JP2006216288A - 電極の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電池のエネルギー密度を向上させることが可能な電極の製造方法を提供する。
【解決手段】この電極4の製造方法は、支持体1上に活物質を塗布することにより、支持体1上に活物質層2を形成する工程と、支持体1上に形成された活物質層2を乾燥させる工程と、乾燥後に、支持体1を活物質層2から剥離する工程とを備えている。
【選択図】図1
【解決手段】この電極4の製造方法は、支持体1上に活物質を塗布することにより、支持体1上に活物質層2を形成する工程と、支持体1上に形成された活物質層2を乾燥させる工程と、乾燥後に、支持体1を活物質層2から剥離する工程とを備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、電極の製造方法に関し、特に、集電体を備えた電極の製造方法に関する。
近年、高いエネルギー密度を有する二次電池が開発されている。このような二次電池では、電極を構成する活物質の容量密度を大きくすることにより、電池のエネルギー密度を向上している(たとえば、特許文献1参照)。この特許文献1では、正極活物質として、真密度の高い層状岩塩型の材料を用いることによって、正極活物質層の容量密度を大きくしている。また、従来、電極を構成する集電体やセパレータなどの電池反応に直接関与しない部材の体積や重量を小さくすることによって、電池のエネルギー密度を向上する技術が知られている。そして、このような従来の二次電池では、図14に示すように、集電体103上に活物質を塗布することによって、集電体103上に活物質層102が配置された電極104を形成していた。たとえば、上記特許文献1では、正極集電体としての20μmの厚みを有するアルミニウム箔の両面に正極活物質を含む正極合剤を塗布することにより正極を形成するとともに、負極集電体としての30μmの厚みを有する銅箔の両面に負極活物質を含む負極合剤を塗布することにより負極を形成している。
しかしながら、上記のような従来のリチウム二次電池の電極の製造方法では、8μm未満の比較的小さい厚みの集電体を用いて電極を形成する場合、集電体の機械的強度が低いので、集電体上に活物質を塗布する際に集電体が破れる場合があるという不都合があった。特に、ロール状に巻いた集電体上に連続的に活物質を塗布する工程を採用する場合には、集電体の厚みを小さくすると、集電体が破れやすいという不都合がある。このため、従来では、電極を構成する集電体の厚みを小さくするのが困難であるので、電池反応に直接関与しない集電体の体積(重量)を低減するのが困難であるという不都合があった。その結果、電池のエネルギー密度を向上させるのが困難であるという問題点があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、電池のエネルギー密度を向上させることが可能な電極の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による電極の製造方法は、支持体上に活物質を塗布することにより、支持体上に活物質層を形成する工程と、支持体上に形成された活物質層を乾燥させる工程と、乾燥後に、支持体を活物質層から剥離する工程とを備えている。
この一の局面による電極の製造方法では、上記のように、支持体上に活物質を塗布することにより支持体上に活物質層を形成し、乾燥後に、支持体を活物質層から剥離することによって、支持体に支持された状態の活物質層を乾燥させることにより支持体上の活物質層の強度を十分に向上させることができるので、支持体を活物質層から剥離した場合にも、活物質層の形状を維持することができる。この場合には、活物質層上に集電体を配置することにより電極を形成することができるので、集電体上に活物質を塗布することにより電極を形成する場合と異なり、集電体の厚みを小さくしたとしても、電極の形成時に集電体が破損するのを抑制することができる。これにより、厚みの小さい集電体を用いた電極を形成することができるので、その電極を用いて形成された電池のエネルギー密度を向上させることができる。
上記一の局面による電極の製造方法において、好ましくは、活物質層から支持体を剥離した後、活物質層に集電体を貼り付けることにより電極を形成する工程をさらに備える。このように構成すれば、活物質層に集電体を貼り付けることにより、容易に、活物質層上に集電体を配置することができるので、厚みの小さい集電体を用いた電極を容易に形成することができる。
上記一の局面による電極の製造方法において、好ましくは、支持体上に形成された活物質層を乾燥させる工程に先立って、活物質層上に集電体を配置する工程と、乾燥後に、支持体を集電体が配置された活物質層から剥離することにより電極を形成する工程とをさらに備える。このように構成すれば、乾燥する前の湿った状態の活物質層上に集電体を配置した後、活物質層を乾燥させることができるので、活物質層の乾燥時に活物質層中の結着材などにより集電体と活物質層とを貼り合わせることができる。これにより、乾燥状態の活物質層上に集電体を配置する場合と異なり、集電体を活物質層上に載置するだけで、容易に集電体を活物質層上に貼り付けることができるので、厚みの小さい集電体を用いた電極をより容易に形成することができる。
この場合、好ましくは、支持体を集電体が配置された活物質層から剥離した後、集電体が配置された活物質層を再度乾燥させる工程をさらに備える。このように構成すれば、活物質層が支持体と集電体とにより両側から挟まれた状態で1回目の乾燥が行われることに起因して、活物質層が十分に乾燥されなかった場合にも、集電体が配置された活物質層から支持体を剥離した後の2回目(再度)の乾燥により、活物質層を十分に乾燥させることができる。
上記一の局面による電極の製造方法において、好ましくは、集電体は、8μm未満の厚みを有する。上記一の局面による製造方法を用いれば、8μm未満の小さい厚みを有する集電体を用いて電極を形成することができるので、電池のエネルギー密度をより向上させることができる。
上記一の局面による電極の製造方法において、好ましくは、支持体は、多孔質構造を有する。このような構成の支持体を用いれば、乾燥時に支持体の孔を介して活物質層中の液体成分が蒸発するので、活物質層を容易に乾燥させることができる。また、多孔質構造を有する支持体を用いることによって、支持体と活物質層との接触面積が小さくなるので、容易に、活物質層から支持体を剥離することができる。
上記一の局面による電極の製造方法において、好ましくは、支持体は、ポリプロピレンとポリエチレンとを含む材料からなり、支持体上に活物質を塗布することにより、支持体上に活物質層を形成する工程は、支持体上に水が溶剤であるスラリーを塗布することにより、支持体上に活物質層を形成する工程を含む。このように構成すれば、水が溶剤であるスラリーを塗布する場合に、ポリプロピレンおよびポリエチレンを含有する材料からなる水との親和性の高い支持体を用いることにより、水との親和性の低い材料からなる支持体を用いる場合に比べて、支持体上に活物質を容易に塗布することができるので、電極を容易に形成することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
(第1実施形態)
図1〜図3は、本発明の第1実施形態による電極の製造方法を説明するための断面図である。まず、図1〜図3を参照して、本発明の第1実施形態による電極4の製造方法について詳細に説明する。
本発明の第1実施形態では、図1に示すように、支持体1の上面に活物質を塗布することにより、支持体1上に活物質層2を形成する。この支持体1としては、多孔質構造を有する不織布や多孔質構造を有する膜などを用いることができる。多孔質構造を有する不織布としては、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン、ガラス繊維、ナイロンおよびポリエステルなどからなるグループより選択される少なくとも1つを含有する材料からなる不織布が挙げられる。また、多孔質構造を有する膜としては、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィンからなるグループより選択される少なくとも1つを含有する材料からなる膜が挙げられる。たとえば、多孔質構造を有する膜として、電池を構成するセパレータと同じ材料からなる膜を用いることができる。このように、多孔質構造を有する支持体1を用いれば、乾燥時に支持体1の孔を介して活物質層2中の溶剤などの液体成分が蒸発するので、活物質層2を容易に乾燥させることができる。また、多孔質構造を有する支持体1を用いることによって、支持体1と活物質層2との接触面積が小さくなるので、容易に、活物質層2から支持体1を剥離することができる。
また、支持体1の厚みは、約10μm以上約1mm(1000μm)以下であるのが好ましい。このように約10μm以上の厚みの支持体1を用いることによって、支持体1の機械的強度が低下するのを抑制することができるので、支持体1上に活物質を塗布する際に、支持体1が破れるのを抑制することが可能である。また、約1mm以下の厚みの支持体1を用いることによって、支持体1の柔軟性が低下するのを抑制することができるので、支持体1を活物質層2から容易に剥離することが可能である。
また、支持体1は、活物質を含むスラリーの溶剤との親和性の高い材料を用いて形成されるのが好ましい。たとえば、活物質を含むスラリーの溶剤として水が用いられている場合には、支持体1としては、水との親和性の高いポリプロピレンとポリエチレンとを含有するNi−H電池用セパレータと同じ材料からなる膜を用いるのが好ましい。これにより、支持体1上に活物質を塗布する際に、活物質を含むスラリーの溶剤が支持体1にはじかれるのを抑制することができるので、容易に、活物質を支持体1上に塗布することが可能になる。
図1に示したように、支持体1上に活物質層2を形成した後、支持体1上に形成された活物質層2を乾燥させる。その後、図2に示すように、活物質層2から支持体1を剥離する。そして、図3に示すように、乾燥状態の活物質層2上に集電体3を貼り付けた後、圧延処理を施すことによって集電体3の片面に活物質層2が配置された電極4を形成する。
第1実施形態では、上記のように、支持体1上に活物質を塗布することにより支持体1上に活物質層2を形成し、乾燥後に、支持体1を活物質層2から剥離することによって、支持体1に支持された状態の活物質層2を乾燥させることにより支持体1上の活物質層2の強度を十分に向上させることができるので、支持体1を活物質層2から剥離した場合にも、活物質層2の形状を維持することができる。これにより、活物質層2上に集電体3を配置することにより電極4を形成することができるので、集電体3上に活物質を塗布することにより電極4を形成する場合と異なり、集電体3の厚みを小さくしたとしても、電極4の形成時に集電体3が破損するのを抑制することができる。このため、厚みの小さい集電体3を用いた電極4を形成することができるので、その電極4を用いて形成された電池のエネルギー密度を向上させることができる。
図4は、第1実施形態の変形例による電極の製造方法を説明するための図である。図1〜図4を参照して、第1実施形態の変形例による電極5の製造方法としては、まず、図1および図2に示した第1実施形態と同様のプロセスを用いて、乾燥状態の活物質層2を形成する。そして、図4に示すように、乾燥状態の活物質層2上に、上記第1実施形態において形成された電極4(図3参照)の集電体3側の面を貼り付ける。この後、圧延処理を施すことによって、集電体3の上面および下面の両面に活物質層2が配置された電極5を形成する。
(第2実施形態)
(第2実施形態)
図5および図6は、本発明の第2実施形態による電極の製造方法を説明するための断面図である。次に、図1、図5および図6を参照して、本発明の第2実施形態による電極14の製造方法について説明する。
まず、図1に示した第1実施形態と同様のプロセスを用いて、図5に示すように、支持体11上に活物質層12を形成する。
ここで、第2実施形態では、支持体11上に形成された活物質層12の乾燥処理を行う前に、図5に示すように、湿った状態の活物質層12上に集電体13を配置する。そして、集電体13および支持体11に上面および下面を挟まれた状態の活物質層12を乾燥させた後、図6に示すように、集電体13が配置された活物質層12から支持体11を剥離する。そして、集電体13が配置された活物質層12を再度乾燥させた後、圧延処理を施すことによって、集電体13の片面に活物質層12が配置された電極14を形成する。
第2実施形態では、上記のように、乾燥する前の湿った状態の活物質層12上に集電体13を配置した後、活物質層12を乾燥させることによって、活物質層12の乾燥時に活物質層12中の結着材などにより集電体13と活物質層12とを貼り合わせることができるので、乾燥状態の活物質層12上に集電体13を配置する場合と異なり、集電体13を活物質層12上に載置するだけで、容易に集電体13を活物質層12上に貼り付けることができる。これにより、1μmの厚みの集電体13を用いた電極14をより容易に形成することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、集電体13が配置された活物質層12から支持体11を剥離した後、集電体13が配置された活物質層12を再度乾燥させることによって、活物質層12が支持体11と集電体13とにより両側から挟まれた状態で1回目の乾燥が行われることに起因して、活物質層12が十分に乾燥されなかった場合にも、集電体13が配置された活物質層12から支持体11を剥離した後の2回目(再度)の乾燥により、活物質層12を十分に乾燥させることができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記した第1実施形態と同様である。
図7および図8は、第2実施形態の変形例による電極の製造方法を説明するための断面図である。図6〜図8を参照して、第2実施形態の変形例による電極15の製造方法としては、まず、図5に示した第2実施形態と同様のプロセスを用いて、図7に示すように、支持体11上に活物質層12を形成する。そして、支持体11上に形成された活物質層12の乾燥処理を行う前に、図7に示すように、湿った状態の活物質層12上に、上記第2実施形態において形成された電極14(図6参照)の集電体13側の面を配置する。そして、集電体13および支持体11に上面および下面を挟まれた状態の活物質層12を乾燥させた後、図8に示すように、活物質層12から支持体11を剥離する。そして、上面に集電体13が配置された活物質層12を再度乾燥させた後、圧延処理を施すことによって、集電体13の上面および下面の両面に活物質層12が配置された電極15を形成する。
次に、上記した第1実施形態および第2実施形態による電極の製造方法を用いて実際に作製した電極について行った実験について説明する。この実験では、上記第1実施形態および第2実施形態に各々対応する実施例1および実施例2による負極を作製するとともに、それらの負極を用いて充放電試験を行った。以下、詳細に説明する。
[負極の作製]
(実施例1)
負極活物質としての人造黒鉛を98質量%と、結着材としてのスチレンブタジエンラバー(SBR)を1質量%と、増粘材としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)を1質量%とを混合し、溶剤としての水を加えてスラリーとした。そして、このスラリーをドクターブレード法により支持体としてのポリプロピレンおよびポリエチレンを含有する70μmの厚みの不織布上に塗布した。そして、80℃の温度で30分間乾燥させることにより、不織布上に負極活物質層を形成した後、不織布を負極活物質層から剥離した。そして、負極活物質層上に負極集電体としての1μmの厚みのCu箔を配置した後、負極活物質層の厚みおよび充填密度が各々190μmおよび1.4g/cm3となるように圧延処理を行った。そして、縦2cm×横2cmの大きさに切り取り、100℃の温度で真空乾燥させることにより実施例1による負極を作製した。
(実施例1)
負極活物質としての人造黒鉛を98質量%と、結着材としてのスチレンブタジエンラバー(SBR)を1質量%と、増粘材としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)を1質量%とを混合し、溶剤としての水を加えてスラリーとした。そして、このスラリーをドクターブレード法により支持体としてのポリプロピレンおよびポリエチレンを含有する70μmの厚みの不織布上に塗布した。そして、80℃の温度で30分間乾燥させることにより、不織布上に負極活物質層を形成した後、不織布を負極活物質層から剥離した。そして、負極活物質層上に負極集電体としての1μmの厚みのCu箔を配置した後、負極活物質層の厚みおよび充填密度が各々190μmおよび1.4g/cm3となるように圧延処理を行った。そして、縦2cm×横2cmの大きさに切り取り、100℃の温度で真空乾燥させることにより実施例1による負極を作製した。
(実施例2)
上記実施例1と同様にして、水を溶剤とするスラリーをドクターブレード法により支持体としてのポリプロピレンおよびポリエチレンを含有する70μmの厚みの不織布上に塗布した。そして、実施例2では、上記実施例1と異なり、不織布上に塗布されたスラリーの上に負極集電体としての1μmの厚みのCu箔を配置した。その後、80℃の温度で30分間乾燥させることにより、不織布上に負極活物質層および負極集電体を形成した。そして、不織布を負極活物質層から剥離した後、80℃の温度で再度30分間乾燥させた。その後、負極活物質層の厚みおよび充填密度が各々200μmおよび1.45g/cm3となるように圧延処理を行った。そして、縦2cm×横2cmの大きさに切り取り、100℃の温度で真空乾燥させることにより実施例2による負極を作製した。
上記実施例1と同様にして、水を溶剤とするスラリーをドクターブレード法により支持体としてのポリプロピレンおよびポリエチレンを含有する70μmの厚みの不織布上に塗布した。そして、実施例2では、上記実施例1と異なり、不織布上に塗布されたスラリーの上に負極集電体としての1μmの厚みのCu箔を配置した。その後、80℃の温度で30分間乾燥させることにより、不織布上に負極活物質層および負極集電体を形成した。そして、不織布を負極活物質層から剥離した後、80℃の温度で再度30分間乾燥させた。その後、負極活物質層の厚みおよび充填密度が各々200μmおよび1.45g/cm3となるように圧延処理を行った。そして、縦2cm×横2cmの大きさに切り取り、100℃の温度で真空乾燥させることにより実施例2による負極を作製した。
[非水電解液の調製]
(実施例1および実施例2共通)
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを体積比が30:70となるような割合で混合したものに、LiPF6を1mol/lの含有率となるように添加することにより非水電解液を調製した。
(実施例1および実施例2共通)
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを体積比が30:70となるような割合で混合したものに、LiPF6を1mol/lの含有率となるように添加することにより非水電解液を調製した。
[試験セルの作製]
図9は、実施例1および実施例2による二次電池の負極の特性を調べるために作製した試験セルを示した斜視図である。図9を参照して、試験セルの作製プロセスとしては、負極21と正極22とがセパレータ25を挟んで対向するように、負極21および正極22を試験セル容器20内に配置した。また、参照極23も試験セル容器20内に配置した。そして、試験セル容器20内に非水電解液24を注液することによって、試験セルを作製した。なお、負極21としては、上記のようにして作製した実施例1および実施例2による負極を用いるとともに、正極22および参照極23としては、リチウム金属を用いた。また、非水電解液24としては、上記のようにして作製した実施例1および実施例2による非水電解液を用いた。
図9は、実施例1および実施例2による二次電池の負極の特性を調べるために作製した試験セルを示した斜視図である。図9を参照して、試験セルの作製プロセスとしては、負極21と正極22とがセパレータ25を挟んで対向するように、負極21および正極22を試験セル容器20内に配置した。また、参照極23も試験セル容器20内に配置した。そして、試験セル容器20内に非水電解液24を注液することによって、試験セルを作製した。なお、負極21としては、上記のようにして作製した実施例1および実施例2による負極を用いるとともに、正極22および参照極23としては、リチウム金属を用いた。また、非水電解液24としては、上記のようにして作製した実施例1および実施例2による非水電解液を用いた。
[充放電試験]
上記のようにして作製した実施例1および2に対応するそれぞれの試験セルについて、充放電試験を行った。充放電の条件は、まず、0.75mA/cm2の電流密度で0Vvs.Li/Li+まで充電を行った後、0.25mA/cm2の電流密度で0Vvs.Li/Li+まで充電を行った。そして、0.75mA/cm2の電流密度で2Vvs.Li/Li+まで放電を行った。ここで、充電を2回行った理由は以下による。すなわち、電位0Vvs.Li/Li+まで充電を行うことにより、理論上は、すべてのリチウムイオンが負極に吸蔵される。しかしながら、実際には、充電時に、負極に分極が発生するため、電位0Vvs.Li/Li+まで充電を行ったとしても、すべてのリチウムイオンを負極に吸蔵させるのは困難である。また、分極の発生は、充電時の電流密度が大きくなるにしたがってより顕著になる。これにより、比較的大きい電流密度(0.75mA/cm2)を用いて充電を行った場合には、電位0Vvs.Li/Li+まで充電を行ったとしても、すべてのリチウムイオンを負極に吸蔵させるのが困難である。そこで、大きい電流密度(0.75mA/cm2)を用いて充電を行った後、より小さい電流密度(0.25mA/cm2)を用いて再度充電を行うことにより、1回目の充電で吸蔵されずに残ったリチウムイオンを負極に吸蔵させることができる。上記のようにして、異なる2つの電流密度を用いて電位0Vvs.Li/Li+まで充電を行うことにより、ほぼすべてのリチウムイオンを負極に吸蔵させることが可能になる。そして、この充放電を1サイクルとして、5サイクル目まで充放電を行った。その結果を図10〜図13に示す。
上記のようにして作製した実施例1および2に対応するそれぞれの試験セルについて、充放電試験を行った。充放電の条件は、まず、0.75mA/cm2の電流密度で0Vvs.Li/Li+まで充電を行った後、0.25mA/cm2の電流密度で0Vvs.Li/Li+まで充電を行った。そして、0.75mA/cm2の電流密度で2Vvs.Li/Li+まで放電を行った。ここで、充電を2回行った理由は以下による。すなわち、電位0Vvs.Li/Li+まで充電を行うことにより、理論上は、すべてのリチウムイオンが負極に吸蔵される。しかしながら、実際には、充電時に、負極に分極が発生するため、電位0Vvs.Li/Li+まで充電を行ったとしても、すべてのリチウムイオンを負極に吸蔵させるのは困難である。また、分極の発生は、充電時の電流密度が大きくなるにしたがってより顕著になる。これにより、比較的大きい電流密度(0.75mA/cm2)を用いて充電を行った場合には、電位0Vvs.Li/Li+まで充電を行ったとしても、すべてのリチウムイオンを負極に吸蔵させるのが困難である。そこで、大きい電流密度(0.75mA/cm2)を用いて充電を行った後、より小さい電流密度(0.25mA/cm2)を用いて再度充電を行うことにより、1回目の充電で吸蔵されずに残ったリチウムイオンを負極に吸蔵させることができる。上記のようにして、異なる2つの電流密度を用いて電位0Vvs.Li/Li+まで充電を行うことにより、ほぼすべてのリチウムイオンを負極に吸蔵させることが可能になる。そして、この充放電を1サイクルとして、5サイクル目まで充放電を行った。その結果を図10〜図13に示す。
図10および図11には、それぞれ、実施例1の試験セルについて行った充放電の初期(1サイクル目の)充放電特性、および、5サイクル目までの充放電サイクル特性が示されている。また、図12および図13には、それぞれ、実施例2の試験セルについて行った充放電の初期(1サイクル目の)充放電特性、および、5サイクル目までの充放電サイクル特性が示されている。なお、図10および図12に示した初期充放電特性は、集電体を除いた負極の充放電容量密度を表している。図10および図11を参照して、実施例1では、集電体を除いた負極の初期放電容量密度は、325mAh/gであった。また、実施例1では、集電体を除いた負極の5サイクル目の放電容量密度密度は、325mAh/gであり、集電体を除いた負極の5サイクル目の充放電効率は、100%であった。このように、実施例1による負極を用いた試験セルでは、安定した充放電サイクル特性を示すとともに、充放電を十分に行えることが判明した。
また、上記した実施例1の集電体を除いた負極の初期放電容量密度(325mAh/g)から、集電体としての1μmの厚みのCu箔を含む負極の初期容量密度は、314mAh/gであると算出された。また、比較対照として、8μmの厚みのCu箔の集電体を用いて形成された上記実施例1に対応する負極の初期容量密度は、256mAh/gであると算出された。これにより、集電体としてのCu箔の厚みを小さくすることによって、負極の容量密度が向上することが確認できた。
また、図12および図13を参照して、実施例2では、集電体を除いた負極の初期放電容量密度は、323mAh/gであった。また、実施例2では、集電体を除いた負極の5サイクル目の放電容量密度密度は、323mAh/gであり、集電体を除いた負極の5サイクル目の充放電効率は、100%であった。このように、実施例2による負極を用いた試験セルでは、安定した充放電サイクル特性を示すとともに、充放電を十分に行えることが判明した。
また、上記した実施例2の集電体を除いた負極の初期放電容量密度(323mAh/g)から、集電体としての1μmの厚みのCu箔を含む負極の初期容量密度は、313mAh/gであると算出された。また、比較対照として、8μmの厚みのCu箔の集電体を用いて形成された上記実施例2に対応する負極の初期容量密度は、259mAh/gであると算出された。これにより、集電体としてのCu箔の厚みを小さくすることによって、負極の容量密度が向上することが確認できた。
なお、今回開示された実施形態および実施例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態および実施例の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、支持体として、多孔質構造を有する不織布や多孔質構造を有する膜を用いる例について示したが、本発明はこれに限らず、支持体として多孔質構造を有しない金属からなる箔などを用いてもよい。なお、多孔質構造を有しない金属からなる箔を用いる場合には、その金属製の箔に、レーザなどにより貫通孔を形成するのが好ましい。これにより、第2実施形態において、活物質層の上面および下面の両面が金属箔で覆われた状態で活物質層を乾燥させる場合に、支持体としての金属箔の貫通孔を介して、活物質層に含まれる溶剤が蒸発するので、容易に活物質層を乾燥させることができる。
また、上記実施例では、活物質を含むスラリーの溶剤として水を用いる場合に、ポリプロピレンとポリエチレンとを含有する不織布からなる水との親和性の高い支持体を用いる例を示したが、本発明はこれに限らず、活物質を含むスラリーの溶剤として水以外の物質を用いる場合には、ポリプロピレンとポリエチレンとを含有する材料以外の溶剤となる物質との親和性の高い材料からなる支持体を用いるようにしてもよい。
また、上記実施例では、本発明を、活物質層上に集電体としての1μmの厚みのCu箔を配置する場合に適用する例について示したが、本発明はこれに限らず、活物質層上に集電体としての1μmの厚みのAl箔、Fe箔およびNi箔などの他の金属箔を配置する場合にも適用可能である。また、集電体としての1μmよりも大きい厚みの金属箔や1μmよりも小さい厚みの金属箔を活物質層上に配置する場合にも適用可能である。
また、上記実施例では、本発明を、リチウム二次電池の負極に適用する例について示したが、本発明はこれに限らず、本発明を、リチウム二次電池の正極にも適用可能である。また、リチウム二次電池以外の電極を含む電池に広く適用可能である。
1、11 支持体
2、12 活物質層
3、13 集電体
4、5、14、15 電極
2、12 活物質層
3、13 集電体
4、5、14、15 電極
Claims (7)
- 支持体上に活物質を塗布することにより、前記支持体上に活物質層を形成する工程と、
前記支持体上に形成された前記活物質層を乾燥させる工程と、
乾燥後に、前記支持体を前記活物質層から剥離する工程とを備えた、電極の製造方法。 - 前記活物質層から前記支持体を剥離した後、前記活物質層に集電体を貼り付けることにより電極を形成する工程をさらに備える、請求項1に記載の電極の製造方法。
- 前記支持体上に形成された前記活物質層を乾燥させる工程に先立って、前記活物質層上に集電体を配置する工程と、
乾燥後に、前記支持体を前記集電体が配置された前記活物質層から剥離することにより電極を形成する工程とをさらに備える、請求項1に記載の電極の製造方法。 - 前記支持体を前記集電体が配置された前記活物質層から剥離した後、前記集電体が配置された前記活物質層を再度乾燥させる工程をさらに備える、請求項3に記載の電極の製造方法。
- 前記集電体は、8μm未満の厚みを有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電極の製造方法。
- 前記支持体は、多孔質構造を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電極の製造方法。
- 前記支持体は、ポリプロピレンとポリエチレンとを含む材料からなり、
支持体上に活物質を塗布することにより、前記支持体上に活物質層を形成する工程は、
前記支持体上に水が溶剤であるスラリーを塗布することにより、前記支持体上に前記活物質層を形成する工程を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電極の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2005025979A JP2006216288A (ja) | 2005-02-02 | 2005-02-02 | 電極の製造方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010153262A (ja) * | 2008-12-25 | 2010-07-08 | Nippon Zeon Co Ltd | 支持体付電極組成物層及び電気化学素子用電極の製造方法 |
KR20180094675A (ko) * | 2017-02-16 | 2018-08-24 | 주식회사 엘지화학 | 재단 및 적층이 가능한 단위 전극 시트 |
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-
2005
- 2005-02-02 JP JP2005025979A patent/JP2006216288A/ja active Pending
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