる。
また、炭素複合粉のBET比表面積を好ましくは700〜2100m2/gとすることができる。この範囲が好ましいのは700m2/g未満だと質量あたりの電気容量(F/g)が下がり、2100m2/gを越えると体積あたりの電気容量(F/ml)が下がるからである。
また、炭素複合粉は、窒素吸着法によって求めたDFT法による10〜13Åの細孔容積が0.07ml/g以上であるのが好ましい。10〜13Åの細孔容積が0.07ml/g未満であるとキャパシタ容量が不十分となる。
このような炭素複合粉は、過剰な電圧を与えなくても、1サイクル目から高い電気容量を発揮し、また、その電気容量の保持率が高いという特徴を有している さらに、易黒鉛化炭素化物が十分な炭化工程を経ることで、炭素表面の官能基量が低減されて、電気容量の劣化が抑えられたものと考えられる。
(分極性電極の作製方法)
本発明の易黒鉛化性炭素化物と気相法炭素繊維からなる混合粉を賦活して得られた炭素複合粉を用いて、分極性電極及び電気二重層キャパシタを製造することができる。即ち、分極性電極は炭素複合粉に導電剤および結合剤を加えて混練圧延する方法、炭素複合粉に導電剤、結合剤、必要に応じて溶媒を加えてスラリー状にして導電材に塗布する方法、炭素複合粉に未炭化樹脂類を混合して焼結する方法、等の方法で作製される。
平均粒径1〜50μmの炭素複合粉の粉末に、導電剤としてカーボンブラックを加え、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン等の結合剤を加え、ブレンダーで乾式混合する。次いで混合粉に沸点200℃以下の有機溶剤を添加して膨潤させてから混練し、厚さ0.1〜0.5mm程度のシートに成形し、100〜200℃程度の温度で真空乾燥する。
本発明の易黒鉛化性炭素化物と気相法炭素繊維からなる混合粉を賦活して得られた炭素複合粉を用いて、分極性電極及び電気二重層キャパシタを製造することができる。即ち、分極性電極は炭素複合粉に導電剤および結合剤を加えて混練圧延する方法、炭素複合粉に導電剤、結合剤、必要に応じて溶媒を加えてスラリー状にして導電材に塗布する方法、炭素複合粉に未炭化樹脂類を混合して焼結する方法、等の方法で作製される。
平均粒径1〜50μmの炭素複合粉の粉末に、導電剤としてカーボンブラックを加え、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン等の結合剤を加え、ブレンダーで乾式混合する。次いで混合粉に沸点200℃以下の有機溶剤を添加して膨潤させてから混練し、厚さ0.1〜0.5mm程度のシートに成形し、100〜200℃程度の温度で真空乾燥する。
分極性電極作製時に使用する有機溶剤としては、トルエン、キシレン、ベンゼンなどの炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、ブチルメチルケトンなどのケトン類、メタノール、エタノール、ブタノールなどのアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類など沸点200℃以下の有機溶剤であれば特に限定されるものではないが、トルエン、アセトン、エタノールなどが好適である。
沸点が200℃を越える有機溶媒を用いると、シート形成後100〜200℃乾燥したときに有機溶媒がシート中に残存するため好ましくない。
このシートを所定の形状に打ち抜き電極とする。この電極に集電材である金属板を積層し、セパレータを介し、金属板を外側にして2枚重ね、電解液に浸して電気二重層キャパシタとする。
沸点が200℃を越える有機溶媒を用いると、シート形成後100〜200℃乾燥したときに有機溶媒がシート中に残存するため好ましくない。
このシートを所定の形状に打ち抜き電極とする。この電極に集電材である金属板を積層し、セパレータを介し、金属板を外側にして2枚重ね、電解液に浸して電気二重層キャパシタとする。
電気二重層キャパシタの電解液としては公知の非水溶媒電解質溶液、水溶性電解質溶液のいずれも使用可能であり、さらに他の電解液の他に、非水系電解質である高分子固体電解質及び高分子ゲル電解質、イオン性液体も使用することができる。
水系(水溶性電解質溶液)のものとしては、硫酸水溶液、硫酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液等があげられる。
また非水系(非水溶媒電解質溶液)のものとしては、R1R2R3R4N+またはR1R2R3R4P+で表されるカチオン(R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基またはアリル基である)と、BF4 -、PF6 -、ClO4 -等のアニオンとかからなる4級アンモニウム塩または4級ホスホニウム塩を電解質として、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系非水溶媒を用いることができる。
水系(水溶性電解質溶液)のものとしては、硫酸水溶液、硫酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液等があげられる。
また非水系(非水溶媒電解質溶液)のものとしては、R1R2R3R4N+またはR1R2R3R4P+で表されるカチオン(R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基またはアリル基である)と、BF4 -、PF6 -、ClO4 -等のアニオンとかからなる4級アンモニウム塩または4級ホスホニウム塩を電解質として、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系非水溶媒を用いることができる。
また、電解質または溶媒は、それぞれ二種類以上を用いることもできる。
電極間に必要に応じて介在させるセパレータとしては、イオンを透過する多孔質セパレータであれば良く、微孔性ポリエチレンフィルム、微孔性ポリプロピレンフィルム、エチレン不織布、ポリプロピレン不織布、ガラス繊維混抄不織布などがこの好ましく使用できる。
本発明の電気二重層キャパシタは、一対のシート状電極の間にセパレータを介して電解液と共に金属ケースに収納したコイン型、一対の正極と負極をセパレータを介して巻回してなる巻回型、セパレータを介して多数のシート状電極を積み重ねた積層型等いずれの構成もとることができる。
電極間に必要に応じて介在させるセパレータとしては、イオンを透過する多孔質セパレータであれば良く、微孔性ポリエチレンフィルム、微孔性ポリプロピレンフィルム、エチレン不織布、ポリプロピレン不織布、ガラス繊維混抄不織布などがこの好ましく使用できる。
本発明の電気二重層キャパシタは、一対のシート状電極の間にセパレータを介して電解液と共に金属ケースに収納したコイン型、一対の正極と負極をセパレータを介して巻回してなる巻回型、セパレータを介して多数のシート状電極を積み重ねた積層型等いずれの構成もとることができる。
以下、実施例・比較例によって、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本実施例における各特性の測定方法は以下の通りである。
(熱伝導率の測定方法)
JIS K 1474に準拠しての充填比重を求める。炭素繊維、炭素化物と炭素繊維の混合物、炭素化物と炭素繊維とアルカリ金属化合物との混合物の各試料を漏斗から1.0ml/秒の供給速度で200mlメスシリンダーの200ml標線までバイブレータを使用して充填し、110±5℃の恒温乾燥器中で2時間乾燥した後、デシケーター中で放冷し、質量を測定することによって充填比重を求める。
JIS R2618に準拠して熱伝導率を求める。 図2に示すような充填容器(容器内部サイズ:120×120×120mm)に、各試料を前記充填密度(嵩密度0.8g/cm3)になるように該試料充填容器に充填し、京都電子工業製の迅速熱伝導率計QTM−500を用いて熱線法により、25℃における熱伝導率の測定を行った。
図において、20は充填容器、21はニクロム線、22は熱電対、23は試料である。なお、熱伝導率λの計算式は以下の式を用いた。
λ :熱伝率(W/( m・K))
q :ヒータの単位時間、単位長さ当りの発熱量(W/m)
t2、t1 :測定時刻(sec)
T1 T2 時刻t1、t2での温度(K)
本実施例における各特性の測定方法は以下の通りである。
(熱伝導率の測定方法)
JIS K 1474に準拠しての充填比重を求める。炭素繊維、炭素化物と炭素繊維の混合物、炭素化物と炭素繊維とアルカリ金属化合物との混合物の各試料を漏斗から1.0ml/秒の供給速度で200mlメスシリンダーの200ml標線までバイブレータを使用して充填し、110±5℃の恒温乾燥器中で2時間乾燥した後、デシケーター中で放冷し、質量を測定することによって充填比重を求める。
JIS R2618に準拠して熱伝導率を求める。 図2に示すような充填容器(容器内部サイズ:120×120×120mm)に、各試料を前記充填密度(嵩密度0.8g/cm3)になるように該試料充填容器に充填し、京都電子工業製の迅速熱伝導率計QTM−500を用いて熱線法により、25℃における熱伝導率の測定を行った。
図において、20は充填容器、21はニクロム線、22は熱電対、23は試料である。なお、熱伝導率λの計算式は以下の式を用いた。
q :ヒータの単位時間、単位長さ当りの発熱量(W/m)
t2、t1 :測定時刻(sec)
T1 T2 時刻t1、t2での温度(K)
(BET比表面積および細孔容積の測定)
Quantachrome社製、NOVA1200を使用し、液体窒素温度における窒素の吸着等温線より、BET法およびDFT法を用いて算出した。
(液相置換法による真密度測定)
セイシン企業製、連続自働粉粒体真密度測定器『オートトウルーデンサーMAT 7000』を使用し、n-ブタノールを溶媒として、真密度を測定した。
(電極の作製)
平均粒径10μmの炭素化物80質量部にPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)10質量部、カーボンブラック10質量部を添加し、混練してアルミニウム集電体上に厚さ0.5mmのシート状に圧延した。このシートを直径20mmの円板に打抜き、200℃で一昼夜真空乾燥して分極性電極として使用した。
Quantachrome社製、NOVA1200を使用し、液体窒素温度における窒素の吸着等温線より、BET法およびDFT法を用いて算出した。
(液相置換法による真密度測定)
セイシン企業製、連続自働粉粒体真密度測定器『オートトウルーデンサーMAT 7000』を使用し、n-ブタノールを溶媒として、真密度を測定した。
(電極の作製)
平均粒径10μmの炭素化物80質量部にPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)10質量部、カーボンブラック10質量部を添加し、混練してアルミニウム集電体上に厚さ0.5mmのシート状に圧延した。このシートを直径20mmの円板に打抜き、200℃で一昼夜真空乾燥して分極性電極として使用した。
(電気二重層キャパシタの組立)
前記の電極を、高純度アルゴンを循環させているグローブボックス内において、図1のような評価用セルを組立て、評価用に使用した。図1において、1はアルミニウム製の上蓋、2はフッ素ゴム製Oリング、3はアルミニウムからなる集電体、4はテフロン(登録商標)からなる絶縁材、5はアルミニウム製容器、6はアルミニウム製板バネ、7は分極性電極、8はガラス繊維からなる厚さ1mmのセパレータである。電解液にはPC(プロピレンカーボネート)を溶媒とし、(CH3)(C2H5)3NBF4を電解質とする富山薬品工業(株)製の商品名LIPASTE−P/TEMAF14N(1モル/リットル)を使用した。
充放電測定は北斗電工(株)製充放電試験装置HJ−101SM6を使用し、5mAで0〜2.7Vで充放電を行い、2回目の定電流放電によって得られた放電曲線から、電気二重層キャパシタの両極活性炭の質量あたりの静電容量(F/g)と体積あたりの静電容量(F/ml)を算出した。
また耐久性は200回の充放電サイクル試験による電気容量の容量保持率(サイクル試験後の電気容量/2回目の充放電後の電気容量)により評価した。
前記の電極を、高純度アルゴンを循環させているグローブボックス内において、図1のような評価用セルを組立て、評価用に使用した。図1において、1はアルミニウム製の上蓋、2はフッ素ゴム製Oリング、3はアルミニウムからなる集電体、4はテフロン(登録商標)からなる絶縁材、5はアルミニウム製容器、6はアルミニウム製板バネ、7は分極性電極、8はガラス繊維からなる厚さ1mmのセパレータである。電解液にはPC(プロピレンカーボネート)を溶媒とし、(CH3)(C2H5)3NBF4を電解質とする富山薬品工業(株)製の商品名LIPASTE−P/TEMAF14N(1モル/リットル)を使用した。
充放電測定は北斗電工(株)製充放電試験装置HJ−101SM6を使用し、5mAで0〜2.7Vで充放電を行い、2回目の定電流放電によって得られた放電曲線から、電気二重層キャパシタの両極活性炭の質量あたりの静電容量(F/g)と体積あたりの静電容量(F/ml)を算出した。
また耐久性は200回の充放電サイクル試験による電気容量の容量保持率(サイクル試験後の電気容量/2回目の充放電後の電気容量)により評価した。
(実施例1)
軟化点86℃の石炭ピッチを560℃で1段階目の炭化、670℃で2段目の炭化を行って得られた易黒鉛化性炭素化物2000g(真密度1.54、粉砕後の平均粒径8μm)に、平均繊維径100nm、アスペクト比100、d0020.339nm、熱伝導率500W/(m・K)の気相法炭素繊維(VG-1、昭和電工製)20gをヘンシェルミキサーにて60秒間混合した。この炭素混合粉に質量比で1.9倍量のKOH微粉を混合し、金属製容器(300mm×300mm×3t×高さ10mm)に充填し、該容器を連続賦活炉(ローラーハースキルン)にて熱処理した。この炭素混合粉とKOH微粉との混合物の嵩密度0.8g/cm3における熱伝導率は2.0W/(m・K)であった。賦活条件は、N2雰囲気下、昇温速度5℃/分にて260℃30分、500℃30分の温度保持を行った後、最高賦活温度は720℃で30分とした。N2雰囲気下で100℃以下まで炉内で降温した後、金属製容器を空気中に取出した。反応生成物(炭素複合粉)は、1N−塩酸で中和した後、0.1N−塩酸で煮沸洗浄を2回実施し金属不純物を除去した。次に蒸留水で煮沸洗浄を3回実施し残留塩素及び金属不純物を除去した。これを110℃で熱風乾燥後、330メッシュ篩と磁選機(磁力12000G)を通して平均粒径10μmの炭素複合粉を得た。
軟化点86℃の石炭ピッチを560℃で1段階目の炭化、670℃で2段目の炭化を行って得られた易黒鉛化性炭素化物2000g(真密度1.54、粉砕後の平均粒径8μm)に、平均繊維径100nm、アスペクト比100、d0020.339nm、熱伝導率500W/(m・K)の気相法炭素繊維(VG-1、昭和電工製)20gをヘンシェルミキサーにて60秒間混合した。この炭素混合粉に質量比で1.9倍量のKOH微粉を混合し、金属製容器(300mm×300mm×3t×高さ10mm)に充填し、該容器を連続賦活炉(ローラーハースキルン)にて熱処理した。この炭素混合粉とKOH微粉との混合物の嵩密度0.8g/cm3における熱伝導率は2.0W/(m・K)であった。賦活条件は、N2雰囲気下、昇温速度5℃/分にて260℃30分、500℃30分の温度保持を行った後、最高賦活温度は720℃で30分とした。N2雰囲気下で100℃以下まで炉内で降温した後、金属製容器を空気中に取出した。反応生成物(炭素複合粉)は、1N−塩酸で中和した後、0.1N−塩酸で煮沸洗浄を2回実施し金属不純物を除去した。次に蒸留水で煮沸洗浄を3回実施し残留塩素及び金属不純物を除去した。これを110℃で熱風乾燥後、330メッシュ篩と磁選機(磁力12000G)を通して平均粒径10μmの炭素複合粉を得た。
この炭素複合粉のBET比表面積は850m2/gであった。該炭素複合粉に対して、カーボンブラック9質量%とPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)10質量%を乾式混合した後、該混合粉に有機溶剤を添加して混練し、圧延した後200℃で真空乾燥させ電極材料を作製した。2.7V充放電時の電気容量は39.6F/g,36.8F/mlであり、電極密度は0.90g/cm3であった。200サイクル充放電後の容量保持率は98.2%であった。
(実施例2)
実施例1と同様の易黒鉛化性炭素化物15000g(真密度1.55、粉砕後の平均粒径3μm)に、平均繊維径80nm、アスペクト比90、d0020.340nm、熱伝導率480W/(m・K)の気相法炭素繊維(VG−2、昭和電工製)450gをヘンシェルミキサーにて60秒間混合した。この炭素混合粉に質量比で2.2倍量のKOH微粉を混合し、金属製容器(600Φ×3t×高さ1050mm)に充填し、該容器をバッチ賦活炉(分割式加熱炉)にて熱処理した。この炭素混合粉とKOH微粉との混合物の嵩密度0.8g/cm3における熱伝導率は2.5W/(m・K)であった。賦活条件は、N2雰囲気下、昇温速度5℃/分にて260℃30分、500℃30分の温度保持を行った後、最高賦活温度は750℃で30分とした。N2雰囲気下で100℃以下まで炉内で降温した後、金属製容器を空気中に取出した。反応生成物(炭素複合粉)は、1N−塩酸で中和した後、0.1N−塩酸で煮沸洗浄を3回実施し金属不純物を除去した。次に蒸留水で煮沸洗浄を4回実施し残留塩素及び金属不純物を除去した。これを110℃で熱風乾燥後、330メッシュ篩と磁選機(磁力12000G)を通して平均粒径4μmの炭素複合粉を得た。
実施例1と同様の易黒鉛化性炭素化物15000g(真密度1.55、粉砕後の平均粒径3μm)に、平均繊維径80nm、アスペクト比90、d0020.340nm、熱伝導率480W/(m・K)の気相法炭素繊維(VG−2、昭和電工製)450gをヘンシェルミキサーにて60秒間混合した。この炭素混合粉に質量比で2.2倍量のKOH微粉を混合し、金属製容器(600Φ×3t×高さ1050mm)に充填し、該容器をバッチ賦活炉(分割式加熱炉)にて熱処理した。この炭素混合粉とKOH微粉との混合物の嵩密度0.8g/cm3における熱伝導率は2.5W/(m・K)であった。賦活条件は、N2雰囲気下、昇温速度5℃/分にて260℃30分、500℃30分の温度保持を行った後、最高賦活温度は750℃で30分とした。N2雰囲気下で100℃以下まで炉内で降温した後、金属製容器を空気中に取出した。反応生成物(炭素複合粉)は、1N−塩酸で中和した後、0.1N−塩酸で煮沸洗浄を3回実施し金属不純物を除去した。次に蒸留水で煮沸洗浄を4回実施し残留塩素及び金属不純物を除去した。これを110℃で熱風乾燥後、330メッシュ篩と磁選機(磁力12000G)を通して平均粒径4μmの炭素複合粉を得た。
この炭素複合粉の比表面積は960m2/gであった。該炭素複合粉に対して、カーボンブラック9質量%とPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)10質量%を乾式混合した後、該混合粉に有機溶剤を添加して混練し、圧延した後200℃で真空乾燥させ電極材料を作製した。2.7V充放電時の電気容量は41.3.F/g,34.2F/mlであり、電極密度は0.86g/cm3であった。200サイクル充放電後の容量保持率は97.5%であった。
(実施例3)
実施例1と同様の易黒鉛化性炭素化物2000g(真密度1.54、粉砕後の平均粒径9μm)に、平均繊維径150nm、アスペクト比70、d0020.338nm、熱伝導率450W/(m・K)の気相法炭素繊維(VG-3、昭和電工製)100gをヘンシェルミキサーにて60秒間混合した。この炭素混合粉に質量比で3.5倍量のKOH微粉を混合し、金属製容器(300mm×300mm×3t×高さ10mm)に充填し、該容器を連続賦活炉(ローラーハースキルン、ノリタケカンパニー製)にて熱処理した。この炭素混合粉とKOH微粉との混合物の嵩密度0.8g/cm3における熱伝導率は2.8W/(m・K)であった。賦活条件は、N2雰囲気下、昇温速度5℃/分にて260℃30分、480℃30分の温度保持を行った後、最高賦活温度は700℃で30分とした。N2雰囲気下で100℃以下まで炉内で降温した後、金属製容器を空気中に取出した。反応生成物(炭素複合粉)は、1N−塩酸で中和した後、0.1N−塩酸で煮沸洗浄を4回実施し金属不純物を除去した。次に蒸留水で煮沸洗浄を5回実施し残留塩素及び金属不純物を除去した。これを110℃で熱風乾燥後、330メッシュ篩と磁選機(磁力12000G)を通して平均粒径11μmの炭素複合粉を得た。
この炭素複合粉の比表面積は910m2/gであった。該炭素複合粉に対して、カーボンブラック9質量%とPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)10質量%を乾式混合した後、該混合粉に有機溶剤を添加して混練し、圧延した後200℃で真空乾燥させ電極材料を作製した。2.7V充放電時の電気容量は40.1F/g,34.2F/mlであり、電極密度は0.85g/cm3であった。200サイクル充放電後の容量保持率は97.5%であった。
実施例1と同様の易黒鉛化性炭素化物2000g(真密度1.54、粉砕後の平均粒径9μm)に、平均繊維径150nm、アスペクト比70、d0020.338nm、熱伝導率450W/(m・K)の気相法炭素繊維(VG-3、昭和電工製)100gをヘンシェルミキサーにて60秒間混合した。この炭素混合粉に質量比で3.5倍量のKOH微粉を混合し、金属製容器(300mm×300mm×3t×高さ10mm)に充填し、該容器を連続賦活炉(ローラーハースキルン、ノリタケカンパニー製)にて熱処理した。この炭素混合粉とKOH微粉との混合物の嵩密度0.8g/cm3における熱伝導率は2.8W/(m・K)であった。賦活条件は、N2雰囲気下、昇温速度5℃/分にて260℃30分、480℃30分の温度保持を行った後、最高賦活温度は700℃で30分とした。N2雰囲気下で100℃以下まで炉内で降温した後、金属製容器を空気中に取出した。反応生成物(炭素複合粉)は、1N−塩酸で中和した後、0.1N−塩酸で煮沸洗浄を4回実施し金属不純物を除去した。次に蒸留水で煮沸洗浄を5回実施し残留塩素及び金属不純物を除去した。これを110℃で熱風乾燥後、330メッシュ篩と磁選機(磁力12000G)を通して平均粒径11μmの炭素複合粉を得た。
この炭素複合粉の比表面積は910m2/gであった。該炭素複合粉に対して、カーボンブラック9質量%とPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)10質量%を乾式混合した後、該混合粉に有機溶剤を添加して混練し、圧延した後200℃で真空乾燥させ電極材料を作製した。2.7V充放電時の電気容量は40.1F/g,34.2F/mlであり、電極密度は0.85g/cm3であった。200サイクル充放電後の容量保持率は97.5%であった。
(比較例1)
実施例1と同様の易黒鉛化性炭素化物2000g(真密度1.54、粉砕後の平均粒径8μm)を試料とした。この炭素粉に質量比で1.9倍量のKOH微粉を混合し、金属製容器(300mm×300mm×3t×高さ10mm)に充填し、該容器を連続賦活炉(ローラーハースキルン)にて熱処理した。この易黒鉛化性炭素化物とKOHの混合物の嵩密度0.8g/cm3における熱伝導率は0.6W/(m・K)であった。賦活条件は、N2雰囲気下、昇温速度5℃/分にて260℃30分、500℃30分の温度保持を行った後、最高賦活温度は720℃で30分とした。N2雰囲気下で100℃以下まで炉内で降温した後、金属製容器を空気中に取出した。反応生成物を1N−塩酸で中和した後、0.1N−塩酸で煮沸洗浄を2回実施し金属不純物を除去した。次に蒸留水で煮沸洗浄を3回実施し残留塩素及び金属不純物を除去した。これを110℃で熱風乾燥後、330メッシュ篩と磁選機(磁力12000G)を通して平均粒径10μmの炭素粉末を得た。
実施例1と同様の易黒鉛化性炭素化物2000g(真密度1.54、粉砕後の平均粒径8μm)を試料とした。この炭素粉に質量比で1.9倍量のKOH微粉を混合し、金属製容器(300mm×300mm×3t×高さ10mm)に充填し、該容器を連続賦活炉(ローラーハースキルン)にて熱処理した。この易黒鉛化性炭素化物とKOHの混合物の嵩密度0.8g/cm3における熱伝導率は0.6W/(m・K)であった。賦活条件は、N2雰囲気下、昇温速度5℃/分にて260℃30分、500℃30分の温度保持を行った後、最高賦活温度は720℃で30分とした。N2雰囲気下で100℃以下まで炉内で降温した後、金属製容器を空気中に取出した。反応生成物を1N−塩酸で中和した後、0.1N−塩酸で煮沸洗浄を2回実施し金属不純物を除去した。次に蒸留水で煮沸洗浄を3回実施し残留塩素及び金属不純物を除去した。これを110℃で熱風乾燥後、330メッシュ篩と磁選機(磁力12000G)を通して平均粒径10μmの炭素粉末を得た。
この炭素粉末のBET比表面積は860m2/gであった。該炭素粉末に対して、カーボンブラック9質量%とPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)10質量%を乾式混合した後、該混合粉に有機溶剤を添加して混練し、圧延した後200℃で真空乾燥させ電極材料を作製した。2.7V充放電時の電気容量は35.6F/g,30.5F/mlであり、電極密度は0.83g/cm3であった。200サイクル充放電後の容量保持率は97.0%であった。
(比較例2)
比較例1と同様の易黒鉛化性炭素化物10g(真密度1.54、粉砕後の平均粒径8μm)を試料とした。この炭素粉に質量比で1.9倍量のKOH微粉を混合し、金属製容器(80Φ×2t×高さ180mm)に充填し、該容器をバッチ賦活炉(小型加熱炉)にて熱処理した。この易黒鉛化性炭素化物とKOHの混合物の嵩密度0.8g/cm3における熱伝導率は0.6W/(m・K)であった。賦活条件は、N2雰囲気下、昇温速度5℃/分にて260℃30分、500℃30分の温度保持を行った後、最高賦活温度は750℃で30分とした。N2雰囲気下で100℃以下まで炉内で降温した後、金属製容器を空気中に取出した。反応生成物を1N−塩酸で中和した後、0.1N−塩酸で煮沸洗浄を2回実施し金属不純物を除去した。次に蒸留水で煮沸洗浄を2回実施し残留塩素及び金属不純物を除去した。これを110℃で熱風乾燥後、330メッシュ篩と磁選機(磁力12000G)を通して平均粒径10μmの炭素粉末を得た。
比較例1と同様の易黒鉛化性炭素化物10g(真密度1.54、粉砕後の平均粒径8μm)を試料とした。この炭素粉に質量比で1.9倍量のKOH微粉を混合し、金属製容器(80Φ×2t×高さ180mm)に充填し、該容器をバッチ賦活炉(小型加熱炉)にて熱処理した。この易黒鉛化性炭素化物とKOHの混合物の嵩密度0.8g/cm3における熱伝導率は0.6W/(m・K)であった。賦活条件は、N2雰囲気下、昇温速度5℃/分にて260℃30分、500℃30分の温度保持を行った後、最高賦活温度は750℃で30分とした。N2雰囲気下で100℃以下まで炉内で降温した後、金属製容器を空気中に取出した。反応生成物を1N−塩酸で中和した後、0.1N−塩酸で煮沸洗浄を2回実施し金属不純物を除去した。次に蒸留水で煮沸洗浄を2回実施し残留塩素及び金属不純物を除去した。これを110℃で熱風乾燥後、330メッシュ篩と磁選機(磁力12000G)を通して平均粒径10μmの炭素粉末を得た。
この炭素粉末のBET比表面積は830m2/gであった。該炭素粉末に対して、カーボンブラック9質量%とPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)10質量%を乾式混合した後、該混合粉に有機溶剤を添加して混練し、圧延した後200℃で真空乾燥させ電極材料を作製した。2.7V充放電時の電気容量は41.3F/g,33.9F/mlであり、電極密度は0.82g/cm3であった。200サイクル充放電後の容量保持率は98.5%であった。
(比較例3)
実施例1と同様の易黒鉛化性炭素化物2000g(真密度1.54、粉砕後の平均粒径9μm)に、平均繊維径12μm、アスペクト比10、d0020.355nm、熱伝導率300W/(m・K)のメソフェーズピッチ系炭素繊維・黒鉛化品(PAN-CF、ぺトカ製)100gをヘンシェルミキサーにて60秒間混合した。この混合粉に質量比で2.0倍量のKOH微粉を混合した。この混合物の嵩密度0.8g/cm3における熱伝導率は0.8W/(m・K)であった。この混合物を金属製容器(300mm×300mm×3t×高さ10mm)に充填し、該容器を連続賦活炉(ローラーハースキルン)にて熱処理した。賦活条件は、N2雰囲気下、昇温速度5℃/分にて260℃30分、480℃30分の温度保持を行った後、最高賦活温度は700℃で30分とした。N2雰囲気下で100℃以下まで炉内で降温した後、金属製容器を空気中に取出した。反応生成物を1N−塩酸で中和した後、0.1N−塩酸で煮沸洗浄を2回実施し金属不純物を除去した。次に蒸留水で煮沸洗浄を3回実施し残留塩素及び金属不純物を除去した。これを110℃で熱風乾燥後、330メッシュ篩と磁選機(磁力12000G)を通して平均粒径11μmの炭素粉末を得た。
実施例1と同様の易黒鉛化性炭素化物2000g(真密度1.54、粉砕後の平均粒径9μm)に、平均繊維径12μm、アスペクト比10、d0020.355nm、熱伝導率300W/(m・K)のメソフェーズピッチ系炭素繊維・黒鉛化品(PAN-CF、ぺトカ製)100gをヘンシェルミキサーにて60秒間混合した。この混合粉に質量比で2.0倍量のKOH微粉を混合した。この混合物の嵩密度0.8g/cm3における熱伝導率は0.8W/(m・K)であった。この混合物を金属製容器(300mm×300mm×3t×高さ10mm)に充填し、該容器を連続賦活炉(ローラーハースキルン)にて熱処理した。賦活条件は、N2雰囲気下、昇温速度5℃/分にて260℃30分、480℃30分の温度保持を行った後、最高賦活温度は700℃で30分とした。N2雰囲気下で100℃以下まで炉内で降温した後、金属製容器を空気中に取出した。反応生成物を1N−塩酸で中和した後、0.1N−塩酸で煮沸洗浄を2回実施し金属不純物を除去した。次に蒸留水で煮沸洗浄を3回実施し残留塩素及び金属不純物を除去した。これを110℃で熱風乾燥後、330メッシュ篩と磁選機(磁力12000G)を通して平均粒径11μmの炭素粉末を得た。
この炭素粉末の比表面積は890m2/gであった。該炭素粉末に対して、カーボンブラック9質量%とPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)10質量%を乾式混合した後、該混合粉に有機溶剤を添加して混練し、圧延した後200℃で真空乾燥させ電極材料を作製した。2.7V充放電時の電気容量は35.7F/g、29.9F/mlであり、電極密度は0.84g/cm3であった。200サイクル充放電後の容量保持率は97.5%であった。
このようにして得らえた活性炭の各種物性を表1に示す。
このようにして得らえた活性炭の各種物性を表1に示す。
表1に示されるように、比較例2に示される少量実験室規模と同等の性能(体積あたりの静電容量(F/ml))を有する活性炭を実施例1〜3においては工業的規模で製造できることを見出した。すなわち、易黒鉛化炭素化物に熱伝導率の高い気相法炭素繊維を添加してアルカリ賦活することにより、スケールアップ時にも融液膨張が抑えられると共に均一な賦活ができるため体積あたりの静電容量(F/ml)が大きくバラツキが少なく品質安定性に優れた活性炭を工業的規模にて製造できるため、本発明の工業規的価値は極めても大きい。
本発明の炭素複合粉を電極材料に用いることにより、優れた特性の電気二重層キャパシタが得られ、始動電源、補助電源、予備電源等の電源に適用でき、メモリーバックアップ電源、太陽電池や燃料電池の電力貯蔵システム、太陽電池発電システム、風力発電システム、各種自動車(ガソリン自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池自動車)、事務機器(複写機、パソコン)等に利用することが出来る。
1 上蓋
2 Oリング
3 集電体
4 絶縁体
5 容器
6 板ばね
7 電極
8 セパレーター
20 充填容器
21 ニクロム線
22 熱電対
23 試料
2 Oリング
3 集電体
4 絶縁体
5 容器
6 板ばね
7 電極
8 セパレーター
20 充填容器
21 ニクロム線
22 熱電対
23 試料
Claims (25)
- 易黒鉛化性炭素化物に、平均繊維径が200nm以下、アスペクト比が5〜500、結晶構造の層間距離d002が0.340nm以下、25℃における熱伝導率が400W/(m・K)以上である気相法炭素繊維を0.1〜20質量%混合し、賦活してなる電気二重層キャパシタの電極用炭素複合粉。
- 液相置換法による真密度が1.50〜1.60g/cm3である易黒鉛化性炭素化物に、25℃における熱伝導率が400W/(m・K)以上である気相法炭素繊維を0.1〜20質量%混合し、賦活してなる電気二重層キャパシタの電極用炭素複合粉。
- 易黒鉛化性炭素化物が石炭系ピッチまたは石油系ピッチを400℃以上600℃未満、及び600℃以上750℃以下の2段階の温度範囲で熱処理されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭素複合粉。
- 気相法炭素繊維が内部に中空構造を有し、BET比表面積が10m2/g以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の炭素複合粉。
- 易黒鉛化性炭素化物に気相法炭素繊維を混合した賦活前の混合物の25℃における熱伝導率が1〜5W/(m・K)であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の炭素複合粉。
- 賦活がアルカリ金属化合物によりなされたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の炭素複合粉。
- BET比表面積が700〜2100m2/gであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の炭素複合粉。
- 平均粒子径が1〜50μmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の炭素複合粉。
- 易黒鉛化性炭素化物に、平均繊維径が200nm以下、アスペクト比が5〜500、結晶構造の層間距離d002が0.340nm以下、25℃における熱伝導率が400W/(m・K)以上である気相法炭素繊維0.1〜20質量%とアルカリ金属化合物とを混合し、その混合物の予熱、賦活、冷却を連続的に行い、該賦活における最高温度帯の温度が600〜800℃の範囲にあり、且つその温度における混合物の温度分布が±30℃以内であることを特徴とする電気二重層キャパシタの電極用炭素複合粉の製造方法。
- 予熱前の混合物の25℃における熱伝導率が、0.6W/(m・K)以上であることを特徴とする請求項9に記載の炭素複合紛の製造方法。
- アルカリ金属化合物が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化セシウムからなら群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項9又は10に記載の炭素複合粉の製造方法。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の炭素複合粉とカーボンブラックと結合剤を混合して作製した分極性電極材料。
- 2.7V電圧印加持の膨張率が30%以下、該電極材料の密度が0.70g/cm3以上であり、質量あたりの電気容量が35F/g以上かつ体積あたりの電気容量が30F/ml以上である請求項12に記載の分極性電極材料。
- 結合剤が、ポリテトラフルオロエチレン又はポリフッ化ビニリデンである請求項12又は13に記載の分極性電極材料。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の炭素複合粉とカーボンブラックと結合剤を乾式混合した後、該混合粉に沸点200℃以下の有機溶剤を添加し混練し、圧延した後、真空乾燥させることを特徴とする分極性電極材料の製造方法。
- 請求項12〜14のいずれかに記載の分極性電極材料を含む電極シートと集電体との積層体。
- 集電体が、アルミニウム、銅、チタン、タンタル、ニッケルまたはそれらの合金からなる群から選ばれる請求項16に記載の積層体。
- 請求項16又は17に記載の積層体からなる電極。
- 請求項18に記載の電極を使用した電気二重層キャパシタ。
- 4級アンモニウム塩、4級イミダゾリウム塩、4級ピリジニウム塩、4級ホスホニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む電解質塩を溶解した電解液を用いることを特徴とする請求項19に記載の電気二重層キャパシタ。
- 請求項19又は20に記載の電気二重層キャパシタを含む電源。
- 請求項21に記載の電源を使用した自動車。
- 請求項21に記載の電源を使用した事務用機器。
- 請求項21に記載の電源を使用した太陽電池発電システム。
- 請求項21に記載の電源を使用した風力発電システム。
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2005
- 2005-02-03 JP JP2005027394A patent/JP2006216748A/ja active Pending
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