JP2006214565A - 直動案内装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部荷重によるスライダの弾性変形量を抑制して剛性の向上を図ることのできる直動案内装置を提供する。
【解決手段】 スライダ12に圧縮方向の外部荷重FCが作用する場合は、下側循環孔18bの位置を基準線Oからプラス方向(スライダ12の上側転動体軌道15aから遠ざかる方向)にずらすと共に上側循環孔18aの位置を基準線Oからマイナス方向(スライダ12の下側転動体軌道15bに近づく方向)にずらし、スライダ12に引張方向の外部荷重が作用する場合は、これと反対方向に循環孔18a,18bをずらして設ける。
【選択図】 図2

Description

本発明は、直線運動する移動体をその移動方向に案内する直動案内装置に関する。
直線運動する移動体をその移動方向に案内する直動案内装置として、例えば下記文献1には、案内レールの左右側面に形成された転動体軌道とスライダの左右内側面に形成された転動体軌道との間を転動する転動体として、円筒ころ状に形成された転動体(以下「コロ状転動体」という)を用いたものが記載されている。この直動案内装置は、転動体としてボールを用いたものに比べて大きな負荷容量を得ることができるが、図18に示すように、案内レール11の上側転動体軌道14aとコロ状転動体16との接触角線A1が案内レール11の下側転動体軌道14bとコロ状転動体16との接触角線A2と案内レール11の内側で交差しているため、モーメント荷重に対する剛性が弱いという問題がある。そこで、かかる問題を解消するため、図19に示すように、案内レール11の上側転動体軌道14aとコロ状転動体16との接触角線A1を案内レール11の下側転動体軌道14bとコロ状転動体16との接触角線A2と案内レール11の外側で交差させたものが知られている。
このような直動案内装置は、図18に示す構造のものより大きな剛性を得ることができるが、スライダに圧縮方向や引張方向の外部荷重が加わると、図20に示すような弾性変形がスライダ12の袖部17a,17bに発生する。このような弾性変形は直動案内装置の剛性を低下させる要因となることから、従来では、例えば袖部の横幅を大きくするなどしてスライダの弾性変形による剛性の低下を防いでいる(特許文献2参照)。
特開2000−291654号公報 特開平5−280537号公報
しかしながら、袖部の横幅を大きくすると、スライダ全体のサイズが大型化し、その結果、直動案内装置の大型化や慣性質量の増大を招くなどの問題がある。また、装置周辺の設計により、スライダに与えられる空間が制限される場合が多い。このため、スライダのサイズを大きくしないで少しでも剛性を高くすることが要求されている。
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、外部荷重によるスライダの弾性変形量を抑制して剛性の向上を図ることのできる直動案内装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、請求項1の発明は、案内レールと、この案内レールの左右両側に袖部を有するスライダと、前記案内レールの左右側面に形成された転動体軌道と前記スライダの左右内側面に形成された転動体軌道との間に設けられた多数の転動体と、前記スライダの前後方向両端に取り付けられ前記転動体を方向転換させるための右側方向転換部および左側方向転換部を前記案内レールの左右両側に有するエンドキャップとを備えた直動案内装置において、前記スライダの各袖部に、前記転動体を循環させるための転動体上側循環孔と転動体下側循環孔を前記袖部の横幅方向にずらして設けたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載の直動案内装置において、前記転動体上側循環孔を前記転動体下側循環孔よりも前記袖部の内側面側に設けたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2項記載の直動案内装置において、前記転動体上側循環孔から前記袖部の内側面下部に形成された転動体軌道までの距離をA、前記転動体下側循環孔から前記袖部の内側面上部に形成された転動体軌道までの距離をBとしたとき、A<Bの関係を満たす位置に前記転動体上側循環孔および前記転動体下側循環孔を設けたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1記載の直動案内装置において、前記転動体上側循環孔を前記転動体下側循環孔よりも前記袖部の外側面側に設けたことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4項記載の直動案内装置において、前記転動体上側循環孔から前記スライダの内側面下部に形成された転動体軌道までの距離をA、前記転動体下側循環孔から前記スライダの内側面上部に形成された転動体軌道までの距離をBとしたとき、A>Bの関係を満たす位置に前記転動体上側循環孔および前記転動体下側循環孔を設けたことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項記載の直動案内装置において、前記右側方向転換部および左側方向転換部が、前記案内レールの上側転動体軌道を転動する転動体を方向転換させるための第1の方向転換路と前記案内レールの下側転動体軌道を転動する転動体を方向転換させるための第2の方向転換路を夫々有し、前記第1の方向転換路の転換路長と前記第2の方向転換路の転換路長とを異なる長さとしたことを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項6記載の直動案内装置において、前記エンドキャップの左側方向転換部に形成される前記第1の方向転換路の転換路長をL1L、前記エンドキャップの右側方向転換部に形成される前記第1の方向転換路の転換路長をL1R、前記エンドキャップの左側方向転換部に形成される前記第2の方向転換路の転換路長をL2L、前記エンドキャップの右側方向転換部に形成される前記第2の方向転換路の転換路長をL2Rとしたとき、前記第1及び第2の方向転換路の転換路長をL1L=L1R、L2L=L2Rとしたことを特徴とする。
請求項1の発明に係る直動案内装置によれば、袖部の変形によるスライダ上面の変位量を小さく抑えることができるので、スライダのサイズを大きくせずに直動案内装置の剛性を高めることができる。
請求項2及び3の発明に係る直動案内装置によれば、圧縮方向の外部荷重によりスライダ上面の変位量が大きくなることを抑えることができるので、スライダのサイズを大きくせずに直動案内装置の剛性を高めることができる。
請求項4及び5の発明に係る直動案内装置によれば、引張方向の外部荷重によりスライダ上面の変位量が大きくなることを抑えることができるので、スライダのサイズを大きくせずに直動案内装置の剛性を高めることができる。
請求項6及び7の発明に係る直動案内装置によれば、スライダのサイズを大きくせずに直動案内装置の剛性を高めることができるとともに、スライダの前端側と後端側でエンドキャップの構造を変えることなく直動案内装置を組立てることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明の第1の実施形態に係る直動案内装置を図1乃至図6に示す。図1及び図2において、符号11はステンレス鋼等の金属からなる案内レール、12は案内レール11の長手方向に相対移動するスライダ、13a及び13bはスライダ12の前後方向両端面に取り付けられた樹脂製エンドキャップであって、案内レール11の左側側面と右側側面には、平面状の上側転動体軌道14a及び下側転動体軌道14bがそれぞれ形成されている。
上側転動体軌道14a及び下側転動体軌道14bは、案内レール11の長手方向に沿って直線状に形成されている。また、上側転動体軌道14a及び下側転動体軌道14bは案内レール11の側面に対して斜めに形成されており、その傾斜角度は互いに直交する角度となっている。さらに、上側転動体軌道14a及び下側転動体軌道14bはスライダ12の左側内側面と右側内側面に形成された平面状の上側転動体軌道15a及び下側転動体軌道15b(図2参照)と対向しており、これらの転動体軌道14a,14b及び15a,15b間には、円筒ころ状に形成された多数のコロ状転動体16が転動自在に設けられている。
コロ状転動体16は、スライダ12が案内レール11の長手方向に相対移動すると、これに伴ってレール側転動体軌道14a,14bとスライダ側転動体軌道15a,15bとの間を転動するようになっている。また、これらのコロ状転動体16のうち案内レール11の上側転動体軌道14aを転動するコロ状転動体16と上側転動体軌道14aとの接触角線A1(図2参照)は、案内レール11の下側転動体軌道14bを転動するコロ状転動体16と下側転動体軌道14bとの接触角線A2と案内レール11の外側でほぼ直角に交差している。
スライダ12は、案内レール11と同様に、ステンレス鋼等の金属材料で形成されており、このスライダ12の図中上面には圧縮方向の外部荷重FC(図5参照)が加わるようになっている。そして、スライダ12の図中上面に圧縮方向の外部荷重FCが加わると、スライダ12の下側転動体軌道15bには、図中上向きの荷重Q2が加わるようになっている。また、スライダ12は案内レール11の左右両側にブロック状の袖部17a,17b(図5参照)を有しており、これらの袖部17a,17bには、転動体上側循環孔18aと転動体下側循環孔18bが案内レール11の長手方向に沿って穿設されている。
転動体上側循環孔18aおよび転動体下側循環孔18bは転動体16の軸方向長さより大きな径で袖部17a,17bにそれぞれ形成されており、これら循環孔18a,18bの内側には、コロ状転動体16を循環させるための転動体循環通路19(図3及び図4参照)が樹脂によって形成されている。
転動体上側循環孔18aは、図5に示すように、袖部17a,17bの横幅を1とすると、袖部17a,17bの外側面から0.51だけ離れた位置に設けられている。一方、転動体下側循環孔18bは、袖部17a,17bの横幅を1とすると、袖部17a,17bの外側面から0.37だけ離れた位置に設けられている。つまり、転動体上側循環孔18aは、本実施形態では転動体下側循環孔18bよりも袖部17a,17bの内側面側に設けられている。
また、転動体上側循環孔18a及び転動体下側循環孔18bは、図5に示すように、スライダ12の内側面下部に形成された転動体軌道15bから転動体上側循環孔18aまでの距離をA、スライダ12の内側面上部に形成された転動体軌道15aから転動体下側循環孔18bまでの距離をBとすると、A<Bの関係を満たす位置に設けられている。
エンドキャップ13a,13bは案内レール11の左右両側に左側方向転換部20aおよび右側方向転換部20b(図6参照)を有しており、これらの方向転換部20a,20bには、案内レール11の上側転動体軌道14aを転動するコロ状転動体16を方向転換させるための第1の方向転換路21が形成されているとともに、案内レール11の下側転動体軌道14bを転動するコロ状転動体16を方向転換させるための第2の方向転換路22が形成されている。
第1及び第2の方向転換路21,22はその転換路長が互いに異なっており、第1の方向転換路21の転換路長をL1、第2の方向転換路21の転換路長をL2とすると、本実施形態では、L1>L2となっている。また、エンドキャップ13a,13bの左側方向転換部20aに形成された第1の方向転換路21の転換路長をL1L、同じく左側方向転換部20aに形成された第2の方向転換路22の転換路長をL2L、エンドキャップ13a,13bの右側方向転換部20bに形成された第1の方向転換路21の転換路長をL1R、同じく右側方向転換部20bに形成された第2の方向転換路22の転換路長をL2Rとすると、本実施形態では、L1L=L1R、L2L=L2Rとなっている(通常は、L1L=L1R=L2L=L2R)。
このような構成において、上側循環孔18aの位置を変えないで下側循環孔18bの位置を図5に示す基準線Oからマイナス方向(スライダ12の上側転動体軌道15aに近づく方向)にずらすと、図7に示すように、下側循環孔18bのずれ量が大きくなるに従って袖部17a,17bの変形量が大きくなる。また、下側循環孔18bの位置を変えないで上側循環孔18aの位置を基準線Oからプラス方向(スライダ12の下側転動体軌道15bから遠ざかる方向)にずらすと、図8に示すように、上側循環孔18aのずれ量が大きくなるに従って袖部17a,17bの変形によるスライダ上面の変位量が大きくなる。
これに対し、下側循環孔18bの位置を基準線Oからプラス方向(スライダ12の上側転動体軌道15aから遠ざかる方向)にずらすと共に上側循環孔18aの位置を基準線Oからマイナス方向(スライダ12の下側転動体軌道15bに近づく方向)にずらすと、図9に示すように、下側循環孔18b及び上側循環孔18aのずれ量が大きくなるに従って袖部17a,17bの変形によるスライダ上面の変位量が小さくなる。したがって、上述した実施形態のように、転動体上側循環孔18aを転動体下側循環孔18bよりもスライダ12の内側面側に設けることで、圧縮方向の外部荷重FCによる袖部17a,17bの変形によるスライダ上面の変位量を小さく抑えることができるので、スライダのサイズを大きくせずに直動案内装置の剛性を高めることができる。
また、上述した実施形態のように、エンドキャップ13a,13bの左側方向転換部20aに形成された方向転換路21,22の転換路長L1L,L2Lとエンドキャップ13a,13bの右側方向転換部20bに形成された方向転換路21,22の転換路長L1R,L2RをL1L=L1R、L2L=L2Rとしたことで、エンドキャップ13a,13bの構造が左右対称の構造となるので、スライダ12の前端側と後端側でエンドキャップの構造を変えることなく直動案内装置を組立てることができる。
次に、本発明の第2の実施形態を図10乃至図14を参照して説明する。
図10において、符号11は案内レール、12は案内レール11の長手方向に相対移動するスライダ、13a及び13b(13bは図1参照)はスライダ12の前後方向両端面に取り付けられた樹脂製エンドキャップであって、案内レール11の左側側面と右側側面には、平面状の上側転動体軌道14a及び下側転動体軌道14bがそれぞれ形成されている。
上側転動体軌道14a及び下側転動体軌道14bは、案内レール11の長手方向に沿って直線状に形成されている。また、上側転動体軌道14a及び下側転動体軌道14bは案内レール11の側面に対して斜めに形成されており、その傾斜角度は互いに直交する角度となっている。さらに、上側転動体軌道14a及び下側転動体軌道14bはスライダ12の左側内側面と右側内側面に形成された平面状の上側転動体軌道15a及び下側転動体軌道15bと対向しており、これらの転動体軌道14a,14b及び15a,15b間には、円筒ころ状に形成された多数のコロ状転動体16が転動自在に設けられている。
コロ状転動体16は、スライダ12が案内レール11の長手方向に相対移動すると、これに伴ってレール側転動体軌道14a,14bとスライダ側転動体軌道15a,15bとの間を転動するようになっている。また、これらのコロ状転動体16のうち案内レール11の上側転動体軌道14aを転動するコロ状転動体16と上側転動体軌道14aとの接触角線A1(図10参照)は、案内レール11の下側転動体軌道14bを転動するコロ状転動体16と下側転動体軌道14bとの接触角線A2と案内レール11の外側でほぼ直角に交差している。
スライダ12は、案内レール11と同様に、ステンレス鋼等の金属材料で形成されており、このスライダ12の上面には、引張方向の外部荷重FT(図13参照)が加わるようになっている。そして、スライダ12の図中上面に引張方向の外部荷重FTが加わると、スライダ12の上側転動体軌道15aには、図中下向きの荷重Q1が加わるようになっている。また、スライダ12は案内レール11の左右両側にブロック状の袖部17a,17b(図13参照)を有しており、これらの袖部17a,17bには、転動体上側循環孔18aと転動体下側循環孔18bが案内レール11の長手方向に沿って穿設されている。
転動体上側循環孔18aおよび転動体下側循環孔18bは転動体16の軸方向長さより大きな径で袖部17a,17bにそれぞれ形成されており、これら循環孔18a,18bの内側には、コロ状転動体16を循環させるための転動体循環通路19(図11及び図12参照)が樹脂によって形成されている。
転動体上側循環孔18aは、図13に示すように、袖部17a,17bの横幅を1とすると、袖部17a,17bの外側面から0.44だけ離れた位置に設けられている。一方、転動体下側循環孔18bは、袖部17a,17bの横幅を1とすると、袖部17a,17bの外側面から0.37だけ離れた位置に設けられている。つまり、転動体上側循環孔18aは、本実施形態では転動体下側循環孔18bよりも袖部17a,17bの外側面側に設けられている。
また、転動体上側循環孔18a及び転動体下側循環孔18bは、図13に示すように、スライダ12の内側面下部に形成された転動体軌道15bから転動体上側循環孔18aまでの距離をA、スライダ12の内側面上部に形成された転動体軌道15aから転動体下側循環孔18bまでの距離をBとすると、A>Bの関係を満たす位置に設けられている。
エンドキャップ13a,13bは案内レール11の左右両側に左側方向転換部20aおよび右側方向転換部20b(図14参照)を有しており、これらの方向転換部20a,20bには、案内レール11の上側転動体軌道14aを転動するコロ状転動体16を方向転換させるための第1の方向転換路21が形成されているとともに、案内レール11の下側転動体軌道14bを転動するコロ状転動体16を方向転換させるための第2の方向転換路22が形成されている。
第1及び第2の方向転換路21,22はその転換路長が互いに異なっており、第1の方向転換路21の転換路長をL1、第2の方向転換路21の転換路長をL2とすると、本実施形態では、L1<L2となっている。また、エンドキャップ13a,13bの左側方向転換部20aに形成された第1の方向転換路21の転換路長をL1L、同じく左側方向転換部20aに形成された第2の方向転換路22の転換路長をL2L、エンドキャップ13a,13bの右側方向転換部20bに形成された第1の方向転換路21の転換路長をL1R、同じく右側方向転換部20bに形成された第2の方向転換路22の転換路長をL2Rとすると、本実施形態では、L1L=L1R、L2L=L2Rとなっている(通常は、L1L≠L1R、L2L≠L2R)。
このような構成において、上側循環孔18aの位置を変えないで下側循環孔18bの位置を図13に示す基準線Oからマイナス方向(スライダ12の上側転動体軌道15aに近づく方向)にずらすと、図15に示すように、下側循環孔18bのずれ量が大きくなるに従って袖部17a,17bの変形によるスライダ上面の変位量が大きくなる。また、下側循環孔18bの位置を変えないで上側循環孔18aの位置を基準線Oからマイナス方向(スライダ12の下側転動体軌道15bに近づく方向)にずらすと、図16に示すように、上側循環孔18aのずれ量が大きくなるに従って袖部17a,17bの変形によるスライダ上面の変位量が大きくなる。
これに対し、下側循環孔18bの位置を基準線Oからマイナス方向(スライダ12の上側転動体軌道15aに近づく方向)にずらすと共に上側循環孔18aの位置を基準線Oからプラス方向(スライダ12の下側転動体軌道15bから遠ざかる方向)にずらすと、図17に示すように、下側循環孔18b及び上側循環孔18aのずれ量が大きくなるに従って袖部17a,17bの変形によるスライダ上面の変位量が小さくなる。したがって、上述した実施形態のように、転動体上側循環孔18aを転動体下側循環孔18bよりもスライダ12の内側面側に設けることで、引張方向の外部荷重FTによる袖部17a,17bの変形によるスライダ上面の変位量を小さく抑えることができるので、スライダのサイズを大きくせずに直動案内装置の剛性を高めることができる。
また、上述した実施形態のように、エンドキャップ13a,13bの左側方向転換部20aに形成された方向転換路21,22の転換路長L1L,L2Lとエンドキャップ13a,13bの右側方向転換部20bに形成された方向転換路21,22の転換路長L1R,L2RをL1L=L1R、L2L=L2Rとしたことで、エンドキャップ13a,13bの構造が左右対称の構造となるので、スライダ12の前端側と後端側でエンドキャップの構造を変えることなく直動案内装置を組立てることができる。
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではない。たとえば上述した実施の形態では、案内レールとスライダとの間に組み込まれる転動体として円筒ころ状に形成されたものを用いたが、球状に形成されたものを転動体として用いてもよい。
本発明の第1の実施形態に係る直動案内装置の斜視図である。 図1に示す直動案内装置の正面図である。 図2のIII−III線に沿う断面図である。 図2のIV−IV線に沿う断面図である。 図1に示すスライダの正面図である。 図1に示すエンドキャップの背面図である。 下側循環孔の位置を変更した場合における圧縮方向の外部荷重によるスライダ袖部の変形量を示す図である。 上側循環孔の位置を変更した場合における圧縮方向の外部荷重によるスライダ袖部の変形量を示す図である。 上側循環孔と下側循環孔の位置を変更した場合における圧縮方向の外部荷重によるスライダ袖部の変形量を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る直動案内装置の正面図である。 図10のXI−XI線に沿う断面図である。 図10のXII−XII線に沿う断面図である。 図10に示すスライダの正面図である。 図10に示すエンドキャップの背面図である。 下側循環孔の位置を変更した場合における引張方向の外部荷重によるスライダ袖部の変形量を示す図である。 上側循環孔の位置を変更した場合における引張方向の外部荷重によるスライダ袖部の変形量を示す図である。 上側循環孔と下側循環孔の位置を変更した場合における引張方向の外部荷重によるスライダ袖部の変形量を示す図である。 第1の従来例を示す図である。 第2の従来例を示す図である。 スライダの弾性変形を示す図である。
符号の説明
11 案内レール
12 スライダ
13a,13b エンドキャップ
14a 上側転動体軌道
14b 下側転動体軌道
15a 上側転動体軌道
15b 下側転動体軌道
16 コロ状転動体
17a,17b 袖部
18a 転動体上側循環孔
18b 転動体下側循環孔
19 転動体循環通路
20a 左側方向転換部
20b 右側方向転換部
21 第1の方向転換路
22 第2の方向転換路
A1,A2 接触角線

Claims (7)

  1. 案内レールと、この案内レールの左右両側に袖部を有するスライダと、前記案内レールの左右側面に形成された転動体軌道と前記スライダの左右内側面に形成された転動体軌道との間に設けられた多数の転動体と、前記スライダの前後方向両端に取り付けられ前記転動体を方向転換させるための右側方向転換部および左側方向転換部を前記案内レールの左右両側に有するエンドキャップとを備えた直動案内装置において、
    前記スライダの各袖部に、前記転動体を循環させるための転動体上側循環孔と転動体下側循環孔を前記袖部の横幅方向にずらして設けたことを特徴とする直動案内装置。
  2. 請求項1記載の直動案内装置において、前記転動体上側循環孔を前記転動体下側循環孔よりも前記袖部の内側面側に設けたことを特徴とする直動案内装置。
  3. 請求項2項記載の直動案内装置において、前記転動体上側循環孔から前記袖部の内側面下部に形成された転動体軌道までの距離をA、前記転動体下側循環孔から前記袖部の内側面上部に形成された転動体軌道までの距離をBとしたとき、A<Bの関係を満たす位置に前記転動体上側循環孔および前記転動体下側循環孔を設けたことを特徴とする直動案内装置。
  4. 請求項1記載の直動案内装置において、前記転動体上側循環孔を前記転動体下側循環孔よりも前記袖部の外側面側に設けたことを特徴とする直動案内装置。
  5. 請求項4項記載の直動案内装置において、前記転動体上側循環孔から前記スライダの内側面下部に形成された転動体軌道までの距離をA、前記転動体下側循環孔から前記スライダの内側面上部に形成された転動体軌道までの距離をBとしたとき、A>Bの関係を満たす位置に前記転動体上側循環孔および前記転動体下側循環孔を設けたことを特徴とする直動案内装置。
  6. 前記右側方向転換部および左側方向転換部は、前記案内レールの上側転動体軌道を転動する転動体を方向転換させるための第1の方向転換路と前記案内レールの下側転動体軌道を転動する転動体を方向転換させるための第2の方向転換路を夫々有し、前記第1の方向転換路の転換路長と前記第2の方向転換路の転換路長とを異なる長さとしたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の直動案内装置。
  7. 請求項6記載の直動案内装置において、前記エンドキャップの左側方向転換部に形成される前記第1の方向転換路の転換路長をL1L、前記エンドキャップの右側方向転換部に形成される前記第1の方向転換路の転換路長をL1R、前記エンドキャップの左側方向転換部に形成される前記第2の方向転換路の転換路長をL2L、前記エンドキャップの右側方向転換部に形成される前記第2の方向転換路の転換路長をL2Rとしたとき、前記第1及び第2の方向転換路の転換路長をL1L=L1R、L2L=L2Rとしたことを特徴とする直動案内装置。
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