JP2006215156A - 画像形成装置、画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents

画像形成装置、画像処理装置及び画像処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 低画像濃度部と高画像濃度部とが画像領域内で接する境界部において、文字回り抜け(転写不良)が生じず、かつ転写残トナーの増加によるトナー飛散などの副作用や、濃度、色再現性への悪影響などのない画像形成装置、画像処理装置及び画像処理方法を提供する。
【解決手段】 画像形成のための画像データを処理する画像処理において、画像データを入力する手段と、入力画像データに基づき、低画像濃度部と高画像濃度部との境界を検知する手段と、境界から所定の範囲内の前記低画像濃度部に対して擬似階調処理を行う手段とを含むことを特徴とする画像処理装置、方法、及び画像形成装置。
【選択図】 図5

Description

画像形成装置、画像処理装置及び画像処理方法に関する。
コピー装置やプリント装置など、従来の画像形成装置においては、入力手段により入力された画像データに基づいて、所定の作像プロセスにより像担持体上にトナー像を形成し、転写媒体に転写するのが基本的な工程である。さらにカラー画像形成の発展により、複数のトナー像を形成し、複数の転写工程を経て画像形成が行われるようにもなった。また一旦中間転写体に転写した後、記録体に再転写する画像形成装置や画像処理方法も一般的になっている。
特に代表的なカラー対応の画像形成工程としては、複数の再現色、例えばシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4種類の再現色のトナーを用い、各再現色に対応する複数の画像形成手段により複数のトナー像を作成し、順次、中間転写体に転写した後、一括して記録体に二次転写するいわゆる中間転写カラー画像形成方式がある。
しかしながら、中間転写カラー画像形成方式では、画像形成上の問題を引き起こす場合があった。
例えば図9に示したように、オリジナル画像300において、高画像濃度(以下、単に高濃度ともいう)の文字線画部301の周辺に低画像濃度(以下、単に低濃度ともいう)の色背景部302を有するとき、中間転写カラー画像形成方式で記録体上に形成された出力画像310では、高濃度の文字線画部311と接する低濃度のの色背景部312のうち、文字線画部311と接する境界部分313の画像濃度(以下、濃度ともいう)が低下して、白っぽく抜けてしまう現象が発生する場合がある。このような濃度低下を文字回り抜けと称する。
中間転写カラー画像形成方式で発生する文字回り抜けの理由について図10を用いて説明する。図10は、図9に示した出力画像310の、中間転写カラー画像形成方式における中間転写体上での断面を模式的に示した図であり、文字線画部311と色背景部312の境界部分313において、中間転写体に、文字線画部311のトナー層と色背景部312のトナー層を転写しようとしている状態を示す断面図である。
図10において、402は中間転写体、411は中間転写体402に既に転写済みのトナー層、401は感光体などの像担持体、412と413は像担持体401上のこれから転写されるトナー層、403は転写ローラを示す。
図9に示したオリジナル画像300の文字線画部301と色背景部302との画像濃度の差に起因して、文字線画部トナー層411及び412を合わせたトナー層の高さと、色背景部トナー層413のトナー層の高さに差が生じ、色背景部トナー層413のうち境界部分313に相当する部分においては、像担持体401と中間転写体402との間に空隙421が形成される。この空隙421により、転写ローラ403による転写電界電位が低下し、色背景部トナー層413のうち境界部分313に相当する部分が中間転写体402上に十分転写されなくなる。この転写不良により、画像濃度低下が生じ、文字回り抜けが発生する。また同様の現象が、中間転写体上に転写されたトナー層が記録体に二次転写される際にも発生する。
そこで種々の文字回り抜け防止対策が考えられている。例えば、トナーの帯電性や転写ローラの条件を変えて、空隙が生じても転写しやすくすることも検討されているが、トナーの飛び散りを招いたり、過剰転写や再転写などの副作用があったりする。また、下色除去処理を行うことにより、高濃度部のトナー付着量をできるだけ少なくして空隙を小さくするような方法も検討されているが(例えば、特許文献1参照)、必要な濃度に満たなかったり、あるいは再現色を維持しにくくなったりする。
特許文献2では、高濃度部周辺の低濃度部の画素値を、両者の画素値の差とエッジ部からの距離に応じて補正することにより、必要な場所に必要なだけトナー付着量を増やす方向での解決を図っている。
特開平8−23455号公報 特開平10−65918号公報
特許文献2に記載の画像形成方法は、像担持体から中間転写体(又は中間転写体から転写媒体)へ転写されずに残るトナーの量を予め見込んで、画素値を上乗せ処理するという考え方であるが、当該処理では転写されないトナー(転写残トナー)が大量に発生し、例えば、転写残トナーの飛散、回収された転写残トナーの処理装置の大型化、回収されなかった転写残トナーによる画像汚染等が発生する。
特に、高速機において文字回り抜けの現象発生は顕著で、特許文献2記載の方法では、転写残トナーが大量に発生してしまい、中間転写体又は転写媒体へ転写されるトナーの量(転写性)よりも、トナーのほとんどが中間転写体又は転写媒体に転写され、転写残トナーが少ないことが要求されている。
そこで本発明は、中間転写カラー画像形成方式において、転写残トナーの発生がきわめて少なく、トナーの飛散やトナーによる画像汚染の発生が少なく、かつ文字回り抜けのない画像形成を行える小型の画像形成装置を提供することを目的としている。
また本発明は、入力画像データが、低画像濃度部分と高画像濃度部分と、両方を有しており、かつそれらが画像領域内で互いに接しているような場合にも、その境界部で低画像濃度部分の濃度低下が生じず、かつ、転写残トナーを増加させることなく、トナーの飛散や、転写過剰などの副作用も引き起こさず、高画像濃度部分の濃度、色再現性にも悪影響を与えないような画像形成装置を提供することを目的としている。
本発明の目的は、下記構成により達成することができる。
(請求項1)
画像データに基づいてトナー像を形成し、中間転写体に転写する画像形成手段と、前記中間転写体に転写されたトナー像を転写媒体に転写する二次転写手段とを有する画像形成装置において、画像データに基づいて、低画像濃度部分と、該低画像濃度部分に対して階調値が所定値以上変化する高画像濃度部分との境界を検知する境界検知手段と、前記境界検知手段で検知された境界から所定の範囲内の前記低画像濃度部分に相当する画像データに対して擬似階調処理を行う擬似階調処理手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
(請求項2)
画像データに基づいて形成された像担持体上のトナー像を中間転写体に転写する画像形成手段を、中間転写体の移動方向に沿って複数配設し、複数の画像形成手段から中間転写体上に順次に転写された複数のトナー像を記録材上に一括して転写する二次転写手段を有する画像形成装置において、画像データに基づいて、低画像濃度部分と、該低画像濃度部分に対して階調値が所定値以上変化する高画像濃度部分との境界を検知する境界検知手段と、前記境界検知手段で検知された境界から所定の範囲内の前記低画像濃度部分に相当する画像データに対して擬似階調処理を行う擬似階調処理手段とを有し、前記複数の画像形成手段のうちの少なくとも1つは、前記擬似階調処理手段で処理された画像データに基づいてトナー像を形成することを特徴とする画像形成装置。
(請求項3)
前記擬似階調処理手段は、前記高画像濃度部分の階調値に基づいて擬似階調処理を行う範囲を決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
(請求項4)
前記擬似階調処理手段は、前記境界検知手段で検知された境界から所定の範囲内の低画像濃度部分であって該境界近傍のドットが、該境界から所定の範囲内の低画像濃度部分の他のドットよりも高画像濃度となるように、擬似階調処理を行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
(請求項5)
像担持体にトナー像を形成するための画像データを処理する画像処理装置において、画像データを入力する入力手段と、前記入力手段で入力された画像データに基づいて、低画像濃度部分と、該低画像濃度部分に対して階調値が所定値以上変化する高画像濃度部分との境界を検知する境界検知手段と、前記境界検知手段で検知された境界から所定の範囲内の前記低画像濃度部分に相当する画像データに対して擬似階調処理を行う擬似階調処理手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
(請求項6)
像担持体にトナー像を形成するための画像データを処理する画像処理方法において、画像データを入力する入力工程と、前記入力工程で入力された画像データに基づいて、低画像濃度部分と、該低画像濃度部分に対して階調値が所定値以上変化する高画像濃度部分との境界を検知する境界検知工程と、前記境界検知工程で検知された境界から所定の範囲内の前記低画像濃度部分に相当する画像データに対して擬似階調処理を行う擬似階調処理工程とを含むことを特徴とする画像処理方法。
本発明によれば、文字回り抜け発生のメカニズムに対して、特に装置条件を変更することもなく、画像処理を行うだけで、転写率向上という本質的な対策を実現し、トナーの飛散や、転写過剰などの副作用も引き起こさず、高画像濃度部分の濃度、色再現性にも悪影響を与えることなく、文字回り抜けの発生を防止できる。
請求項1、2、5、6に記載の発明によれば、高濃度部と低濃度部の境界から所定の範囲内の低濃度部分に相当する画像データに対して擬似階調処理を行うことにより所定の領域が複数ドットによる階調表現で画像形成され、トナーが付着する一つ一つのドットでは、転写率が低下しない程度のトナー付着量を維持でき、低画像濃度部分と高画像濃度部分との境界部での文字回り抜けを防止することができる。それとともに、転写残トナーも大幅に減少させられる。また、画像濃度確保などの点からも画質への悪影響をさけることができる。
請求項3に記載の発明によれば、高画像濃度部分の階調値に基づいて擬似階調処理を行う範囲を決定するので、境界部近辺の所定の領域に限定して特別な階調処理を行い、かつ、境界部からの距離に応じて付着量の制御を合わせて行っているので、ハーフトーン背景部(低濃度部)全体では網点などの視覚的違和感を生じにくく、文字回り抜け防止に対して、より好ましい効果がもたらされる。
請求項4に記載の発明によれば、境界から所定の範囲内の低画像濃度部分であって該境界近傍のドットが、該境界から所定の範囲内の低画像濃度部分の他のドットよりも高画像濃度となるように、擬似階調処理を行うことにより、濃度低下の発生しやすい(空隙が大きい)領域ほど転写率が高くなるようトナー付着ドットが階調制御され、境界部分での文字回り抜け防止に対して、より好ましい効果がもたらされる。
以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態を、タンデム型カラーデジタル複写機(以下、単に「複写機」という)を例にして説明する。
複写機全体のコピー処理とその制御の流れを、図1のブロック構成図と図2の複写機の構成図とを用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る複写機の制御ブロック図である。
複写機100の機能的構成は、原稿を画像データとして入力する入力部1と画像データを記録シート上にプリント出力する出力部2と、それらを制御する制御部3、操作表示部80、通信部90とからなる。
入力部1は、原稿を給送する原稿給送部30と給送された原稿を読み取る原稿読取部40とから構成される。
制御部3は、CPU(Central Processing Unit)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−OnlyMemory)等の不揮発性の半導体メモリ、ワークメモリ等により構成され、図示しない記憶部に記憶されている複写機100の制御プログラムを読み出して、読み出したプログラムにしたがってって動作する。
制御部3は、入力部1、出力部2との画像の受け渡しを制御するとともに複写機100全体の制御を行うメイン制御部50、画像格納部60、及び画像処理部70から構成される。
メイン制御部50では、入力部1で得られた赤(R)、緑(G)、青(B)の各色成分ごとの画像データを、画像処理部70において後述の補正処理を施し、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各再現色の階調データに変換し、画像格納部60に一旦格納する(以下、赤、緑、青の各色成分を単に「R、G、B」と表し、同様にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各再現色を、それぞれ「Y、M、C、K」と表す)。
制御部3は、画像格納部60に一旦格納されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各再現色の階調データを出力部2に送り、画像形成を促す。本発明に係る画像データに基づく境界検知、階調処理の工程は、出力部2における画像形成以前に、この画像処理部70にて行われるものであり、詳細は後述する。
出力部2は、画像形成部10と給紙搬送部20とから構成される。
操作表示部80は、文字や画像を表示する表示部と、ユーザが指示操作の入力を行うための操作部とを1つのユニットにまとめたものであり、タッチパネルと押しボタン類から構成される。操作表示部80では、複写機100の各種設定及び画像形成動作開始の指示を行うことが可能である。
通信部90は、図示しない通信媒体を介して図示しないホストコンピュータ等の情報処理装置との通信処理が可能となっており、情報処理装置から送信される各種の設定情報や画像データを受信するとともに、複写機100内の情報等を情報処理装置に通知する。
図2は、図1に示した複写機100の全体の構成を示す断面図である。なお、図1と同じ構成要素には同符号を付してある。
原稿給送部30は原稿給紙トレイ31にセットしたコピー原稿を1枚ずつ搬送系32によってプラテンガラス41上の所定の原稿読取位置まで搬送する。搬送されたコピー原稿は、原稿読取部40のスキャナ42によってスキャンされた後、再び搬送系32によって送り出され、原稿排紙トレイ33上に排出される。
原稿読取装置40は、プラテンガラス41上に搬送された原稿を露光走査するスキャナ42や、スキャナの露光による原稿の反射光を電気信号に変換するフルカラーCCDセンサ43等を備えており、スキャナにより露光走査された原稿の画像は、フルカラーCCDセンサ43において光電変換されて、赤(R)、緑(G)、青(B)成分の電気信号となり、制御部3に送られる。
出力部2は、電子写真プロセスにより記録シートとしての用紙S上に画像を形成するものであって、画像形成部10は、Y、M、C、Kの各再現色に対応する複数の作像ユニット(10Y、10M、10C、10K)及び矢印A方向に回転する中間転写体6等を備え、上記各再現色の階調データに対応して画像形成を行う。また給紙搬送部20は、画像形成部10へ用紙Sを給送する。
本発明に係る画像形成手段として機能する作像ユニット10Y、10M、10C及び10Kは、中間転写体6に対向して回転方向上流側から回転方向下流側に沿って所定間隔で直列に配置されている。各作像ユニット10Y、10M、10C及び10Kはそれぞれ、矢印B方向に回転する像担持体としての感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kと、その周囲に配設された帯電器2Y、2M、2C、2Kと、露光部3Y、3M、3C、3Kと、現像器4Y、4M、4C、4Kと、中間転写体6を挟んで感光体ドラム1Y〜1Kのそれぞれと対向する一次転写ローラ7Y、7M、7C、7K及びクリーナ5Y、5M、5C、5Kなどを備えている。
現像器4Y、4M、4C、4Kには、それぞれ対応する再現色の現像剤、ここではトナーとキャリヤからなる2成分現像剤(不図示)が収容されている。各再現色のトナーには、シリカ等の電荷制御剤が含まれており、攪拌等でトナー及びキャリヤの粒子が擦れ合うことにより帯電して現像に供されるようになっている。
画像形成に際し、メイン制御部50は、画像格納部60から該当するページの各色の画像データを順次読み出して、露光部3Y乃至3Kの各レーザダイオード(不図示)を駆動させるための駆動信号を生成する。露光部3Y乃至3Kの各レーザダイオードは、メイン制御部50からの駆動信号により変調駆動され、レーザ光を発して感光体ドラム1Y乃至1Kをそれぞれ露光する。
感光体ドラム1Y乃至1Kはそれぞれ、前記レーザ光を受ける前にクリーナ5Y乃至5Kで表面の残存トナーが除去され、不図示のイレーサランプに照射されて除電された後、帯電器2Y乃至2Kにより一様に帯電されており、このように一様に帯電した状態で上記レーザ光による露光を受けると、感光体ドラム1Y乃至1Kそれぞれの表面に静電潜像が形成される。
各静電潜像は、それぞれ各色の現像器4Y乃至4Kにより現像される。これにより感光体ドラム1Y乃至1K表面にY、M、C、K色のトナー像が作像され、その各色トナー像は、一次転写ローラ7Y乃至7Kの静電的作用により、一次転写位置において中間転写体6上に順次転写されていく。
この際、各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写体6上の同じ位置に重ね合わせて転写されるように、中間転写体の回転方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。中間転写体6上で重ね合わされた各色トナー像は、中間転写体6の回転により二次転写位置Tに移動する。
一方、給紙部20においては、中間転写体6上のトナー像の二次転写位置Tへの移動タイミングに合わせて、給紙カセット21から、タイミングローラ対22を介して用紙Sが給送されて来ており、二次転写位置Tにおいて、中間転写体6上の各色トナー像が、二次転写手段として機能する二次転写ローラ9の静電的作用により用紙S上に一括転写される。
各色トナー像が転写された用紙Sは、定着部11において熱定着された後、排出ローラ対12を介して排紙トレイ(不図示)上に排出され、あるいはフィニッシャー等の後処理装置(不図示)が設置されていれば、該装置に送り込まれ、後処理が行われる。これによりカラーの複写動作が終了する。
本発明に係る画像処理装置について図3を参照して説明する。図3は、図1及び図2に示した複写機100の画像処理部70の構成例を示すブロック図である。
なお、図3に示した画像処理部70は、別途画像データの入力手段を設けて、独立した画像処理装置として用いることもできる。
画像処理部70は、入力された画像データに濃度変換、色空間変換、階調変換などを施し、出力用の画像データを生成する。画像データ補正手段610は、本発明の特徴となる処理を行う。画像入力手段620は、画像処理部70に、図1のメイン制御部50から出力された画像データを入力する。画像データ出力手段630は、画像処理部70から画像データを受け取り、メイン制御部50に出力する。
画像処理部70への画像データ入力は様々な信号形態があり得るが、一般的な画像形成装置では、前述したようにR、G、Bの信号が用いられている。画像入力手段620は画像データ信号をR、G、Bの信号として画像処理部70に入力する。
画像処理部70に入力された三色の画像信号Ri、Gi、Biは、濃度変換手段601により透過中性濃度の信号Re、Ge、Beに変換され、色変換手段602によりトナーの再現色であるCe、Me、Ye信号に変換される。
これは入力画像の信号R、G、B色空間を出力画像の色空間C、M、Yに変換する色空間の変換であり、出力機器の色再現特性などを考慮した色補正も併せて行われるのが一般的である。その方法としては、マトリクス係数を予め求めておき、マトリクス演算で変換するマスキング法や、あるいは非線形な変換に対応するため、LUT(ルックアップテーブル)として予め校正して得たデータをテーブル化しておき、その都度参照して変換するLUT法などがよく用いられる。
さらに色変換されたCe、Me、Ye信号は、墨版生成手段603によりCei、Mei、Yei、Kei信号に変換される。墨版とはK信号のことであり、色は黒(ブラック)を表す。C、M、Y信号だけでも、黒を表すことはできるが、実際のプリンタではC、M、Yの色材を重ねて黒を表現するのではなく、Kすなわち黒の色材を用いてC、M、Yの色材を減らす(下色除去と呼ばれる)ことが一般的に行われている。これは本発明で問題としている転写不良とも関係して、付着トナー量を減らすという目的も含まれている。
Cei、Mei、Yei、Kei信号は、階調変換手段604により、階調の補正が行われ、Ci、Mi、Yi、Ki信号に変換される。これは主にプリンタなど出力装置の階調特性に合わせて補正するものである。Ci、Mi、Yi、Ki信号は、最終的に出力画像生成手段605に送られ、出力画像データとしてのCo、Mo、Yo、Ko信号が画像出力手段630に送り出される。本実施の形態においては、出力部2は感光体上にレーザ光で書き込み、潜像を作成し、トナー現像して、記録紙に転写するので、画像信号Co、Mo、Yo、Koは、レーザ光の書き込み制御信号ということになる。
出力画像生成手段605は、上記のようにCi、Mi、Yi、Ki信号を受け取り、Co、Mo、Yo、Ko信号を生成するが、本発明ではその過程において、境界部階調処理手段610により高濃度部分と低濃度部分の境界部での特別な階調処理を行う。
境界部階調処理手段610においては、まず境界検知手段611により境界部分の検知が行われる。また境界を検知した結果に基づき境界の近辺では擬似階調処理手段612により擬似階調処理(ハーフトーニングともいう)を行う。
本発明に係る画像形成装置における画像処理動作について図4を用いて説明する。図4は、図1及び図2に示した複写機100が画像形成を行う際に実行される画像処理の流れを示すフローチャートである。なお、図4のフローチャートにおいては、複写機100の電源は投入された状態であり、操作表示部80の操作により画像形成動作開始の指示がなされてからのものである。
ステップS101では、入力部1により原稿が読み取られ、得られた画像データが画像格納部60に格納される。また、画像処理部70の画像濃度変換手段601、色変換手段602、墨版生成手段603、階調変換手段604による各種画像処理も行われる。
ステップS102では、画像処理部70により、ステップS101で得られた画像データが解析され、当該画像データが低画像濃度部と高画像濃度部が混在した画像データであるか否かが判断される。画像データの判断は、例えば公知の方法により画像濃度値のヒストグラムを作成し、画像濃度値の偏差が予め設定された閾値よりも大きいか否かを判断することで行われる。低画像濃度部と高画像濃度部が混在した画像データであると判断された場合(ステップS102;YES)、ステップS103の処理が実行され、混在していない画像データであると判断された場合(ステップS102;NO)、ステップS104の処理が実行される。
ステップS103では、境界部階調処理手段610により画像データに対して境界部階調処理が行われる。
ステップS104では、出力画像形成手段605により出力画像データが生成される。出力画像データは、出力部2の各露光部3Y乃至3Kで行われるパルス幅変調制御による書き込みに合わせた、必要な階調処理が施されている。
ステップS105では、ステップS104で生成された出力画像データが出力されて処理を終了する。
図4のステップS103で実行される境界部階調処理について図5を用いて説明する。図5は、境界部階調処理手段610における処理の流れの一例を示すフローチャートである。図5のステップS701〜S707が境界検知手段611での処理の流れを示し、ステップS711〜S716が擬似階調処理手段612での処理の流れを示す。
ステップS701では、境界検知手段611により画像データの全画素が順次処理され、境界部が検出される。境界部の検知手法は様々な公知の手法を利用することができるが、本実施の形態ではエッジ検出フィルタリングを行った。
ステップS702では、順次対象画素が更新される。
ステップS703では、ステップS702で更新された画素に対してエッジ検出フィルタリングが行われる。エッジ検出フィルタリングは、2次元的なフィルタパターンを利用して、エッジ部に対して、特徴的な数値が出力されるよう設定したものである。画像全体にわたってフィルタリングが行われ、境界部が検出される。
ステップS704では、ステップS703で行われたエッジ検出フィルタリングの結果が境界部分か否かの判断が行われる。判定結果が「境界部である」ならば(ステップS704;YES)、ステップS705に処理を進め、「境界部でない」ならば(ステップS704;NO)、その対象画素に対する境界検知処理を終え、ステップS707に処理を進める。
ステップS705では、境界部の高濃度部分と低濃度部分の濃度差が予め設定されたしきい値以上であるかどうかの判定を行う。すなわち出力部2において、転写不良による白抜け(文字回り抜け)が発生するかどうかの判定が行われる。濃度差がしきい値よりも大きいとトナー転写時の付着トナーの高さの差が大きくなり、文字回り抜けが発生し始める。そこで、しきい値以上の濃度差を有する領域に対して、擬似階調処理を要する境界部として設定するための判定である。
しきい値は、文字回り抜けが発生し始めるトナーの高さに対して、そのトナー高さをもたらす濃度差が実験的に逆算して求められる。本実施の形態では、トナー高さが0.01mmとなる濃度差をしきい値としている。
境界部での高濃度部と低濃度部の画像データCi、Mi、Yi、Ki信号から濃度差が計算され、該しきい値濃度と比較して、しきい値以上か否かが判定される。
ステップS705にでの判定が「所定値以上である」ならば(ステップS705;YES)、すなわち文字回り抜け発生が推測されるならば、擬似階調処理の必要な境界部の画素として設定し(ステップS706)、参照可能なようにマークする。その後ステップS707に進む。一方、ステップS705での判定が「所定値以上でない」ならば(ステップS705;NO)、すなわち文字回り抜け発生しないと推測されるならば、その対象画素は境界部ではないとして境界検知処理を終え、ステップS707に処理を進める。
ステップS707では、画像データをすべて処理し終えたかどうかを判定する。未処理の画像データが残っている場合は(ステップS707;NO)、ステップS702へ戻り、次の画素の処理に移る。画像データをすべて処理し終えた場合は(ステップS707;YES)、擬似階調処理手段612による擬似階調処理(画像データ全画素の順次処理)に移る。
擬似階調処理手段612においては、ステップS712で順次対象画素を更新していきながら、まず境界部からの距離が所定値以内かどうかの判定が行われる(ステップS713)。これは文字回り抜けの発生する範囲内であるか否か、つまりこれから行う擬似階調処理を必要とするかどうかの判定である。
ステップS713において所定値は、境界部における濃度差に応じて決められる。これは、図6に示したように、トナー高さに依存して、文字回り抜けの発生する幅、すなわち境界部からの距離が変化することに起因する。
図6は、境界部でのトナー高さのギャップに対して、境界部からどの程度の距離まで文字回り抜けが発生するかの実験結果の一例を示すグラフである。実験データでは、実際にトナー高さが0.01mm以上大きくなると、その大きさに応じて文字回り抜けが発生し始め、トナー層の高さに比例して文字回り抜けの発生する幅が増加している。そこで、本実施の形態では、境界部の濃度差と擬似階調処理を行う範囲である所定値(mm)とを下記表1のように設定した。なお、表1においては、画像データCi、Mi、Yi、Ki信号はそれぞれ0〜255の濃度値を有しているものとし、高濃度部の濃度値は、画像データCi、Mi、Yi、Ki信号の合計であり、低濃度部の濃度値は、画像データCi、Mi、Yi、Ki信号の濃度値として濃度差が算出されるものとする。
なお、トナー高さと文字回り抜けの発生する幅は、実際には装置条件や、トナー特性などによって変わってくるので、実験的に設定されることが望ましい。
Figure 2006215156
ステップS713の判定結果が「所定値以内である」場合(ステップS713;YES)、すなわち階調処理を要する場合は、ステップS714に処理を進める。判定結果が「所定値以内でない」場合(ステップS713;NO)、すなわち階調処理を要しない場合は、その対象画素は処理を終え、ステップS716に処理を進める。
ステップS714では、対象画素は文字回り抜けが発生する領域内として、境界部からの距離に応じた補正を行う。これは画素値自体を補正してもよいし、次の二値化処理を想定した二値の階調レベルを補正してもよい。目的は、既に図10を用いて説明したように、境界部に近いほど空隙が大きく、文字回り抜けが発生しやすく、境界部に遠いほど空隙が小さく、文字回り抜けが発生しにくくなる状態を補正することである。
ステップS715では、境界部から所定値以内の画素に対して二値化処理を行う。二値化処理は、例えばディザ法などの一般的な二値化手法が用いられる。
なお、ステップS715で二値化された画素は、図4のステップS104に示したように、出力画像データが生成される際に、二値化処理していない領域とともにパルス幅変調などによる多階調処理を受けることになる。それに備えて、ステップS715では、ステップS714での補正階調値に補正した出力を与えて、出力画像生成手段605への引き渡しに備える。
ステップS716では、画像データをすべて処理し終えたかどうかを判定する。未処理の画像データが残っている場合は(ステップS716;NO)、ステップS712へ戻り、次の画素の処理に移る。画像データをすべて処理し終えた場合は(ステップS716;YES)処理を終了する(ステップS720)。
以上のような処理を経ることにより、高濃度部と接する低濃度部の所定の領域が複数ドットによる階調表現で画像形成され、その結果、トナー付着する一つ一つのドットでは、転写率が低下しない程度のトナー付着を維持でき、文字回り抜けを防止することができるとともに、転写残トナーも大幅に減少させられる。また、濃度確保などの点からも画質への悪影響をさけることができる。
また、このような擬似階調処理を行うのは、境界部近辺の所定の領域に限定し、かつ、境界部からの距離に応じて付着量の制御を合わせて行っているので、ハーフトーン背景部(低濃度部)全体では網点などの視覚的違和感を生じにくい。また、濃度低下の発生しやすい(空隙が大きい)領域ほど転写率が高くなるようトナー付着ドットが階調制御され、境界部分での文字回り抜け防止に対して、より好ましい効果がもたらされる。
なお、境界部階調処理手段で行っている擬似階調処理を要しない部分では、一般的なドット単位での階調処理が行われてもよい。例えばパルス幅変調制御などによる1ドット単位での多階調処理を想定し、それがこの特別な階調処理を施す部分にも重ねて適用されるものとする。その場合には、1ドットすなわち画素単位で数階調を表現できるので、どれか1つの階調値になるように予め二値化処理しておくこともできる。その場合、ある画素の近傍では常に二値であるが、場所により各画素の階調値は異なるように制御することもできる。
図7を参照して、図5のステップS714で行われる処理について説明する。図7は、本実施形態での補正を実施した場合、境界部近傍でのトナー付着状態の一例を模式的に示したものである。
図7(a)は、従来の多階調処理による境界部近傍でのトナー付着の模式図であり、図7(b)は、本発明の実施形態での階調処理を施した場合の境界部近傍でのトナー付着の模式図である。それぞれ、901は高濃度部のトナー第1層(例えばMトナー)、902は高濃度部のトナー第2層(例えばYトナー)、903、904は低濃度部のトナー層(例えばCトナー)を示す。
従来例に係る出力画像91では、高濃度部900のトナー付着量と比べて、低濃度部910では単位面積当たりきわめて小さなトナー付着量となっている。
一方、本発明に係る出力画像92では、低濃度部910でのトナー付着の状況がきわめて特徴的である。
1つには、低濃度部のトナー層904が、二値化処理によりトナーの付着するドットと付着しないドットに分かれて混在していることである。これは、ステップS715で行われる二値化処理によるものである。ドット単位でなく、低濃度部全体を平均化すると、従来例に係る出力画像91での低濃度部910の面積当たりの付着量とほぼ等しくなってくる。しかしトナー付着しているドットだけを見ると、大きな付着量、すなわちトナー層を高くして転写時に発生する空隙を小さくしている。
もう一つは、低濃度部のトナー層904でのトナー付着量に、境界部からの距離によって、傾きを持たせていることである。これはパルス幅変調制御などにより多階調処理を行っており、予め二値化処理時に傾きを持たせておくことにより、多階調処理の結果、その付着量の傾きが再現されたものである。従って、二値化処理しながら、トナー付着ドット単位で見ると多階調を実現することになる。
すなわち、境界部からの距離と境界部での濃度差に応じて予め設定しておいた演算式により補正値が求められる。あるいは予め補正パラメータのデータテーブルを用意しておき、その都度参照するようにしてもよい。こうして求めた補正値により、対象となる画素値の二値化によるオン(トナー付着あり)状態の階調値を補正しておく。この補正階調値をステップS715の二値化処理に引き渡し、二値化出力に反映する。
なお、本実施の形態では、濃度差と境界部からの距離とに基づいて、下記表2に示すような係数が画像データCi、Mi、Yi、Ki信号それぞれに乗算されるようにした。
Figure 2006215156
図5のステップS715で実行される二値化処理について説明する。
画像の階調をドットの面積比率で表現する擬似階調処理手法(ハーフトーニング手法)としては組織的ディザ法や誤差拡散法など公知の手法が多くある。どのような手法を用いても本発明の目的には適用可能であるが、代表的なデジタルハーフトーニング手法であるディザ法を例にとって説明する。
ディザ法適用のねらいは、多階調を2階調で表現することである。そのためにディザマトリクスと称する2次元配列のしきい値マトリクスを用いて、これを画像の2次元配置された画素値に縦方向、横方向に繰り返し当てはめていき、しきい値処理していく。ディザマトリクスは、しきい値を意図的に大小にばらつかせ、かつ2次元的にあるパターンを形成するように分散させている。これによりしきい値処理した結果はオンオフの二値の分布となるが、ディザマトリクスのサイズを単位として、平均的に元画像の階調を表現していることになる。すなわち、ドットの面積比率が階調を表現している。
図8(A)は、4画素×4画素のサイズのディザマトリクスの例を示す。各画素の数値はしきい値の大きさの分布を示しており、しきい値処理する画像の階調値に応じて、適当な係数をかける。しきい値処理した例が図8(B)及び図8(C)である。画像の階調値と対応するディザマトリクスしきい値とに応じて、各画素は黒いドット又はドットのない(白い)状態とに二値化される。ディザマトリクスしきい値のパターンに応じて、黒いドットの配置はパターン化する傾向があるが、それとともに画像の平均的な階調値と対応する黒いドットの数が得られる。
図8(D)は、図8(B)のしきい値処理結果を実際にプリント処理した場合のトナーの付き方を、図8(B)のAの位置での断面図として示したものである。ドットのありなしが交互に位置しており、従ってトナーの付着があるドットとないドットが交互に位置している。注目すべきは、トナー付着しているドットはすべて、そのドットの大きさにおいてトナーの高さが最大値に一定化していることである。つまり、トナー付着において、中間のトナー高さはなく、常にゼロ(最小値)か最大値かのどちらかである。
このようにディザ法などの擬似階調処理によれば、画素単位では元画像の階調を再現しているとはいえないが、ディザマトリクスのサイズに応じて、平均的には元画像の階調を再現している。しかもトナー付着の高さを一定にできるという効果がある。本発明ではこれを目的として擬似階調処理を用いる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
タンデムフルカラー複写機(コニカミノルタ社製カラーMFP8050改造機)を用いて、本発明を実施した例を以下に説明する。
画像形成部の条件は特に変更など行わず、装置既定の設定を用いた。画像形成のシステムスピードは220mm/sである。感光体はOPCを用い、現像剤は2成分現像剤である。一次転写は、転写ローラにスポンジ単層半導電ローラを用いて、定電流方式でバイアスを印加した(電流30μA)。二次転写は、二次転写ローラ/バックアップローラともに半導電ソリッドゴムローラで表面コーティング層を有する。バックアップローラの芯金に定電流方式でバイアスを印加し、二次転写ローラ芯金は接地した(電流50μA)。中間転写体は、厚さ100μmのポリイミド半導電樹脂ベルトである。
文字回り抜けを評価するための画像形成条件として、シアンの色背景部に複数の赤のベタラインを様々な位置、方向、長さに配置した画像をオリジナル画像として使用した。画像形成時の信号値としては、赤い文字線画領域が、(Y=255、M=255、C=0)に近くなるように、またシアンの色背景部が、(Y=0、M=0、C=70〜80)に近くなるように設定した。このオリジナル画像を用いて、上記画像形成装置でコピー操作を行い、プリント出力した評価サンプルを評価した。
実験は、上記実験機によるランニングコピーを行い、スタート時と1000枚プリント後と2000枚プリント後に評価サンプルの採取を行った。ランニングコピーの実施は、現像剤を耐久使用し、転写不良に対して不利な状況をもたらすためである。
また、上記評価サンプルの採取時には、合わせて転写残トナー量の評価も行った。これは、転写率を向上するという目的に対し、転写トナーが増えて文字回り抜けは防止できたが、転写残のトナーも増え、トナー飛散などの悪影響が生ずることを懸念しての評価である。
(実施例)
実験機において、図5で説明した画像処理を行った後、画像形成を行った。境界部で行う二値化処理としては、ディザ処理を行った。処理を行う対象領域は、文字線画部からの距離が500μmの領域とし、対象領域の外縁部のドットの階調値は(Y=0、M=0、C=70〜80)、文字線画境界部に接するドットの階調値は(Y=0、M=0、C=255)となるように設定した。
(比較例)
実験機において、特許文献2に記載されたものと同様の画像処理を行った後、画像形成を行った。すなわち、実施例のような二値化処理は行わず、対象領域の画素値の補正のみを行った。階調値の補正は文字線画部からの距離が500μmの領域で行い、対象領域の外縁部の階調値が(Y=0、M=0、C=70〜80)、ベタライン境界部に接する階調値が(Y=0、M=0、C=255)となるように設定した。これは結果的に付着トナー量を増やすことになり、転写残トナー量も増えると想定される実験である。
(評価方法)
スタート時と1000枚プリント後と2000枚プリント後に評価サンプルの採取を行う。また、評価サンプルの採取時には、合わせて転写残トナー量の評価も行う。
採取した評価サンプルに対する文字回り抜けの評価は、それぞれのトナー転写されたプリント画像をスキャナで読み込み、市販の画像解析ソフトを用いて、文字線画部周辺500μm以内の領域での濃度低下(=転写抜け箇所)の占める面積比率を求めた。評価は、面積比率が20%未満を「良好」とし、20%以上40%未満を「可」(実用可)とし、40%以上を「不可」とした。この評価は、文字回り抜けを目視したときの官能評価とも対応している。また、転写残トナー量の評価は、2000枚プリント後の評価サンプルの採取時にクリーニングユニットで転写残トナーを回収し、回収した転写残トナーの重量を測定した。
評価結果を下記表3に示す。スタート時から2000枚プリント後に至るまで、実施例、比較例ともに文字回り抜けは「良好」であった。
比較例では2000枚プリント後も「良好」であり、文字回り抜け防止対策としては効果があるといえるが、転写残トナー量が12gと非常に多くなっており、トナー飛散による機内汚染が発生した。
実施例では、文字回り抜け、転写残トナー量(4gと少ない)ともに良好であり、付着トナーをフルに転写する、すなわち転写率を向上するという本質的な対策になっていることがわかる。
Figure 2006215156
このように本実施の形態によれば、文字回り抜け発生のメカニズムに対して、特に装置条件を変更することもなく、画像処理を行うだけで、転写率向上という本質的な対策を実現し、トナーの飛散や、転写過剰などの副作用も引き起こさず、高画像濃度部分の濃度、色再現性にも悪影響を与えないような画像形成装置、画像処理装置及び画像処理方法を提供することができる。
本発明の形態は、画像形成装置として実現することもできる。しかし画像形成装置の構成においては画像処理の部分にその本質的な特徴があり、単独の画像処理装置、あるいは他の機器とネットワーク接続した画像処理装置として実現することもできる。また他の画像を扱う装置において、画像処理プログラムとして組み込み、実現することも可能である。
本発明の実施形態は、以上に述べた形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない限りにおいて他にも種々の変更を行うことが可能である。
本発明に係る画像形成装置の制御の流れの例を示すブロック図である。 本発明に係る画像形成装置の全体構成の例を示す図である。 本発明に係る画像処理装置及び方法の処理の流れの例を示すフローチャートである。 本発明に係る画像形成装置における画像処理の流れの例を示すフローチャートである。 本発明に係る画像処理において、境界部の階調処理の流れの例を示すフローチャートである。 本発明に係る境界部の階調処理において、境界部の階調値と処理領域の広さとの関係の例を示す図である。 本発明に係る境界部の階調処理において、境界部でのトナー付着の状態を模式的に示す断面図である。 二値化処理に用いるディザマトリクスとそれにより形成されたトナー像の状態を説明する図である。 従来の画像における文字回り抜けの発生状態の例を示す図である。 従来のトナー像の転写時の状態を模式的に示す断面図である。
符号の説明
100 複写機
1 入力部
2 出力部
3 制御部
10 画像形成部
20 給紙搬送部
30 原稿給送部
40 原稿読取部
50 メイン制御部
60 画像格納部
70 画像処理部
80 操作表示部
90 通信部

Claims (6)

  1. 画像データに基づいてトナー像を形成し、中間転写体に転写する画像形成手段と、前記中間転写体に転写されたトナー像を転写媒体に転写する二次転写手段とを有する画像形成装置において、
    画像データに基づいて、低画像濃度部分と、該低画像濃度部分に対して階調値が所定値以上変化する高画像濃度部分との境界を検知する境界検知手段と、
    前記境界検知手段で検知された境界から所定の範囲内の前記低画像濃度部分に相当する画像データに対して擬似階調処理を行う擬似階調処理手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 画像データに基づいて形成された像担持体上のトナー像を中間転写体に転写する画像形成手段を、中間転写体の移動方向に沿って複数配設し、複数の画像形成手段から中間転写体上に順次に転写された複数のトナー像を記録材上に一括して転写する二次転写手段を有する画像形成装置において、
    画像データに基づいて、低画像濃度部分と、該低画像濃度部分に対して階調値が所定値以上変化する高画像濃度部分との境界を検知する境界検知手段と、
    前記境界検知手段で検知された境界から所定の範囲内の前記低画像濃度部分に相当する画像データに対して擬似階調処理を行う擬似階調処理手段とを有し、
    前記複数の画像形成手段のうちの少なくとも1つは、前記擬似階調処理手段で処理された画像データに基づいてトナー像を形成することを特徴とする画像形成装置。
  3. 前記擬似階調処理手段は、前記高画像濃度部分の階調値に基づいて擬似階調処理を行う範囲を決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記擬似階調処理手段は、前記境界検知手段で検知された境界から所定の範囲内の低画像濃度部分であって該境界近傍のドットが、該境界から所定の範囲内の低画像濃度部分の他のドットよりも高画像濃度となるように、擬似階調処理を行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
  5. 像担持体にトナー像を形成するための画像データを処理する画像処理装置において、
    画像データを入力する入力手段と、
    前記入力手段で入力された画像データに基づいて、低画像濃度部分と、該低画像濃度部分に対して階調値が所定値以上変化する高画像濃度部分との境界を検知する境界検知手段と、
    前記境界検知手段で検知された境界から所定の範囲内の前記低画像濃度部分に相当する画像データに対して擬似階調処理を行う擬似階調処理手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
  6. 像担持体にトナー像を形成するための画像データを処理する画像処理方法において、
    画像データを入力する入力工程と、
    前記入力工程で入力された画像データに基づいて、低画像濃度部分と、該低画像濃度部分に対して階調値が所定値以上変化する高画像濃度部分との境界を検知する境界検知工程と、
    前記境界検知工程で検知された境界から所定の範囲内の前記低画像濃度部分に相当する画像データに対して擬似階調処理を行う擬似階調処理工程とを含むことを特徴とする画像処理方法。
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