JP2006215970A - 車両用警報装置およびそれを備える車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車両の周囲の人に対して、状況に応じて適切に注意喚起を促すことが可能な車両用警報装置を提供する。
【解決手段】 車両の周囲または近傍に居る人を警報出力対象として感知すると(ステップS100)、警報出力対象と車両との間の距離を検知する(ステップS110)。さらに、検知された警報出力対象との距離に基づいて、警報の出力設定が行なわれる(ステップS200)。この際に、警報の出力設定は、警報の種類の選択および警報の出力レベル調整の少なくとも一方によって行われる。たとえば、警報出力対象との距離が大きい場合には、警報の出力レベル(音量)が増大され、警報出力対象との距離が小さい場合には、警報の出力レベル(音量)が減少される。
【選択図】 図4

Description

本発明は、車両用警報装置に関し、より特定的には、車両の周囲の人に対して注意を喚起する車両用警報装置およびそれを搭載した車両に関する。
近年、環境問題対策の1つとして、モータからの駆動力により走行するハイブリッド自動車、燃料電池車、電気自動車などが注目されている。このような車両においては、モータにより走行する場合、モータの作動音がエンジンの作動音に比較して小さいため、車両の周囲の他車あるいは歩行者に対して自車の存在を認知させる必要性が生じる。
このような問題点に鑑みて、特開2002−2424号公報(特許文献1)には、電気自動車等に搭載される歩行者危険感知システムが開示される。この歩行者危険感知システムは、電気自動車のフロント部分に設けられたレーザー光線感知装置および電波感知装置による対象物感知ならびに、可変音量模擬走行音のスピーカからの発生を、コンピュータ制御により実行する。また、緊急事故回避時に、スピーカから緊急危険を歩行者等に発し、かつ携帯電話等に車から送信し音声により警告する。
特許文献1に開示された歩行者危険感知システムによれば、電気自動車の導入による走行音の減少に起因する歩行者の事故防止を、安価な装置により導入することができる。特に、既存の装置でもすぐに作れる装置であるとともに、カーナビゲーションや新技術の導入があってもシステム自体はすぐに新技術を利用できる点で有利である。
特開2002−2424号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された歩行者危険感知システムは、レーザー光線あるいは電波等で感知した車両周囲の人に対して、当該車両の接近による危険性を状況に応じて適切に認知させるための警報の出力設定制御について具体的な開示を欠いている。このため、車両周囲に人を感知しても、有効な警報を発することができない可能性、あるいは、過度の注意喚起を促すことにより不快感を与えてしまう可能性が存在する。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、車両の周囲の人に対して、状況に応じて適切に注意喚起を促すことが可能な車両用警報装置およびこれを搭載した車両を提供することである。
本発明による車両用警報装置は、人感知手段と、距離検知手段と、警報設定手段と、警報出力手段とを備える。人感知手段は、車両の周囲または近傍に居る人を感知する。距離検知手段と、人感知手段によって感知された人と車両との間の距離を検知する。警報設定手段は、距離検知手段によって検知された距離に基づいて、警報の種類の選択および警報の出力レベル調整の少なくとも一方行なうことによって警報の出力設定を行なう。警報出力手段は、警報設定手段による出力設定に従って警報を車外に対して出力する。
上記車両用警報装置では、車両の周囲または近傍にいる人を感知した場合に、感知した人との間の距離に基づいて、警報の出力設定を行なうことができる。警報の出力設定により、警報の種類(たとえば警報音の態様)の選択や、警報の出力レベル(たとえば警報音の音量)の調整を行なうことが可能となるため、警報出力対象までの距離に応じて、車両周囲の人に対してより確実に注意喚起を行なうことができる。
好ましくは、本発明による車両用警報装置は、騒音検知手段をさらに備える。騒音検知手段は、車両の周囲の騒音レベルを検知する。さらに、警報設定手段は、距離検知手段によって検知された距離と、騒音検知手段によって検知された騒音レベルとに基づいて、警報の出力設定を行なう手段を含む。
上記車両用警報装置によれば、騒音検知手段によって検知された車両の周囲の騒音レベルに応じて、警報の出力設定を行なうことができる。たとえば、車両周囲の騒音が大きいときには、警報出力対象に対して確実に注意喚起を促すことができるとともに、車両周囲の騒音が小さいときには、不快感を与えることなく車両の接近を認知させることができるので、車両周囲の人に対して状況(騒音レベル)に応じて適切に注意喚起を促すことができる。
また好ましくは、本発明による車両用警報装置は、速度検知手段をさらに備える。速度検知手段は、車両の速度を検知する。さらに、警報設定手段は、距離検知手段により検知した距離および速度検知手段により検知された車両の速度に基づいて、警報の出力設定を行なう手段を含む。
上記車両用警報装置によれば、車両速度および警報出力対象である人との間の距離に応じて警報の出力設定を行なうことができる。たとえば、車両速度および人との距離に応じて判定される危険度に応じて、車両周囲の人に対して、危険度が高い場合にはより有効かつ確実に注意喚起を促すことができるとともに、危険度が低い場合には不快感を与えることなく車両の接近を認知させることができる。すなわち、車両周囲の人に対して状況に応じて適切に注意喚起を促すことができる。
さらに好ましくは、本発明による車両用警報装置は、騒音検知手段をさらに備える。騒音検知手段は、車両の周囲の騒音レベルを検知する。さらに、警報設定手段は、距離検知手段により検知した距離および速度検知手段により検知された車両の速度と騒音検知手段によって検知された騒音レベルとに基づいて、警報の出力設定を行なう手段をさらに含む。
上記車両用警報装置によれば、車両速度および警報出力対象である人との間の距離に加えて、車両の周囲の騒音レベルをさらに考慮して警報の出力設定を行なうことができる。このため、危険度に影響する車両速度および距離に加えて、車両周囲の騒音レベルをさらに考慮に入れて、車両周囲の人に対して適切に注意喚起を促すことができる。
また、さらに好ましくは、本発明による車両用警報装置では、警報は、予め定められた態様の警報音である。
上記車両用警報装置によれば、車両の周囲の人に対して予め定められた態様の警報音(たとえばメロディ)を発生することにより、車両の周囲の人に対して不快感を与えることなく車両の存在を認知させて注意喚起を行なうことができる。
あるいは、さらに好ましくは、本発明による車両用警報装置は、受信指示手段と、記憶手段とをさらに備える。また、車両には車両外部の基地局と通信可能な通信手段が搭載される。受信指示手段は、通信手段を介して警報の態様に対応するデータを受信する。記憶手段は、受信したデータを蓄積する。さらに、警報設定手段は、記憶手段に蓄積されたデータに基づいて、警報の態様を設定する手段を含む。
上記車両用警報装置においては、通信装置を介して警報の態様(たとえばメロディ・電子音・音楽等)に対応するデータを受信して、受信したデータに基づいて警報音の態様を設定することができる。この結果、基地局からのダウンロードによって取得可能な運転者の所望のメロディ等を、警報の態様として設定することができる。
好ましくは、本発明による車両用警報装置は、通知手段をさらに備える。通知手段は、警報出力手段による警報の出力を車両の内部に通知する。特に、通知手段は、所定音の発生により、警報出力手段による警報の出力を車両の内部に通知する。
上記車両用警報装置によれば、警報出力手段による警報の出力を車両の内部に通知することができる。これにより、運転者は、警報が発生したことを確認することができる。また、通知手段による通知により、運転者は車両の周囲に人がいることを認知することが可能となる。
さらに好ましくは、本発明による車両用警報装置は、受信指示手段をさらに備える。また、車両には、車両外部の基地局と通信可能な通信手段が搭載される。受信指示手段は、通信手段を介して所定音の態様に対応するデータを受信するために設けられる。さらに、通知手段は、受信したデータを蓄積するための記憶手段と、通知手段による所定音の出力時に、記憶手段に蓄積されたデータに基づいて所定音の態様を設定するための手段を含む。
上記車両用警報装置によれば、基地局からのダウンロードによって取得可能な運転者の所望のメロディを、通信手段により警報の出力を車内に通知するための音の態様として設定することができる。
好ましくは、本発明による車両用警報装置では、車両は、駆動力源として電動機を搭載する。
上記車両用警報装置によれば、電動機による走行時には車両の走行音が小さくなるので、車両用警報装置による車両周囲への注意喚起が有効となる。
また好ましくは、本発明による車両用警報装置では、車両には、電動機および内燃機関が駆動力源として搭載される。さらに、車両用警報装置は、警報判定手段と、警報出力指示手段とをさらに備える。警報判定手段は、車両の走行状態に応じて、警報出力手段からの警報出力の必要性を判定する。警報出力指示手段は、警報判定手段によって警報出力が必要と判断された場合に、車両用警報装置による警報の出力を指示する。
上記車両用警報装置によれば、電動機および内燃機関が駆動力源として搭載されたいわゆるハイブリッド自動車において、車両の走行状態(たとえば、走行モード、電動機・内燃機関の回転数)に応じて警報出力手段からの警報出力の必要性を判定する。したがって、車両の走行音レベルが小さいと判断される場合に、車の周囲の人に対して警報を自動的に発生して注意喚起を行なうことができる。また、車両の走行音が大きいときには、車の周囲の人に対する警報の自動的な発生を行なわないので、車両の周囲に不快感を与えることを防止できる。
本発明による車両は、請求項1から11のいずれか1項に記載の車両用警報装置と、車両用警報装置による警報を車外に対して出力する指示を与えるための操作手段とを備える。
上記車両によれば、車両に設けられた操作手段(スイッチ)の操作によって、警報出力装置から警報を出力できる。このため、車両の乗員が注意喚起が必要と感じる人を検知した場合に、より確実に注意喚起を行なうことができる。
本発明による車両は、警笛発生手段と、請求項1から11のいずれか1項に記載の車両用警報装置とを備える。警笛発生手段は、第1の操作手段への操作に応答して第1の警笛を発生する。車両用警報装置は、第1の警笛以下の音量であるという第1の条件および第1の警笛とは異なる態様であるという第2の条件の少なくとも一方を満足する第2の警笛として警報を出力する。
上記車両によれば、車両の乗員による第1の操作素子(警笛スイッチ)への操作に応答して第1の警笛(たとえば、従来の法定基準を満足する警笛)を発生することができる一方で、対人検知機構(人感知手段)により感知された車両の周囲または近傍の人に対しては、第2の警笛の発生により車両の存在を認知させることができる。第2の警笛は、第1の警笛の音量以下であるという条件および第1の警笛と異なる態様(たとえば人の聴覚に与える刺激が小さいやさしい音色)であるという条件のうち少なくとも一方の条件を満足するため、車両の周囲の人に対して不快感を与えることなく当該車両の接近に対する注意喚起を促すことができる。
好ましくは、本発明による車両は、第2の操作手段をさらに備える。第2の操作手段は、第2の警笛を発生させるために設けられる。車両用警報装置は、第2の操作手段への入力に応答して、第2の警笛として警報を出力する。
上記車両によれば、車両に設けられた第2の操作手段(警報スイッチ)の操作によって、警報出力装置から警報(第2の警笛)を出力できる。このため、車両の乗員が車両の周囲に人を検知した場合に、不快感を与えることなく確実に注意喚起を行なうことができる。
特に、第2の操作手段を助手席から操作可能な位置に配置すれば、車両の助手席において第2の操作手段を操作できる。このため、たとえば助手席に着座している乗員の操作により車両の周囲の人に対して警報(第2の警笛)を発生させて車両の存在を認知させることができる。
あるいは、第1の操作手段への入力に応答して、第2の警笛として警報を出力すれば、従来の警笛(第1の警笛)の発生とともに。車両の周囲の人に対して警報(第2の警笛)を出力することができる。この結果、車両の周囲にいる人に対して、より確実に当該車両の接近を認知させることができる。
この発明による車両用警報装置および車両によれば、車両の周囲の人に対して、状況に応じて適切に注意喚起を促すことができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰返さないものとする。
[実施の形態1]
図1に示すように、本実施の形態に係る車両用警報装置である警報装置1000を搭載したハイブリッド自動車(以下、単に車両とも称する)10は、エンジン100と、モータジェネレータ(Motor Generator:以下、MGと略して記載)(1)200と、PCU(Power Control Unit)300と、蓄電装置であるバッテリ400と、MG(2)500と、通信装置650と、表示装置660と、これらの全てに接続されたHV−ECU(Hybrid Vehicle-Electronic Control Unit)600とを含む。
「内燃機関」であるエンジン100は、燃料と空気との混合気を燃焼させてクランクシャフト(図示せず)を回転させ、駆動力を発生する。エンジン100が発生する駆動力は、動力分割機構700により、2経路に分割される。一方、減速機800を介して車輪900を駆動する経路である。もう一方は、MG(1)200を駆動させて発電する経路である。
MG(1)200は、動力分割機構700により分割されたエンジン100の動力により駆動されることで発電する。MG(1)200により発電された電力は、車両の運転状態や、バッテリ400のSOC(State Of Charge)の状態に応じて使い分けられる。たとえば、通常走行時や急加速時では、MG(1)200により発電された電力はPCU300を介してMG(2)500に供給される。
一方、バッテリ400のSOCが予め定められた値よりも低い場合、MG(1)200により発電された電力は、PCU300のインバータ302により交流電力から直流電力に変換され、コンバータ304により電圧が調整された後、バッテリ400に蓄えられる。
蓄電装置であるバッテリ400は、複数のバッテリセルを一体化したバッテリモジュールを、さらに複数直列に接続して構成された組電池である。なお、蓄電装置としては、バッテリ400の代わりに、キャパシタ(コンデンサ)を用いてもよい。
駆動力源となる「電動機」であるMG(2)500は、三相交流回転電機である。MG(2)500は、バッテリ400に蓄えられた電力およびMG(1)200により発電された電力の少なくとも一方の電力により駆動する。
MG(2)500の駆動力は、減速機800を介して車輪900に伝えられる。これにより、MG(2)500は、エンジン100をアシストして車両を走行させたり、MG(2)500からの駆動力のみにより車両を走行させたりする。
車両の回生制動時には、減速機800を介して車輪900によりMG(2)500が駆動され、MG(2)500が発電機として作動させられる。これによりMG(2)500は、制動エネルギを電力に変換する回生ブレーキとして作動する。MG(2)500により発電された電力は、インバータ302およびコンバータ304を介してバッテリ400に蓄えられる。
HV−ECU600は、CPU(Central Processing Unit)602と、メモリ604とを含む。CPU602は、車両の走行状態や、アクセル開度、ブレーキペダルの踏み量、シフトポジション、バッテリ400のSOC、メモリ604に保存されたマップおよびプログラム等に基づいて演算処理を行なう。これにより、HV−ECU600は、車両が所望の運転状態となるように、車両に搭載された機器類を制御する。
通信装置650は、車両10外の基地局(図示せず)と情報を双方向で通信する。たとえば、通信装置650は、基地局を経由して、通信網から情報を受信する。通信網とは、インターネットであってもよいし、専用の通信回線であってもよいものとする。本実施の形態において、通信装置650は、周知な技術を用いればよいためその詳細は説明しない。表示装置660は、車両室内に設けられ、各種情報を表示する。表示装置660は、たとえば、LCD(Liquid Crystal Display)である。
ナビゲーションシステム670は、GPS(Global Positioning System)を利用して車両10の現在位置を検知する。検知された現在位置に対応する信号は、HV−ECU600に送信される。また、ナビゲーションシステム670には、自車の現在位置周辺の地図情報が予め記憶されている。さらに、ナビゲーションシステム670には、ナビゲーションシステム670に設けられた操作部(図示せず)からの入力により登録された地図上の位置、あるいは、予め登録された地図上の位置が記憶されている。
次に、図2を用いて、図1に示した警報装置1000の構成をより詳細に説明する。
図2を参照して、警報装置1000は、制御装置1010と、人感知センサ1020と、騒音センサ1030と、警報設定装置1050と、警報1110を車外へ出力するための警報出力装置1100と、記憶部1350を含んで構成される車内通知装置1300とを備える。
制御装置1010は、HV−ECU600と通信可能に接続され、警報装置1000からの警報1110の出力を制御する。図1に示したように、HV−ECU600は、通信装置650および表示装置660と通信可能なように構成されており、車両10の乗員からのダウンロード指示入力655を受け付けることが可能である。また、制御装置1010は、車両10に備えられた速度計(図示せず)の検出データを取込むことに相当する車速入力1015によって車両速度を検知できる。
人感知センサ1020は、車外情報を検知する検出端1025を含んで構成され、車両周囲または近傍の人を感知する。たとえば、人感知センサ1020は、車両10の周囲の画像を取得するカメラであって、当該カメラで取得される画像を解析して対象物の形状あるいは動きに基づいて人を検知するように構成される。あるいは、人感知センサ1020は、赤外線センサであって、当該センサから受信する検知信号に基づいて対象物の形状あるいは温度分布を検知して人を検知するようにしてもよい。このように、人感知センサ1020については、車両10の周囲に存在する歩行者等の人を感知可能である限り、当業者にとって周知の機構を任意に採用することができる。人感知センサ1020によって感知された情報は、制御装置1010へ送出される。
騒音センサ1030は、車両10の周囲の騒音レベルを検知する。騒音センサ1030によって検知された騒音レベルは制御装置1010へ送信される。騒音センサ1030についても、車両10の周囲の騒音レベルを感知可能な機構を有する限り、当業者にとって周知の機構を任意に採用することができる。
警報設定装置1050は、制御装置1010からの制御指示に基づいて、警報出力装置1100からの警報出力を制御する。警報設定装置1050は、記憶部1060と、読出選択部1070と、再生部1080と、増幅部1090とを含む。
記憶部1060は、警報1110の異なる態様にそれぞれ対応する複数種類のデータD1〜Dn(n:2以上の整数)を記憶可能である。読出選択部1070は、制御装置1010からの制御指示(警報選択指示)に基づき、複数種類のデータD1〜Dnのうちの1つを選択的に読出す。再生部1080は、読出選択部1070によって読出されたデータを、警報1110を発生するためのアナログ電圧信号に変換する。増幅部1090は、制御装置1010からの制御指示(増幅率指示)に従って、再生部1080によって再生されたアナログ電圧信号を増幅する。警報出力装置1100は、増幅部1090から出力されたアナログ電圧信号に基づいて警報1110を、たとえば警報音の態様で出力する。
すなわち、警報出力装置1100から出力される警報1110は、記憶部1060に記憶されるデータD1〜Dnに基づいて、所定の態様に設定することができる。特に、警報装置1000の他に、運転席に設けられた操作スイッチ(図示せず)に応答して奏鳴される警笛(図示せず)が設けられる場合には、警報1110を、当該警笛の音量以下であるという条件、および人の聴覚に与える刺激が小さい音色であるという条件の少なくとも一方の条件を満足するように設定すると、車両の周囲の人に対して、不快感を与えることなく注意喚起を行なえる。このような観点により、たとえば警報1110は、データD1〜Dnによってそれぞれ発生される、メロディ、音楽、走行擬製音、サイレン音等とすることができる。
なお、読出選択部1070については、ハード機構を設けることなく、記憶部1060内のアドレス指定によるソフトウェア的な処理によって実現することもできる。また、増幅部1090の具体的な構成については、特開平7−182587号公報の図4の開示を援用する。
あるいは、図3に示した警報設定装置1050♯を、図2に示した警報設定装置1050に代えて用いることもできる。図3に示した警報設定装置1050♯は、1種類の音を発生させる単一音源1060♯と、音源1060♯から出力された信号を増幅する増幅部1090とを含む。警報出力装置1100は、増幅部1090によって増幅された信号に応じて警報1110を生成する。
警報設定装置1050♯では、制御装置1010からの制御指示(増幅率指示)に応じて、単一種類の警報音について、その出力レベル(すなわち音量)を可変に設定できる。あるいは、再び図2を参照して、警報設定装置1050において増幅部1090の配置を省略すれば、記憶部1060に記憶された複数のデータD1〜Dnにそれぞれ対応する複数種類の警報から、制御装置1010の警報選択指示に応答して、一定出力レベルの複数種類の警報から選択した警報1110を出力する構成とすることができる。
すなわち、本発明に従う警報装置によれば、制御装置1010からの制御指示に応答して、警報の種類の選択および警報の出力レベルの設定のうちの少なくとも一方を実行することができる。
HV−ECU600は、車両の乗員からのダウンロード指示入力655に応答して、通信装置650を介して基地局(図示せず)と通信可能である。基地局との通信により、警報1110の態様に対応するデータを受信(ダウンロード)することができる。ダウンロードされたデータは、制御装置1010を介して警報設定装置1050内の記憶部1060にデータD1〜Dnとして記憶される。これにより、警報装置1000からの警報1110を運転者の所望の態様にダウンロードによって設定できる。
車内通知装置1300は、制御装置1010からの制御指示に応答して、警報出力装置1100から警報1110が発せられたときに、警報1110が発せられたことを車内に通知する。
たとえば、車内通知装置1300は、図示しない車内スピーカから所定音を発生させる。この所定音についても、記憶部1350に記憶されたデータに基づくメロディや音楽等とすることができる。また、所定音を発生させるためのデジタルデータについても、ダウンロード指示入力655に応答して、通信装置を介して基地局(図示せず)から受信(ダウンロード)することが可能である。
なお、図2に示した警報出力装置1100は本発明での「警報出力手段」に対応し、通信装置650は本発明における「通信手段」に対応し、ダウンロード指示入力655は本発明における「受信指示手段」に対応する。また、車内通知装置1300は本発明における「通知手段」に対応し、記憶部1060,1350は本発明における「記憶手段」に対応する。
次に、図4を参照して、本発明の実施の形態1に係る警報装置1000の制御装置1010で実行されるプログラム制御構造について説明する。
図4を参照して、ステップS100では、制御装置1010は、人感知センサ1020によって感知されたデータを処理して、警報出力対象となる歩行者等の人の存在を検知する。ステップS110では、制御装置1010は、人感知センサ1020によって検知されたデータを処理して警報出力対象(感知した人)との距離を検知する。
ステップS200では、制御装置1010は、ステップS110で検知した距離に基づいて、警報1110の出力設定を行なう。具体的には、読出選択部1070による読出データの選択に関する制御指示、および、出力レベル(音量)の調整のための増幅部1090の増幅率設定に関する制御指示の少なくとも一方が生成される。
ステップS200においては、制御装置1010からの警報選択指示に従う読出データの選択により、データD1〜Dnによってそれぞれ発生される、メロディ、音楽、走行擬製音、サイレン音等の複数種類の警報から1つを選択することができる。
また、ステップS200において、出力レベル(音量)の設定は、図5に示されるように実行される。図5を参照して、警報出力装置1100からの距離L=0であるときの基準音量レベル(音圧)をR0[dB]とすると、距離Lの増加に従って音量レベル(音圧)の設定が大きくなるように、制御装置1010からの制御指示(増幅率指示)が生成される。たとえば、所定距離l1〜l4に対応して所定の音圧レベルを設定した設定特性線1095を実験結果等に基づいて予め設定しておくことにより、制御装置1010は、ステップS1010で検知した距離Lに基づいて、警報1110の出力レベル(音圧)を可変設定することができる。
ステップS300では、制御装置1010は、ステップS200での出力設定に従って制御指示を発生し、警報設定装置1050または1050♯に対して送出する。警報設定装置1050(1050♯)は、制御装置1010からの制御指示に従って、警報1110の種類および出力レベル(音量)を設定する。これにより、制御指示に従った種類および出力レベル(音量)の警報1110が警報出力装置1100から出力される。
さらに、ステップS310では、制御装置1010は、警報出力装置1100から警報1110が出力されたことを、車内通知装置1300によって車内に通知する。車内への通知は、上述したような車内スピーカからの所定音の発生の他に、表示装置660への表示を行なう構成としてもよい。これにより、車両10の乗員(特に運転者)は、人感知センサ1020の感知情報に基づく警報1110の出力を確認することができ、あるいは、車両10の周囲に人がいることを認知することができるようになる。
図4に示したフローチャートに従えば、本発明の実施の形態による警報装置1000は、人感知センサ1020によって感知された警報出力対象(人)に対して、警報1110の出力により車両の接近を認知させることができる。特に、車両10と警報出力対象(人)との間の距離に基づいて警報種類の選択および出力レベル調整の少なくとも一方を行なうことにより、警報出力対象により確実に注意喚起を行なえる。
図6では、実施の形態1の警報装置1000における制御装置1010での実行プログラムの制御構造の第1の変形例について説明する。
図6を図4と比較して、図6に示したフローチャートでは、図4に示したフローチャートの処理に加えてステップS130が実行されるとともに、ステップS200に代えて、ステップS210が実行される。その他の制御構造については、図4に示したフローチャートと同様であるので詳細な説明は繰返さない。
ステップS130では、制御装置1010は、騒音センサ1030によって感知されたデータを処理して、車両周囲の騒音レベルを検知する。
ステップS210では、制御装置1010は、ステップS110で検知された距離およびステップS130で検知された騒音レベルに応じて、警報の出力設定を実行する。ステップS210における警報の出力設定は、図4のステップS200での警報出力設定を基準として、周囲の騒音レベルに応じた修正が加えられるように実行される。
具体的には、車両周囲の騒音が大きいときには、ステップS210での警報出力設定と比較して、警報1110の出力レベル(音量)の増大および、より注意喚起効果の高い警報への警報1110の種類変更の少なくとも一方が行なわれる。一方、車両周囲の騒音が小さいときには、ステップS210での警報出力設定と比較して、警報1110の出力レベル(音量)の減少および、より人の聴覚へ与える刺激の小さい優しい音色の警報への警報1110の種類変更の少なくとも一方が行なわれる。
図6に示したフローチャートに従えば、本発明の実施の形態による警報装置1000は、人感知センサ1020によって感知された警報出力対象(人)に対して自動的に警報を出力する際に、車両周囲の騒音レベルを考慮に入れて警報の出力設定を行なうことができる。これにより、車両周囲の騒音が大きいときには、警報出力対象に対して確実に注意喚起を促すことができるとともに、車両周囲の騒音が小さいときには、不快感を与えることなく車両の接近を認知させることができる。
図7では、実施の形態1の警報装置1000における制御装置1010での実行プログラムの制御構造の第2の変形例について説明する。
図7を図4と比較して、図7に示したフローチャートでは、図4に示したフローチャートの処理に加えてステップS140,S150が実行されるとともに、ステップS200に代えて、ステップS220が実行される。その他の制御構造については、図4に示したフローチャートと同様であるので詳細な説明は繰返さない。
ステップS140では、制御装置1010は、車速入力1015(図2)によって車両速度を検知する。ステップS150では、ステップS120で検知された警報出力対象(人)との距離、およびステップS140で検知された車両速度に応じて、警報出力対象(人)の危険度が判定される。
危険度の判定は、たとえば図8に示すように、警報出力対象(人)との距離および車両速度に応じて判定される。すなわち、車両速度が大きく、人との距離が近いほど危険度が大きいと判定され、その一方で、車両速度が小さく、人との距離が遠いほど危険度は小さいと判定される。図8の概念図に従うマップを、制御装置1010内部に予め作成しておくことにより、ステップS150では、人感知センサ1020によって感知された警報出力対象(人)の危険度を判定できる。
ステップS220では、制御装置1010は、ステップS150で判定された危険度に基づいて、警報の出力設定を行なう。具体的には、警報出力対象(人)の危険度が高いときに、より注意喚起の高い警報種類の選択および出力レベル(音量)増大の少なくとも一方を行なう。一方、危険度が小さい場合には、人の聴覚へ与える刺激の小さい優しい音色の警報種類の選択および出力レベル(音量)低下の少なくとも一方を行なう。
図7に示したフローチャートに従えば、本発明の実施の形態による警報装置1000は、危険度の高い警報出力対象(人)に対しては、より有効かつ確実に注意喚起を促すことができるとともに、それほど危険度が高くない警報出力対象(人)に対しては、不快感を与えることなく車両の接近を認知させることができる。
図9は、実施の形態1の警報装置1000における制御装置1010での実行プログラムの制御構造の第3の変形例について説明する。
図9を図7と比較して、図9に示したフローチャートでは、図7に示したフローチャートの処理に加えて図6と同様のステップS130が実行されるとともに、ステップS200に代えてステップS230が実行される。その他の制御構造については、図7に示したフローチャートと同様であるので詳細な説明は繰返さない。
ステップS230では、制御装置1010は、ステップS130で検知された車両周囲の騒音レベルおよびステップS150で判定された危険度に応じて、警報の出力設定を実行する。ステップS230における警報の出力設定は、図7のステップS220での警報出力設定を基準として、周囲の騒音レベルに応じた修正が加えられるように実行される。
すなわち、車両周囲の騒音が大きいときには、ステップS220での警報出力設定と比較して、警報1110の出力レベル(音量)の増大および、より注意喚起効果の高い警報への警報1110の種類変更の少なくとも一方が行なわれる。一方、車両周囲の騒音が小さいときには、ステップS220での警報出力設定と比較して、警報1110の出力レベル(音量)の減少および、より人の聴覚へ与える刺激の小さい優しい音色の警報への警報1110の種類変更の少なくとも一方が行なわれる。
図9に示したフローチャートに従えば、本発明の実施の形態による警報装置1000は、人感知センサ1020によって感知された警報出力対象(人)に対して自動的に警報を出力する際に、警報出力対象(人)の危険度および車両周囲の騒音レベルを考慮に入れて警報の出力設定を行なうことができる。これにより、車両周囲の騒音が大きいときには警報出力対象に対して危険度に応じた適切な注意喚起を促すことができるとともに、車両周囲の騒音が小さいときにも、過度の不快感を与えることなく警報出力対象に対して車両の接近を認知させることができる。
ここで、図4、図6、図7、図9に示されたフローチャートと本発明の構成との対応関係について説明すれば、ステップS100が本発明での「人感知手段」に対応し、ステップS110が本発明での「距離検知手段」に対応し、ステップS130は本発明における「騒音検知手段」に対応し、ステップS140は本発明における「速度検知手段」に対応する。また、ステップS200,S210,S220,S230は本発明における「警報設定手段」に対応する。
[実施の形態2]
実施の形態2では、実施の形態1に従う車両用警報装置の作動指示構成について説明する。
図10には、第2の実施の形態に係る車両用警報装置の第1の作動指示構成例が示される。
図10を参照して、警報装置1000の制御装置1010は、運転席に設けられた警笛スイッチ680の操作に応答して、電源675と接続されるように構成される。これにより、制御装置1010は、警笛スイッチ680の操作を感知できる。
制御装置1010は、警笛スイッチ680の操作を検知すると、図4,図6,図7,図9に示したフローチャートに従うプログラムを実行することにより、実施の形態1で説明した制御構造に従って警報1110を出力する。
たとえば、警報1110の態様を従来の警笛(クラクション)と同様に設定し、出力レベル(音量)を実施の形態1で説明した制御構造に従って、可変設定する構成とできる。これにより、運転者の警笛スイッチの操作に応答して出力される警笛の音量を、警報出力対象との距離、周囲の騒音レベル、警報出力対象の危険度等に応じて、適切に設定することができるようになる。なお、このような構成では、警笛スイッチ690の操作時には、人感知センサ1020によって警報出力対象となる人が感知されなかった場合にも一定の基準出力レベルにて警報1110を出力する構成とする必要がある。また、警笛の音量についても、法定基準以上の範囲での調整とする必要がある。
図10に示した車両用警報装置の作動指示構成によれば、警笛(クラクション)の出力レベル(音量)を、警報出力対象との距離、周囲の騒音レベル、警報出力対象の危険度等に応じて可変設定できるので、警笛による注意喚起をより効果的に行なうことができる。
図11には、第2の実施の形態に係る車両用警報装置の第2の作動指示構成例が示される。
図11を参照して、車両10には、警報装置1000とは別に、警笛発生装置1200が設けられる。警笛発生装置1200は、警笛スイッチ680の操作に応答して電源675と接続されるときに警笛1210を発生する。たとえば、警笛1210は、警笛発生装置1200が電源675の供給に応答して圧縮空気を供給することによって奏鳴される警笛である。すなわち、警笛1210は、ハイブリッド自動車以外の一般の自動車においても、いわゆる「クランクション」として設けられる、法定基準以上の音量を有するものである。
これに対して、警報装置1000から出力される警報1110は、警笛1210の音量以下であるという条件、および人の聴覚に与える刺激が小さい音色であるという条件の少なくとも一方の条件を満足するように設定される。これにより、車両の周囲の人に対して、不快感を与えることなく警報1110による注意喚起を行なえる。このような観点により、たとえば警報1110は、メロディ、音楽、走行擬製音等の態様とすることができる。
制御装置1010へは、HV−ECU600から警報必要性フラグCflgが送出される。制御装置1010は、警報必要性フラグCflgに応じて、警報装置1000の作動を制御する。
警報必要性フラグCflgは、車両10の走行状態に応じて、車両の周囲の人に対して自車の接近を認知させるための自動警報発生の必要性を設定するフラグである。具体的には、HV−ECU600は、車両10の走行音レベルに応じて警報必要性フラグCflgを設定する。すなわち、警報必要性フラグCflgは、車両10の走行音レベルが小さく、自動警報発生の必要性があると判断される場合に「オン」され、それ以外では「オフ」される。
たとえば、車両10が駆動用電動機であるMG(2)の駆動力のみによる走行モードであるとき、あるいは、エンジン100の回転数が所定回転数以下であるときに、警報必要性フラグCflgは「オン」される。
あるいは、MG(2)の回転数およびエンジン100の回転数に基づいて、下記(1)式に従って算出される走行音パラメータPSが基準値以下である場合に、ステップS150において警報必要性フラグCflgは「オン」される。
PS=k1・NE1+k2・NE2…(1)
ここで、k1,k2は所定の重み定数であり、NE1はエンジン100の回転数であり、NE2はMG(2)の回転数である。予め実験等により、回転数NE1,NE2と、走行音との関係について適切な定数k1,k2を設定することにより、走行音パラメータPSに基づいて車両走行音を推定することが可能である。
ここで、図12により、図11に示した車両用警報装置の作動指示構成における制御装置1010での実行プログラムの制御構造の例を説明する。図12に示した制御構造は、HV−ECU600からの警報必要性フラグCflgに応じた警報装置1000の作動制御を示すものである。
図12を参照して、ステップS400では、制御装置1010は、HV−ECU600により設定された警報必要性フラグCflgに基づいて、警報1110の自動発生が必要な走行状態であるかどうかを判定する。
警報必要性フラグCflgが「オン」されており(ステップS400におけるYES判定時)、車両10の走行音が小さいと判断される場合には、ステップS500により、制御装置1010は、図4,図6,図7,図9に示したフローチャートに従うプログラムを実行する。これにより、対人検知機構(人感知センサ1020)で感知された車両10の周囲の人に対しては、実施の形態1で説明した制御構造に従って警報1110が自動的に出力される。
一方、警報必要性フラグCflgが「オフ」されており(ステップS400におけるYES判定時)、車両10の走行音が小さくないと判断される場合には、ステップS500は実行されず警報装置1000は作動されない。これのため、対人検知機構(人感知センサ1020)での感知情報に基づく警報1110の自動的な出力は実行されない。
図12に示したフローチャートに従えば、車両10の走行音が小さいと判断される場合には、対人検知機構(人感知センサ1020)で感知された車両10の周囲の人に対して警報1110を自動的に出力できる。
再び図11を参照して、警報装置1000を作動させるための警報スイッチ690をさらに設ける構成としてもよい。警報スイッチ690は、警報スイッチ690の操作に応答して、制御装置1010が電源675と接続されるように配置される。これにより、制御装置1010は、警報スイッチ690の操作を感知できる。
ここで、図13により、図11に示した車両用警報装置の作動指示構成における制御装置1010での実行プログラムの制御構造の他の例を説明する。図13に示した制御構造は、HV−ECU600からの警報必要性フラグCflgおよび車両10の乗員による操作スイッチ入力の両者に応じた警報装置1000の作動制御を示すものである。
図13を図12と比較して、図13に示したフローチャートでは、図12に示したフローチャートの処理に加えて、ステップS390,S410,S500♯が実行される。その他の制御構造については、図12に示したフローチャートと同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
ステップS390では、制御装置1010は、操作スイッチ(たとえば、図11に示した警報スイッチ690)の操作有無を判定する。操作スイッチが操作されて「オン」された場合(ステップS390におけるYES判定)には、さらにステップS410により、人感知センサ1020によって警報出力対象となる人が感知されているかどうかが確認される。
警報出力対象となる人が感知されている場合(ステップS410がYES判定)には、制御装置1010は、ステップS400による車両10の走行状態に応じた警報1110の発生の必要性判定を実行することなく、ステップS500を実行する。すなわち、車両10の乗員の操作によって、車両10の走行音レベルに関わらず、実施の形態1で説明した制御構造に従って警報1110が出力される。
これに対して、警報出力対象となる人が感知されていない場合(ステップS410がNO判定)には、ステップS500♯により、制御装置1010は、警報1110の出力レベル(および警報種類)を基準レベル(および基準となる所定種類)に設定した上で警報装置1000を作動させる。
一方、操作スイッチへの入力がない場合には(ステップS390がNO判定)、制御装置1010は、ステップS400およびS500を図12に示したフローチャートと同様に実行する。これにより、対人検知機構(人感知センサ1020)で感知された車両10の周囲の人に対しては、実施の形態1で説明した制御構造に従って警報1110が自動的に出力される。
図13に示したフローチャートに従えば、車両10の走行音が小さいと判断される場合には、対人検知機構(人感知センサ1020)で感知された車両10の周囲の人に対して警報1110を自動的に出力できるのに加えて、操作スイッチ(警報スイッチ690)への入力による警報1110のテスト出力が可能となる。あるいは、人感知センサ1020不調時に、警笛1210とは別の警報1110の出力が可能となる。
なお、警報スイッチ690は、車両10の助手席(図示せず)から操作可能な位置に配置されることが好ましい。このような位置に警報スイッチ690を配置することにより、助手席に着座している乗員の操作により車両の周囲の人に対して警報を発生することができる。
また、図14に示すように、警笛スイッチ680の操作に応答して、制御装置1010が電源675と接続される経路685をさらに設ける構成としてもよい。図14の構成では、警笛スイッチ680を、図13のフローチャートにおける「操作スイッチ」として取り扱うことができる。したがって、警笛スイッチ680への操作に応答して、警笛1210とともに警報1110を出力する構成とできる。
図11あるいは図14に示すように、操作スイッチへの入力に応答して警報装置1000を作動可能な構成とすれば、警報装置1000による車両周囲の人に対する警報出力をより確実に行なえるので、車両10の接近をより確実に認知させて注意喚起を促すことができる。
実施の形態2に示した構成と本発明の構成との対応関係を説明すると、警笛スイッチ680および警報スイッチ690は本発明における「操作手段」に対応し、特に、警笛スイッチ680は「第1の操作手段」に対応し、警報スイッチ690は「第2の操作手段」に対応する。また、警笛発生装置1200は本発明の「警笛発生手段」に対応する。さらに、図12,図13のステップS400は本発明での「警報判定手段」に対応し、ステップS500は本発明の「警報出力指示手段」に対応する。
なお、本発明の実施の形態では、本発明による警報装置1000から出力される警報1110を警報音として説明したが、この警報1110は、車両の周囲の人に対して車両の存在を認知させることが可能であればその態様は限定されない。たとえば、警報1110を光や臭い等とすることもできる。このような警報出力装置1100は、光あるいは臭い等を発生する装置として設けられる。
また、本発明の実施の形態では、本発明による車両用警報装置をハイブリッド自動車に搭載した例を示したが、本願発明の適用はこのような構成に限定されるものではない。すなわち、本発明に従う警報装置は、その種類を問わず任意の車両に搭載してセンサ等の対人検知機構により検知された車両周囲の人に対して自動的に警報を出力することができる。なお、図11,図14に示したような、従来の警笛とは独立に本発明に従う車両用警報装置を搭載する構成とすれば、走行音が小さい走行モードを有するハイブリッド自動車、電気自動車および燃料電池車等、モータを駆動力源として備える車両への搭載に好適である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に係る車両用警報装置を搭載したハイブリッド自動車の構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態に係る車両用警報装置の構成を示すブロック図である。 図2に示した警報設定装置の他の構成例を示すブロック図である。 第1の実施の形態に係る車両用警報装置の制御装置で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 警報の出力レベル設定を説明する概念図である。 第1の実施の形態に係る車両用警報装置の制御装置で実行されるプログラムの制御構造の第1の変形例を示すフローチャートである。 第1の実施の形態に係る車両用警報装置の制御装置で実行されるプログラムの制御構造の第2の変形例を示すフローチャートである。 図7に示した制御構造における危険度判定の一例を説明する概念図である。 第1の実施の形態に係る車両用警報装置の制御装置で実行されるプログラムの制御構造の第3の変形例を示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係る車両用警報装置の第1の作動指示構成例を示すブロック図である。 第2の実施の形態に係る車両用警報装置の第2の作動指示構成例を示すブロック図である。 第2の実施の形態に係る車両用警報装置の制御装置で実行されるプログラムの制御構造の第1の例を示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係る車両用警報装置の制御装置で実行されるプログラムの制御構造の第2の例を示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係る車両用警報装置の第3の作動指示構成例を示すブロック図である。
符号の説明
10 ハイブリッド自動車(車両)、100 エンジン、302 インバータ、304 コンバータ、400 バッテリ、600 HV−ECU、650 通信装置、655 ダウンロード指示入力、660 表示装置、670 ナビゲーションシステム、675 電源、680 警笛スイッチ、685 経路、690 警報スイッチ、700 動力分割機構、800 減速機、900 車輪、1000 警報装置(車両用警報装置)、1010 制御装置、1015 車速入力、1020 人感知センサ、1025 検出端(人感知センサ)、1030 騒音センサ、1060,1350 記憶部、1050 警報設定装置、1060♯ 単一音源、1070 読出選択部、1080 再生部、1090 増幅部、1100 警報出力装置、1110 警報、1200 警笛発生装置、1210 警笛、1300 車内通知装置、Cflg 警報必要性フラグ、D1〜Dn データ(警報)、MG(1),MG(2) モータジェネレータ。

Claims (16)

  1. 車両の周囲または近傍に居る人を感知するための人感知手段と、
    前記人感知手段によって感知された人と前記車両との間の距離を検知する距離検知手段と、
    前記距離検知手段によって検知された距離に基づいて、警報の種類の選択および警報の出力レベル調整の少なくとも一方行なうことによって警報の出力設定を行なう警報設定手段と、
    前記警報設定手段による出力設定に従って警報を車外に対して出力する警報出力手段とを備える、車両用警報装置。
  2. 前記車両の周囲の騒音レベルを検知する騒音検知手段をさらに備え、
    前記警報設定手段は、前記距離検知手段によって検知された距離と、前記騒音検知手段によって検知された前記騒音レベルとに基づいて、前記警報の出力設定を行なう手段を含む、請求項1記載の車両用警報装置。
  3. 前記車両の速度を検知する速度検知手段をさらに備え、
    前記警報設定手段は、
    前記距離検知手段により検知した前記距離および前記速度検知手段により検知された前記車両の速度に基づいて、前記警報の出力設定を行なう手段を含む、請求項1記載の車両用警報装置。
  4. 前記車両の周囲の騒音レベルを検知する騒音検知手段をさらに備え、
    前記警報設定手段は、
    前記距離検知手段により検知した前記距離および前記速度検知手段により検知された前記車両の速度と、前記騒音検知手段によって検知された前記騒音レベルとに基づいて、前記警報の出力設定を行なう手段をさらに含む、請求項3記載の車両用警報装置。
  5. 前記警報は、予め定められた態様の警報音である、請求項1から4のいずれか1項に記載の車両用警報装置。
  6. 前記車両には、前記車両外部の基地局と通信可能な通信手段が搭載され、
    前記車両用警報装置は、
    前記通信手段を介して前記警報の態様に対応するデータを受信するための受信指示手段と、
    受信した前記データを蓄積するための記憶手段とをさらに備え、
    前記警報設定手段は、前記記憶手段に蓄積されたデータに基づいて、前記警報の態様を設定する手段を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の車両用警報装置。
  7. 前記警報出力手段による警報の出力を前記車両の内部に通知するための通知手段をさらに備える、請求項1から5のいずれか1項に記載の車両用警報装置。
  8. 前記通知手段は、所定音の発生により、前記警報出力手段による警報の出力を前記車両の内部に通知する、請求項7記載の車両用警報装置。
  9. 前記車両には、前記車両外部の基地局と通信可能な通信手段が搭載され、
    前記車両用警報装置は、
    前記通信手段を介して前記所定音の態様に対応するデータを受信するための受信指示手段をさらに備え、
    前記通知手段は、
    受信した前記データを蓄積するための記憶手段と、
    前記通知手段による前記所定音の出力時に、前記記憶手段に蓄積されたデータに基づいて前記所定音の態様を設定するための手段を含む、請求項8に記載の車両用警報装置。
  10. 前記車両は、駆動力源として電動機を搭載する、請求項1から9のいずれか1項に記載の車両用警報装置。
  11. 前記車両には、電動機および内燃機関が駆動力源として搭載され、
    前記車両用警報装置は、
    前記車両の走行状態に応じて、前記警報出力手段からの警報出力の必要性を判定する警報判定手段と、
    前記警報判定手段によって前記警報出力が必要と判断された場合に、前記車両用警報装置による警報の出力を指示する警報出力指示手段とをさらに備える、請求項1から9のいずれか1項に記載の車両用警報装置。
  12. 請求項1から11のいずれか1項に記載の車両用警報装置と、
    前記車両用警報装置による警報を前記車外に対して出力する指示を与えるための操作手段とを備える、車両。
  13. 第1の操作手段への操作に応答して第1の警笛を発生する警笛発生手段と、
    請求項1から11のいずれか1項に記載の車両用警報装置とを備え、
    前記車両用警報装置は、前記第1の警笛以下の音量であるという第1の条件および前記第1の警笛とは異なる態様であるという第2の条件の少なくとも一方を満足する第2の警笛として、前記警報を出力する、車両。
  14. 前記第2の警笛を発生させるための第2の操作手段をさらに備え、
    前記車両用警報装置は、前記第2の操作手段への入力に応答して、前記第2の警笛として前記警報を出力する、請求項13記載の車両。
  15. 前記第2の操作手段は、助手席から操作可能な位置に配置される、請求項14記載の車両。
  16. 前記車両用警報装置は、前記第1の操作手段への入力に応答して、前記第2の警笛として前記警報を出力する、請求項13記載の車両。
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